JP2005265604A - X線ビームの断面積の縮小方法及び装置並びにx線生成装置及び方法 - Google Patents

X線ビームの断面積の縮小方法及び装置並びにx線生成装置及び方法 Download PDF

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共榮 深町
Riichiro Negishi
利一郎 根岸
Masami Yoshizawa
正美 吉沢
Takaaki Kawamura
隆明 川村
Toshio Sakamaki
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Abstract

【課題】平行光のビームを発生するX線生成装置を提供する。
【解決手段】所定断面積のX線ビームを出射するX線源と、このX線源から入射したX線ビームが表面11a及び裏面11bに沿って結晶内を伝播する方向に側面11cが位置するように配置した第1板状結晶11と、第1板状結晶11から入射したX線ビームが表面12a及び裏面12bに沿って結晶内を伝播する方向に側面12cが位置するように配置した第2板状結晶12とを有し、X線源から出射したX線ビームを第1板状結晶11へ入射し、この第1板状結晶11の側面11cから出射したX線ビームを第2板状結晶12へ入射し、この第2板状結晶12の側面12cからX線ビームを出射する。
【選択図】図8

Description

本発明は、X線源から出射されたX線ビームの断面積を縮小するX線ビームの縮小方法及び装置並びにほぼ平行光の高輝度X線ビームを生成するX線生成装置及び方法に関する。
従来、例えば蛍光X線分光法に利用するため、径の小さいX線ビームであるいわゆるマイクロビームを生成するX線生成装置が提供されている。蛍光X線分光法は、1次X線の照射により励起された試料から放射される2次X線を分光することにより、試料の組成等を分析するものである。この蛍光X線分光法では、試料をX線マイクロビームで走査することにより、例えば試料における元素の分布を観察した「元素マップ」を作成することができる。
図9は、従来のX線生成装置の一つの例を示す図である。
このX線生成装置において、第1ローランド円C1上にあるX線源101から発したX線は、湾曲した結晶格子を有するヨハンソン型分光結晶による第1モノクロメータ102によって、第2ローランド円C2上であって、第1ローランド円C1との交点の近傍に線状に収束するように回折される。この第1モノクロメータ102によって回折されたX線は、その母線が第1モノクロメータ102の母線と垂直になるように配置されたヨハンソン型分光結晶による第2モノクロメータ103によって、第3ローランド円C3上であって第2ローランド円C2との交点の収束点105に点状に収束される。このようなX線生成装置については、例えば特許文献1に記載されている。
図10は、従来のX線生成装置の他の例を示す図である。
このX線生成装置において、X線源111から発したX線は、X線を収束するように湾曲された多数束ねられたキャピラリ112によって導かれ、収束点113に点状に収束する。このようなX線生成装置については、例えば特許文献2に記載されている。
特開平8−82699号公報 特公平7−40080号公報
ところで、前述のような従来のX線生成装置は、X線ビームを一つの収束点に対して集光するものであった。すなわち、これらのX線生成装置から出射されたX線ビームは収束光であるため、収束点に近づくとともに集光度が増加し、この収束光は収束点を過ぎると拡散光となって集光度が次第に低下する。したがって、このような装置を用いて所望の集光度のX線を試料に照射するためには、試料をX線ビームの集光点の近傍に位置させる必要があった。
本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、ほぼ平行光のX線ビームを発生することにより、試料のX線ビームの光軸方向の位置に関わらず所望の集光度が得られるようにX線ビームの断面積を縮小するX線ビームの断面積の縮小方法及び装置並びにかかるX線ビームを出射するX線生成装置及び方法を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明に係るX線ビームの断面積の縮小方法は、平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第1板状結晶の前記表面へ所定断面積のX線ビームを入射し、該入射X線ビームを前記第1板状結晶の前記側面から出射させることにより、前記入射X線ビームの断面積より小さい断面積を有するX線ビームを出力するものである。
前記X線ビームは、ボルマン効果の生じる入射角度で前記第1板状結晶に入射されることが好ましい。
前記ボルマン効果の生じる入射角度の領域は、10秒の幅を有することが好ましい。
前記第1板状結晶の前記側面は、前記第1板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することが好ましい。
前記X線ビームは、前記第1板状結晶内を多重反射により伝播することが好ましい。
前記第1板状結晶の前記側面から出射される前記X線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることが好ましい。
前記X線ビームの断面の短軸方向の幅は、前記第1板状結晶の厚みとほぼ等しいことが好ましい。
平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第2板状結晶の前記表面へ前記第1板状結晶から出射されたX線ビームを入射し、該入射X線ビームを前記第2板状結晶の前記側面から出射させることにより、前記入射X線ビームの断面積より小さい断面積を有するX線ビームを出力することが好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、ボルマン効果の生じる入射角度で前記第2板状結晶に入射されることが好ましい。
前記ボルマン効果の生じる入射角度の領域は、10秒の幅を有することが好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、前記第2板状結晶の表面におけるその断面の長軸方向が前記第2板状結晶の側面の長軸方向と直交するように前記第2板状結晶へ入射が好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、その伝播ベクトルが前記第2板状結晶の前記側面の長軸方向と直交するように入射されることが好ましい。
前記第2板状結晶の前記側面は、前記第2板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することことが好ましい。
前記X線ビームは、前記第2板状結晶内を多重反射により伝播することが好ましい。
前記第2の板状結晶の前記側面から出射される前記X線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることが好ましい。
前記X線ビームの断面の短軸方向の幅は、前記第2板状結晶の厚みとほぼ等しいことが好ましい。
本発明に係るX線ビームの断面積の縮小装置は、所定断面積のX線ビームを出射するX線源と、平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第1板状結晶と、を有し、前記X線源から出射したX線ビームを前記第1板状へ入射し、該入射X線ビームを前記第1板状結晶の前記側面から出射させることにより、前記入射X線ビームの断面積より小さい断面積を有するX線ビームを出力することが好ましい。
前記X線は、ボルマン効果の生じる入射角度で前記第1板状結晶に入射されることが好ましい。
前記第1板状結晶の前記側面は、前記第1板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することが好ましい。
平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第2板状結晶をさらに有し、前記第1板状結晶から出射したX線ビームを前記第2板状結晶へ入射し、該入射X線ビームを前記第2板状結晶の前記側面から出射させることにより、前記入射X線ビームの断面積より小さい断面積を有するX線ビームを出力することが好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線は、ボルマン効果の生じる入射角度で前記第2板状結晶に入射されることが好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、前記第2板状結晶の表面におけるその断面の長軸方向が前記第2板状結晶の側面の長軸方向と直交するように前記第2板状結晶へ入射されるが好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、その伝播ベクトルが前記第2板状結晶の前記側面の長軸方向と直交するように入射されることが好ましい。
前記第2板状結晶の前記側面は、前記第2板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することが好ましい。
本発明係るX線生成装置は、所定断面積のX線ビームを出射するX線源と、平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有し、前記X線源から入射したX線ビームが前記表面及び裏面に沿って結晶内を伝播する方向に前記側面が位置するように配置した第1板状結晶と、平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有し、前記第1板状結晶から入射したX線ビームが前記表面及び裏面に沿って結晶内を伝播する方向に前記側面が位置するように配置した第2板状結晶と、を有し、前記X線源から出射したX線ビームを前記第1板状結晶へ入射し、前記第1板状結晶の前記側面から出射したX線ビームを前記第2板状結晶へ入射し、前記第2板状結晶の前記側面からX線ビームを出射するものである。
前記第1板状結晶は、前記X線源から出射されるX線ビームがボルマン効果の生じる入射角度で入射されるように配置されることが好ましい。
前記第2板状結晶は、前記第1板状結晶から出射されるX線ビームがボルマン効果の生じる入射角度で入射されるように配置が好ましい。
前記ボルマン効果の生じる入射角度の領域は、10秒の幅を有することが好ましい。
前記第2板状結晶は、前記第1板状結晶から出射されるX線ビームが、前記第2板状結晶の表面におけるその断面の長軸方向が前記第2板状結晶の側面の長軸方向と直交するように配置されるが好ましい。
前記第2板状結晶は、前記第1板状結晶から出射されるX線ビームが、その伝播ベクトルが前記第2板状結晶の前記側面の長軸方向と直交するように配置されることが好ましい。
前記第1の板状結晶の前記側面は、前記第1の板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することが好ましい。
前記第2の板状結晶の前記側面は、前記第2の板状結晶の表前記面及び裏面に対して直交することが好ましい。
前記第1の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることが好ましい。
前記第1の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面の短軸方向の幅は、前記第1板状結晶の厚みとほぼ等しいことが好ましい。
前記第2板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面の寸法は、前記第1及び第2板状結晶の厚みによって定まることが好ましい。
本発明に係るX線生成方法は、X線源から所定断面積のX線ビームを出射し、平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第1板状結晶へ前記X線源から出射されたX線ビームを所定入射角で入射し、該入射X線ビームを前記第1板状結晶内でその側面に向かって伝播させ、前記第1板状結晶内を伝播した該入射X線ビームを前記側面から出射させ、平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第2板状結晶へ前記第1板状結晶から出射されたX線ビームを所定入射角で入射し、該入射X線ビームを前記第2板状結晶内でその側面に向かって伝播させ、前記第2板状結晶内を伝播した該入射X線ビームを前記側面から出射させるものである。
前記X線源から出射されたX線ビームが前記第1板状結晶へ入射される前記所定入射角は、ボルマン効果の生じる入射角度であることが好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線ビームが前記第2板状結晶へ入射される前記所定入射角は、ボルマン効果の生じる入射角度であることが好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、前記第2板状結晶の表面におけるその断面の長軸方向が前記第2板状結晶の側面の長軸方向と直交するように前記第2板状結晶へ入射されることが好ましい。
前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、その伝播ベクトルが前記第2板状結晶の前記側面の長軸方向と直交するように入射されることが好ましい。
前記第1の板状結晶の前記側面は、前記第1の板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することが好ましい。
前記第2の板状結晶の前記側面は、前記第2の板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することが好ましい。
前記第1の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることが好ましい。
前記第1の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面の短軸方向の幅は、前記第1板状結晶の厚みとほぼ等しいことが好ましい。
前記第2の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることが好ましい。
前記第2板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面の寸法は、前記第1及び第2板状結晶の厚みによって定まることが好ましい。
前述のようなX線ビームの断面積の縮小方法及び装置並びにX線生成装置及び方法によると、ほぼ平行光のビームを発生することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を例示的に示すものであって、本発明はこれに限定されるものではない。なお、この実施の形態を通じて、共通する部材は同一の符号で参照することにする。
〔本実施の形態の原理〕
幅広い入射X線ビームを薄い結晶の表面から注入し、それを結晶内に閉じ込め、進行波管における電波のように結晶表面に平行して進むX線ビームがその密度を次第に上げ、結晶の側面から高密度化されたビームが取り出せる方法をここに提案し、その原理の正当性を示すため、Geの薄い結晶を用い、放射光実験でビーム密度化が図れること検証した。この方法は、極めて平行性の良い高密度マイクロビームの生成やX線レーザに関する研究に役立つものと期待される。
1.X線閉じ込め効果とビームの高密度化
なぜ結晶内でX線の吸収係数がゼロとなり薄膜結晶が導波管のようになるのか共鳴動力学理論により説明する。その基礎となる考え方はT. Fukamachi, R. Negishi, S. Zhou, M. Yoshizawa and T. Kawamura : Acta Cryst. A58 (2002) 552.(以下では文献1という。)による。ブラッグ配置(入射ビーム側の結晶表面から回折ビームが得られる配置、図1参照)においては、トムソン散乱による正常原子散乱因子(f)による動力学回折と、原子共鳴散乱による異常散乱因子(f’+if’’)の虚数部だけによるそれとはかなり異なった効果がある。ここで、原子散乱因子の実数部(f+f’)と虚数部(f’’)との割合を見積もる量として、
u=(|Fhr−|Fhi)/(|Fhr+|Fhi
を用いる。ここでFhrはf+f’による結晶構造因子で、Fhiはf’’によるものである。従って、Fhrだけではu=1、Fhiだけではu=−1である。
u=1(ここではfのみ)の回折の様子を図1(a)及び(b)に示す。ここで結晶は、平行平板でその厚さをHとする(sは結晶構造因子に比例した量(文献1))。そして、Rは反射率、Rは透過率である。Wは、ブラッグ条件の角度からの差を規格化した量である。図1(a)ではRは、−1<W<1の幅広い角度幅においてほぼ100%で、図1(b)が示すようにRは反射率、R+R=1の関係があるので結晶内にX線は残らない(通常のX線回折は、この様な条件下で行われている)。u=−1では図1(c)が示すように、W=0でR,R共に最大25%の鋭いピークとなる。そしてR+R=0.5であるので図1(d)が示すように結晶内に50%のX線が残る(計算にはR. Negishi, T. Fukamachi, M. Yoshizawa, S. Zhou, Z. Xu, T. Kawamura, I. Matsumoto, T. Sakamaki and T. Nakajima:J. App. Cryst. 31(1998)351(以下では文献2という。)の式を用いた)。このX線がどうなるのか次に考察する。
図2(a),(b),(c)に複素分散面(文献1)(実数部が実線、虚数部が点線)を示す。図2(a)u=1、図2(b)u=−1、そして、図2(c)は、FhrとFhiとが共存しu=0.98である。動力学効果により結晶内の線吸収係数μは平均の線吸収係数μと異なり、その大きさは、μ=|k0i|/2である。ここでk0iは結晶内の波数ベクトルの虚数部である。図2(a)において、W=0で|k0i|は大きな値をとるが、図2(b)のk0iはゼロであるので、後者は結晶によるX線の吸収が完全に消える(μ=0)。図2(a)のFhrだけの回折ではμを異常増大させる効果があり、その結果、X線は結晶内に入れず表面層だけの原子が散乱して高い反射率を示す(消衰効果)。図2(b)のFhiだけの回折では、μを異常減少させる効果があり、X線は結晶内奥深く侵入し結晶内原子すべてが協調して散乱することによって高い反射率を示す(ボルマン効果)(文献1)。ここではこの回折をボルマン回折と呼ぶ。図2(c)では、法線Aの角度では、図2(a)と同様に|k0i|は大きな値をとり、そして法線Bの角度では、図2(b)と同様にk0iはゼロであるので吸収が完全に消える。よってFhrとFhiが共存すると同一の反射で消衰効果とボルマン効果の二つの角度領域がある。k0iがゼロとなる角度で、どれだけのX線が結晶内に残るか計算で調べた結果、sH=1において、u=−1で50%、0で40%、0.98で9%であり、1で0%である。なお、実際の結晶の多くは図2(c)のような性質を示す。
図1(d)の結晶内に残ったX線は、図3(a)が示すように結晶が導波管の役割をするので吸収されることなく結晶内を進行してやがて側面に到着し、そしてそこで入射方向と回折方向にX線が分離して飛び出すと推測される。これが正しければ図3(b)に示すように、結晶に幅広いX線ビームを入射したとしても結晶内の進行波は結晶の厚さで制限されるためビームの密度が高まりそして平行性の良いま取り出せることになる。
2.実験
以上の効果を調べるために、実験はKEK−PFのビームライン15Cで行った。その光学系を図4に示す。放射光をSi 111反射を用いたダブルモノクロメータとGeの220反射のモノクロメータとで単色化と平行性を高め、そのビームを縦幅約30μm、横幅500μmとした。試料結晶の厚さは30μmである。撮影に用いた原子核乾板は、イルフォード社の乳膜が25μmのものである。220反射を選んだのは、熱散漫散乱による吸収を極力おさえるためである。X線のエネルギーは、Geの吸収端より1eV低エネルギー側(11102eV)を選んだ。その理由は、原子散乱因子の実数部成分に対し虚数部成分の比率を高めて少しでも結晶内に残るX線量を増やすためである
測定されたロッキングカーブを図5に示す。このロッキングカーブは、図4の光学系において乾板直前のGe 220を回転させて測定したものである。図中の折線aは回折強度であり、折線bは透過強度である。横軸の単位は秒であり、ブラッグ反射を起こす角度を0とした。矢印Aの角度では回折波が観測されて透過波がほとんど観測されないことから消衰効果の角度領域とした。また矢印Bの角度では回折波の強度は減少しているが、透過波の強度が最大となっているのでここをボルマン効果の角度領域とした。ここで、ボルマン効果は透過光を伴うので、透過光を検出することでボルマン効果の存在を確認することができる。この実験では、少なくとも、ボルマン効果は折線bの透過強度が大きい例えば0秒乃至10秒の角度領域で起こっている。ボルマン効果はブラッグ角から数秒程度離れた角度(矢印B)で最大となっているが、結晶によってはブラッグ角においてボルマン効果が最大となることもある。いずれにせよ、ボルマン効果はブラッグ角から±数秒程度以内の入射光で最大となる。角度A,Bでの写真を図6に示す。図6(a)の写真は角度Aで、図6(b)の写真は角度Bである。この写真のコントラストは強度が強いと黒くなる。図6(a)では、反射波像見えても側面回折像は見えない。図6(b)では、反射波像、反射方向の側面回折像、透過波像、透過方向の側面回折像とが観測されている。さらに、側面回折像には、干渉縞が観測されている。図6(c)は、ビーム幅60μm、図6(d)は、120μmのビームを入射した時のボルマン角度領域の写真である。図6(b),(c),(d)と比較して、入射ビーム幅が増えるに従って側面回折の強度が増えていることが分かる。
3.結論
以上実験結果から次の事柄を得ることができる。
(1)消衰効果の角度領域では側面回折が観測されなかった。
(2)ボルマン効果の角度領域においてはX線閉じ込め効果が観測された。この効果は、X線ビームが入射した所から側面に到着するまで結晶が導波管の役割をしてその間ビームが結晶外に出てこないことから確認された。
(3)結晶内に閉じ込められたX線ビームが側面に到達すると、反射方向と透過方向に分離して結晶外に出ることが確認された。
(4)側面回折には、結晶内の上底または下底での反射回数m(整数)とするとm>0においてBragg−(Bragg)−Laue型の干渉縞が観測された。
(5)入射ビーム幅の増大と共に側面回折ビーム密度の増加が観測された。
当実験で確認されたボルマン効果に基づくBragg−(Bragg)−Laue型の側面回折は多くの利用分野が考えられる。例えば、側面回折ビームは、平行性が良く、反射・透過の二方向に分離することから、ビームスプリッターとして利用でき、また干渉縞の測定は、精密な結晶構造因子の決定に役立つであろう。中でもX線の閉じ込め効果の特徴を生かしたビームの高密度化効果は、超高輝度マイクロビームの生成に役立つ事が期待される。ここで、入射ビームの電場をE、幅の増大率をn、X線が結晶内に閉じ込められる率をηとすれば、今回、実験に使用した偏向磁石からの第2世代の放射光ではそのビーム密度が低いため、結晶内のビーム密度はηn|Eに比例するものと思われる。今回の実験では、ηは約1%、nは1から7程度である。Geの220反射において、結晶の厚さをsH=1が満足するように薄くすると、ηは10〜15%、nは100程度が期待されるため、ηを10%としてηnを10程度まで高められる。ここで二つの結晶を用いてX方向(σ偏光にとる)とY方向(π偏光にとる)で高密度化してマイクロビームを取り出すと、偏光因子をPとすれば10×10×P/4で25倍に高密度化される。ここで、uを−1に近づけることでηが高められるし、また温度を下げて熱散漫散乱を減らすことで、nを増やすことができる。このような改善により、高輝度マイクロビームが得られるようになる。さらに第3世代の放射光であるアンジュレータ等の挿入デバイスからは空間コヒーレンスの良いX線ビームが得られ、η|nE、すなわちηnの高密度化ビームが得られる。このようにX線レーザの共振器の機能を持つ。以上の考察では、干渉縞の効果を含めていないが、これを考慮するならばさらなる高密度が期待できると思われる。
ここで提案するBragg−(Bragg)−Laue型のビーム密度増加(増幅)型の側面回折光学素子は、結晶表面からのX線注入が簡単で、しかも結晶内共鳴原子または共鳴核が発生するX線(γ線)と入射X線のエネルギーとを同調できる。このため内部発振可能なX線レーザへの応用に役立つものと期待される。
ここでは、原子共鳴散乱による実験結果を示したが核共鳴散乱でも同様の効果が期待され、特にレーザ効果の観測は、ライフタイムの長い核共鳴散乱の方が有利と思われる。
以下では、前述の原理によって実現した高輝度X線ビームを出射するX線生成装置の具体例について説明する。
〔第1の実施の形態〕
図7は、第1の実施の形態のX線生成装置の概略的な構成を示す斜視図である。
この第1の実施の形態のX線生成装置は、X線源と板状結晶を備え、この板状結晶を導光路(導波管)としてX線源から入射したX線ビームをその断面が線状になるように絞ることにより、高輝度な平行光による線状の断面のX線ビームを出射するものである。
すなわち、このX線生成装置は、図示しないX線源と、第1板状結晶11とを有する。X線源は、所定波長で所定断面積を有するX線ビームを出射する。X線源の波長は、第1板状結晶11でボルマン効果を生じ得る波長である。
第1板状結晶11は、平面状の表面11a及び裏面11bと、少なくとも一つの平面状の側面11cとを有する。この側面11cは、表面11a及び裏面11bに直交している。この第1板状結晶11には、格子欠陥の少ない、いわゆる完全結晶を用いる。
第1板状結晶11は、X線源から出射したX線ビームによる入射光21が、表面11a及び裏面11bに沿って結晶内を伝播する方向に前記側面11cがあるような位置であって、入射光21が第1板状結晶11においてボルマン効果を生じるような入射角度になるような位置で配置される。ここで、ボルマン効果の生じる入射角は、ブラッグ角の±数秒以内の範囲で側面回折光が最大になる位置として選択される。この入射角において、第1板状結晶11に入射した入射光21は、共鳴による多重散乱によってボルマン効果を生じる。なお、入射光21を有効に利用するため、入射光21となるX線ビームの実効的な径は入射面となる表面21aの大きさ以下であることが好ましい。
すなわち、X線源から第1板状結晶11の表面11aに入射された入射光21は、一部は通常の回折により反射されて第1反射光22となる。入射光21の内で第1反射光22となったもの以外は、第1板状結晶11内で多重散乱を生じ、一部はこの第1板状結晶11を透過する第1透過光23となり、残りは第1板状結晶11の表面11a及び裏面11b間で反射を繰り返し、この第1板状結晶11が導光路となって側面11cの方向に導かれる。
このように第1板状結晶11内を側面11cに向かって進む光は、側面11cに達すると、前記第1反射光22方向に進む第1出射光24と前記第1透過光23方向に進む第2出射光25となって側面11cから出射される。これら第1及び第2出射光24,25は、結晶格子による回折光であるため極めて平行度の高いものである。
ここで、側面11cより出射される第1及び第2出射光24,25は、ほぼ側面11cの断面形状を有し、断面は線状である。これら第1及び第2出射光24,25の断面の短軸方向の幅は、第1板状結晶11の表面11aと裏面11b間の距離である第1厚みとほぼ等しい。したがって、第1板状結晶11の第1厚みを設定することにより、所望の厚みを有する線状の断面の第1及び第2出射光24,25を得ることができる。
本実施の形態では、表面11a及び裏面11bの大きさに比べてこれら表面11a及び裏面11b間の第1厚みを小さくすることにより、断面の短軸方向の幅に比べて長軸方向の幅が大きい、前記長軸方向に伸びたほぼ線状の断面を有する第1及び第2出射光24,25を得るようにしている。これら第1及び第2出射光24,25は、入射光21となる所定断面積のX線ビームによる入射光21が線状の断面のX線ビームに絞られたものであるので、高輝度なものである。
このように、本実施の形態のX線生成装置からは、第1及び第2出射光24,25として、高輝度で平行光となった線状の断面のX線ビームが出射される。このようなX線生成装置は、例えば蛍光X線分光装置に適用することができる。このX線生成装置は、線状の断面のX線ビームを出射するので、試料における線状の微小領域の分析に好適である。
また、本実施の形態のX線生成装置は、高輝度の光を出射するので、試料の測定時間が短縮されるとともに、高SN比の信号が得られる。また、本実施の形態のX線生成装置は、平行光を出射するので、試料の光軸方向の位置調整が不要になり、使用者の負担を軽減する。
〔第2の実施の形態〕
図8は、第2の実施の形態のX線生成装置の概略的な構成を示す斜視図である。
この第2の実施の形態のX線生成装置は、X線源と2枚の板状結晶を備え、第1板状結晶を導光路(導波管)としてX線源から入射したX線ビームを断面が線状になるように絞り、さらに第2板状結晶を導光路(導波管)として第1板状結晶から出射された線状のX線ビームを点状に絞ることにより、高輝度な平行光による点状の断面のX線ビームを出射するものである。
すなわち、このX線生成装置は、図示しないX線源と、第1板状結晶11と、第2板状結晶12とを有する。X線源は、所定波長で所定断面積を有するX線ビームを出射する。X線源の波長は、第1及び第2板状結晶11,12でボルマン効果を生じ得る波長である。
第1板状結晶11は、平面状の表面11a及び裏面11bと、少なくとも一つの平面状の側面11cとを有する。この側面11cは、表面11a及び裏面11bに直交している。この第1板状結晶11には、格子欠陥の少ない、いわゆる完全結晶を用いる。
第1板状結晶11は、X線源から出射したX線ビームによる入射光21が、表面11a及び裏面11bに沿って結晶内を伝播する方向に前記側面11cがあるような位置であって、前記入射光21が第1板状結晶11においてボルマン効果を生じるような入射角度になるような位置で配置される。ここで、ボルマン効果の生じる入射角は、ブラッグ角の±数秒以内の範囲で側面回折光が最大になる位置として選択される。この入射角において、第1板状結晶11に入射した入射光21は、共鳴による多重散乱によってボルマン効果を生じる。なお、入射光21を有効に利用するため、入射光21となるX線ビームの実効的な径は入射面となる表面21aの大きさ以下であることが好ましい。
第2板状結晶12は、平面状の表面12a及び裏面12bと、少なくとも一つの平面状の側面12cとを有する。この側面12cは、表面12a及び裏面12bに直交している。この第2板状結晶12には、格子欠陥の少ない、いわゆる完全結晶を用いる。
第2板状結晶12は、(1)第1板状結晶11から出射した線状の断面の第1出射光24が、表面12a及び裏面12bに沿って結晶内を伝播する方向に前記側面12cがあるような位置で、(2)第1出射光24の第2板状結晶12の表面12aにおける断面の長軸方向が第2板状結晶21の側面12cの長軸方向と直交するような位置で、(3)第1出射光24が第2板状結晶12においてボルマン効果を生じるような入射角度になるような位置で配置される。
ここで、(1)の条件によって第2板状結晶12に入射した第1出射光24の伝播する方向に側面12cが存在することが保証される。また、(2)の条件によって、第2板状結晶12内において、その側面12cと直交する方向が入射される第1出射光24の断面の長軸方向になることが保証される。したがって、第2板状結晶12に入射した第1出射光24は、第2板状結晶12内においてその側面12cに対して直交する、一定の幅のビームとなって結晶内部を伝播する。(3)のボルマン反射の条件については、第1板状結晶11の場合と同様である。
さらに、(4)第1出射光25の伝播ベクトルと第2板状結晶12の側面12cの長軸が直交することが好ましい。前記(3)の条件によって第1出射光24が第2板状結晶12内において側面12cに向かって一定幅のビームとして進むことが保証されたが、この(4)の条件によって第2板状結晶12内におけるこのビームの幅が第1板状結晶11の厚み程度になることが保証される。
すなわち、この(4)の条件は、(3)の条件と併せると、線状の断面の第1出射光24を含む面、すなわち第1出射光24の伝播ベクトルとその断面の長軸方向のベクトルによって規定される平面が、第2板状結晶12の側面12cの長軸方向と直交することを保証する。
ある第1及び第2板状結晶11,12が与えられた場合、(1)〜(4)の条件が全て満たされる場合に最も細い第3又は第4出射光28,29が得られ、その断面は、一方向をほぼ第1板状結晶11の厚み、他方向をほぼ第2板状結晶12の厚みとする矩形となる。
ただし、(4)の条件は必須のものではなく、第1出射光25の伝播ベクトルと第2板状結晶12の側面12cの長軸のなす角が90度に近ければよく、好ましくは90度±30度の範囲、より好ましくは90度±20度、さらにより好ましくは90度±10度の範囲にあればよい。本実施の形態では、この角度はほぼ30度である。
第2板状結晶12においてボルマン効果の生じる入射角は、ブラッグ角の±数秒以内の範囲で側面回折光が最大になる位置として選択される。この入射角において、第2板状結晶12に入射した第1出射光24は、共鳴による多重散乱によってボルマン効果を生じる。なお、第1出射光24を有効に利用するため、第1出射光24となるX線ビームの実効的な径は表面12aの大きさ以下であることが好ましい。
本実施の形態では、第1板状結晶11の側面11cから出射された第1及び第2出射光24,25の内、第1出射光24が第2板状結晶12の表面12aに入射される。第1板状結晶11からの第1出射光24については、前述の第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
第2板状結晶12の表面12aに入射された第1出射光24は、一部は通常の回折により反射されて第2反射光26となる。入射された第1出射光25の内で第2反射光26となったもの以外は、第2板状結晶12内で多重散乱を生じ、一部はこの第2板状結晶12を透過する第2透過光27となり、残りは第2板状結晶12の表面12a及び裏面12b間で反射を繰り返し、この第2板状結晶12が導光路となって側面12cの方向に導かれる。
このように第2板状結晶12内を側面12cに向かって進む光は、側面12cに達すると、前記第2反射波26方向に進む第3出射光28と前記第2透過光27方向に進む第4出射光29となって側面12cから出射される。これら第3及び第4出射光28,29は、結晶格子による回折光であるため極めて平行度の高いものである。
ここで、第2板状結晶12には、第1出射光24が、この第1出射光24の第2板状結晶12の表面12aにおける断面の長軸方向が第2板状結晶21の側面12cの長軸方向と直交するような位置で、かつ第1出射光24の伝播ベクトルと第2板状結晶12の側面12cの長軸方向が90度に近い角度になるような位置で入射される。
すなわち、第2板状結晶12には、第1出射光24が、線状の断面の第1出射光24を含む平面が第2板状結晶12の側面12cの長軸方向とほぼ直交するように入射される。
したがって、側面12cより出射される第3及び第4出射光28,29は、この側面12cの長軸方向には前記第1厚みとほぼ等しい幅を有し、前記側面12cの短軸方向には第2板状結晶12の表面12aと裏面12b間の距離である第2厚みとほぼ等しい幅を有する、ほぼ矩形状の断面を有する。したがって、第1の板状結晶11の第1厚み及び第2板状結晶12の第2厚みに基づいて、第3及び第4出射光24,25の断面が所望の寸法になるように設定できる。
本実施の形態では、第1板状結晶11の表面11a及び裏面11bの大きさに比べてこれら表面11a及び裏面11b間の距離である第1厚みを小さくし、さらに第2板状結晶12において表面12a及び裏面12bの大きさに比べてこれら表面12a及び裏面12b間の距離である第2厚みを小さくすることで、前記第3及び第4出射光28,29の断面の寸法が第1及び第2の板状結晶11,12の側面11c,12cの長軸方向に比べて小さい、ほぼ点状の断面を有する第3及び第4出射光28,29を得るようにしている。これら第3及び第4出射光28,29は、入射光21となる所定断面積のX線ビームによる入射光21がほぼ点状の断面のX線ビームに絞られたものであるので、高輝度なものである。
このように、本実施の形態のX線生成装置からは、第3及び第4出射光28,29として、高輝度で平行光となった点状の断面のX線ビームが出射される。このようなX線生成装置は、例えば蛍光X線分光装置に適用することができる。このX線生成装置は、点状の断面のX線ビームを出射するので、試料における点状の微小領域の分析に好適である。
また、本実施の形態のX線生成装置は、高輝度の光を出射するので、測定時間が短縮されるとともに、高SN比の信号が得られる。また、本実施の形態のX線生成装置は、平行光を出射するので、試料の光軸方向の位置調整が不要になり、使用者の負担を軽減する。
なお、前述の実施の形態においては、第1板状結晶11から出射される第1出射光24を第2板状結晶12に入射するものとしたが、本発明はこれに限定されない。第1板状結晶11から出射される第2出射光25を第2板状結晶12に入射することにより、点状のビームを得ることもできる。
回折条件と透過率と反射率曲線を示す図である。 複素分散面を示す図である。 薄い結晶におけるX線ビームの高密度化を説明する図である。 測定系の概念図である。 測定したロッキングカーブを示す図である。 透過像、反射像及び側面回折像を示す図である。 第1の実施の形態のX線生成装置の概略的な構成を示す斜視図である。 第2の実施の形態のX線生成装置の概略的な構成を示す斜視図である。 従来のX線生成装置の一例を示す図である。 従来のX線生成装置の他の例を示す図である。
符号の説明
11 第1板状結晶
11a 第1板状結晶の表面
11b 第1板状結晶の裏面
11c 第1板状結晶の側面
12 第2板状結晶
12a 第2板状結晶の表面
12b 第2板状結晶の裏面
12c 第2板状結晶の側面
21 入射光
22 第1反射光
23 第1透過光
24 第1出射光
25 第2出射光
26 第2反射光
27 第2透過光
28 第3出射光
29 第4出射光

Claims (46)

  1. 平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第1板状結晶の前記表面へ所定断面積のX線ビームを入射し、
    該入射X線ビームを前記第1板状結晶の前記側面から出射させることにより、前記入射X線ビームの断面積より小さい断面積を有するX線ビームを出力すること
    を特徴とするX線ビームの断面積の縮小方法。
  2. 前記X線ビームは、ボルマン効果の生じる入射角度で前記第1板状結晶に入射されることを特徴とする請求項1記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  3. 前記ボルマン効果の生じる入射角度の領域は、10秒の幅を有することを特徴とする請求項2記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  4. 前記第1板状結晶の前記側面は、前記第1板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  5. 前記X線ビームは、前記第1板状結晶内を多重反射により伝播することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  6. 前記第1板状結晶の前記側面から出射される前記X線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  7. 前記X線ビームの断面の短軸方向の幅は、前記第1板状結晶の厚みとほぼ等しいことを特徴とする請求項6記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  8. 平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第2板状結晶の前記表面へ前記第1板状結晶から出射されたX線ビームを入射し、
    該入射X線ビームを前記第2板状結晶の前記側面から出射させることにより、前記入射X線ビームの断面積より小さい断面積を有するX線ビームを出力する請求項1乃至7のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  9. 前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、ボルマン効果の生じる入射角度で前記第2板状結晶に入射されることを特徴とする請求項8記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  10. 前記ボルマン効果の生じる入射角度の領域は、10秒の幅を有することを特徴とする請求項9記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  11. 前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、前記第2板状結晶の表面におけるその断面の長軸方向が前記第2板状結晶の側面の長軸方向と直交するように前記第2板状結晶へ入射されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  12. 前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、その伝播ベクトルが前記第2板状結晶の前記側面の長軸方向と直交するように入射されることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  13. 前記第2板状結晶の前記側面は、前記第2板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  14. 前記X線ビームは、前記第2板状結晶内を多重反射により伝播することを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  15. 前記第2の板状結晶の前記側面から出射される前記X線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることを特徴とする請求項8乃至14のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  16. 前記X線ビームの断面の短軸方向の幅は、前記第2板状結晶の厚みとほぼ等しいことを特徴とする請求項15記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  17. 所定断面積のX線ビームを出射するX線源と、
    平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第1板状結晶と、
    を有し、
    前記X線源から出射したX線ビームを前記第1板状へ入射し、該入射X線ビームを前記第1板状結晶の前記側面から出射させることにより、前記入射X線ビームの断面積より小さい断面積を有するX線ビームを出力すること
    を特徴とするX線ビームの断面積の縮小装置。
  18. 前記X線は、ボルマン効果の生じる入射角度で前記第1板状結晶に入射されることを特徴とする請求項17記載のX線ビームの断面積の縮小装置。
  19. 前記第1板状結晶の前記側面は、前記第1板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することを特徴とする請求項17又は18のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小装置。
  20. 平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第2板状結晶をさらに有し、前記第1板状結晶から出射したX線ビームを前記第2板状結晶へ入射し、該入射X線ビームを前記第2板状結晶の前記側面から出射させることにより、前記入射X線ビームの断面積より小さい断面積を有するX線ビームを出力することを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小装置。
  21. 前記第1板状結晶から出射されたX線は、ボルマン効果の生じる入射角度で前記第2板状結晶に入射されることを特徴とする請求項20記載のX線ビームの断面積の縮小装置。
  22. 前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、前記第2板状結晶の表面におけるその断面の長軸方向が前記第2板状結晶の側面の長軸方向と直交するように前記第2板状結晶へ入射されることを特徴とする請求項20又は21記載のX線ビームの断面積の縮小装置。
  23. 前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、その伝播ベクトルが前記第2板状結晶の前記側面の長軸方向と直交するように入射されることを特徴とする請求項20乃至22のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小方法。
  24. 前記第2板状結晶の前記側面は、前記第2板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することを特徴とする請求項20乃至23のいずれかに記載のX線ビームの断面積の縮小装置。
  25. 所定断面積のX線ビームを出射するX線源と、
    平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有し、前記X線源から入射したX線ビームが前記表面及び裏面に沿って結晶内を伝播する方向に前記側面が位置するように配置した第1板状結晶と、
    平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有し、前記第1板状結晶から入射したX線ビームが前記表面及び裏面に沿って結晶内を伝播する方向に前記側面が位置するように配置した第2板状結晶と、
    を有し、
    前記X線源から出射したX線ビームを前記第1板状結晶へ入射し、前記第1板状結晶の前記側面から出射したX線ビームを前記第2板状結晶へ入射し、前記第2板状結晶の前記側面からX線ビームを出射すること
    を特徴とするX線生成装置。
  26. 前記第1板状結晶は、前記X線源から出射されるX線ビームがボルマン効果の生じる入射角度で入射されるように配置されることを特徴とする請求項25記載のX線生成装置。
  27. 前記第2板状結晶は、前記第1板状結晶から出射されるX線ビームがボルマン効果の生じる入射角度で入射されるように配置されることを特徴とする請求項25又は26記載のX線生成装置。
  28. 前記ボルマン効果の生じる入射角度の領域は、10秒の幅を有することを特徴とする請求項26又は27記載のX線生成装置。
  29. 前記第2板状結晶は、前記第1板状結晶から出射されるX線ビームが、前記第2板状結晶の表面におけるその断面の長軸方向が前記第2板状結晶の側面の長軸方向と直交するように配置されることを特徴とする請求項25乃至28のいずれかに記載のX線生成装置。
  30. 前記第2板状結晶は、前記第1板状結晶から出射されるX線ビームが、その伝播ベクトルが前記第2板状結晶の前記側面の長軸方向と直交するように配置されることを特徴とする請求項25乃至29のいずれかに記載のX線生成装置。
  31. 前記第1の板状結晶の前記側面は、前記第1の板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することを特徴とする請求項25乃至30のいずれかに記載のX線生成装置。
  32. 前記第2の板状結晶の前記側面は、前記第2の板状結晶の表前記面及び裏面に対して直交することを特徴とする請求項25乃至31のいずれかに記載のX線生成装置。
  33. 前記第1の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることを特徴とする請求項25乃至32のいずれかに記載のX線生成装置。
  34. 前記第1の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面の短軸方向の幅は、前記第1板状結晶の厚みとほぼ等しいことを特徴とする請求項33記載のX線生成装置。
  35. 前記第2板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面の寸法は、前記第1及び第2板状結晶の厚みによって定まることを特徴とする請求項25乃至34のいずれかに記載のX線生成装置。
  36. X線源から所定断面積のX線ビームを出射し、
    平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第1板状結晶へ前記X線源から出射されたX線ビームを所定入射角で入射し、
    該入射X線ビームを前記第1板状結晶内でその側面に向かって伝播させ、
    前記第1板状結晶内を伝播した該入射X線ビームを前記側面から出射させ、
    平面状の表面及び裏面と、少なくとも一つの平面状の側面とを有する第2板状結晶へ前記第1板状結晶から出射されたX線ビームを所定入射角で入射し、
    該入射X線ビームを前記第2板状結晶内でその側面に向かって伝播させ、
    前記第2板状結晶内を伝播した該入射X線ビームを前記側面から出射させること
    を特徴とするX線生成方法。
  37. 前記X線源から出射されたX線ビームが前記第1板状結晶へ入射される前記所定入射角は、ボルマン効果の生じる入射角度であることを特徴とする請求項36記載のX線生成方法。
  38. 前記第1板状結晶から出射されたX線ビームが前記第2板状結晶へ入射される前記所定入射角は、ボルマン効果の生じる入射角度であることを特徴とする請求項36又は37記載のX線生成方法。
  39. 前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、前記第2板状結晶の表面におけるその断面の長軸方向が前記第2板状結晶の側面の長軸方向と直交するように前記第2板状結晶へ入射されることを特徴とする請求項36乃至38のいずれかに記載のX線生成方法。
  40. 前記第1板状結晶から出射されたX線ビームは、その伝播ベクトルが前記第2板状結晶の前記側面の長軸方向と直交するように入射されることを特徴とする請求項36乃至39のいずれかに記載のX線生成方法。
  41. 前記第1の板状結晶の前記側面は、前記第1の板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することを特徴とする請求項36乃至40のいずれかに記載のX線生成方法。
  42. 前記第2の板状結晶の前記側面は、前記第2の板状結晶の前記表面及び裏面に対して直交することを特徴とする請求項36乃至41のいずれかに記載のX線生成方法。
  43. 前記第1の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることを特徴とする請求項36乃至42のいずれかに記載のX線生成方法。
  44. 前記第1の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面の短軸方向の幅は、前記第1板状結晶の厚みとほぼ等しいことを特徴とする請求項43記載のX線生成方法。
  45. 前記第2の板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面は、ほぼ前記側面の形状であることを特徴とする請求項36乃至44のいずれかに記載のX線生成方法。
  46. 前記第2板状結晶の前記側面から出射されたX線ビームの断面の寸法は、前記第1及び第2板状結晶の厚みによって定まることを特徴とする請求項36乃至45のいずれかに記載のX線生成方法。
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