JP2005264100A - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車外装部品のような大型成形品を成形し、静電塗装をする工程において、静電塗装可能なレベルの導電性を達成し、さらにリサイクルしても同等の導電性を保持する樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】導電性カーボンブラックの一部を、面積8μm以上の二次凝集体として樹脂組成物中に存在させ、樹脂組成物中の全導電性カーボンブラックに対する、面積8μm以上の二次凝集体の存在比率を20重量%以上にする。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、自動車外装部品のような大型成形品を成形し、静電塗装をする工程において、静電塗装可能なレベルの導電性を達成し、さらにリサイクルしても同等の導電性を保持する樹脂組成物および射出成形体に関する。
本発明の樹脂組成物は、電気・電子部品、OA部品、車両部品、機械部品などの幅広い分野に使用することができ、とりわけ、静電塗装可能な自動車外装部品に好適に使用できる。
ポリフェニレンエーテルは機械的性質・電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性に優れるため幅広い用途で使用されているが、単独では成形加工性に劣っており、これを改良するためにポリアミドを配合する技術が提案され(例えば、特許文献1参照)、現在では非常に多種多様な用途に使用される材料となっている。
最近になって、導電性を付与したポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイの静電塗装可能な自動車の外装材(フェンダー・ドアパネル等)への用途展開が急速に進んでいる。自動車の外装材料に要求される特性としては、静電塗装可能なレベルの導電性・衝撃強度・耐熱性・流動性等、種々の特性が挙げられる。
ポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイに導電性を付与する技術としては、例えば、カーボンブラックを主としてポリアミド相中に含有させること、また予めカーボンブラックをポリアミド中へ均一分散させた後にポリフェニレンエーテルと混合することにより、表面抵抗値を低下させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、このようなカーボンブラック等の微粉体を高粘度物質にうまく均一に分散させる技術及び製品は、一般的に提示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、上述した技術では、成形品のランナー部分等をリサイクルした際に、リサイクル前に対して導電性が悪くなる問題があった。そのため、特に、自動車外装部品のような大型成形品を成形し、静電塗装をする工程において、静電塗装可能なレベルの導電性が要求される用途に対して充分適用することができない。そこで、新たな技術の開発が待望されているのが現状であった。
特公昭45−997号公報 特開平2−201811号公報 化学技術誌(MOL)昭和62年11月号 P.41〜46
本発明は、自動車外装部品のような大型成形品を成形し、静電塗装をする工程において、静電塗装可能なレベルの導電性を達成し、さらにリサイクルしても同等の導電性を保持する樹脂組成物および成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を行った結果、驚くべきことに、使用する導電性カーボンブラックの一部が面積8μm以上の二次凝集体として存在し、樹脂組成物中の全導電性カーボンブラックに対する、面積8μm以上の二次凝集体の存在比率が、20重量%以上である樹脂組成物を製造することにより、静電塗装可能なレベルの導電性を達成し、さらにリサイクルしても同等の導電性を保持することができることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル及び導電性カーボンブラックを含み、導電性カーボンブラックの一部が、面積8μm以上の二次凝集体として存在し、樹脂組成物中の全導電性カーボンブラックに対する、面積8μm以上の二次凝集体の存在比率が20重量%以上である、静電塗装可能なレベルの導電性を有し、しかも、リサイクルしても同等の導電性を保持する導電性樹脂組成物に関する。また本発明は、該樹脂組成物よりなる射出成形体、特に、自動車外装用成形体に関する。
本発明の導電性樹脂組成物は、静電塗装可能なレベルの優れた導電性を達成し、またリサイクル後も優れた導電性を保持する効果を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の導電性樹脂組成物を構成する各成分について詳しく述べる。
本発明で使用することのできるポリアミドの種類としては、ポリマー主鎖中にアミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用することができる。
一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルナノメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸が挙げられ、具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
ラクタム類としては、具体的にはε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
本発明においては、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸を、単独あるいは二種以上の混合物にして重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類のいずれもが使用できる。
また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
特に本発明で有用に用いることのできるポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミド6/MXD(m−キシリレンジアミン)、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,Iなどが挙げられ、複数のポリアミドを押出機等で共重合化したポリアミド類も使用することができる。
好ましいポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6/6,6及び、それらの混合物である。さらに好ましくはポリアミド6,6である。
本発明で使用されるポリアミド樹脂の好ましい数平均分子量は5,000〜100,000であり、より好ましくは10,000〜30,000である。
本発明におけるポリアミド樹脂はこれらに限定されるものではなく、分子量の異なる複数のポリアミド樹脂の混合物であっても良い。例えば数平均分子量15,000未満の低分子量ポリアミドと、15,000以上の高分子量ポリアミドとの混合物等である。
ポリアミドの末端基は、ポリフェニレンエーテルとの反応に関与する。ポリアミド樹脂は末端基として一般にアミノ基、カルボキシル基を有しているが、一般的にカルボキシル
基濃度が高くなると、耐衝撃性が低下し、流動性が向上し、逆にアミノ基濃度が高くなると耐衝撃性が向上し、流動性が低下する。
本発明における、これらの好ましい比はアミノ基/カルボキシル基濃度比で、9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜1/9、更に好ましくは6/4〜1/9である。
また、末端のアミノ基の濃度としては少なくとも10ミリ当量/kgであることが好ましい。更に好ましくは30ミリ当量/kg以上である。
これらポリアミド樹脂の末端基の調整方法は、当業者には明らかであるような公知の方法を用いることができる。例えばポリアミド樹脂の重合時に所定の末端濃度となるようにジアミン類やジカルボン酸類、モノカルボン酸類などを添加する方法、あるいは、末端基の比率が異なる2種類以上のポリアミド樹脂の混合物により調整する方法等が挙げられる。
また、ポリアミド樹脂の耐熱安定性を向上させる目的で公知となっている特開平1−163262号公報に記載されているような金属系安定剤も、問題なく使用することができる。
これら金属系安定剤の中で特に好ましく使用することのできるものとしては、CuI、CuCl 、酢酸銅、ステアリン酸セリウム等が挙げられる。また、ヨウ化カリウム、臭化カリウム等に代表されるアルカリ金属のハロゲン化塩も好適に使用することができる。これらは、もちろん併用添加しても構わない。
金属系安定剤および、又はアルカリ金属のハロゲン化塩の好ましい配合量は、合計量としてポリアミド樹脂の100重量部に対して、0.001〜1重量部である。
さらに、上記の他にポリアミドに添加することが可能な公知の添加剤等もポリアミド100重量部に対して10重量部未満の量で添加してもかまわない。
本発明で使用できるポリフェニレンエーテルとは、式(1)の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。
Figure 2005264100
〔式中、Oは酸素原子、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わす。〕
本発明のポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されているような2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、またはこれらの混合物である。
本発明で用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法が使用でき、例えば、米国特許第3306874号明細書、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特開昭50−51197号公報及び同63−152628号公報等に記載されている製造方法等を挙げることができる。
本発明で使用することのできるポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c:0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70dl/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60dl/gの範囲、より好ましくは0.40〜0.55dl/gの範囲である。
本発明においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドし
たものであっても、何ら問題なく使用することができる。例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物等が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
また、本発明において使用できるポリフェニレンエーテルは、重合溶媒に起因する有機溶剤が、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して5重量%未満の量で残存していても構わない。これら重合溶媒に起因する有機溶剤は、重合後の乾燥工程で完全に除去するのは困難であり、通常数百ppmから数%の範囲で残存しているものである。ここでいう重合溶媒に起因する有機溶媒としては、トルエン、キシレンの各異性体、エチルベンゼン、炭素数1〜5のアルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の1種以上が挙げられる。
また、本発明において使用できるポリフェニレンエーテルは、全部又は一部が変性されたポリフェニレンエーテルであっても構わない。
ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度でポリフェニレンエーテルと変性化合物とを溶融混練して反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物とを溶液中で反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び(2)の方法が好ましい。
次に分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物について具体的に説明する。
分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸基、酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の1個または2個がエステルになっているものも使用可能である。
分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基とを同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。
これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。
分子内に炭素−炭素二重結合と水酸基とを同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式C2n−3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式C2n−5OH、C2n−7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5重量部である。
ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.001〜1重量
部である。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中の変性化合物の付加率は、0.01〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3重量%である。
該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または変性化合物の重合体が残存していても構わない。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する変性化合物及び/または、変性化合物の重合体の量を減少させるために、該変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際に、必要に応じてアミド結合及び/またはアミノ基を有する化合物を添加しても構わない。
ここでいうアミド結合を有する化合物とは、分子構造中にアミド結合{−NH−C(=O)−}構造を有する化合物であり、アミノ基を有する化合物とは末端に{−NH}構造を有する化合物である。これら化合物の具体例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類、アニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、上記アミン類とカルボン酸、ジカルボン酸等との反応物、ε−カプロラクタム等のラクタム類及びポリアミド樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらアミド結合またはアミノ基を有する化合物を添加する際の好ましい添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対し0.001重量部以上、5重量部未満である。好ましくは0.01重量部以上、1重量部未満、より好ましくは0.01重量部以上、0.1重量部未満である。
次に本発明において使用することのできる導電性カーボンブラックについて説明する。
本発明で使用できる導電性カーボンブラックとは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が250ml/100g以上のものが好ましく、より好ましくはDBP吸油量が300ml/100g以上、更に好ましくは350ml/100g以上のカーボンブラックである。ここで言うDBP吸油量とは、ASTM D2414に定められた方法で測定した値である。
また、本発明で使用できる導電性カーボンブラックはBET表面積が200cm/g以上のものが好ましく、更には400cm/g以上のものがより好ましい。市販されているものを例示すると、ケッチェンブラックインターナショナルのケッチェンブラックECやケッチェンブラックEC−600JD等が挙げられる。
また、導電性カーボンブラックは顆粒状のものをそのまま使用して、熱可塑性樹脂と溶融混合しても良いし、あらかじめ粉砕し、パウダー状にしたものを熱可塑性樹脂と溶融混合しても良い。
導電性カーボンブラックの好ましい量は、導電性カーボンブラックを除くすべての成分の量を100重量部とした際に、0.2〜5重量部である。より好ましくは0.2〜3重量部であり、さらに好ましくは0.5〜2.5重量部であり、衝撃性と流動性と導電性のバランスに優れる。
本発明の導電性樹脂組成物は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテルおよび導電性カーボンブラックを溶融混練することによって得ることができる。
本発明において重要なことは、導電性カーボンブラックの一部を二次凝集体として存在させ、該二次凝集体の存在比率として、導電性樹脂組成物中の全導電性カーボンブラックに対し、20重量%以上であることである。該二次凝集体の存在比率は、好ましくは20重量%以上80重量%以下であり、より好ましくは20重量%以上50重量%以下である。
本発明における導電性カーボンブラックの二次凝集体の大きさおよび存在比率は、以下に説明する方法で測定される。具体的には、反射法光学顕微鏡(PME3:オリンパス社製)を用いて、観察用試料の平滑面におけるカーボンブラックの分散状態を倍率100倍で観察し、撮影を行った。さらに、撮影された反射顕微鏡写真を、スキャナ(CC−600PX:エプソン社製)にてデジタル画像化した。取り込み解像度は400dpiであった。得られたデジタル画像の視野内で観察される黒色相(カーボンブラックの二次凝集体)の占める面積分率を、画像処理ソフト(Image−Pro PLUS Ver4.0J:MEDIA CYBERNETCS製)を用いて自動測定で解析した。人的要因を排除するために、以下のとおり、測定時の解析条件及び手順で行った。
(1)フィルター:メディアン(インパルスノイズの除去、強度:3×3ピクセル、回数:2回)
(2)フィルター:平坦化(オブジェクト幅 20ピクセル、背景:明るい)
(3)面積分率測定条件:面積が8μm以上(平均径3μm以上に対応:径3μmの円では7.06μm)、かつ、楕円長短軸比(重心を通る径を2°刻みで測定した長軸と短軸の直径の比)が2以下(細長い形状の二次凝集体と区別しにくい試料切削時のメスキズ等を排除するため)を満足し、さらに、輝度レンジ(256階色)のヒストグラム表示において、灰白色の相(ポリアミド−ポリフェニレンエーテル相)より黒い側の色相のレンジを抽出対象として検出した。なお、上記に自動カウントされない楕円長短軸比が2より大きく、明らかに二次凝集体と目視で判断できる大きな黒色相は、手動で黒色相の周囲をトレースし結果に付加した。また、フィルターで削除できなかった試料切削時の小さなメスキズがある場合は手動で削除した。
上記方法により、視野内の黒色相である二次凝集体が占める面積分率を算出し、10枚の写真(合計視野10mm)の平均値を求めた。ここで、二次凝集体が占める体積分率は切断面に現れる面積分率に等しいことが一般的に成り立つため、面積分率を体積分率に置き換えた。次に、カーボンブラックの真比重1.8および樹脂の比重1.1を用いて、体積分率を重量分率に変換することにより、面積が8μm以上の二次凝集体の重量分率を算出した。この二次凝集体の重量分率を全カーボンブラックの重量分率(仕込み量)で除して、樹脂中の全カーボンブラックに対する面積が8μm以上の二次凝集体の存在比率を算出した。
本発明において、導電性カーボンブラックは、ポリアミドと導電性カーボンブラックを溶融混練することによって得られる導電性マスターバッチの形態で添加することができる。
本発明の導電性樹脂組成物は、スチレン系熱可塑性樹脂をポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計100重量部に対し、50重量部未満の量であれば配合しても構わない。本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂としては、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
更に、ポリフェニレンエーテルに添加することが可能な公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
また、本発明の導電性樹脂組成物は、衝撃改良材を配合しても構わない。
本発明の導電性樹脂組成物に使用することのできる衝撃改良材は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックから構成される芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、その水素添加物及びエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群より選ばれる1種以上である。
本発明における芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体で使用することのできる芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。
また、共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
該ブロック共重合体の共役ジエン化合物のソフトセグメント部分のミクロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の合計量が5〜80%が好ましく、さらには10〜50%が好ましく、10〜40%が最も好ましい。
本発明におけるブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック
Aと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBが、A−B型、A−B−A型、A−B−A−B型から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体である事が好ましい。また、これらの混合物であってももちろん構わない。
これらの中でもA−B−A型、A−B−A−B型がより好ましい。これらはもちろん混合物であっても構わない。
また、本発明の導電性樹脂組成物に使用することのできる芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体は、水素添加されたブロック共重合体であることがより好ましい。水素添加されたブロック共重合体とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素添加処理することにより、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族二重結合を0を超えて100%の範囲で制御したものをいう。該水素添加されたブロック共重合体の好ましい水素添加率は50%以上であり、より好ましくは80%以上、最も好ましくは98%以上である。
これらブロック共重合体は水素添加されていないブロック共重合体と水素添加されたブロック共重合体との混合物としても問題なく使用可能である。
本発明の導電性樹脂組成物に使用するブロック共重合体として、低分子量ブロック共重合体と高分子量ブロック共重合体との混合物を使用することが望ましい。具体的には、数平均分子量120,000未満の低分子量ブロック共重合体と、数平均分子量120,000以上の高分子量ブロック共重合体の混合物である。
より好ましくは、数平均分子量100,000未満の低分子量ブロック共重合体と、数平均分子量200,000以上の高分子量ブロック共重合体の混合物である。
本発明でいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置[GPC SYSTEM21:昭和電工(株)製]を用いて、紫外分光検出器[UV−41:昭和電工(株)製]で測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量のことを指す。測定条件は次のとおりである。
(測定条件)
溶媒:クロロホルム
温度:40℃
カラム:サンプル側(K−G,K−800RL,K−800R)
リファレンス側(K−805L×2本)
流量:10ml/分
測定波長:254nm
圧力;15〜17kg/cm
この時、重合時の触媒失活による低分子量成分が検出されることがあるが、その場合は分子量計算に低分子量成分は含めない。通常、計算された正しい分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.0〜1.2の範囲内である。
これら低分子量ブロック共重合体と高分子量ブロック共重合体の重量比は、低分子量ブロック共重合体/高分子量ブロック共重合体=95/5〜5/95である。好ましくは90/10〜10/90である。
また、低分子量ブロック共重合体として、芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量が20,000以上であるブロック共重合体を使用することで、耐熱性を向上させるという付加的な効果を得ることができる。
芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量は、上述したブロック共重合体の数平均分子量を用いて、下式により求めることができる。
Mn(a)={Mn×a/(a+b)}/N
[上式中において、Mn(a)は芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量、Mnはブロック共重合体の数平均分子量、aはブロック共重合体中のすべての芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの重量%、bはブロック共重合体中のすべての共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの重量%、そしてNはブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの数を表す。]
また、本発明において、低分子量ブロック共重合体の芳香族ビニル化合物を主体とする
重合体ブロックの含有量の好ましい範囲は、55重量%以上90重量%未満である。低分子量ブロック共重合体に、この範囲内の芳香族ビニル重合体ブロックを持つブロック共重合体を用いることにより、耐熱性を向上させることができるため、より好適に使用することができる。
更に、本発明において、低分子量ブロック共重合体を、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを55重量%以上90重量%未満の量で含有するブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを20重量%以上55重量%未満の量で含有するブロック共重合体との混合物とすることにより、流動性を向上させることが可能となる。
また、本発明の導電性樹脂組成物に使用するブロック共重合体中には、パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合したものを用いても構わない。パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合する事により、樹脂組成物の加工性を向上させることができる。この際の好ましいパラフィンを主成分とするオイルの量はブロック共重合体100重量部に対して、1〜70重量部である。70重量部以上混合すると取り扱い性に劣る。
ここでいうパラフィンを主成分とするオイルとは、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物及び、パラフィン系化合物の三者が組み合わさった重量平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素系化合物の混合物であり、パラフィン系化合物の含有量が50重量%以上のものである。より好ましくは、パラフィン系化合物が50〜90重量%,ナフテン環含有化合物が10〜40重量%、芳香環含有化合物が5重量%以下のものである。
これら、パラフィンを主成分とするオイルは市販されており、例えば出光興産(株)製のPW380等が挙げられる。
これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体は、本発明の趣旨に反しない限り、結合形式の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−結合ビニル含有量もしくは1,2−結合ビニル含有量と3,4−結合ビニル含有量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの、水素添加率の異なるもの等混合して用いても構わない。
本発明の導電性樹脂組成物に使用することのできるエチレン−α−オレフィン共重合体としては、特開2001−302911号公報に記載されているエチレン−α−オレフィン共重合体が使用可能である。
また、本発明の導電性樹脂組成物に使用する衝撃改良材は、全部又は一部が変性された衝撃改良材であっても構わない。
ここでいう変性された衝撃改良材とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性された衝撃改良材を指す。
該変性された衝撃改良材の製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点温度以上250℃以下の範囲の温度で衝撃改良材と変性化合物とを溶融混練し反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点以下の温度で、衝撃改良材と変性化合物とを溶液中で反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点以下の温度で、衝撃改良材と変性化合物とを溶融させることなく反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、更には(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行なう方法が最も好ましい。
ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物とは、変性されたポリフェニレンエーテルについて述べた変性化合物と同じものが使用できる。
本発明の導電性樹脂組成物におけるポリアミド、ポリフェニレンエーテル及び衝撃改良材の好ましい量比は、これら3成分の合計を100重量部としたとき、ポリアミド30〜70重量部、ポリフェニレンエーテル20〜50重量部、衝撃改良材5〜30重量部の範
囲内である。より好ましくは、ポリアミド40〜60重量部、ポリフェニレンエーテル30〜40重量部、衝撃改良材5〜15重量部の範囲内である。
また、本発明の導電性樹脂組成物は、組成物の製造の際に相溶化剤を添加しても構わない。相溶化剤を使用する主な目的は、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物の物理的性質を改良することである。本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指すものである。
いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す事が望ましい。
本発明の導電性樹脂組成物において使用することのできる相溶化剤の例としては、特開平8−48869号公報及び特開平9−124926号公報等に詳細に記載されており、これら公知の相溶化剤はすべて使用可能であり、併用使用も可能である。
これら、種々の相溶化剤の中でも、特に好適な相溶化剤の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、クエン酸が挙げられる。
本発明の導電性樹脂組成物において使用することのできる相溶化剤の好ましい量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100重量部に対して0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明においては、無機充填材を添加しても構わない。
本発明において使用できる無機充填材としては、タルク、カオリン、ゾノトライト、ウォラストナイト、酸化チタン、チタン酸カリウム、ガラス繊維等が挙げられ、中でもウォラストナイトが好適に使用できる。
本発明で使用することができるウォラストナイトは、珪酸カルシウムを成分とする天然鉱物を精製、粉砕及び分級したものである。また、人工的に合成したものも使用可能である。ウォラストナイトの大きさとしては、平均粒子径2〜9μm、アスペクト比5以上のものが好ましく、より好ましくは平均粒子径3〜7μm、アスペクト比5以上のもの、さらに好ましくは平均粒子径3〜7μm、アスペクト比8以上のものである。
さらに、本発明のウォラストナイトは1000℃での加熱減量が、1.5重量%以下のものが好ましい。
また、これらのウォラストナイトには、表面処理剤として、高級脂肪酸またはそのエステル、塩等の誘導体(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エチルエステル等)やカップリング剤(例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等)を必要により使用することができる。その使用量としてはウォラストナイトに対して0.05〜5重量%であることが好ましい。
これらウォラストナイトの好ましい量比は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテルおよび衝撃改良材の合計100重量部に対して2〜80重量部である。より好ましくは2〜70重量部であり、さらに好ましくは5〜60重量部である。
本発明では、上記した成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。
付加的成分の例を以下に挙げる。
ポリエステル、ポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂、無機充填材と樹脂との親和性を高める為の公知の密着改良剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、三酸化アンチモン等の難燃助剤、着色用カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等の導電性付与材、帯電防止剤、各種過酸化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
これらの成分の具体的な添加量は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル及び、衝撃改良材の合計量100重量部に対して、合計で100重量部を超えない範囲である。
本発明の導電性樹脂組成物を得るための具体的な加工機械としては、例えば、単軸押出
機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等が挙げられるが、中でも二軸押出機が好ましく、特に、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機が最も好ましい。
この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常240〜360℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
本発明の好ましい導電性樹脂組成物の製造方法としては、上流側供給口と下流側供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口より衝撃改良材、ポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド、導電性マスターバッチを供給し溶融混練する方法、上流側供給口と2カ所以上の下流側供給口(下流側供給口の内、より上流側を下流側第1供給口、より下流側を下流側第2供給口とする)を備えた二軸押出機を用い、(1)上流側供給口より衝撃改良材、ポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側第1供給口よりポリアミドを供給し溶融混練し、下流側第2供給口より導電性カーボンブラックを供給し、更に溶融混練する方法等が挙げられる。
このようにして得られる本発明の導電性樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形により各種部品の成形体として成形できる。
これら各種部品としては、例えばICトレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー、キャビネット等の電気・電子部品、各種コンピューターおよびその周辺機器等のOA部品や機械部品、さらにはオートバイのカウルや、自動車のフェンダー、ドアーパネル、フロントパネル、リアパネル、ロッカーパネル、リアバンパーパネル、バックドアガーニッシュ、エンブレムガーニッシュ、燃料注入口パネル、オーバーフェンダー、アウタードアハンドル、ドアミラーハウジング、ボンネンットエアインテーク、バンパー、バンパーガード、ルーフレール、ルーフレールレッグ、ピラー、ピラーカバー、ホイールカバー、スポイラー等に代表される各種エアロパーツ、各種モール、エンブレムといった外装部品や、インストゥルメントパネル、コンソールボックス、トリム等に代表される内装部品等に好適に使用できる。
これらの中でも、静電塗装される自動車の外装部品、とりわけ、電着塗料の乾燥工程を鋼板とともに通過する自動車外装部品に好適に使用可能であり、特に、自動車フェンダーに好適に使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に示されたものに限定されるものではない。
(使用した原料)
実施例等において使用した原料は次のとおりである。
(1)ポリアミド(以下、PAと略記)
ポリアミド66(以下、PA66と略記)
数平均分子量=14,000
末端アミノ基濃度=30ミリ等量/kg
末端カルボキシル基濃度=100ミリ等量/kg
(2)ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略記)
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
還元粘度:0.52dl/g
(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
(3)導電性カーボンブラック
導電性カーボンブラック(以下、KBと略記)
商品名:ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインターナショナル社製)
(4)ブロック共重合体
(4−1)ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
(以下、SEBS−1と略記)
数平均分子量=246,000
スチレン成分合計含有量=33%
(4−2)ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
(以下、SEBS−2と略記)
数平均分子量=113,000
スチレン成分合計含有量=60%
(5)相溶化剤
無水マレイン酸(三菱化学(株)製)(以下、MAHと略記)
(測定方法)
以下に、導電性カーボンブラックの二次凝集体の存在比率(以下「二次凝集体存在比率」と略記する)、導電性(体積抵抗率)の測定方法について述べる。
<二次凝集体存在比率>
得られた樹脂組成物ペレットを、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ダンベルバーとしてISO294の記載の如く成形した。得られた成形品をウルトラミクロトーム(ULTRACUT S:REICHERT−NISSEI製)に固定し、ガラスナイフを用いて約2×3mmのエッジ面を試料表層から粗く切り出した後、ダイアモンドナイフを用いて、さらにエッジ面を切り出して平滑面を有する観察用試料を得た。
反射法光学顕微鏡(PME3:オリンパス社製)を用いて、観察用試料の平滑面におけるカーボンブラックの分散状態を倍率100倍で観察し、撮影を行った。さらに、撮影された反射顕微鏡写真を、スキャナ(CC−600PX:エプソン社製)にてデジタル画像化した。取り込み解像度は400dpiであった。得られたデジタル画像の視野内で観察される黒色相(カーボンブラックの二次凝集体)の占める面積分率を、画像処理ソフト(Image−Pro PLUS Ver4.0J:MEDIA CYBERNETCS製)を用いて自動測定で解析した。人的要因を排除するために、以下のとおり、測定時の解析条件及び手順で行った。
(1)フィルター:メディアン(インパルスノイズの除去、強度:3×3ピクセル、回数:2回)
(2)フィルター:平坦化(オブジェクト幅 20ピクセル、背景:明るい)
(3)面積分率測定条件:面積が8μm以上(平均径3μm以上に対応:径3μmの円では7.06μm)、かつ、楕円長短軸比(重心を通る径を2°刻みで測定した長軸と短軸の直径の比)が2以下(細長い形状の二次凝集体と区別しにくい試料切削時のメスキズ等を排除するため)を満足し、さらに、輝度レンジ(256階色)のヒストグラム表示において、灰白色の相(ポリアミド−ポリフェニレンエーテル相)より黒い側の色相のレンジを抽出対象として検出した。なお、上記に自動カウントされない楕円長短軸比が2より大きく、明らかに二次凝集体と目視で判断できる大きな黒色相は、手動で黒色相の周囲をトレースし結果に付加した。また、フィルターで削除できなかった試料切削時の小さなメスキズがある場合は手動で削除した。
上記方法により、視野内の黒色相である二次凝集体が占める面積分率を算出し、10枚の写真(合計視野10mm)の平均値を求めた。ここで、二次凝集体が占める体積分率は切断面に現れる面積分率に等しいことが一般的に成り立つため、面積分率を体積分率に置き換えた。次に、カーボンブラックの真比重1.8および樹脂の比重1.1を用いて、体積分率を重量分率に変換することにより、面積が8μm以上の二次凝集体の重量分率を算出した。この二次凝集体の重量分率を全カーボンブラックの重量分率(仕込み量)で除して、樹脂中の全カーボンブラックに対する面積が8μm以上の二次凝集体の存在比率を算出した。
<体積抵抗率>
得られた樹脂組成物ペレットを、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ダンベルバーとしてISO294の記載の如く成形した。この試験片の両端を折り取って均一な断面積10×4mm、長さ約70mmで両端に破断面をもつ部分を得た。この両端の破断面に銀塗料を塗布し、デジタル超高抵抗/微少電流計[R8340A:アドバンテスト製]を用いて、250Vの印加電圧で両方の破断面間の体積抵抗を測定し、体積抵抗率を算出した。測定は5個の異なる試験片に対して実施し、その加算平均をもって体積抵抗率とした。
<ペレットの表面粗さ(Ra)>
JIS B 0601に準拠し、表面粗さ計Surfcom579A(日本国東京精密(株)製)を用いて、マスターバッチのペレット側面水平部の中心線平均粗さ(Ra)を測定した。測定条件として、触針に標準測定子(ダイアモンド製、先端R5μm)を用いて、触針の移動速度0.3mm/秒、測定長2.5mm、カットオフ値0.8mmの条件下で実施し、測定点数10点の平均値を算出した。
<低温面衝撃試験>
得られた樹脂組成物ペレットを、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)にて90mm×50mm、厚さ2.5mmの平板成形片を成形した。得られた成形片を−30℃の恒温槽中に少なくとも2時間放置し冷却した。冷却した成形片を恒温槽から取り出して直ぐに測定を行った。測定には、落錘グラフィックインパクトテスター((株)東洋精機製)を用い、ホルダ径φ40mm、ストライカー径12.7mm、ストライカー重量6.5kgを使用し、高さ128cmから衝撃試験を行い、全吸収エネルギーを測定した。
[比較例1、実施例1〜2]
押出機上流側に1カ所、下流側に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−25:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]を用いて、シリンダー温度270℃設定下で、90重量部のポリアミド66と10重量部の導電性カーボンブラックを溶融混練し、マスターバッチ(以下、PA66/KB−MB1、PA66/KB−MB2、PA66/KB−MB3と略記)を作製した。ここで、スクリュー構成、スクリュー回転数、吐出量等をそれぞれ調整して、ペレット側面水平部の中心線平均粗さ(Ra)が0.25〜1.18になるようにした。また、上記二軸押出機を用いて、シリンダー温度300℃に設定した条件下で、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル、ブロック共重合体を供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド66と導電性マスターバッチ(PA66/KB−MB1)を供給して、ポリアミド66、ポリフェニレンエーテル、導電性カーボンブラックからなる樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物ペレットを成形し、二次凝集体存在比率、体積抵抗率を測定した。さらに、樹脂組成物ペレットを、上記二軸押出機を用いて、シリンダー温度300℃に設定した条件下で、上流側供給口より供給してリペレットした後、成形して体積抵抗率を測定した(リサイクル後の体積抵抗率)。各物性値を組成と共に表1に併記した。
表1より、樹脂組成物中に導電性カーボンブラックの二次凝集体が存在することで、高い導電性を達成することが可能であり、また、リサイクルしても同等の導電性を保持することが可能であった。
[実施例3]
実施例1の導電性樹脂組成物を用いて自動車フェンダーを成形した。このとき二次凝集体存在比率は28%であった。得られた自動車フェンダーを、電着塗料の乾燥工程を含む自動車塗装工程を通し静電塗装を行った。その結果、熱変形量が極めて小さく、静電塗装を満足できるものであった。
Figure 2005264100
本発明の導電性樹脂組成物、および該導電性樹脂組成物からなる成形体は、電気・電子部品、OA部品、車両部品、機械部品などの幅広い分野に使用することができ、とりわけ、静電塗装可能な自動車外装部品、特に、自動車フェンダーに好適に使用できる。

Claims (9)

  1. ポリアミド、ポリフェニレンエーテル及び導電性カーボンブラックを含む樹脂組成物であって、反射法光学顕微鏡を用いて100倍で視野の合計10mmを観察した際に、導電性カーボンブラックの一部が面積8μm以上の二次凝集体として存在し、かつ面積8μm以上の二次凝集体の存在比率が樹脂組成物中の全導電性カーボンブラックに対して、20重量%以上であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. 導電性樹脂組成物中の面積8μm以上の二次凝集体の存在比率が全導電性カーボンブラックに対して、20重量%以上80重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. 導電性樹脂組成物中の面積8μm以上の二次凝集体の存在比率が全導電性カーボンブラックに対して、20重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性樹脂組成物。
  4. 導電性カーボンブラックの量が、導電性カーボンブラックを除く全ての成分の合計100重量部に対して0.2〜5重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の自動車外装用導電性樹脂組成物。
  6. 鋼板とともに電着塗料の乾燥工程を通過した後、静電塗装をする自動車外装用である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6に記載の導電性樹脂組成物からなる射出成形体。
  8. 請求項1〜6に記載の導電性樹脂組成物からなる自動車外装用成形体。
  9. 請求項1〜6に記載の導電性樹脂組成物からなる自動車フェンダー。
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