JP2005262593A - 記録装置 - Google Patents

記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005262593A
JP2005262593A JP2004077418A JP2004077418A JP2005262593A JP 2005262593 A JP2005262593 A JP 2005262593A JP 2004077418 A JP2004077418 A JP 2004077418A JP 2004077418 A JP2004077418 A JP 2004077418A JP 2005262593 A JP2005262593 A JP 2005262593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
recording
head
head surface
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004077418A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Shirotori
洋 城取
Takahiro Otani
隆宏 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004077418A priority Critical patent/JP2005262593A/ja
Publication of JP2005262593A publication Critical patent/JP2005262593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 燃料電池を電源とした記録装置において、記録装置を大型化することなく燃料電池による動作可能時間をより長くする。
【解決手段】 燃料収容部71のメタノール水溶液は、燃料供給チューブ81を介して、ポンプPUによって燃料電池80へ給送される。また、ポンプPUが動作することによって、ヘッド面吸引路85に吸引力が発生し、封止部材CAPで封止されている状態の記録ヘッド62のヘッド面が吸引される。ポンプPUの上流側には、ポンプPUの動作で燃料回収チューブ82を吸引して燃料供給チューブ81に給送力を発生させるか、ヘッド面吸引路85に吸引力を発生させるかを選択制御可能な手段として吸引経路切換手段88が配設されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池を電源として動作可能な記録装置に関する。
商用コンセントから交流電力を受電することができない屋外等の環境においても電池を電源として動作可能で持ち運びが容易な軽量小型の電子機器の一例としては、ノート型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal・Digital・Assistant:個人用携帯情報端末)、携帯電話、プリンタ等が公知である。このような電子機器は、従来はリチウムイオン電池を使用したものが一般的であったが、近年、環境に優しいクリーンな次世代の電池としてメタノール等を燃料とした燃料電池が注目されている。燃料電池は、水素と酸素を反応させることで電気を発生させるエネルギー変換装置のことである。水の電気分解と逆の電気化学反応を利用しているため、水素と酸素をエネルギー源とし、水と電気、熱を発生させる。エネルギー効率が高いうえ、排出される物質が水だけなので、環境にもやさしいエネルギーとして注目されている。また、燃料電池は燃料を補充すれば使い続けることができる。つまり、屋外で持ち運ぶことはもちろん、燃料を補充し続ければ半永久的に電気を発生させることができる。
そして、最近注目されているのが、高分子膜の電解質を用いたダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)等の燃料電池であり、モバイル機器用の電源としても注目されている。これは、触媒及び電解質を介して酸素とメタノール水溶液等とを化学反応させることによって発電するものであり、従来、高分子膜を用いたものは、発電効率が低いため電力供給の分野で使われることはなかったが、高分子膜の電解質が常温〜90度前後であり、従来の電解質(数百度以上)よりも低温なため、家庭用発電やモバイル機器等の電源としての利用が可能となっており、このような燃料電池を搭載したインクジェットプリンタ等の記録装置が公知である(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−341146号公報
しかしながら、例えば、インクジェットプリンタ等のインクジェット式記録装置は、記録ヘッドを駆動してインクを噴射するヘッド駆動手段、記録ヘッドを搭載したキャリッジ等を主走査方向へ往復動させる主走査駆動手段、及び記録ヘッドに対して記録紙を副走査方向へ搬送する副走査駆動手段を備えているのが一般的であり、これらを駆動するためのDCモータ等の駆動力源による電力消費が大きいため、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話等の情報処理装置と比較して多くの電力を消費する。そのため、燃料電池による動作可能時間をあまり長くすることができないという課題が生じる。また、燃料電池による動作可能時間を長くするために燃料タンクを大きくすると、記録装置が大型化してしまうという課題が生じる。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、燃料電池を電源とした記録装置において、記録装置を大型化することなく燃料電池による動作可能時間をより長くすることにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被記録材へインクを噴射する記録ヘッドと、燃料電池と、該燃料電池に供給される燃料が充填された燃料収容部と、該燃料収容部から前記燃料電池へ燃料を供給するための燃料供給路と、該燃料供給路を介して前記燃料収容部の燃料を前記燃料電池へ給送する燃料給送手段と、前記記録ヘッドのヘッド面を吸引するヘッド面吸引手段と、前記燃料給送手段及び前記ヘッド面吸引手段が共有するポンプと、前記ポンプの動作で前記燃料給送手段の給送力を発生させるか、前記ヘッド面吸引手段の吸引力を発生させるかを選択制御可能な手段とを備えた記録装置である。
一般的にインクジェット式記録装置等の被記録材へインクを噴射する記録ヘッドを備えた記録装置には、記録ヘッドのヘッド面に多数配設されているノズルの詰まりを防止するために定期的に記録ヘッドのヘッド面を吸引するヘッド面吸引手段が設けられている。そこで、燃料供給路を介して燃料収容部の燃料を燃料電池へ給送する燃料給送手段と、このヘッド面吸引手段とで1つのポンプを共有する構成とし、ポンプの動作で燃料給送手段の給送力を発生させるか、ヘッド面吸引手段の吸引力を発生させるかを選択制御可能な手段を設ける。それによって、1つのポンプで燃料給送手段とヘッド面吸引手段とを選択的に動作させることができる。したがって、燃料給送手段とヘッド面吸引手段とにそれぞれ専用のポンプを設けた構成と比較して、1つのポンプを共有した構成とすることにより空いたスペースを利用して、記録装置を大型化することなく燃料収容部をより大きくすることができるので、記録装置を大型化することなく燃料電池による動作可能時間をより長くすることができるという作用効果が得られる。
また、燃料給送手段とヘッド面吸引手段とにそれぞれ専用のポンプを設けた構成と比較して、1つのポンプを共有した構成とすることにより記録装置のコストを低減させることができるとともに、ポンプを駆動するための駆動力源の負荷が軽減されて記録装置の消費電力を低減させることができるので、それによって、燃料電池による動作可能時間をさらに長くすることができるという作用効果が得られる。
さらに、燃料給送手段とヘッド面吸引手段とにそれぞれ専用のポンプを設けた構成と比較して、1つのポンプを共有した構成とすることにより空いたスペースを利用して、記録装置を軽量小型化することも可能である。
さらに、1つのポンプで燃料給送手段とヘッド面吸引手段とを選択的に動作させることができるので、燃料給送手段によって燃料収容部から燃料電池へ燃料を給送している間、同時に記録ヘッドのヘッド面が吸引されないようにすることができる。つまり、記録ヘッドのヘッド面を吸引する必要のない状態であるにも関わらず、燃料給送手段によって燃料収容部から燃料電池へ燃料を給送する際に記録ヘッドのヘッド面の吸引も同時に行われてしまうことを防止できる。したがって、記録ヘッドのヘッド面を吸引する必要のない状態でヘッド面の吸引が行われることによるインクの無駄な消費を防止することができるという作用効果も得られる。
本発明の第2の態様は、被記録材へインクを噴射する記録ヘッドと、燃料電池と、該燃料電池に供給される燃料が充填された燃料収容部と、該燃料収容部から前記燃料電池へ燃料を供給するための燃料供給路と、該燃料供給路を介して前記燃料収容部の燃料を前記燃料電池へ給送する燃料給送手段と、前記記録ヘッドのヘッド面を吸引するヘッド面吸引手段と、前記燃料給送手段及び前記ヘッド面吸引手段が共有するポンプと備え、前記ポンプが動作することによって前記燃料給送手段の給送力、及び前記ヘッド面吸引手段の吸引力が発生する構成を有する記録装置であって、前記ポンプが動作している状態で前記ヘッド面吸引手段により前記記録ヘッドのヘッド面に発生する吸引力をON/OFF可能な構成を有している、ことを特徴とした記録装置である。
前述したように、一般的にインクジェット式記録装置等の被記録材へインクを噴射する記録ヘッドを備えた記録装置には、記録ヘッドのヘッド面に多数配設されているノズルの詰まりを防止するために定期的に記録ヘッドのヘッド面を吸引するヘッド面吸引手段が設けられている。そこで、燃料供給路を介して燃料収容部の燃料を燃料電池へ給送する燃料給送手段と、このヘッド面吸引手段とで1つのポンプを共有する構成とし、そのポンプを動作させることによって燃料給送手段の給送力、及びヘッド面吸引手段の吸引力が発生するようにするとともに、ポンプが動作している状態でヘッド面吸引手段により記録ヘッドのヘッド面に発生する吸引力をON/OFF可能な構成とする。それによって、1つのポンプで燃料給送手段とヘッド面吸引手段とを動作させつつ、ヘッド面吸引手段により記録ヘッドのヘッド面に発生する吸引力をON/OFFさせることができ、それによって、1つのポンプで燃料給送手段とヘッド面吸引手段とを選択的に動作させることができる。したがって、燃料給送手段とヘッド面吸引手段とにそれぞれ専用のポンプを設けた構成と比較して、1つのポンプを共有した構成とすることにより空いたスペースを利用して、記録装置を大型化することなく燃料収容部をより大きくすることができるので、記録装置を大型化することなく燃料電池による動作可能時間をより長くすることができるという作用効果が得られる。
また、燃料給送手段とヘッド面吸引手段とにそれぞれ専用のポンプを設けた構成と比較して、1つのポンプを共有した構成とすることにより記録装置のコストを低減させることができるとともに、ポンプを駆動するための駆動力源の負荷が軽減されて記録装置の消費電力を低減させることができるので、それによって、燃料電池による動作可能時間をさらに長くすることができるという作用効果が得られる。
さらに、燃料給送手段とヘッド面吸引手段とにそれぞれ専用のポンプを設けた構成と比較して、1つのポンプを共有した構成とすることにより空いたスペースを利用して、記録装置を軽量小型化することも可能である。
さらに、1つのポンプで燃料給送手段とヘッド面吸引手段とを選択的に動作させることができるので、燃料給送手段によって燃料収容部から燃料電池へ燃料を給送している間、同時に記録ヘッドのヘッド面が吸引されないようにすることができる。つまり、記録ヘッドのヘッド面を吸引する必要のない状態であるにも関わらず、燃料給送手段によって燃料収容部から燃料電池へ燃料を給送する際に記録ヘッドのヘッド面の吸引も同時に行われてしまうことを防止できる。したがって、記録ヘッドのヘッド面を吸引する必要のない状態でヘッド面の吸引が行われることによるインクの無駄な消費を防止することができるという作用効果も得られる。
本発明の第3の態様は、前述した第2の態様において、前記ヘッド面吸引手段は、前記記録ヘッドのヘッド面を封止する封止部材と、前記封止部材によって封止されているヘッド面を前記ポンプで吸引するヘッド面吸引路と、前記ヘッド面吸引路を開閉するヘッド面吸引路開閉弁とを有している、ことを特徴とした記録装置である。
一般的にインクジェット式記録装置等の被記録材へインクを噴射する記録ヘッドを備えた記録装置には、記録ヘッドからインクを噴射しないときは、記録ヘッドのヘッド面のインクが乾燥してしまうのを防止するために記録ヘッドのヘッド面を封止する封止部材が設けられている。そして、ヘッド面吸引手段は、ポンプを動作させると封止部材で封止されている状態の記録ヘッドのヘッド面を吸引するヘッド面吸引路に吸引力が発生するようになっている。そこで、そのヘッド面吸引路を開閉するヘッド面吸引路開閉弁を設けることによって、燃料給送手段とヘッド面吸引手段との共有ポンプが動作している状態で記録ヘッドのヘッド面を封止しつつ、ヘッド面吸引手段により記録ヘッドのヘッド面に発生する吸引力をON/OFFすることができる。
本発明の第4の態様は、前述した第3の態様において、前記燃料電池の廃燃料が回収される廃燃料収容部と、前記廃燃料を前記廃燃料収容部へ回収するための廃燃料回収路とを有し、前記燃料供給路から前記燃料電池を経由して前記廃燃料回収路へ流れる燃料流路を開閉する燃料流路開閉弁を有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、燃料給送手段とヘッド面吸引手段との共有ポンプで動作する燃料給送手段の燃料給送力により燃料が流れる燃料流路を開閉する燃料流路開閉弁を設けることによって、燃料給送手段とヘッド面吸引手段との共有ポンプが動作している状態で燃料電池への燃料供給をON/OFFすることができる。それによって、ヘッド面吸引手段によって記録ヘッドのヘッド面を吸引している間に燃料電池への燃料供給をON/OFFすることも可能になり、燃料給送手段及びヘッド面吸引手段の動作制御をより効率的に行うことができる。
本発明の第5の態様は、前述した第2の態様において、前記ヘッド面吸引手段は、前記記録ヘッドのヘッド面を封止した状態で吸引する第1のヘッド封止手段と、前記記録ヘッドのヘッド面を封止するのみの第2のヘッド封止手段とを有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、記録ヘッドのヘッド面を封止した状態で吸引する第1のヘッド封止手段と、記録ヘッドのヘッド面を封止するのみの第2のヘッド封止手段とを設け、第1のヘッド封止手段又は第2のヘッド封止手段のいずれかを選択して記録ヘッドのヘッド面を封止することによって、燃料給送手段とヘッド面吸引手段との共有ポンプが動作している状態で記録ヘッドのヘッド面を封止しつつ、ヘッド面吸引手段により記録ヘッドのヘッド面に発生する吸引力をON/OFFすることができる。
本発明の第6の態様は、前述した第5の態様において、前記記録ヘッドを主走査方向へ往復動させる主走査駆動手段と、被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送する副走査駆動手段と、前記記録ヘッド、前記主走査駆動手段、及び前記副走査駆動手段を制御して被記録材への記録を実行する記録制御装置とを備え、前記主走査駆動手段による記録ヘッドの往復動範囲において所定の位置に設定され、前記第1のヘッド封止手段が配設された第1の待機ポジションと、該第1の待機ポジションと異なる位置に設定され、前記第2のヘッド封止手段が配設された第2の待機ポジションとを有し、前記記録制御装置は、被記録材への記録を実行していない間、前記第1の待機ポジション又は前記第2の待機ポジションのいずれかに前記記録ヘッドを移動させて前記記録ヘッドのヘッド面を封止する、ことを特徴とした記録装置である。
記録ヘッド、主走査駆動手段、及び副走査駆動手段を制御して被記録材への記録を実行する記録制御装置は、被記録材への記録を実行しないときは、記録ヘッドを待機ポジションへ移動させて待機ポジションに配設されているヘッド封止手段で記録ヘッドのヘッド面を封止する。その際、記録制御装置は、第1のヘッド封止手段が配設された第1の待機ポジション、又は第2のヘッド封止手段が配設された第2の待機ポジションのいずれかを選択して記録ヘッドのヘッド面を封止することによって、燃料給送手段とヘッド面吸引手段との共有ポンプが動作している状態で記録ヘッドのヘッド面を封止しつつ、ヘッド面吸引手段により記録ヘッドのヘッド面に発生する吸引力をON/OFFすることができる。
本発明の第7の態様は、前述した第1の態様〜第6の態様のいずれかにおいて、前記記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、前記燃料収容部とが一体に形成されたインクカートリッジが着脱可能に配設されている、ことを特徴とした記録装置である。
このように、記録装置に着脱可能に配設されるインクカートリッジは、記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、燃料電池の燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されているので、インクカートリッジとは別体の燃料収容部を装着する構成とすることによって生じる無駄なスペースや機構を省略することができる。それによって、記録装置を大型化することなく記録装置に搭載可能な燃料の量を多くすることが可能になり、それによって、記録装置を大型化することなく燃料電池による動作時間をより長くすることができるという作用効果が得られる。
また、記録装置に着脱可能に配設されるインクカートリッジは、記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、燃料電池の燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されているので、インクカートリッジを記録装置に装着すると、インク収容部から記録ヘッドへインクが供給されるとともに、燃料収容部から燃料電池へ燃料が供給される。つまり、商用コンセントから交流電力を受電することができない屋外等の環境において、インクカートリッジを装着するだけで動作する記録装置が可能になる。したがって、電池交換や充電といったメンテナンスが不要になり、予備のインクカートリッジ以外に予備の電池や充電器等を持ち歩く必要もなくなるとともに、バッテリ切れの心配もなくなるという作用効果が得られる。さらに、従来のリチウムイオンバッテリ等の重量のある外付け電池を記録装置に装着する必要がなくなるので、従来よりも記録装置を軽量化することができるという作用効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る「記録装置」の一例としてのインクジェット式記録装置(インクジェットプリンタ)の概略構成について説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、図2はその側面図である。
インクジェット式記録装置50には、記録紙Pにインクを噴射して記録を行う記録ヘッド62を記録紙Pに対して主走査方向Xに走査させる「主走査駆動手段」として、キャリッジガイド軸51に軸支され、主走査方向Xに移動するキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、記録ヘッド62と、記録ヘッド62から噴射する各色のインクが充填されたインクカートリッジ611とが搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。また、インクジェット式記録装置50には、記録ヘッド62を記録紙Pに対して副走査方向Yに走査させる「副走査駆動手段」として、記録紙Pを副走査方向Yに搬送する搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、搬送駆動ローラ53の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数設けられており、それぞれ個々に搬送駆動ローラ53に付勢され、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙Pに接しながら記録紙Pの搬送に従動して回転する。
搬送駆動ローラ53の表面には、高摩擦抵抗を有する皮膜が施されている。搬送従動ローラ54によって、搬送駆動ローラ53の表面に押しつけられた記録紙Pは、その表面の摩擦抵抗によって搬送駆動ローラ53の表面に密着し、搬送駆動ローラ53の回転によって副走査方向に搬送される。キャリッジ61とプラテン52の間に記録紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド62を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド62から記録紙Pにインクを噴射する動作とを交互に繰り返すことによって記録紙Pに記録が行われる。
搬送駆動ローラ53の副走査方向Yの上流側には、給紙トレイ57が配設されている。給紙トレイ57は、例えば普通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙可能な構成となっており、記録紙Pを自動給紙する給紙手段としてのASF(オート・シート・フィーダー)が設けられている。ASFは、給紙トレイ57に設けられた2つの給紙ローラ57b及び図示してない分離パッドを有する自動給紙機構である。この2つの給紙ローラ57bの1つは、給紙トレイ57の一方側に配置され、もう1つの給紙ローラ57bは、記録紙ガイド57aに取り付けられており、記録紙ガイド57aは、記録紙Pの幅に合わせて幅方向に摺動可能に給紙トレイ57に設けられている。そして、給紙ローラ57bの回転駆動力と、分離パッドの摩擦抵抗により、給紙トレイ57に置かれた複数の記録紙Pを給紙する際に、複数の記録紙Pが一度に給紙されることなく1枚ずつ正確に自動給紙される。
また、給紙ローラ57bと搬送駆動ローラ53との間には、公知の技術による紙検出器63が配設されている。紙検出器63は、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙搬送方向にのみ回動し得るよう記録紙Pの搬送経路内に突出する状態で枢支されたレバーを有し、このレバーの先端が記録紙Pに押されることでレバーが回動し、それによって記録紙Pが検出される構成を成す検出器である。紙検出器63は、給紙ローラ57bより給紙された記録紙Pの始端位置、及び終端位置を検出し、その検出位置に合わせて記録領域が決定され、記録が実行される。
一方、記録実行後の記録紙Pを排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56とが設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転により、記録実行後の記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それぞれ個々に排紙駆動ローラ55に付勢され、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に従動して回転する。そして、給紙ローラ57bや搬送駆動ローラ53、及び排紙駆動ローラ55を回転駆動する図示していない搬送駆動用モータ、並びにキャリッジ61を主走査方向に駆動する図示していないキャリッジ駆動用モータは、「記録制御装置」としての記録制御部100により駆動制御される。また、記録ヘッド62も同様に、記録制御部100により駆動制御されて記録紙Pの表面にインクを噴射する。
記録ヘッド62には、インクジェット式記録装置50に着脱可能に配設されたインクカートリッジ70からインクが供給される。また、インクジェット式記録装置50は、燃料電池80を電源装置として備えており、燃料電池80の燃料は、インクカートリッジ70から供給される。
図3は、本発明に係るインクジェット記録装置50の概略のブロック図である。
記録制御部100は、システムバスSBを備えており、システムバスSBには、ROM21、RAM22、「ホスト装置」としての情報処理装置200との「接続インタフェース」としてのUSBコントローラ23、メモリカードインタフェース24、MPU(マイクロプロセッサ)26、I/O27、及びヘッドドライバ28がデータ転送可能に接続されている。MPU26では各種処理の演算処理が行われる。ROM21には、MPU26の演算処理に必要なソフトウェア・プログラム及びデータがあらかじめ記憶されている。RAM22は、ソフトウェア・プログラムの一時的な記憶領域、MPU26の作業領域等として使用される。各種モータ制御部31は、インクジェット式記録装置50の各種モータを駆動制御する駆動制御回路である。
各種センサー32は、インクジェット記録装置50の各種状態情報を検出してI/O27に出力する。I/O27は、MPU26における演算処理結果に基づいて、各種モータ制御部31に対して出力制御を行い、かつ各種センサー32からの入力情報等を入力する。USBコントローラ23は、USBホストコントローラを搭載した「ホスト装置」としての情報処理装置200として、パーソナルコンピュータ等のUSBホスト装置が接続されると、インクジェット式記録装置50をUSBデバイスとして機能させる。記録実行時に画像データは、情報処理装置200においてRGBデータからYMCデータに色変換された後、2値化処理が行われて2値化されたYMCデータに変換されて記録データが生成される。
生成された記録データは、インクジェット式記録装置50を制御するための制御データとともに記録制御データとして情報処理装置200からインクジェット式記録装置50へ送信される。情報処理装置200から送信された記録制御データは、USBコントローラ23が受信した後、RAM22へ格納される。RAM22へ格納された記録制御データは、MPU26にて実行されるプログラム処理によって、コマンド解析、及びデータ圧縮された記録データを展開する処理等が実行されて、制御データと記録データとに分離される。制御データは、MPU26へ転送され、展開された記録データは、「ヘッド駆動手段」としてのヘッドドライバ28へ転送される。
図4は、インクジェット式記録装置50における記録ヘッド62へのインク供給経路、及び燃料電池80への燃料供給経路の第1実施例を示した模式図である。
インクカートリッジ70は、「インク収容部」としてのイエローインク収容部7Y、マゼンダインク収容部7M、シアンインク収容部7C、及びブラックインク収容部7Kを有している。イエローインク収容部7Yに充填されているイエローインクはインクチューブYCを経由して、マゼンダインク収容部7Mに充填されているマゼンダインクはインクチューブMCを経由して、シアンインク収容部7Cに充填されているシアンインクはインクチューブCCを経由して、ブラックインク収容部7Kに充填されているブラックインクはインクチューブKCを経由して、それぞれ記録ヘッド62へ供給される。
また、インクカートリッジ70は、燃料電池80の燃料となるメタノール水溶液が充填された燃料収容部71と、燃料電池80へ供給されたメタノール水溶液を「廃燃料」として回収する廃燃料回収部72とを有している。燃料電池80は、高分子膜の電解質を用いたダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)であり、メタノールを水素に改質せずに直接セルCLに供給して反応させる燃料電池である。セルCLは、高分子膜の電解質8E、及び燃料極(アノード8A)と空気極(カソード8K)との2枚の電極から構成される燃料電池80の最小単位のユニットである。燃料極(アノード8A)では、メタノールが水と反応して酸化され、CO、H、電子が生成される。Hは、電解質8Eを通って空気極(カソード8K)に到達する。空気極(カソード8K)では、空気中のO(酸素)がH、電子と結合して還元されて水が生成される。その過程でアノード8A及びアノード8Kに接続された回路に電子が流れて電流が取り出される。
このように、インクジェット記録装置50に着脱可能に配設されるインクカートリッジ70は、記録ヘッド62から噴射するインクが充填されたイエローインク収容部7Y、マゼンダインク収容部7M、シアンインク収容部7C、及びブラックインク収容部7Kと、燃料電池80の燃料(メタノール水溶液)が充填された燃料収容部71及び廃燃料が回収される廃燃料回収部72とが一体に形成されている。それによって、インクカートリッジ70とは別体の燃料タンク等を装着する構成とすることによって生じる無駄なスペースや機構を省略することができるので、インクジェット式記録装置50を大型化することなくインクジェット式記録装置50に搭載可能な燃料(メタノール水溶液)の量を多くすることが可能になる。したがって、インクジェット式記録装置50を大型化することなく燃料電池80による動作時間をより長くすることができる。
また、インクカートリッジ70をインクジェット式記録装置50に装着すると、イエローインク収容部7Y、マゼンダインク収容部7M、シアンインク収容部7C、及びブラックインク収容部7Kから記録ヘッド62へ各インクが供給されるとともに、燃料収容部71から燃料電池80へメタノール水溶液が供給される。つまり、商用コンセントから交流電力を受電することができない屋外等の環境において、インクジェット式記録装置50にインクカートリッジ70を装着するだけで動作させることが可能になる。したがって、電池交換や充電といったメンテナンスが不要になり、予備のインクカートリッジ70以外に予備の電池や充電器等を持ち歩く必要もなくなるとともに、バッテリ切れの心配もなくなる。
さらに、従来のリチウムイオンバッテリ等の重量のある外付け電池をインクジェット式記録装置50に装着する必要がなくなるので、従来よりもインクジェット式記録装置50を軽量化することができる。さらに、近年は、使用済みのインクカートリッジ70を環境への配慮からメーカ等が回収して再利用可能なシステムが整備されており、このように、燃料電池80の廃燃料が回収される廃燃料収容部72をインクカートリッジ70に設けることによって、廃燃料を使用済みのインクカートリッジ70とともに回収することが可能になり、廃燃料の回収及び再利用が促進される。
燃料収容部71のメタノール水溶液は、「燃料供給路」としての燃料供給チューブ81を介して、「燃料給送手段」としてのポンプPUによって燃料電池80へ給送される。ポンプPUは、後述する「ヘッド面吸引手段」としても利用される。燃料電池80へ給送されて燃料極(アノード8A)で化学反応した後の廃燃料は、廃燃料を回収する「燃料回収路」としての燃料回収チューブ82を介して廃燃料回収部72へ回収される。廃燃料は、発電による化学反応によってメタノール濃度が低下したメタノール水溶液である。
一方、燃料電池80の空気極(カソード8K)では、空気供給路84から供給される空気の酸素がH、電子と結合して還元されて水が生成され、生成された水(以下、生成水という)は、生成水を廃燃料回収部72へ回収する「生成水回収路」としての生成水回収チューブ83を介して燃料回収チューブ82へ送出されて廃燃料回収部72へ回収される。このように、空気極(カソード8K)側で生成された水をインクカートリッジ70の廃燃料回収部72へ回収することによって、空気極(カソード8K)で生成される水を処理する手段を省略することが可能になり、それによって、インクジェット式記録装置50のコストを低減させることができる。
また、ポンプPUは、「駆動力源」としてのモータMを駆動力源として動作する。当該実施例においては、モータMは、前述したキャリッジ62を駆動するキャリッジ駆動用モータ(図示せず)であり、キャリッジ62の駆動力源とポンプPUの駆動力源とを兼ねているが、前述した搬送駆動用モータ(図示せず)と兼用とする構成であっても良い。このように、ポンプPUの駆動力源をキャリッジ駆動用モータ又は搬送駆動用モータ等の駆動力源と兼用にすることによって、インクジェット式記録装置50のコストを低減させることができる。尚、当該実施例においては、ポンプPUは、燃料回収チューブ82に配設されているが、燃料供給チューブ81に配設しても良く、上述した燃料流路を構成できればどこに配設しても構わない。
インクジェット式記録装置50は、記録ヘッド62のヘッド面に多数配設されているノズル(図示せず)の詰まりを防止するために定期的に記録ヘッド62のヘッド面を吸引する「ヘッド面吸引手段」として、記録ヘッド62からインクを噴射しないときに記録ヘッド62のヘッド面のインクが乾燥してしまうのを防止するために記録ヘッド62のヘッド面を封止する封止部材CAPと、封止部材CAPで封止した状態の記録ヘッド62のヘッド面を吸引するポンプPUとを備えている。ポンプPUが動作することによって、ヘッド面吸引路85に吸引力が発生し、封止部材CAPで封止されている状態の記録ヘッド62のヘッド面が吸引される。記録ヘッド62のヘッド面から吸引された廃インクは、ヘッド面吸引路85からポンプPUを介して廃インク吸収材86へ送出され、廃インク吸収材86に吸収させた状態でインクジェット式記録装置50内に貯留されるようになっている。
そして、燃料電池80の空気極(カソード8K)で生成される生成水は、「生成水送出路」としての生成水回収チューブ83を介して廃インク吸収材86へ送出されて廃インク吸収材86に吸収されて回収されるようになっている。廃インク吸収材86に吸収された水は、廃インクとともに廃インク吸収材86の中に貯留された状態で、やがて気化していくことになるので、燃料電池80の空気極(カソード8K)で生成される生成水を外部に漏らさずに処理することができる。このように、燃料電池80の空気極(カソード8K)で生成される生成水を廃インク吸収材86へ送出することによって、生成水を外部に漏らさずインクジェット式記録装置50内部で処理する手段を低コストで実現することができる。
そして、ポンプPUの上流側には、ポンプPUの動作で燃料回収チューブ82を吸引して燃料供給チューブ81に給送力を発生させるか、ヘッド面吸引路85に吸引力を発生させるかを選択制御可能な手段として吸引経路切換手段88が配設されている。このように、「燃料給送手段」と「ヘッド面吸引手段」とでポンプPUを共有した構成とし、吸引経路切換手段88でポンプPUの吸引経路を切り換えることによって、「燃料給送手段」と「ヘッド面吸引手段」とを選択的に動作させることができるようにする。それによって、「燃料給送手段」と「ヘッド面吸引手段」とにそれぞれ専用のポンプを設けた構成と比較して、1つのポンプ(ポンプPU)を共有した構成とすることにより空いたスペースを利用することができ、インクジェット式記録装置50を大型化することなくインクカートリッジ70の燃料収容部71をより大きくすることができる。したがって、インクジェット式記録装置50を大型化することなく燃料電池80による動作可能時間をより長くすることができる。或いは、その空いたスペースを利用してインクジェット式記録装置50を軽量小型化することも可能である。
また、「燃料給送手段」と「ヘッド面吸引手段」とで1つのポンプを共有した構成とすることにより、インクジェット式記録装置50のコストを低減させることができるとともに、ポンプPUを駆動するためのモータMの負荷が軽減されてインクジェット式記録装置50の消費電力を低減させることができ、それによって、燃料電池80による動作可能時間をさらに長くすることができる。
さらに、ポンプPUで「燃料給送手段」と「ヘッド面吸引手段」とを選択的に動作させることができるので、「燃料給送手段」によって燃料収容部71から燃料電池80へメタノール水溶液を給送している間、同時に記録ヘッド62のヘッド面が吸引されないようにすることができる。つまり、記録ヘッド62のヘッド面を吸引する必要のない状態であるにも関わらず、「燃料給送手段」によって燃料収容部71から燃料電池80へ燃料を給送する際に記録ヘッド62のヘッド面の吸引も同時に行われてしまうことを防止できる。したがって、記録ヘッド62のヘッド面を吸引する必要のない状態でヘッド面の吸引が行われることによるインクの無駄な消費を防止することができる。
このようにして、燃料電池80を電源としたインクジェット式記録装置50において、インクジェット式記録装置50を大型化することなく燃料電池80による動作可能時間をより長くすることができる。
図5は、インクジェット式記録装置50における記録ヘッド62へのインク供給経路、及び燃料電池80への燃料供給経路の第2実施例を示した模式図である。
インクカートリッジ70の構成、インクカートリッジ70から記録ヘッド62へのインク供給経路、燃料電池80の構成、インクカートリッジ70から燃料電池80への燃料経路、「燃料給送手段」、「ヘッド面吸引手段」、モータM、及び燃料給送ポンプPUは、前述した第1実施例と同様なので説明は省略する。当該実施例においては、ポンプPUが動作している状態で「ヘッド面吸引手段」により記録ヘッド62のヘッド面に発生する吸引力をON/OFFするための手段として、ヘッド面吸引路85を開閉するヘッド面吸引路開閉弁881がヘッド面吸引路85に配設されている。このように、ヘッド面吸引路85を開閉するヘッド面吸引路開閉弁881を設けることによって、ポンプPUが動作している状態で記録ヘッド62のヘッド面を封止しつつ、「ヘッド面吸引手段」により記録ヘッド62のヘッド面に発生する吸引力をON/OFFすることができる。
尚、当該実施例に加えて、メタノール水溶液が流れる燃料供給チューブ81又は燃料回収チューブ82の燃料流路を開閉する燃料流路開閉弁(図示せず)をさらに設けても良く、ポンプPUが動作している状態で燃料電池80への燃料供給をON/OFFすることが可能になる。それによって、「ヘッド面吸引手段」によって記録ヘッド62のヘッド面を吸引している間に燃料電池80への燃料供給をON/OFFすることも可能になり、「燃料給送手段」及び「ヘッド面吸引手段」の動作制御をより効率的に行うことができる。
図6は、インクジェット式記録装置50における記録ヘッド62へのインク供給経路、及び燃料電池80への燃料供給経路の第3実施例を示した模式図である。
インクカートリッジ70の構成、インクカートリッジ70から記録ヘッド62へのインク供給経路、燃料電池80の構成、インクカートリッジ70から燃料電池80への燃料経路、「燃料給送手段」、モータM、及び燃料給送ポンプPUは、前述した第1実施例と同様なので説明は省略する。当該実施例において「ヘッド面吸引手段」は、「第1のヘッド封止手段」としての第1封止部材CAP1と「第2のヘッド封止手段」としての第2封止部材CAP2とを有している。第1封止部材CAP1は、ヘッド面吸引路85が接続されており、記録ヘッド62のヘッド面を封止した状態で、ポンプPUの吸引力によってヘッド面を吸引可能な構成を有している。
一方、第2封止部材CAP2は、記録ヘッド62のヘッド面を封止するのみの封止部材である。第1封止部材CAP1は、「主走査駆動手段」による記録ヘッド62の往復動範囲において所定の位置に設定された第1の待機ポジションに配設され、第2封止部材CAP2は、「主走査駆動手段」による記録ヘッド62の往復動範囲において第1の待機ポジションと異なる位置に設定された第2の待機ポジションに配設されている。記録制御部100は、記録紙Pへの記録を実行していない間、第1の待機ポジション又は第2の待機ポジションのいずれかに記録ヘッド62を移動させて記録ヘッド62のヘッド面を封止する。その際、第1の待機ポジション又は第2の待機ポジションのどちらを選択するかによって、ポンプPUの吸引力による記録ヘッド62のヘッド面の吸引をON/OFF制御する。その記録制御部100における制御手順について、以下図7に示したフローチャートを参照しながら説明する。
図7は、ポンプPUの吸引力による記録ヘッド62のヘッド面の吸引をON/OFFする制御手順を示したフローチャートである。
記録ヘッド62を搭載したキャリッジ61は、基準となる第1の待機ポジションに停止しており、記録ヘッド62は第1封止部材CAP1に封止されている。この状態でモータMを駆動してポンプPUを動作させた場合には、「燃料給送手段」が動作してインクカートリッジ70の燃料収容部71から燃料電池80へメタノール水溶液が給送されるとともに、「ヘッド面吸引手段」も動作して記録ヘッド62のヘッド面がヘッド面吸引路85を介してポンプPUに吸引され、吸引された廃インクが廃インク吸収材86へ送出されることになる。
記録を実行していない待機状態においては、燃料電池80の電圧が一定の電圧以上か否かを定周期で判定する(ステップS1)。燃料電池80の電圧が一定の電圧未満に低下した場合には(ステップS1でNo)、キャリッジ61を第2の待機ポジションへ移動させて記録ヘッド62を第2封止部材CAP2で封止する(ステップS2)。その状態でモータMを駆動してポンプPUを動作させて「燃料給送手段」のみを動作させ、燃料電池80へ一定量のメタノール水溶液を給送した後、モータMを停止させる(ステップS3)。記録ヘッド62が第2封止部材CAP2に封止されている状態でモータMを駆動してポンプPUを動作させた場合には、「燃料給送手段」が動作してインクカートリッジ70の燃料収容部71から燃料電池80へメタノール水溶液が給送される間、記録ヘッド62のヘッド面は吸引されない。そして、キャリッジ61を再び第1の待機ポジションへ移動させて第1封止部材CAP1で記録ヘッ62を封止する(ステップS4)。
一方、燃料電池80の電圧が一定の電圧以上である場合には(ステップS1でYes)、情報処理装置200から記録データを受信しているか否かを判定する(ステップS5)。記録データを受信していない場合には(ステップS5でNo)、ステップS1へ戻り、燃料電池80の電圧を監視する。記録データを受信した場合には(ステップS5でYes)、給紙トレイ57から記録紙Pを給紙し(ステップS6)、記録紙Pへの記録を実行する(ステップS7)。記録紙Pへの記録が終了したか否かを判定し(ステップS8)、記録が終了していない場合には(ステップS8でNo)、ステップS8を繰り返し実行して記録が終了したか否かを監視し、記録が終了した時点で(ステップS8でYes)、キャリッジ61を第2の待機ポジションへ移動させて記録ヘッド62を第2封止部材CAP2で封止する(ステップS9)。記録実行済みの記録紙Pを排紙するとともに(ステップS10)、モータMを駆動してポンプPUを動作させて「燃料給送手段」のみを動作させ、燃料電池80へ一定量のメタノール水溶液を給送して燃料を補充した後、モータMを停止させる(ステップS11)。記録実行済みの記録紙Pの排紙が終了したか否かを判定し(ステップS12)、排紙が終了していない場合には(ステップS12でNo)、ステップS12を繰り返し実行して排紙が終了したか否かを監視し、排紙が終了した時点で(ステップS12でYes)、キャリッジ61を再び第1の待機ポジションへ移動させて第1封止部材CAP1で記録ヘッ62を封止する(ステップS13)。
このように、記録紙Pへの記録を実行していない待機状態においては、ポンプPUを動作させることによって記録ヘッド62のヘッド面が吸引される第1封止部材CAP1が配設されている第1の待機ポジションでキャリッジ61を待機させて記録ヘッド62を第1封止部材CAP1で封止する。それによって、必要に応じていつでも記録ヘッド62のヘッド面を吸引することができる。一方、「燃料給送手段」によって燃料電池80へメタノール水溶液を給送する場合には、ポンプPUを動作させても記録ヘッド62のヘッド面が吸引されない第2封止部材CAP2が配設された第2の待機ポジションへキャリッジ61を移動させて記録ヘッド62を第2封止部材CAP2で封止した状態でポンプPUを動作させる。
それによって、「燃料給送手段」と「ヘッド面吸引手段」とが共有しているポンプPUが動作している状態で記録ヘッド62のヘッド面を封止しつつ、「ヘッド面吸引手段」により記録ヘッド62のヘッド面に発生する吸引力をON/OFFすることができる。記録ヘッド62のヘッド面を吸引する必要のない状態であるにも関わらず、「燃料給送手段」によって燃料収容部71から燃料電池80へ燃料を給送する際に記録ヘッド62のヘッド面の吸引も同時に行われてしまうことを防止でき、それによって、記録ヘッド62のヘッド面を吸引する必要のない状態でヘッド面の吸引が行われることによるインクの無駄な消費を防止することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係るインクジェット式記録装置の平面図である。 本発明に係るインクジェット式記録装置の側面図である。 本発明に係るインクジェット式記録装置のブロック図である。 燃料電池への燃料供給経路の第1実施例を示した模式図である。 燃料電池への燃料供給経路の第2実施例を示した模式図である。 燃料電池への燃料供給経路の第3実施例を示した模式図である。 「ヘッド面吸引手段」の制御手順を示したフローチャートである。
符号の説明
21 ROM、22 RAM、23 USBコントローラ、24 メモリカードインタフェース、25 メモリカードスロット、26 MPU、27 I/O、28 ヘッドドライバ、50 インクジェット式記録装置、51 キャリッジガイド軸、52 プラテン、53 搬送駆動ローラ、54 搬送従動ローラ、55 排紙駆動ローラ、56 排紙従動ローラ、57 給紙トレイ、57b 給紙ローラ、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 紙検出器、70 インクカートリッジ、71 燃料収容部、72 廃燃料回収部、80 燃料電池、81 燃料供給チューブ、82 燃料回収チューブ、83 生成水回収チューブ、84 空気供給路、85 ヘッド面吸引路、86 廃インク吸収材、881 ヘッド面吸引路開閉弁、8A アノード(燃料極)、8E 電解質、8K カソード(空気極)、100 記録制御部、200 情報処理装置、CAP 封止部材、CAP1 第1封止部材、CP2 第2封止部材、M モータ、P 記録紙、PU ヘッド吸引ポンプ、SB システムバス、X 主走査方向、Y 副走査方向

Claims (7)

  1. 被記録材へインクを噴射する記録ヘッドと、燃料電池と、該燃料電池に供給される燃料が充填された燃料収容部と、該燃料収容部から前記燃料電池へ燃料を供給するための燃料供給路と、
    該燃料供給路を介して前記燃料収容部の燃料を前記燃料電池へ給送する燃料給送手段と、
    前記記録ヘッドのヘッド面を吸引するヘッド面吸引手段と、
    前記燃料給送手段及び前記ヘッド面吸引手段が共有するポンプと、
    前記ポンプの動作で前記燃料給送手段の給送力を発生させるか、前記ヘッド面吸引手段の吸引力を発生させるかを選択制御可能な手段とを備えた記録装置。
  2. 被記録材へインクを噴射する記録ヘッドと、燃料電池と、該燃料電池に供給される燃料が充填された燃料収容部と、該燃料収容部から前記燃料電池へ燃料を供給するための燃料供給路と、
    該燃料供給路を介して前記燃料収容部の燃料を前記燃料電池へ給送する燃料給送手段と、
    前記記録ヘッドのヘッド面を吸引するヘッド面吸引手段と、
    前記燃料給送手段及び前記ヘッド面吸引手段が共有するポンプと備え、前記ポンプが動作することによって前記燃料給送手段の給送力、及び前記ヘッド面吸引手段の吸引力が発生する構成を有する記録装置であって、
    前記ポンプが動作している状態で前記ヘッド面吸引手段により前記記録ヘッドのヘッド面に発生する吸引力をON/OFF可能な構成を有している、ことを特徴とした記録装置。
  3. 請求項2において、前記ヘッド面吸引手段は、前記記録ヘッドのヘッド面を封止する封止部材と、前記封止部材によって封止されているヘッド面を前記ポンプで吸引するヘッド面吸引路と、前記ヘッド面吸引路を開閉するヘッド面吸引路開閉弁とを有している、ことを特徴とした記録装置。
  4. 請求項3において、前記燃料電池の廃燃料が回収される廃燃料収容部と、前記廃燃料を前記廃燃料収容部へ回収するための廃燃料回収路とを有し、
    前記燃料供給路から前記燃料電池を経由して前記廃燃料回収路へ流れる燃料流路を開閉する燃料流路開閉弁を有している、ことを特徴とした記録装置。
  5. 請求項2において、前記ヘッド面吸引手段は、前記記録ヘッドのヘッド面を封止した状態で吸引する第1のヘッド封止手段と、前記記録ヘッドのヘッド面を封止するのみの第2のヘッド封止手段とを有している、ことを特徴とした記録装置。
  6. 請求項5において、前記記録ヘッドを主走査方向へ往復動させる主走査駆動手段と、被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送する副走査駆動手段と、前記記録ヘッド、前記主走査駆動手段、及び前記副走査駆動手段を制御して被記録材への記録を実行する記録制御装置とを備え、
    前記主走査駆動手段による記録ヘッドの往復動範囲において所定の位置に設定され、前記第1のヘッド封止手段が配設された第1の待機ポジションと、
    該第1の待機ポジションと異なる位置に設定され、前記第2のヘッド封止手段が配設された第2の待機ポジションとを有し、
    前記記録制御装置は、被記録材への記録を実行していない間、前記第1の待機ポジション又は前記第2の待機ポジションのいずれかに前記記録ヘッドを移動させて前記記録ヘッドのヘッド面を封止する、ことを特徴とした記録装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、前記記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、前記燃料収容部とが一体に形成されたインクカートリッジが着脱可能に配設されている、ことを特徴とした記録装置。
JP2004077418A 2004-03-18 2004-03-18 記録装置 Pending JP2005262593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004077418A JP2005262593A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004077418A JP2005262593A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005262593A true JP2005262593A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35087635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004077418A Pending JP2005262593A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005262593A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4455266B2 (ja) 画像形成装置
JP2006286321A (ja) 燃料電池システムならびにそのような燃料電池システムを備える電子機器および画像形成装置
US7318969B2 (en) Fuel cell
JP2020059136A (ja) 記録装置、制御方法、およびプログラム
JP4472542B2 (ja) 画像形成装置
JP6661576B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2005262593A (ja) 記録装置
JP2005262592A (ja) 記録装置
JP2005267993A (ja) 電子機器
US9462148B2 (en) Image forming apparatus
JP2005267994A (ja) 電子機器
CN1595692A (zh) 燃料电池系统
JP3774679B2 (ja) 記録装置
JP2019166675A (ja) 液体吐出装置、および液体吐出装置の制御方法
JP2008213358A (ja) インクジェットによる画像形成装置、インクジェットによる画像形成装置のヘッドキャップ内におけるクリーニング及び保湿を行う方法
JP2005267131A (ja) 電子機器
JP2020026073A (ja) 記録装置
CN1277325C (zh) 消耗品单元、机器及打印机
JP2020026081A (ja) 記録装置、その制御方法、及びプログラム
JP2006278130A (ja) 燃料電池システム
JP4564738B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2008146950A (ja) 燃料電池システム、電子機器及び画像形成装置
JP2006210176A (ja) 電源装置とそれを使用した電子・電気機器及び画像形成装置
JP2006334914A (ja) プリンタ、その制御方法、及びその制御プログラム
JP4515235B2 (ja) 電子機器、燃料電池制御方法