JP2005257569A - 電気的制御可能な微量液滴輸送デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】
微量液滴の長距離輸送における移動開始・終了及び輸送速度を電気的に制御することができる微量液滴輸送デバイスを提供する。
【解決手段】
微量液滴輸送デバイス10は、基板11と、その基板11の表面に絶縁性を有して所定距離離間して設けられた第1の電極12aおよび第2の電極12bと、第1の電極12aを被覆する誘電体膜14と、これらを覆う疎水性膜15とを有している。この微量液滴輸送デバイス10に微量液滴16を置き、電極12aと12bの間に電圧を印加する。すると、誘電体膜14上の液滴16の接触角が低下し、これにより、液滴16に駆動力が発生し、液滴を一方向に確実に輸送することが可能となる。また、この薄膜電極12aと12bの形状を複数のくさび形状が並んだ形状にすることにより、液滴の長距離輸送が可能となり、その輸送開始・終了、輸送速度なども電気的に制御可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は電気的制御可能な微量液滴輸送デバイス、詳しくは表面張力を利用して微量液滴を一方向に輸送する微量液滴輸送デバイスにおいて、デバイス上に表面張力の差あるいは勾配を電気的に形成する技術に関する。
半導体の微細加工技術を利用してシリコン基板上やガラス基板上に微小な流路やバルブなどを構築することにより、血液や尿の分析による医療診断や健康管理、環境因子の分析による環境モニタリングなどを可能とする分析チップを創出することが可能である。このような分析チップにおいては、分析の高速化、被験者の負担低減、試薬や廃液の少量化のために、検体量をなるべく少なくし、極めて微量な液滴の状態で分析できることが望まれる。したがって、このような分析チップを実現するには、チップ内で微量液滴を輸送する技術が必要不可欠である。
微量液滴を輸送する従来技術としては、外部からの空気圧を利用する方法、誘電泳動を利用した電気的手法、熱や光を利用して液滴前後の表面張力に差を与える方法などが存在する。
これらの従来技術の一つとして、静電気力を用いて液滴の接触角を変化させ、液滴前後の接触角の差を作ることによって液滴輸送を行う技術がある。この技術は、「エレクトロウェッティング」と呼ばれ、この技術を利用して、非特許文献1に示すように、微量液滴の輸送だけでなく微量液滴の生成や液滴同士の結合などが可能となる。しかし、この方法では、特に液滴を長い距離輸送する場合には多数の電極を基板上に形成し、個々の電極に印加する電圧のタイミングなどを制御する必要が生じるため、これを分析チップに応用する場合に全体のシステムや製造方法が大掛かりで複雑かつ高価なものとなってしまうという問題点がある。
一方、申請者はすでに、下記の出願において、シリコン基板やガラス基板上に親水性材料と疎水性材料をパターニングすることにより表面エネルギ勾配を形成し、この面上に置かれた液滴前後の接触角の違いを駆動力とした、他にエネルギ源を必要としない簡便で安価で長距離輸送が可能な微量液滴輸送技術を申請している(特願2003−164644)。
Sung Kwon Cho, Shih-Kang Fan, Hyejin Moon, and Chang-Jin Kim, Towards Digital Microfluidic Circuits: Creating, Transporting, Cutting and Merging Liquid Droplets by Electrowetting-based Actuation, Technical Digest of the Fifteenth IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems, 米国, The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc., January 20-24, 2002, pp.32-35。
しかし、この輸送方法では、デバイス上にあらかじめ表面エネルギ勾配がパターン面として形成されているため、パターン面に液滴を置くと即座に液滴が移動を開始してしまい、液滴の輸送開始や終了、液滴の輸送速度を制御することは不可能であった。
本発明は、表面エネルギ勾配を用いて微量液滴を輸送する簡便な独自技術とエレクトロウェッティングという電気的制御性に優れた従来技術を組み合わせることにより、デバイス上に表面張力の差あるいは勾配を電気的に形成し、デバイス上での液滴輸送を電気的に制御することを目的とする。具体的には、二つの電極間に電圧を印加することにより、微量液滴の長距離輸送における移動開始・終了及び輸送速度を電気的に制御することのできる微量液滴輸送デバイスを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板上に配された液滴を輸送させる電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスであって、絶縁性を有する上記基板と、この基板の表面に設けられた第1の電極と、この第1の電極と所定距離を有して絶縁されて基板の表面に設けられた第2の電極と、上記第1の電極を被覆する誘電体膜と、この誘電体膜および第2の電極を一面に覆う疎水性膜とを備えた電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスである。
基板の素材は限定されない。例えば、シリコン基板、ガラス基板、シリコーン樹脂などの基板を使用する。ただし、この基板上に電極を形成するため、絶縁体ではないシリコン基板などを使用する場合には、絶縁膜を表面に成膜しておく必要がある。
第1の電極および第2の電極の素材は限定されない。例えば、金、アルミニウム、銅などを使用する。ただし、金を使用する場合には、基板との密着性が悪い。そこで、金薄膜電極と基板との間にクロム薄膜を挟むと、金薄膜電極と基板との密着性が向上する。
上記電極の膜厚は、例えば0.3μmである。厚くし過ぎるとデバイス上の凹凸が大きくなり、液滴の移動が妨げられる可能性がある。また、薄くし過ぎると電極の抵抗が大きくなるため、印加電圧の立ち上がりが遅くなったり、電極自体の電圧降下分だけ駆動電圧が大きくなったりする可能性がある。
誘電体膜の素材は限定されない。例えば、二酸化シリコン、テフロン(登録商標)、パリレン、またはチタン酸バリウム・ストロンチウムなどを使用する。比誘電率の大きな材料のほうが、必要な駆動電圧を小さくできる。
誘電体膜の膜厚は、例えば0.1〜2μmである。薄くするほうが低電圧で液滴を輸送することができるが、輸送に必要な電圧を印加すると液滴を電気分解させてしまう可能性がある。誘電体膜を厚くすれば、液滴を電気分解させる心配はなくなるが、輸送に必要な電圧が高くなる。したがって、誘電体の膜厚には、液滴を電気分解させることなく、なるべく低電圧で輸送できるような、適度な値が存在する。また、誘電体膜を厚くすると、デバイス上の凹凸が大きくなり、液滴の移動が妨げられる可能性がある。
疎水性膜の素材は限定されない。例えば、フッ素樹脂(例えば、旭硝子(株)製Cytop)を使用することができる。疎水性膜の膜厚は、例えば0.1μmである。薄過ぎると絶縁破壊を起こす可能性がある。また、厚くするほど、液滴輸送に必要な電圧が高くなってしまう。
請求項1に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスにあっては、液滴を2個の薄膜電極をまたぐように置き、これらの薄膜電極間に電圧を印加することにより、これらの電極上に表面張力の差を生じさせ、この差により微量液滴前後の接触角の差が発生し、これを駆動力として液滴を一方向に確実に輸送することが可能となる。
表面張力の差を生じさせるには、まず、2個の薄膜電極間に所定電圧を印加する。すると、液滴は分極を起こし、この2個の薄膜電極の方向に引き付けられる。そして、この引き付けられる力が、高い誘電率を有する誘電体膜が設けられた電極側で強くなる。また、引き付ける力の大きさは、絶縁体と電極との間を形成する物質の誘電率に比例する。これにより、液滴は、接触角を小さくしながら、誘電体膜側に引き付けられる。この結果、デバイス上において、液滴を輸送することができる。液滴輸送の速度は、印加電圧の大きさと周波数などにより制御可能である。
また、電圧を印加した時点で液滴輸送を開始することが可能となる。さらに、デバイス上で他の液滴との混合のタイミングを計ったり、複数の液滴の輸送を同時に開始したりすることなどが可能となる。さらに、長い距離を有するデバイス上においても液滴を輸送することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、上記第1の電極および第2の電極は、複数のくさび形状をそれぞれ有し、互いに所定距離を有して絶縁され噛み合わせるように基板の表面に設けられた請求項1に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスである。
第1の電極および第2の電極のくさび形状の寸法は、例えば、底辺が10μmから1mm、長さが100μmから30mmであり、典型的な寸法はそれぞれ600μmと10mmである。底辺に対して長さの寸法が小さいほうが、電圧印加後の表面エネルギ勾配が大きくなり、より小さな電圧でも液滴を移動させることが可能となる。
請求項2に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスにあっては、第1の電極および第2の電極の形状を複数のくさび形状が並んだ形状とする。そして、これらを噛み合うように配置する。くさびの形状は、その寸法を長くすることも可能である。これにより、これらの薄膜電極間への電圧印加後にこれらの薄膜電極上に表面張力の勾配を形成させ、微量液滴の長距離輸送と、輸送の開始・終了や輸送速度の制御を行うことが可能となる。この結果、電極2個のみで微量液滴の長距離輸送が可能となるため、液滴輸送距離が長くなる分析チップに応用する際に、外部への配線数を最小にすることが可能となり、チップ周辺の機器構成が極めて簡単になる。また、印加電圧の大きさなどを変更することにより表面張力の勾配の大きさを変えることができるため、輸送速度の制御を行うことが可能であり、これにより他の液滴との混合を行う際に、高速に液滴同士をぶつけるように混合させたり、ゆっくりと接触させるように混合させたりするなどの制御が可能となる。
請求項3に記載の発明は、上記誘電体膜は、二酸化シリコン、テフロン(登録商標)、パリレン、チタン酸バリウム・ストロンチウムのうちのいずれか1つである請求項1または請求項2に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスである。
請求項3に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスにあっては、例えば、誘電体膜を二酸化シリコンで形成することにより、この誘電体膜直下の薄膜電極に電圧を印加すると、その電極上での液滴の接触角を小さくすることが可能となり、これにより隣接する電極上との間で表面張力の差を作ることが可能となる。誘電体膜は、二酸化シリコン、テフロン(登録商標)、パリレン、チタン酸バリウム・ストロンチウムのうちのいずれか1つである。これらの誘電体膜は誘電率がそれぞれ異なるので、適宜選択して基板上に配設することが可能である。また、例えば二酸化シリコン(SiO)を使用することにより、半導体の微細加工技術との相性が良くなる。
請求項4に記載の発明は、上記2つの電極間には、所定の直流電圧、所定周期を有する交流電圧またはそれらが組み合わされた電圧が印加される請求項1〜請求項3のうちいずれか1項に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスである。
請求項4に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスにあっては、上記2つの電極には、0〜100Vの直流電圧が印加される。または、所定周期を有する交流電圧、または直流電圧と交流電圧が組み合わされた電圧が印加される。直流電圧または交流電圧の大きさまたは周波数により表面上の液滴の輸送速度を制御することができる。
請求項5に記載の発明は、上記疎水性膜はフッ素樹脂である請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスである。
請求項5に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスにあっては、疎水性膜をフッ素樹脂で形成することにより、液滴の接触角を大きくし、液滴をデバイス面に吸着させずに移動させることが可能となる。
本発明の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスによれば、2個の電極への電圧供給以外には外部に特別な機構を必要としない。また、簡便で安価な構造で、微量液滴を一方向に確実に輸送し、さらにその長距離輸送と、輸送開始・終了及び輸送速度の制御が可能となる。したがって、本発明に係る微量液滴輸送デバイスを、医療診断チップや環境分析チップなどの微量な液滴を検体として用いるデバイスチップに応用すれば、検体となる血液や尿、環境因子を含む液滴などを分析箇所に簡便かつ確実に輸送することが可能となる。そして、本発明の構造は極めて安価に製造できるため、これを応用した医療診断チップや環境分析チップなどは使い捨て可能なほど安価になる可能性があり、医療診断や環境分析などの分野の発展に対して多大な貢献を期待することができる。
以下、この発明の実施例を、図1〜図3を参照して説明する。
本実施例に関わる電気的制御可能な微量液滴輸送デバイス10は、図1に示すように、基板11と、その基板11の上面に隣接するように形成された薄膜の第1の電極12aおよび第2の電極12bと、第1の電極12aを被覆する誘電体膜14と、これらを一面に覆う疎水性膜15とで構成される。
基板11は幅30mm、長さ30mm、厚さ0.5mmの矩形の絶縁性を有するガラス基板である。
そして、この基板の表面に薄膜の第1の電極12aおよび第2の電極12bが形成される。薄膜電極12a、12bは厚さ0.3μmの金薄膜製であり、基板11との密着性を高めるために厚さ0.1μmの図示していないクロム薄膜を介して金属薄膜12a、12bを形成している。金薄膜およびクロム薄膜は真空蒸着を利用して形成される。
また、この2つの薄膜電極12a、12bは、くさび形状に形成される。すなわち、底辺が10μmから1mmまで、長さが100μmから30mmまでのくさび形状である。典型的な寸法は、それぞれ600μmと10mmである。
誘電体膜14は、厚さ0.8μmの二酸化シリコン(SiO)であり、薄膜電極12aの全体を被覆する。この二酸化シリコンの比誘電率は、3.8である。
疎水性膜15は厚さ0.1μmのフッ素樹脂(例えば、旭硝子(株)製Cytop)であり、薄膜電極12aと12bを完全に覆うように成膜される。
次に、この微量液滴輸送デバイス10を用いた微量液滴16の輸送方法を説明する。
図1に示すように、まず、0.1〜100μLの純水液滴16を、第1の電極12aと第2の電極12bをまたぐように設置する。この際、液滴16の接触角は、疎水性膜15の表面エネルギで決まる。液滴16周囲のどの場所でも接触角は約110度程度である。このとき、デバイス上の液滴16を移動させる外力は生じていない。
次に、図2に示すように、この2つの電極12a、12b間に所定の直流電圧を印加する直流電源17を設け、そして、直流電源17と2つの電極12a、12bとを導線を用いて結線する。
そして、これらの電極12a、12b間に電圧10〜100Vの一定電圧を印加する。すると、誘電体膜14上で接触角が減少する。この減少具合は印加電圧の大きさに依存し、印加電圧が大きい場合(100V)には約80度程度まで接触角が減少する。なお、印加電圧は、直流電源17の電圧値を調整することで可能である。
接触角が小さくなる現象は以下のようにして説明される。すなわち、2個の薄膜電極12a、12b間に所定電圧を印加する。すると、液滴16は分極を起こし、この2個の薄膜電極12a、12bの方向に引き付けられる。そして、この引き付けられる力が、高い誘電率を有する誘電体膜14が設けられた第1の電極12a側で強くなる。また、この力の大きさは、絶縁体と電極との間を形成する物質(誘電体膜14)の誘電率に比例する。これにより、液滴16は、接触角を小さくしながら、誘電体膜14側に引き付けられる。
一方、誘電体膜14が形成されていない薄膜電極12b上の液滴16の接触角はほとんど変化しない。したがって、この接触角の差により、液滴16には薄膜電極12bから薄膜電極12aに向かって駆動力が発生し、液滴16は第2の電極12bから第1の電極12aに向かって移動する。
次に、この微量液滴輸送デバイス10において、液滴16の輸送距離を長くする方法を、図3を参照して説明する。
薄膜電極12aと12bの形状を、複数のくさび形状が並んだ形状にし、それらが噛み合うように配置する。すなわち、図3に示すように、第2の電極12bの先端が先細りの複数の山形の形状を有し、第1の電極12aは、上記第2の電極12bと絶縁性を有して所定距離を離間されて谷型の形状を有している。そして、薄膜電極12aの上にのみ誘電体膜14を成膜し、これらの電極を覆うように疎水性膜15を成膜する。図3に示すように、このくさび電極パターン上に純水液滴16を置き、薄膜電極12aと12bの間に電圧10〜100Vの一定電圧を印加すると、薄膜電極12bから12aに向かって表面エネルギ(濡れ性)の勾配が形成される。したがって、液滴16の前後に接触角の差が生じ、これが駆動力となって液滴16が輸送される。
上記微量液滴輸送デバイス10の2つの電極12a、12b間には、交流式に電圧を印加することができる。交流式の印加電圧を正弦波状や矩形波状にすると、液滴16の輸送に必要な電圧が低減される。例えば、直流式の電圧40Vを印加しないと液滴16が移動し始めないような場合でも、最大電圧が30Vで最小電圧が0Vであるような矩形波状の電圧を印加すると、液滴16を移動させることが可能な場合がある。これは、液滴16の接触角を振動させることにより、液滴16とデバイス表面との摩擦が低減されたためであると思われる。ただし、この周波数を大きくし過ぎると、液滴の接触角変化が電圧変化に追従できなくなり、液滴の輸送速度が極端に小さくなる。例えば、周波数60Hz程度までは、周波数を上げるにつれ液滴速度が大きくなるが、70Hzを超えると液滴の移動は極端に遅くなる。
薄膜電極12aと12bのくさび形状の寸法は、底辺が580μm、長さが10mmであり、底辺は10μmから1mm、長さは100μmから30mmの範囲で変更が可能である。底辺に対して長さの寸法が小さいほうが、電圧印加後の表面エネルギ勾配が大きくなり、より小さな電圧でも液滴16を移動させることが可能となる。また、このくさび形状の寸法は変更することが可能であり、液滴16を長い距離輸送することもできる。
本発明の一実施例に係る微量液滴輸送デバイスの構造を示した断面図である。 本発明の一実施例に係る微量液滴輸送デバイスに電圧を印加した状態を示す断面図である。 図1のA−A線からみた平面図である。
符号の説明
10 微量液滴輸送デバイス、
11 基板、
12a、12b 薄膜電極、
14 誘電体膜、
15 疎水性膜、
16 微量液滴。

Claims (5)

  1. 基板上に配された液滴を輸送させる電気的制御可能な微量液滴輸送デバイスであって、
    絶縁性を有する上記基板と、
    この基板の表面に設けられた第1の電極と、
    この第1の電極と所定距離を有して絶縁されて基板の表面に設けられた第2の電極と、
    上記第1の電極を被覆する誘電体膜と、
    この誘電体膜および第2の電極を一面に覆う疎水性膜とを備えた電気的制御可能な微量液滴輸送デバイス。
  2. 上記第1の電極および第2の電極は、複数のくさび形状をそれぞれ有し、互いに所定距離を有して絶縁され噛み合わせるように基板の表面に設けられた請求項1に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイス。
  3. 上記誘電体膜は、二酸化シリコン、テフロン(登録商標)、パリレン、チタン酸バリウム・ストロンチウムのうちのいずれか1つである請求項1または請求項2に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイス。
  4. 上記2つの電極間には、所定の直流電圧、所定周期を有する交流電圧またはそれらが組み合わされた電圧が印加される請求項1〜請求項3のうちいずれか1項に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイス。
  5. 上記疎水性膜はフッ素樹脂である請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載の電気的制御可能な微量液滴輸送デバイス。
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