JP2005263500A - セラミック素材の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セラミック素材の気孔を低減させ、成形・脱脂工程における温度変化を少なくすることにより、高密度で高精度なセラミック素材を供給することを可能とする。
【解決手段】 本発明では、スラリー溶媒およびバインダとしてt−ブチルアルコールを使用し、成形時の固化温度を5℃より高く融点(25.6℃)未満の温度条件とすることで、気孔を低減することが可能となり、さらに固化温度のまま減圧することによってt−ブチルアルコールを除去することができるため、高密度で高精度なセラミック素材を供給することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明では、スラリー溶媒およびバインダとしてt−ブチルアルコールを使用し、成形時の固化温度を5℃より高く融点(25.6℃)未満の温度条件とすることで、気孔を低減することが可能となり、さらに固化温度のまま減圧することによってt−ブチルアルコールを除去することができるため、高密度で高精度なセラミック素材を供給することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セラミック素材の成形方法に係り、特により緻密体で、高い寸法精度を必要とするセラミック素材に好適なセラミック素材の成形方法に関する発明である。
従来のセラミック素材の成形方法は、多数存在しており特に圧力をかけない成形方法という点では、ゲルキャスティングという方法がある。このゲルキャスティングでは、通常結合剤モノマ、触媒、重合開始剤(架橋剤)、セラミック粉末、分散剤、水などの原料を混合した溶液(スラリーと呼ぶ)を型などに注入し、常温または加熱して重合反応させて固化させるセラミックの成形方法である。この成形方法で成形したものは後で、溶媒などを除去させる必要があり、加熱乾燥、常温乾燥、凍結乾燥などが挙げられる。特に、形状変化を少なくさせる乾燥方法として、温度制御をした凍結乾燥がよいとされている。(例えば、特許文献1参照。)。
このような凍結乾燥を行った場合、スラリーの溶媒中に含まれている水が凍結する際に巨大結晶に成長し、乾燥して除去されたときに大きな気孔となって残存してしまうため、この気孔が焼結後にも存在することとなり、セラミック素材の緻密化を妨げるという問題があった。また、重合促進のため加熱したり、凍結のため冷却したりすることで、寸法の安定性にかけるという問題があった。さらに、水が凍結するときに体積が膨張するため、未焼結体(成形体)の密度が低下してしまう問題があった。
このような凍結乾燥を行った場合、スラリーの溶媒中に含まれている水が凍結する際に巨大結晶に成長し、乾燥して除去されたときに大きな気孔となって残存してしまうため、この気孔が焼結後にも存在することとなり、セラミック素材の緻密化を妨げるという問題があった。また、重合促進のため加熱したり、凍結のため冷却したりすることで、寸法の安定性にかけるという問題があった。さらに、水が凍結するときに体積が膨張するため、未焼結体(成形体)の密度が低下してしまう問題があった。
また、スラリーを型内に注入すると同時に長時間凍結温度に保つことによって、それと同時にゲル化させているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、この場合もスラリーの溶媒中に含まれている水が凍結するという上記と同様な問題があった。
特開2001−316185号公報
特開2001−329131号公報
しかし、この場合もスラリーの溶媒中に含まれている水が凍結するという上記と同様な問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、気孔を低減することで高密度化し、さらに成形・脱脂工程における温度変化を小さくすることで高精度な寸法精度を狙うことのできるセラミック素材の成形方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、セラミック素材成形用のスラリーの結合剤であるバインダにt−ブチルアルコールを採用し、これに溶媒としての機能も持たせ、このスラリーをt−ブチルアルコールの融点(25.6℃)以上にすることで溶液状態を保たせ、型内に注入した後にスラリー温度を5℃より高く、融点未満の温度条件で固化させたのち、同じ温度条件下で固化したセラミック成形体中のt−ブチルアルコールを昇華させることにより、気孔を低減させ、スラリーの固化から結合剤、溶媒などの除去までの工程を温度変化の少ない環境下で実施することを可能とした。
本発明によれば、セラミック素材の気孔を低減させることから密度の高い緻密化されるという効果と、スラリーの固化から結合剤、溶媒などの除去までの工程を温度変化の少ない環境下で実施することが可能になったことより、熱膨張、熱変形などの影響を防ぐことができるため、高精度なセラミック素材を得ることができる効果がある。
以下に、本発明のセラミック素材の成形方法について、図1の工程図に基づいて説明する。
まず、t−ブチルアルコールを融点以上にすることで液体とし(S10)、その中にセラミック粉末を混合させ、スラリーを作成する(S20)。t−ブチルアルコールの融点は25.6℃であるため、雰囲気温度に応じて加熱が必要となる。ここで、固化するときにスラリー温度を下げる必要があるが、そのときの固化温度と大きく変動させないためにも、可能な限り融点に近い温度で溶融させる。また場合によっては、分散剤なども混合させてもかまわない。
まず、t−ブチルアルコールを融点以上にすることで液体とし(S10)、その中にセラミック粉末を混合させ、スラリーを作成する(S20)。t−ブチルアルコールの融点は25.6℃であるため、雰囲気温度に応じて加熱が必要となる。ここで、固化するときにスラリー温度を下げる必要があるが、そのときの固化温度と大きく変動させないためにも、可能な限り融点に近い温度で溶融させる。また場合によっては、分散剤なども混合させてもかまわない。
このスラリーを型内に注入し(S30)、その型内のスラリー温度を5℃より高く融点未満の温度状態に保つことで、スラリーを固化させる(S40)。ここで、5℃以下とするとt−ブチルアルコールを使用しても、固化して成形体となったときに、大きな気孔が多数発生してしまい、目的とするセラミック素材を得ることができない。
次に固化したスラリー、すなわちセラミックの成形体を脱型(S50)した後、セラミック成形体からセラミック以外の物質を除去するために凍結乾燥をするが(S60)、このスラリーは水を含まず、t−ブチルアルコールは固体状態であっても高い蒸気圧を持つため、0℃以下などにする必要がなく、固化させた温度のままの雰囲気で減圧することによって乾燥を促進することができる。
また、水系を含む場合固化したときに体積膨張を起こすため、成形体中の気孔率が大きくなり、密度が小さくなってしまうが、t−ブチルアルコールの場合は、固化したときに体積収縮するので、成形体中の気孔率は小さくなり、相対密度は大きくなる。
また、水系を含む場合固化したときに体積膨張を起こすため、成形体中の気孔率が大きくなり、密度が小さくなってしまうが、t−ブチルアルコールの場合は、固化したときに体積収縮するので、成形体中の気孔率は小さくなり、相対密度は大きくなる。
この乾燥した成形体をセラミック粉末の焼結温度以上まで加熱することによって、セラミック成形体を焼結させ(S70)、気孔が少なく、高精度なセラミックの緻密体であるセラミック素材を得ることができる。
さらに、S20の工程において、t−ブチルアルコールを50℃程度とすれば、水系スラリーよりも粘度が小さくなるため、スラリー中のセラミック粉末含有率を高めることが可能となり、気孔率をさらに小さくすることができる。
たとえば、本成形方法でのセラミック粉末にジルコニア粉末を使用することで、光ファイバの接続に利用されるセラミックフェルールやコネクタなどの高精度な部品を製作するに適用することができる。またアルミナ粉末を用いれば、半導体のはんだ付けに利用されるボンディングキャピラリなどの部品に適用することができる。
たとえば、本成形方法でのセラミック粉末にジルコニア粉末を使用することで、光ファイバの接続に利用されるセラミックフェルールやコネクタなどの高精度な部品を製作するに適用することができる。またアルミナ粉末を用いれば、半導体のはんだ付けに利用されるボンディングキャピラリなどの部品に適用することができる。
30℃のt−ブチルアルコール溶液にアルミナセラミックス粉体(昭和電工Al160−SG−1)を30vol%となるように分散剤ポリエチレンイミン(PEI:分子量1800)1wt%とともに混合させて、スラリーを作成する。このスラリーを型内に注入し、5℃および20℃の温度雰囲気下で1時間ほどで固化させた後脱型し、固化させた温度と同じ温度で4kPa程度まで減圧した雰囲気中に72時間維持することでt−ブチルアルコールを昇華させ、除去した。 その後、1500℃まで加熱し、アルミナ焼成体を得た。
5℃および20℃で固化させた場合のアルミナ成形体、焼成体の気孔率を水銀ポロシメータで気孔分布を測定し、気孔率の結果を表1に示す。
5℃および20℃で固化させた場合のアルミナ成形体、焼成体の気孔率を水銀ポロシメータで気孔分布を測定し、気孔率の結果を表1に示す。
また、アルミナ成形体の内部画像として、固化温度5℃の場合を図2に、固化温度20℃の場合を図3を示す。
この表1及び図2,3の結果より、融点に近い固化温度である20℃でスラリーを固化させたほうが、明らかに気孔が少なく、密度が大きく緻密なセラミック素材が得られることがわかった。
この表1及び図2,3の結果より、融点に近い固化温度である20℃でスラリーを固化させたほうが、明らかに気孔が少なく、密度が大きく緻密なセラミック素材が得られることがわかった。
Claims (1)
- t−ブチルアルコールをバインダとしたセラミック素材の成形方法であって、セラミック粉末とt−ブチルアルコールの混合液であるスラリーを融点以上に加熱する工程と、この加熱したスラリーを型内注入する工程と、型内のスラリー温度を5℃より高く融点未満の温度条件で固化させる工程と、同じ温度条件下もしくは近傍の温度条件下で固化したセラミック成形体中のt−ブチルアルコールを昇華させる工程と、この乾燥させたセラミック成形体を焼結させる工程から成るセラミック素材の成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004073638A JP2005263500A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | セラミック素材の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004073638A JP2005263500A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | セラミック素材の成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005263500A true JP2005263500A (ja) | 2005-09-29 |
Family
ID=35088437
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JP2004073638A Pending JP2005263500A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | セラミック素材の成形方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005263500A (ja) |
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2004
- 2004-03-16 JP JP2004073638A patent/JP2005263500A/ja active Pending
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