JP2005257602A - 孔径変化測定器 - Google Patents
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Abstract
【構成】 この発明の孔径変化測定器はボーリング孔の内面を押圧しこれを変形させる押圧力付加部と、該押圧力付加部により変形した前記ボーリング孔内面の孔径変化を測定する孔径変化測定部と、を備えてなる。
【選択図】 図9
Description
本発明は、ボーリング孔の孔径変化やそのボーリング孔に挿入されたケーシングパイプの内径変化から、そのボーリング孔やケーシングパイプの周辺に作用している岩盤の応力を測定する方法に関する。
該押圧力付加部により変形した前記ボーリング孔内面の孔径変化を測定する孔径変化測定部と、
を備えてなる孔径変化測定器。
フレキシブルロッドには信号や電源を伝達する媒体として、信号線及び電源線を内在させ、その基端から先端まで通しておくことが好ましい。かかる信号線を介してボーリング孔外の制御装置から孔径変化測定装置へ制御信号を送り、また孔径変化測定装置の測定信号をボーリング孔口外の演算装置へ送ることができる。電源線は孔径変化測定装置の駆動部へ電気的エネルギーを供給する。
FRPロッドやカーボン繊維束は耐候性樹脂外皮で被覆することが好ましい。
このフレキシブルロッドは押出し成型により同一径に形成することができる。このとき、信号線や電源線を挿入したフッ素樹脂管を心材としてFRP部分(カーボン繊維の束の部分)及び外皮を押出し成形することが好ましい。
複数の孔径変化測定器を用いることにより、ボーリング孔内の複数の地点の孔径変化、即ち岩盤変動を同時に測定可能となる。トンネルの掘削現場等において岩盤変動をモニターして応力の蓄積状態を把握する場合、モニター場所が多ければ多いほどデータ数が多くなり、トンネル崩壊などをより高い確率で予知可能となる。また、一つのボーリング孔で複数場所の岩盤変動を測定できることにより(公知技術では測定場所毎にボーリング孔が必要であった)、測定のトータル施工コストが低減される。
光ファイバを用いれば光利用のジャイロコンパスにより方位の測定がより確実に行える。また、光ファイバによる高い情報伝達能力によれば、画像情報をも伝達可能となり、CCD等の画像デバイスを測定装置として使用できる。
貫通孔の代わりに、図5に示すように、孔径変化測定器周縁へ溝を設けることもできる。
岩盤が強固であれば、図6(A)で示すようにボーリング孔の孔底に小口径のボーリング孔を掘削し、以下の手順によって岩盤に作用している応力の大きさと方向を精度よく推定できる。
第1ステップとして、その小口径のボーリング孔を利用して小口径のボーリング孔に面力(押圧力)を作用させつつ孔径変化測定器により孔径変化を測定し、逆解析で岩盤に作用している応力を推定する。
第2ステップとして、孔径変化測定器を回収し、図6(B)に示すように大きな孔径のオーバーコアリングを行い、周辺の岩盤から小口径のボーリング孔に作用している応力を解放する。
第3ステップとして、孔底に残っている同じ小口径のボーリング孔を利用して
再度、小口径のボーリング孔に面力を作用させつつ孔径変化測定器により孔径変化を測定し、逆解析で岩盤に作用している応力を再測定する。
第4ステップとして、オーバーコアリング前後のデータを比較して岩盤に作用している応力の推定誤差を少なくする。
図6(A)はボーリング孔の孔底に小口径のボーリング孔を掘削し、面力を作用させて第1ステップを完了した状態、図6(B)はオーバーコアリングを終わり、面力を作用させて第3ステップを完了した状態を示す。
図7はこの発明の実施例の孔径変化測定装置1の概略構成図である。
孔径変化測定装置1はフレキシブルロッド3と孔径変化測定器20とから構成される。フレキシブルロッド3には、図8Aに示すように信号線4と電源線5が個別に通されている。フレキシブルロッド3の本体部はFRPで形成され、当該本体部は耐候性の保護膜(外皮)3aで被覆されている。4a及び5aはそれぞれ信号線4と電源線5の保護膜であって耐熱性のフッ素樹脂からなる。これは、信号線4及び電源線5を心材としてFRPを成形するときに高い成形温度が掛けられるからである。
複数の信号線や電源線を埋設するときには、図8Bに示すとおり、複合ケーブルをFRPロッド内に埋設することができる。符号3bはフッ素樹脂製の保護膜である。
かかるフレキシブルロッド3の機械的特性は、曲げ強度100〜220kg/mm2、曲げ弾性率4000〜9000kg/mm2、曲げ剛性100×1000〜5500×1000kg/mm2、最小曲げ半径200〜800mmとすることが好ましい。
このフレキシブルロッド3はドラム7に巻回されており、クレーン9によりボーリング孔13の直上位置に懸架された滑車11を介してボーリング孔13へ導入されている。
符号15はコンピュータ装置であり、スリップリング等の公知の接続手段を介して信号線4へ接続され、信号線4を介して孔径変化測定器20へ制御信号を送信し、また、信号線4を介して送られてきた孔径変化測定器20の測定信号を受信して所定のプログラムに基づき処理して、求める岩盤変動のデータを得る。信号の伝送波として電磁波、光波、音波等を利用できる。信号線4は、入力側と出力側にそれぞれ分離されていることが好ましい。コンピュータ装置15は、また、電源線5に接続された電源装置を制御し、電源線5を介して孔径変化測定器20へ電力を供給してこれを動作させる。
押圧力付加部21は、図10(A)、(C)に示すように、信号線4及び電源線5に接続されているモータ23の駆動がギアヘッド24、プッシュプルロッド25を介してアーム26に伝達され、当該アーム26がケーシング27から突出しボーリング孔13の周壁(岩盤)28へ押圧板29を強く当てつける。これにより、本体部31に対向する部分の岩盤28はその全面が実質的に平行に半径方向外方へ付勢される。このように押圧板29を介してアームを突っ張らせることにより、孔径変化測定器20がボーリング孔13内に固定される。
押圧力付加部21の横断面を図11に示す。
ボーリング孔内面へ当て付ける押圧板29を多数設けることにより他方向へ押圧力を付加することができる。押圧板29を選択しまたその押圧力を調整することでボーリング孔内面へ任意の押圧力を付加可能となる。特に、上側の押圧力付加部21と下側の押圧力付加部21とにおいて押圧力に差を設ければ、本体部31に対応する部分のボーリング孔内面に傾斜した押圧力がかかることとなる。
本体部31の横断面図を図12に示す。
接触子33が岩盤28に当接した状態において押圧力付加部21の押圧板29により岩盤28へ押圧力を付加する。この押圧力により岩盤はその応力に応じて変位し、接触子33はそれに追従する。接触子33には永久磁石36が固定されており、接触子33の変位に伴いこの永久磁石36も変位し、この変位量が磁気センサ37により検出される。この検出信号は信号線4を介してコンピュータ装置15へ送られ、ここで処理されて岩盤変動値が演算される。
ドラム7を回転させて所望の長さのフレキシブルロッド3を繰り出すことにより、ボーリング孔13の所望の高さに孔径変化測定器20を位置させる。この状態でアーム26を突っ張らせて孔径変化測定器20をボーリング孔の周壁(岩盤)28へ固定する。
また、モータ23を逆回転させることによりアーム26を引っ込めると、孔径変化測定器20は岩盤28に対してフリーになる。この状態でドラム7を回転させることにより、任意の位置まで孔径変化測定器20を移動させることができる。
光ファイバ43はフレキシブルロッド3内を貫通し、ボーリング孔13の外部からレーザ光を導入可能とすることが好ましい。ボーリング孔13内へ入れる装置を簡素化するためである。
図14において、符号100は従来例の孔底へ固定的に設置された測定装置(岩盤変動測定装置、地殻活動総合観測装置、地震計等)を示す。この測定装置100はボーリング孔13の底部に充填されたコンクリート103内に埋設されている。符号105は孔径変化測定装置100の信号線と電源線を含んだ複合ケーブルである。
この実施例の孔径変化測定器50はこのような既設のボーリング孔13について底部以外の部分の孔径変化を測定するのに適している。即ち、この孔径変化測定50には上下方向へ貫通した貫通孔52が形成され、この貫通孔52へ既存のワイヤ105を挿通可能とした。これにより、既存のワイヤ105が孔径変化測定器50による孔径測定に干渉しなくなる。もって、高い精度の孔径測定が可能になる。
上記実施例では、磁気センサ83のデータをそのままコンピュータ装置15へ送ったが、各種センサの出力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器87を孔径変化測定装置80内に設け、デジタル信号をフレキシブルロッド3のデータ線4へ通してもよい。更には、各種センサの出力を処理し、求める地盤変動値まで演算するプロセッサ88を孔径変化測定装置80内に設けることもできる。
(1) 屈曲したボーリング孔の孔径変化からボーリング孔の周辺に作用している応力を測定する方法に関し、
屈曲したボーリング孔の孔径変位を測定する少なくとも1つの手段と、
方位を測定する手段と、
温度を測定する手段と、
水圧を測定する手段と
からなる第1のグループに属する測定手段と、
該ボーリング孔内面に面力を作用させる少なくとも1つの手段と、
該面力の大きさを測定する手段と、
第1のグループに属する測定手段と該面力の大きさを測定する手段によるアナログ信号からデジタルデータを作成するアナログ/デジタル変換手段と、
前記の第1のグループに属する測定手段、前記の面力を作用させる手段、該面力を測定する手段、アナログ/デジタル変換手段、及び、アナログ/デジタル変換手段と情報交換を行う演算手段であるマイクロコンピューターと、
前記の該マイクロコンピューターと情報交換を行う手段、及び、該マイクロコンピューターに電源を供給する手段を内部に備える密閉した耐圧容器と、
該耐圧容器を該ボーリング孔内に固定する手段と、
該耐圧容器内に備えられた前記手段に信号や電源を伝達する媒体を内在し、該耐圧容器を該ボーリング孔内の所定の位置まで移動させる手段であるカーボンロッドと
から構成され、該耐圧容器を屈曲したボーリング孔内の所定の位置まで移動し、該ボーリング孔内に固定し、該マイクロコンピューターを介する制御信号により該ボーリング孔内面に面力を作用させつつ、前記の該耐圧容器に設けた測定手段による信号を、アナログ/デジタル変換手段でデジタルデータに変換し、移動手段に内在する信号の伝達媒体を介して該ボーリング孔の孔口まで伝送し、孔口にて該データを受信し、受信した該データに基づいて演算により該ボーリング孔の孔径変化を測定することを特徴とする孔径変化測定装置。
(2) 屈曲したボーリング孔内の所定の位置に前記の孔径変化測定装置を移動させる手段として、信号や電源を伝達する媒体を内在するFRP複合ケーブルを使用することを特徴とする(1)に記載の孔径変化測定装置。
(3) (1)に記載の信号や電源を伝達する媒体を内在するカーボンロッド、または、(2)に記載の信号や電源を伝達する媒体を内在するFRP複合ケーブルのいずれかに光ファイバーを内在させ、光ファイバーを介して信号を伝送することを特徴とする孔径変化測定装置。
(4)
(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の孔径変化測定装置を、
(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の移動手段により、屈曲したボーリング孔の孔口から該ボーリング孔内の所定の位置に移動する第1ステップと、
該ボーリング孔内面に面力を作用させつつ、該面力の大きさと、該ボーリング孔の孔径変化と、該孔径変化測定装置の方位と、内部温度と、該孔径変化測定装置に加わる水圧とに対応するアナログ信号を、アナログ/デジタル変換手段によってデジタルデータに変換し、演算手段であるマイクロコンピューターの制御で孔口に伝送する第2ステップと、
(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の移動手段を利用し、孔径変化測定装置を該ボーリング孔内から回収する第3ステップと、
該ボーリング孔に作用させた該面力の大きさと孔径変化測定装置で測定した前記のデジタルデータに基づいて逆解析を行って該ボーリング孔の周辺に作用している岩盤の応力を求める第4ステップ
よりなることを特徴とする応力測定方法。
(5)
屈曲したボーリング孔に、鉄製のケーシングパイプと非磁性の酸化し難いケーシングパイプを組み合わせて挿入する第1ステップと、
該ケーシングパイプ挿入後に該ケーシングパイプと岩盤との隙間にモルタルを圧入して該ケーシングパイプを岩盤に密着させる第2ステップと、
(1)、(2)、(3)、または、(4)のいずれかに記載の孔径変化測定装置を、
(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の移動手段により、該ケーシングパイプ内の所定の位置に移動させる第3ステップと、
該ケーシングパイプ内面に面力を作用させつつ、該面力の大きさと、ケーシングパイプの内径変化と、該孔径変化測定装置の方位と、内部温度と、該孔径変化測定装置に加わる水圧とに対応するアナログ信号を、アナログ/デジタル変換手段によってデジタルデータに変換し、演算手段であるマイクロコンピューターの制御で孔口に伝送する第4ステップと、
(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の移動手段を利用し、孔径変化測定装置を該ケーシングパイプ内から回収する第5ステップと、
該ケーシングパイプに作用させた該面力の大きさと孔径変化測定装置で測定した前記のデジタルデータに基づいて逆解析を行って該ケーシングパイプの周辺に作用している岩盤の応力を求める第6ステップ
よりなることを特徴とする応力測定方法。
(6)
屈曲したボーリング孔の孔底に小口径のボーリング孔を掘削する第1ステップと、
(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の孔径変化測定装置を、(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の移動手段により、屈曲したボーリング孔の孔底に掘削した該小口径ボーリング孔内の所定の位置に移動させる第2ステップと、
該小口径ボーリング孔内面に面力を作用させつつ、該面力の大きさと、該小口径ボーリング孔の孔径変化と、該孔径変化測定装置の方位と、内部温度と、該孔径変化測定装置に加わる水圧とに対応するアナログ信号を、アナログ/デジタル変換手段によってデジタルデータに変換し、演算手段であるマイクロコンピューターの制御で孔口に伝送する第3ステップと、
(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の移動手段を利用し、孔径変化測定装置を該小口径ボーリング孔内から回収する第4ステップと、
該孔径変化測定装置を回収後に、前記の第3ステップの測定を行った位置において大口径のオーバーコアリングを行って該小口径ボーリング孔に作用している周辺の岩盤からの応力を解放する第5ステップと、
オーバーコアリングを行って岩盤から加わっている応力を解放した後に、(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の移動手段を利用して、該孔径変化測定装置をボーリング孔の孔口から該小口径ボーリング孔のオーバーコアリングを行った位置に再移動させる第6ステップと、
応力を解放された該小口径ボーリング孔内面に面力を再作用させつつ、該面力の大きさと、該小口径ボーリング孔の孔径変化と、該孔径変化測定装置の方位と、内部温度と、該孔径変化測定装置に加わる水圧とに対応するアナログ信号を、アナログ/デジタル変換手段によってデジタルデータに再変換し、演算手段であるマイクロコンピューターの制御で孔口に伝送する第7ステップと、
(1)、(2)、または、(3)のいずれかに記載の移動手段を利用し、該孔径変化測定装置を小口径ボーリング孔内から再移動する第8ステップと、
応力解放の前後で該孔径変化測定装置により得られたデジタルデータに基づいて逆解析を行って屈曲したボーリング孔の周辺に作用している岩盤の応力を求める第9ステップ
よりなることを特徴とする応力測定方法。
3 フレキシブルロッド
20、50、80 孔径変化測定器
Claims (9)
- ボーリング孔の内面を押圧しこれを変形させる押圧力付加部と、
該押圧力付加部により変形した前記ボーリング孔内面の孔径変化を測定する孔径変化測定部と、を備えてなる孔径変化測定器。 - 前記孔径変化測定器には上下に貫通する貫通孔若しくは溝が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の孔径変化測定器。
- 前記孔径変化測定器がフレキシブルロッドに連結され、該フレキシブルロッドはその軸方向へ実質的に変形しない、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の孔径変化測定装置。
- 前記フレキシブルロッドはFRPロッドからなる、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の孔径変化測定装置。
- 前記フレキシブルロッド内には信号線と電源線が通されている、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の孔径変化測定装置。
- ボーリング孔の内壁へ押圧力を与え、変形した前記内壁の孔径変化を測定する、ことを特徴とする孔径変化測定方法。
- 前記ボーリング孔に挿入された金属管の内壁へ押圧力を与え、変形した前記内壁の孔径変化を測定する、ことを特徴とする孔径変化測定方法。
- 第1のボーリング孔を穿設してその内壁へ第1の押圧力を与え、変形した前記内壁の第1の孔径変化を測定する第1の測定ステップと、
前記第1のボーリング孔の内壁へ岩盤の応力がかからないように該内壁の外周外方の岩盤を除去するステップと、
前記内壁へ第2の押圧力を与え、変形した前記内壁の第2の孔径変化を測定する第2の測定ステップと、
前記第1の孔径変化と前記第2の孔径変化とから前記岩盤の応力を演算するステップと、を含む孔径変化測定方法。 - 前記第1のボーリング孔はそれより大径なボーリング孔の底部へ穿設され、前記岩盤の除去ステップは前記第1のボーリング孔の周囲をオーバーコアリングすることにより行う、ことを特徴とする請求項8に記載の孔径変化測定方法。
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