JP2005267131A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料電池を電源とした電子機器において、電子機器を大型化することなく燃料電池による動作可能時間をより長くする。
【解決手段】 処理装置200から供給される定電圧電力(5V)は、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」として制御系電源切換回路31へ供給される。一方、燃料電池80から取り出された電力は、「駆動系電源」として供給されるとともに、記録制御部100にも供給され、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」としても利用される。制御系電源切換回路31は、情報処理装置200から定電圧電力が供給されている間は、情報処理装置200から供給される定電圧電力を出力し、情報処理装置200から定電圧電力が供給されなくなった時点で、燃料電池80からDC−DCコンバータ33を介して供給される定電圧電力を出力する。
【選択図】図4
【解決手段】 処理装置200から供給される定電圧電力(5V)は、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」として制御系電源切換回路31へ供給される。一方、燃料電池80から取り出された電力は、「駆動系電源」として供給されるとともに、記録制御部100にも供給され、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」としても利用される。制御系電源切換回路31は、情報処理装置200から定電圧電力が供給されている間は、情報処理装置200から供給される定電圧電力を出力し、情報処理装置200から定電圧電力が供給されなくなった時点で、燃料電池80からDC−DCコンバータ33を介して供給される定電圧電力を出力する。
【選択図】図4
Description
本発明は、燃料電池を電源として動作可能な電子機器に関する。
商用コンセントから交流電力を受電することができない屋外等の環境においても電池を電源として動作可能で持ち運びが容易な軽量小型の電子機器の一例としては、ノート型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal・Digital・Assistant:個人用携帯情報端末)、携帯電話、プリンタ等が公知である。このような電子機器は、従来はリチウムイオン電池を使用したものが一般的であったが、近年、環境に優しいクリーンな次世代の電池としてメタノール等を燃料とした燃料電池が注目されている。燃料電池は、水素と酸素を反応させることで電気を発生させるエネルギー変換装置のことである。水の電気分解と逆の電気化学反応を利用しているため、水素と酸素をエネルギー源とし、水と電気、熱を発生させる。エネルギー効率が高いうえ、排出される物質が水だけなので、環境にもやさしいエネルギーとして注目されている。また、燃料電池は燃料を補充すれば使い続けることができる。つまり、屋外で持ち運ぶことはもちろん、燃料を補充し続ければ半永久的に電気を発生させることができる。
そして、最近注目されているのが、高分子膜の電解質を用いたダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)等の燃料電池であり、モバイル機器用の電源としても注目されている。これは、触媒及び電解質を介して酸素とメタノール水溶液等とを化学反応させることによって発電するものであり、従来、高分子膜を用いたものは、発電効率が低いため電力供給の分野で使われることはなかったが、高分子膜の電解質が常温〜90度前後であり、従来の電解質(数百度以上)よりも低温なため、家庭用発電やモバイル機器等の電源としての利用が可能となっており、このような燃料電池を搭載したノート型のパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話、プリンタ等の電子機器が公知である(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、例えば、インクジェットプリンタ等のインクジェット式記録装置は、記録ヘッドを駆動してインクを噴射するヘッド駆動手段、記録ヘッドを搭載したキャリッジ等を主走査方向へ往復動させる主走査駆動手段、及び記録ヘッドに対して記録紙を副走査方向へ搬送する副走査駆動手段を備えているのが一般的であり、これらを駆動するためのDCモータ等の駆動力源による電力消費が大きいため、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話等の情報処理装置と比較して多くの電力を消費する。そのため、燃料電池による動作可能時間をあまり長くすることができないという課題が生じる。また、燃料電池による動作可能時間を長くするために燃料タンクを大きくすると、電子機器が大型化してしまうという課題が生じる。そして、このような課題は、特にプリンタに限定されることではなく、DCモータ等の駆動力源を備えた電子機器を一例とした消費電力の高い電子機器に共通した課題であると言える。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、燃料電池を電源とした電子機器において、電子機器を大型化することなく燃料電池による動作可能時間をより長くすることにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、燃料電池と、前記燃料電池を電源とする駆動力源を有する駆動手段と、該駆動手段を制御する制御装置と、接続ケーブルを介してホスト装置と前記制御装置との通信インタフェースを実現するとともに、前記接続ケーブルを介して前記ホスト装置から定電圧電力が供給される接続インタフェースとを備え、前記制御装置は、前記接続インタフェースを介して前記ホスト装置から供給される定電圧電力で動作する、ことを特徴とした電子機器である。
駆動力源とその駆動力源を制御する制御装置とを備えた一般的な電子機器は、例えば、電子機器の電源の切り忘れ等によって電子機器が電源ON状態のまま停止している状態では、駆動力源は停止しているものの制御装置は動作しており、制御装置においてのみ電力消費が発生している状態となる。一般的には、このような状態が一定時間以上継続すると、動作モードがいわゆる省電力モードに移行するが、それでもわずかながら電力消費が発生することになる。駆動力源及び制御装置の電源をともに燃料電池とした電子機器の場合、このような状態が継続すると燃料電池の燃料が少しずつ消費され、この状態が長時間継続すると、やがて燃料が無くなってしまうことになる。
従来のリチウムイオン電池等を電源とした電子機器の場合には、充電をすればまた電池を使用することができたが、燃料電池の場合には、燃料が充填された燃料カートリッジ等を購入して交換するか、又は燃料を購入して燃料タンク等へ燃料を補充しなければならない。リチウムイオン電池等の場合は、充電器と商用コンセントから交流電力を受電できる環境とがあれば、いつでも電池に充電することができるが、燃料電池の場合は、燃料が気軽にどこでも入手可能なものではないので、電子機器の電源の切り忘れ等によって燃料電池の燃料を使い切ってしまうと、その後の電子機器の使用ができなくなってしまう虞がある。
そこで、燃料電池から電力供給するのは電子機器の動作時にのみ電力を消費する駆動力源のみとし、駆動力源を制御する制御装置へは、接続インタフェースを介して電子機器に接続されたホスト装置から定電圧電力が供給される構成とする。電子機器の非動作時には駆動力源は停止しているので、燃料電池からの電力供給がほとんどされることはなく燃料電池の燃料はほとんど消費されない。また、電子機器の動作状態に関わらず常に動作している制御装置への電力は、燃料電池からではなくホスト装置から接続インタフェースを介して供給されるので、制御装置の動作によって燃料電池の燃料が常に消費されることもない。したがって、電子機器が電源ON状態で停止している状態が長時間継続しても燃料電池の燃料がほとんど消費されないようにすることができる。また、電子機器が動作している状態においても制御装置は、ホスト装置から供給される定電圧電力で動作するので、電子機器が動作している状態における燃料電池の燃料消費量を低減させることができる。
これにより、本発明の第1の態様に示した電子機器によれば、電子機器が電源ON状態で停止している状態が長時間継続しても燃料電池の燃料がほとんど消費されないようにすることができるとともに、燃料電池を搭載した電子機器における燃料消費量を低減させることができるので、燃料電池を電源とした電子機器において、電子機器を大型化することなく燃料電池による動作可能時間をより長くすることができるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記燃料電池は、前記制御装置によって起動及び停止制御され、前記制御装置は、前記駆動力源を駆動制御している間のみ前記燃料電池を動作させる、ことを特徴とした電子機器である。このように、駆動力源を駆動制御している間のみ燃料電池を動作させることによって、駆動力源が駆動制御されていない間の燃料消費をなくすことができ、それによって、燃料電池を搭載した電子機器における燃料消費量をさらに低減させることができる。
本発明の第3の態様は、燃料電池と、前記燃料電池を電源とする駆動力源を有する駆動手段と、該駆動手段を制御する制御装置と、接続ケーブルを介してホスト装置と前記制御装置との通信インタフェースを実現するとともに、前記接続ケーブルを介して前記ホスト装置から定電圧電力が供給される接続インタフェースと、該接続インタフェースを介して前記ホスト装置から供給される定電圧電力を前記制御装置へ供給する第1の電力供給路と、前記燃料電池の出力電圧を前記制御装置の動作電圧に変換して前記制御装置へ供給する第2の電力供給路と、前記第1の電力供給路と前記第2の電力供給路とを所定の条件に基づいて切り換える電力供給路切換手段とを備えた電子機器である。
前述したように、電子機器の電源の切り忘れ等によって電子機器が電源ON状態のまま停止している状態が一定時間以上継続すると、駆動力源及び制御装置の電源をともに燃料電池とした電子機器の場合、電子機器を使用していない状態で燃料電池の燃料が少しずつ消費され、この状態が長時間継続すると、やがて燃料が無くなってしまうことになる。リチウムイオン電池等の場合は、充電器と商用コンセントから交流電力を受電できる環境とがあれば、いつでも電池に充電することができるが、燃料電池の場合は、燃料が気軽にどこでも入手可能なものではないため、電子機器の電源の切り忘れ等によって燃料電池の燃料を使い切ってしまうと、その後の電子機器の使用ができなくなってしまう虞がある。
そこで、接続インタフェースを介してホスト装置から供給される定電圧電力を制御装置へ供給する第1の電力供給路と、燃料電池の出力電圧を制御装置の動作電圧に変換して制御装置へ供給する第2の電力供給路とを設け、第1の電力供給路と第2の電力供給路とを所定の条件に基づいて切り換える。このように、制御装置への電源供給路をホスト装置からの電力供給と燃料電池からの電力供給と切り換えて電子機器を動作させることによって、燃料電池の燃料を節約することができる。したがって、燃料電池を電源とした電子機器において、電子機器を大型化することなく燃料電池による動作可能時間をより長くすることができるという作用効果が得られる。
本発明の第4の態様は、前述した第3の態様において、電力供給路切換手段は、前記ホスト装置から定電圧電力が供給されている間は、前記制御装置への電力供給路を前記第1の電力供給路に設定し、前記ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で前記制御装置への電力供給路を前記第2の電力供給路に切り換える、ことを特徴とした電子機器である。
このように、ホスト装置から定電圧電力が供給されている間は、ホスト装置からの電力供給で制御装置を動作させ、ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で、燃料電池からの電力供給で制御装置を動作させる。つまり、ホスト装置が接続インタフェースを介して電子機器に接続されている間は、常にホスト装置からの電力供給で制御装置を動作させるようにする。それによって、燃料電池の燃料消費量を効果的に節約することができる。
このように、ホスト装置から定電圧電力が供給されている間は、ホスト装置からの電力供給で制御装置を動作させ、ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で、燃料電池からの電力供給で制御装置を動作させる。つまり、ホスト装置が接続インタフェースを介して電子機器に接続されている間は、常にホスト装置からの電力供給で制御装置を動作させるようにする。それによって、燃料電池の燃料消費量を効果的に節約することができる。
本発明の第5の態様は、前述した第3の態様において、前記制御装置は、動作モードを所定の条件に基づいて、前記燃料電池の消費電力が定格消費電力となる通常モードと、前記燃料電池の消費電力を低下させた省電力状態となる待機モードとのいずれかに設定する手段を有し、前記電力供給路切換手段は、動作モードが通常モードである間は、前記制御装置への電力供給路を前記第2の電力供給路に設定し、動作モードが待機モードである間は、前記制御装置への電力供給路を前記第1の電力供給路に設定する、ことを特徴とした電子機器である。
動作モードを所定の条件に基づいて、消費電力が定格消費電力となる通常モードと、消費電力を低下させた省電力状態となる待機モードとのいずれかに設定する手段を有する電子機器において動作モードが待機モードである間は、ホスト装置から供給される電力で制御装置を動作させるようにしても良い。それによって、燃料電池の燃料消費量を効果的に節約することができる。特にインクジェットプリンタ等の記録装置のように通常モードでの動作時間と比較して待機モードでの動作時間が圧倒的に長い電子機器においてより大きな燃料節約効果が得られる。
動作モードを所定の条件に基づいて、消費電力が定格消費電力となる通常モードと、消費電力を低下させた省電力状態となる待機モードとのいずれかに設定する手段を有する電子機器において動作モードが待機モードである間は、ホスト装置から供給される電力で制御装置を動作させるようにしても良い。それによって、燃料電池の燃料消費量を効果的に節約することができる。特にインクジェットプリンタ等の記録装置のように通常モードでの動作時間と比較して待機モードでの動作時間が圧倒的に長い電子機器においてより大きな燃料節約効果が得られる。
本発明の第6の態様は、前述した第5の態様において、前記電力供給路切換手段は、動作モードが待機モードである間、前記燃料電池の発電を停止させる、ことを特徴とした電子機器である。
このように、駆動力源が停止しており、制御装置がホスト装置から供給される電力で動作している待機モードである間は、駆動力源及び制御装置のいずれにも燃料電池からの電力供給がされていない状態なので、燃料電池の発電を停止させることによって、さらに燃料電池の燃料消費量を節約することができる。
このように、駆動力源が停止しており、制御装置がホスト装置から供給される電力で動作している待機モードである間は、駆動力源及び制御装置のいずれにも燃料電池からの電力供給がされていない状態なので、燃料電池の発電を停止させることによって、さらに燃料電池の燃料消費量を節約することができる。
本発明の第7の態様は、前述した第5の態様又は第6の態様において、前記電力供給路切換手段は、動作モードが待機モードである間、前記ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で前記制御装置への電力供給路を前記第2の電力供給路に切り換える、ことを特徴とした電子機器である。
このように、動作モードが待機モードである間、ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で、制御装置への電力供給路を切り換えて燃料電池から制御装置へ電力供給されるようにする。それによって、電子機器が待機モードで動作している間、ホスト装置の電源がOFFされた場合やホスト装置と電子機器とを接続している接続ケーブルが抜かれた場合でも制御装置の動作を継続することができる。
このように、動作モードが待機モードである間、ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で、制御装置への電力供給路を切り換えて燃料電池から制御装置へ電力供給されるようにする。それによって、電子機器が待機モードで動作している間、ホスト装置の電源がOFFされた場合やホスト装置と電子機器とを接続している接続ケーブルが抜かれた場合でも制御装置の動作を継続することができる。
本発明の第8の態様は、前述した第7の態様において、前記制御装置は、動作モードが待機モードである間、前記制御装置への電力供給路を前記第2の電力供給路に設定している時間が一定時間以上継続した時点で電源OFF制御を実行する、ことを特徴とした電子機器である。
このように、動作モードが待機モードである間、ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で、制御装置への電力供給路を切り換えて燃料電池から制御装置へ電力供給されるようにした後、その状態が一定時間以上継続した時点で電子機器の電源をOFFする。それによって、待機モードのまま燃料電池の燃料が長時間にわたり消費され続けることによる燃料の浪費を防止することができる。
このように、動作モードが待機モードである間、ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で、制御装置への電力供給路を切り換えて燃料電池から制御装置へ電力供給されるようにした後、その状態が一定時間以上継続した時点で電子機器の電源をOFFする。それによって、待機モードのまま燃料電池の燃料が長時間にわたり消費され続けることによる燃料の浪費を防止することができる。
本発明の第9の態様は、前述した第1の態様〜第8の態様のいずれかにおいて、前記駆動手段は、前記記録ヘッドを主走査方向へ往復動させる主走査駆動手段と、前記被記録材を副走査方向へ所定の搬送量にて搬送する副走査駆動手段とを有し、前記制御装置は、前記記録ヘッド、前記主走査駆動手段、及び副走査駆動手段を制御して被記録材への記録を実行する構成を有している、ことを特徴とした電子機器である。
本発明の第9の態様に示した電子機器によれば、燃料電池及び記録紙へ記録する手段を備えたインクジェットプリンタやファクシミリ等の記録装置、或いは、記録紙へ記録する手段に加えてスキャナやコピー機能等を備えたデジタル複合機等の電子機器において、前述した第1の態様〜第8の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
本発明の第9の態様に示した電子機器によれば、燃料電池及び記録紙へ記録する手段を備えたインクジェットプリンタやファクシミリ等の記録装置、或いは、記録紙へ記録する手段に加えてスキャナやコピー機能等を備えたデジタル複合機等の電子機器において、前述した第1の態様〜第8の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
本発明の第10の態様は、前述した第9の態様において、前記記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、前記燃料電池に供給される燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されたインクカートリッジが着脱可能に配設されている、ことを特徴とした電子機器である。
このように、電子機器に着脱可能に配設されるインクカートリッジは、記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、燃料電池の燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されているので、インクカートリッジとは別体の燃料収容部を装着する構成とすることによって生じる無駄なスペースや機構を省略することができる。それによって、電子機器を大型化することなく電子機器に搭載可能な燃料の量を多くすることが可能になり、それによって、電子機器を大型化することなく燃料電池による動作時間をより長くすることができるという作用効果が得られる。
また、電子機器に着脱可能に配設されるインクカートリッジは、記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、燃料電池の燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されているので、インクカートリッジを電子機器に装着すると、インク収容部から記録ヘッドへインクが供給されるとともに、燃料収容部から燃料電池へ燃料が供給される。つまり、商用コンセントから交流電力を受電することができない屋外等の環境において、インクカートリッジを装着するだけで動作する電子機器が可能になる。したがって、電池交換や充電といったメンテナンスが不要になり、予備のインクカートリッジ以外に予備の電池や充電器等を持ち歩く必要もなくなるとともに、バッテリ切れの心配もなくなるという作用効果が得られる。
さらに、従来のリチウムイオンバッテリ等の重量のある外付け電池を電子機器に装着する必要がなくなるので、従来よりも電子機器を軽量化することができるという作用効果が得られる。そして、燃料の無駄な消費が低減されるので、記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、燃料電池の燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されているインクカートリッジにおいて、インク収容部にインクが充分残っているにも関わらず、燃料収容部の燃料が空になってしまってインクカートリッジを新品に交換しなければならないといった無駄が生じる虞を低減させることができる。
また、電子機器に着脱可能に配設されるインクカートリッジは、記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、燃料電池の燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されているので、インクカートリッジを電子機器に装着すると、インク収容部から記録ヘッドへインクが供給されるとともに、燃料収容部から燃料電池へ燃料が供給される。つまり、商用コンセントから交流電力を受電することができない屋外等の環境において、インクカートリッジを装着するだけで動作する電子機器が可能になる。したがって、電池交換や充電といったメンテナンスが不要になり、予備のインクカートリッジ以外に予備の電池や充電器等を持ち歩く必要もなくなるとともに、バッテリ切れの心配もなくなるという作用効果が得られる。
さらに、従来のリチウムイオンバッテリ等の重量のある外付け電池を電子機器に装着する必要がなくなるので、従来よりも電子機器を軽量化することができるという作用効果が得られる。そして、燃料の無駄な消費が低減されるので、記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、燃料電池の燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されているインクカートリッジにおいて、インク収容部にインクが充分残っているにも関わらず、燃料収容部の燃料が空になってしまってインクカートリッジを新品に交換しなければならないといった無駄が生じる虞を低減させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る「電子機器」の一例としてのインクジェット式記録装置(インクジェットプリンタ)の概略構成について説明する。
まず、本発明に係る「電子機器」の一例としてのインクジェット式記録装置(インクジェットプリンタ)の概略構成について説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、図2はその側面図である。
インクジェット式記録装置50には、記録紙Pにインクを噴射して記録を行う記録ヘッド62を記録紙Pに対して主走査方向Xに走査させる「主走査駆動手段」として、キャリッジガイド軸51に軸支され、主走査方向Xに移動するキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、記録ヘッド62と、記録ヘッド62から噴射する各色のインクが充填されたインクカートリッジ611とが搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。また、インクジェット式記録装置50には、記録ヘッド62を記録紙Pに対して副走査方向Yに走査させる「副走査駆動手段」として、記録紙Pを副走査方向Yに搬送する搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。
インクジェット式記録装置50には、記録紙Pにインクを噴射して記録を行う記録ヘッド62を記録紙Pに対して主走査方向Xに走査させる「主走査駆動手段」として、キャリッジガイド軸51に軸支され、主走査方向Xに移動するキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、記録ヘッド62と、記録ヘッド62から噴射する各色のインクが充填されたインクカートリッジ611とが搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。また、インクジェット式記録装置50には、記録ヘッド62を記録紙Pに対して副走査方向Yに走査させる「副走査駆動手段」として、記録紙Pを副走査方向Yに搬送する搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。
搬送駆動ローラ53は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、搬送駆動ローラ53の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数設けられており、それぞれ個々に搬送駆動ローラ53に付勢され、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙Pに接しながら記録紙Pの搬送に従動して回転する。搬送駆動ローラ53の表面には、高摩擦抵抗を有する皮膜が施されている。搬送従動ローラ54によって、搬送駆動ローラ53の表面に押しつけられた記録紙Pは、その表面の摩擦抵抗によって搬送駆動ローラ53の表面に密着し、搬送駆動ローラ53の回転によって副走査方向に搬送される。キャリッジ61とプラテン52の間に記録紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド62を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド62から記録紙Pにインクを噴射する動作とを交互に繰り返すことによって記録紙Pに記録が行われる。
搬送駆動ローラ53の副走査方向Yの上流側には、給紙トレイ57が配設されている。給紙トレイ57は、例えば普通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙可能な構成となっており、記録紙Pを自動給紙する給紙手段としてのASF(オート・シート・フィーダー)が設けられている。ASFは、給紙トレイ57に設けられた2つの給紙ローラ57b及び図示してない分離パッドを有する自動給紙機構である。この2つの給紙ローラ57bの1つは、給紙トレイ57の一方側に配置され、もう1つの給紙ローラ57bは、記録紙ガイド57aに取り付けられており、記録紙ガイド57aは、記録紙Pの幅に合わせて幅方向に摺動可能に給紙トレイ57に設けられている。そして、給紙ローラ57bの回転駆動力と、分離パッドの摩擦抵抗により、給紙トレイ57に置かれた複数の記録紙Pを給紙する際に、複数の記録紙Pが一度に給紙されることなく1枚ずつ正確に自動給紙される。また、給紙ローラ57bと搬送駆動ローラ53との間には、公知の技術による紙検出器63が配設されている。
紙検出器63は、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙搬送方向にのみ回動し得るよう記録紙Pの搬送経路内に突出する状態で枢支されたレバーを有し、このレバーの先端が記録紙Pに押されることでレバーが回動し、それによって記録紙Pが検出される構成を成す検出器である。紙検出器63は、給紙ローラ57bより給紙された記録紙Pの始端位置、及び終端位置を検出し、その検出位置に合わせて記録領域が決定され、記録が実行される。
一方、記録実行後の記録紙Pを排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56とが設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転により、記録実行後の記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それぞれ個々に排紙駆動ローラ55に付勢され、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に従動して回転する。そして、給紙ローラ57bや搬送駆動ローラ53、及び排紙駆動ローラ55を回転駆動する図示していない搬送駆動用モータ、並びにキャリッジ61を主走査方向に駆動する図示していないキャリッジ駆動用モータは、「制御装置」としての記録制御部100により駆動制御される。また、記録ヘッド62も同様に、記録制御部100により駆動制御されて記録紙Pの表面にインクを噴射する。
記録ヘッド62には、インクジェット式記録装置50に着脱可能に配設されたインクカートリッジ70からインクが供給される。また、インクジェット式記録装置50は、燃料電池80を電源装置として備えており、燃料電池80の燃料は、インクカートリッジ70から供給される。
記録ヘッド62には、インクジェット式記録装置50に着脱可能に配設されたインクカートリッジ70からインクが供給される。また、インクジェット式記録装置50は、燃料電池80を電源装置として備えており、燃料電池80の燃料は、インクカートリッジ70から供給される。
図3は、本発明に係るインクジェット記録装置50の概略のブロック図である。
記録制御部100は、システムバスSBを備えており、システムバスSBには、ROM21、RAM22、「ホスト装置」としての情報処理装置200との「接続インタフェース」としてのUSBコントローラ23、メモリカードインタフェース24、MPU(マイクロプロセッサ)26、I/O27、及びヘッドドライバ28がデータ転送可能に接続されている。MPU26では各種処理の演算処理が行われる。ROM21には、MPU26の演算処理に必要なソフトウェア・プログラム及びデータがあらかじめ記憶されている。RAM22は、ソフトウェア・プログラムの一時的な記憶領域、MPU26の作業領域等として使用される。各種モータ制御部31は、インクジェット式記録装置50の各種モータを駆動制御する駆動制御回路である。
記録制御部100は、システムバスSBを備えており、システムバスSBには、ROM21、RAM22、「ホスト装置」としての情報処理装置200との「接続インタフェース」としてのUSBコントローラ23、メモリカードインタフェース24、MPU(マイクロプロセッサ)26、I/O27、及びヘッドドライバ28がデータ転送可能に接続されている。MPU26では各種処理の演算処理が行われる。ROM21には、MPU26の演算処理に必要なソフトウェア・プログラム及びデータがあらかじめ記憶されている。RAM22は、ソフトウェア・プログラムの一時的な記憶領域、MPU26の作業領域等として使用される。各種モータ制御部31は、インクジェット式記録装置50の各種モータを駆動制御する駆動制御回路である。
各種センサー32は、インクジェット記録装置50の各種状態情報を検出してI/O27に出力する。I/O27は、MPU26における演算処理結果に基づいて、各種モータ制御部31に対して出力制御を行い、かつ各種センサー32からの入力情報等を入力する。USBコントローラ23は、USBホストコントローラを搭載した「ホスト装置」としての情報処理装置200として、パーソナルコンピュータ等のUSBホスト装置が接続されると、インクジェット式記録装置50をUSBデバイスとして機能させる。記録実行時に画像データは、情報処理装置200においてRGBデータからYMCデータに色変換された後、2値化処理が行われて2値化されたYMCデータに変換されて記録データが生成される。
生成された記録データは、インクジェット式記録装置50を制御するための制御データとともに記録制御データとして情報処理装置200からインクジェット式記録装置50へ送信される。情報処理装置200から送信された記録制御データは、USBコントローラ23が受信した後、RAM22へ格納される。RAM22へ格納された記録制御データは、MPU26にて実行されるプログラム処理によって、コマンド解析、及びデータ圧縮された記録データを展開する処理等が実行されて、制御データと記録データとに分離される。制御データは、MPU26へ転送され、展開された記録データは、「ヘッド駆動手段」としてのヘッドドライバ28へ転送される。
図4は、インクジェット式記録装置50における記録ヘッド62へのインク供給経路、燃料電池80への燃料供給経路、及び電源系統の第1実施例を示した模式図である。
インクカートリッジ70は、「インク収容部」としてのイエローインク収容部7Y、マゼンダインク収容部7M、シアンインク収容部7C、及びブラックインク収容部7Kを有している。イエローインク収容部7Yに充填されているイエローインクはインクチューブYCを経由して、マゼンダインク収容部7Mに充填されているマゼンダインクはインクチューブMCを経由して、シアンインク収容部7Cに充填されているシアンインクはインクチューブCCを経由して、ブラックインク収容部7Kに充填されているブラックインクはインクチューブKCを経由して、それぞれ記録ヘッド62へ供給される。
インクカートリッジ70は、「インク収容部」としてのイエローインク収容部7Y、マゼンダインク収容部7M、シアンインク収容部7C、及びブラックインク収容部7Kを有している。イエローインク収容部7Yに充填されているイエローインクはインクチューブYCを経由して、マゼンダインク収容部7Mに充填されているマゼンダインクはインクチューブMCを経由して、シアンインク収容部7Cに充填されているシアンインクはインクチューブCCを経由して、ブラックインク収容部7Kに充填されているブラックインクはインクチューブKCを経由して、それぞれ記録ヘッド62へ供給される。
また、インクカートリッジ70は、燃料電池80の燃料となるメタノール水溶液が充填された燃料収容部71と、燃料電池80へ供給されたメタノール水溶液を「廃燃料」として回収する廃燃料回収部72とを有している。燃料電池80は、高分子膜の電解質を用いたダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)であり、メタノールを水素に改質せずに直接セルCLに供給して反応させる燃料電池である。セルCLは、高分子膜の電解質8E、及び燃料極(アノード8A)と空気極(カソード8K)との2枚の電極から構成される燃料電池80の最小単位のユニットである。燃料極(アノード8A)では、メタノールが水と反応して酸化され、CO2、H+、電子が生成される。H+は、電解質8Eを通って空気極(カソード8K)に到達する。空気極(カソード8K)では、空気中のO2(酸素)がH+、電子と結合して還元されて水が生成される。その過程でアノード8A及びアノード8Kに接続された回路に電子が流れて電流が取り出される。
このように、インクジェット記録装置50に着脱可能に配設されるインクカートリッジ70は、記録ヘッド62から噴射するインクが充填されたイエローインク収容部7Y、マゼンダインク収容部7M、シアンインク収容部7C、及びブラックインク収容部7Kと、燃料電池80の燃料(メタノール水溶液)が充填された燃料収容部71及び廃燃料が回収される廃燃料回収部72とが一体に形成されている。それによって、インクカートリッジ70とは別体の燃料タンク等を装着する構成とすることによって生じる無駄なスペースや機構を省略することができるので、インクジェット式記録装置50を大型化することなくインクジェット式記録装置50に搭載可能な燃料(メタノール水溶液)の量を多くすることが可能になる。したがって、インクジェット式記録装置50を大型化することなく燃料電池80による動作時間をより長くすることができる。
また、インクカートリッジ70をインクジェット式記録装置50に装着すると、イエローインク収容部7Y、マゼンダインク収容部7M、シアンインク収容部7C、及びブラックインク収容部7Kから記録ヘッド62へ各インクが供給されるとともに、燃料収容部71から燃料電池80へメタノール水溶液が供給される。つまり、商用コンセントから交流電力を受電することができない屋外等の環境において、インクジェット式記録装置50にインクカートリッジ70を装着するだけで動作させることが可能になる。したがって、電池交換や充電といったメンテナンスが不要になり、予備のインクカートリッジ70以外に予備の電池や充電器等を持ち歩く必要もなくなるとともに、バッテリ切れの心配もなくなる。
さらに、従来のリチウムイオンバッテリ等の重量のある外付け電池をインクジェット式記録装置50に装着する必要がなくなるので、従来よりもインクジェット式記録装置50を軽量化することができる。さらに、近年は、使用済みのインクカートリッジ70を環境への配慮からメーカ等が回収して再利用可能なシステムが整備されており、このように、燃料電池80の廃燃料が回収される廃燃料収容部72をインクカートリッジ70に設けることによって、廃燃料を使用済みのインクカートリッジ70とともに回収することが可能になり、廃燃料の回収及び再利用が促進される。
インクジェット式記録装置50は、記録ヘッド62のヘッド面に多数配設されているノズル(図示せず)の詰まりを防止するために定期的に記録ヘッド62のヘッド面を吸引する手段として、記録ヘッド62からインクを噴射しないときに記録ヘッド62のヘッド面のインクが乾燥してしまうのを防止するために記録ヘッド62のヘッド面を封止する封止部材CAPと、封止部材CAPで封止した状態の記録ヘッド62のヘッド面を吸引するヘッド吸引ポンプPU2とを備えている。ヘッド吸引ポンプPU2は、モータM2を駆動力源として動作し、ヘッド吸引ポンプPU2が動作することによって、ヘッド面吸引路85に吸引力が発生し、封止部材CAPで封止されている状態の記録ヘッド62のヘッド面が吸引される。記録ヘッド62のヘッド面から吸引された廃インクは、ヘッド面吸引路85からヘッド吸引ポンプPU2を介して廃インク吸収材86へ送出され、廃インク吸収材86に吸収させた状態でインクジェット式記録装置50内に貯留されるようになっている。
燃料収容部71のメタノール水溶液は、「燃料供給路」としての燃料供給チューブ81を介して、「燃料給送手段」としての燃料給送ポンプPU1によって燃料電池80へ給送される。燃料電池80へ給送されて燃料極(アノード8A)で化学反応した後の廃燃料は、廃燃料を回収する「燃料回収路」としての燃料回収チューブ82を介して廃燃料回収部72へ回収される。廃燃料は、発電による化学反応によってメタノール濃度が低下したメタノール水溶液である。一方、燃料電池80の空気極(カソード8K)では、空気供給路84から供給される空気の酸素がH+、電子と結合して還元されて水が生成され、生成された水(以下、生成水という)は、生成水を廃インク吸収材86へ回収する「生成水送出路」としての生成水回収チューブ83を介して廃インク吸収材86へ送出され、廃インク吸収材86に吸収されて回収されるようになっている。廃インク吸収材86に吸収された水は、廃インクとともに廃インク吸収材86の中に貯留された状態で、やがて気化していくことになるので、燃料電池80の空気極(カソード8K)で生成される生成水を外部に漏らさずに処理することができる。このように、燃料電池80の空気極(カソード8K)で生成される生成水を廃インク吸収材86へ送出することによって、生成水を外部に漏らさずインクジェット式記録装置50内部で処理する手段を低コストで実現することができる。
また、燃料給送ポンプPU1は、「駆動力源」としてのモータM1を駆動力源として動作する。当該実施例においては、モータM1は、前述したキャリッジ62を駆動するキャリッジ駆動用モータ(図示せず)であり、キャリッジ62の駆動力源と燃料給送ポンプPU1の駆動力源とを兼ねているが、前述した搬送駆動用モータ(図示せず)と兼用とする構成であっても良い。このように、燃料給送ポンプPU1の駆動力源をキャリッジ駆動用モータ又は搬送駆動用モータ等の駆動力源と兼用にすることによって、インクジェット式記録装置50のコストを低減させることができる。尚、当該実施例においては、燃料給送ポンプPU1は、燃料回収チューブ82に配設されているが、燃料供給チューブ81に配設しても良く、上述した燃料流路を構成できればどこに配設しても構わない。
つづいて、インクジェット式記録装置50の電源系統について、引き続き図4を参照しながら説明する。
インクジェット式記録装置50は、接続ケーブルCBを介して「ホスト装置」としての情報処理装置200と記録制御部100のUSBコントローラ23との通信インタフェースを実現するとともに、接続ケーブルCBを介して情報処理装置200から定電圧電力が供給される「接続インタフェース」としてのUSBインタフェース部32を備えている。USBインタフェース部32は、接続ケーブルCBが接続されるUSBコネクタを有しており、2本の信号線(D+、D−)は、USBコントローラ23へ接続され、2本の電源線(VBUS、GND)は、「電力供給路切換手段」としての制御系電源切換回路31へ接続されている。2本の電源線(VBUS、GND)を介して情報処理装置200から供給される定電圧電力(5V)は、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」として制御系電源切換回路31へ供給される。
インクジェット式記録装置50は、接続ケーブルCBを介して「ホスト装置」としての情報処理装置200と記録制御部100のUSBコントローラ23との通信インタフェースを実現するとともに、接続ケーブルCBを介して情報処理装置200から定電圧電力が供給される「接続インタフェース」としてのUSBインタフェース部32を備えている。USBインタフェース部32は、接続ケーブルCBが接続されるUSBコネクタを有しており、2本の信号線(D+、D−)は、USBコントローラ23へ接続され、2本の電源線(VBUS、GND)は、「電力供給路切換手段」としての制御系電源切換回路31へ接続されている。2本の電源線(VBUS、GND)を介して情報処理装置200から供給される定電圧電力(5V)は、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」として制御系電源切換回路31へ供給される。
一方、燃料電池80から取り出された電力は、前述したキャリッジ駆動用モータ及び搬送駆動用モータ等の「駆動力源」を有する「主走査駆動手段」及び「副走査駆動手段」に「駆動系電源」として供給されるとともに、記録制御部100にも供給され、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」としても利用される。記録制御部100に供給された燃料電池80の出力電圧は、DC−DCコンバータ33によって記録制御部100の動作電圧(5V)に変換されて、「電力供給路切換手段」としての制御系電源切換回路31へ供給される。制御系電源切換回路31は、USBインタフェース部32を介して情報処理装置200から供給される定電圧電力(5V)と、燃料電池80からDC−DCコンバータ33を介して供給される定電圧電力(5V)とを所定の条件に基づいて切り換えて、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」として出力する。
制御系電源切換回路31は、情報処理装置200からUSBインタフェース部32へ定電圧電力が供給されている間は、情報処理装置200から供給される定電圧電力を「制御系電源」として出力する(第1の電力供給路)。一方、制御系電源切換回路31は、情報処理装置200からUSBインタフェース部32へ定電圧電力が供給されなくなった時点で、燃料電池80からDC−DCコンバータ33を介して供給される定電圧電力を「制御系電源」として出力する(第2の電力供給路)。このように、情報処理装置200がUSBインタフェース部32を介してインクジェット式記録装置50に接続されている間は、常に情報処理装置200からの電力供給で記録制御部100を動作させるようにする。それによって、燃料電池80の燃料消費量を効果的に節約することができる。
記録制御部100は、所定の条件に基づいて燃料電池80の出力電圧、及び駆動力源への電力供給路等を制御して、インクジェット式記録装置50の動作モードを燃料電池80の消費電力が定格消費電力となる通常モードと、燃料電池80の消費電力を低下させた省電力状態となる待機モードとのいずれかに切り換えてインクジェット式記録装置50の省電力制御を実行する。その際、制御系電源切換回路31は、動作モードが通常モードである間は、燃料電池80からDC−DCコンバータ33を介して供給される定電圧電力を「制御系電源」として出力する(第2の電力供給路)。
一方、制御系電源切換回路31は、動作モードが待機モードである間は、情報処理装置200から供給される定電圧電力を「制御系電源」として出力する(第1の電力供給路)。インクジェット式記録装置50の動作モードが待機モードに移行する条件は、記録紙Pへの記録が実行されない状態が一定時間以上継続した場合等であり、待機モードに以降するとそのまま長時間待機モードが継続する場合があり、通常モードでの動作時間と比較して待機モードでの動作時間が圧倒的に長い場合が多い。そこで、待機モードである間は、情報処理装置200から供給される定電圧電力を「制御系電源」とする。待機モードで動作中は、駆動系(主走査駆動手段、副走査駆動手段、記録ヘッド等)における電力消費がなく、制御系(主に記録制御部100)は、情報処理装置200から供給される定電圧電力で動作するので、待機モードである間の燃料消費を大幅に抑制することができる。
したがって、燃料電池80の燃料消費量を効果的に節約することができ、通常モードでの動作時間と比較して待機モードでの動作時間が圧倒的に長いインクジェット式記録装置50においてより大きな燃料節約効果が得られる。さらに、制御系電源切換回路31は、動作モードが待機モードである間、燃料電池80の発電を停止させる。待機モードである間は、駆動力源(キャリッジ駆動用モータ及び搬送駆動用モータ等)及び記録制御部100のいずれにも燃料電池80からの電力供給がされていない状態なので、燃料電池80の発電を停止させることによって、さらに燃料電池80の燃料消費量を節約することができる。
また、制御系電源切換回路31は、動作モードが待機モードで情報処理装置200から供給される定電圧電力を「制御系電源」として記録制御部100が動作している間において、情報処理装置200からの定電圧電力が供給されなくなった場合には、電力供給路を切り換えて燃料電池80からDC−DCコンバータ33を介して供給される定電圧電力を「制御系電源」として出力し、その後の記録制御部100の動作を維持する。それによって、インクジェット式記録装置50が待機モードで動作している間、情報処理装置200の電源がOFFされた場合や情報処理装置200とインクジェット式記録装置50とを接続している接続ケーブルCBが抜かれた場合でも記録制御部100の動作を継続することができる。そして、記録制御部100は、動作モードが待機モードである間、制御系電源切換回路31から「制御系電源」として燃料電池80からDC−DCコンバータ33を介して供給される定電圧電力が出力されている時間が一定時間以上継続した時点で電源OFF制御を実行する。それによって、待機モードのまま燃料電池80の燃料が長時間にわたり消費され続けることによる燃料の浪費を防止することができる。
このようにして、燃料電池80を電源としたインクジェット式記録装置50において、インクジェット式記録装置50を大型化することなく燃料電池80による動作可能時間をより長くすることができる。
図5は、インクジェット式記録装置50における記録ヘッド62へのインク供給経路、燃料電池80への燃料供給経路、及び電源系統の第2実施例を示した模式図である。
記録ヘッド62へのインク供給経路、燃料電池80への燃料供給経路は、第1実施例と同様なので説明は省略し、当該実施例における電源系統について説明する。インクジェット式記録装置50は、接続ケーブルCBを介して「ホスト装置」としての情報処理装置200と記録制御部100のUSBコントローラ23との通信インタフェースを実現するとともに、接続ケーブルCBを介して情報処理装置200から定電圧電力が供給される「接続インタフェース」としてのUSBインタフェース部32を備えている。USBインタフェース部32は、接続ケーブルCBが接続されるUSBコネクタを有しており、2本の信号線(D+、D−)は、USBコントローラ23へ接続され、2本の電源線(VBUS、GND)を介して情報処理装置200から供給される定電圧電力(5V)は、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」として記録制御部100へ供給される。一方、燃料電池80から取り出された電力は、前述したキャリッジ駆動用モータ及び搬送駆動用モータ等の「駆動力源」を有する「主走査駆動手段」及び「副走査駆動手段」を含む駆動系装置110に「駆動系電源」として供給される。
記録ヘッド62へのインク供給経路、燃料電池80への燃料供給経路は、第1実施例と同様なので説明は省略し、当該実施例における電源系統について説明する。インクジェット式記録装置50は、接続ケーブルCBを介して「ホスト装置」としての情報処理装置200と記録制御部100のUSBコントローラ23との通信インタフェースを実現するとともに、接続ケーブルCBを介して情報処理装置200から定電圧電力が供給される「接続インタフェース」としてのUSBインタフェース部32を備えている。USBインタフェース部32は、接続ケーブルCBが接続されるUSBコネクタを有しており、2本の信号線(D+、D−)は、USBコントローラ23へ接続され、2本の電源線(VBUS、GND)を介して情報処理装置200から供給される定電圧電力(5V)は、主に記録制御部100を動作させるための「制御系電源」として記録制御部100へ供給される。一方、燃料電池80から取り出された電力は、前述したキャリッジ駆動用モータ及び搬送駆動用モータ等の「駆動力源」を有する「主走査駆動手段」及び「副走査駆動手段」を含む駆動系装置110に「駆動系電源」として供給される。
このように、燃料電池80から電力供給するのは駆動力源を有する駆動系装置110のみとし、駆動系装置110を制御する記録制御部100へは、USBインタフェース部32を介してインクジェット式記録装置50に接続された情報処理装置200からの定電圧電力を「制御系電源」として供給する構成とする。記録制御部100は、第1実施例と同様に、所定の条件に基づいて燃料電池80の出力電圧、及び駆動力源への電力供給路等を制御して、インクジェット式記録装置50の動作モードを燃料電池80の消費電力が定格消費電力となる通常モードと、燃料電池80の消費電力を低下させた省電力状態となる待機モードとのいずれかに切り換えてインクジェット式記録装置50の省電力制御を実行する。待機モードである間は、駆動系装置110は停止しているので、燃料電池80からの電力供給がほとんどされることはなく燃料収容部71の燃料(メタノール水溶液)はほとんど消費されない。
また、待機モードである間も動作している記録制御部100への電力は、燃料電池80からではなく情報処理装置200からUSBインタフェース部32を介して供給されるので、記録制御部100の動作によって燃料収容部71の燃料(メタノール水溶液)が消費されることもない。したがって、インクジェット式記録装置50が電源ON状態で停止している状態が長時間継続しても燃料電池80の燃料がほとんど消費されないようにすることができる。また、インクジェット式記録装置50が動作している状態においても記録制御部100は、情報処理装置200から供給される定電圧電力で動作するので、インクジェット式記録装置50が動作している状態における燃料電池80の燃料消費量を低減させることができる。
また、当該実施例において燃料電池80は、記録制御部100は、によって起動及び停止制御される。
また、当該実施例において燃料電池80は、記録制御部100は、によって起動及び停止制御される。
図6は、第2実施例における燃料電池80の制御手順を示したフローチャートである。
当該手順は、インクジェット式記録装置50の電源がONである間、定周期で繰り返し実行される手順である。まず、インクジェット式記録装置50の操作パネル(図示せず)をユーザが操作したか否かを判定する(ステップS1)。操作パネルが操作されていない場合には(ステップS1でNo)、つづいて、情報処理装置200からUSBインタフェース部32を介して記録データを受信したか否かを判定する(ステップS2)。記録データを受信していない場合には、ステップS1へ戻る。
当該手順は、インクジェット式記録装置50の電源がONである間、定周期で繰り返し実行される手順である。まず、インクジェット式記録装置50の操作パネル(図示せず)をユーザが操作したか否かを判定する(ステップS1)。操作パネルが操作されていない場合には(ステップS1でNo)、つづいて、情報処理装置200からUSBインタフェース部32を介して記録データを受信したか否かを判定する(ステップS2)。記録データを受信していない場合には、ステップS1へ戻る。
一方、記録データを受信した場合(ステップS2でYes)、或いは操作パネルの操作があった場合には(ステップS1でYes)、燃料電池80を起動して燃料電池80の出力電圧で記録ヘッド62やキャリッジ駆動用モータ及び搬送駆動用モータ等のモータを駆動可能な状態にする(ステップS3)。つづいて、記録ヘッド62又はモータ(キャリッジ駆動用モータ及び搬送駆動用モータ等)を駆動中か否かを判定する(ステップS4)。記録ヘッド62又はモータを駆動中である場合には(ステップS4でYes)、繰り返し記録ヘッド62又はモータを駆動中か否かの判定を繰り返し実行し、記録ヘッド62又はモータを駆動中でない場合には(ステップS4でNo)、燃料電池を停止して省電力化を図る(ステップS5)。このように、駆動力源を動作させるときに燃料電池80を起動し、駆動力源の動作終了後に燃料電池80を停止させて、駆動力源を駆動制御している間のみ燃料電池80を動作させることによって、駆動力源が駆動制御されていない間の燃料消費をなくすことができ、それによって、インクジェット式記録装置50が動作している状態における燃料電池80の燃料消費量をさらに低減させることができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
21 ROM、22 RAM、23 USBコントローラ、24 メモリカードインタフェース、25 メモリカードスロット、26 MPU、27 I/O、28 ヘッドドライバ、31 制御系電源切換回路、32 USBインタフェース部、50 インクジェット式記録装置、51 キャリッジガイド軸、52 プラテン、53 搬送駆動ローラ、54 搬送従動ローラ、55 排紙駆動ローラ、56 排紙従動ローラ、57 給紙トレイ、57b 給紙ローラ、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 紙検出器、70 インクカートリッジ、71 燃料収容部、72 廃燃料回収部、80 燃料電池、81 燃料供給チューブ、82 燃料回収チューブ、83 生成水回収チューブ、84 空気供給路、85 ヘッド面吸引路、86 廃インク吸収材、8A アノード(燃料極)、8E 電解質、8K カソード(空気極)、100 記録制御部、200 情報処理装置、M1、M2 モータ、P 記録紙、PU1 燃料給送ポンプ、PU2 ヘッド吸引ポンプ、SB システムバス、X 主走査方向、Y 副走査方向
Claims (10)
- 燃料電池と、前記燃料電池を電源とする駆動力源を有する駆動手段と、該駆動手段を制御する制御装置と、
接続ケーブルを介してホスト装置と前記制御装置との通信インタフェースを実現するとともに、前記接続ケーブルを介して前記ホスト装置から定電圧電力が供給される接続インタフェースとを備え、
前記制御装置は、前記接続インタフェースを介して前記ホスト装置から供給される定電圧電力で動作する、ことを特徴とした電子機器。 - 請求項1において、前記燃料電池は、前記制御装置によって起動及び停止制御され、前記制御装置は、前記駆動力源を駆動制御している間のみ前記燃料電池を動作させる、ことを特徴とした電子機器。
- 燃料電池と、前記燃料電池を電源とする駆動力源を有する駆動手段と、該駆動手段を制御する制御装置と、
接続ケーブルを介してホスト装置と前記制御装置との通信インタフェースを実現するとともに、前記接続ケーブルを介して前記ホスト装置から定電圧電力が供給される接続インタフェースと、
該接続インタフェースを介して前記ホスト装置から供給される定電圧電力を前記制御装置へ供給する第1の電力供給路と、
前記燃料電池の出力電圧を前記制御装置の動作電圧に変換して前記制御装置へ供給する第2の電力供給路と、
前記第1の電力供給路と前記第2の電力供給路とを所定の条件に基づいて切り換える電力供給路切換手段とを備えた電子機器。 - 請求項3において、電力供給路切換手段は、前記ホスト装置から定電圧電力が供給されている間は、前記制御装置への電力供給路を前記第1の電力供給路に設定し、前記ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で前記制御装置への電力供給路を前記第2の電力供給路に切り換える、ことを特徴とした電子機器。
- 請求項3において、前記制御装置は、動作モードを所定の条件に基づいて、前記燃料電池の消費電力が定格消費電力となる通常モードと、前記燃料電池の消費電力を低下させた省電力状態となる待機モードとのいずれかに設定する手段を有し、
前記電力供給路切換手段は、動作モードが通常モードである間は、前記制御装置への電力供給路を前記第2の電力供給路に設定し、動作モードが待機モードである間は、前記制御装置への電力供給路を前記第1の電力供給路に設定する、ことを特徴とした電子機器。 - 請求項5において、前記電力供給路切換手段は、動作モードが待機モードである間、前記ホスト装置からの定電圧電力が供給されなくなった時点で前記制御装置への電力供給路を前記第2の電力供給路に切り換える、ことを特徴とした電子機器。
- 請求項5又は6において、前記電力供給路切換手段は、動作モードが待機モードである間、前記燃料電池の発電を停止させる、ことを特徴とした電子機器。
- 請求項7において、前記制御装置は、動作モードが待機モードである間、前記制御装置への電力供給路を前記第2の電力供給路に設定している時間が一定時間以上継続した時点で電源OFF制御を実行する、ことを特徴とした電子機器。
- 請求項1〜8のいずれか1項において、前記駆動手段は、前記記録ヘッドを主走査方向へ往復動させる主走査駆動手段と、前記被記録材を副走査方向へ所定の搬送量にて搬送する副走査駆動手段とを有し、前記制御装置は、前記記録ヘッド、前記主走査駆動手段、及び副走査駆動手段を制御して被記録材への記録を実行する構成を有している、ことを特徴とした電子機器。
- 請求項9において、前記記録ヘッドから噴射するインクが充填されたインク収容部と、前記燃料電池に供給される燃料が充填された燃料収容部とが一体に形成されたインクカートリッジが着脱可能に配設されている、ことを特徴とした電子機器。
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