JP2005265445A - 地滑り検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 切り換えスイッチの接点不良等の問題を招くことなしに簡易にして精度良く計測することのできる地滑り検出装置を提供する。
【解決手段】 地中に埋設されるパイプ体の互いに異なる位置にそれぞれ対をなして設けられた複数のひずみゲージ対の抵抗値変化を検出する地滑り検出装置であって、接続ユニットには複数のひずみゲージ対からそれぞれ導出されたリード線を接続する端子台、およびこの端子台に接続されたリード線を一括して外部接続する為の外部接続コネクタを設ける。そして計測端末装置には上記接続ユニットの上記外部接続コネクタに接続される接続コネクタ、前記ひずみゲージ対の抵抗値変化を計測する計測手段、およびこの計測手段を前記接続コネクタを介して前記複数のひずみゲージ対に択一的に接続するスイッチ回路を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 地中に埋設されるパイプ体の互いに異なる位置にそれぞれ対をなして設けられた複数のひずみゲージ対の抵抗値変化を検出する地滑り検出装置であって、接続ユニットには複数のひずみゲージ対からそれぞれ導出されたリード線を接続する端子台、およびこの端子台に接続されたリード線を一括して外部接続する為の外部接続コネクタを設ける。そして計測端末装置には上記接続ユニットの上記外部接続コネクタに接続される接続コネクタ、前記ひずみゲージ対の抵抗値変化を計測する計測手段、およびこの計測手段を前記接続コネクタを介して前記複数のひずみゲージ対に択一的に接続するスイッチ回路を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、地中に埋設されたパイプ体の長手方向に沿って設けられた複数のひずみゲージ対の各抵抗値変化から、地滑りや地盤沈下、更にはその前兆現象等を地中のひずみとして検出する地滑り検出装置に関する。
地中での地滑りや地盤沈下、更にはその前兆現象等を観測する地滑り計の1つにパイプひずみ計がある。このパイプひずみ計は、例えば図4(a)に示すように直径5cm、長さが1m程度のパイプ体1の周面に一対のひずみゲージ2a,2b(ひずみゲージ対2)を互いに対峙させて設けたセンシング体を備える。そしてパイプ体1に加わるひずみの向きとその大きさによって一対のひずみゲージ2a,2bの抵抗値が互いに逆向きに変化することから、図4(b)に示すようにひずみゲージ2a,2bの抵抗値Ra,Rbの変化をひずみ量として検出するように構成される。
このようなパイプひずみ計は、所定の長さとなるように複数本直列に連結することで、複数のひずみゲージ対2をその長手方向に沿って配置した地滑りセンサとして用いられ、例えば図4(c)に示すように所定の深さ位置まで地中3に埋設されて地中内での地滑りやその前兆現象等に起因する前記パイプ体1の曲がり(ひずみ変位)の検出に供される。尚、地中に光ファイバを埋設しておき、光ファイバを伝播する光の該光ファイバの曲がりによるブリルアン散乱光の周波数変位から地中のひずみをリモートセンシング的に計測することも提唱されている(例えば特許文献1を参照)。しかしながら前述したパイプひずみ計は、安価で取り扱いが簡便である等の理由により現在でも数多く用いられている。
特開平10−90018号公報
ところで上述したパイプひずみ計(地滑りセンサ)を用いた地中のひずみ観測は、専ら、パイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場に赴いた観測者が携帯する計測端末装置を用いて手動または半自動で行われる。手動による観測は、パイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場に複数のひずみゲージ対2からそれぞれ引き出したリード線に前記計測端末装置を個別に接続してその抵抗値変化を計測する形態である。尚、図5(a)に示すようにパイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場に前記各ひずみゲージ対2からそれぞれ引き出されたリード線が接続される端子台4と、この端子台4の各端子を選択的に外部接続するためのロータリー型の切り換えスイッチ7とを備えた接続箱(接続ユニット)5を設けておくことも行われている。この場合、ロータリー型の切り換えスイッチ7を切り換えるだけで前記各ひずみゲージ対2の抵抗値変化を順次計測することが可能となる。
また半自動による計測は、図5(b)に示すようにパイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場にデータロガー8を設けておき、予め設定したインターバル時間毎に各ひずみゲージ対2の抵抗値変化をそれぞれ計測してその計測データを内部の不揮発性メモリ9に記録しておき、後日、上記パイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場に赴いた観測者により上記データロガー8(不揮発性メモリ9)に記録したデータを回収してくるようにした形態である。
しかしながらパイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場毎にデータロガー8を設置するには、例えばデータロガー8自体を落雷等のサージ電流から保護することが必要があり、その構成が複雑化することのみならず設備コストが嵩むことが否めない。しかもデータロガー8や上述した端子箱5が設けられるパイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場は、通常、地滑りの発生が懸念される軟弱で湿気の多い地盤地帯であることが多いので、端子台4や切り換えスイッチ7の錆・腐食が問題となる。特にひずみゲージ対2を用いたひずみ計測は、ひずみゲージ2a,2bの僅かな抵抗値変化を数十μVオーダの微小な電圧値変化として検出することが多いので、端子台4や切り換えスイッチ7での接触不良に起因する抵抗値変化が計測信頼性の劣化を招来し、地中のひずみの観測に大きな影響を及ぼすことになる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、湿気の多い地盤地帯等に設けられる複数のひずみゲージ対の抵抗値変化を、切り換えスイッチの接点不良等の問題を招くことなしに簡易にして精度良く計測することのできる地滑り検出装置を提供することにある。
本発明に係る地滑り検出装置は、地中に埋設されるパイプ体の互いに異なる位置にそれぞれ設けられた複数のひずみゲージ対に計測端末装置を選択的に接続する為の切り換えスイッチが前記パイプ体の設置現場である湿気の多い環境に晒される結果、接触不良等の問題が生じることに着目している。
そこで本発明に係る地滑り検出装置は上述した目的を達成するべく
(a) 前記複数のひずみゲージ対からそれぞれ導出されたリード線が個別に接続される複数の端子を有する端子台と、この端子台の上記複数の端子を一括して外部接続する為の外部接続コネクタとを具備して前記パイプ体の設置現場に設けられる接続ユニットと、
(b) この接続ユニットの上記外部接続コネクタに、例えば所定の接続ケーブルを介して接続される接続コネクタと、前記ひずみゲージ対の抵抗値変化を計測する計測手段と、この計測手段を前記接続コネクタを介して前記複数のひずみゲージ対に択一的に接続するスイッチ回路とを具備した計測端末装置と
を備えたことを特徴としている。
そこで本発明に係る地滑り検出装置は上述した目的を達成するべく
(a) 前記複数のひずみゲージ対からそれぞれ導出されたリード線が個別に接続される複数の端子を有する端子台と、この端子台の上記複数の端子を一括して外部接続する為の外部接続コネクタとを具備して前記パイプ体の設置現場に設けられる接続ユニットと、
(b) この接続ユニットの上記外部接続コネクタに、例えば所定の接続ケーブルを介して接続される接続コネクタと、前記ひずみゲージ対の抵抗値変化を計測する計測手段と、この計測手段を前記接続コネクタを介して前記複数のひずみゲージ対に択一的に接続するスイッチ回路とを具備した計測端末装置と
を備えたことを特徴としている。
即ち、本発明に係る地滑り検出装置は、設置現場に設けられる接続ユニットと計測端末装置とを所定チャネル数の接続コネクタを介して一括接続するように構成すると共に、上記計測端末装置にスイッチ回路を設けることで、装置構成の複雑化を招来することなしに当該スイッチ回路の設置環境とその動作信頼性を確保し、その取り扱いの容易化を図ったことを特徴としている。
好ましくは請求項2に記載するように前記計測端末装置に、更に前記計測手段にて計測された抵抗値変化を前記各ひずみゲージ対に対応付けて記憶するメモリを設けることが望ましい。更には請求項3に記載するように前記計測手段を、前記スイッチ回路を介して択一的に接続されたひずみゲージ対の直列接続された一対のひずみゲージ間に一定電流を供給し、この状態において各ひずみゲージに生じた電圧差から当該ひずみゲージ対が埋設された深さでの地中のひずみを計測するように構成することが望ましい。
上述した構成の地滑り検出装置によれば、設置現場に設けられる接続ユニットと計測端末装置とを所定チャネル数の接続コネクタを介して一括して並列接続するだけで良いので、その接続作業自体が非常に簡単である。しかも湿気が多い等、設置環境の悪い接続ユニットに設けられた外部接続コネクタについては、例えばその接点部をカバー体等を用いて封止しておくことが容易であり、また外部接続コネクタとして金メッキタイプのものを用いるだけで湿気による錆や腐食の発生を容易に防止することができる。従ってこの外部接続コネクタと計測端末装置に設けた接続コネクタとの接続作業だけで、接触不良等の問題を招来することなく上記接続ユニットと計測端末装置とを確実に接続することができる。
その上で、計測端末装置に組み込んだスイッチ回路を切り換え操作すれば、これによって前記接続ユニットの設置環境に拘わることなく複数のひずみゲージ対の1つに計測手段を択一的に、しかも確実に接続することができるので、そのひずみ計測を精度良く行うことができる。また計測端末装置側においてスイッチ回路を操作してひずみゲージ対を選択するので、計測端末装置を操作する手元側においてどのひずみゲージ対の抵抗値変化を計測しているのかを常に正確に把握し、その計測データを正しく管理することができる。
また設置現場には前述した接続ユニットを設けておくだけであり、データロガー等のデータ収集装置やスイッチ回路等を個々の設置現場毎に設けておく必要がないので、複数の観測現場に対する設備コストを十分に安くし得る。また接続ユニットは、基本的には端子台と外部接続コネクタとを備えるだけなので、落雷等に起因するサージ電流に対する対策も不要となる等の効果が奏せられる。
また請求項2に記載するように計測手段にて計測された抵抗値変化を前記各ひずみゲージ対に対応付けてメモリに記憶する場合であっても、計測端末装置においてスイッチ回路がどのひずみゲージ対を選択しているかが明らかなので、つまりどのチャネルを選択しているかが明らかなので、その計測値とひずみゲージ対との対応関係をそれぞれ正確に対応付けてメモリに記憶することができる。従ってその計測データを持ち帰って解析する場合であっても、ひずみゲージ対との対応関係が明白なので計測データの信頼性を損なう虞がない。
更には請求項3に記載するようにひずみゲージ対の直列接続された一対のひずみゲージ間に一定電流を供給し、この状態において上記各ひずみゲージにそれぞれ生じた電圧の差からそのひずみを計測するようにしておけば、例えば上記直列接続された一対のひずみゲージに生じた電位差(電圧降下)から当該ひずみゲージの劣化等に起因する絶縁抵抗不良等を判別することが可能となる。即ち、上記一対のひずみゲージはパイプ体の曲がりによって互いに異なる向きに抵抗値変化を呈するが、基本的にはその抵抗値変化量は等しい。従って直列接続された一対のひずみゲージの全体的な抵抗値をモニタすれば、その抵抗値変化からひずみゲージ対の絶縁不良、特性劣化および断線等を自己診断することが可能となる等の効果が奏せられる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る地滑り計について説明する。
図1はこの実施形態に係る地滑り計の要部概略構成図で、10はパイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場に設けられて該パイプひずみ計が備えた複数のひずみゲージ対からそれぞれ導出されるリード線11が接続される端子台12を備えた接続ユニットである。また20は上記接続ユニット10の設置現場に赴く観測者が携帯して該接続ユニット10に接続される可搬型(ハンディ型)の計測端末装置である。
図1はこの実施形態に係る地滑り計の要部概略構成図で、10はパイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場に設けられて該パイプひずみ計が備えた複数のひずみゲージ対からそれぞれ導出されるリード線11が接続される端子台12を備えた接続ユニットである。また20は上記接続ユニット10の設置現場に赴く観測者が携帯して該接続ユニット10に接続される可搬型(ハンディ型)の計測端末装置である。
接続ユニット10は、その前面に扉13を開閉自在に備えた箱形の筐体14の内部に、例えば3個で1組をなす20チャネル分の端子(60端子)を備えた端子台12を設けると共に、これらの各端子を並列に外部接続する為の、例えば50〜60ピン型の外部接続コネクタ15を設けて構成される。上記端子台12の各端子と前記外部接続コネクタ15の各ピンは、例えば予め定められた配列順序で1対1に接続されている。尚、端子台12における複数の端子の内、計測の基準となる接地ライン(GND)を互いに共通接続して前記外部接続コネクタ15の予め定めた共通ピンに一括して接続することも勿論可能である。また箱形の筐体14は、扉13を閉じることによってその内部を密閉して雨水等の侵入を防止する防水構造を有するもので、地表面に立設した支柱(図示せず)等に取り付ける等して1.0m程度の高さ位置に設置される。そして地中に埋設したパイプひずみ計(地滑りセンサ)の複数のひずみゲージ2からそれぞれ引き出されたリード線11は、上記筐体14の下部に設けられた孔部16を介して上記筐体14の内部に引き込まれて上記端子台12の予めチャネル毎に定められた端子にそれぞれ接続される。
一方、上記接続ユニット10に接続される可搬型の計測端末装置20は、片手で把持可能な大きさの箱形のものからなり、その上端部に3つのねじ式の接続端子21(21a,21b,21c)を備えると共に、その側面部に50〜60ピン型の接続コネクタ22を備えている。この接続コネクタ22に、図示しない所定の接続ケーブルを介して前記接続ユニット10の外部接続コネクタ15が選択的に接続される。尚、上記接続コネクタ22を前記接続ユニット10の外部接続コネクタ15に直接接続し得るように構成しておくことも勿論可能である。この場合には、計測端末装置20の操作性を考慮して該計測端末装置20における接続コネクタ22の組み込み位置を定めておけば良い。
またこの計測端末装置20の前面部には、例えば16文字×2行の液晶表示器23が設けられると共に、計測開始や計測モード等を指示する為の4つの押し釦スイッチ(操作キー)24(24a,24b,24c,24d)が設けられている。この計測端末装置20は、例えば電池25を駆動源として動作するもので、後述するようにひずみゲージ対2の抵抗値を計測する計測手段をなすCPU30等を備えて構成される。またこの計測端末装置20には、その計測値等を記憶するためのメモリカード25が着脱自在に装着されるようになっている。
具体的には上記計測端末装置20は、図2にその概略構成を示すようにCPU30を主体として構成される。このCPU30は、デコーダ31を介してチャネル選択機能であるスイッチ回路32を切り換え制御することで、前記外部接続コネクタ22および接続端子21を介して該計測端末装置20に接続されたひずみゲージ対2の抵抗値を後述する計測回路40にて検出し、その計測値をA/D変換器33を介して取り込む役割を担う。そしてCPU30は、この計測値を前記スイッチ回路32を介して択一的に選択したチャネル(ひずみゲージ対2)に対応付けて内部メモリ34に記憶したり、或いはカードスロット35に装着されたメモリカード25に記憶するものとなっている。
この際、CPU30は、温度センサ36により検出される温度情報や、時計機能37により計時されている現在時刻(計測日時)の情報も上記計測値に対応付けて記憶するようになっている。尚、計測回路40によるひずみゲージ対2の抵抗値(ひずみ)の計測は、前述した押し釦スイッチ24からの指示に従って前記スイッチ回路32を切り換え制御し、計測チャネル(ひずみゲージ対2)を1つずつ指定しながら行っても良いが、予め定められた順序で計測チャネル(ひずみゲージ対2)を順に切り換えながら連続して行うようにしても良い。
尚、計測回路40によるひずみゲージ対2の抵抗値計測は、基本的には直列に接続された一対のひずみゲージ2a,2bの一端側から他端側に向けてセンサ駆動電源38から一定電流を供給し、各ひずみゲージ2a,2bにそれぞれ生じた降下電圧Va,Vbをそれぞれ計測することによってなされる。そして一対のひずみゲージ2a,2bの抵抗値変化が、前述したようにパイプ体1に加わるひずみの向きによって互いに逆向きに生じることから、その抵抗値変化に伴う降下電圧Va,Vbの変化として検出し、その電圧差を求めることによって行われる。
より具体的には計測回路40は、前記スイッチ回路32を介して選択接続されたひずみゲージ対2に対して、図3に示すように直列接続された一対のひずみゲージ2a,2b(ハーフ・ブリッジ)間に定電流源41から一定電流Iを供給するように構成される。そして直接接続された上記ひずみゲージ2a,2bの両端にそれぞれ生じた電圧をバッファ42,43を介して検出し、これらの検出電圧を計測基準用の直列接続した一対の基準抵抗45,46(ハーフ・ブリッジ)間に印加している。そしてこれらの基準抵抗45,46の共通接続点に生じるハーフ・ブリッジ出力電圧と、前記ひずみゲージ2a,2bの共通接続点に生じるハーフ・ブリッジ出力電圧との電位差(フルブリッジ出力電圧)を前記ひずみゲージ2a,2bに加わったひずみによる抵抗値変化、つまりひずみ量として検出するものとなっている。
また同時にこの計測回路40においては、前記バッファ42,43を介して検出されて基準抵抗45,46(ハーフ・ブリッジ)に印加された電圧をモニタしており、この印加電圧の基準電圧からの変化を監視している。そしてこのモニタ電圧に変動が生じたとき、前記ひずみゲージ2a,2bに絶縁不良や特性劣化等の不具合が生じたものとして検出している。即ち、一対のひずみゲージ2a,2bは、パイプ体1の相対する反対側の周面にそれぞれ設けられており、パイプ体1の曲がりに対して互いに逆向きのひずみが加わるようになっている。またこれらの各ひずみゲージ2a,2bは、ひずみの向きに対して逆向きの抵抗値変化を呈するものの、その抵抗値の変化量自体は同じものとなっている。これ故、直列に接続された一対のひずみゲージ2a,2bの両端間の抵抗値は、基本的には該ひずみゲージ対2にひずみが加わるか否かに拘わらず一定に保たれる。
しかしながらひずみゲージ対2の特性に変化が生じている場合には、その一対のひずみゲージ2a,2bに一定電流Iが供給されるので、ひずみゲージ2a,2bの特性変化に応じて各ひずみゲージ2a,2bにそれぞれ生じる電圧降下(電位差)にずれが生じ、直列接続されたひずみゲージ2a,2b(ひずみゲージ対2)の両端間に生じる電位差に変動が生じることになる。前述した電圧モニタは、このようなひずみゲージ対2の両端間に生じる電圧を監視することで一対のひずみゲージ2a,2bの絶縁抵抗が劣化していないか、更にはその設置時等に断線していないか等を判定している。そして前述した如く計測したひずみゲージ2a,2bの抵抗値変化、つまりひずみ量が、地中の地滑りによるパイプ体1のひずみに起因するものであるか、或いはひずみゲージ2a,2bの特性劣化によるものかを検証している。
即ち、この実施形態においては直列に接続した一対のひずみゲージ2a,2bを一定電流Iで駆動し、これによって生じる各ひずみゲージ2a,2bでの降下電圧Va,Vbからその抵抗値の全体的な変動をモニタしているので、計測した抵抗値が極端に低くなった場合、これをひずみゲージ2a,2bの絶縁劣化であると判定することができる。従って真に地滑りに起因して一対のひずみゲージ2a,2bの抵抗値が変化したか、或いは誤った計測値が得られたかを容易に判定することができる。
かくして上述した如く構成された地滑り計によれば、複数のひずみゲージ対2をその抵抗値変化の計測手段であるCPU30に択一的に接続するスイッチ回路32が、計測端末装置20に組み込まれており、接続ユニット10には端子台12に接続された各ひずみゲージ対2からのリード線11を並列に外部接続するための外部接続コネクタ15が設けられているだけなので、接続ユニット10が設けられた環境の湿気等に起因して計測端末装置20と各抵抗ゲージ対2との電気的接続が不良となったり、その接続が妨げられる等の不具合を招来することがない。また計測端末装置20に組み込まれたスイッチ回路(選択機能)32は、該計測端末機器20の下で管理され、パイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場のような湿気の多い地域において長期間に亘って晒されることがないので、その信頼性を十分に確保することができる。
換言すればパイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場のような湿気の多い地域に長期間に亘って晒される接続ユニット10には、端子台12と外部接続コネクタ15が設けられるだけであり、スイッチ回路のような機械的可動接点部品が設けられない。従って可動接点部品の接触不良等の問題を招くことがない。またスイッチ回路32を電子化したとしても、このスイッチ回路32は計測端末装置20に設けられるだけであり、パイプひずみ計(地滑りセンサ)の設置現場に設けられることがないので落雷等に起因するサージ電流から保護する必要もない。そして外部接続コネクタ15については、その接点部をカバー体等を用いて封止したり、或いは金メッキタイプのものを用いて湿気による錆や腐食の発生を防ぐようにしておけば、所定の接続コードとの連結だけで複数のひずみゲージ対2を計測端末装置20に対して確実に外部接続することができる。従って簡易にして効果的に接触不良(電気的接続不良)の問題やサージ電流に対する問題等を効果的に回避してその動作信頼性を確保し、精度の高い計測を行うことが可能となる。
また上述した構成によれば、計測端末装置20においてスイッチ回路32を操作して計測対象とするひずみゲージ対2を選択するので、計測端末装置20を操作する手元側においてどのひずみゲージ対の抵抗値変化を計測しているのかを常に正確に把握することができ、その取り扱いの容易化を図ることができる。またその計測データの正確な管理が可能となり、その後の解析処理も正確に行うことが可能となる。また計測データを前述したメモリカード25に記憶するようにしておけば、計測端末装置20から取り外したメモリカード25の図示しないパーソナルコンピュータ等の解析システムに装着するだけで、該解析システムにその計測データを一括して取り込むことができるので、この点でもその取り扱いが容易である。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば接続ユニット10にEEPROMを設けておき、どのチャネルにどのひずみゲージ対2を接続したかと言う対応情報や、そのパイプひずみ計(地滑りセンサ)の管理番号等を予め記憶させておくようにしても良い。そしてひずみゲージ対2の抵抗値計測時に上記EPROMの記憶情報をCPU30に一括して読み出し、その計測データと共にメモリカード25等に書き込むようにしておけば、その後のデータ解析を間違いなく正確に行うことが可能となる。また処理対象とするひずみゲージ対2のチャネル数については、上述した20チャネルに限定されるものでなく、仕様に応じたチャネル数であれば十分である。また接続コネクタ15については、3本1組のリード線の内の1本(例えばGNDライン)を共通ラインとして1本にまとめることができるので、少なくとも[2本×nチャネル+1本]のピン数を備えたものを用いれば十分である。
またスイッチ回路32については、手動にてその切り換え操作を行うようにしても良いことは言うまでもない。また前述した接続端子21にひずみゲージ対2を接続して、その抵抗値変化をローカルに計測し得ることも言うまでもない。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 パイプ体
2 ひずみゲージ対
2a,2b ひずみゲージ
10 接続ユニット
12 端子台
15 外部接続コネクタ
20 計測端末装置
22 接続コネクタ
23 液晶表示器
24 押し釦スイッチ(操作キー)
25 メモリカード
30 CPU(計測手段)
32 スイッチ回路(チャネル選択機能)
33 A/D変換器
38 センサ駆動電源
40 計測回路
41 定電流源
42,43 バッファ
45,46 基準抵抗
2 ひずみゲージ対
2a,2b ひずみゲージ
10 接続ユニット
12 端子台
15 外部接続コネクタ
20 計測端末装置
22 接続コネクタ
23 液晶表示器
24 押し釦スイッチ(操作キー)
25 メモリカード
30 CPU(計測手段)
32 スイッチ回路(チャネル選択機能)
33 A/D変換器
38 センサ駆動電源
40 計測回路
41 定電流源
42,43 バッファ
45,46 基準抵抗
Claims (3)
- 地中に埋設されるパイプ体の互いに異なる位置にそれぞれ設けられた複数のひずみゲージ対の抵抗値変化をそれぞれ計測して上記地中のひずみを検出する地滑り計であって、
前記複数のひずみゲージ対から導出されたリード線が個別に接続される複数の端子を有する端子台と、この端子台の上記複数の端子を一括して外部接続する為の外部接続コネクタとを具備して前記パイプ体の設置現場に設けられる接続ユニットと、
この接続ユニットの上記外部接続コネクタに接続される接続コネクタと、前記ひずみゲージ対の抵抗値変化を計測する計測手段と、この計測手段を前記接続コネクタを介して前記複数のひずみゲージ対に択一的に接続するスイッチ回路とを具備した計測端末装置と
を備えたことを特徴とする地滑り検出装置。 - 前記計測端末装置は、更に前記計測手段にて計測された抵抗値変化を前記各ひずみゲージ対に対応付けて記憶するメモリを備えることを特徴とする請求項1に記載の地滑り検出装置。
- 前記計測手段は、前記スイッチ回路を介して択一的に接続されたひずみゲージ対の直列接続された一対のひずみゲージに一定電流を供給して各ひずみゲージにそれぞれ生じた降下電圧の差から当該ひずみゲージ対が埋設された深さでの地中のひずみを計測するものである請求項1に記載の地滑り検出装置。
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JP2004074473A JP2005265445A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | 地滑り検出装置 |
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KR101099686B1 (ko) | 2010-01-28 | 2011-12-28 | 현대제철 주식회사 | 고압 케이블 열화 감지용 커넥터 |
JP2019190084A (ja) * | 2018-04-23 | 2019-10-31 | 株式会社山崎歯車製作所 | レール頭面測定装置 |
JP2023518897A (ja) * | 2020-03-25 | 2023-05-08 | 中鉄一局集団第二工程有限公司 | 基礎坑施工作業者の測位システム及びリスク評価方法 |
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2004
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