本発明は、相手端末との通話において機械相手の話を回避し、簡単な操作で留守モードの相手端末に自分の意図を伝えるという目的を、相手端末が発呼者である場合には相手端末において通知データを選択することができるように相手端末の表示部に選択事項を表示させ、また相手端末が着呼者つまり留守モードのIP電話機である場合には相手端末の留守メッセージを自端末の表示部に表示することにより実現した。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、インターネットやLANなどのネットワークと接続するためのネットワーク接続部と、留守メッセージを記憶している留守メッセージ記憶部と、通常の電話機の呼制御機能を有すると共に留守モード設定中の着信時に着信したことを相手端末に伝える呼制御部と、留守メッセージを表示するための表示部と、電話番号等のデータを入力する入力部と、データを送受信するためのプロトコル処理を行うデータ送受信プロトコル処理部と、全体を制御する制御部とを有するIP電話機であって、制御部は、留守モード設定中は、相手端末からの着信があったとき着信があったことを相手端末に通知するようにデータ送受信プロトコル処理部に指示すると共に相手端末における選択データを受信したときに受信した選択データを着信履歴記憶部に書き込み、また、通常モード設定中の発呼動作においては、相手端末が留守モードであることの通知を受けたとき相手端末の留守メッセージの表示を表示部に指示すると共に表示部の表示に基いて選択した留守メッセージを相手端末に通知するようにデータ送受信プロトコル処理部に指示することとしたものであり、留守モードの自端末に着信したとき、データ送受信プロトコル処理部とネットワーク接続部を介して、発呼者の端末(相手端末)に複数の留守メッセージを表示させることができるので、発呼者は複数の留守メッセージの中から自分の意図に合うものを選択して着呼者に伝えることができ、非常に簡単な操作で発呼者(相手端末)は留守モードの自端末に発呼者の意図を伝えることができるという作用・効果を有する。
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、留守メッセージ記憶部は、留守メッセージを複数のグループに分けて記憶すると共に複数のグループを複数の電話番号に対応付けて記憶することとしたものであり、表示する留守メッセージを電話番号ごとに変えることができるので、出先の電話番号を知らせたいような親しい人には出先の電話番号を留守メッセージに含めるようにすることができ、例えば留守メッセージとして「一般用」と「親しい人用」のメッセージを記憶しておき、電話番号帳に「親しい人」として登録した電話番号から電話がかかってきた場合、「親しい人用」のメッセージを表示することができ、相手とのコミュニケーションの円滑化を図ることができるという作用・効果を有する。
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、複数のグループの電話番号に対応して携帯電話機の電話番号等の外出先の電話番号の公開・非公開を記憶する電話番号記憶部を備え、制御部は、留守モード中は、公開に対応する電話番号から着信があったと判定したときにはデータ送受信プロトコル処理部を介して外出先の電話番号を相手端末へ送信することとしたものであり、例えば親しい人として登録された電話番号からかかってきたときのみ、外出先電話番号記憶部に記憶した外出先の電話番号(または携帯電話機の電話番号)を留守メッセージの一部として相手端末に送信し、相手端末は、送信されてきた外出先の電話番号を自動的に取り込み、簡単な操作でその外出先の電話番号に発呼できるという作用・効果を有する。
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、制御部は、留守モードにおいて相手端末に送信する留守メッセージを編集することができることとしたものであり、相手端末
に対して自由に留守メッセージを設定することができるという作用・効果を有する。
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、制御部は、ネットワーク接続部を介して、サーバに格納されている種々の留守メッセージを留守メッセージ記憶部にダウンロードできることとしたものであり、種々の留守メッセージを外部から取得することができるので、留守メッセージの表示を好みの背景や文字フォントに変えたり、留守メッセージの文字列を変更することができるという作用・効果を有する。
上記課題を解決するためになされた第6の発明は、入力部は、手書きの文字や図形を入力することが可能であることとしたものであり、ユーザは表現力豊かな自分オリジナルのメッセージを作成することができるという作用・効果を有する。
上記課題を解決するためになされた第7の発明は、制御部は、留守メッセージ記憶部に、入力した手書きの文字や図形を記憶させることとしたものであり、相手端末が留守モードの端末である場合に、簡単なメッセージを手書きの文字や図形で残すことができるという作用・効果を有する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるIP電話機を示すブロック図である。
図1において、101は入力部としてのキーボード、102は文字や図形を表示する表示部としてのLCD、104は音声入力部であるマイク、105は音声出力部であるスピーカ、106は入力された音声データをエンコードして音声パケット化すると共に音声パケットを音声データへデコードする音声コーデック部、107は既定の留守メッセージを記憶した留守メッセージ記憶部、108は電話の発呼、着呼、通話などの動作を制御する呼制御部、109はLANやインターネットに接続するためのネットワーク接続部、110はデータを送受信するためのプロトコル処理を行なうデータ送受信プロトコル処理部、111は現在のIP電話機(端末)のモード(留守モードか通常モードか)を記憶するモード記憶部、112は電話番号と名前と「留守時に着信したときに外出先の電話番号を公開するか否か」を対応付けて記憶した電話番号記憶部、113は留守モード時に着信した場合、相手(発呼者)の声を記憶するか、あるいは、発呼者に対して要件の発話を促すための音声ガイダンスを記憶する音声記憶部、114は親しい人にだけ外出先の電話番号を知らせるために、外出先の電話番号を記憶する外出先電話番号記憶部、115は留守モード時の着信履歴として発呼者の電話番号と「発呼者が留守メッセージを見て選択した応答」とを対応付けて記憶する着信履歴記憶部、116は全体の制御を行なう制御部である。
以上のように構成されたIP電話機について、その動作を、図2〜図7を用いて説明する。図2は電話番号記憶部112の内容を示す記憶データ図であり、図3は図1のIP電話機の留守モードにおける着呼動作を示すフローチャート、図4は相手端末の表示部102における表示内容を示す表示画面図、図5は自端末の表示部102における表示内容を示す表示画面図、図6は図1のIP電話機の発呼動作を示すフローチャート、図7は発呼者の端末(発呼者端末)としての自端末の表示部102における表示内容を示す表示画面図である。なお、動作等の説明においては、自端末と相手端末とは同じ構成であるとする。
まず、ユーザは、このIP電話機を効率的に運用するために、よくかける相手先の電話番号を登録する。このとき、登録する相手が親しい人かどうか、つまり、留守中に電話がかかってきた場合に、外出先の電話番号を公開するかどうかもあわせて登録できるようになっている。図2に、電話番号記憶部112の内容を示す。図2において、○印は外出先の電話番号を公開する場合、×印は外出先の電話番号を公開しない場合を示す。
次に、上で述べたように、頻繁に電話をかける相手の電話番号を登録した状態で、ユーザが留守モードを設定する場合の動作を説明する。
まず、ユーザが留守モードをキーボード101より指示する。すると、制御部116は、LCD102に、外出先電話番号を入力するように留守メッセージを表示させる。すると、ユーザは、外出先の電話番号あるいは携帯電話機の電話番号をキーボード101より入力する。制御部116は、これをキーボード101から受け取り(ここでは、070−5634−1111)、外出先電話番号記憶部114に書き込み、さらにモード記憶部111に「モード=留守」を書き込む。
次に、留守モード時の着信動作について図3のフローチャートに従って説明する。
まず、制御部116は、ユーザがキーボード101から「留守モードの解除」を指定しているか否かを判定する(S101)。
ステップS101において指定していないと判定した場合、制御部116は、呼制御部108に対して着信が発生しているか否かを問い合わせる(S102)。すると、呼制御部108は、呼の状態を判定し、着信が発生しているか否かを返答する。ステップS101において指定していると判定した場合については後に説明する。
ステップS102において着信が発生していないと判定した場合はステップS101へ戻るが、着信が発生していると判定した場合は制御部116は、呼制御部108に発呼者番号を問い合わせる。ここでは、発呼者番号を050−1111−2222(小野製材)とする。次に、制御部116は、呼制御部108から通知された上記発呼者番号と電話番号記憶部112の格納番号とを比較し、親しい人かどうか、すなわち、「外出先電話番号を表示する相手かどうか」を判定する(S103)。
ステップS103において親しい人でないと判定した場合は、制御部116は、着呼側の端末のステータス、すなわち、「留守モードかどうか」と「外出先の電話番号を公開するかどうか」を発呼側の端末に通知するため、データ送受信プロトコル処理部110に対して、「モード=留守、外出先電話番号=非通知」を送信するように要求する(S105)。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して「モード=留守、外出先電話番号=非通知」を発呼側端末に送信する。
ステップS103において親しい人と判定した場合は外出先電話番号記憶部114から外出先電話番号を取り出し(S104)、制御部116は、着呼側の端末のステータス、すなわち、「留守モードかどうか」と「外出先の電話番号を公開するかどうか」を発呼側の端末に通知するため、データ送受信プロトコル処理部110に対して、「モード=留守、外出先電話番号=通知」を送信するように要求する(S105)。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して「モード=留守、外出先電話番号=通知」を発呼側端末に送信する。
ここで、発呼側端末には、LCD102に留守メッセージが表示される。発呼者は、LCD102の表示を見ることによって、発呼先が留守であることを知り、さらに、表示されている留守メッセージから自分の意図に合うものを選択する。すると、発呼側端末は、発呼者が選択した留守メッセージの番号を着呼側端末に送信する。図4に、このときの発呼側端末のLCD102における画面表示を示す。ここでは、発呼者が1番(#1)を選んだこととして説明を続ける。
データ送受信プロトコル処理部110は、発呼側端末から発呼者が選択した応答(ここでは#1)をネットワーク接続部109を介して受け取る。そして、その旨を制御部116に通知し、この通知を制御部116は受信する(S106)。
制御部116は、応答として「録音」が指定されているか否かを判定し(S107)、指定されていないと判定した場合は、応答として受け取った番号(ここでは#1)を着信履歴記憶部115に発呼者番号や現在の時刻と対応付けて書き込む(S108)。その後ステップS101へ戻る。ステップS107において指定されていると判定した場合は、制御部116は、呼制御部108に「呼接続」を要求する(S109)。すると、呼制御部108は呼を接続する。さらに、制御部116は、音声記憶部113を参照し、音声ガイダンスの音声データを読み出し、ネットワーク接続部109を介して、データ送受信プロトコル処理部110に発呼側へ上記音声ガイダンスを送信するよう指示する。すると、データ送受信プロトコル処理部110は指定されたデータをネットワーク接続部109を介して発呼側へ送信する。発呼者が、発呼側端末のスピーカ105より音声ガイダンスを聞き、この音声ガイダンスに従って、音声メッセージをマイク104に向かって発話する。発話した内容は発呼側端末の音声コーデック部106で音声データ化され、着呼側端末のネットワーク接続部109に送られてくる。データ送受信プロトコル処理部110は、以降、ネットワーク接続部109から受け取った音声データを制御部116に渡す。すると、制御部116は、受け取った音声データを音声記憶部113に書き込む(S110)。発呼者が電話を切ると、発呼側端末から「切断」を知らせるデータが着呼側端末のネットワーク接続部109に送られる。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、制御部116にその旨を伝える。すると、制御部116は、録音を停止する(S111)。すなわち、音声記憶部113への書き込みを停止し、その後ステップS101へ戻る。ユーザによって留守モードの解除が指定され、ステップS101において留守モードの解除が指定されていると判定した場合、制御部116は、モード記憶部111に「モード=通常」を書き込む(S112)。以降、本端末(着呼側端末)は通常動作モードとなる。図5はこのときの着呼側端末のLCD102の表示画面を示す。図5では、「前へ#4」または「次へ#6」を入力することにより上段の表示(ここでは着信履歴2の050−1111−2222、小野製材が表示されている)が変化する。このようにして着呼側のユーザは留守中にいつ誰から電話があったか、そして、その相手が「電話して欲しい」ことを知ることができる。
次に、図1のIP電話機の発呼側端末としての処理の流れを図6のフローチャートに従って説明する。ここでは、発呼者の電話番号が050−9876−4321(実家)(図2参照)であるものとして説明する。
まず、ユーザが相手の電話番号をキーボード101より入力し、発呼を指示する(S121)。ここでは050−4545−6666であったとする。すると、制御部116は、キーボード101より入力された電話番号を呼制御部108に渡し、実際に発呼が行なわれる。次に、制御部116は、データ送受信プロトコル処理部110とネットワーク接続部109を介して、着呼側の端末(発呼先の端末)よりステータスを受信する(S122)。ここでは、着呼側の端末が留守モードであり、発呼者が図2に示すように「親しい人」(外出先表示=○)として着呼側の端末(相手端末)に登録されているので、「モード=留守、外出先=070−5463−1111」が通知される。すなわち、ネットワーク接続部109を介してデータ送受信プロトコル処理部110が「モード=留守、外出先=070−5463−1111」を示すデータを受け取る。すると、その旨が制御部116に通知される。次に、制御部116は、受け取った着呼側のステータスが留守モードかどうかを判定する(S123)。留守モードでなければ通常の発呼動作に入る。ステップS123において留守モードであると判定したとき制御部116は、ステップS122で受け取ったステータスに外出先電話番号が設定されているか否かを判定する(S124)
。
ステップS124においてステータスに外出先電話番号が設定されていないと判定した場合、制御部116は、留守メッセージ記憶部107を参照し、メッセージA(親しくない人向けメッセージ)を表示する。次に、制御部116は、キーボード101からユーザの応答を受け取る(S126)。ステップS124においてステータスに外出先電話番号が設定されていると判定した場合、制御部116は、留守メッセージ記憶部107を参照し、メッセージB(親しい人向けメッセージ)を表示する(S127)。図7に、このときのLCD102の表示画面を示す。次に、制御部116は、キーボード101よりユーザからの応答を受け取る(S128)。ここでは、4番(#4)が選択されたものとして説明を続ける。このとき、制御部116は、キーボード101からの入力が「外出先への発呼か」どうかを判定する(S129)。すなわち、#4をユーザが選択した場合は、外出先への発呼が指示されたとして制御部116は、ステータスとして通知された外出先電話番号(ここでは、070−5463−1111)を呼制御部108に渡し、発呼を要求する(S130)。このように、着呼先からみて発呼者が「親しい人」であれば、外出先の電話番号を公開し、簡単な操作で(再び、外出先の電話番号を入力することなく)外出先へ自動的に発呼を行なうことができる。その後ステップ122へ戻る。
ステップS129において発呼者が「外出先への発呼」以外の選択肢を選択した場合には、制御部116は、ユーザが選択した番号(#1〜#3)をデータ送受信プロトコル処理部110に渡し、ネットワーク接続部109を介して着呼側端末に送信するよう要求する(S131)。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して指定されたデータを送信する。次に、制御部116は、ユーザの選択が「録音」(=#3)かどうかを判定する(S132)。ステップS132において録音が指示されたと判定した場合は、制御部116は、呼制御部108に呼を接続するように要求する(S133)。以降、マイク104から取り込まれた音声は音声コーデック部106によってデータ化され、データ送受信プロトコル処理部110によって、ネットワーク接続部109を介して着呼側端末に送られ、着呼側端末に蓄積(=録音)される。一方、ネットワーク接続部109を介して届いた音声ガイダンスは音声コーデック部106によって音声に戻され、スピーカ105に出力される。ユーザは、着呼側端末に録音されている音声ガイダンスを聞き、ユーザが実際に発話する(S134)。マイク104から取り込まれた音声は音声コーデック部106によってデータ化され、データ送受信プロトコル処理部110によって、ネットワーク接続部109を介して着呼側端末に送られ、着呼側端末に蓄積(=録音)される。ユーザが発話を終わり、電話を切ると、制御部116は呼制御部108に呼切断を要求する(S135)。
以上説明したように、発呼した相手が留守モードであった場合、自分の意図したメッセージを簡単な操作で発呼先の端末に残すことができ、また、着呼側の相手にとって発呼者が「親しい人」として登録されていれば、外出先の電話番号を発呼者が知ることができ、簡単な操作で外出先に発呼を行なうことができる。
以上のように本実施の形態によれば、インターネットやLANなどのネットワークと接続するためのネットワーク接続部109と、留守メッセージを記憶している留守メッセージ記憶部107と、通常の電話機の呼制御機能を有すると共に留守モード設定中の着信時に着信したことを相手端末に伝える呼制御部108と、留守メッセージを表示するための表示部102と、電話番号等のデータを入力する入力部101と、データを送受信するためのプロトコル処理を行うデータ送受信プロトコル処理部110と、全体を制御する制御部116とを有するIP電話機であって、制御部116は、留守モード設定中は、相手端末からの着信があったとき着信があったことを相手端末に通知するようにデータ送受信プロトコル処理部110に指示すると共に相手端末における選択データを受信したときに受
信した選択データを着信履歴記憶部115に書き込み、また、通常モード設定中の発呼動作においては、相手端末が留守モードであることの通知を受けたとき相手端末の留守メッセージの表示を表示部102に指示すると共に表示部102の表示に基いて選択した留守メッセージを相手端末に通知するようにデータ送受信プロトコル処理部110に指示することにより、留守モードの自端末に着信したとき、データ送受信プロトコル処理部110とネットワーク接続部109を介して、発呼者の端末(相手端末)に複数の留守メッセージを表示させることができるので、発呼者は複数の留守メッセージの中から自分の意図に合うものを選択して着呼者に伝えることができ、非常に簡単な操作で発呼者は留守モードの相手端末に自分の意図を伝えることができる。
また、留守メッセージ記憶部107は、留守メッセージを複数のグループに分けて記憶すると共に複数のグループを複数の電話番号に対応付けて記憶することにより、表示する留守メッセージを電話番号ごとに変えることができるので、出先の電話番号を知らせたいような親しい人には出先の電話番号を留守メッセージに含めるようにすることができ、例えば留守メッセージとして「一般用」と「親しい人用」のメッセージを記憶しておき、電話番号帳に「親しい人」として登録した電話番号から電話がかかってきた場合、「親しい人用」のメッセージを表示することができ、相手とのコミュニケーションの円滑化を図ることができる。
さらに、複数のグループの電話番号に対応して携帯電話機の電話番号等の外出先の電話番号の公開・非公開を記憶する電話番号記憶部112を備え、制御部116は、留守モード中は、公開に対応する電話番号から着信があったと判定したときにはデータ送受信プロトコル処理部110を介して外出先の電話番号を相手端末へ送信することにより、例えば親しい人として登録された電話番号からかかってきたときのみ、外出先電話番号記憶部114に記憶した外出先の電話番号(または携帯電話機の電話番号)を留守メッセージの一部として相手端末に送信し、相手端末は、送信されてきた外出先の電話番号を自動的に取り込み、簡単な操作でその外出先の電話番号に発呼できる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2によるIP電話機を示すブロック図である。
図8において、キーボード101、マイク104、スピーカ105、音声コーデック部106、留守メッセージ記憶部107、呼制御部108、ネットワーク接続部109、データ送受信プロトコル処理部110、モード記憶部111、電話番号記憶部112、音声記憶部113、外出先電話番号記憶部114、着信履歴記憶部115、制御部116は図1と同様のものなので、同一符号を付し、説明は省略する。103はタッチペンによる入力もできる表示部としてのタッチパネルである。なお、タッチパネル103は入力部としての機能も有する。
以上のように構成されたIP電話機について、その動作を、図9〜図11を用いて説明する。図9はサーバ接続時の表示部103の表示を示す表示画面図であり、図10は留守メッセージ編集中の表示部103の表示を示す表示画面図、図11は図8のIP電話機の着呼動作を示すフローチャートである。なお、動作等の説明においては、自端末と相手端末とは同じ構成であるとする。
まず、ユーザは、IP電話機の使い勝手を向上させるため、サーバに接続して留守メッセージのテンプレートをダウンロードする。図9はこのときのタッチパネル103の表示画面を示す。ユーザは、サーバに登録されているテンプレートを閲覧し、その中で気に入ったものをタッチパネル103より指定することでダウンロードし、自分の端末に取り込むことができる。すなわち、制御部116は、タッチパネル103からの入力を受け取り
、データ送受信プロトコル処理部110にユーザが選択したデータをサーバよりダウンロードするよう要求する。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して、データをダウンロードし、制御部116に渡す。制御部116は受け取ったデータを留守メッセージ記憶部107に書き込む。
次に、ユーザが留守メッセージのカスタマイズを行なう場合について説明する。サーバからダウンロードした留守メッセージに修正を加えたい場合、ユーザはキーボード101より留守メッセージの修正を指示する。すると、制御部116は、キーボード101より、留守メッセージの編集要求が指定されていることを検知し、タッチパネル103に留守メッセージの編集画面を表示する。図10はこのときのタッチパネル103の表示画面を示す。ユーザは、キーボード101より編集すべきメッセージ番号を指定し、キーボード101より、文字を入力する。このようにして、ユーザは自分の好みの留守メッセージを設定することができ、使い勝手を向上させることができる。図10は、メッセージ番号が1番の「後で電話します」を修正するための文章を作成している途中の状態を表示している。なお、ここでは、キーボード101からユーザがメッセージを入力する例を説明したが、タッチパネル103を利用して、手書きの文字や図形を入力してもよい。
次に、図8のIP電話機の留守モード時の着信動作について、図11のフローチャートに従って説明する。
まず、制御部116は、ユーザがキーボード101から「留守モードの解除」を指定しているか否かを判定する(S201)。
ステップS201において指定していないと判定した場合、制御部116は、呼制御部108に対して着信が発生しているか否かを問い合わせる(S202)。すると、呼制御部108は、呼の状態を判定し、着信が発生しているか否かを返答する。ステップS201において指定していると判定した場合については後に説明する。
ステップS202において着信していないと判定した場合はステップS201へ戻るが、着信していると判定した場合は制御部116は、着呼側の端末(自端末)のステータスすなわち「留守モードかどうか」を発呼側の端末(相手端末)に通知するため、データ送受信プロトコル処理部110に対して、「モード=留守」を送信するよう要求する(S203)。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して「モード=留守」を発呼側端末に送信する。次に、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して、発呼側の端末からの「メッセージ要求」を受信する(S204)。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、制御部116にその旨を通知する。ステップS204で受け取ったメッセージ要求に対し、制御部116は、留守メッセージ記憶部107の内容を読み出し、データ送受信プロトコル処理部110にその内容(つまり留守メッセージ)を発呼側端末に送信するよう指示する(S205)。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して、上記留守メッセージを発呼側端末に送信する。ここで、発呼側端末は着呼側端末に記憶されていた留守メッセージの内容を受け取り、タッチパネル103に表示する。すると、ユーザは、そのメッセージに従い、入力を行なう。発呼側の端末はユーザから入力された内容を着呼側端末に送信する。例えば、発呼側のユーザが表示された留守メッセージに対して番号を選択した場合はその番号を送信し、タッチパネルから図形や文字の入力を行なった場合はその画像データを送信する。データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して、発呼側端末からの応答を受け取り、その旨を制御部116に通知する。制御部116は、その通知を受信する(S206)。制御部116は、受け取った内容が「録音」を指定するものかどうかを判定する(S207)。
ステップS207において録音でないと判定した場合、制御部116は、応答として受け取ったデータを着信履歴記憶部115に発呼者番号や現在の時刻と対応付けて書き込み(S208)、ステップS201に戻る。ステップS207において録音であると判定した場合、制御部116は、呼制御部108に「呼接続」を要求する(S209)。すると、呼制御部108は呼を接続する。さらに、制御部116は、音声記憶部113を参照し、音声ガイダンスの音声データを読み出し、ネットワーク接続部109を介して、データ送受信プロトコル処理部110に発呼側へ送信するよう指示する。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、指定されたデータをネットワーク接続部109を介して、発呼側へ送信する。発呼者が、発呼側端末のスピーカ105より音声ガイダンスを聞き、この音声ガイダンスに従って、音声メッセージをマイク104に向かって発話する。発話した内容は発呼側端末の音声コーデック部106で音声データ化され、着呼側端末のネットワーク接続部109に送られてくる。データ送受信プロトコル処理部110は、以降、ネットワーク接続部109から受け取った音声データを制御部116に渡す。すると、制御部116は、受け取ったデータを音声記憶部113に書き込む(S210)。発呼者が電話を切ると、発呼側端末から「切断」を知らせるデータが着呼側端末のネットワーク接続部109に送られる。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、制御部116にその旨を伝える。すると、制御部116は、録音を停止する(S211)。すなわち、音声記憶部113への書き込みを停止する。その後、ステップS201へ戻る。
ユーザによって留守モードの解除が指定され、ステップS201において留守モードが解除されたと判定したときは、制御部116は、モード記憶部111に「モード=通常」を書き込む(S212)。以降、本端末は通常動作モードとなる。このようにして着呼側のユーザは留守中にいつ誰から電話があったか、そして、その相手が「どうして欲しいか」を知ることができる。
次に、図8のIP電話機の発呼側としての処理の流れを図12、図13を用いて説明する。図12は図8のIP電話機の発呼動作を示すフローチャートであり、図13は留守メッセージにおける表示部103の表示を示す表示画面図である。なお、ここでは、発呼者の電話番号が050−9876−4321(実家)であるものとして説明する。
まず、ユーザが相手の電話番号をキーボード101より入力し、発呼を指示する。ここでは、050−1234−5678であるとする。すると、制御部116は、キーボード101より入力された電話番号を呼制御部108に渡し、実際に発呼が行なわれる(S221)。これにより、制御部116は、ネットワーク接続部109を介して、着呼側の端末よりステータスを受信する(S222)。ここでは、着呼側の端末が留守モードであり、「モード=留守」が通知される。すなわち、ネットワーク接続109を介して、データ送受信プロトコル処理部110が「モード=留守」を示すデータを受け取る。すると、その旨が制御部116に通知される。制御部116は、ステップ222で受け取った着呼側のステータスが留守モードかどうかを判定する(S223)。
ステップS223において留守モードであると判定した場合、制御部116は、データ送受信プロトコル処理部110に対して、着呼側端末に「メッセージ要求」を送信するよう要求する(S224)。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して、着呼側端末にメッセージ要求を送信する。着呼側端末はメッセージ要求を受信し、留守メッセージ記憶部107の内容を送信する。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、ネットワーク接続部109を介して、このデータ(留守メッセージ)を受け取り、その旨を制御部116に通知する。制御部116は、データ送受信プロトコル処理部110から留守メッセージを受信し(S225)、受信した留守メッセージをタッチパネル103に表示する(S226)。次に、制御部116は、キーボード101あるいはタッチパネル103からユーザの応答を受け取る(S227)。図13
はこのときのタッチパネル103の様子を示したものである。ここでは、ユーザは4番をキーボード101より入力し、タッチパネルを使って記入欄に手書きの文字と図形を入力している。制御部116は、データ送受信プロトコル処理部110にキーボード101あるいはタッチパネル103から受け取った入力データを着呼側端末へ送信するよう指示する(S228)。すると、データ送受信プロトコル処理部110は、指定されたデータをネットワーク接続部109を介して、着呼側端末に送信する。次に、制御部116は、ユーザの選択が「録音」(=#3)かどうかを判断する。
ステップS229において録音であると判定した場合、制御部116は、呼制御部108に呼を接続するように要求する(S230)。以降、マイク104から取り込まれた音声は音声コーデック部106によってデータ化され、データ送受信プロトコル処理部110によって、ネットワーク接続部109を介して着呼側端末に送られ、着呼側端末に蓄積(=録音)される。一方、データ送受信プロトコル処理部110によって、ネットワーク接続部109を介して届いた音声ガイダンスは音声コーデック部106によって音声に戻され、スピーカ105に出力される。ユーザが実際に発話し、マイク104から取り込まれた音声は音声コーデック部106によって音声データに変換され、制御部116は、その音声データを、ネットワーク接続部109を介して着呼側端末に送信し、着呼側端末に蓄積(=録音)する(S231)。ユーザが発話を終わり、電話を切ると、制御部116は呼制御部108に呼切断を要求する(S232)。
以上説明したように、発呼した相手が留守モードであった場合、自分の意図したメッセージを簡単な操作で発呼先の端末に残すことができる。また、このとき簡単な手書きの文字や図形も残すことができるので、従来の留守番電話のように、「機械に向かって発話する」ことに抵抗を持つ人にとってもあまり抵抗感を抱かせずにメッセージを残させることを可能にする。
以上のように本実施の形態によれば、制御部116は、留守モードにおいて相手端末に送信する留守メッセージを編集することができることにより、相手端末に対して自由に留守メッセージを設定することができる。
また、制御部116は、ネットワーク接続部109を介して、サーバに格納されている種々の留守メッセージを留守メッセージ記憶部107にダウンロードできることにより、種々の留守メッセージを外部から取得することができるので、留守メッセージの表示を好みの背景や文字フォントに変えたり、留守メッセージの文字列を変更することができる。
さらに、入力部103は、手書きの文字や図形を入力することが可能であることにより、ユーザは表現力豊かな自分オリジナルのメッセージを作成することができる。
さらに、制御部116は、留守メッセージ記憶部107に、入力した手書きの文字や図形を記憶させることにより、相手端末が留守モードの端末である場合に、簡単なメッセージを手書きの文字や図形で残すことができる。