従来、病院内などに設置されているX線撮影システムは、患者にX線を照射させ、患者を透過したX線をフィルムに露光するフィルム撮影方式と、患者を透過したX線を電気信号に変換してディジタル画像処理をする画像処理方式とがある。
画像処理方式のひとつに、X線を可視光に変換する蛍光体と可視光を電気信号に変換する光電変換装置とで構成された放射線撮像装置がある。患者を透過したX線が、蛍光体に照射され、そこで可視光に変換された患者の体内情報を光電変換装置により電気信号として出力する。電気信号に変換されればADコンバータでディジタル変換し、記録、表示、印刷、診断などを行うためのX線画像情報はディジタル値として扱うことが出来る。
最近では、光電変換装置にアモルファスシリコン半導体薄膜を用いた放射線撮像装置が実用化されている。
図12は、MIS型光電変換素子とスイッチ素子の材料にアモルファスシリコン半導体薄膜を用いて構成した従来の光電変換基板の上面図であり、それらを結線する配線を含めて表している。図13は、図12中のI−I線に沿った断面図である。以後の説明では、簡単化のために、MIS型光電変換素子は、単に光電変換素子と呼ぶことにする。
光電変換素子101及びスイッチ素子102(アモルファスシリコンTFT、以下単にTFTと記す)は同一基板103上に形成されており、光電変換素子の下部電極は、TFTの下部電極(ゲート電極)と同一の第1の金属薄膜層104で共有されており、光電変換素子の上部電極は、TFTの上部電極(ソース電極、ドレイン電極)と同一の第2の金属薄膜層105で共有されている。また、第1及び第2の金属薄膜層は、光電変換回路部内の、ゲート駆動用配線106、マトリクス信号配線107も共有している。図12においては、画素数として2×2の計4画素分が記載されている。図12のハッチング部は、光電変換素子の受光面である。109は光電変換素子にバイアスを与える電源ラインである。また、110は光電変換素子とTFTを接続するためのコンタクトホールである。
アモルファスシリコン半導体を主たる材料にした図12で示されるような構成を用いれば、光電変換素子、スイッチ素子、ゲート駆動用配線、マトリクス信号配線を、同一基板上に同時に作製することができ、大面積の光電変換回路部が容易に、しかも安価に提供することができる。
次に、光電変換素子単体のデバイス動作について説明する。図14(a)〜(c)は、図12及び図13に示す光電変換素子のデバイス動作を説明するためのエネルギーバンド図である。本光電変換素子には、第1及び第2の金属薄膜層104及び105への電圧の印加の仕方によりリフレッシュモードと光電変換モードという2種類の動作モードがある。
図14(a)、(b)は、それぞれリフレッシュモード、光電変換モードの動作を示しており、図13で示される各層の膜厚方向の状態を表している。M1は第1の金属薄膜層104(例えばCr)で形成された下部電極(G電極)である。アモルファス窒化シリコン(a−SiNx)層111は、電子、ホール共にその通過を阻止する絶縁層であり、トンネル効果をもたらさない程度の厚さが必要であり、通常500オングストローム以上に設定される。水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)層112は意図的にドーパントをドープしていない真性半導体層(i層)で形成された光電変換半導体層である。N+層113は、a−Si:H層112へのホールの注入を阻止するために形成されたN型a−Si:H層等の非単結晶半導体からなる単一導電型キャリアの注入阻止層である。また、M2は第2金属薄膜層105(例えばAl)で形成される上部電極(D電極)である。
図12では、D電極はN+層を完全には覆っていないが、D電極とN+層との間は電子の移動が自由に行われるためD電極とN+層は常に同電位であり、以下の説明は、そのことを前提としている。
リフレッシュモードを示す図14(a)において、D電極はG電極に対して負の電位が与えられており、i層(a−Si:H)中の黒丸(●)で示されたホールは電界によりD電極に導かれる。同時に白丸(○)で示された電子はi層に注入される。この時、一部のホール及び電子はN+層又はi層において互いに再結合して消滅する。十分に長い時間この状態が続けば、i層内のホールはi層から掃き出される。
この状態から光電変換モードを示す図14(b)にするためには、D電極にG電極に対し正の電位を与える。すると、i層中の電子は瞬時にD電極に導かれる。しかし、N+層が注入阻止層として働くため、ホールがi層に導かれることはない。この状態でi層に光が入射すると、i層に光が吸収されて電子−ホール対が発生する。そして、電子は電界によりD電極に導かれ、一方、ホールはi層内を移動してi層とa−SiNx絶縁層との界面に達する。このとき、ホールはa−SiNx絶縁層内までは移動できないため、i層内に留まることになる。このように、電子はD電極に移動し、ホールはi層内の絶縁層との界面に移動するため、光電変換素子内の電気的中性を保つために電流がG電極から流れる。この電流の大きさは、光の入射により発生した電子−ホール対に対応するため、入射した光の量に比例する。
そして、光電変換モードである図14(b)の状態がある期間だけ保たれた後、再びリフレッシュモードの図14(a)の状態になると、i層に留まっていたホールは前述のようにD電極に導かれ、同時にこのホールに対応した電流が流れる。このホールの量は光電変換モード期間中に入射した光の総量に対応する。この時、i層内に注入される電子の量に対応した電流も流れるが、この量はおよそ一定なため、差し引いて検出すればよい。つまり、この光電変換素子はリアルタイムに入射する光の量を出力すると同時に、ある期間に入射した光の総量も検出することができる。
但し、何らかの理由により光電変換モードの期間が長くなった場合や入射する光の照度が強い場合、光の入射があるにもかかわらず電流が流れないことがある。これは、図14(c)に示すように、光電変換モード中にi層内にホールが多数留まり、このホールのためi層内の電界が小さくなり、発生した電子がD電極に導かれなくなり、i層内でホールと再結合してしまうからである。この状態は光電変換素子の飽和状態と称される。この状態で光の入射の状態が変化すると、電流が不安定に流れることもあるが、再びリフレッシュモードにすればi層内のホールは掃き出され次の光電変換モードでは再び光に比例した電流が流れる。
このような従来の放射線撮像装置を用いたX線撮影では、先ず、光電変換素子をリフレッシュモードとして、リフレッシュ動作を行う、次に、光電変換素子を光電変換モードとした上でX線を照射し、そして、読み出し動作を行うことにより、1枚の静止画像を取得している。また、連続した動画像を取得しようとする場合には、これらの一連の処理を取得したい動画の枚数分だけ繰り返し行えばよい。
ここで、動画像の撮影方法について説明する。図15は、動画像撮影時の動作を示すタイムチャートである。
先ず、撮影前にリフレッシュ動作R1を行い、i層内のホールキャリアを掃き出し、光電変換ができる状態にする。次に、X線をパルス状に照射する。ここでは、一例として、パルスを4回照射するものとする。X1が1回目のパルス照射を示しており、X2が2回目、X3が3回目、X4が4回目を示している。また、X線の照射後には、読み出し動作及びA/D変換を行う。ここでの読み出し動作とは、光電変換素子のリセット、スイッチ素子のオン、画像データのサンプルホールド及び画像データの転送による読み出し動作を示している。F1が1回目のX線照射X1後の読み出し及びA/D変換を示しており、F2が2回目のX線照射X2後の読み出し読み出し及びA/D変換を示し、F3が3回目のX線照射X3に対応し、F4が4回目のX線照射X4に対応している。つまり、図15に示す例では、総計で4回のX線照射、読み出し及びA/D変換のサイクルを繰り返している。
読み出し動作及びA/D変換後には、画像データのメモリへの書き込み動作、及びオフセット補正等の画像処理動作F1’〜F4’を行い、その後、ディスプレイに画像を表示する(表示D1〜D4)。
このような1連の動作に関し、従来のMIS型光電変換素子を用いた動画撮影では、必ず数〜数十フレーム撮影毎に1回のリフレッシュ動作を行っている。例えば、図15に示す従来例では、4フレーム撮影毎に1回のリフレッシュ動作を行っている。つまり、最初に1回のリフレッシュ動作(R1)を行い、4回X線照射(X1〜X4)を行い、再びリフレッシュ動作(R2)を1回行っている。このようにリフレッシュ動作を行うのは、4回のX線照射により、光電変換素子のi層内にキャリアが充満し、光電変換できなくなっているためであり、リフレッシュ動作を行うことにより、光電変換素子のi層内のキャリアを掃き出しているのである。
しかしながら、リフレッシュ動作を行うと、その期間にはX線照射を行うことができないため、この期間の分だけ表示を行うことができない。例えば、図15に示す従来例では、表示D4と表示D5との間で画像が途切れている。この結果、MIS型光電変換素子を備えた従来の放射線撮像装置を用いた場合、終始連続した動画撮影を行うことができず、ディスプレイに動画像を表示した際、画面にチラツキが発生していまい、診断しにくいことがある。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る放射線撮像システムの構成を示す模式図である。図1において、201はX線室、202はX線制御室、203は診断室を表している。本X線撮像システムの全体的な動作は、X線制御室202内に備えられたシステム制御部210によって支配される。
X線制御室202内の操作者インターフェース211としては、例えば、ディスプレイ上のタッチパネル、マウス、キーボード、ジョイスティック、フットスイッチ等がある。操作者インターフェース211から撮像条件(静止画、動画、管電圧、管電流、照射時間等)、撮像タイミング、画像処理条件、被検体ID及び取込画像の処理方法等の設定を行うことができる。但し、これらのうちのほとんどの情報は、放射線情報システム(図示せず)から転送されるので、個別に入力しなくてもよい。操作者の重要な作業は、撮影した画像の確認作業である。つまり、アングルが正しいか、患者が動いていないか、画像処理が適切か等の判断を行う。
システム制御部210は、操作者205又は放射線情報システム(図示せず)からの指示に基づいた撮像条件を、X線撮像シーケンスを司る撮像制御部214に指示し、データの取り込み動作に入る。撮像制御部214は、その指示に基づき放射線源であるX線発生装置120、撮像用寝台130及び放射線撮像装置140を駆動して画像データを取り込み、画像処理部10に転送する。システム制御部210は、その後、操作者205から指定された画像処理を施してディスプレイ160に表示し、また、オフセット補正及び白補正等の基本画像処理を行った生データを外部記憶装置161に保存する。システム制御部210は、更に、操作者205の指示に基づいて、再画像処理、再生表示、ネットワーク上の装置への画像データの転送・保存、ディスプレイ表示、及びフィルムへの印刷等を行う。
次に、信号の流れを追って順次説明を加える。
X線発生装置120には、X線管球121とX線絞り123とが含まれる。X線管球121は撮像制御部214に制御された高圧発生電源124によって駆動され、X線ビーム125を放射する。X線絞り123は撮像制御部214により駆動され、撮像領域の変更に伴い、不必要なX線照射を行わないようにX線ビーム125を整形する。X線ビーム125はX線透過性の撮像用寝台130の上に横たわった被検体126に向けられる。撮像用寝台130は、撮像制御部214の指示に基づいて駆動される。X線ビーム125は、被検体126及び撮像用寝台130を透過した後に放射線撮像装置140に照射される。
放射線撮像装置140には、グリッド141、蛍光板142、光電変換回路部8、X線露光量モニタ144及び駆動回路145が設けられている。グリッド141は、被検体126を透過することによって生じるX線散乱の影響を低減する。グリッド141は、例えばX線低吸収部材と高吸収部材とから構成されており、例えば、AlとPbとのストライプ構造を備えている。そして、光電変換回路部8とグリッド141との格子比の関係によりモアレが生じないようにX線照射時には撮像制御部214の指示に基づいてグリッド141が振動する。
蛍光板142、光電変換素子アレイ(光電変換回路部)8及び駆動回路145は、ディジタルX線撮像装置の構成要素として設けられている。蛍光板142ではエネルギーの高いX線によって蛍光体の母体物質が励起され、再結合する際の再結合エネルギーにより可視領域の蛍光が得られる。その蛍光はCaWo4やCdWO4等の母体自身によるものやCsI:TlやZns:Ag等の母体内に付活された発光中心物質によるものがある。この蛍光板142に隣接して光電変換回路部8が配置されている。この光電変換回路部8は、光子を電気信号に変換する。X線露光量モニタ144はX線透過量を監視するものである。X線露光量モニタ144は、結晶シリコンの受光素子等を用いて直接X線を検出するものであってもよいし、また、蛍光板142からの光を検出するものであってもよい。本実施形態では、光電変換回路部8を透過した可視光(X線量に比例)を光電変換回路部8の基板の裏面に成膜されたアモルファスシリコン受光素子で検知し、撮像制御部214にその情報を送り、撮像制御部214がその情報に基づいて高圧発生電源124を駆動してX線を遮断又は調節する構成としている。駆動回路145は、読み出し回路部及びA/Dコンバータを含んでおり、撮像制御部214の制御下で、光電変換回路部8を駆動し、各画素からアナログ信号を読み出した後、このアナログ信号をディジタル信号に変換する。
放射線撮像装置140からの画像信号は、X線室201からX線制御室202内の画像処理部10へ転送される。この転送の際、X線室201内ではX線発生に伴うノイズが大きくなっていることがある。そこで、画像データがノイズのために正確に転送されない場合も想定されるため、転送路の耐雑音性を高くしておくことが望ましい。例えば、誤り訂正機能をもたせた伝送系にすることや、差動ドライバによるシールド付き対より線や光ファイバによる転送路を用いることが望ましい。画像処理部10は、撮像制御部214の指示に基づき表示データを切り替える。また、画像処理部10は、画像データの補正(オフセット補正、白補正)、空間フィルタリング、リカーシブ処理等をリアルタイムで行い、階調処理、散乱線補正及び各種空間周波数処理等を行うことも可能である。
画像処理部10により処理された画像は、ディスプレイアダプタ151を介してディスプレイ160に表示される。また、リアルタイム画像処理と同時に、データの補正のみが行なわれた基本画像は、外部記憶装置161に保存される。外部記憶装置161としては、大容量、高速かつ高信頼性を満たすデータ保存装置が望ましく、例えば、RAID等のハードディスクアレー等を用いることが望ましい。また、操作者205の指示に基づいて、外部記憶装置161に蓄えられた画像データは外部記憶装置162に保存される。その際、画像データは所定の規格(例えば、IS&C)を満たすように再構成された後に、外部記憶装置162に保存される。外部記憶装置162は、例えば、光磁気ディスクである。また、外部記憶装置162の代わりに、LANボード163を介して接続された診断室203内のファイルサーバ170に備えられたハードディスク等に保存してもよい。そして、診断室203内で画像処理用端末173によって画像データに対して種々の処理を行い、モニタ174に表示することもできる。
次に、光電変換回路部8及び駆動回路145内の読み出し回路部9について説明する。図2は、光電変換回路部8及び読み出し用回路部の2次元的構成を示す回路図である。但し、説明を簡単化するために3×3=9画素分で記載してある。
図2において、S1−1〜S3−3は光電変換素子、T1−1〜T3−3はスイッチ素子(TFT:Thin Film Transistor)、G1〜G3はTFTをオン/オフさせるためのゲート配線、M1〜M3は信号配線、Vs線は光電変換素子に蓄積バイアスを与えるための配線である。各光電変換素子S1−1〜S3−3の黒く塗りつぶされた側の電極はG電極であり、対向側はD電極である。D電極は、Vs線の一部と接続されているが、光を入射させる都合上、例えば、薄いN+層がD電極として使用される。本実施形態では、光電変換素子S1−1〜S3−3、スイッチ素子T1−1〜T3−3、ゲート配線G1〜G3、信号配線M1〜M3及びVs線が光電変換回路部8に含まれている。Vs線は、電源Vsによりバイアスされる。SR1はゲート配線G1〜G3に駆動用のパルス電圧を与えるシフトレジスタであり、TFTをオンさせる電圧は外部から供給さる。また、制御信号VSCは、光電変換素子のVs線、即ち光電変換素子のD電極に、2種類のバイアスを与えるためのものである。D電極は、制御信号VSCが“Hi”の時にVref(V)になり、“Lo”の時にVs(V)になる。読み取り用電源Vs(V)、リフレッシュ用電源Vref(V)は、夫々直流電源であり、例えば、Vsは9V、Vrefは3Vとする。
読み出し用回路部9は、光電変換回路部内の信号配線M1〜M3の並列信号出力を増幅し、直列変換して出力する。RES1〜RES3は信号配線M1〜M3をリセットするスイッチ、A1〜A3は信号配線M1〜M3の信号を増幅するアンプ、CL1〜CL3はアンプA1〜A3により増幅された信号を一時的に記憶するサンプルホールド容量、Sn1〜Sn3はサンプルホールドするためのスイッチ、B1〜B3はバッファアンプ、Sr1〜Sr3は並列信号を直列変換するためのスイッチ、SR2はスイッチSr1〜Sr3に直列変換するためのパルスを与えるシフトレジスタ、Abは直列変換された信号を出力するバッファアンプである。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るX線撮像装置の1画素の構成を示す等価回路図である。1画素には、1個の光電変換素子及び1個のスイッチ素子(TFT)が含まれている。光電変換素子の平面構造及び断面構造は、図12及び図13に示すそれらと同様である。そして、図3においては、光電変換素子に、半導体光電変換層としての水素化アモルファスシリコン等からなるi層による容量成分Ciと、アモルファス窒化シリコン等の絶縁層(両導電型のキャリアの注入阻止層)による容量成分CSiNとが存在することを表記してある。
また、光電変換素子が飽和状態、即ちD電極とノードNとの間(i層)に電界がない状態か、又は電界があっても小さい状態となると、光によって生成された電子とホールとが互いに再結合するため、i層と絶縁層との接合点(図3中のノードN)は、ホールキャリアを蓄えることができなくなる。つまり、ノードNの電位はD電極の電位より高くなることはない。この飽和状態における動作を具現化するために、図3では、ダイオード(D1)が容量成分Ciに並列に接続されていると表記してある。即ち、図3においては、光電変換素子を、Ci、CSiN及びD1の3つのコンポーネントで表記してあり、この光電変換素子が図2中の光電変換素子S1−1〜S3−3の各々に相当する。
また、図3において、TFTは薄膜トランジスタでスイッチ素子であり、図2中のスイッチ素子T1−1〜T3−3の各々に相当する。C2は信号配線に付加される読み出し容量であるが、図2では省略してある。FlはX線波長を可視領域波長に変換するための波長変換用の蛍光体であり、直接又は間接的にTFTと密着した位置に配置されている。蛍光体の母体材料には、例えばGd2O2SやGd2O3等が用いられ、発光中心には、例えばTb3+やEu3+等の希土類元素のイオンを含む材料が用いられる。また、CsI:TlやCsI:Na等のCsIを母体材料に用いた蛍光体を用いてもよい。
スイッチSW−Bは、ゲート配線G1〜G3を介してTFTに印加する電圧を切り替えるためのスイッチであり、図2に示すシフトレジスタSR1内に設けられている。また、スイッチSW−Cは読み出し容量C2をGND電位にリセットするためのスイッチであり、RC(CRES)信号により制御される。スイッチSW−Cは、図2中のスイッチRES1〜RES3の各々に相当する。また、Vg(on)(=Vcom)はTFTをオンさせ信号電荷を読み出し容量C2に転送するための電源であり、Vg(off)はTFTをオフさせるための電源である。
次に、図3に示す1画素分の回路動作について、図3及び図4を参照しながら説明する。図4は、1画素分の回路動作を示すタイムチャートである。この回路動作には、リフレッシュ動作、X−ray照射動作、転送動作及びリセット動作が含まれ、これらに対応して、リフレッシュ期間、X−ray照射期間、転送期間及びリセット期間が設けられている。
先ず、リフレッシュ期間について説明する。リフレッシュ動作では、先ず、スイッチSW−AをVref側、スイッチSW−BをVg(on)側、スイッチSW−Cをオンにする。この状態にすることにより、D電極は3VのVrefにバイアスされ、G電極はGND電位にバイアスされ、ノードNは最大でVref(3V)にバイアスされる。ここで、最大というのは、以下のような状況を意味している。もし、本リフレッシュ動作より前の光電変換動作により、ノードNの電位が既にVref以上の電位に達していると、ダイオードD1を介して、ノードNはVrefにバイアスされる。一方、本リフレッシュ動作より前の光電変換動作によりノードNの電位がVref以下となっている場合には、本リフレッシュ動作によってノードNがVrefの電位にバイアスされることはない。なお、実際の使用にあたっては、複数回の光電変換動作を過去に繰り返していれば、ノードNは、本リフレッシュ動作により事実上Vref(3V)にバイアスされるといってよい。
リフレッシュ動作では、ノードNがVrefにバイアスされた後に、スイッチSW−AをVs側に切り替える。これにより、D電極はVs(9V)にバイアスされる。このリフレッシュ動作により、光電変換素子のノードNに蓄えられていたホールキャリアがD電極側へ一掃される。
次に、X−ray照射期間について説明する。X−ray照射動作では、スイッチSW−AをVs側、スイッチSW−BをVg(off)側、スイッチSW−Cをオフにする。また、X線は、図4に示すように、パルス状に照射する。被検体を透過したX線は蛍光体Flに照射され、可視光に変換される。蛍光体からの可視光は半導体層(i層)に照射され光電変換される。光電変換により生成されたホールキャリアはi層と絶縁層(注入阻止層)との界面に蓄えられ、ノードNの電位を上昇させる。TFTはオフした状態なのでG電極側の電位も同じ分だけ上昇する。
次に、転送期間について説明する。転送動作では、スイッチSW−AをVs側、スイッチSW−BをVg(on)側、スイッチSW−Cをオフにする。この結果、TFTがオン状態となる。これにより、X−ray照射により蓄えられたホールキャリアの量に対応する量の電子キャリアが、読み出し容量C2側からTFTを介してG電極側に流れ、これに伴って読み出し容量C2の電位が上昇する。このとき、ホールキャリアの量(Sh)と電子キャリアの量(Se)との間には、Se=Sh×CSiN/(CSiN+Ci)の関係が成り立つ。読み出し容量C2の電位は、同時にアンプを介して増幅して出力される。TFTは信号電荷を充分に転送するに足りる時間だけオンさせ、やがてオフさせる。
次に、リセット動作について説明する。リセット動作では、スイッチSW−AをVs側、スイッチSW−BをVg(off)側、スイッチSW−Cをオンにする。この結果、読み出し容量C2がGND電位にリセットされ、次のX−ray照射に備える。
このようにして、1枚の画像が取得される。そして、X−ray照射動作、転送動作及びリセット動作のサイクルを、この1枚目の画像取得のためのサイクルを含めて総計で4回連続して行った後、再度リフレッシュ動作を行うことにより、光電変換素子の飽和量を初期化する。このように、リフレッシュ動作を行うと、前述のように、画面にチラツキが発生する虞があるが、本実施形態では、後述の構成及び方法により、チラツキを抑制することが可能である。
次に、図2に示す光電変換装置の動作について、図2及び図5を参照しながら説明する。図5は、光電変換装置の動作を示すタイムチャートである。
先ず、リフレッシュ期間の動作について説明する。リフレッシュ期間には、シフトレジスタSR1の信号をすべて“Hi”の状態とし、かつ読み出し用回路部9のCRES信号を“Hi”の状態とする。これは、図3に示す1画素分の回路で、スイッチSW−BをVg(off)側にし、スイッチSW−Cをオンにすることに相当する。この結果、スイッチング用の全TFT(T1−1〜T3−3)が導通し、かつ読み出し用回路部9内のスイッチ素子RES1〜RES3も導通し、全光電変換素子S1−1〜S3−3のG電極がGND電位になる。そして、制御信号VSCを“Hi”とすると、全光電変換素子のD電極がリフレッシュ用電源Vrefにバイアスされた状態(負電位)になる。この結果、全光電変換素子S1−1〜S3−3はリフレッシュモードになり、リフレッシュが行われる。
次に、光電変換期間について説明する。光電変換期間には、制御信号VSCを“Lo”の状態に切り替える。これは、図3に示す1画素分の回路で、スイッチSW−AをVs側にすることに相当する。この結果、全光電変換素子S1−1〜S3−3のD電極は読み取り用電源Vsにバイアスされた状態(正電位)になり、光電変換素子は光電変換モードになる。
次いで、シフトレジスタSR1の信号をすべて“Lo”で、かつ読み出し用回路部9のCRES信号を“Lo”の状態にする。この結果、スイッチング用の全TFT(T1−1〜T3−3)がオフし、かつ読み出し用回路部9内のスイッチ素子RES1〜RES3もオフし、全光電変換素子S1−1〜S3−3のG電極が直流的にはオープン状態になるが、光電変換素子はコンデンサでもあるため電位が保持される。但し、この時点では、光電変換素子に光(X線)は入射されていないため、電荷は発生しない。即ち、電流は流れない。
その後、光源がパルス的にオンすると、夫々の光電変換素子のD電極(N+電極)に光が照射され、所謂、光電流が流れる。また、光によって流れた光電流は、電荷として夫々の光電変換素子内に蓄積され、光源がオフとなった後も保持される。なお、光源については、図2中に特に示してないが、例えば、X線撮影装置であれば文字通りX線源であり、この場合X線可視変換用のシンチレータを用いればよい。また、本発明は、X線撮像装置以外の撮像装置にも適用することができ、複写機に適用した場合の光源としては、例えば蛍光灯、LED又はハロゲン灯等が用いられる。
次に、読み出し期間について説明する。ここでの読み出し期間には、図4に示すリセット期間も含まれている。読み出し期間には、先ず、第1行目の光電変換素子S1−1〜S1−3、次に、第2行目の光電変換素子S2−1〜S2−3、最後に、第3行目の光電変換素子S3−1〜S3−3の順で読み出しを行う。即ち、先ず、第1行目の光電変換素子S1−1〜S1−3からの読み出しを行うために、スイッチ素子(TFT)T1−1〜T1−3のゲート配線G1にシフトレジスタSR1からゲートパルスを与える。ゲートパルスのハイレベルは、前述のように、外部から供給されている電圧Vcomである。この結果、スイッチ素子T1−1〜T1−3がオン状態になり、光電変換素子S1−1〜S1−3に蓄積されていた信号電荷が、信号配線M1〜M3に転送される。そして、信号配線M1〜M3に転送された信号電荷は、アンプA1〜A3により増幅される。なお、図2には図示していないが、信号配線M1〜M3には、読み出し容量が付加されており、信号電荷はTFTを介して、読み出し容量に転送される。例えば、信号配線M1に付加されている読み出し容量は、信号配線M1に接続されているスイッチ素子T1−1〜T3−1を構成するTFTのゲート/ソース間の電極間容量(Cgs)の総和(3個分)であり、この総和が図3における読み出し容量C2に相当する。
次いで、SMPL信号をオンさせることにより、サンプルホールド容量CL1〜CL3に転送され、SMPL信号をオフするとともにホールドされる。続いて、シフトレジスタSR2からスイッチSr1、Sr2、Sr3の順番で、パルスを印加することにより、サンプルホールド容量CL1〜CL3にホールドされていた信号が、サンプルホールド容量CL1、CL2、CL3の順でアンプAbからA/D変換回路部203にVoutとして出力される。結果として、光電変換素子S1−1、S1−2及びS1−3の1行分の光電変換信号が順次出力される。また、シフトレジスタSR2からスイッチSr1にパルスを印加すると同時に、CRES信号をオンすることにより、信号配線M1〜M3をGND電位にリセットする。これは、図3に示す1画素分の回路で、スイッチSW−Cをオンすること(リセット期間)に相当する。
更に、信号配線M1〜M3をGND電位にリセットした後には、第2行目の光電変換素子S1−1〜S1−3からの読み出しを行うために、スイッチ素子(TFT)T2−1〜T2−3のゲート配線G2にシフトレジスタSR1からゲートパルスを与える。このようにして、第2行目の光電変換素子S2−1〜S2−3の読み出し動作、第3行目の光電変換素子S3−1〜S3−3の読み出し動作を続けて行う。このように、信号配線M1〜M3の信号をサンプルホールド容量CL1〜CL3にサンプルホールドさせることにより、シフトレジスタSR2を用いて第1行目、第2行目の信号の直列変換動作を行っている間に、同時にシフトレジスタSR1を用いて第2行目、第3行目の光電変換素子S2−1〜S2−3、S3−1〜S3−3の信号電荷を転送することができる。
以上の動作により、第1行目から第3行目のすべての光電変換素子の信号電荷を出力することができ、1枚の静止画像が取得される。その後、連続した動画像を取得するために、リフレッシュ動作を行わずに、例えば、光電変換期間及び読み出し期間(リセット期間を含む)のサイクルを更に3回繰り返し、総計で4枚の画像データを取得する。
ここで、動画像の撮影の際にリフレッシュ動作を行うタイミング及びリフレッシュ動作に伴う画像データの処理方法について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像システムの動作を示すフローチャートであり、図7は、図6に示すフローチャートに沿ったタイムチャートである。但し、図7には、図4と同様に、1画素分の動作を示す。
本実施形態に係る放射線撮像システムでは、撮影動作を開始すると、先ず、リフレッシュ動作を行うことにより(ステップS1)、光電変換素子を初期化し、光電変換の準備を行う。次に、動画撮影が終了するまで、「撮影継続ループ(ステップS2〜S10)」の処理を行う。
「撮影継続ループ」では、先ず、フレーム番号nを1に設定する(ステップS2)。次に、「撮影ループ(ステップS3〜S8)」の処理を行う。
「撮影ループ」では、先ず、X線発生装置120を用いてX線の照射を行う(ステップS3)。次に、駆動回路145内の読み出し回路部を用いて光電変換回路部8からの画像データの読み出しを行う(ステップS4)。次いで、駆動回路145内のA/Dコンバータを用いて画像データのA/D変換を行う(ステップS5)。その後、画像処理部10を用いて画像処理を行う(ステップS6)。そして、当該フレーム(第nフレーム)の画像を、ディスプレイアダプタ151を介してディスプレイ160に表示する(ステップS7)。続いて、フレーム番号nをn+1に変更する(ステップS8)。この結果、フレーム番号が4以下であれば、再度「撮影ループ」の処理を行う。一方、フレーム番号が4以下でなくなった場合(具体的には、フレーム番号が5に達した場合)は、「撮影ループ」の処理を終了し、リフレッシュ動作を行う(ステップS9)。つまり、本実施形態では、「撮影ループ」の処理を4回連続して行った後、リフレッシュ動作を行う。
ステップS9のリフレッシュ動作を行った後には、第(n−1)フレームの画像をディスプレイ160に表示する(ステップS10)。即ち、1つ前のフレーム(第4フレーム)の画像を再度表示する。そして、撮影を継続する場合には、再度「撮影継続ループ」の処理を行う。
但し、図6に示すフローチャートでは、流れを簡単に示すために、X線照射(ステップS3)、読み出し(ステップS4)、A/D変換(ステップS5)及び画像処理(ステップS6)を順番に行うものとしているが、図7に示すように、X線照射及び読み出しを行った後に、直ちに次フレームのX線照射を行うことにより、A/D変換及び画像処理と次フレームの撮影を並行して行うことが好ましい。
図7に示すタイムチャートにおいて、R1〜R3はリフレッシュ動作、X1〜X10はX線照射、F1〜F10は信号の読み出し及びA/D変換、F1’〜F10’はメモリへの書き込み及び画像処理、D1〜D10はディスプレイでの表示を夫々示している。また、図4が2回のリフレッシュ動作間の動作を示しているのに対し、図7はより長い期間の動作を示したものでもある。
本実施形態では、放射線撮像装置140内の光電変換素子のリフレッシュ動作をR1で行い、光電変換素子内のホールキャリアを掃き出し、光電変換の準備を行う。次に、放射線撮像装置140の前に立たせた被検体126に対しX線を4回パルス状(X1〜X4)で照射する。照射されたX線は被検体126の情報を得て放射線撮像装置140に入射し、入射したX線は蛍光板142により波長変換され、光電変換回路部8で電気信号として検出される。
次いで、検出された電気信号(アナログ信号)は、駆動回路145により読み出され、更に、A/D変換が施され、ディジタル信号となる。1回目のX線パルスX1に対応した読み出しがF1、2回目のX線パルスX2に対応した読み出しがF2、3回目のX線パルスX3に対応した読み出しがF3、4回目のX線パルスX4に対応した読み出しがF4であり、総計で4フレーム分の読み出し及びA/D変換が順次行われる。
その後、読み出されたディジタル信号は、撮影制御部214内のメモリに書き込まれ、画像処理部10により画像処理(オフセット補正、ゲイン補正等)が行われる。読み出し処理F1に対応したメモリへの書き込み及び画像処理がF1’であり、読み出し処理F2に画像処理F2’が対応し、読み出し処理F3に画像処理F3’が対応し、読み出し処理F4に画像処理F4’が対応する。
続いて、ディスプレイアダプタ151を介して、画像処理が施された画像データをディスプレイ160に表示する。画像処理F1’に対応したディスプレイの表示がD1であり、順次D1、D2、D3、D4と表示する。但し、X線パルス照射X4とX5との間で、リフレッシュ動作を行っているため、その期間に対応する画像データは存在しない。そこで、第1の実施形態では、補間用の信号としてX線パルス照射X4に伴って得られた信号をディスプレイに表示させる。即ち、D4のディスプレイでの表示を継続して行う。
このような第1の実施形態によれば、リフレッシュ動作により画像データが存在しない期間に対応するディプレイでの表示に当たり、前フレームを継続して表示させるため、画像データのないフレームを補間することができ、この結果、画面のチラツキを抑えることができる。
なお、リフレッシュモードでi層内のホールを掃き出すに当たっては、すべてのホールを掃き出すことが理想であるが、一部のホールを掃き出すだけでも、十分な電流が得られるため特に問題はない。つまり、次の光電変換モードでの検出機会において、図14(c)に示すような飽和状態になっていなければよい。また、リフレッシュモードでのD電極のG電極に対する電位、リフレッシュモードの期間及びN+層の注入阻止層の特性は、この条件が満たされるように決めればよい。更に、リフレッシュモードにおいてi層への電子の注入は必要条件でなく、D電極のG電極に対する電位は負に限定されるものでもない。多数のホールがi層に留まっている場合には、例えD電極のG電極に対する電位が正の電位であっても、i層内の電界はホールをD電極に導く方向に加わるからである。また、注入阻止層であるN+層の特性も同様に電子をi層に注入できることが必要条件ではない。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像システムの動作を示すフローチャートである。本実施形態では、フレーム数ではなく、各画素から出力された信号の量、即ち各画素を構成する光電変換素子に蓄積したキャリアの量に応じて、リフレッシュを行うタイミングを決定する。そして、リフレッシュを行う際に、Vs線に印加する電圧をVs(例えば、9V)からリフレッシュ電圧Vref(例えば、3V)に変化させる。
先ず、初期化のリフレッシュ(ステップS21)を行った後、「撮影継続ループ(ステップS22〜S29)」に入り、撮影が終了するまで撮影継続ループの処理を続ける。撮影継続ループでは、Vs線の電圧がリフレッシュ電圧Vrefとなっているか判断する(ステップS22)。
そして、Vs線の電圧がリフレッシュ電圧Vrefに変更されていなければ、フレーム番号をnからn+1に変更する(ステップS24)。そして、第1の実施形態と同様にして、X線照射(ステップS25)から画像処理(ステップS28)までの処理を行う。続いて、変更後のフレーム番号nに対応するフレームの画像をディスプレイ160に表示する(ステップS29)。そして、撮影を継続する場合には、再度「撮影継続ループ」の処理を行う。
一方、Vs線の電圧がリフレッシュ電圧Vrefに変更されている場合には、リフレッシュ動作を行い(ステップS23)、フレーム番号nを変更することなく、フレーム番号nに対応するフレームの画像をディスプレイ160に表示する(ステップS29)。即ち、1つ前のフレームの画像を再度表示する。そして、撮影を継続する場合には、再度「撮影継続ループ」の処理を行う。
このような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、連続撮影枚数ではなくセンサバイアスVsに基づいてリフレッシュ動作を行うか否かの判断を行うため、連続撮影枚数を規定する必要がないという利点もある。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像システムの動作を示すタイムチャートである。但し、図9には、図7と同様に、1画素分の動作を示す。
第1及び第2の実施形態では、リフレッシュ動作期間に対応する画像データがない期間では、直前のフレームを継続して描画させているのに対し、本実施形態では、リフレッシュ動作期間の直前のフレーム及び直後のフレームを用いて中間画像を生成し、この結果得られた画像をリフレッシュ動作期間に対応する画像として描画させる。中間画像生成の方法としては、例えば、モーフィング等が挙げられる。そして、第3の実施形態では、リアルタイム撮影を行うために、処理時間が短くなるよう(直前フレーム+直後フレーム)/2=4.5フレームとして生成し、D4とD5の間にD4.5として表示している。
このような第3の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態に比べ、中間画像を生成することにより、動画をスムーズに描画させることができる。
なお、第3の実施形態では、中間画像の生成に当たり、リフレッシュ動作の直前及び直後の1フレームずつを用いているが、直前及び直後の2フレームずつを用いてもよく、更に多数のフレームを用いてもよい。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図10及び図11は、本発明の第4の実施形態に係る放射線撮像システムの動作を示す模式図である。図10及び図11には、ディスプレイ160に表示された画像の一例を示している。図10は、撮影により実際に得られたフレームの画像を示す図であり、図11は、補間したフレームの画像を示す図である。
第4の実施形態では、診断する技師が、実際のフレームと補間したフレームとを識別できるように、補間したフレームにマーキングを付する。即ち、図10に示すように、実際のフレームには、特別の表示を行わず、補間したフレームには、図11に示すように、マーキング200を付する。
このように、どのフレームで補間が行われたのかを技師が識別することができれば、動画撮影した画像から静止画像を選んで診断を行う場合でも、補間した画像データを用いて診断することを未然に回避することができ、補間した画像データを用いたことによって生じる誤診の虞を著しく低減することができる。
なお、図16に示すように、1回のX線照射の度にリフレッシュ動作を行う放射線撮像装置においても、これらの実施形態のようにリフレッシュ動作に対応させながら補間したフレームをディスプレイ160に表示するようにしてもよい。
また、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。