JP2005263997A - プロピレン系接着用重合体組成物及びその積層体 - Google Patents

プロピレン系接着用重合体組成物及びその積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温雰囲気下でも接着力の低下を抑え、同時に接着剤として必要な適度な柔軟性を有するポリプロピレン系接着用樹脂組成物、および当該樹脂組成物からなる高温雰囲気下での層間接着力に優れた積層体を提供すること。
【解決手段】 アイソタクティックポリプロピレン(A)を1〜39重量部、プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)を99〜61重量部含有してなる組成物であり、プロピレン・エチレン・αオレフィン共重合体(B)におけるプロピレンとエチレンおよびα−オレフィン含有量(mol%)の比(プロピレン/エチレン+α−オレフィン)が、45/55〜90/10であることを特徴とするプロピレン系接着用重合体組成物(C)を得る。また、上記プロピレン系接着用樹脂組成物層を少なくとも1層有する積層体を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プロピレン系接着用重合体組成物およびそれを用いた積層体に関する。さらに詳しくは、高温雰囲気下での接着性に優れると共に、適度な柔軟性を有するプロピレン系接着用重合体成物、およびそれを用いた高温雰囲気下での層間接着力に優れた積層体に関する。
例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、またはポリカーボネート等に代表される、ポリオレフィンと接着困難な重合体に対し、不飽和カルボン酸またはその誘導体によってグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物を接着用組成物として用いることは既に知られている(特許文献1、特許文献2参照)。これらのエチレン系変性樹脂組成物は常温では優れた接着性を備えているが、たとえばポリエチレンテレフタレートとの積層体を高温熱水中にて取り扱った場合など、高温雰囲気下においては接着力が著しく低下し剥離するという問題があった。
一方で、高温領域での接着強度を改善する目的で、変性プロピレン系樹脂組成物からなる接着性樹脂組成物も既に知られている(特許文献3参照)。しかしながら、プロピレン系樹脂組成物からなる接着剤は柔軟性に乏しく、接着剤として使用するに適した柔軟性を満足するものは、未だ知られていなかった。
また、最近では環境問題から、衛生上好ましくない加硫工程を伴なわずとも、優れた強度および低い永久伸びを示し、透明性、耐熱性に優れた、いわゆる物理架橋エラストマーの開発が行われており、プロピレン系重合体でありながらゴム弾性を発現する重合体が出現してきた(特許文献4参照)。しかしながら、ゴム弾性を有するプロピレン系重合体であっても、高温雰囲気下における接着力が優れていることは類推できるものではない。
特開昭61−270155号公報 特開昭62−158043号公報 特開2000−143899号公報 特開平08−301934号公報
本発明の課題は、高温雰囲気下でも接着力の低下を抑え、同時に接着剤として必要な適度な柔軟性を有するポリプロピレン系接着用重合体組成物、および当該重合体組成物からなる高温雰囲気下での層間接着力に優れた積層体を提供することである。
本発明者らは鋭意検討し、特定の組成物を用いることにより高温雰囲気下でも接着力の低下を抑え、同時に適度な柔軟性を有するプロピレン系接着用重合体組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、アイソタクティックポリプロピレン(A)を1〜39重量部、プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)を99〜61重量部含有してなる組成物であり、プロピレン・エチレン・αオレフィン共重合体(B)におけるプロピレンとエチレンおよびα−オレフィン含有量(mol%)の比(プロピレン/エチレン+α−オレフィン)が、45/55〜90/10であることを特徴とするプロピレン系接着用重合体組成物(C)である。
また本発明は、上記プロピレン系接着用重合体組成物(C)層を少なくとも1層有する積層体である。
本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)は、高温雰囲気下での接着性に優れるとともに柔軟性を有する組成物である。本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)によれば、高温雰囲気下での層間接着力に優れる成形品を得ることが可能となり、同時に柔軟性が必要とされる成形品に使用可能となる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)は、アイソタクティックポリプロピレン(A)とプロピレン・エチレン・α−オレフィン共ランダム重合体(B)を含有してなる組成物でああり、プロピレン・エチレン・αオレフィン共重合体(B)におけるプロピレンとエチレンおよびα−オレフィン含有量(mol%)の比(プロピレン/エチレン+α−オレフィン)が、45/55〜90/10であることを特徴とするプロピレン系接着用重合体組成物(C)である。
以下に各成分について説明する。
アイソタクティックポリプロピレン(A)
本発明で用いられるアイソタクティックポリプロピレン(A)は、プロピレンの単独重合体および/またはプロピレン・α−オレフィン共重合体である。他のα−オレフィンとしては、エチレンおよび/または炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、これらのα−オレフィンは、1種単独でも2種以上使用してもよい。本発明において好ましいα−オレフィンとしては、炭素数4〜10のα−オレフィンであり、中でも特に炭素数4〜8のα−オレフィンが好適に使用できる。
本発明に用いられるアイソタクティックポリプロピレン(A)における上記α−オレフィンの含有量は、耐熱性に優れた組成物が得られる点で、通常7mol%以下、好ましくは6mol%以下で、更に好ましくは5mol%以下である。
アイソタクティックポリプロピレン(A)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、チーグラ・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等の周知の触媒を用いた周知の方法にて製造することができる。また、結晶性の重合体が好ましく使用でき、共重合体の場合にあっては、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。更に、成形性を満足し、成形体としたときの使用に耐えうる強度を有するものであれば、立体規則性、分子量についても特段の制限はない。市販の樹脂をそのまま利用することも可能である。
本発明において好ましく用いられるアイソタクティックポリプロピレン(A)は、ホモポリプロピレンあるいはプロピレン−αオレフィンランダム共重合体である。また、幾つかの異なるアイソタクティックポリプロピレンを混合して用いることもできる。
本発明で用いられるアイソタクティックポリプロピレン(A)のASTM D1238に準じ、230℃、2.16kg荷重の下に測定されたメルトフローレート(MFR)は、通常0.01〜400g/10分、好ましくは0.1〜90g/10分である。MFR値がこの範囲にあるアイソタクティックポリプロピレン(A)は、流動性に優れるため、大型品も成形できるようなプロピレン系接着用重合体組成物(C)を得ることが可能となる。また、MFRがこの範囲にあるアイソタクティックポリプロピレン(A)から形成されるプロピレン系接着用重合体組成物(C)はゴム弾性、柔軟性、耐衝撃性(IZ衝撃強度)に優れるため好ましい。
またDSC測定により得られる融点は、通常120℃以上であり、好ましくは130℃以上、更に好ましくは150℃以上である。アイソタクティックポリプロピレン(A)の密度は、通常0.860〜0.920g/cmであり、好ましくは0.880〜0.920g/cm、より好ましくは0.890〜0.920g/cmである。
さらに、上記条件を満足する限り、少量の無水マレイン酸などをグラフトしたものであっても良い。また、上記条件を満足する限り、少量の無水マレイン酸などをグラフトしたのち、グラフトモノマーを更にジアミン等で修飾したものであっても良い。なお、グラフトされた重合体、ジアミン等で修飾された重合体が上記の条件を外れたものであっても、アイソタクティックポリプロピレン(A)の全体として満足していれば良い。
プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)
本発明において用いられるプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、プロピレンとエチレンとα−オレフィンをランダム重合した共重合体である。α−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、これらのα−オレフィンは、1種単独でも2種以上使用してもよい。本発明において好ましいα−オレフィンとしては、炭素数4〜10のα−オレフィンであり、中でも特に炭素数4〜8のα−オレフィンが好適に使用できる。
本発明においては、プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)におけるプロピレンとプロピレン以外の成分の含有量(mol%)の比(プロピレン/エチレン+α−オレフィン)は、通常45/55〜90/10、好ましくは50/50〜85/15、更に好ましくは55/45〜80/20である。プロピレンとプロピレン以外の成分の含有量がこの範囲にあると、充分な柔軟性、耐熱性、透明性に優れたプロピレン系接着用重合体組成物(C)を得ることが可能となる。
本発明に用いられるプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)におけるプロピレン成分は、通常45〜90モル%、好ましくは50〜85モル%、更に好ましくは55〜80モル%であり、エチレン成分は、通常10〜25モル%、好ましくは12〜25モル%、更に好ましくは15〜25モル%であり、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の成分単位を1〜30モル%、好ましくは、1〜20モル%、更に好ましくは、1〜18モル%の量含んでいる。このような量でプロピレン成分、エチレン成分、炭素数4〜20のα−オレフィン成分を含有するプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、アイソタクティックポリプロピレンとの相溶性が良好となり、また、得られるプロピレン系接着用重合体組成物(C)は、充分な透明性、柔軟性、耐熱性、耐傷付性を発揮する傾向がある。
プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、チーグラ・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等の周知の触媒を用いた周知の方法にて製造することができる。また、成形性を満足し、成形体としたときの使用に耐えうる強度を有するものであれば、立体規則性、分子量についても特段の制限はない。市販の樹脂をそのまま利用することも可能である。また、幾つかの異なるプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体を混合して用いることもできる。
本発明で用いられるプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜10dl/gの範囲にあることが望ましい。極限粘度[η]が、前記範囲内にあると、得られるプロピレン系接着用重合体組成物(C)の耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、低温特性、耐動的疲労性などの特性に優れる。
また、プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、示差走査型熱量計(DSC)における吸熱曲線において、融点(Tm)が存在していないか、存在する場合には、融解熱量ΔHが30J/g以下であり、かつプロピレン含量(mol%)と融解熱量ΔH(J/g)の関係において以下の関係式が成り立つものが好ましい。

ΔH<345Ln−1492
(式中、Lnはプロピレン含量(mol%)を示す。)
プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の密度は、通常、
0.850〜0.910g/cm、好ましくは0.860〜0.910g/cm、更に好ましくは0.865〜0.910g/cmであり、ASTM D1238による230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)は、通常0.01〜400g/10分、好ましくは0.1〜90g/10分、更に好ましくは0.5〜50g/10分である。密度およびMFRがこの範囲にあれば、柔軟性、透明性、機械強度に優れる。
さらに、本発明で使用されるプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、上記条件を満足する限り、少量の無水マレイン酸などをグラフトしたものであっても良い。また、上記条件を満足する限り、少量の無水マレイン酸などをグラフトしたのち、グラフトモノマーを更にジアミン等で修飾したものであっても良い。なお、グラフトされた重合体、ジアミン等で修飾された重合体が上記の条件を外れたものであっても、プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の全体として満足していれば良い。
プロピレン系接着用重合体組成物(C)
本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)は、上述のアイソタクティックポリプロピレン(A)とプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)とを含有してなる組成物であり、プロピレン・エチレン・αオレフィン共重合体(B)におけるプロピレンとエチレンおよびα−オレフィン含有量(mol%)の比(プロピレン/エチレン+α−オレフィン)が、45/55〜90/10であることを特徴とするプロピレン系接着用重合体組成物(C)である。
本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)は、上述のアイソタクティックポリプロピレン(A)成分を1〜39重量%、好ましくは1〜35重量%、更には5〜35重量%と、上述のプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)成分を99〜61重量%、好ましくは99〜65重量%、更には95〜65重量%含有してなる。本発明においては、(A)成分と(B)成分の組成を上記範囲とすることにより、高温雰囲気下の接着力に優れるとともに、柔軟性を有する接着用重合体組成物(C)を得ることが可能となる。
また、本発明で得られるプロピレン系接着用重合体組成物(C)は、以下の(1)〜(3)の特徴を有していることが好ましい。
(1)トーションモードでの動的粘弾性測定(10HZ)において、
−25℃〜25℃の範囲に損失正接(tanδ)のピークを有し、
(2)(1)で得られるピークの値が0.5以上であり、
(3)(1)の動的粘弾性測定から得られる
20℃における貯蔵弾性率G’(20℃)と
100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)の比
(G’(20℃)/G’(100℃))が15以下。
上記(1)〜(3)の特徴は、アイソタクティックポリプロピレン(A)とプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の組成比、およびプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)における、プロピレンとプロピレン以外の成分含有量(mol%)の比とのバランスにより発現する。
特に、特徴(2)の損失正接(tanδ)のピーク値は、得られた組成物の柔軟性を表す指標となる。本発明においては、得られた組成物(C)の損失正接(tanδ)ピークの値は、0.5以上であることが好ましい。
また本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)は、組成物の少なくとも1部がグラフト変性されている態様であっても良い。グラフトモノマーとしては、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を好ましく用いることができる。不飽和カルボン酸および/またはその誘導体としては、カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物等を挙げることができ、不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。また、本発明において不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を使用する場合には、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。
不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の組成物100重量%に対する含有量は、通常0.001〜5重量%であり、好ましくは0.01〜3重量%である。不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の含有量が上記範囲にあることにより、本発明のポリオレフィン組成物は、ポリエステルまたはエチレン・ビニルアルコール共重合体等に対して高い接着強度を示す。不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の含有量の制御は、例えば、グラフト条件を適宜に選択することにより、容易に行なうことができる。
本発明において不飽和カルボン酸および/またはその誘導体から選ばれるグラフトモノマーをグラフトさせる場合には、その方法については特に限定されず、溶液法、溶融混練法等、従来公知のグラフト重合法を採用することができる。例えばポリマーを溶融し、そこへグラフトモノマーを添加してグラフト反応させる方法、あるいはポリマーを溶媒に溶解して溶液となし、そこへグラフトモノマーを添加してグラフト反応させる方法等がある。
本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)の製造方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を採用できる。例えば、アイソタクティックポリプロピレン(A)、プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)、あるいは更に必要に応じ配合される他の成分を一括で、または逐次に溶融混練する方法が挙げられる。グラフト変性を行う場合には、(A)および(B)成分が同時に存在する状態でグラフト変性を行うか、(A)または(B)成分の1部をグラフト変性し、そののち得られたグラフト変性物を未変性樹脂とともに溶融混練して変性ポリオレフィン組成物を得る方法等がある。
本発明においてプロピレン系接着用重合体組成物(C)がグラフト変性部分を含む場合には、プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)成分の1部または全部をグラフト変性した後、未変性成分を溶融混合する方法が好ましい。溶融混練する方法としては、例えば、樹脂組成物をドライブレンドした後、一軸もしくは二軸のスクリュー押出し機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニーダー等で溶融混練する方法などが挙げられ、工業的には押出機が好適に用いられる。溶融混練における温度については、(A)、(B)が溶融していれば特に限定はないが、通常160〜300℃、好ましくは180℃〜250℃の温度範囲で実施するのが一般的である。
本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)のメルトフローレート(ASTM D1238による荷重2.16kg、230℃)は、通常0.1〜30g/分である。
また、本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)は、本発明の目的を損なわない範囲で、混合できる他の樹脂、エラストマー等を配合することができる。他の樹脂等の配合は、上述の(A)、(B)と同時であっても、(A)、(B)からプロピレン系接着用重合体組成物(C)を得た後の混合であってもよい。
また、本発明のプロピレン系接着用重合体組成物(C)には、本発明の目的を損なわない範囲で、公知のプロセス安定剤、耐熱安定剤、耐熱老化剤、フィラー等を添加することも可能である。本発明においては、特に、粘着性を付与する目的でいわゆる粘着付与剤を配合することが好ましい。粘着性を付与する物質としては、例えば、ロジン誘導体、
テルペン樹脂、石油樹脂、およびそれらの水素化物を挙げることができ、これらの中では、水素化テルペン樹脂、水素化石油樹脂が好ましい。粘着付与剤は、プロピレン系接着用重合体組成物(C)を70〜95重量%、粘着付与剤を5〜30重量%の割合で配合することが好ましい。
積層体
本発明のプロピレン系接着用樹脂組成物(C)は、積層体の接着層として好適に使用される。積層体を構成する他の熱可塑性樹脂層の樹脂としては、種々の熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドあるいはエチレン・ビニルアルコール共重合体が使用でき、これらの中では、ポリエステル、エチレン・ビニルアルコール共重合体が好ましく使用される。
本発明で用いられるポリエステルとしては、例えば芳香族ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート・テレフタレート共重合体、脂肪族ポリエステルとしてはポリグリコール酸、ポリ乳酸等が挙げられる。
エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンに由来する重合単位を20〜50モル%、好ましくは25〜48モル%含有する共重合体が望ましい。これらは相当するエチレン・酢酸ビニル共重合体を常法によりケン化して製造することができる。
本発明の積層体は、好ましくは、本発明のプロピレン系樹脂組成物層の少なくとも片面上に、ポリエステルおよびエチレン・ビニルアルコール共重合体から選ばれる樹脂の層が積層されたものである。
本発明の積層体は、例えば、各層の組成物や樹脂をそれぞれ溶融し、溶融状態で積層することによって製造することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例になんら制約されるものではない。
(各種測定方法)
本実施例等においては、以下の方法に従って測定を実施した。
[動的粘弾性測定]
レオメトリック社製RDS−IIを用いて、幅10mm、長さ50mm、厚み2.0mmの試料形状にて、トーションモード(ねじり)で、昇温速度2℃/minで−100℃〜100℃まで10HZにて測定し、損失正接tanδ及び20℃、100℃における貯蔵弾性率G’の値を得た。
[融点(Tm)]
DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとする。測定は、試料をアルミパンに詰め、100℃/分で200℃まで昇温し、200℃で10分間保持したのち、−150℃まで10℃/minで降温し、ついで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D1238に従い、230℃、2.16荷重の下、測定を実施した。
[フィルムの層間接着力]
外層と中間層のTピール剥離試験を23℃雰囲気、及び80℃雰囲気下で実施した。
(使用した物質)
実施例及び比較例において使用した物質を以下に示す。尚、特に断らない限りはいずれも常法に従い重合を行い調製した。
iPP−1 :アイソタクチックホモポリプロピレン
(メルトフローレート1.0、 密度0.90g/cm
PEBR−1:プロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体
(メルトフローレート7.0、 密度0.89g/cm
エチレン/ブテン=17/6mol%、
135℃デカリン中測定の極限粘度[η]=2.0dl/g、
融点なし)
EPR−1 :エチレン・プロピレン共重合体
(メルトフローレート5.0、 密度0.87g/cm
プロピレン=23mol%、
135℃デカリン中測定の極限粘度[η]=2.0dl/g、
融点なし)
PBR−1 :プロピレン・ブテン共重合体
(メルトフローレート5.0、 密度0.89g/cm
ブテン=28mol%、
135℃デカリン中測定の極限粘度[η]=2.0dl/g、
融点=110℃)
(実施例1)
<プロピレン系接着用重合体組成物(C)の製造>
(A)メルトフローレートが1.0、密度が0.90g/cmであるアイソタクチックホモポリプロピレン(iPP−1)20重量%と、
(B)メルトフローレートが7.0、密度が0.89g/cmであるプロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体(PEBR−1)80重量%を、
1軸押出機を用いて230℃で溶融混練し、プロピレン系接着用重合体組成物(C)を得た。得られたプロピレン系接着用重合体組成物(C)のメルトフローレートは6.0であり、密度は0.89g/cmであった。
<3層積層体の製造>
以下に示した構成からなる各層を、下記の条件で共押出して、3層フィルムを成形した。
[外層および内層]
ポリエチレンテレフタレート(以下PETという)として、三井化学(株)製三井PET(登録商標)J125(固有粘度=0.79)を、直径40mm、有効長さ1000mmのスクリューを用いて270℃で押出した。
[中間層]
上記で得られたプロピレン系接着用重合体組成物(C)を直径30mm、有効長さ750mmのスクリューを用いて230℃で押出した。
[積層体成形条件]
外層、内層、及び中間層用として押し出された樹脂は、フィードブロック内で内層、中間層、外層の順に積層される。ダイス温度は270℃であり、厚さ約350μmのフィルム状に共押出された各樹脂の積層体は、チルロールで冷却を受けつつ、10m/分の速さで引き取られる。各層の厚さは外層/中間層/内層=40/20/40μmとした。
成形された積層体の層間接着力を表1に示す。
(実施例2、比較例1〜2)
中間層を構成するポリプロピレン系接着用重合体組成物(C)の組成を表1に示した組成に替えた他は、実施例1と同様に接着用重合体組成物(C)の製造を行い、3層積層体を成形した。得られたプロピレン系接着用重合体組成物(C)の物性および成形された積層体の測定・評価結果を表1に示す。
Figure 2005263997
本発明によれば、高温雰囲気下の接着力に優れるとともに適度な柔軟性を有するプロピレン系接着用重合体組成物を得ることができ、当該組成物を用いることにより、高温雰囲気下での層間接着力に優れる積層体を得ることが可能となる。本発明の積層体の用途は特に限定されないが、特に、柔軟性が必要とされる用途、例えばフィルムに成形されるのが好ましい。フィルム状に成形された積層構造物は、例えば食品包装フィルム、熱成形カップ等に加工されて用いられる。

Claims (6)

  1. アイソタクティックポリプロピレン(A)を1〜39重量部、プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)を99〜61重量部含有してなる組成物であり、プロピレン・エチレン・αオレフィン共重合体(B)におけるプロピレンとエチレンおよびα−オレフィン含有量(mol%)の比(プロピレン/エチレン+α−オレフィン)が、45/55〜90/10であることを特徴とするプロピレン系接着用重合体組成物(C)。
  2. 組成物100重量%に対し、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を0.001〜5重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系接着用重合体組成物(C)。
  3. 更にロジン誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、及びそれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種の粘着性を付与する物質(D)を含有してなる請求項1乃至2に記載のプロピレン系接着用重合体組成物(C)。
  4. 請求項1乃至3に記載のプロピレン系接着用重合体組成物層を少なくとも1層有する積層体。
  5. 請求項1乃至3に記載のプロピレン系接着用重合体組成物層とポリエステル樹脂層を積層してなる積層体。
  6. 請求項1乃至3に記載のプロピレン系接着用重合体組成物層とオレフィン・酢酸ビニル共重合体鹸化物層を積層してなる積層体。
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