JP2005260433A - 受信タイミング検出装置及び受信タイミング検出方法 - Google Patents

受信タイミング検出装置及び受信タイミング検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 自局が送信中に通信相手から送信された信号が到達した場合でも、精度よく受信タイミングを検出すること。
【解決手段】 Yチップの通常パイロット信号と受信信号との相関演算が相関演算部105で行われ、この相関値を用いて遅延プロファイル生成部106が通常版対応遅延プロファイルを生成する。通常パイロット信号の先頭からαチップ分除いたY−αチップの短縮パイロット信号と受信信号との相関演算が相関演算部108で行われ、この相関値を用いて遅延プロファイル生成部109が短縮版対応遅延プロファイルを生成する。短縮版対応遅延プロファイルはパワ補正部110でパワ補正され、遅延プロファイル時間合成部111でパワ補正後の短縮版対応遅延プロファイルがαチップ分早められ、通常版対応遅延プロファイルと合成される。受信タイミング検出部112では、合成された遅延プロファイルから受信タイミングが検出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、受信タイミング検出装置及び受信タイミング検出方法に関し、例えば、TDD−CDMA方式の受信装置に適用して好適なものである。
W−CDMA/FDD(DS−CDMA)方式における受信タイミングの検出方法としては、特許文献1〜特許文献3に開示されている技術が知られている。
特許文献1には、遅延プロファイルのサンプル値の時間間隔を測定し、測定した時間間隔のうち最大の時間間隔の直後のサンプル値を先頭位置として検出する技術が開示されている。
特許文献2には、遅延プロファイルの変動を計測し、その計測結果から先頭位置を測定することで、チップレートを上げることなく先頭波位置を検出する技術が開示されている。
特許文献3には、あるサンプリング周波数で、受信信号と既知の信号系列との相互相関を取り、そのサンプリング周波数より速い周波数でインタポレーションフィルタを通すことにより、精度よく受信タイミングを算出する技術が開示されている。
これらの特許文献に開示された技術は、W−CDMA/FDD方式で用いられる受信タイミングの検出方法であり、TDD−CDMA方式であるTD−SCDMA方式及びTD−CDMA方式には適用できない場合がある。
以下、TD−SCDMA方式について説明する。TD−SCDMA方式では、基地局及び移動局間の上り回線と下り回線とで同一周波数帯を用いて、時分割複信が行われる。ここでは、基地局と移動局の同期獲得のため、下り回線用同期コード(以下、「SYNC−DLコード」という)と上り回線用同期コード(以下、「SYNC−ULコード」という)を用いる場合について説明する。
図10は、TD−SCDMA方式のフレームフォーマットを示す図である。TD−SCDMA方式のチップレートは1.28Mcpsである。この図では、1フレーム(10ms=12800チップ)が2つのサブフレーム(5ms=6400チップ)から形成され、1サブフレームが7つのスロット(1スロットは864チップ)と、32チップのガードピリオド(以下、「GP」という)及び64チップのSYNC−DLコードが格納されるDwPTS(96チップ)と、128チップのSYNC−ULコード及び32チップのGPが格納されるUpPTS(160チップ)とで形成される。なお、DwPTSとUpPTSとの間には、GP(96チップ)が挿入される。
スロット#0は下り回線、スロット#1〜#6は上下回線にフレキシブルに割り当てることができる。この図では、スロット#0及びスロット#2〜#6が下り回線に割り当てられており、基地局はこれらのスロットを用いて移動局に向けた送信を行い、スロット♯1は上り回線に割り当てられており、移動局はこのスロットを用いて基地局に向けた送信を行う様子を示している。
図11は、TD−SCDMA方式の無線部及びベースバンド処理部の構成を示すブロック図である。この図が示すように、無線部は、送受信共用のアンテナを時間的に切り替え、送信と受信を行っている。このため、送信中に受信を行うことは困難であり、逆に、受信中に送信を行うことも困難である。
次に、TD−SCDMA方式における基地局及び移動局間での同期獲得の処理について説明する。図12は、TD−SCDMA方式における基地局及び移動局間での同期獲得の処理の流れを示すフロー図である。この図において、ステップ(以下、「ST」という)11では、基地局が移動局にDwPCHを送信する。DwPCHでは、SYNC−DLコードが同期信号として使用される。
ST12では、移動局が基地局から送信されたSYNC−DLコードを受信し、下り回線同期処理を行い、基地局との同期を獲得する。ST13では、ビーコンチャネル又はDwPTSの受信電力をタイミングに変換する。例えば、受信電力が小さければ基地局から遠いものと判断し、送信タイミングを早めに設定し、受信電力が大きければ基地局から近いものと判断し、送信タイミングを遅めに設定する。ST14では、ST13で変換されたタイミングから送信タイミングを調整し、ST15では、調整した送信タイミングでUpPCHを基地局に送信する。UpPCHでは、SYNC−ULコードが同期信号として使用される。SYNC−ULコードは、1コードグループに8種類括り付けられており、移動局は、その中からランダムに選んだ1種類のSYNC−ULコードを送信する。
ST16では、基地局が移動局から送信されたSYNC−ULコードを受信し、受信したSYNC−ULコードが8種類のうちいずれのコードであるか判定し、また、そのコードの受信タイミングを検出する。ST17では、判定したSYNC−ULコード番号(ID)と受信タイミングをFPACHで移動局に送信する。
ST18では、移動局が基地局から送信されたFPACHを受信し、FPACHで通知されたSYNC−ULコードIDと受信タイミングを取得する。ST19では、基地局でのSYNC−ULコードの受信タイミングに基づいて、PRACHの送信タイミングを調整し、ST20では、PRACHを基地局に送信する。
ここで、TD−SCDMA方式における一般的な受信タイミング検出方法について図13を用いて説明する。図13では、横軸を時間軸とし、無線部の送信区間と受信区間を示している。無線部では、アンテナを時間的に切り替えて送信と受信を行っているため、送信区間と受信区間が時間的に区切られている。また、波形形状は受信区間で受信した信号を示している。
受信側では、既知信号であるパイロット信号(または、同期用信号)を含む受信信号とパイロット長Yチップのパイロット信号(または、同期用信号)との相関を取ることにより、伝搬路における位相回転量及び振幅変動量を示すチャネル推定値を算出する。この相関演算を行うタイミングをあるサンプリング周波数で時間的にずらし、受信タイミング測定区間の開始から終了までの間(Xチップ区間)、演算を行う。受信タイミングを測定しなければならない区間を受信タイミング測定区間といい、パイロット信号で相関演算を行う区間を窓幅という。図13では、受信タイミング測定区間と窓幅は同じ区間長としている。
相関演算によって算出された相関値(チャネル推定値)の同相成分と直交成分との2乗和である相関値のパワが所定の時間間隔で連続的に求められ、遅延プロファイルが生成される。生成された遅延プロファイルのピークを検出し、その先頭ピークのタイミングを受信タイミングとする。
図14は、SYNC−ULコードの受信タイミング測定区間を示す図である。3GPP仕様では、SYNC−ULコードの受信タイミングを測定する区間が256チップであると規定されている。SYNC−UL受信タイミング測定区間は、基地局のフレーム信号に同期したUpPTS区間の先頭を0とすると、それより前(早いタイミング)に128チップ(−128チップ)、それより後(遅いタイミング)に128チップ(+128チップ)である。
特開2001−230701号公報 特開2003−87154号公報 特許第2751959号公報
しかしながら、SYNC−ULコードの受信タイミングを測定しなければならない区間は、下り送信区間のDwPTSの位置と重なっている(正確には、−128〜−96チップの区間)。すなわち、基地局では、DwPTS区間で送信を行っており、SYNC−ULコードを受信することができず、受信タイミングの測定も行うことができない。
例えば、移動局でのタイミング変換精度が悪く、SYNC−ULコードが早いタイミングで送信された場合など、図14に示すように、基地局の送信区間でSYNC−ULコードが到達してしまい、受信タイミングを測定できなくなってしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、自局が送信中に通信相手から送信された信号が到達した場合でも、精度よく受信タイミングを検出する受信タイミング検出装置及び受信タイミング検出方法を提供することを目的とする。
本発明の受信タイミング検出装置は、TDD−CDMA方式を用いた通信における受信信号の受信タイミングを検出する受信タイミング検出装置であって、既知信号の先頭から所定チップ分除いた短縮既知信号を生成する短縮既知信号生成手段と、前記受信信号と前記短縮既知信号との相関演算を行う演算手段と、前記演算手段による演算結果を用いて遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル生成手段と、前記遅延プロファイルに基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、既知信号の先頭から所定チップ分除かれた短縮既知信号と受信信号との相関演算を行い、この演算結果を用いて遅延プロファイルを生成することにより、通信相手から送信された信号を受信することができない送信区間で、通信相手から送信された信号が到達した場合でも、短縮既知信号を用いて生成した遅延プロファイルは送信区間で到達した信号の遅延プロファイルを表しているので、精度よく受信タイミングを検出することができる。
本発明の受信タイミング検出装置は、上記構成において、前記受信タイミング検出手段が、前記遅延プロファイルを前記所定チップ分早め、当該遅延プロファイルにおけるピークを検出することにより、受信タイミングを検出する構成を採る。
この構成によれば、短縮既知信号を用いて生成した遅延プロファイルが通常の既知信号を用いて生成した遅延プロファイルに比べ、所定チップ分遅れた位置にピークが現れる性質を有するため、遅延プロファイルを所定チップ分早め、当該遅延プロファイルにおけるピークを検出することにより、正確なタイミングを検出することができるので、精度よく受信タイミングを検出することができる。
本発明の受信タイミング検出装置は、上記構成において、前記受信タイミング検出手段が、前記遅延プロファイルにおけるピークを検出し、検出したピークのタイミングを前記所定チップ分早めることにより、受信タイミングを検出する構成を採る。
この構成によれば、短縮既知信号を用いて生成した遅延プロファイルが通常の既知信号を用いて生成した遅延プロファイルに比べ、所定チップ分遅れた位置にピークが現れる性質を有するので、遅延プロファイルにおけるピークを検出し、検出したピークのタイミングを所定チップ分早めることにより、正確なタイミングを検出することができるので、精度よく受信タイミングを検出することができる。
本発明の受信タイミング検出装置は、上記構成において、前記既知信号を生成する既知信号生成手段と、前記受信信号と前記既知信号との相関演算を行う第1演算手段と、前記第1演算手段による演算結果を用いて遅延プロファイルを生成する第1遅延プロファイル生成手段と、を具備し、前記受信タイミング検出手段は、前記短縮既知信号を用いて生成され、前記所定チップ分早めた遅延プロファイルと、前記第1遅延プロファイル生成手段によって生成された遅延プロファイルとにおけるピークを検出することにより、受信タイミングを検出する構成を採る。
この構成によれば、短縮既知信号を用いて生成され、所定チップ分早めた遅延プロファイルと、第1遅延プロファイル生成手段によって生成された遅延プロファイルとにおけるピークを検出することにより、受信タイミングを検出するので、通信相手から送信された信号を受信することができない送信区間で、通信相手から送信された信号が到達した場合でも、短縮既知信号を用いて生成した遅延プロファイルは送信区間で到達した信号の遅延プロファイルを表しているので、精度よく受信タイミングを検出することができる。
本発明の受信タイミング検出装置は、上記構成において、前記短縮既知信号を用いて生成された遅延プロファイルのパワを前記所定チップ分除いたことによって減少した分補正する補正手段を具備する構成を採る。
この構成によれば、短縮既知信号を用いて生成された遅延プロファイルのパワは、既知信号を用いて生成された遅延プロファイルのパワに対して、既知信号から除かれた所定チップ分減少しており、この減少分を補正することにより、各遅延プロファイルのパワを同一基準とすることができ、精度よく受信タイミングを検出することができる。
本発明の移動局装置は、上記いずれかに記載の受信タイミング検出装置を具備する構成を採る。本発明の基地局装置は、上記いずれかに記載の受信タイミング検出装置を具備する構成を採る。
この構成によれば、既知信号の先頭から所定チップ分除かれた短縮既知信号と受信信号との相関演算を行い、この演算結果を用いて遅延プロファイルを生成することにより、通信相手から送信された信号を受信することができない送信区間で、通信相手から送信された信号が到達した場合でも、短縮既知信号を用いて生成した遅延プロファイルは送信区間で到達した信号の遅延プロファイルを表しているので、精度よく受信タイミングを検出することができる。
本発明の受信タイミング検出方法は、TDD−CDMA方式を用いた通信における受信信号の受信タイミングを検出する受信タイミング検出方法であって、既知信号の先頭から所定チップ分除いた短縮既知信号を生成する短縮既知信号生成工程と、前記受信信号と前記短縮既知信号との相関演算を行う演算工程と、前記演算工程での演算結果を用いて遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル生成工程と、前記遅延プロファイルに基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出工程と、を具備するようにした。
この方法によれば、既知信号の先頭から所定チップ分除かれた短縮既知信号と受信信号との相関演算を行い、この演算結果を用いて遅延プロファイルを生成することにより、通信相手から送信された信号を受信することができない送信区間で、通信相手から送信された信号が到達した場合でも、短縮既知信号を用いて生成した遅延プロファイルは送信区間で到達した信号の遅延プロファイルを表しているので、精度よく受信タイミングを検出することができる。
以上説明したように、本発明によれば、既知信号の先頭から所定チップ分除いた短縮版の短縮既知信号を生成し、生成した短縮既知信号を用いて遅延プロファイルを生成すると、既知信号を用いて生成した遅延プロファイルと同等の遅延プロファイルが所定チップ分遅れて現れることを利用し、通信相手から送信された信号を受信することができない送信区間で、通信相手から送信された信号が到達した場合でも、短縮既知信号を用いて生成した遅延プロファイルは送信区間で到達した信号の遅延プロファイルを表しているので、精度よく受信タイミングを検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図である。この図において、無線部102は、アンテナ101を介して受信した信号(RF信号)をベースバンド信号帯にダウンコンバートし、直交検波する。A/D変換部103は、アナログ信号をディジタル信号(BB信号)に変換し、相関演算部105及び108に出力する。
通常パイロット信号生成部104は、Yチップのパイロット信号(以下、「通常パイロット信号」という)系列を生成し、相関演算部105に出力する。相関演算部105は、A/D変換部103から出力されBB信号と通常パイロット信号生成部104から出力された通常パイロット信号との相関演算をあるサンプリング周波数で時間的にずらしながら所定の区間にわたって行う。遅延プロファイル生成部106は、相関演算部105で算出された相関値の同相成分と直交成分の2乗和(相関値のパワ)を算出し、所定の時間間隔で連続的に求めて遅延プロファイルを生成する。
短縮パイロット信号生成部107は、通常パイロット信号生成部104で生成されるYチップの通常パイロット信号系列の先頭からαチップ除いた短縮版のパイロット信号(以下、「短縮パイロット信号」という)系列を生成し、相関演算部108に出力する。また、短縮パイロット信号についての詳細は後述する。
相関演算部108は、A/D変換部103から出力されたBB信号と短縮パイロット信号生成部107から出力された短縮パイロット信号との相関演算をあるサンプリング周波数で時間的にずらしながら所定の区間にわたって行う。遅延プロファイル生成部109は、相関演算部108で算出された相関値の同相成分と直交成分の2乗和(相関値のパワ)を算出し、所定の時間間隔で連続的に求めて遅延プロファイルを生成する。ただし、短縮パイロット信号で求める相関値のパワ(相関値の同相成分と直交成分の2乗和)は、相関演算長がYチップからαチップ減った分、通常パイロット信号で求める相関値のパワより小さくなる。
パワ補正部110は、遅延プロファイル生成部109で算出された相関値パワ(短縮パイロット対応相関値パワ)を補正し、遅延プロファイル生成部106で算出された相関値パワ(通常パイロット対応相関値パワ)と同一の基準とする。短縮パイロット対応相関値パワ/通常パイロット対応相関値パワ=(Y−α)/Yとなるので、パワ補正部110は、短縮パイロット対応相関値パワ×Y/(Y−α)の計算を行う。
遅延プロファイル時間合成部111は、遅延プロファイル生成部106で生成された遅延プロファイルに、遅延プロファイル生成部109で生成された遅延プロファイルをαチップ分早めて合成する。ここで、αチップ早めるとは、αチップに相当する時間、具体的には、αチップをチップレートで除算して得られる時間だけ早めるものである。
受信タイミング検出部112は、遅延プロファイル時間合成部111で時間合成された遅延プロファイルのピークを検出し、検出したピークのうち先頭ピークのタイミングを受信タイミングとする。
次に、短縮パイロット信号について説明する。図2は、相関演算に用いるパイロット信号系列を示す図である。この図において、図2(a)は、Yチップ長の通常パイロット信号系列を示し、図2(b)は、Y−αチップ長の短縮パイロット信号系列を示す。ここで、αは送信区間と受信タイミング測定区間の重複区間に相当するチップ長であるが、それよりも長ければよい。
図3は、通常パイロット信号系列と短縮パイロット信号系列を用いたときのピーク検出位置を示す図である。この図が示すように、通常パイロット信号系列を用いて受信信号と相関を取ったとき、遅延プロファイルでピークが検出される位置は、受信信号のパイロット部先頭となる。これに対し、短縮パイロット信号系列を用いて受信信号と相関を取ったとき、遅延プロファイルでピークが検出される位置は、受信信号のパイロット部先頭からαチップ分遅れた位置となる。
次に、上述した構成を有する受信タイミング検出装置の動作について説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係る受信タイミング検出処理の流れを示す概念図である。この図では、横軸を時間軸とし、無線部の送信区間と受信区間が時間的に区切られている。また、波形形状は受信区間で受信した信号を示している。さらに、送信区間と受信タイミング測定区間との重複区間をαチップとしている。
相関演算部108では、受信区間の先頭から短縮パイロット信号を用いて相関演算が行われ、相関演算を行うタイミングをあるサンプリング周波数で時間的にずらしながらαチップ分行われる。遅延プロファイル生成部109では、受信区間先頭からαチップ分の区間(窓幅)で遅延プロファイルが生成され、パワ補正部110で相関値パワのパワ補正が行われる。
また、相関演算部105では、受信区間の先頭から通常パイロット信号を用いて相関演算が行われ、相関演算を行うタイミングをあるサンプリング周波数で時間的にずらしながら、受信区間の開始から受信タイミング測定区間の終了までの間行われる。遅延プロファイル生成部106では、受信区間の開始から受信タイミング測定区間の終了までの通常版対応遅延プロファイルが生成され、遅延プロファイル時間合成部111では、パワ補正部110で補正された短縮版対応遅延プロファイルをαチップ分遡らせて(早めて)、通常版対応遅延プロファイルと合成する。ここで、短縮版対応遅延プロファイルをαチップ分遡らせた理由について説明する。仮に、送信区間と重複する受信タイミング測定区間の先頭から通常パイロット信号を用いて相関演算を行ったとすると、重複区間(αチップ)についての遅延プロファイルは、図3で示した原理に基づくと、受信タイミング測定区間の先頭からαチップ遅らせた位置から短縮パイロット信号を用いて相関演算を行った場合の遅延プロファイルと同等のものになるため、短縮版対応遅延プロファイルをαチップ分遡らせて通常版対応遅延プロファイルと時間合成した。
受信タイミング検出部112では、合成された遅延プロファイルからピークを検出し、検出したピークのうち先頭ピークのタイミングを受信タイミングとする。
これにより、通信相手から送信された信号を受信することができない送信区間で、通信相手から送信されたパイロット信号が到達した場合でも、受信タイミングを精度よく検出することができる。
このように本実施の形態によれば、通常のパイロット信号の先頭から所定チップ分除いた短縮版のパイロット信号を生成し、生成したパイロット信号を用いて受信区間の先頭から遅延プロファイルを生成することにより、通信相手から送信された信号を受信することができない送信区間で、通信相手から送信されたパイロット信号が到達した場合でも、短縮パイロット信号を用いて生成した遅延プロファイルは送信区間に到達したパイロット信号の遅延プロファイルと同等のものであるので、受信タイミングを精度よく検出することができる。
なお、本実施の形態において、通常版対応遅延プロファイルとαチップ分早めた短縮版対応遅延プロファイルとを時間合成した遅延プロファイルからピークを検出する場合について説明したが、受信タイミング検出部112が各遅延プロファイルからそれぞれピークを検出し、短縮版対応遅延プロファイルから検出したピークのタイミングをαチップ分早めるようにしてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、一般的なパイロット信号を例に挙げ説明したが、本発明の実施の形態2では、パイロット信号がSYNC−ULコードの場合について説明する。
図5は、本発明の実施の形態2に係る受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図である。ただし、図5が図1と共通する部分については、図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。図5が図1と異なる点は、通常パイロット信号生成部104を通常SYNC−ULコード生成部501に変更した点と、短縮パイロット信号生成部107を短縮SYNC−ULコード生成部502に変更した点と、同期コード判定部503を追加した点である。
通常、移動局は、1つのコードグループに括り付けられた8種類のSYNC−ULコードの中からランダムに選んだ1種類のSYNC−ULコードを送信するため、基地局では、移動局から送信されたSYNC−ULコードを、いずれのコードであるかを判定する必要がある。
このため、SYNC−ULコード生成部501は、8種類の通常のSYNC−ULコードを生成し、相関演算部105、遅延プロファイル生成部106は、それぞれ8種類の通常SYNC−ULコードを用いて相関演算、遅延プロファイルの生成を行う。
また、短縮SYNC−ULコード生成部502は、8種類の通常SYNC−ULコードの先頭から所定チップ分除いた短縮版のSYNC−ULコードを生成し、相関演算部108、遅延プロファイル生成部109は、それぞれ8種類の短縮SYNC−ULコードを用いて相関演算、遅延プロファイルの生成を行う。
同期コード判定部503は、時間合成された8種類の遅延プロファイルから受信信号に含まれるSYNC−ULコードを判定する。受信タイミング検出部112は、同期コード判定部503で受信信号に含まれると判定されたSYNC−ULコードの遅延プロファイルにおけるピークを検出し、検出したピークのうち先頭ピークのタイミングを受信タイミングとする。
図6は、SYNC−ULコード判定の説明に供する図である。この図では、8種類の遅延プロファイルそれぞれにおけるピークの最大値を示す。なお、8種類の遅延プロファイルは各SYNC−ULコードに対応付けられている。同期コード判定部503では、各遅延プロファイルにおける最大値のうち上位2コードを選択する。図6では、コード1とコード6が選択される。ここでは、全遅延プロファイルにおける最大値はコード1の最大値であり、この最大値をSYNCMaxとする。SYNCMaxから所定値x[dB]下げた位置に閾値SYNCThを設定し、全遅延プロファイルにおける2番目の最大値とSYNCMaxとの閾値判定を行い、閾値より大きければ受信信号に含まれるSYNC−ULコードと判定される。図6の例では、コード6の最大値は閾値を越えるので、受信信号に含まれるSYNC−ULコードはコード1とコード6の2種類であると判定される。なお、ここでは、受信信号に含まれるSYNC−ULコードを2コードまで判定できるものとして説明したが、判定できるコード数は2コードに限らず、任意に設定することができる。
このように本実施の形態によれば、複数の同期用信号それぞれについて、通常同期用信号(通常SYNC−ULコード又は通常SYNC−DLコード)と短縮同期用信号(短縮SYNC−ULコード又は短縮SYNC−DLコード)とを用いて受信信号との相関演算を行い、遅延プロファイルを生成することにより、全遅延プロファイルにおける最大値に基づいて、受信信号に含まれる同期用信号を判定すると共に、受信信号に含まれると判定された同期用信号の受信タイミングを精度よく検出することができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図である。ただし、図7が図1と共通する部分は、図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。図7が図1と異なる点は、受信タイミング検出部112をパス選択部701に変更し、復調部702を追加した点である。
パス選択部701は、遅延プロファイル時間合成部111で合成された遅延プロファイルからピークを検出し、検出されたピークのタイミングを復調すべきパス位置として、各パスを選択する。
復調部702は、パス選択部701で選択された各パス位置を用いて、復調を行う。
このように本実施の形態によれば、遅延プロファイルのピークのタイミングをパス位置として復調に用いることにより受信タイミングの検出精度のみならず、復調精度も向上させることができる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4に係る受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図である。ただし、図8が図1と共通する部分は、図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。図8が図1と異なる点は、通常パイロット信号生成部104、相関演算部105、遅延プロファイル生成部106、パワ補正部110を削除した点である。
相関演算部108は、短縮パイロット信号を用いて相関演算を行い、受信区間の開始から受信タイミング測定区間の終了のαチップ後までの間、あるサンプリング周波数で時間的にずらしながら相関演算を行う。
遅延プロファイル生成部109は、相関演算部108で算出された相関値の同相成分と直交成分との2乗和(相関値パワ)を算出し、所定の時間間隔で連続的に求めて遅延プロファイルを生成し、生成した遅延プロファイルのタイミングをαチップ分早める。
これにより、短縮パイロット信号のみで受信タイミングを検出することができるので、通常パイロット信号を生成する必要がなく、通常パイロット信号生成部、通常パイロット信号を用いた相関演算部及び遅延プロファイル生成部、さらにパワ補正部を削減することができ、回路規模を削減することができる。
このように本実施の形態によれば、短縮パイロット信号のみを用いて受信信号との相関演算を行うことにより、回路規模を削減することができる。
なお、上述した実施の形態1〜3では、通常パイロット信号及び短縮パイロット信号を用いて遅延プロファイルをそれぞれ生成した後に、各遅延プロファイルを時間合成したが、図9に示すように、通常パイロット信号を用いた相関演算部105での相関演算結果と、短縮パイロット信号を用いた相関演算部108での相関演算結果を相関値補正部901で補正した結果とを相関値時間合成部902で時間合成し、合成した相関値から遅延プロファイルを生成してもよい。
本願発明にかかる受信タイミング検出装置は、自局が送信中に通信相手から送信された信号が到達した場合でも、精度よく受信タイミングを検出するという効果を有し、TDD−CDMA方式の受信装置に適用できる。
本発明の実施の形態1に係る受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図 (a)Yチップ長の通常パイロット信号系列を示す図、(b)Y−αチップ長の短縮パイロット信号系列を示す図 通常パイロット信号系列と短縮パイロット信号系列を用いたときのピーク検出位置を示す図 本発明の実施の形態1に係る受信タイミング検出処理の流れを示す概念図 本発明の実施の形態2に係る受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図 SYNC−ULコード判定の説明に供する図 本発明の実施の形態3に係る受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態4に係る受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図 受信タイミング検出装置の構成を示すブロック図 TD−SCDMA方式のフレームフォーマットを示す図 TD−SCDMA方式の無線部及びベースバンド処理部の構成を示すブロック図 TD−SCDMA方式における基地局及び移動局間での同期獲得の処理の流れを示すフロー図 TD−SCDMA方式における一般的な受信タイミング検出方法を示す概念図 SYNC−ULコードの受信タイミング測定区間を示す図
符号の説明
101 アンテナ
102 無線部
103 A/D変換部
104 通常パイロット信号生成部
105、108 相関演算部
106、109、903 遅延プロファイル生成部
107 短縮パイロット信号生成部
110 パワ補正部
111 遅延プロファイル時間合成部
112 受信タイミング検出部
501 通常SYNC−ULコード生成部
502 短縮SYNC−ULコード生成部
503 同期コード判定部
701 パス選択部
702 復調部
901 相関値補正部
902 相関値時間合成部

Claims (8)

  1. TDD−CDMA方式を用いた通信における受信信号の受信タイミングを検出する受信タイミング検出装置であって、
    既知信号の先頭から所定チップ分除いた短縮既知信号を生成する短縮既知信号生成手段と、
    前記受信信号と前記短縮既知信号との相関演算を行う演算手段と、
    前記演算手段による演算結果を用いて遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル生成手段と、
    前記遅延プロファイルに基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出手段と、
    を具備することを特徴とする受信タイミング検出装置。
  2. 前記受信タイミング検出手段は、前記遅延プロファイルを前記所定チップ分早め、当該遅延プロファイルにおけるピークを検出することにより、受信タイミングを検出することを特徴とする請求項1に記載の受信タイミング検出装置。
  3. 前記受信タイミング検出手段は、前記遅延プロファイルにおけるピークを検出し、検出したピークのタイミングを前記所定チップ分早めることにより、受信タイミングを検出することを特徴とする請求項1に記載の受信タイミング検出装置。
  4. 前記既知信号を生成する既知信号生成手段と、
    前記受信信号と前記既知信号との相関演算を行う第1演算手段と、
    前記第1演算手段による演算結果を用いて遅延プロファイルを生成する第1遅延プロファイル生成手段と、
    を具備し、
    前記受信タイミング検出手段は、前記短縮既知信号を用いて生成され、前記所定チップ分早めた遅延プロファイルと、前記第1遅延プロファイル生成手段によって生成された遅延プロファイルとにおけるピークを検出することにより、受信タイミングを検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信タイミング検出装置。
  5. 前記短縮既知信号を用いて生成された遅延プロファイルのパワを前記所定チップ分除いたことによって減少した分補正する補正手段を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の受信タイミング検出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の受信タイミング検出装置を具備することを特徴とする移動局装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の受信タイミング検出装置を具備することを特徴とする基地局装置。
  8. TDD−CDMA方式を用いた通信における受信信号の受信タイミングを検出する受信タイミング検出方法であって、
    既知信号の先頭から所定チップ分除いた短縮既知信号を生成する短縮既知信号生成工程と、
    前記受信信号と前記短縮既知信号との相関演算を行う演算工程と、
    前記演算工程での演算結果を用いて遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル生成工程と、
    前記遅延プロファイルに基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出工程と、
    を具備することを特徴とする受信タイミング検出方法。
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