JP2005263697A - アルコール類の製造用触媒、その製造方法及び装置 - Google Patents

アルコール類の製造用触媒、その製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 炭化水素と酸素から一段階反応によるアルコール類の製法、その反応に好適な触媒及びその反応に好適な反応装置を提供する。
【解決手段】 炭化水素及び分子状酸素を、チタン化合物を含む無機複合体触媒と接触させるアルコール類の製造方法である。また、その反応装置には、チタン化合物を含む無機複合体触媒充填層及びその触媒接触後のガスが長時間滞留する空間層を備えた流通式反応装置であって、その空間層が反応温度またはその近傍温度に保温されている反応管または反応槽を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低級炭化水素の直接酸化によるアルコール類の製造方法、それに用いる触媒及びその製造装置に関するものである。
アルコール類は重要な基礎化学物質であり、燃料、化学原料などの広範な分野に用いられている。なかでも、特に需要が多く、最も重要度が高いと考えられるメタノールについて詳しく説明する。メタノールは1995年当時において世界で年間3000万トンの生産能力があり、今後は燃料電池の燃料としても期待されておりさらなる需要増加が見込まれる。また、メタノールは酸触媒による脱水反応により低公害ディーゼル燃料であるジメチルエーテルが製造され、さらにロジウム錯体を用いたモンサントプロセスで一酸化炭素と反応させると工業的に需要の多い酢酸が製造される。
現在、メタノールの主な製法は次のとおりである。メタンに代表される低級炭化水素を部分酸化またはスチームリフォーミングして合成ガス(H+CO)を得、その成分比を適宜調整して原料ガス(H+CO+CO)とした後、これを反応温度200〜300℃、20〜100気圧で銅、亜鉛を主成分とする触媒に接触させるという方法が一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
アルコール合成の理想的な反応としては、飽和炭化水素を部分酸化または選択酸化反応により直接アルコール(メタノールなど)に変換させる反応があり、メタン、プロパンなどで例示すると下記の化学式で表される。
(1) CH+1/2O→CHOH
(2) C+1/2O→CHOH+C
(3) C+1/2O →(n−,iso−)COH
(1)はメタンから酸化的反応で直接メタノールを得る反応、(2)はプロパンからメタノール及び工業的にも重要な化学原料であるエチレンを得る反応、(3)はプロパンからプロパノールを得る反応である。
しかしながら、上記の反応、特に(1)に示すメタンからメタノールの直接合成に適する決定的な触媒は盛んな研究開発にもかかわらず、未だに見出されておらず、非常に困難な反応であるとされている。
「有機プロセス工業」八嶋建明、藤元薫著、大日本図書、2:「化学プロセス」化学工学会編、東京化学同人)
本発明は、従来の技術における上記した実状に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、炭化水素と分子状酸素を原料として一段階反応でアルコール類を製造する方法を提供すること、その反応に好適な触媒を提供すること及びその反応に好適な反応装置を提供することにある。
本発明者らは、低級炭化水素と分子状酸素とを反応させて一段でアルコール類を合成する反応について鋭意検討を重ねた結果、チタン酸化物と他の無機物との無機複合体がアルコール類の製造用触媒として有用であること、及びその触媒と接触後の生成物含有ガスが、ある程度長時間反応温度に保たれた空間層に滞留する構造の流通式反応装置がアルコールの製造装置として有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のアルコール類の製造方法は、炭化水素及び分子状酸素を、チタン化合物を含む無機複合体触媒と接触させることを特徴とするものである。
そのチタン化合物は、塩化チタン、チタンテトラアルコキシド及びチタン錯体から選ばれる前駆体から得られたものであることが好ましい。
また、本発明の炭化水素の直接酸化によるアルコール類の製造用触媒は、チタン化合物と無機化合物との無機複合体からなることを特徴とするものである。
さらに、本発明のアルコール類製造装置は、炭化水素と分子状酸素を気相反応させてアルコール類を製造する流通式アルコール製造装置であって、チタン化合物を含む無機複合体触媒充填層及びその触媒接触後のガスが長時間滞留する空間層を備えてなり、その空間層が反応温度またはその近傍温度に保温されている反応管または反応槽であることを特徴とする。
本発明は、炭化水素と酸素との気相反応で直接アルコール類を得るものであって、メタノールなどの高需要なアルコール類を安価で簡易に製造することが可能である。
本発明は、チタン化合物を含む無機複合体触媒の存在下に、炭化水素と分子状酸素から一段の気相反応でアルコール類を製造するものである。本発明に用いられるチタン化合物を含む無機複合体触媒は、チタンまたはその化合物と無機物質が化学的または物理的に複合化された物質である。チタンまたはその化合物として特に好ましい物質はチタン酸化物である。また、無機物質として好ましいものとしては、金属化合物、炭素材料、珪素化合物、ゼオライト系化合物またはメソポーラス物質などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
その無機物質についてさらに詳しく例示すると、金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ツリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウムの酸化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩または硫化物などが挙げられる。中でも好ましく用いることができるのはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ニオブ、亜鉛、セリウム、ランタンの酸化物、炭酸塩である。例えば、アルミニウム酸化物(化学式:Al)のように同じ原子組成であってもアルファ型、ガンマ型などの多様な結晶構造をもつ場合はどの結晶構造でも用いることができる。それらの化合物は2種以上の金属元素が含有されている複合化合物であっても良い。
炭素材料の例としては、活性炭、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドなどが例示される。珪素化合物の例としては二酸化珪素、シリカゲル、窒化珪素、炭化珪素、シリカライトが例示される。ゼオライト系化合物はA型、X型、Y型、モルデナイト、ベータ、ZSM−5、ZSM−11、AlPOn、SAPOn(nは正の整数である)などが例示され、メソポーラス物質としては、科学技術文献などに一般的に広く用いられている略称としてMCM−41、SBA−15、FSM−16と称される物質などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
これらの無機複合体を調製するには公知の方法が用いられ、好ましい方法としては含浸法、ゾルゲル法、気相蒸着法、液相吸着法などが例示されるが、これらに限定されるものではない。簡便で安全に得られる方法として特に好ましい含浸法を用いて、さらに詳細に説明する。チタン化合物として、例えばチタンテトラアルコキシドの一種であるチタンテトライソプロポキシド、チタン錯体の一種であるチタンペルオキソクエン酸アンモニウムまたは塩化チタンなどのチタン酸化物の前駆体であるチタン化合物を溶媒に溶解させ、この溶液中に担体の無機化合物の粉末またはペレットを分散させて十分に撹拌し、減圧、加熱などの方法で溶媒を除去することにより無機担体とチタン化合物を結合させる。この溶媒にはチタン化合物の種類に応じてその化合物が容易に溶解するように、また、無機担体と親和性の高い適切な溶媒が用いられ、その例としては水、アルコール類、エーテル類、エステル類、石油系溶剤類などが挙げられる。また、無機担体は用いる担持方法に好適な公知の前処理を行ってもよい。前処理の例としては、加熱、乾燥、ガス処理などが挙げられるが、これらに限定されない。また、前記の炭素材料では、必要に応じて酸素処理、水蒸気処理などの公知の処理法で表面特性を変化させて用いることができるが、これらの前処理を行うことは必須ではない。
次に、チタン化合物を担持させた後、チタン化合物に熱、電磁波、放射線などの外部からエネルギーを付与するかまたは反応剤を加えて最終的に酸化物の状態に変化させることが好ましい。外部より熱、電磁波、放射線などのエネルギーを与える手法として、公知の方法を用いることができる。例えば、安全かつ容易に行う方法として電気炉、ガス炉、イメージ炉のような炉を用いる加熱、赤外線の照射、可視光線の照射、紫外線の照射、マイクロ波の照射、エックス線の照射、レーザーの照射、電子線の照射、アルファ線の照射、ベータ線の照射、ガンマ線の照射などが例示されるが、これらに限定されるものではない。また赤外線、紫外線、マイクロ波などの光、電磁波の波長は限定されない。
また、前駆体を分解させる雰囲気としては、空気、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気及びこれらの混合ガスが好ましいが、これらに限定されない。その際に加えられる熱、電磁波、放射線のエネルギーの総量は、前駆体の大部分を分解してチタン酸化物に変化するのに充分な量であることが望ましい。外部エネルギーとして熱を選択した場合、加熱温度は特に限定されないが、好ましい温度は100〜1500℃、より好ましくは300〜800℃である。また、加熱時間は1秒〜10日が好ましく、より好ましくは10秒〜10時間である。
反応剤としては、塩酸、硝酸、硫酸などの酸性物質、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸ナトリウムなどの塩基性物質などが例示されるが、用いるチタン前駆体の分解に適した物質を適量用いることが好ましい。反応剤を用いる場合、反応の終了後に加熱、洗浄などの方法で反応剤を除去することが好ましい。
本発明におけるアルコール類の製法における原料ガスとしては、炭化水素と分子状酸素を必須成分として含有する必要がある。その炭化水素としては、低級飽和炭化水素及び低級不飽和炭化水素から選ばれるものが好ましく、具体的にはメタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、ブタジエン、アセチレンから選ばれる1種以上が用いられる。また、分子状酸素としては、純酸素、空気などの酸素含有ガスが用いられる。さらに、酸化反応の暴走などによる爆発防止などの安全性の観点、反応時の発熱を緩和し速やかに除去するための熱媒体などの観点から、必要に応じて不活性な希釈ガスを混合することが好ましい。その希釈ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気などが例示される。これらのガスは必ずしも単独で用いる必要性は無く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明において、炭化水素と分子状酸素を気相反応させてアルコール類を製造する反応装置としては、通常、流通式、バッチ式などの固体触媒、粉体触媒を用いるために適した公知の反応形式を適用できるが、流通式反応器を用いることが好ましい。反応装置の材質には石英、ステンレスなどのように耐熱性が高く、不活性な材質で作製されていることが好ましく、さらに公知の不活性材料でコーティングなどの処理を施したものであっても良い。本発明では、チタン化合物を含む無機複合体触媒充填層の後に、その触媒と接触した後のガスが長時間滞留する空間層が備えられており、その空間層は反応温度またはその近傍温度に保温されている反応管または反応槽からなるものである。
触媒充填層と空間層の間は、触媒の移動及び流出を防止するために、ガスの流通を妨げることなく、不活性な材質および形状の仕切りで仕切られていることが望ましい。空間層は、触媒と接触した後の混合生成ガスがある程度長時間滞留する層であり、反応温度またはそれに近い温度、好ましくは100〜1200℃、より好ましくは200〜800℃に保温されていることが好ましい。触媒層と後部空間層の温度差は特に限定されないが、(触媒層温度)−(空間層温度)の値が−200〜200℃の範囲が好ましい範囲として例示され、特に好ましくは−50〜50℃の範囲である。また、好ましい後部空間層の容積は、触媒と接触した後の混合生成ガスをある程度長時間加熱可能である容積で、空間層容積を原料ガス流速で除した値(ガスの滞留時間)は特に限定されないが、5秒〜60分間、またはそれ以上の時間であることが好ましく、特に好ましい時間は10秒〜10分間である。
本発明の反応装置を図面を参照して説明する。図1には管状流通式反応器の構造をさらに明確にするための概念図を示す。(A)で示される供給ガスは、まず(B)で示されている触媒充填層において触媒と接触した後、(C)で示されるガスの流通を妨げない材質及び形状の仕切りを通過し、(D)で示される後方の空間層に達する。管全体は(E)で示される加熱用ヒーターなどを用いて反応温度またはそれに近い温度に保持されている。ここにある程度長時間滞留させた後、(F)により生成物、未反応原料などを含むガスを管外に排出する。(G)は管状反応管である。
また、この反応には流通式反応装置の一つである流動床触媒反応装置も好ましく用いることができるが、この場合にも同様に、触媒に接触したガスが反応温度またはそれに近い温度、好ましくは100〜1000℃、より好ましくは150〜650℃で保温されていることが望ましい。この場合は、反応器内部容積から反応に供されている触媒容積を減じた容積が空間層容積となり、空間層容積を原料ガス流速で除した値(ガスの滞留時間)は特に限定されないが、前記の固定床装置と同様にある程度長時間、好ましくは5秒〜60分間、またはそれ以上の時間、特に好ましくは10秒〜10分間滞留する構造であることが好ましい。
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(触媒の調製)
チタンペルオキソクエン酸アンモニウム四水和物(化学式:(NH[Ti(C(O]・4HOまたは(NH[Ti(C(O]・8HO)(商品名:タスファイン、フルウチ化学社製)0.6gを蒸留水50mLに溶解させた均一な溶液を得た。その溶液に二酸化珪素粉末(キャリアクトQ−30、富士シリシア化学社製、物性値(カタログに記載の値):表面積100m/g、平均細孔径30nm、細孔容積1.0mL/g、粒子径75〜500μm)9.8gを分散させてスラリー状にした。これを十分撹拌した後、80℃で減圧乾燥を行って水を除去し、チタン化合物と二酸化珪素からなるチタン前駆体を含む粉末が生成した。
次に、生成した粉末を、空気中600℃で3時間焼成することにより無機複合体粉末を得た。得られた複合体粉末は、チタン酸化物2%と二酸化珪素98%の重量組成比からなるものであり、これをサンプルAとした。
(プロパンと酸素を原料とするアルコール類の製造)
実施例1で得た複合体粉末(サンプルA)1.0gを触媒とし、これを石英砂3.0gと物理混合して石英製反応管に充填した。この反応管は触媒充填層とその後に25mLの空間を設けたものである。この反応管内にヘリウムを流通させながら反応温度の330℃まで温度を上昇させ、温度の安定を確認した後、ヘリウムをプロパン10mL/分、酸素5mL/分及びヘリウム5mL/分の混合ガス(計毎分20mL)に切り替えて流通させて反応を開始させた。その際、反応後のガスが触媒層後方の空間に滞留する時間は1.25分であった。その反応圧は3.5気圧(圧力計指示値)であった。25分経過後に330℃で温度と圧力が安定したことを確認し、オンラインガスクロマトグラフを用いて生成物の分析を行った。
その結果、プロパンの転化率は19.4%であり、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールの合計)の収率は2.3%、中でもメタノールの収率は1.9%、メタノールの選択率は9.7%であった。主な副生物はCO、CO、アルデヒド類、ケトン類、ハイドロカーボン類であり、そのハイドロカーボン類にはエチレンが含まれていた。これにより本触媒を用いてプロパンの分子状酸素による酸化でメタノールに代表されるアルコール類が合成できることが明らかになった。
(メタンと酸素を原料とするアルコール類の製造)
実施例1で得た複合体粉末(サンプルA)1.0gを触媒とし、これを石英砂3.0gと物理混合して石英製反応管に充填した。この反応管は触媒充填層とその後に25mLの空間を設けたものである。この反応管内にヘリウムを流通させながら反応温度の500℃まで温度を上昇させ、温度の安定を確認した後、炭化水素としてメタン10mL/分と酸素5mL/分、ヘリウム5mL/分の混合ガス(計毎分20mL)に切り替え反応を開始した。この場合、反応後のガスが触媒層後方の空間に滞留する時間は1.25分であった。その反応圧は3.5気圧(圧力計指示値)であった。25分経過後に500℃で温度と圧力が安定したことを確認し、オンラインガスクロマトグラフを用いて生成物の分析を行った。
その結果、メタンの転化率が12.9%であり、メタノールの収率は0.3%、メタノールの選択率は2.3%であった。主な副生物はCO、CO、ハイドロカーボン類であった。これにより本触媒を用いてメタンの分子状酸素による酸化でメタノールが合成できることが明らかになった。
(比較例1)
実施例2の反応に用いた反応装置は、触媒充填層の後方に25mLの空間を持ち反応温度とほぼ同じ温度に保たれていて触媒に接触したガスが1.25分間反応管内に滞留する構造であったが、その後方の空間に石英砂を充填し、空間の大部分をガスの流通を妨げないように塞ぎ、空間層のガス滞留時間を3秒未満にした。その装置に、実施例1で得た複合体粉末(サンプルA)1.0gと不活性な石英砂3.0gの混合物を触媒として用い、供給ガスをプロパン10mL/分、酸素5mL/分及びヘリウム5mL/分とし、反応温度335℃、反応圧3.5気圧で反応を行い、得られた生成物について実施例2と同様にして分析を行った。その結果、プロピレン転化率0.4%、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールの合計)収率0%、アルコール類の選択率0%であった。
このことから、1分以上の比較的長時間にわたって反応ガスを滞留させる後方空間層を有する反応管がアルコール類の製造装置として有効であることを確認した。
本発明は、炭化水素を原料とするアルコール類の新規な一段合成法であって簡易な工業的生産法として有用である。
本発明のアルコール類製造装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
A・・・供給ガス
B・・・触媒充填層
C・・・仕切り
D・・・空間層
E・・・加熱用ヒーター
F・・・生成物を含むガス
G・・・反応管

Claims (6)

  1. 炭化水素及び分子状酸素を、チタン化合物を含む無機複合体触媒と接触させることを特徴とするアルコール類の製造方法。
  2. チタン化合物がチタン酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のアルコール類の製造方法。
  3. チタン化合物が、塩化チタン、チタンテトラアルコキシド及びチタン錯体から選ばれる前駆体から得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のアルコール類の製造方法。
  4. 炭化水素が、低級飽和炭化水素及び低級不飽和炭化水素から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルコール類の製造方法。
  5. チタン化合物と無機化合物との無機複合体からなり、炭化水素の酸化によるアルコール類の製造用触媒。
  6. 炭化水素と分子状酸素を気相反応させてアルコール類を製造する流通式アルコール製造装置であって、チタン化合物を含む無機複合体触媒充填層及びその触媒接触後のガスが長時間滞留する空間層を備えてなり、その空間層が反応温度またはその近傍温度に保温されている反応管または反応槽であることを特徴とするアルコール類製造装置。




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JP2014503518A (ja) * 2011-04-06 2014-02-13 スタウファー,ジョーン,イー. メタノールの製造方法

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