JP2005257531A - 光電センサ装置 - Google Patents

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直哉 中下
Kohei Tomita
公平 冨田
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宏之 井上
Koji Shimada
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Abstract

【課題】 発光素子の残寿命を正確に予測できる光電センサ装置を提供すること。
【解決手段】 光電センサ装置は、発光素子を所定の発光パワー及び所定のデューティにて駆動することにより、検出対象物に対してパルス光を照射する投光部と、投光部から発せられたのち、検出対象物を透過又は反射して到来するパルス光を受光する受光部と、受光部における受光出力の値に応じて投光部における発光素子駆動のための発光パワー及び/又はデューティの値を制御する発光状態制御手段と、発光状態制御手段にて制御される発光パワー及び/又はデューティに基づいて、投光部における発光素子の消耗度と相関のある消耗度相関データを算出する演算手段と、演算手段にて算出された消耗度相関データを表示出力及び/又は信号出力する出力手段と、を具備する。消耗度相関データは、実発光時間の積算値に相当する。
【選択図】 図6

Description

この発明は、発光素子の残寿命を予測できる光電センサ装置に関する。
従来、光電センサ装置として、光電スイッチ、光学式変位センサ、視覚センサ、光学式測長センサ、光学式測距センサなどが知られている。従来の光電センサ装置は、例えば、レーザダイオードなどの発光素子を駆動することにより検出対象物に対してパルス光を周期的に照射する投光部と、投光部から発せられたのち検出対象物を反射して到来するパルス光を受光する受光部と、検出対象物までの距離を算出する演算手段と、演算手段にて算出された検出対象物までの距離を出力する出力手段とを具備してなる。
従来、光電センサ装置の発光素子の寿命は、これまでの使用時間に基づいて見積もられたり、種々の方法により見積もられている(例えば特許文献1参照)。
特開平8−279642号公報
しかしながら、光電センサ装置の発光素子の寿命は、その使用形態に大きく左右される。例えばパルス光を照射するセンサヘッド部と検出対象物とが離れていると発光素子はそれだけ強く発光する必要があり、発光素子が強く発光するために発光パワーやデューティを大きくしなければならない。そのため、発光素子がそれだけ劣化し易くなり、発光素子を使用することのできる期間が短くなる。
このため、例えば、光電センサ装置を利用する工場において、発光素子の使用状況に差があると、発光素子を交換するメンテナンスを計画的に行うことが難しく、又、発光素子の寿命が尽きることにより工場のシステムを停止せざるを得ない場合もある。そこで、光電センサ装置の発光素子の残寿命を正確に予測することが要望されている。
この発明は、このような従来の問題点に着目して成されたものであり、その目的とするところは、発光素子の残寿命を正確に予測できる光電センサ装置を提供することにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
本発明の光電センサ装置は、発光素子を所定の発光パワー及び所定のデューティにて駆動することにより、検出対象物に対してパルス光を照射する投光部と、投光部から発せられたのち、検出対象物を透過又は反射して到来するパルス光を受光する受光部と、受光部における受光出力の値に応じて投光部における発光素子駆動のための発光パワー及び/又はデューティの値を制御する発光状態制御手段と、発光状態制御手段にて制御される発光パワー及び/又はデューティに基づいて、投光部における発光素子の消耗度と相関のある消耗度相関データを算出する演算手段と、演算手段にて算出された消耗度相関データを表示出力及び/又は信号出力する出力手段と、を具備する。
このような構成によれば、発光状態制御手段が、受光部における受光出力の値に応じて投光部における発光素子駆動のための発光パワー及び/又はデューティの値を制御するので、感度に応じて発光素子の発光状態が変化する。このような実際の発光状態を示す発光パワー及び/又はデューティの値に基づいて、投光部における発光素子の消耗度と相関のある消耗度相関データが算出されて出力されるので、発光素子の残寿命を正確に予測することができる。
本発明の実施形態においては、前記消耗度相関データが、発光状態制御手段にて制御されたデューティにより決定される実発光時間の積算値に相当するものとしてもよい。このような構成によれば、発光素子が実際に発光している時間を積算したものは、発光素子のオフ時間を含めた使用時間と比べてより正確に発光素子の消耗度を反映するので、発光素子の寿命が尽きるまでの期間を正確に予測することができる。
本発明の実施形態においては、前記消耗度相関データが、発光状態制御手段にて制御されたデューティにより決定される実発光時間の積算値を、発光状態制御手段にて制御される発光パワーの平均値により補正したものに相当するものとしてもよい。このような構成によれば、発光素子の実発光時間の積算値を発光パワーの平均値により補正するので、発光素子の単なる稼働時間と比較して、より正確に発光素子の寿命を予測することができる。
本発明の実施形態においては、前記消耗度相関データが、発光状態制御手段にて制御されたデューティにより決定される実発光時間の積算値を、発光素子温度モニタ手段にてモニタされた発光素子温度の平均値により補正したものに相当するものとしてもよい。このような構成によれば、発光素子の実発光時間の積算値を発光素子温度の平均値により補正するので、発光素子の単なる稼働時間と比較して、より正確に発光素子の寿命を予測することができる。
本発明の実施形態においては、前記消耗度相関データが、発光状態制御手段にて制御されたデューティにより決定される実発光時間の積算値を、発光状態制御手段にて制御される発光パワーの平均値により補正し、さらに発光素子温度モニタ手段にてモニタされた発光素子温度の平均値により補正したものに相当するものとしてもよい。このような構成によれば、発光素子の実発光時間の積算値を発光パワーの平均値と発光素子温度の平均値とにより補正するので、発光素子の単なる稼働時間と比較して、より正確に発光素子の寿命予測することができる。
本発明の実施形態においては、前記消耗度相関データが、実発光時間積算値又は補正後実発光時間積算値を、発光時間積算値と発光素子故障率との相関に当て嵌めて得られた発光素子の残寿命に相当するものであるものとしてもよい。このような構成によれば、発光時間積算値と発光素子故障率に基づいて発光素子の残寿命が出力されるので、ユーザが発光素子の交換などのメンテナンスを計画的に行うことができる。
本発明の実施形態においては、発光停止信号が入力されている期間は、実発光時間積算処理は停止されるものとしてもよい。このような構成によれば、発光素子の実稼動時間が算出できるので、より正確に発光素子の寿命を測定することができる。
本発明の実施形態においては、投光部により駆動される発光素子はレーザダイオードであってもよく、また、光電センサ装置は、光電スイッチ、光学式変位センサ、視覚センサ、光学式測長センサ、又は光学式測距センサであってもよい。
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、発光素子の残寿命を正確に求めることができるので、光電センサ装置のメンテナンスを計画的に行うことができるという利点を有する。
以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態の光電センサ装置は、図1に示されるように、制御盤などへのコンパクトな収容を可能とするために、また狭小な計測環境への据え付けを容易とするために、センサヘッド部1と信号処理部2とを分離させてなるものである。センサヘッド部1と信号処理部2とは電気コード3を介して接続されている。
センサヘッド部1のケース1aに内蔵されたLD(レーザダイオード)から出射されたパルス状レーザ光(パルス光)は、不図示の投光レンズを通して、計測対象物(検出対象物)5の表面に投射ラインビーム(計測光)L1として照射される。これにより、計測対象物5の表面には計測光の照射によるライン状光像(ラインビームの照射光像)LIが形成される。計測対象物5で反射した反射ラインビーム(反射光)L2はケース1a内の受光レンズ(図示しない)を通して位置撮像素子(PSD、CCD、CMOS撮像素子等)へと入射される。すなわち、計測対象物5の表面は、位置撮像素子により別の角度から撮影されて、ラインビームの照射光像を含む映像信号に変換される。そして、特徴量が抽出されて、センサヘッド部1と計測対象物5との距離(図では高さ)が求められる。
信号処理部2は、不図示のDINレールを介して互いに隣接させて連装されて使用される。信号処理部2のケース2a上面には、液晶表示部203aと、複数の表示灯LED203bとが設けられている。信号処理部2のケース2の前面には、電気コード4が取り付けられている。電気コード4には、外部入力線、外部出力線、電源線などが含まれている。外部入力線は例えばPLC等から信号処理部2に対して各種の指令を外部から与えるためのものであり、外部出力線は信号処理部2の内部で生成されたスイッチング出力やアナログ出力などを外部の例えばPLC等へ出力するためのものであり、電源線は信号処理部2の内部回路に対する電源を供給するためのものである。
センサヘッド部1の電気的ハードウェア構成を示すブロック図が図2に示されている。センサヘッド部1は、図2に示されるように、制御部101と、計測対象物5へと向けてLDによりパルス光を照射するための投光部102と、計測対象物を反射して到来する投光部102からのパルス光を受け取るための受光部103と、表示灯LED104と、記憶部105と、通信部106とを備えている。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)およびPLD(Programmable Logic Device)により構成され、上述の102〜106の各構成要素を統括制御するとともに、受光信号を受光部103から取り出し、信号処理部2に送り出す処理を担うものである。
投光部102は、Po切り替え回路102aと、投光回路102bと、LD温度モニタ回路102cと、LD102dと、を備えている。Po切り替え回路102aは、LD102dの発光パワーを切り替える。投光回路102bは、制御部101から出力されるタイミング制御信号に同期してLD102dの駆動パルスを生成する。LD温度モニタ回路102cは、LD102dの温度をモニタするための回路である。LD102dはパルス光P(T)を照射する。
受光部103は、パルス光P(R)を受光する位置撮像素子(PSD、CCD、CMOS撮像素子等)と、制御部101からのタイミング制御信号に同期して、位置撮像素子から得られる受光信号を増幅して制御部101に出力する受光信号処理部とを有してなる。表示灯LED104は、センサヘッド部1の各種動作状態等を表示する。
記憶部105は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)から構成され、この例では、消耗度相関データやセンサヘッド部1のID(識別情報)等が記録される。記録される消耗度相関データは、LDの発光時間積算値(LDのオン時間Tonの積算値)、LDのオフ時間Toffの積算値、LDの使用時間値(LDのオン時間Tonの積算値とLDのオフ時間Toffとの総和)、LDの残寿命等を含む。通信部106は、制御部101の制御の下、信号処理部2と通信する。
本実施形態のセンサヘッド部1は、以上のような回路構成とされ、この例では、信号処理部2の指令に応じて投光処理を行い、受光処理による受光信号を適当なタイミングで信号処理部2に送ると共に、信号処理部2からのその他の指令に応じて、LD102dの発光パワーを調整する処理や、LD102の温度をモニタする処理を行うべく使用されている。
変位センサの信号処理部2の電気的ハードウェア構成の全体を示すブロック図が図2に示されている。信号処理部2は、制御部201と、記憶部202と、表示部203と、通信部204と、外部通信部205と、キー入力部206と、外部入力部207と、出力部208と、電源部209とを備えている。
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)により構成され、信号処理部2全体を統括制御する。制御部201では、後述する各種機能を果たし、受光量データをそのまま、あるいは所定のしきい値を基準として二値化した後、これを出力データとして、出力部208から外部へと送出する。また、制御部201は、後述するように発光状態制御手段および演算手段の機能を果たしている。
記憶部202は、EEPROM202aと、表示部203に表示する画像データを記憶した画像メモリ202bとを備えている。EEPROM202aには、LD102dの発光パワーおよび温度に応じた故障率と使用時間との相関データが記憶されている。
表示部203は、ON/OFF状態等を表す画像や計測対象物体5までの距離等に係る各種数値等が表示される液晶表示部203aと、動作状態等を示す表示灯LED203bとを備えている。通信部204は、センサヘッド部1と通信を行うためのものである。
外部通信部205は、外部のパソコン等に接続するためのUSB通信部205aと、コマンドやプログラムデータの送受信などに使用されるシリアル通信部205bと、所定のプロトコル並びに送受信フォーマットに従って、左右の隣接する他の信号処理部との間でデータ通信を行う信号処理部間通信部205cとを備えている。
キー入力部206は、各種設定のためのスイッチ(図示は省略する)や操作ボタン等で構成される。外部入力部207は例えばPLC等の外部装置から信号処理部2に対して各種の指令を外部から入力するためのものである。出力部208は、検出結果に基づく出力を例えばPLC等の外部装置に出力するために使用される。電源部209は、制御部201並びに外部のハードウェア回路に対し電源を供給するものである。
光電センサ装置の信号処理部2の動作を示すゼネラルフローチャートが図4に示されている。電源投入により処理が開始されると、初期設定のためのイニシャライズ処理(ステップ401)が行われた後、モード設定を読み込む(ステップ402)。そして、動作モードが運用モードであるのか設定モードであるのかを判別する(ステップ403)。
動作モードが運用モードである場合、後述する運用モード処理が行われる(ステップ404)。また、動作モードが設定モードである場合、後述する設定モード処理が行われる(ステップ405)。ステップ404又はステップ405に続いて、キー入力などにより終了操作がなされたか否かを判別する(ステップ406)。終了操作がなされた場合には、処理を終了し、終了操作がなされていない場合には、ステップ402に戻る。
上記運用モード処理(ステップ404)の詳細を示すフローチャートが図5に示されている。運用モード処理が開始されると、後述する投光処理(ステップ501)並びに受光処理(ステップ502)を実行して、計測対象物5に対してパルス光の照射を行い、続いて計測処理(ステップ503)を実行する。この計測処理(ステップ503)では、変位センサの固有アルゴリズムに従って、計測対象物5に関する計測データを取得する。
続いて、上記の処理で得られた計測データに基づき、各種の演算処理を実行して、演算処理結果データに対し、1若しくは2以上の判定基準値を適用して所定の判定処理を行い(ステップ504)、計測対象物である工業製品などの製品良否の判定等を行う。この判定は例えば、LOW(低すぎ又は小さすぎ),PASS(良),HIGH(高すぎ又は大きすぎ)等として行われる。続く判定値出力処理(ステップ505)では、上記判定処理(ステップ504)で得られた判定結果を、出力部208へ与えることによって、外部出力線から判定出力を送り出す。なお、ステップ504でLOW,PASS,HIGHで判定できない場合、ステップ501に戻る。
上記投光処理(ステップ501)の詳細を示すフローチャートが図6に示されている。投光処理は発光状態制御手段および演算手段の機能を果たしている。投光処理が開始されると、LD_OFF入力があるか否か判別される(ステップ601)。LD_OFF入力がないときには、受光部103における受光出力の値に応じてLD102dを駆動させるための投光パワーを調整する処理を行う(ステップ602)。この信号処理部2の指令により、センサヘッド部1のPo切り替え回路102aによりLDの発光パワーが調整される。続いて、後述するDUTY(デューティ)調整処理(ステップ603)を行い、LDの駆動パルスのデューティを調整する。
続いて、LDの温度をモニタする処理を行い(ステップ604)、LDの使用温度を求める。この信号処理部2の指令により、センサヘッド部1のLD温度モニタ回路102cによりLDの使用温度がモニタされ、LD使用温度が通信部106を介して信号処理部2に定期的に送られる。続いて、投光パルス幅のLDオン状態のパルス幅を計測することにより、LDの発光時間を積算する処理を行う(ステップ605)。この信号処理部2の指令により、センサヘッド部1の制御部101によりLDの発光時間が積算され、記憶部105に記録される。続いて、LD102dを発光させる処理を行う(ステップ606)。LD102dは投光回路102bにより駆動されてパルス光を照射する。
ステップ601において、LD_OFF入力があるときには、LDの発光時間積算処理(ステップ607)において、積算処理は停止される。なお、ステップ605のLDの発光時間積算処理は、パルス毎でも一定時間毎でもよい。
上記DUTY調整処理(ステップ603)の詳細を示すフローチャートが図7に示されている。DUTY調整処理が開始されると、受光量を取得する(ステップ701)。続いて、取得した受光量が飽和しているか否か判別する(ステップ702)。ステップ702において、受光量が飽和しているときには、DUTYを下げる処理を行い(ステップ703)、ステップ702に戻る。
ステップ702において、受光量が飽和していないときには、続いて、受光量が不足しているか否か判別する(ステップ704)。ステップ704において、受光量が不足しているときには、DUTYを上げる処理を行い(ステップ705)、ステップ702に戻る。ステップ704において、受光量が不足していない場合には、受光量が適量なので、それに応じてDUTYを決定し(ステップ706)、処理を終了する。
次に、設定モード処理(ステップ405)の詳細を示すフローチャートが図8に示されている。設定モード処理が開始されると、モードが読み込まれ(ステップ801)、LDチェックモードか否かを判別する(ステップ802)。LDチェックモードでない場合には他モードの設定処理を行う。LDチェックモードである場合には、センサヘッド部1の記憶部105からLD102の発光時間積算値を読み出す(ステップ803)。
続いて、消耗度相関データを算出する(ステップ804)。算出される消耗度相関データは、LDの発光パワーの平均値およびLDの使用温度の平均値により補正された実発光時間の積算値、LD102dの残寿命などである。続いて、消耗度相関データを表示出力する処理を行い(ステップ805)、処理を終了する。
ここで消耗度相関データについて説明する。各温度におけるLDの使用時間(発光時間)と故障率の関係を示すグラフが図9に示されている。この各温度における使用時間と故障率の関係は、信号処理部2のEEPROM202aに記憶されている。図9のグラフでは、縦軸はLDの故障率を示し、横軸はLDの使用時間(発光時間)を示している。LDの使用温度がa[K]のときの使用時間に対する故障率の関数ftempと所定の寿命閾値との交点から、使用温度a[K]でのLDの寿命Taが求められる。同様に、LDの使用温度がb[K]のときの使用時間に対する故障率の関数ftempと所定の寿命閾値との交点から、使用温度b[K]での寿命Tbが、LDの使用温度がc[K]のときの使用時間に対する故障率の関数ftempと所定の寿命閾値との交点から、使用温度c[K]での寿命Tcがそれぞれ求められる。なお、図9のグラフでは、LDの発光パワーは、基準発光パワーPo(Poは一定値)としている。
例えばLDの平均使用温度がa[K]の場合の発光積算時間をT1とすると、使用温度a[K]での寿命Taと、これまでの発光積算時間T1との差ΔTが残発光時間となる。残発光時間ΔTと、LDのこれまでの使用態様におけるデューティDUTYの平均値とから残寿命(LDの残使用時間)が求められる。
より詳細には、投光パワー、使用温度、発光デューティーが変化する場合のLDの寿命時間TLは次式(1)により求められる。
L=Tave×A×{ΣTon/(ΣTon+ΣToff)}・・・(1)
ここで、Taveは、発光パワー一定の場合のある平均使用温度[K]における寿命時間であり、例えば図9のTa,Tb,Tcなどである。ΣTonはLDの総点灯時間(発光積算時間)、ΣToffはLDの総消灯時間を表している。また、Aは平均発光パワー、平均使用温度における寿命加速係数である。この寿命加速係数Aは次式(2)により求められる。
A=(Po/Paven×exp{(Ea/K)×1/TPave−1/TPo}・・・(2)
ここで、PoはLDのメーカデータシートの発光パワー、PaveはLD平均発光パワー、nはパワー係数、Eaは活性化エネルギー、Kはボルツマン係数、TPaveは使用平均温度、TPoはメーカデータシートのLD発光温度条件をそれぞれ表している。
LDの総点灯時間ΣTonが寿命時間TLよりも大きくなったときに、LDの寿命がきたことになる。この場合には、液晶表示部203aにLDの使用時間をオーバーしている旨を表示する。このとき、出力部208からLDの使用時間をオーバーしている旨を出力してもよく、あるいはセンサヘッド部1の表示灯104を点滅することにより、ユーザに報知するようにしてもよい。これによれば、LDの交換等のメンテナンス時期を知ることができる。
以上説明したように、本実施形態の光電センサ装置によれば、LD102dの使用形態、すなわち実発光時間の積算値に基づいて、LDの残寿命を正確に予測することができる。従って、光電センサ装置のメンテナンスを計画的に実行できるなどの有利な効果を奏することができる。
上記実施形態では、受光部103における受光出力の値に応じてLD102dを駆動させるための投光パワーを調整する処理と、デューティの値を制御する処理のいずれも行うようにしたが、これに限らず、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。また、デューティの値は100%、すなわち直流駆動を含んでもよい。
また、消耗度相関データとして、実発光時間の積算値は、LDの発光パワーの平均値およびLDの使用温度の平均値により補正されるものとしたが、これに限らず、実発光時間の積算値をそのまま使用するようにしても良く、あるいは、発光パワーの平均値またはLDの使用温度の平均値のいずれかで補正するようにしても良い。好ましくは、上記実施形態のごとく構成されるものがよい。
なお、以上の説明では、光電センサ装置の一例として変位センサを挙げたが、本発明の適用はこれに限定されないのは勿論であり、本発明は、光電スイッチ、視覚センサ、光学式測距センサのほか、測長センサ等のように高度な演算処理の伴う高機能光電センサにも広く適用が可能である。また、反射型に限らず透過型であってもよい。
センサ装置全体の外観斜視図である。 センサ部の電気的ハードウェア構成を示すブロック図である。 信号処理部の電気的ハードウェア構成を示すブロック図である。 信号処理部の動作を示すゼネラルフローチャートである。 運用モード処理の詳細を示すフローチャートである。 投光処理の詳細を示すフローチャートである。 DUTY調整処理の詳細を示すフローチャートである。 設定処理の詳細を示すフローチャートである。 各温度における使用時間と故障率の関係である(Po基準発光パワー(一定値))。
符号の説明
1 センサヘッド部
1a ケース
2 信号処理部
2a ケース
3 電気コード
4 電気コード
5 計測対象物
L1 投射ラインビーム
L2 反射ラインビーム
LI ライン状光像
101 制御部
102 投光部
102a Po切り替え回路
102b 投光回路
102c LD温度モニタ回路
102d LD
103 受光部
104 表示灯LED
105 記憶部
106 通信部
201 制御部
202 記憶部
202a EEPROM
202b 画像メモリ
203 表示部
203a 液晶表示部
203b 表示灯LED
204 通信部
205 外部通信部
205a USB通信部
205b シリアル通信部
205c 信号処理部間通信部
206 キー入力部
207 外部入力部
208 出力部
209 電源部

Claims (9)

  1. 発光素子を所定の発光パワー及び所定のデューティにて駆動することにより、検出対象物に対してパルス光を照射する投光部と、
    投光部から発せられたのち、検出対象物を透過又は反射して到来するパルス光を受光する受光部と、
    受光部における受光出力の値に応じて投光部における発光素子駆動のための発光パワー及び/又はデューティの値を制御する発光状態制御手段と、
    発光状態制御手段にて制御される発光パワー及び/又はデューティに基づいて、投光部における発光素子の消耗度と相関のある消耗度相関データを算出する演算手段と、
    演算手段にて算出された消耗度相関データを表示出力及び/又は信号出力する出力手段と、
    を具備することを特徴とする光電センサ装置。
  2. 前記消耗度相関データが、発光状態制御手段にて制御されたデューティにより決定される実発光時間の積算値に相当する、ことを特徴とする請求項1に記載の光電センサ装置。
  3. 前記消耗度相関データが、発光状態制御手段にて制御されたデューティにより決定される実発光時間の積算値を、発光状態制御手段にて制御される発光パワーの平均値により補正したものに相当する、ことを特徴とする請求項1に記載の光電センサ装置。
  4. 前記消耗度相関データが、発光状態制御手段にて制御されたデューティにより決定される実発光時間の積算値を、発光素子温度モニタ手段にてモニタされた発光素子温度の平均値により補正したものに相当する、ことを特徴とする請求項1に記載の光電センサ装置。
  5. 前記消耗度相関データが、発光状態制御手段にて制御されたデューティにより決定される実発光時間の積算値を、発光状態制御手段にて制御される発光パワーの平均値により補正し、さらに発光素子温度モニタ手段にてモニタされた発光素子温度の平均値により補正したものに相当する、ことを特徴とする請求項1に記載の光電センサ装置。
  6. 前記消耗度相関データが、実発光時間積算値又は補正後実発光時間積算値を、発光時間積算値と発光素子故障率との相関に当て嵌めて得られた発光素子の残寿命に相当するものである、ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の光電センサ装置。
  7. 発光停止信号が入力されている期間は、実発光時間積算処理は停止されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光電センサ装置。
  8. 投光部により駆動される発光素子はレーザダイオードである、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光電センサ装置。
  9. 光電スイッチ、光学式変位センサ、視覚センサ、光学式測長センサ、又は光学式測距センサである、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光電センサ装置。
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