JP2005265437A - 電子線照射装置、及び、それの電子線取出し窓 - Google Patents

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JP2005265437A JP2004074334A JP2004074334A JP2005265437A JP 2005265437 A JP2005265437 A JP 2005265437A JP 2004074334 A JP2004074334 A JP 2004074334A JP 2004074334 A JP2004074334 A JP 2004074334A JP 2005265437 A JP2005265437 A JP 2005265437A
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慶幸 川原
Yukihiko Ono
幸彦 大野
Chikao Sato
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淳 東坂
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Abstract

【課題】電子線のエネルギー受入の抑制による高エネルギー化。
【解決手段】真空容器(1)の電子線の取出し窓(3)の桟構造は、枠と、特定方向に並ぶ多数の桟(9)とから構成されている。多数の桟うちの1つの桟は(9−[2,L])は、第1反射面(11−[2,L])と、それに対して斜めに形成される第2反射面(12−[2,L])とを有している。第1反射面はこれに入射する第1電子線(13−[2,L])を電子線透過膜(6)に向かう第1透過方向に反射する。第2反射面はこれに入射する第2電子線(14−[2,L])を電子線透過膜に向かう第2透過方向に反射する。第1反射面と第2反射面は互いに平行でなく鋭角を形成し、それらが平行である公知の桟に比較して、桟に吸収される電子線の量が少ない。電子線の通過を妨害する桟の妨害作用を低減し、その効果により桟の発熱量が減少する。透過膜を透過する電子線の減衰量が減少し、結果的に、電子線のエネルギーとその密度を高くすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子線照射装置、及び、それの電子線取出し窓に関し、特に、桟構造改善の電子線照射装置、及び、それの電子線取出し窓に関する。
電子線照射装置は、殺菌、物理的物性の改質、化学的物性の改質、その他の多用途の開発が期待されている。電子線照射装置は、真空容器の中で生成される電子線を真空容器の一部として形成される電子線取出し窓(参照:後掲特許文献1)を通して処理対象に対して投射する。電子線ビームは、扇状に、カーテン状に、又は、コーン状に形成される。
電子線取出し窓の窓枠構造は、真空容器の開口部位として形成されるフランジに取り付けるTi薄膜(Ti合金、アルミ合金のような金属薄膜)と、そのTi薄膜をそのフランジに押し付ける桟構造の取付枠を構成している。電子線を透過させるTi薄膜は、大気圧に耐える強度を与えるための厚みと電子線透過率を低減させないための薄さの両面の設計が要求される。その透過率の低減を抑えるために薄く設計されるTi薄膜の強度を補助的に保証し、且つ、電子線の透過により、その一部のエネルギー受入により加熱されるTi薄膜を冷却するために、取付枠には桟構造が与えられる。
隣り合う桟要素の間の隙間を通りTi薄膜を透過する電子線は、処理対象に投射される。電子線を吸収するTi薄膜と桟がともに発熱することを回避することはできない。桟に支持されるTi薄膜の高温化を抑制することによりTi薄膜の劣化を防止するために、Ti薄膜と桟とを冷却することが必要であるが、第1に求められることは桟に対する電子線の吸収を抑制することである。電子線の吸収の抑制は、エネルギーロスを回避することによる処理対象に対する電子線照射の高エネルギー化の点でも要請されている。
電子線のエネルギー受入を抑制する桟構造の提供が求められる。桟の材料の選択によるエネルギー受入の低減には限界がある。
特開2002−333499号
本発明の課題は、電子線のエネルギー受入を抑制する電子線照射装置、及び、それの電子線取出し窓を提供することにある。
本発明の他の課題は、桟の材料の選択によらずに電子線のエネルギー受入を抑制する電子線照射装置、及び、それの電子線取出し窓を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、材料の選択でなく電子線の物性を利用することにより電子線のエネルギー受入を抑制する電子線照射装置、及び、それの電子線取出し窓を提供することにある。
本発明による電子線照射装置は、真空容器(1)と、真空容器(1)の中に配置される電子線源(2)と、電子線(13,14)を取り出す取出し口に取り付けられる取出し窓(3)とから構成されている。取出し窓(3)は、桟構造と、その桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる電子線透過膜(6)とから形成されている。桟構造は、枠と、特定方向に並ぶ多数の桟(9)とから構成されている。隣り合う桟の間は電子線通過路として形成されている。多数の桟うちの1つの桟(9−[2,L])は、第1反射面(11−[2,L])と、第1反射面(11−[2,L])に対して斜めに形成される第2反射面(12−[2,L])とを有している。第1反射面(11−[2,L])は第1反射面(11−[2,L])に入射する第1電子線(13−[2,L])を電子線透過膜(6)に向かう第1透過方向に反射する。第2反射面(12−[2,L])は第2反射面(12−[2,L])に入射する第2電子線(14−[2,L])を電子線透過膜(6)に向かう第2透過方向に反射する。
第1反射面と第2反射面は互いに平行でなく鋭角を形成し、それらが平行である公知の桟に比較して、桟に吸収される電子線の量が少ない。電子線は、金属面のような平面的な電界等高面に対して、光−ミラー反射に類似し、光学的反射法則に類似する反射法則で桟への吸収量よりも支配的に反射することができ、電子線の通過を妨害する桟の妨害作用を低減し、その効果により桟の発熱量が減少する。また、透過膜を透過する電子線の照射量が増加し、結果的に、照射される電子線のエネルギーとその密度を高くすることができる。
第1電子線(13−[n,L])が第1反射面に沿って進行するようにその第1反射面の角度を設定することは有意義である。
多数の桟(9)のそれぞれの複数の第1反射面と第1反射面に入射するそれぞれの第1電子線との間のそれぞれの複数の第1角度は桟の位置に対応する角度分布(θ1−[2,L],θ1−[n,L])を有する。そのような角度分布は、透過膜を透過する電子線密度を適正化し、特には、その密度を均一化することができる。
多数の桟のそれぞれの複数の第2反射面と第2反射面に入射するそれぞれの第2電子線との間のそれぞれの複数の第2角度は桟の位置に対応する角度分布を有する。両反射面に角度分布を与えることにより、透過膜を透過する電子線密度を更に適正化し、特には、その密度を更に均一化することができる。
第1反射面(図2)と第2反射面(図2)は鏡面対称に形成され、第1電子線と第2電子線は概平行流を形成する。カーテン状電子ビームの均一密度の投射が可能である。第1反射面(図3)と第2反射面(図3)は非鏡面対称に形成され、第1電子線と第2電子線は放射流を形成する。放射状電子ビームの均一密度の投射が可能である。
複数の桟の複数の第1反射面に向かう複数の第1電子線の向きは、それぞれに第1反射面(図2の11−[n,L],図3の11−[3,L])に平行である。桟による電子線エネルギーの受入を削減する。第1反射面と第2反射面は直線上で交叉し、又は、現実に交叉する。第1反射面と第2反射面とがその延長面上で交叉し、又は、現実に交叉することにより、逆透過方向反射の電子線の量を削減することができる。
本発明による電子線照射装置の電子線取出し窓は、桟構造と、桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる電子線透過膜とから構成される。桟構造は、既述の通りである。
本発明による電子線照射装置の電子線取出し窓の桟構造に次のような構造を与えることは有意義である。第1反射面(図6の11−[2,L])と、非反射面(15−[2,L])と、第2反射面(12−[2,L])とが形成され、第1反射面は第1反射面に入射する第1電子線を電子線透過膜に向かう透過方向に反射し、第2反射面は第2反射面に入射する第2電子線を電子線透過膜に向かわない反透過方向に反射する。非反射面は第2反射面の陰領域に位置する。死角領域に存在する桟の体積が減少し、桟の全体を軽量化することができる。
既述の桟構造を二重化される窓構造に適用することは効果的である。特に、真空側桟構造と大気側構造の両方に既述の窓構造を適用することには意義がある。
本発明による電子線照射装置、及び、それの電子線取出し窓は、電子線のエネルギー受入を抑制することができる。桟の材料の選択によらずに、電子線の反射法則を利用して電子線のエネルギー受入を抑制することにより、高エネルギー化を容易に実現することができる。
本発明による電子線照射装置の実現態(実施の形態)は、図に対応して、詳細に記述される。その電子線照射装置10は、図1に示されるように、円筒状ケーシング1と円筒状ケーシング1の中に内蔵される電子線源2と電子線取出し窓3とから構成されている。電子線源2は、交換自在であり、カーテン状電子線ビーム4、扇状電子ビーム、又は、コーン状電子ビームを生成する。カーテン状電子ビーム4は、電子線取出し窓3を透過して処理対象Zに投射される。処理対象Zとしては、フィルムが好適に例示される。
電子線取出し窓3は、円筒状ケーシング1の開口部位に取り付けられる真空側窓枠5とTi薄膜6と大気側窓枠7とから形成されている。大気側窓枠7は、矩形状の中央穴8を有している。真空側窓枠5は、多くの桟要素9を形成している。Ti薄膜6は、大気圧を受けて多くの桟要素9の外側面に押し付けられて固定される。隣り合う桟要素9の間は、電子線通過路として形成されている。
図2は、真空側窓枠5の桟構造の詳細を示している。図2は、円筒状ケーシング1の中心軸心線Lを含みTi薄膜6の平面に直交する面で切断される桟構造の断面を示している。本実現態では、電子線はカーテン状ビームを形成している。全ての電子線は、仮想的に互いに平行である。基準線として、Ti薄膜6の中心点を通りTi薄膜6の入射面S1に直交するビーム中心軸Kが選択される。(2n+1)個の桟要素9−[n,R]と桟要素9−[n,L]は、第1反射面11−[n,R],11−[n,L]と第2反射面12−[n,R],12−[n,L]とを有している。中央の桟要素の参照番号は、特別に9−[1,RL]で表される。”RL”は、中央を意味する。
第1反射面11−[n,R]と第2反射面12−[n,L]とビーム中心軸Kを含む基準面S2とは、互いに平行移動と共通の回転軸心線方向のまわりの回転とにより重なり合うことが仮定される。第1反射面11−[n,R]と第2反射面12−[n,R]は、鋭角を形成する。第1反射面11−[n,R],11−[n,L]と基準面S2との間の第1反射面角度は、θ1−[n,R],θ1−[n,L]で表される。第2反射面12−[n,R],12−[n,L]と基準面S2との間の第2反射面角度は、θ2−[n,R],θ2−[n,L]で表される。θ1−[n,R]は、左右対称性を持つ点でθ2−[n,L]に等しいこと、又は、それに近い角度を持つことが好ましい。θ2−[n,R]は、左右対称性を持つ点でθ1−[n,L]に等しいこと、又、それに近い角度を持つことが好ましい。
第1反射面11−[n,R],11−[n,L]に入射する電子線13−[n,R],13−[n,L]と第1反射面11−[n,R],11−[n,L]との間の第1電子線入射対向角度は、第1反射面角度θ1−[n,R],θ1−[n,L]に等しい。第2反射面12−[n,R],12−[n,L]に入射する電子線14−[n,R],14−[n,L]と第2反射面12−[n,R],11−[n,L]との間の第2電子線入射対向角度は、第2反射面角度θ1−[n,R],θ1−[n,L]に等しい。対称性が要求される場合には、第1反射面角度θ1−[n,L]は第2反射面角度θ2−[n,R]に等しく又は概ね等しく、且つ、第2反射面角度θ2−[n,L]は第1反射面角度θ1−[n,R]に等しく又は概ね等しい。
中心位置により近い桟要素の第1反射面角度θ1−[j,L]は、左側領域で、中心位置からより遠い桟要素の第1反射面角度θ1−[k,L](j<k)より大きい。中心位置により近い桟要素の第2反射面角度θ2−[j,L]は、左側領域で、中心位置からより遠い第2反射面角度θ2−[k,L](j<k)より小さい。中心位置により近い桟要素の第2反射面角度θ2−[j,L]は、右側領域で、中心位置からより遠い桟要素の第2反射面角度θ2−[k,L](j<k)より大きい。中心位置により近い桟要素の第1反射面角度θ1−[j,L]は、右側領域で、中心位置からより遠い桟要素の第1反射面角度θ1−[k,L](j<k)より小さい。
既述の表現は、次のように言い換えられる。中央位置からより遠く離隔する桟要素の中央寄り反射面の反射面角度は、中央位置により近く離隔する桟要素の中央寄り反射面の反射面角度より小さい。中央位置からより遠く離隔する桟要素の反中央寄り反射面の反射面角度(θ2−[n,R])は、中央位置により近く離隔する桟要素の反中央寄り反射面の反射面角度(θ2−[2,R])より小さい。例示的には、中央位置の桟要素から最大に遠くに離隔する桟要素の反中央寄り反射面の反射面角度(θ2−[n,R])は零であるが、中央位置の桟要素の反射面の反射面角度は零ではなく最大である。
中央位置から最大に遠く離隔する桟要素9−[n,R]の反中央寄り反射面12−[n,R]に電子線14−[n,R]は入射することはなく、そのままに、Ti薄膜6に入射する。中央位置から最大に遠く離隔する桟要素9−[n,R]の中央寄り反射面11−[n,R]に入射する電子線13−[n,R]は、より小さい偏向角度で反射されて、より大きい交叉角度で入射面S1に入射し、より中央寄りに向かう電子線量はより少ない。このように、カーテン状電子ビームの密度分布は、カーテン状密度分布をより有効に保持する。
密度分布は、電子線源2の電圧分布、グリッド構造のような電気的機械的構成により調整されることができるので、既述の反射面角度の分布は第1義的には重要ではない。電子線とその電子線が入射する反射面との間の角度が90゜である場合に、反射率は最低であり桟要素の中に侵入する電子線の量が最大である。電子線とその電子線が入射する反射面との間の角度が90゜よりより小さい場合に、反射率はより大きく桟要素の中に侵入する電子線の量がより少ない。公知の桟形状は、電子線とその電子線が入射する反射面との角度は90゜に設計されていて、公知の桟要素のエネルギー受入量は顕著に多い。本発明の桟要素のエネルギー受入量は公知の桟要素のエネルギー受入量に比較して顕著に少ない。桟要素の強度を適正な設計強度に保持するためには、一定の面から鋭角の角度θ1,θ2を限度以下に設計することができない。θ1とθ2をそれぞれに30゜以下に設計することが好ましく、θ1とθ2をそれぞれに15゜以下に設計することがより好ましい。
図3は、真空側窓枠5の他の桟構造の詳細を示している。本実現態では、電子線は扇状ビームを形成している。全ての電子線は、仮想的に1つの定点から放射状に出射している。基準面は、図2の既述の基準面S2が選択されている。図3では、nは3に設定されている。5個の桟要素9−[n,R]と桟要素9−[n,L]は、第1反射面11−[n,R],11−[n,L]と第2反射面12−[n,R],12−[n,L]とを有している。第1反射面11−[n,R]と第2反射面12−[n,L]は、鋭角を形成する。基準面は、桟要素ごとに定義される。基準面として、基準面S2−1RLと、基準面S2−2Rと、基準面S2−3Rと、基準面S2−2Lと、基準面S2−3Lとが設定されている。基準面は、中心線Oを含む放射面である。第1反射面11−[n,R],11−[n,L]と基準面S2−1RL,S2−2R,S2−3R,S2−2L,S2−3Lとの間の第1反射面角度は、θ1−[n,R],θ1−[n,L]で表される。第2反射面12−[n,R],12−[n,L]と基準面S2−1RL,S2−2R,S2−3R,S2−2L,S2−3LS2との間の第2反射面角度は、θ2−[n,R],θ2−[n,L]で表される。θ1−[n,R]は、左右対称性を持つ点でθ1−[n,L]に等しく又は概ね等しいことが好ましい。θ2−[n,R]は、左右対称性を持つ点でθ1−[n,L]に等しく又は概ね等しいことが好ましい。
中心位置により近い桟要素の第1反射面角度θ1−[j,R]は、左側領域で、中心位置からより遠い桟要素の第1反射面角度θ1−[k,R](j<k)より大きい。中心位置により近い桟要素の第2反射面角度θ2−[j,L]は、右側領域で、中心位置からより遠い第2反射面角度θ2−[k,L](j<k)より大きい。
既述の表現は、次のように言い換えられる。中央位置からより遠く離隔する桟要素の反中央寄り反射面とこの反射面に入射する電子線との間の電子線入射対向角度は、中央位置により近い桟要素の反中央寄り反射面とこの反射面に入射する電子線との間の電子線入射対向角度より小さい。例示的には、電子線14−[3,R]と第2反射面12−[3,R]との間の角度は零であり、電子線14−[3,R]は更に外側に(反中央側)に外れて偏向することはない。電子線13−[3,R]と第1反射面11−[3,R]との間の角度は小さく、電子線13−[3,R]は中央側に偏向するがその偏向角度は適正に小さく抑えられている。
電子線密度分布の適正化が電子線源2の構造調整により可能である点は、既述の通りである。第1義的に重要である点は、反射率の向上にある。電子線源2の構造調整により電子線密度分布の適正化が不十分である場合には、反射面の角度調整により電子線密度分布の適正化の補正が行われる。
図3に示される実現態の他の特性は、左側領域の各桟要素について、第1反射面11−[n,L]と中央基準面S2−1RL(中心線Oを含み入射面S1に直交する面)との間の角度が第2反射面12−[n,L]と中央基準面S2−1RLとの間の角度より大きく、右側領域の各桟要素について、第2反射面12−[n,R]と中央基準面S2−1RLとの間の角度が第1反射面11−[n,R]と中央基準面S2−1RLとの間の角度より大きいことである。このことは次のように言い換えられる。各桟要素について、反中央寄り反射面と中央基準面との間の角度は、中央寄り反射面と中央基準面との間の角度より大きい。その特殊例が、図4に示されている。図4に示される片面テーパの特殊例では、左側領域で、第2反射面12−[n,L]と中央基準面S2−1RLとの間の角度は同じ角度の180゜に統一され、右側領域で、第1反射面11−[n,L]と中央基準面S2−1RLとの間の角度は同じ角度の180゜に統一されている。
図5は、図4の実現態の変形例を示している。扇状電子ビームの拡がり角度がより大ききく設計される場合には、電子線透過方向aの幅(中央基準面方向幅)がより薄く設計され、且つ、電子線透過方向に直交する方向bの幅がより厚く設計される。方向aの長さは、適正に調整されている。電子ビームの拡がり角度の他に、真空側桟構造と大気側桟構造の前後の位置関係に対応して、反射面の角度、方向aの長さ、方向bの幅が調整される。
図6は、図3の実現態の他の変形例を示している。本実現態では、桟構造は2n個の桟要素で形成されている。桟の反射面は、第1反射面11−[n,L],11−[n,R]と、第2反射面12−[n,L],12−[n,R]と、第3反射面15−[n,L],15−[n,R]とから形成されている。第3反射面15−[2,L]と電子線との間の角度は90゜又は90゜に近い大きい角度に設計されている。各桟について、反中央寄り反射面(11−[2,L])と中央寄り反射面(12−[2,L])は平行に又は概平行に設計されている。電子線が第3反射面15−[2,L]に突き当たり反射率が低い低反射率角度領域Δθである死角領域が生じるが、各桟要素の体積は小さく設計されていて、全受入エネルギーは低く抑えられている。
図7は、本発明による電子線取出し窓の桟構造の他の実現態を示している。本実現態の特性として、Ti薄膜6は、内側Ti薄膜6−1と外側Ti薄膜6−2とにより透過膜が二重化されている。大気圧はP1で表され真空側圧力はP0で表され、内側Ti薄膜6−1と外側Ti薄膜6−2との間の中間圧力はP2で表されている。中間圧力P2は、大気圧P1の80%程度に負圧化されている。桟構造は、第1桟構造と第2桟構造に構成されている。第1桟構造の第1桟要素9−1は、公知の桟要素に同じであり、又は、互いに交叉する斜め反射面を有する。第2桟構造の第2桟要素9−2は、図2の桟要素がそのままに利用されている。第2桟構造の第2桟要素9−2は、図3の桟要素、図4の桟要素、又は、図5の桟要素に代替されることができる。第1桟要素9−2の陰に入る第2桟要素9−1は鋭角な2反射面に形成される必要はない。ただし、電子線は大気中では拡散され、直進方向成分が少なくなる。よって、必要な場合は、テーパ面を形成することが望ましい。本実現態は、電子ビームがカーテン状だえる場合に有効に利用される。
図8は、本発明による電子線取出し窓の桟構造の更に他の実現態を示している。本実現態は、電子ビームが扇状である場合に利用される。第2桟要素9−2が第1桟要素の陰領域に配置される点は、図7の既述の実現態に同じである。但し、電子線は大気中では拡散され、直進方向成分が少なくなる。よって、必要な場合は、テーパ面を形成することが望ましい。
桟のピッチは、電子線のエネルギー密度分布に影響する。桟のピッチは、等間隔に限られず、Ti薄膜の強度、電子線のエネルギー密度分布に対応する可変ピッチに修正される。例示的には、中央からより遠くに離隔する桟はその厚みが大きい。
桟の構造のうちで反射面構造は、電子線のエネルギー密度分布に強く影響する。図9に示される多様な反射面形状の桟要素の組合せは、密度分布を適正化する。図9は、桟の断面形状を示している。同図(a)は矩形状の桟を示し、同図(b)は二等辺三角形の桟を示し、同図(c)は先鋭な台形を示し、同図(d)は矩形部分三角形部分の合成を示し、同図(e)は矩形部分と台形部分の合成を示し、同図(f)は直角三角形を示し、同図(g)は不等辺台形を示し、同図(h)は矩形部分と直角三角形の合成を示し、同図(i)は矩形部分と不等辺台形の合成を示し、同図(j)は平行四辺形を示し、同図(k)は平行四辺形部分と不等辺三角形部分の合成を示し、同図(l)は平行四辺形部分と不等辺台形部分の合成を示している。これらの形状は平面の組合せで示されているが、それぞれの辺又は面を弧状面、球面、双曲面、放物面のような曲面で形成することにより、密度分布を更に高精度に設計することができる。
既述の多様なピッチ分布と形状分布は、組レンズによる色収差補正に類似して、大気側桟に限られず真空側桟にも効果的に適用される。
二重桟構造では、図10に示されるように、内側Ti薄膜6−1と外側Ti薄膜6−2の間の気体圧力P2を大気圧P1より大きくする設計が可能である。この場合に、図11に示されるように、大気側の第1桟要素9−1が図9(b)の逆向き二等辺三角形の桟が等ピッチで配列される場合に、真空側の第2桟要素9−2が図9(a)〜(l)から選択される1つ又は複数の形状の桟要素が等ピッチ又は不等ピッチで配列される。このような配列により、反射率と気圧に対応する桟構造強度とが同時的に調整される。
図1は、本発明による電子線照射装置の実現態を示す斜軸投影図である。 図2は、桟構造を示す断面図である。 図3は、他の桟構造を示す断面図である。 図4は、更に他の桟構造を示す断面図である。 図5は、更に他の桟構造を示す断面図である。 図6は、更に他の桟構造を示す断面図である。 図7は、更に他の桟構造を示す断面図である。 図8は、更に他の桟構造を示す断面図である。 図9(a)〜(l)は、桟形状を多様にそれぞれに示す断面図である。 図10は、更に他の桟構造を示す断面図である。 図11は、更に他の桟構造を示す断面図である。
符号の説明
1…真空容器
2…電子線源
3…取出し窓
6…電子線透過膜
9…桟
9−[2,L]…桟
11−[2,L]…第1反射面
12−[2,L]…第2反射面
13…電子線
13−[2,L],13−[n,L]…第1電子線
14…電子線
θ1−[2,L],θ1−[n,L]…角度分布
15−[2,L]…非反射面

Claims (15)

  1. 真空容器と、
    前記真空容器の中に配置される電子線源と、
    前記電子線を取り出す取出し口に取り付けられる取出し窓とを具え、
    前記取出し窓は、
    桟構造と、
    前記桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる電子線透過膜とを備え、
    前記桟構造は、
    枠と、
    特定方向に並ぶ多数の桟とを具え、
    隣り合う桟の間は電子線通過路として形成され、
    前記多数の桟うちの1つの桟は、
    前記第1反射面に対して斜めに形成される第2反射面第1反射面と、
    とを有し、
    前記第1反射面は前記第1反射面に入射する第1電子線を前記電子線透過膜に向かう第1透過方向に反射し、
    前記第2反射面は前記第2反射面に入射する第2電子線を前記電子線透過膜に向かう第2透過方向に反射する
    電子線照射装置。
  2. 前記第1電子線は前記第1反射面に沿って進行する
    請求項1の電子線照射装置。
  3. 前記多数の前記桟のそれぞれの複数の前記第1反射面と前記第1反射面に入射するそれぞれの前記第1電子線との間のそれぞれの複数の第1角度は前記桟の位置に対応する角度分布を有する
    請求項1の電子線照射装置。
  4. 前記多数の前記桟のそれぞれの複数の前記第2反射面と前記第2反射面に入射するそれぞれの前記第2電子線との間のそれぞれの複数の第2角度は前記桟の位置に対応する角度分布を有する
    請求項1又は2の電子線照射装置。
  5. 前記第1反射面と前記第2反射面は鏡面対称に形成され、前記第1電子線と前記第2電子線は概平行流を形成する
    請求項1の電子線照射装置。
  6. 前記第1反射面と前記第2反射面は非鏡面対称に形成され、前記第1電子線と前記第2電子線は放射流を形成する
    請求項1の電子線照射装置。
  7. 前記複数の桟の複数の前記第1反射面に向かう複数の前記第1電子線の向きは、それぞれに前記第1反射面に平行である
    請求項3の電子線照射装置。
  8. 前記第1反射面と前記第2反射面は直線上で現実に交叉する
    請求項1〜4から選択される1請求項の電子線照射装置。
  9. 桟構造と、
    前記桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる電子線透過膜とを具え、
    前記桟構造は、
    枠と、
    特定方向に並ぶ多数の桟とを具え、
    隣り合う桟の間は電子線通過路として形成され、
    前記多数の桟うちの1つの桟は、
    第1反射面と、
    前記第2反射面に対して斜めに形成される第2反射面とを有し、
    前記第1反射面は前記第1反射面に入射する第1電子線を前記電子線透過膜に向かう第1透過方向に反射し、
    前記第2反射面は前記第2反射面に入射する第2電子線を前記電子線透過膜に向かう第2透過方向に反射する
    電子線照射装置の電子線取出し窓。
  10. 桟構造と、
    前記桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる電子線透過膜とを具え、
    前記桟構造は、
    枠と、
    特定方向に並ぶ多数の桟とを具え、
    隣り合う桟の間は電子線通過路として形成され、
    前記多数の桟うちの1つの桟は、
    第1反射面と、
    非反射面と、
    第2反射面を有し、
    前記第1反射面は前記第1反射面に入射する第1電子線を前記電子線透過膜に向かう透過方向に反射し、
    前記第2反射面は前記第2反射面に入射する第2電子線を前記電子線透過膜に向かわない反透過方向に反射し、
    前記非反射面は前記第2反射面の陰領域に位置する
    電子線照射装置の電子線取出し窓。
  11. 第1桟構造と、
    前記第1桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる第1電子線透過膜と、
    前記第1桟構造より真空側に配置される第2桟構造と、
    前記第2桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる第2電子線透過膜とを具え、
    前記第1桟構造は、
    枠と、
    特定方向に並ぶ多数の桟とを具え、
    隣り合う桟の間は電子線通過路として形成され、
    前記多数の桟のうちの1つの桟は、
    第1反射面と、
    前記第2反射面に対して斜めに形成される第2反射面とを有し、
    前記第1反射面は前記第1反射面に入射する第1電子線を前記電子線透過膜に向かう第1透過方向に反射し、
    前記第2反射面は前記第2反射面に入射する第2電子線を前記電子線透過膜に向かう第2透過方向に反射する
    電子線照射装置の電子線取出し窓。
  12. 第1桟構造と、
    前記第1桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる第1電子線透過膜と、
    前記第1桟構造より真空側に配置される第2桟構造と、
    前記第2桟構造に外側から押し付けられて取り付けられる第2電子線透過膜とを具え、
    前記第1桟構造は、
    第1枠と、
    特定方向に並ぶ多数の第1桟要素とを具え、
    隣り合う前記第1桟要素の間は電子線通過路として形成され、
    前記多数の第1桟要素のうちの1つの第1桟要素は、
    第1反射面と、
    前記第1反射面に対して斜めに形成される第2反射面とを有し、
    前記第1反射面は前記第1反射面に入射する第1電子線を前記第1電子線透過膜に向かう第1透過方向に反射し、
    前記第2反射面は前記第2反射面に入射する第2電子線を前記第1電子線透過膜に向かう第2透過方向に反射し、
    電子線照射装置の電子線取出し窓。
  13. 前記第2桟構造は、
    第2枠と、
    前記特定方向に並ぶ多数の第2桟要素とを具え、
    隣り合う前記第2桟要素の間は電子線通過路として形成され、
    前記多数の第2桟要素のうちの1つの第2桟要素は、
    第1反射面と、
    前記第1反射面に対して斜めに形成される第2反射面とを有し、
    前記第1反射面は前記第1反射面に入射する第1電子線を前記第2電子線透過膜に向かう第1透過方向に反射し、
    前記第2反射面は前記第2反射面に入射する第2電子線を前記第2電子線透過膜に向かう第2透過方向に反射する
    請求項12の電子線照射装置の電子線取出し窓。
  14. 前記第1桟要素のピッチ分布は前記第2桟要素のピッチ分布に等しくない
    請求項13の電子線照射装置の電子線取出し窓。
  15. 前記多数の第1桟要素のうちの少なくとも1つの第1桟要素の形状は前記多数の第2桟要素のうちの少なくとも1つの第2桟要素の形状に等しくない
    請求項12の電子線照射装置の電子線取出し窓。
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