JP2005264097A - 樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電磁波シールド性に優れた樹脂成形品を提供する。
【解決手段】
(A)金属繊維、(B)(A)よりも融点が低く、かつ、鉛を含有しない繊維状または棒状の低融点金属、(C)熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆組成物であって、該樹脂被覆組成物中の(A)、(B)、(C)の重量合計を100としたときの(A)〜(C)の各含有量が(A)50〜95重量%、(B)4〜40重量%、(C)1〜20重量%であって、(B)の(A)に対する重量比((B)/(A))が0.31〜0.8であり、(A)の繊維束中に(B)を収束した複合繊維束が熱可塑性樹脂に被覆されてなる樹脂被覆組成物10〜50重量%と、熱可塑性樹脂50〜90重量%とを用いて得られる樹脂成形品。
【選択図】 なし

Description

本発明は樹脂成形品に関する。
自動車や家電製品などは種々の部品から構成されている。近年の電気自動車、電気−ガソリンハイブリッド車、燃料電池車、コンピュータ・OA機器などの普及に伴って、これらの機器から発生する電磁波により、自動車や家電製品などの誤作動、雑音の発生を引き起こす場合があるため、電磁波による影響を抑える手法が求められている。このような手法としては、電磁波発生機器あるいは電磁波により影響を受ける機器を、電磁波シールド性を有する成形品で覆う方法が一般的である。このような電磁波シールド性を有する成形品は、熱可塑性樹脂に導電性フィラーである金属繊維を含む樹脂組成物を用いて成形される。
例えば特許文献1には、収束した銅繊維の周りに低融点金属を集合させた充填材をABS樹脂で被覆した樹脂被覆組成物と熱可塑性樹脂とを用いて得られた成形品が開示されている。
特開平6−315932号公報
しかしながら上記のような収束した銅繊維の周りに低融点金属を集合させた充填材をABS樹脂で被覆した樹脂被覆組成物を用いて得られる成形品は、電磁波シールド性が不十分であった。
本発明の目的は、電磁波シールド性に優れた樹脂成形品を提供することにある。
すなわち本発明は、(A)金属繊維、(B)(A)よりも融点が低く、かつ、鉛を含有しない繊維状または棒状の低融点金属、(C)熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆組成物であって、該樹脂被覆組成物中の(A)、(B)、(C)の重量合計を100としたときの(A)〜(C)の各含有量が(A)50〜95重量%、(B)4〜40重量%、(C)1〜20重量%であって、(B)/(A)の重量比が0.31〜0.8であり、(A)の繊維束中に(B)を収束した複合繊維束が熱可塑性樹脂に被覆されてなる樹脂被覆組成物10〜50重量%と、熱可塑性樹脂50〜90重量%とを用いて得られる樹脂成形品である。
本発明の樹脂成形品は、電磁波シールド性に優れたものである。特に厳しい使用環境下においても、性能が低下することのない電磁波シールド性を有する樹脂成形品である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、(A)金属繊維、(B)(A)よりも融点が低く、かつ、鉛を含有しない繊維状または棒状の低融点金属、(C)熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆組成物を用いる。
本発明の樹脂被覆組成物における金属繊維は、長繊維状の金属繊維であることが好ましい。金属繊維に用いられる繊維種としては、例えば、ステンレス、黄銅、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、チタン、錫、亜鉛、マグネシウム、白金、ベリリウム、これらの金属種の合金、これらの金属種とリンとの化合物などが挙げられる。これらの金属種の中で、黄銅、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、チタンが好ましく使用され、銅がより好ましく使用される。金属繊維は、上記した金属種を原材料として、伸線引き抜き法、溶融紡糸法、コイル材切削法、ワイヤ切削法等の方法により製造することができる。金属繊維は、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤またはトリアジンチオール化合物等の表面処理剤で表面処理されていてもよい。
また、本発明で用いられる金属繊維としては、ポリエステル繊維やポリアミド繊維などの有機繊維の表面に金属層を設けたものや、ガラス繊維などの無機繊維の表面に金属層を設けたもの等が挙げられる。有機繊維または無機繊維に金属層を付与する方法は、繊維の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法が挙げられる。繊維に付与される金属は、特に限定されないが、なかでも銅が好ましい。
本発明で用いられる金属繊維は、体積抵抗値が50μΩcm以下であることが電磁波シールド性の観点から好ましい。樹脂被覆組成物における金属繊維の含有量は、該樹脂被覆組成物中の(A)、(B)、(C)の重量合計を100としたとき、50〜95重量%であることが好ましく、55〜90重量%であることがより好ましい。金属繊維の含有量が少なすぎると導電性が不十分となる傾向があり、多すぎると金属繊維の分散不良がおこりやすくなり、該樹脂被覆組成物を用いて得られる成形品の電磁波シールド性が低下する傾向がある。
金属繊維の断面形状は、特に限定されないが、略円形であることが好ましい。金属繊維の繊維径は、5〜100μmの範囲にあることが好ましく、10〜80μmであることがより好ましい。40〜60μmであることが更に好ましい。ここで、金属繊維の繊維径は、通常、同じ断面積を有する円に換算した時の繊維径をいう。繊維径が5〜100μmの範囲にあると、成形品中で金属繊維同士の接触が効率的に起こるため、少ない含有量で充分な導電性が得られるため好ましい。繊維径が小さすぎると繊維が切れやすくなるため、成形時に繊維長が短くなり、十分な導電性が得られないことがある。一方、繊維径が長すぎると、繊維の絡み合いが起こりにくくなり、十分な導電性が得られないことがある。
金属繊維の長さは、3〜15mmであることが好ましく、より好ましくは5〜10mmである。高い導電性、電磁波シールド効果を効率よく得るためには、繊維の長さが長いほど好ましいが、繊維の長さが長すぎると成形品の外観、成形性、分散性などがよくないことがある。一方、繊維の長さが短すぎると、成形時に絡まる金属繊維同士の接触が起こりにくくなり、導電性、電磁波シールド効果が低下することがある。
金属繊維は、耐腐食性の観点から、スズまたはスズ合金によって被覆されていてもよい。スズ合金としては、例えば、スズ−鉛合金、スズ−鉛−銀合金、スズ−鉛−ビスマス合金などが挙げられる。
本発明で用いる低融点金属は、上記の金属繊維よりも融点が低く、金属繊維と良好な濡れ性を示すものであることが好ましい。低融点金属の融点は、300℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましい。低融点金属は鉛を含有しない金属であり、例えば、スズを主成分とし、スズと、銀、亜鉛および銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属種との鉛を含有しないはんだ合金などが挙げられ、繊維状または棒状の形態を有するものである。
本発明で用いられる繊維状または棒状の低融点金属の断面形状は、特に限定されないが、略円形であることが好ましい。低融点金属の径は、0.01〜5mmの範囲にあることが好ましく、0.05〜4mmであることがより好ましい。0.1〜3mmであることが更に好ましい。ここで、低融点金属の径は、通常、同じ断面積を有する円に換算した時の繊維径をいう。低融点金属の径が0.01〜5mmの範囲にあると、金属繊維同士の接触を効率的に起こさせるため、充分な電磁波シールド特性が得られるため好ましい。低融点金属の径が小さすぎると、成形品の製造時に切断されやすく、製造が困難となることがある。一方、低融点金属の径が大きすぎると、金属繊維束中に低融点金属を収束することが困難となることがある。
本発明における低融点金属の長さは、上述した金属繊維と同じ長さであることが好ましく、3〜15mmであることが好ましく、より好ましくは5〜10mmである。高い電磁波シールド効果を効率よく得るためには、長さが長いほど好ましいが、長すぎると成形品の外観、成形性、分散性などがよくないことがある。一方、長さが短すぎると、成形時に絡まる金属繊維同士の接触の促進を起こしにくくなり、電磁波シールド効果が低下する傾向がある。
低融点金属中には、金属繊維のはんだ濡れ性を改善する目的で、フラックスが含有されていてもよい。フラックスが含有されている場合、その含有量は、低融点金属に対して0.1〜5重量%であることが好ましい。フラックスは低融点金属中に含有されていることが好ましい。フラックスとしては、例えば、ステアリン酸、乳酸、オレイン酸、グルタミン酸などの有機系のもの、ロジン、活性ロジンなどの樹脂系のものなどが挙げられる。
樹脂被覆組成物中の低融点金属の含有量は、ヒートショック試験後の電磁波シールド性を維持する観点で、該樹脂被覆組成物中の(A)、(B)、(C)の重量合計を100としたとき、20〜40重量%であることが好ましい。より好ましくは、25〜35重量%である。低融点金属含有量が少なすぎると、ヒートショック試験後の電磁波シールド性が低下する傾向があり、多すぎると樹脂被覆組成物の流動性が低下するために成形加工性が劣る傾向がある。
本発明における樹脂被覆組成物中の(A)金属繊維と(B)低融点金属との重量比、すなわち(B)/(A)は、0.31〜0.8であることが好ましい。該重量比がこの範囲にあると、ヒートショック試験後も電磁波シールド性が維持されるという観点で好ましい。より好ましくは、0.32〜0.7である。該重量比(B)/(A)が0.31未満であると、ヒートショック試験後も電磁波シールド性が低下する傾向があり、0.8を超えると、樹脂被覆組成物の流動性が低下するために成形加工性が劣る傾向がある。
本発明に用いる(C)熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等、あるいは、これら樹脂を2種類以上からなるブレンド、アロイを挙げる事ができる。なかでも、ポリプロピレン樹脂が好ましい。
ポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。ここで、α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数2または4〜8のα−オレフィンなどが挙げられる。
また、本発明で用いられる(C)熱可塑性樹脂は、MFRが10g/10min以上400g/10min以下であることが好ましい。MFRが10g/10min未満であると、成形時、金属繊維の分散性が低下し、得られる成形品の電磁波シールド性が十分得られない傾向がある。またMFRが400g/10minを超えると、得られる成形品の強度が低下する傾向がある。
樹脂被覆組成物における(C)熱可塑性樹脂の含有量は、該樹脂被覆組成物中の(A)、(B)、(C)の重量合計を100としたとき、1〜20重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることがより好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が1重量%未満では、金属繊維の分散が損なわれるために電磁波シールド性を損なう傾向があり、20重量%を超えると、成形時に金属繊維同士の接触を妨げるために、該樹脂被覆組成物を用いて得られる成形品の電磁波シールド性が低下する傾向がある。
本発明における樹脂被覆組成物は、(A)金属繊維の繊維束中に(B)低融点金属を収束した複合繊維束が(C)熱可塑性樹脂に被覆されてなる。
樹脂被覆組成物の形態が上記のようであると、成形時、金属繊維と低融点金属の接触が効率的に行われ、ヒートショック試験後も優れた電磁波シールド特性を維持することができる。(A)の束と(B)が並んだ状態で(C)に被覆されていたり、(B)の中に(A)が収束された状態で(C)に被覆されている場合には、成形時に金属繊維と低融点金属の接触が損なわれ、ヒートショック試験後に電磁波シールド特性が低下する傾向がある。
本発明の樹脂被覆組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ロービング装置に金属繊維、及び、繊維状または棒状の低融点金属をセットし、中心に繊維状または棒状の低融点金属、その周囲を複数の金属繊維が取り囲むようにして、ロービング装置から繰り出して、複合繊維束を形成させ、押出機のダイスに通す。このダイス中で、溶融した熱可塑性樹脂を被覆することにより、複合繊維束の表面に熱可塑性樹脂層を形成する。通常は続いて適当な大きさに切断してペレットとする。ペレットは、通常、断面が円形でも扁平でもその他の形状でもよく、特にその形状は限定されない。
複合繊維束を構成する(A)金属繊維は100本未満であることが好ましく、50〜95本であることがより好ましく、60〜90本であることがさらに好ましい。金属繊維数がこの範囲にあると、成形した際の分散性が良好となり、十分な電磁波シールド性を発現でき、かつ、未開繊による外観不良もなく、繊維が成形機のスクリュー等に詰まるなどの不具合が発生しないために好ましい。
金属繊維数が多すぎると、低温雰囲気下と高温雰囲気下で繰り返し使用されることを想定した試験、いわゆるヒートショック試験を実施すると、電磁波シールド性が低下したり、成形加工性の悪化、外観不良を生じることがある。
本発明において、樹脂被覆組成物とともに用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等、あるいは、これら樹脂の2種類以上からなるブレンド、アロイを挙げる事ができる。なかでも、ポリプロピレン樹脂が好ましい。
ポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。ここで、α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数2または4〜8のα−オレフィンなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂は、無機フィラー、金属粉末、酸化防止剤、銅害防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル補足剤などの各種添加剤や熱可塑性エラストマーを含んでいてもよい。
無機フィラーとしては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、クレー、炭酸マグネシウム、アルミナ、シリカ、ガラス繊維強化剤などが挙げられる。無機フィラーは、成形品中1〜40重量%となるように配合することが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましい。無機フィラーの含有量が上記範囲にあると、ヒートショック試験時に電磁波シールド性能が低下するのを抑制するために好ましい。また成形品の強度、耐熱性、寸法安定性の観点からも、無機フィラーの含有量が上記範囲にあることが好ましい。
熱可塑性エラストマーしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴムなどが挙げられ、これらは単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。これらの中で、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムが好ましく使用される。
熱可塑性エラストマーは、成形品中1〜40重量%となるように配合することが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましい。熱可塑性エラストマーの含有量が上記範囲にあると、成形時に低融点金属が遊離し、飛散するなどの危険性を抑制できることから好ましい。また成形品の耐衝撃性、成形性、軽量化の観点からも、熱可塑性エラストマーの含有量が上記範囲にあることが好ましい。
金属粉末としては、例えば、銅粉末、黄銅粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、錫粉末などが挙げられ、これらは2種以上を混合して用いてもよい。これらの中で、アルミニウム粉末が好ましく使用される。金属粉末は、導電性、電磁波シールド性の観点から、成形品中0.5〜10重量%となるように配合することが好ましい。
金属粉末は、粉末状でそのまま用いてもよいが、燐片状やフレーク状、またはポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂とのマスターペレットとして使用してもよい。
金属粉末と熱可塑性樹脂とのマスターペレットの製造方法としては、金属粉末と熱可塑性樹脂とを共に、押出機のダイスを通して押し出し、溶融混練し適当な大きさに切断してペレット状にしてマスターペレットを製造する方法などが挙げられる。
本発明では樹脂被覆組成物と熱可塑性樹脂を用いて公知の成形方法、例えば、射出成形、射出圧縮成形、射出プレス成形法により成形することができる。成形温度は低融点金属の融点以上である。成形時に化学発泡剤あるいは物理発泡剤を配合し、発泡成形してもよい。
本発明により得られる成形品は、電磁波シールド性を評価する方法の一つである3針ギャップ試験法による磁界波2〜30MHzにおいて、30dBを越える電磁波シールド性に優れたものである。さらに、−30℃と120℃の雰囲気下に300回以上繰り返し曝されるヒートショック試験を実施した後も、磁界波2〜30MHzにおいて、30dBを越える電磁波シールド性を維持できるものである。
このような成形品は、電磁波シールド性を必要とする電子機器、計測機器、通信機器等のハウジングや部品;ラジオ、テレビなどの電磁波ノイズを発生する電気関連機器のケース、ハウジング、筐体等;車両に搭載される電子部品、例えば、エンジン制御系、安全系、操舵系、駆動系、照明系および空調系等の電子制御ユニット;センサー、アクチュエータ等に用いられる電磁波シールドケース;電気自動車、電気−ガソリンハイブリッド車、燃料電池車用のバッテリーカバー、バッテリーロアカバー、エンジンコンパートメントカバー、エンジンフード、エンジンアンダーカバー、インバーターカバーの部品などに好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明が実施例により限定されるものではないことは言うまでもない。
なお、実施例で使用した射出成形機、金型、成形品形状及び評価法は、以下のとおりである。
電磁波シールド性を評価するための試験片の成形、電磁波シールド性の評価は以下のようにして実施した。
(1)射出成形機および金型、成形条件
射出成形機:日本製鋼所製 J850E 型締力 850トン
成形温度:250℃
金型:形状は図1参照。センターダイレクトゲート、ゲート径φ10.
金型温度:50℃
(2)電磁波シールド性の測定
3針ギャップ試験法
蓋のないアルミ製のケースにノイズ源を入れ、周波数0.2から30MHzの範囲で、ノイズを発生させて、80cmはなれた場所にあるアンテナを用いて、ノイズレベルを測定した。次に、図1に示したカバーでアルミ製ケースに蓋をして、同様にノイズを発生させ、ノイズレベルを測定した。この2つの測定におけるノイズレベルの差(dB)を求めた。
(3)ヒートショック試験
恒温槽(タバイエスペック社製)を使用し、−10℃で20分冷却、次に120℃で20分加熱するのを1サイクルとし、300サイクル繰り返すことにより、ヒートショック試験を実施した。
実施例1
(A)金属繊維として、繊維径50μmの銅繊維60本を、(B)低融点金属として、直径300μmの鉛フリーはんだを用いた。(A)の繊維収束中に(B)を収束した複合繊維束を、(C)ポリプロピレン樹脂(MFR100g/10min、住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンU501E1)とともに40mmφの押出機のダイスを通して押し出し、複合繊維束の表面にポリプロピレン樹脂を被覆した後、ペレット長6mmの大きさに切断して樹脂被覆組成物を製造した。得られた樹脂被覆組成物において、銅繊維60重量%、鉛フリーはんだ30重量%、ポリプロピレン樹脂10重量%であった。
こうして得られた樹脂被覆組成物33重量%、ポリプロピレン樹脂組成物(MFR60g/10minのポリプロピレン60重量%、MFR8g/10minのエチレン−1−オクテン共重合体20重量%、タルク20重量%からなる組成物)50重量%、ポリプロピレン(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンAZ161T、MFR30g/10min)17重量%、銅害防止剤マスターバッチ(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンMB109)8重量%をドライブレンドした後、成形温度250℃、金型温度40℃の条件で射出成形し、図1に示した形状の成形品を作製した。得られた成形品中の組成比は、銅繊維19.8重量%、鉛フリーはんだ9.9重量%、エラストマー10重量%、タルク10重量%、ポリプロピレン42.3重量%である。得られた成形品の電磁波シールド性を評価した。結果を表2に示した。
比較例1
(1)Sn/Cu/Ag=96.5/0.5/3 (wt/wt)の組成からなる鉛フリーはんだ20重量%およびポリプロピレン樹脂組成物(MFR60g/10minのポリプロピレン60重量%、MFR8g/10minのエチレン−1−オクテン共重合体20重量%、タルク20重量%からなる組成物)80重量%からなる樹脂組成物35重量%、(2)繊維径50μmの銅繊維91本の束を、MFR100g/10minのポリプロピレンで被覆した長さ6mmの組成物ペレット22重量%、(3)ポリプロピレン樹脂組成物(MFR60g/10minのポリプロピレン60重量%、MFR8g/10minのエチレン−1−オクテン共重合体20重量%、タルク20重量%からなる組成物)36重量%、(4)銅害防止剤マスターバッチ(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンMB109)8重量%を用いて、実施例1と同様に射出成形により成形品を得た。得られた成形品の電磁波シールド性を評価した。結果を表2に示した。
Figure 2005264097
Figure 2005264097
本発明の実施例で成形した樹脂成形品の概略図である。
符号の説明
1:ゲート

Claims (8)

  1. (A)金属繊維、(B)(A)よりも融点が低く、かつ、鉛を含有しない繊維状または棒状の低融点金属、(C)熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆組成物であって、該樹脂被覆組成物中の(A)、(B)、(C)の重量合計を100としたときの(A)〜(C)の各含有量が(A)50〜95重量%、(B)4〜40重量%、(C)1〜20重量%であって、(B)の(A)に対する重量比((B)/(A))が0.31〜0.8であり、(A)の繊維束中に(B)を収束した複合繊維束が熱可塑性樹脂に被覆されてなる樹脂被覆組成物10〜50重量%と、熱可塑性樹脂50〜90重量%とを用いて得られる樹脂成形品。
  2. 金属繊維が銅繊維である請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 電気自動車用バッテリーカバーである請求項1または2に記載の樹脂成形品。
  4. 電気自動車用バッテリーロアカバーである請求項1または2に記載の樹脂成形品。
  5. 電気自動車用エンジンコンパートメントカバーである請求項1または2に記載の樹脂成形品。
  6. 電気自動車用エンジンフードである請求項1または2に記載の樹脂成形品。
  7. 電気自動車用エンジンアンダーカバーである請求項1または2に記載の樹脂成形品。
  8. 電気自動車用インバーターカバーである請求項1または2に記載の樹脂成形品。
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