JP2005260787A - 移相器 - Google Patents

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崇浩 大中道
Atsushi Tomizawa
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Abstract

【課題】 特性ばらつきを補償して正確な位相差を有する信号を出力することが可能な移相器を提供する。
【解決手段】 可変型45度移相回路10に信号LOが入力されて互いに45°の位相差を有する信号LO1,LO2が出力される。90度移相回路11は可変型45度移相回路10と同一の構成の可変型45度移相回路20,21を含み、信号LO1,LO2を受けて、互いに90°の位相差を有する信号LO3,LO4を出力する。位相差分回路12からは信号LO3,LO4の位相差と90°とのずれを可変型45度移相回路10,20,21に帰還する信号CTRLが出力される。可変型45度移相回路10,20,21は信号CTRLを受けて回路の特性値を変化させることで、位相のずれを0°にして移相角を45°に調整する。
【選択図】 図2

Description

本発明は高周波信号の受信装置に用いられる移相器に関し、より特定的には、動的に移相角度を調整可能な移相器に関するものである。
携帯電話機の普及や無線LANの実用化に伴い、これらに用いられる電子機器の高性能化、小型化、低コスト化を実現できる高周波半導体装置が脚光を浴びている。高周波半導体装置を実現する材料としては、従来、高い電子移動度を持つGaAsなどのIII−V族化合物半導体が主に用いられている。
近年、シリコン半導体に形成されるMOSトランジスタの微細化が進み、0.2μm以下の微細なゲート長を持つMOSトランジスタが形成可能となっている。MOSトランジスタが微細化され、そのトランスコンダクタンスGmが向上することで高周波信号に対する応答特性が向上し、ギガヘルツ帯の高周波信号にも利用されるようになっている。
シリコン半導体のCMOS製造プロセス技術を用いて高周波信号に対応可能な素子が作製可能になると化合物半導体を用いた場合よりも低コストになる。また、CMOSプロセス技術によって、高周波デバイスがベースバンド信号受信回路などのロジック回路部とともにシリコン半導体基板上に集積化されることも期待される。よって、コスト低減および回路面積縮小のため、シリコン半導体で形成可能な高周波デバイスの重要性が高まっている。
高周波信号の送受信に用いられる高周波フロントエンド回路をシリコン半導体のCMOSプロセス技術によって低コスト化あるいは高集積化できるよう、高周波信号の送受信技術自体についても検討が進められている。
高周波信号の受信方式としては、従来からスーパーヘテロダイン方式が用いられている。スーパーヘテロダイン方式とは、周波数変換回路であるミクサによって、高周波信号を中間周波数(IF周波数)と呼ばれる低い周波数に一旦変換し、IF周波数の信号を受けて動作するIF回路を介してベースバンド信号を生成する手法である。
スーパーヘテロダイン方式では、ベースバンド信号の生成のためミクサに高周波信号と局部発信信号(ローカル信号)が入力されると、高周波信号の周波数とローカル信号の周波数の和と差に一致するIF周波数を有する2つの高周波信号がミクサから出力される。一方の信号はベースバンド信号に利用される信号(所望波)となり、もう一方の信号はベースバンド信号に利用されない不要波(イメージ信号)となる。スーパーヘテロダイン方式ではイメージ信号が後段のベースバンド処理回路に入力されないように、ミクサの出力に特定の周波数の信号のみを通過させる狭帯域フィルタ(SAWフィルタ)が接続される。
しかし、SAWフィルタはCMOSプロセスによって形成することが困難な素子である。よって、フィルタと、その他の受信回路をCMOSプロセスにより集積化されたチップがプリント基板に実装されたモジュールが、高周波信号装置として一般的に用いられる。
ただし、モジュールに実装する部品が多くなると、モジュールの実装面積の増大やコストの増大が生じる。CMOSプロセスを用いた高集積化技術によるコスト低減の効果を最大限に発揮するためには、このような外付けの部品を可能な限り削減していくことが必要である。
外付け部品を削減可能な高周波信号の受信技術として、ダイレクトコンバージョン方式が最近では特に注目されている。ダイレクトコンバージョン方式とは、ローカル信号を高周波信号と同一の周波数の信号とすることで、スーパーヘテロダイン方式では発生していたIF周波数を有する信号を発生させず、高周波信号を直接ベースバンド信号に変換する方式である。スーパーヘテロダイン方式において必要なIFフィルタはダイレクトコンバージョン方式では不要になり、高周波フロントエンド回路をCMOSプロセスによって半導体基板に集積化するのに有利である。
ダイレクトコンバージョン方式はモジュール内部の部品の削減に極めて有利な方法であるが、一方で、次のような2つの課題を有する。
1つめの課題は、DCオフセットの抑制である。ダイレクトコンバージョン方式では、ローカル信号が高周波信号経路に漏れ込むと高周波信号とローカル信号の周波数が同一であるので、信号の重ねあわせによる直流成分の電圧が発生する。読出されるベースバンド信号にDCオフセットが重ね合わされると、受信信号のS/N比が著しく低下するので、DCオフセットを抑制する必要がある。
2つめの課題は、ローカル信号の2次高調波がベースバンド信号に重ね合わされる、いわゆる2次歪み現象の抑制である。ローカル信号の2次高調波はベースバンド信号の周波数と同一である。このため、ミクサやその他の回路にローカル信号の2次高調波が入力されてベースバンド信号と重ね合わされると雑音を発生させる。
このようなダイレクトコンバージョン方式に特有の問題を解決するための方法として、高周波信号と、高周波信号の1/2の周波数を有するローカル信号を入力してベースバンド信号を生成するハーモニックミクサの利用が提案される。ハーモニックミクサでは、ローカル信号が漏れて高周波信号経路に入力されても、ローカル信号の周波数と高周波信号の周波数が異なるので、ローカル信号の成分がベースバンドに変換されることはない。また、ハーモニックミクサで生じるローカル信号の高調波は、ベースバンド信号の周波数とも異なるので2次歪みの問題も生じない。ハーモニックミクサには、たとえば互いに逆極性で接続された1対のダイオードが用いられる。
ダイレクトコンバージョン方式では、互いに位相が90°異なるベースバンド信号を用いて受信を行なう。互いに位相が90°異なるベースバンド信号を生成するには、高周波信号を2つに分配し、各々の信号を受ける2つのハーモニックミクサに入力される2つのローカル信号の位相差を45°にする。互いに45°の位相差を有する2つのローカル信号は、1つのローカル信号を移相器に入力することで発生させることができる。
このような移相器は、一般的には受動素子である抵抗、キャパシタ等を組合せて構成される。このような移相器の例として、特開平10−200376号公報(特許文献1)では、同一の半導体チップ上に隣接して回路構造が同じ素子を形成し、回路特性の相対誤差を少なくすることで正確な位相差を有する信号を発生させる移相器が開示される。
特開平10−200376号公報
ダイレクトコンバージョン方式では、ハーモニックミクサに入力される2つのローカル信号の位相差が正確に45°であることが重要になる。しかし、特許文献1に開示される移相器のように、受動素子の特性値を利用した移相器では、製造ばらつきや動作温度によって、特性値が設計値から変動することがあるが、そのような変動に対する補償手段を有していない。よって、動作条件に関わらず正確な45°の位相差を有するローカル信号を生成することは困難である。
本発明は、要約すれば、1の信号が入力されると互いに位相が異なる2つの信号を出力する移相器であって、入力信号を受けて第1,第2の信号を出力し、調整信号に応じて第1の信号に対する第2の信号の位相差である第1の位相差を調整する第1の移相回路と、第1,第2の信号を受けて、第3の信号と、第3の信号に対して第2の位相差を有する第4の信号を出力する第2の移相回路とを備え、第2の移相回路は、第1の移相回路と同一構成の複数個の移相ユニットを含み、移相器は、第3,第4の信号を受けて、第2の位相差と90°の差を調整信号として出力する位相差分回路をさらに備え、第1の移相回路および複数個の移相ユニットの各々は、調整信号の示す位相差が0°となるように第1の移相回路および複数個の移相ユニットの各々の移相角を変化させる。
本発明の移相器によれば、製造ばらつきあるいは温度依存性などによって生じる回路の特性値のばらつきを補償して正確な位相差を有する信号を出力することが可能になる。また、本発明の移相器によれば、45°の位相差に限らず、90度を任意の数で等分した位相差を有する信号を出力することが可能である。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、本発明の移相器を含む受信回路の構成を示す図である。図1を参照して、受信回路100は、互いに180°位相が異なる(以下、差動型と称する)信号LOを発信する局部発振器1と、信号LOを受けて互いに45°の位相差を有する差動型の信号LO1,LO2を出力する移相器2と、信号LO1と高周波信号RFとを受けて、差動型のベースバンド信号BB1を出力するハーモニックミクサ3と、信号LO2と高周波信号RFとを受けて差動型のベースバンド信号BB2を出力するハーモニックミクサ4と、図示されないアンテナから受信された高周波信号を高いSN比で増幅して出力する低雑音増幅器5とを備える。
ベースバンド信号BB1,BB2は互いに直交する信号であり、一方はIチャネル用ベースバンド信号として用いられ、他方はQチャネル用ベースバンド信号になる。ベースバンド信号BB1,BB2は、図示されない信号処理回路に入力され、たとえばAD変換や復号処理などの各種処理がなされる。
図2は、実施の形態1の移相器の構成を示すブロック図である。図2を参照して、移相器2は、信号LOを受けて互いに45°の位相差を有する2つの差動型の信号LO1,LO2を出力する可変型45度移相回路10と、信号LO1,LO2を受けて互いに90°の位相差を有する差動型の信号LO3,LO4を出力する90度移相回路11と、信号LO3,LO4を受けて、信号LO3とLO4の位相差が90°からずれていることを示す信号CTRLを出力する位相差分回路12とを備える。
90度移相回路11は、可変型45度移相回路10と同一の回路素子から構成される可変型45度移相回路20,21を含む。可変型45度移相回路20は、信号LO1を受けて、信号LO1と信号LOの位相差と同じ位相差だけ移相した信号LO3を出力する。同様に、可変型45度移相回路21は、信号LO2を受けて、信号LO2と信号LOの位相差と同じ位相差だけ移相した信号LO4を出力する。よって、信号LO3と信号LO4の位相差は、概ね90°になる。
可変型45度移相回路10,20,21は信号CTRLを受けて、各々の回路に含まれる素子の特性値を変化させ、移相角が正確に45°になるように調整する。なお、可変型45度移相回路10の構成については後述する。
位相差分回路12は、信号LO3を受けて信号CP1を出力する差動型90度移相回路22と、信号LO4を受けて信号CP2を出力する差動型90度移相回路23と、信号CP1,CP2の位相を比較する位相比較回路24を含む。信号CP1,CP2は信号LO3とLO4の位相差が90°からずれていると、その位相差と90°との差分に相当する位相差を互いに有する信号である。
差動型90度移相回路22は、信号LO3を受け、互いに90°位相が異なる差動型の信号を生成し、生成した信号の1つを信号CP1として出力する。同様に、差動型90度移相回路23は、信号LO4を受け、互いに90°位相が異なる差動型の信号を生成する。差動型90度移相回路23は、生成した信号のうち信号CP1との位相差が最も小さい信号CP2を出力する。
位相比較回路24は、信号CP1の周波数をCMOS回路にて動作可能な周波数の信号に変換する分周回路25と、分周回路25と同様に信号CP2の周波数をCMOS回路にて動作可能な周波数に変換する分周回路26と、分周回路25から出力される信号CP1Aと分周回路26のから出力される信号CP2Aとを受けて2つの信号の位相を比較する位相比較器27とを含む。
分周回路25,26は、たとえば、高速動作可能なNチャネルMOSトランジスタのみを用いるCML(Current Mode Logic)回路から構成される。また、分周回路25、26は、高い周波数の信号に応答可能なCML回路の分周器と、CML回路の分周器によって低い周波数に変換された信号を受けて動作するCMOSデジタル回路の組合せによって構成されてもよい。CMOSデジタル回路を組合せた分周回路は、CML回路のみで構成された分周回路よりも消費電力を低減することが可能になる。
位相比較回路24は、さらに、位相比較器27から出力される信号CPOA,CPOBをデジタル形式からアナログ形式に変換するチャージポンプ28と、チャージポンプ28から出力される信号CTRLを積分して連続的に変化させるローパスフィルタ29とを含む。
図2の移相器2について説明する。可変型45度移相回路10に信号LOが入力されて互いに45°の位相差を有する信号LO1,LO2が出力される。90度移相回路11は可変型45度移相回路10と同一の構成の可変型45度移相回路20,21を含み、信号LO1,LO2を受けて、互いに90°の位相差を有する信号LO3,LO4を出力する。位相差分回路12からは信号LO3,LO4の位相差と90°とのずれを可変型45度移相回路10,20,21に帰還する信号CTRLが出力される。可変型45度移相回路10,20,21は信号CTRLを受けて回路の特性値を変化させることで、位相のずれを0°にして移相角を45°に調整する。
移相器2に含まれる位相差分回路12は、PLL(Phase Locked Loop)回路の動作と同様になるよう構成される。位相比較器27に入力される信号CP1A,CP2Aの位相が一致する、いわゆるロック状態となったときには、信号CTRLの電圧値はある安定値になる。可変型45度移相回路10、20、21が安定化した信号CTRLを受ける状態とは、移相角が45°に固定された状態である。
実施の形態1の移相器について、さらに説明する。
上述の特許文献1に開示される移相器では、標準の使用条件(たとえば動作温度が室温である)のもとで、移相角が45°になるよう設計された移相器であっても、実際に使用すると製造ばらつきや動作温度の変化によって、移相角が45°からずれるという問題が生じる。たとえば、シリコン半導体チップの場合、素子特性値の製造ばらつきは、製造ロットごとに生じる。また、製造ばらつきは同一ウェハであっても、チップごと、あるいはチップ内部の素子の配置場所によっても生じる。
実施の形態1の移相器は、半導体集積回路のデザインルールが微小化されると素子間の相対的な特性ばらつきが低減されるという長所を利用するものである。素子のサイズが最小デザインルールに比べて大きい受動素子(たとえば、抵抗、インダクタ、キャパシタなど)であっても、能動素子(トランジスタ)が微小化されることでチップ内に近接して配置されることが可能になる。よって、受動素子の特性値について相対的なばらつきが小さくなる。また、移相角のずれを帰還によってなくすことで動作温度による特性のばらつきを補償することが可能になる。実施の形態1の移相器によればダイレクトコンバージョン方式実現のハードルとなっている問題点を解決するハーモニックミクサが集積回路上にて形成され、1チップに集積化された送受信トランシーバーICが実現可能になる。
図3は、図2の可変型45度移相回路10の基本構成を示す図である。図3を参照して、移相角を決める回路素子は、直列に接続されるインダクタンスLAと抵抗R01および、一方端がノードND1に接続され、他方端が接地ノードに接続されるキャパシタC01である。移相角はインダクタンスLA、抵抗R01、キャパシタC01の特性値によって決定される。特性値を適切に定めることによって、入力信号INに対し任意の位相差を有する信号OUTを出力することが可能になる。
図4は、図1の可変型45度移相回路10の回路図である。図4を参照して、可変型45度移相回路10は、電源ノードにソースが接続され、ノードW0にドレインが接続され、ゲートに駆動用のバイアス電圧VB1を受けるPチャネルMOSトランジスタP1と、ノードW0にソースが接続され、ノードW1にドレインが接続され、ゲートに信号LOBを受けるPチャネルMOSトランジスタP2と、ノードW0にソースが接続され、ノードW4にドレインが接続され、ゲートに信号LOAを受けるPチャネルMOSトランジスタP3とを含む。
信号LOA,LOBは差動型の信号であり、図2の信号LOに相当する。信号LOBによってPチャネルMOSトランジスタP2が駆動されるとノードW1から信号LO1Aが出力される。同様に、信号LOAによってPチャネルMOSトランジスタP3が駆動されるとノードW4から信号LO1Bが出力される。信号LO1A,LO1Bは差動型の信号であり、図2で示される信号LO1に相当する。
可変型45度移相回路10は、さらに、ノードW1とノードW2との間に直列に接続されるインダクタンスL1と、抵抗R1と、ノードW2にドレインが接続され、接地ノードにソースが接続され、ゲートにバイアス電圧VB2を受けるNチャネルMOSトランジスタN1を含む。信号LOBによってPチャネルMOSトランジスタP2が駆動され、バイアス電圧VB2によってNチャネルMOSトランジスタN1が駆動されると、ノードW2から信号LO2Bが出力される。
可変型45度移相回路10は、さらに、ノードW4とノードW5との間に直列に接続されるインダクタンスL2と、抵抗R2と、ノードW5にドレインが接続され、接地ノードにソースが接続され、ゲートにバイアス電圧VB2を受けるNチャネルMOSトランジスタN2を含む。信号LOAによってPチャネルMOSトランジスタP3が駆動され、バイアス電圧VB2によってNチャネルMOSトランジスタN2が駆動されると、ノードW5から信号LO2Aが出力される。信号LO2A,LO2Bは差動型の信号であり、図2で示される信号LO2に相当する。
可変型45度移相回路10は、さらに、ノードW2とノードW6との間に接続され、信号CTRLによって容量値を変化させるキャパシタVC1と、ノードW5とノードW6との間に接続され、信号CTRLを受けて容量値を変化させるキャパシタVC2とを含む。
キャパシタVC1,VC2は、たとえばバラクタと呼ばれる素子によって構成される。バラクタとは印加する端子間電圧の大きさによって容量値を変化させることができる素子である。バラクタの一例としては、MOSトランジスタのゲートを一方の端子とし、ソースとドレインとソースおよびドレインが形成されるウェルに接続される端子を共通化して第2の端子とした素子である。また、バラクタの他の例として、たとえばPN接合によって生じる接合容量を利用するダイオード型のものがある。
信号LO2Aは信号LOAに対し、インダクタンスL2、抵抗R2、キャパシタVC2の特性値によって決定される位相差を有する信号である。さらに、信号LO2Bは信号LOBに対し、インダクタンスL1、抵抗R1、キャパシタVC1の特性値によって決定される位相差を有する信号である。
信号LO2Aと信号LOAの位相差は、信号CTRLを受けたキャパシタVC2の容量値が変化することで調整され、本発明の場合では、位相差は45°に調整される。同様に、信号LO2Bと信号LOBの位相差は、信号CTRLを受けたキャパシタVC1の容量値が変化することで調整され、本発明の場合では、位相差は45°に調整される。
可変型45度移相回路20,21の構成は可変型45度移相回路10の構成と同様である。可変型45度移相回路20は、信号LO1をPチャネルMOSトランジスタP2,P3に受けて、ノードW1,W4から信号LO3を出力する。同様に、可変型45度移相回路21は、信号LO2をPチャネルMOSトランジスタP2,P3に受けて、ノードW2,W5から信号LO4を出力する。
なお、可変型45度移相回路10の構成は図4に示される回路に限定されず、信号CTRLを受けて容量値を変化させるキャパシタが含まれる移相回路であれば他の回路であってもよい。
図5は、図2の可変型45度移相回路10の別の回路図である。図4,図5を参照して、可変型45度移相回路10Aは、図4におけるインダクタンスL1,抵抗R1に代えて、ソースがノードW1に接続され、ドレインがノードW2に接続され、ゲートに信号CTRLを受けるPチャネルMOSトランジスタDP1と、ソースがノードW4に接続され、ドレインがノードW5に接続され、ゲートに信号CTRLを受けるPチャネルMOSトランジスタDP2とを含む点で図4の可変型45度移相回路10と異なる。また、可変型45度移相回路10Aは、図4におけるキャパシタVC1,VC2に代えて、ノードW2,W5との間に接続されるキャパシタC1,C2を含む点で図4の可変型45度移相回路10と異なる。なお、キャパシタC1,C2の容量値は固定値である。
図5における可変型45度移相回路10Aは、PチャネルMOSトランジスタDP1,DP2のチャネル抵抗を信号CTRLの電圧によって変化させる点で図4の可変型45度移相回路10と異なる。抵抗値を可変にすることによって、信号LOAとLO2Aとの位相差および信号LOBとLO2Bとの位相差が調整される。
なお、図5においてはチャネル抵抗を変化させるMOSトランジスタはPチャネルMOSトランジスタDP1,DP2であると示されるが、PチャネルMOSトランジスタDP1,DP2に代えてNチャネルMOSトランジスタが含まれてもよい。
図6は、図2の位相比較器27の構成を示す回路図である。図6を参照して、位相比較器27は、フリップフロップFF1〜FF4を含む。フリップフロップFF1とフリップフロップFF3とは同様の構成である。また、フリップフロップFF2とフリップフロップFF4とは同様の構成である。
フリップフロップFF1は、信号CP1Aを受けて出力を反転させるインバータINV1と、一方の入力がインバータINV1の出力に接続され、他方の入力がノードW12に接続され、出力がノードW7に接続されるNAND回路NA1と、入力がノードW7,W8,W9に接続され、出力がノードW12に接続される3入力型のNAND回路NA8とを含む。
フリップフロップFF2は、NAND回路NA2,NA3を含む。NAND回路NA2は、一方の入力がNAND回路NA1の出力に接続され、他方の入力がNAND回路NA3の出力に接続され、出力がノードW8に接続される。NAND回路NA3は、一方の入力がノードW9に接続され、他方の入力がNAND回路NA2の出力に接続され、出力がNAND回路NA2の一方の入力に接続される。
フリップフロップFF3は、信号CP2Aを受けて出力を反転させるインバータINV2と、一方の入力がインバータINV2の出力に接続され、他方の入力がノードW13に接続され、出力がノードW11に接続されるNAND回路NA6と、入力端子がノードW9,W10,W11に接続され、出力がノードW13に接続される3入力型のNAND回路NA9とを含む。
フリップフロップFF4は、NAND回路NA4,NA5を含む。NAND回路NA4は、一方の入力がノードW9に接続され、他方の入力がNAND回路NA5の出力に接続され、出力がNAND回路NA5の一方の入力に接続される。NAND回路NA5は、一方の入力がノードW11に接続され、他方の入力がNAND回路NA4の出力に接続され、出力がノードW10に接続される。
位相比較器27は、さらに、NAND回路NA1,NA2,NA5,NA6の出力を受けるNAND回路NA7と、NAND回路NA7の出力を遅延させるインバータINV3〜INV6を含む。
位相比較器27は、さらに、NAND回路NA8の出力を反転させて信号CPOAを出力するインバータINV7と、NAND回路NA9の出力を反転させて信号CPOBを出力するインバータINV8とを含む。信号CPOA,CPOBは、図2のチャージポンプ28を駆動する信号である。
信号CP1Aと信号CP2Aの位相が異なる場合、たとえば信号CP1Aが信号CP2Aよりも位相が進む場合について説明する。信号CP1AがHレベルに立ち上がるに応じてフリップフロップFF1はセットされ、ノードW7に出力される信号はHレベルになる。また、信号CPOAはLレベルになる。フリップフロップFF2はフリップフロップFF1からHレベルの信号を受けてセットされ、Hレベルの信号をNAND回路NA7に出力する。
同様に、信号CP1Aよりも遅れて信号CP2AがHレベルに立ち上がるに応じてフリップフロップFF3はセットされ、ノードW11に出力される信号はHレベルになる。フリップフロップFF4はフリップフロップFF3からHレベルの信号を受けてHレベルの信号をNAND回路NA7に出力する。
NAND回路NA7の出力は、信号CP1AがHレベルに立ち上がり信号CP2Aが立ち上がるまでの時間、Hレベルになる。NAND回路NA7がHレベルの信号を出力することによってフリップフロップFF1〜FF4はすべてリセットされる。フリップフロップFF1がリセットされると、信号CPOAはHレベルになる。つまり、信号CP1Aの位相が信号CP2Aよりも進む場合、信号CP1AがHレベルに立ち上がってから信号CP2AがHレベルに立ち上がるまでの間、信号CPOAはLレベルになる。同様に、信号CP2Aの位相が信号CP1Aよりも進む場合、信号CP2AがHレベルに立ち上がってから信号CP1AがHレベルに立ち上がるまでの間、信号CPOBはLレベルになる。信号CPOA、CPOBがHレベルからLレベルになることで信号CP1A,CP2Aの位相差が検出される。
図7は、チャージポンプ28の回路図である。図7を参照して、チャージポンプ28は、電源ノードに接続されて一定の電流を出力する電流源CS1と、ゲートに信号CPOAを受けて駆動され、ソースに電流源CS1が接続され、ノードW20にドレインが接続されるPチャネルMOSトランジスタP5と、ノードW20にソースが接続され、ゲートに信号CPOBを受けて駆動されるPチャネルMOSトランジスタP6と、PチャネルMOSトランジスタP6のドレインと接地ノードの間に接続されて一定の定電流を出力する電流源CS2とを含む。
ノードW20からの出力は信号CTRLになる。信号CPOAがLレベルの場合、PチャネルMOSトランジスタP5が駆動して電源ノードからノードW20に向けて電流が流れる結果、ノードW20の電圧は上昇する。一方、信号CPOBがLレベルの場合、PチャネルMOSトランジスタP6が駆動してノードW20から接地ノードに向けて電流が流れる結果、ノードW20の電圧は下降する。信号CP1Aの位相が信号CP2Aよりも進む場合、つまり信号CPOAがLレベルの場合、信号CTRLの電圧は上昇する。同様に、信号CP1Aの位相が信号CP2Aよりも遅れる場合、つまり信号CPOBがLレベルの場合、信号CTRLの電圧は下降する。信号CTRLの変化は図2の可変型45度移相回路10,20,21にフィードバックされる。
[実施の形態2]
実施の形態2の移相器は、実施の形態1の移相器よりもさらに回路面積の縮小化を可能にする。
図8は、実施の形態2の移相器の構成を示すブロック図である。図2,図8を参照して、移相器2Aは、図2の差動型90度移相回路22,23に代えて、Dフリップフロップ分周回路30,31を含む点で図2の移相器2と異なる。Dフリップフロップ分周回路30,31は、直列に接続された2つのDフリップフロップから構成される。Dフリップフロップ分周回路30,31では、Dフリップフロップの直列に接続された部分から、正確に90°の位相差を有し、入力信号の半分の周波数を有する信号が出力される。Dフリップフロップは、たとえばCMOSデジタル回路にて構成されるが、入力される信号の周波数が高い場合には、高速動作に好適なCML回路によって構成される。CML回路によって構成されるDフリップフロップの回路図については後述する。
Dフリップフロップ分周回路30,31が用いられることによって、信号CP1,CP2の周波数は信号LO3,LO4の1/2になる。よって、分周回路25,26の構成が簡素化されて回路面積が縮小される。さらに、移相器を含む回路の高集積化、低コスト化、低消費電力化も可能になる。
図9は、図8のDフリップフロップ分周回路30の構成を示す図である。図9を参照して、Dフリップフロップ分周回路は、DフリップフロップDFF1,DFF2を含む。DフリップフロップDFF1の出力端子Q,/Qから出力される信号X,/Xは、それぞれ、DフリップフロップDFF2の入力端子D,/Dに入力される。また、DフリップフロップDFF2の出力端子Q,/Qから出力される信号Y,/Yは、DフリップフロップDFF1の入力端子D,/Dに入力される。
DフリップフロップDFF1の入力端子CKには信号LO3Bが入力され、入力端子/CKには信号LO3Aが入力される。DフリップフロップDFF2の入力端子CKには信号LO3Aが入力され、入力端子/CKには信号LO3Bが入力される。信号LO3A,LO3Bは、差動型の信号であり、図8に示される信号LO3に相当する。DフリップフロップDFF1の入力端子CKに信号LO3Bが入力されて入力端子/CKに信号LO3Aが入力されると、互いに90°の位相差を有する信号X,/Xが出力される。同様に、DフリップフロップDFF2の入力端子CKに信号LO3Aが入力されて入力端子/CKに信号LO3Bが入力されると、互いに90°の位相差を有する信号Y,/Yが出力される。信号CP1はDフリップフロップDFF1の出力端子Q、すなわちノードW22から出力される。
なお、Dフリップフロップ分周回路31の構成は、図9のDフリップフロップ分周回路30の構成と同様であり、入力端子CK,/CKに入力される信号LO3に代えてLO4が入力され、DフリップフロップDFF1の出力に代えて、DフリップフロップDFF2の出力端子/Qから出力される信号/Yが信号CP2として出力される。
図10は、図9のDフリップフロップDFF1の回路図の一例である。図10を参照して、DフリップフロップDFF1は、電源ノードとノードW25との間に接続される抵抗R4と、ノードW25にドレインが接続され、ノードW27にソースが接続され、ゲートが入力端子Dに接続されるNチャネルMOSトランジスタN3と、電源ノードとノードW26との間に接続される抵抗R5と、ノードW26にドレインが接続され、ノードW27にソースが接続され、ゲートが入力端子/Dに接続されるNチャネルMOSトランジスタN4とを含む。
DフリップフロップDFF1は、さらに、ノードW27にドレインが接続され、ノードW29にソースが接続され、入力端子CKにゲートが接続されるNチャネルMOSトランジスタN5と、ノードW29にドレインが接続され、接地ノードにソースが接続され、ゲートにバイアス電圧VB3が入力されるNチャネルMOSトランジスタN9とを含む。
DフリップフロップDFF1は、さらに、出力端子Qにドレインが接続され、ノードW28にソースが接続され、出力端子/Qにゲートが接続されるNチャネルMOSトランジスタN6と、出力端子/Qにドレインが接続され、ノードW28にソースが接続され、出力端子Qにゲートが接続されるNチャネルMOSトランジスタN7と、ノードW28にドレインが接続され、ノードW29にソースが接続され、入力端子/CKにゲートが接続されるNチャネルMOSトランジスタN8とを含む。
[実施の形態3]
実施の形態1,2の移相器には回路構成が異なる可変型45度移相回路と、差動型90度移相回路が含まれる。たとえば、差動型90度移相回路として、実施の形態2の移相器のようにDフリップフロップ分周回路を用いた場合、入力される信号波形のデューティ比が50%から外れると正確な90°の移相が行なえなくなる。実施の形態3の移相器では、このような課題を解決する。
図11は、実施の形態3の移相器の構成を示すブロック図である。図2,図11を参照して、移相器2Bは、図2の差動型90度移相回路22に代えて可変型45度移相回路33,34を含む点で図2の移相器2と異なる。また、同様に、移相器2Bは、図2の差動型90度移相回路23に代えて、可変型45度移相回路35,36を含む点で図2の移相器2と異なる。なお、可変型45度移相回路33〜36は可変型45度移相回路10と同一の回路素子から構成される。
可変型45度移相回路33,34は、可変型45度移相回路20における信号LO1と信号LO3の位相差と同じ位相差だけ入力信号を移相する。また、可変型45度移相回路35は、可変型45度移相回路21と同様に、信号LO2と信号LO4の位相差と同じ位相差だけ入力信号を移相する。さらに、可変型45度移相回路36は、信号LO2と信号LO4の位相差と同じ位相差だけ入力信号を移相し、移相した信号(この信号は差動型の信号である)のうち、負極性すなわち180°位相が遅れた信号を出力する。
可変型45度移相回路33〜36は、信号CTRLを受けて、各々の回路に含まれる素子の特性値を変化させ、移相角が正確に45°になるように調整する。図4,図5において既に説明されるように、可変型45度移相回路33〜36は移相角を調整可能にするため、電圧によって容量値を変化させるバラクタあるいはPチャネルMOSトランジスタを含む。
図11の移相器2Bの場合、可変型45度移相回路10と同一の構成の可変型45度移相回路33〜36によって90度移相回路が形成されることにより、異なる回路構成の移相回路を含むことによって生じる移相角の変動が解消される。
図8におけるDフリップフロップ分周回路30,31の場合、入力される信号波形のデューティ比が50%から外れると正確な90°の位相差を持つ信号を生成することができないが可変型45度移相回路33〜36によって構成される90度移相回路は、移相角が90°からずれても、信号CTRLによって90°に調整することが可能である。
[実施の形態4]
実施の形態4の移相器は、実施の形態1〜3の移相器と比較して、さらに回路面積を縮小することを可能にする。
図12は、実施の形態4の移相器の構成を示すブロック図である。図2,図12を参照して、移相器2Cには図2の可変型45度移相回路21が含まれず、信号LOを分配した信号が差動型90度移相回路23に直接に入力される点において図2の移相器と異なる。可変型45度移相回路10,20は、信号CTRLを受けて、入力される信号に対して45°位相が異なる信号を出力する。よって、信号LOと信号LO3との位相差は90°になる。
移相器2Cと図2の移相器2を比較すると、移相器2では、信号LO1,LO2の振幅をも良く一致させることが可能となるのに対し、移相器2Cでは、可変型45度移相回路10の振幅利得を常に1にすることは難しい。よって移相器2Cでは信号LO1,LO2の振幅をも良く一致させることは難しくなる。しかし、移相器2Cは移相器2よりも含まれる回路素子の数を減らすことができるので半導体チップ面積の小型化および半導体チップの低コスト化が可能になる点で有利である。
[実施の形態5]
実施の形態5の移相器は、固定された特性値を有する受動素子のみからなる移相回路と、特性値を動的に変化させる移相回路とを組合せて正確な位相差を求めることを可能にする。上述のように固定された特性値を有する受動素子で作製された移相器では、製造ばらつきや温度依存性によって特性値が変化するので、正確な移相角が得られない。実施の形態5の移相器は、このような固定された特性値を有する受動素子のみからなる移相回路が含まれる場合にも正確に45°の位相差を互いに有する信号を出力することを可能にする。
図13は、実施の形態5の移相器の構成を示すブロック図である。図2,図13を参照して、移相器2Dは、図2の可変型45度移相回路10に代えて可変型45度移相回路10Bを含む点で図2の移相器2と異なる。可変型45度移相回路10Bは、信号CTRLを受けて信号LOに対する位相差を調整して信号LO21を出力する可変型移相回路40と、信号LOに対し、あらかじめ固定された位相差を有する信号LO22を出力する固定型移相回路41とを含む。可変型移相回路40の移相角はたとえば(90+22.5)°すなわち112.5°に設定され、固定型移相回路41の移相角は、たとえば(90−22.5)°、すなわち67.5°に設定される。
移相器2Dは、さらに、図2の90度移相回路11に代えて90度移相回路11Aを含む点で図2の移相器2と異なる。90度移相回路11Aは可変型移相回路40と同一の回路から構成される可変型移相回路40Aと、固定型移相回路41と同一の回路から構成される固定型移相回路41Aを含む。つまり、90度移相回路11Aは可変型45度移相回路10Bと同一の回路構成である。
図14は、可変型移相回路40の回路図の例である。図14を参照して、可変型移相回路40は、ノードW30とノードW31との間に接続される抵抗R6と、ノードW31とノードW33との間に接続されるキャパシタVC3と、ノードW32とノードW33との間に接続される抵抗R7と、ノードW30とノードW32との間に接続されるキャパシタVC4と、ノードW31,W32に入力が接続されて、後段の回路との接続によって生じる信号の歪みを避けるために挿入されるバッファアンプBFAとを含む。
抵抗R6,R7およびキャパシタVC3,VC4はRCブリッジ回路を構成する。抵抗R6,R7の抵抗値およびキャパシタVC3,VC4の容量値を適切に設定することにより、信号LOと信号LO21との位相差は、たとえば(90+22.5)°に設定される。キャパシタVC3,VC4は、たとえば図4のキャパシタVC1,VC2と同じバラクタであり、図示されない信号CTRLを受けて容量値を変化させることで信号LOと信号LO21との位相差が調整可能になる。
なお、上述の図5の可変型45度移相回路10Bの場合と同様に、可変型移相回路40は、キャパシタVC3,VC4を固定容量とし、抵抗R6,R7を、信号CTRLをゲートに受けてチャネル抵抗値を変化させるMOSトランジスタに置き換えた構成でも良い。
図15は、固定型移相回路41の回路図の例である。図14,図15を参照して、固定型移相回路41は、図14のキャパシタVC3,VC4に代えてキャパシタC4,C5を含む点で図14の可変型移相回路40と異なる。キャパシタC4,C5は回路の特性値を適切に設定することによって、たとえば、信号LOに対し(90−22.5)°だけ位相が異なる信号LO22を生成することが可能になる。
上述のように、特性値が固定された受動素子のみでは広範な動作温度範囲において正確な位相差を求めることは困難である。本発明では特性値が固定された受動素子のみからなる移相回路と、特性値を動的に変化させる移相回路とを組合せて、広範な動作温度範囲において正確な位相差を求めることを可能にする。さらに図14、図15に示されるように、可変型移相回路40と固定型移相回路41の回路素子の構成はほぼ同一であるので特性値の相対的な差が小さくなり、入力信号に45°の位相差を与える際にも製造ばらつきや温度依存性の影響を少なくすることができる。
なお、図14,図15の説明においては、可変型移相回路40は入力信号に対し(90+22.5)°の位相差を与えた信号を出力し、固定型移相回路41は入力信号に対し(90−22.5)°の位相差を与えた信号を出力するとしたが、可変型移相回路40が入力信号に対し(90−22.5)°の位相差を与えた信号を出力し、固定型移相回路41は入力信号に対し(90+22.5)°の位相差を与えた信号を出力するように回路素子の特性値を設定してもよい。
[実施の形態6]
本発明の移相器は45°の位相差に限らず、90°を任意の数で等分した角度の位相差を有する信号を出力することが可能である。実施の形態6の移相器は一例として互いに30°の位相差を有する信号を出力することを可能にする。
図16は、実施の形態6の移相器の構成を示すブロック図である。図2,図16を参照して、移相器2Eは、図2の移相器2の可変型45度移相回路10に代えて可変型30度移相回路50を含む点で図2の移相器2と異なる。また、移相器2Eは、図2の90度移相回路11に代えて90度移相回路51を含む点で図2の移相器2と異なる。可変型30度移相回路50は、信号LOを受けて、互いに30°位相が異なる信号LO31,LO32を出力する。
90度移相回路51は、可変型30度移相回路50と同一の構成である可変型30度移相回路51A〜51Dを含む。可変型30度移相回路51A,51Cは可変型30度移相回路50における信号LOと信号LO31の位相差と同じ位相差だけ入力信号を移相する。また、可変型30度移相回路51B,51Dは、可変型30度移相回路51A,51Cは可変型30度移相回路50における信号LOと信号LO32の位相差と同じ位相差だけ入力信号を移相する。よって、信号LO3とLO4の位相差は90°になる。
可変型30度移相回路50,51A〜51Dは、各々信号CTRLを受け、移相角を30°に各々調整する。これによって製造ばらつきや動作温度に依存せずに正確な移相角を有する信号を出力することが可能な移相器が実現される。
なお、本発明の移相器は、45°,30°の位相差を有する2信号を生成する場合に限定されるものではなく、90°の1/n(nは2以上の整数)の位相差を有する信号を生成する場合においても適用可能である。以下,図2の移相器2と比較しながら、90°の1/nの位相差を有する信号を出力する移相器(以下、90/n度移相器と称する)について説明する。
90/n度移相器においては、図2の可変型45度移相回路10に代えて、可変型90/n度移相回路が含まれる。可変型90/n度移相回路は、移相角が90/n度である回路である。
可変型90/n度移相回路は、図4の回路図と同様の構成を有する回路にて実現可能である。図4の回路図において、インダクタンスL1,L2、抵抗R1,R2,キャパシタVC1,VC2の特性値を適切に定めることによって、互いに90/n度の位相差を有する信号が生成される(説明の便宜上、以後、これらの信号を信号LON1、信号LON2と称する)。
さらに、90/n度移相器においては、図2の90度移相回路11において、可変型45度移相回路20,21に代えて、上述の可変型90/n度移相回路と同じ構成の可変型90/n度移相回路が含まれる。なお、90度移相回路11において必要な可変型90/n度移相回路の個数は(n−1)×2個である。
90度移相回路11における(n−1)×2個の可変型90/n度移相回路のうち、(n−1)個は入力される信号に対し、信号LOと信号LON1の位相差と同じ位相差を有する信号を出力する。これら(n−1)個の可変型90/n度移相回路は直列に接続され、信号LON1を受けて信号LO3を出力する。
また、90度移相回路11における残り(n−1)個の可変型90/n度移相回路は入力される信号に対し、入力される信号に対し、信号LOと信号LON2の位相差と同じ位相差を有する信号を出力する。これら(n−1)個の可変型90/n度移相回路は直列に接続され、信号LON2を受けて信号LO4を出力する。各々の90/n度移相回路はは信号CTRLを受けて、移相角が90/n度になるように調整する。信号LON2,LON1の位相差は90/n度であるので、信号LO3,LO4の位相差は90°になる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の移相器を含む受信回路の構成を示す図である。 実施の形態1の移相器の構成を示すブロック図である。 図2の可変型45度移相回路10の基本構成を示す図である。 図1の可変型45度移相回路10の回路図である。 図2の可変型45度移相回路10の別の回路図である。 図2の位相比較器27の構成を示す回路図である。 チャージポンプ28の回路図である。 実施の形態2の移相器の構成を示すブロック図である。 図8のDフリップフロップ分周回路30の構成を示す図である。 図9のDフリップフロップDFF1の回路図の一例である。 実施の形態3の移相器の構成を示すブロック図である。 実施の形態4の移相器の構成を示すブロック図である。 実施の形態5の移相器の構成を示すブロック図である。 可変型移相回路40の回路図の例である。 固定型移相回路41の回路図の例である。 実施の形態6の移相器の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 局部発振器、2,2A〜2E 移相器、3,4 ハーモニックミクサ、5 低雑音増幅器、10,10A,10B,20,21,33〜36 可変型45度移相回路、11,11A,51 90度移相回路、12 位相差分回路、22,23 差動型90度移相回路、24 位相比較回路、25,26 分周回路、27 位相比較器、28 チャージポンプ、29 ローパスフィルタ、30,31 Dフリップフロップ分周回路、40,40A 可変型移相回路、41,41A 固定型移相回路、50,51A〜51D 可変型30度移相回路、100 受信回路、CK,/CK,D,/D 入力端子、Q,/Q 出力端子、BFA バッファアンプ、C01,C1,C2,C4,C5,VC1〜VC4 キャパシタ、CS1,CS2 電流源、DFF1,DFF2 Dフリップフロップ、DP1,DP2,P1〜P6 PチャネルMOSトランジスタ、FF1〜FF4 フリップフロップ、INV1〜INV8 インバータ、L1,L2,LA インダクタンス、N1〜N9 NチャネルMOSトランジスタ、NA1〜NA9 NAND回路、R01,R1〜R7 抵抗、ND1,W0〜W33 ノード。

Claims (14)

  1. 1の信号が入力されると互いに位相が異なる2つの信号を出力する移相器であって、
    入力信号を受けて第1,第2の信号を出力し、調整信号に応じて前記第1の信号に対する前記第2の信号の位相差である第1の位相差を調整する第1の移相回路と、
    前記第1,第2の信号を受けて、第3の信号と、前記第3の信号に対して第2の位相差を有する第4の信号を出力する第2の移相回路とを備え、
    前記第2の移相回路は、
    前記第1の移相回路と同一構成の複数個の移相ユニットを含み、
    前記移相器は、
    第3,第4の信号を受けて、前記第2の位相差と90°の差を前記調整信号として出力する位相差分回路をさらに備え、
    前記第1の移相回路および前記複数個の移相ユニットの各々は、前記調整信号の示す位相差が0°となるように前記第1の移相回路および前記複数個の移相ユニットの各々の移相角を変化させる、移相器。
  2. 前記第1の移相回路は、Nを2以上の整数とするとき、前記調整信号に応じて前記第1の位相差を90°/Nに調整し、
    前記複数個の移相ユニットは、
    入力される信号に対し前記入力信号と前記第1の信号の位相差だけ移相した第5の信号を出力するN−1個の第1の移相ユニットと、
    入力される信号に対し前記入力信号と前記第2の信号の位相差だけ移相した第6の信号を出力し、前記調整信号に応じて前記第5、第6の信号の位相差が90°/Nになるよう調整するN−1個の第2の移相ユニットを有し、
    前記第1の移相ユニットは直列に接続されて、前記第1の信号を受けると前記第3の信号を出力し、前記第2の移相ユニットは直列に接続されて、前記第2の信号を受けると前記第4の信号を出力する、請求項1に記載の移相器。
  3. 前記第1の移相回路は、前記入力信号をそのまま前記第1の信号として出力し、Nを2以上の整数とするとき、前記入力信号と前記調整信号に応じて前記第1の位相差を90°/Nに調整して前記第2の信号を出力し、
    前記複数個の移相ユニットは、前記第1の信号をそのまま前記第3の信号として出力し、前記第2の信号が入力されると前記調整信号に応じて各々の移相角が90°/Nになるように調整して前記第4の信号を出力する、前記第1の移相回路に直列に接続されたN−1個の移相ユニットである、請求項1に記載の移相器。
  4. 前記第1の移相回路は、
    前記入力信号を受けて、固定値の位相差を有する信号を前記第1の信号として出力する第1の固定移相回路と、
    Nを2以上の整数とするとき、前記入力信号を受けて前記第2の信号を出力し、前記調整信号に応じて前記第1の位相差を90°/Nに調整する第1の可変移相回路とを含み、
    前記複数個の移相ユニットは、前記第1の移相回路に直列に接続されて前記第1の信号が入力されると前記第3の信号を出力し、前記第2の信号が入力されると前記第4の信号を出力するN−1個の移相ユニットであって、
    前記複数個の移相ユニットの各々は、
    前記第1の固定移相回路と同一の構成であって前記第1の固定移相回路に直列に接続される第2の固定移相回路と、
    前記第1の可変移相回路と同一の構成であって前記第1の可変移相回路に直列に接続される第2の可変移相回路とを有する、請求項1に記載の移相器。
  5. 前記第1の移相回路および前記複数個の移相ユニットの各々は、前記調整信号に応じて容量値を変化させるキャパシタを有する、請求項2〜4のいずれかに記載の移相器。
  6. 前記第1の移相回路および前記複数個の移相ユニットの各々は、前記調整信号がゲートに入力されるとチャネル抵抗値を変化させるMOSトランジスタを有する、請求項2〜4のいずれかに記載の移相器。
  7. Nは2である、請求項5,6のいずれかに記載の移相器。
  8. Nは3である、請求項5,6のいずれかに記載の移相器。
  9. 前記第1,第2の移相回路は同一半導体基板上に形成される、請求項1に記載の移相器。
  10. 前記入力信号および前記第1〜第4の信号の各々は互いに180°位相が異なる信号を含む差動信号であって、
    前記位相差分回路は、
    前記第3の信号を受けて、互いに90°位相が異なる差動信号を生成し、生成した前記差動信号のいずれか1つを第1の比較信号として出力する第1の90°移相回路と、
    前記第1の90°移相回路と同一の構成であって、前記第4の信号を受けて、互いに90°位相が異なる差動信号を生成し、生成した前記差動信号のうち前記第1の比較信号との位相差が最も小さい信号を第2の比較信号として出力する第2の90°移相回路と、
    前記第1、第2の比較信号の位相を比較して、前記位相差に応じた信号を前記調整信号として出力する位相比較回路とを含む、請求項1に記載の移相器。
  11. 前記第1,第2の90°移相回路の各々は、直列に接続されるDフリップフロップを有する、請求項10に記載の移相器。
  12. 前記第1,第2の90°移相回路の各々は、直列に接続されて各々が前記調整信号に応じて入力される信号と出力される信号の位相差を45°に調整する可変移相回路を有する、請求項10に記載の移相器。
  13. 前記可変移相回路は、前記調整信号に応じて容量値を変化させるキャパシタを有する、請求項12に記載の移相器。
  14. 前記可変移相回路は、前記調整信号がゲートに入力されるとチャネル抵抗値を変化させるMOSトランジスタを有する、請求項12に記載の移相器。
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