JP2005263907A - 木質固形燃料 - Google Patents
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Abstract
【課題】木質固形燃料に木材の芯材のほかに樹皮材が含まれていても樹皮材の量に応じて木質固形燃料の形状を変更することで木質燃料暖房器具の運転効率の低下を防止できる木質固形燃料を提供する。
【解決手段】木質固形燃料に含まれる樹皮材の灰分比または熱量および樹皮材の含有率に応じて木質固形燃料の形状を決定し、灰の生成量または発熱量を従来の木質固形燃料と同等にすることで、木質燃料暖房器具の運転効率を低下させることを防止できる。
【選択図】図1
【解決手段】木質固形燃料に含まれる樹皮材の灰分比または熱量および樹皮材の含有率に応じて木質固形燃料の形状を決定し、灰の生成量または発熱量を従来の木質固形燃料と同等にすることで、木質燃料暖房器具の運転効率を低下させることを防止できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、木質燃料暖房器具に使用する木質固形燃料に関するものである。
本発明は、より詳細には木質固形燃料の形状に関する。
本発明は、木質固形燃料に係り、特に前記木質固形燃料を使用する燃焼器の運転効率を向上させるものである。
ペレット状の木質固形燃料を使用した木質燃料暖房器具は燃料への着火、燃料供給、送風等が自動化されており、従来から存在している薪ストーブと比較して操作性が格段に向上していることから普及が進んでいる。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
前記木質固形燃料は間伐材や流木などの木材、おが屑や鉋屑などの製材廃材や林地残材、古紙といった木質系の副産物、廃棄物を粉砕・乾燥・圧縮し、木材の成分であるリグニンを熱で融解し固着させて成型したものであり、一般的に使用されている木質固形燃料の形状は円柱形状で長さは1〜2cm、直径は6mm程度である。また従来は木材の芯材を用いることが多かったが、近年では樹皮材も木質固形燃料として利用されるようになった。
前記木質固形燃料は間伐材や流木などの木材、おが屑や鉋屑などの製材廃材や林地残材、古紙といった木質系の副産物、廃棄物を粉砕・乾燥・圧縮し、木材の成分であるリグニンを熱で融解し固着させて成型したものであり、一般的に使用されている木質固形燃料の形状は円柱形状で長さは1〜2cm、直径は6mm程度である。また従来は木材の芯材を用いることが多かったが、近年では樹皮材も木質固形燃料として利用されるようになった。
先ず、前記木質固形燃料は木質燃料暖房器具内の燃料供給部に設置された木質固形燃料貯留槽内に貯留され、同じく燃料供給部に設置された燃料搬送装置により、燃料供給経路、燃料供給口を経て燃焼部の燃焼皿へと送られる。また燃焼部には燃焼用送風機によって給気口から燃焼に必要な空気が燃焼皿へ供給されて木質固形燃料が継続的に燃焼する。燃焼ガスは燃焼用送風機によって排気口から熱交換部、煙突を経て室外へ排出される。暖房器具の起動時においては、木質固形燃料の燃焼皿への供給後に自動着火装置が作動する。木質固形燃料燃焼によって発生する灰分比は前記燃焼皿の格子の下部に設けられた灰受部へ落下し、燃焼皿内の灰を排出する構造となっている。熱交換部では木質固形燃料の燃焼で発生した排気と室内循環用送風機によって室内給気口から給気された空気との間で熱交換が行われ、室内送風口より前記熱交換器により熱せられた空気が室内に送風されることで室内の暖房を行う。
特開昭56−149509号公報
実開昭58−190301号公報
しかしながら前述の木質燃料暖房器具の燃焼部において燃焼時の灰の生成量が多くなり、燃焼皿内の灰の量が多くなると、灰に含まれる酸化ケイ素成分が燃焼皿内でクリンカーと呼ばれるガラス状物質に変質して付着して更には給気口を塞ぐことで燃焼不良の原因となる可能性がある。燃焼皿内の灰の量が多くなる主な原因としては木材の樹皮材分を用いた木質固形燃料の使用があげられる。従来の木質固形燃料に多く含まれる芯材の灰分比は0.5%以下であるのに対して、樹皮材の灰分比は2.5%以上であるため、樹皮材を多く含んだ木質固形燃料を燃焼させると芯材のみの木質固形燃料よりも灰の生成量が多くなる。灰の生成量が多くなると燃焼皿内に灰が滞留しやすくなるため、クリンカーの発生量も多くなり、木質燃料暖房器具の運転効率が低下する。このため燃焼皿内に破砕機能などのクリンカー処理手段をもたない木質燃料暖房器具においては十分な空気が燃焼皿に供給されて燃焼皿内で発生した灰が吹き飛ばされて燃焼皿内に滞留しないように木材の芯材を用いた木質固形燃料を最適に燃焼する場合と比較して燃料供給量に対して空気供給量を増加させるか、または空気供給量に対して燃料供給量を減少させる必要がある。
また、従来の木質固形燃料に多く含まれる芯材の熱量は4000kcal/kg程度であるのに対して、樹皮材の単位体積あたりの熱量は3200kcal/kg程度であるため、木質固形燃料が樹皮材を多く含むと木質固形燃料の単位体積当たりの熱量が減少し、芯材のみの木質固形燃料と同量の燃料供給量では木質燃料暖房器具の燃焼温度が下がる。このため木質固形燃料に含まれる樹皮材の含有率に応じて火力調節を行わなければ一定の温度を保つことができず、木質燃料暖房器具の運転効率が低下する問題を有している。
本発明は前記従来の課題を解決するためのもので、木質固形燃料に含まれる樹皮材の灰分比または熱量および樹皮材の含有率に応じて木質固形燃料の形状を決定し、灰の生成量または発熱量を従来の木質固形燃料と同等にすることで、木質燃料暖房器具の運転効率を低下させることの無い木質固形燃料を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の木質固形燃料は木材の芯材または樹皮材を粉砕・圧縮・成型した木質固形燃料であって、前記木質固形燃料に含まれる木材の芯材および樹皮材の少なくともどちらかの含有率に応じて形状が異なることを特徴としたものである。
請求項2に記載の前記木質固形燃料は、木材の芯材または樹皮材を粉砕・圧縮し、成型した木質固形燃料であって、前記木質固形燃料に含まれる木材の芯材および樹皮材の少なくともどちらかの含有率に応じて質量を増減させることを特徴としたものである。
請求項3に記載の前記木質固形燃料は、木材の芯材または樹皮材を粉砕・圧縮し、成型した木質固形燃料であって、前記木質固形燃料に含まれる木材の芯材および樹皮材の少なくともどちらかの含有率に応じて密度を増減させることを特徴としたものである。
本発明の木質固形燃料によれば、木質固形燃料に樹木の芯材のほかに樹皮材が含まれていても樹皮材の含有率に応じて形状、質量、密度を変更することで、灰の生成量を抑制したり、発熱量を一定に保つことで、前記木質固形燃料を使用する木質燃料暖房器具の運転効率の低下を防止することができる。
以下に、本発明の木質固形燃料の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
以下に、本発明の実施の形態について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施例における木質固形質燃料の斜視図を示す。
図1において、灰分調整木質固形燃料A11および灰分調整木質固形燃料B12は使用する材料に木材の樹皮材分を用いており、樹皮の灰分比および木質固形燃料の樹皮材の含有率に応じて木質固形燃料の質量が小さくなるような形状としている。例えば図1のように断面形状を円形とした円柱形状の木質固形燃料の長さを変更することによって木質固形燃料が燃焼した場合に発生する灰の生成量を従来の木質固形燃料1と同量とする場合は
図1において、灰分調整木質固形燃料A11および灰分調整木質固形燃料B12は使用する材料に木材の樹皮材分を用いており、樹皮の灰分比および木質固形燃料の樹皮材の含有率に応じて木質固形燃料の質量が小さくなるような形状としている。例えば図1のように断面形状を円形とした円柱形状の木質固形燃料の長さを変更することによって木質固形燃料が燃焼した場合に発生する灰の生成量を従来の木質固形燃料1と同量とする場合は
として、灰分調整木質固形燃料A11の長さを決定することができる。ただし、密度は従来の木質固形燃料と同じとする。
また、図1のように木質固形燃料の長さを一定として、断面積の変更によって、木質固形燃料が燃焼した場合に発生する灰の生成量を従来の木質固形燃料と同量とする場合は
また、図1のように木質固形燃料の長さを一定として、断面積の変更によって、木質固形燃料が燃焼した場合に発生する灰の生成量を従来の木質固形燃料と同量とする場合は
として、灰分調整木質固形燃料B12の断面積を決定することができる。ただし、密度は従来の木質固形燃料と同じとする。
一般的に樹皮材の灰分比は芯材より大きいことから、前述の式より従来の木質固形燃料に比べ前記灰分調整木質固形燃料A11および灰分調整木質固形燃料B12は質量が小さくなる。これにより前記灰分調整木質固形燃料A11および灰分調整木質固形燃料B12を木質燃料暖房器具の木質固形燃料貯留槽に投入し、灰分調整木質固形燃料の個数をカウントする機能を備えた燃料搬送装置にて、一定の個数の灰分調整木質固形燃料を燃焼皿に供給した場合においても、灰の生成量が増えることは無く、クリンカーの発生量を抑制することができ、クリンカーの発生による暖房器具の運転停止などの運転効率の低下を防止することができる。
さらに、木質固形燃料の密度を変化させることによっても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
さらに、木質固形燃料の密度を変化させることによっても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図2は、本発明の第2の実施例における木質固形質燃料の斜視図を示す。
図2において、熱量調整木質固形燃料A21および熱量調整木質固形燃料A22は使用する材料に木材の樹皮材を用いており、樹皮の熱量および木質固形燃料の樹皮材の含有率に応じて木質固形燃料の質量が大きくなるような形状としている。例えば図2のように断面形状を円形とした円柱形状の木質固形燃料の長さの変更によって、木質固形燃料の熱量を従来の木質固形燃料と同量とする場合は
図2において、熱量調整木質固形燃料A21および熱量調整木質固形燃料A22は使用する材料に木材の樹皮材を用いており、樹皮の熱量および木質固形燃料の樹皮材の含有率に応じて木質固形燃料の質量が大きくなるような形状としている。例えば図2のように断面形状を円形とした円柱形状の木質固形燃料の長さの変更によって、木質固形燃料の熱量を従来の木質固形燃料と同量とする場合は
として、熱量調整木質固形燃料A21の長さを決定することができる。ただし、密度は従来の木質固形燃料と同じとする。
また、図2のように木質固形燃料の長さを一定として、断面積の変更によって、木質固形燃料を燃焼した場合に発生する熱量を従来の木質固形燃料と同量とする場合は
また、図2のように木質固形燃料の長さを一定として、断面積の変更によって、木質固形燃料を燃焼した場合に発生する熱量を従来の木質固形燃料と同量とする場合は
として、熱量調整木質固形燃料B22の断面積を決定することができる。ただし、密度は従来の木質固形燃料と同じとする。
一般的に樹皮材の熱量は芯材より小さいことから、前述の式より従来の木質固形燃料に比べ前記熱量調整木質固形燃料A21および熱量調整木質固形燃料B22は質量が大きくなる。これにより前記熱量調整木質固形燃料A21および熱量調整木質固形燃料B22を木質燃料暖房器具の木質固形燃料貯留槽に投入し、前記熱量調整木質固形燃料の個数をカウントする機能を備えた燃料搬送装置にて、一定の個数の熱量調整木質固形燃料を燃焼皿に供給した場合においても、暖房器具の発熱温度を低下させることが無いため、木質固形燃料に含まれる樹皮材の含有量が異なることで燃料供給量および空気供給量を再調整などが必要なく、木質燃料暖房器具の運転効率の低下を防止することができる。
さらに、木質固形燃料の密度を変化させることによっても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
一般的に樹皮材の熱量は芯材より小さいことから、前述の式より従来の木質固形燃料に比べ前記熱量調整木質固形燃料A21および熱量調整木質固形燃料B22は質量が大きくなる。これにより前記熱量調整木質固形燃料A21および熱量調整木質固形燃料B22を木質燃料暖房器具の木質固形燃料貯留槽に投入し、前記熱量調整木質固形燃料の個数をカウントする機能を備えた燃料搬送装置にて、一定の個数の熱量調整木質固形燃料を燃焼皿に供給した場合においても、暖房器具の発熱温度を低下させることが無いため、木質固形燃料に含まれる樹皮材の含有量が異なることで燃料供給量および空気供給量を再調整などが必要なく、木質燃料暖房器具の運転効率の低下を防止することができる。
さらに、木質固形燃料の密度を変化させることによっても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
本発明にかかる木質固形燃料は、木質固形燃料に木材の芯材のほかに樹皮材が含まれていても樹皮材の量に応じて木質固形燃料の形状、質量、密度を変更することで木質燃料暖房器具の運転効率の低下を防止できる。
1 従来の木質固形燃料
11 灰分調整木質固形燃料A
12 灰分調整木質固形燃料B
21 熱量調整木質固形燃料A
22 熱量調整木質固形燃料B
11 灰分調整木質固形燃料A
12 灰分調整木質固形燃料B
21 熱量調整木質固形燃料A
22 熱量調整木質固形燃料B
Claims (3)
- 木材の芯材または樹皮材を粉砕・圧縮し、成型した木質固形燃料であって、前記木質固形燃料に含まれる木材の芯材および樹皮材の少なくともどちらかの含有率に応じて形状を変化させることを特徴とした木質固形燃料。
- 木材の芯材または樹皮材を粉砕・圧縮し、成型した木質固形燃料であって、前記木質固形燃料に含まれる木材の芯材および樹皮材の少なくともどちらかの含有率に応じて質量を増減させることを特徴とした木質固形燃料。
- 木材の芯材または樹皮材を粉砕・圧縮し、成型した木質固形燃料であって、前記木質固形燃料に含まれる木材の芯材および樹皮材の少なくともどちらかの含有率に応じて密度を増減させることを特徴とした木質固形燃料。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004076233A JP2005263907A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 木質固形燃料 |
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JP2004076233A JP2005263907A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 木質固形燃料 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008297532A (ja) * | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Takeo Kawarai | 木質ブロック燃料 |
CN101787315A (zh) * | 2010-02-10 | 2010-07-28 | 姜景文 | 棉秆芯生物质压缩燃料及其制备方法及棉秆的综合利用方法 |
JP2013053759A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-21 | Takashi Yonehara | ペレット炭による燃焼方法及びその装置 |
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2004
- 2004-03-17 JP JP2004076233A patent/JP2005263907A/ja active Pending
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