JP2005256688A - 車両用排気系におけるテールパイプ構造 - Google Patents

車両用排気系におけるテールパイプ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 低背圧化要求に大きな影響を及ぼすことなしに、気流音(噴流音)の発生を抑制することができる車両用排気系におけるテールパイプ構造の提供。
【解決手段】 テールパイプ1およびフィニッシャー2のテーパ部2aの外周を覆う外筒3を設けることにより、テールパイプ1からテーパ部2aにかけてその外周に環状空間Hが形成され、テールパイプ1の周壁に環状空間Hと連通する第1の連通孔1aが形成され、テーパ部2aの周壁に環状空間Hと連通する第2の連通孔2cが形成され、テールパイプ1の周壁に形成される第1の連通孔1aよりテーパ部2aの周壁に形成される第2の連通孔2cの孔径が大きく形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、テールパイプの下流側開口部にテーパ部を介してテールパイプより大径のフィニッシャーが設けられた車両用排気系におけるテールパイプ構造に関する。
従来、車両用排気系において、目標背圧を達成させるためや、デザイン性を高める目的で、図5に示すように、テールパイプ101の下流側開口部にテーパ部102aを介してテールパイプ101より大径のフィニッシャー102が設けられたものがある(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2002−364332号公報 (明細書(5)頁、図4、5) 特開平7−35721号公報 (明細書(5)頁、図1)
しかしながら、上述のように、テールパイプ101の下流側開口部がテーパ部102aを介してフィニッシャー102により拡開されることにより、排気ガスの流れが拡散される際にテーパ部102aにおいて渦流を発生させ、これが気流音(噴流音)を発生させる要因となっているという問題があった。
本発明の解決しようとする課題は、テールパイプの下流側開口部にテーパ部を介してテールパイプより大径のフィニッシャーが設けられた構造のものにおいて、気流騒音(噴流音)のレベルを低下させることができる車両用排気系におけるテールパイプ構造を提供することにある。
上記課題を解決するため請求項1記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造は、テールパイプの下流側開口部に下流側に向かうにつれて広がるテーパ部を介して前記テールパイプより拡径された大径のフィニッシャーが設けられた車両用排気系におけるテールパイプ構造において、前記テールパイプおよびフィニッシャーのテーパ部の外周を覆う外筒を設けることにより、前記テールパイプからテーパ部にかけてその外周に環状空間が形成され、前記テールパイプの周壁に前記環状空間と連通する第1の連通孔が形成され、前記テーパ部の周壁に前記環状空間と連通する第2の連通孔が形成され、前記テールパイプの周壁に形成される第1の連通孔より前記テーパ部の周壁に形成される第2の連通孔の孔径が大きく形成されていることを特徴とする手段とした。
請求項2に記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造は、請求項1に記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造において、前記第1の連通孔および第2の連通孔が前記テーパ部の周方向所定間隔のもとに複数形成されていることを特徴とする手段とした。
請求項3に記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造は、請求項1に記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造において、前記第1の連通孔および第2の連通孔が前記テーパ部の周方向全長に亘って環状に形成されていることを特徴とする手段とした。
請求項1記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造では、上述のように、前記テールパイプおよびフィニッシャーのテーパ部の外周を覆う外筒を設けることにより、テールパイプからテーパ部にかけてその外周に環状空間が形成され、テールパイプの周壁に環状空間と連通する第1の連通孔が形成され、テーパ部の周壁に環状空間と連通する第2の連通孔が形成された構成としたことにより、テールパイプ内を流れる排気ガスの本流の一部が、第1の連通孔から環状空間内に流入して本流から分岐された後、第2の連通孔からテーパ部内に流れ込んでテールパイプからテーパ部へ直接流入する本流と再合流するもので、この再合流排気ガスにより、テーパ部内における渦流の発生が抑制される結果、気流騒音(噴流音)のレベルを低下させることができるようになるという効果が得られる。
また、テールパイプの周壁に形成される第1の連通孔よりテーパ部の周壁に形成される第2の連通孔の孔径が大きく形成されることにより、運転状況によりテーパ部内の圧力が高くなった場合においても、第2の連通孔から環状空間および第1の連通孔を経由してテールパイプ内に流れ込む逆流の発生を防止することができるようになる。従って、逆流の発生による乱流の影響で予期しない騒音が発生したり、出力性能に悪影響を及ぼすことを防止することができるようになる。
請求項2に記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造では、上述のように、前記第1の連通孔および第2の連通孔がテーパ部の周方向所定間隔のもとに複数形成されている構成とすることにより、バランスよく気流騒音のレベルを低下させることができるようになる。
請求項3に記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造では、上述のように、前記第1の連通孔および第2の連通孔がテーパ部の周方向全長に亘って環状に形成されている構成とすることにより、効率よく気流騒音のレベルを低下させることができるようになる。
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1の車両用排気系におけるテールパイプ構造は、請求項1,2に記載の発明に対応する。
まず、この実施例1の車両用排気系におけるテールパイプ構造を図面に基づいて説明する。
図1はこの実施例1の車両用排気系におけるテールパイプ構造を示す断面図、図2は図1のII−II線における断面図である。
この実施例1の車両用排気系におけるテールパイプ構造は、テールパイプ1と、フィニッシャー2と、外筒3とを主な構成として備えている。
さらに詳述すると、前記テールパイプ1は、図示を省略した消音器本体の下流側アウタープレートにその先端開口部が接続固定されている。
また、テールパイプ1の下流側開口部には、該テールパイプ1より大径のフィニッシャー2がテーパ部2aを介して一体に連結され、このフィニッシャー2により、テールパイプ1の下流側開口部が拡開された構造となっている。
前記外筒3は、テールパイプ1の途中からフィニッシャー2における円筒状本体部2bの外周を覆う状態に設けられ、その上流側端部が隔壁3aを介してテールパイプ1の外周面に固定支持されると共に、下流側端部をフィニッシャー2の円筒状本体部2bの下流側開口端部に巻き締めて固定されることにより、テールパイプ1からテーパ部2aにかけてその外周に環状空間Hが形成されている。
また、前記テールパイプ1の周壁に環状空間Hと連通する第1の連通孔1aが周方向等間隔のもとに6箇所に形成されると共に、前記テーパ部2aの周壁の途中には環状空間Hと連通する第2の連通孔2cが周方向等間隔のもとに6箇所に形成されている。
そして、前記テールパイプ1の周壁に形成される第1の連通孔1aよりテーパ部2aの周壁に形成される第2の連通孔2cの孔径が大きく形成された構造となっている。
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
この実施例1の車両用排気系におけるテールパイプ構造では、上述のように構成されるため、テールパイプ1内を流れる排気ガスの本流Aの一部が、第1の連通孔1aから環状空間H内に流入して本流Aから分岐された後、第2の連通孔2cからテーパ部2a内に流れ込んでテールパイプ1からテーパ部2aへ直接流入する本流Aと再合流するもので、この再合流排気ガスBが、テーパ部2a内における渦流の発生を抑制するように作用する。
従って、気流騒音(噴流音)のレベルを低下させることができるようになるという効果が得られる。
また、テールパイプ1の周壁に形成される第1の連通孔1aよりテーパ部2aの周壁に形成される第2の連通孔2cの孔径が大きく形成されることにより、運転状況によりテーパ部2a内の圧力が高くなった場合においても、第2の連通孔2cから環状空間Hおよび第1の連通孔1aを経由してテールパイプ1内に流れ込む逆流の発生を防止することができるようになる。
従って、逆流の発生による乱流の影響で予期しない騒音が発生したり、出力性能に悪影響を及ぼすことを防止することができるようになる。
また、前記第1の連通孔1aおよび第2の連通孔2cがテーパ部2aの周方向等間隔のもとに複数(6箇所に)形成されている構成とすることにより、バランスよく気流騒音のレベルを低下させることができるようになる。
次に、他の実施例について説明する。この他の実施例の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
この実施例2の車両用排気系におけるテールパイプ構造は、請求項1、3に記載の発明に対応する。
即ち、この実施例2の車両用排気系におけるテールパイプ構造は、図3(実施例2の車両用排気系におけるテールパイプ構造を示す断面図)および図4(図3のIV−IV線における断面図)に示すように、前記第1連通孔1aおよび第2連通孔2cが周方向全長に亘って環状に形成され、このため、3枚の支持板4が追加されている点が、前記実施例1とは相違したものである。
従って、実施例2では、前記実施例1と同様の効果が得られると共に、効率よく気流騒音のレベルを低下させることができるようになる。
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例では、テールパイプ1とフィニッシャー2を一体に形成したが、別体に形成したものを接続させるようにしてもよい。
実施例1の車両用排気系におけるテールパイプ構造を示す断面図である。 図1のII−II線における断面図である。 実施例2の車両用排気系におけるテールパイプ構造を示す断面図である。 図3IV−IV線における断面図である。 従来例の車両用排気系におけるテールパイプ構造を示す模式図である。
符号の説明
A 本流
B 再合流排気ガス
1 テールパイプ
1a 第1連通孔
2 フィニッシャー
2a テーパ部
2b 円筒状本体部
2c 第2連通孔
3 外筒
3a 隔壁
4 支持板

Claims (3)

  1. テールパイプの下流側開口部に下流側に向かうにつれて広がるテーパ部を介して前記テールパイプより拡径された大径のフィニッシャーが設けられた車両用排気系におけるテールパイプ構造において、
    前記テールパイプおよびフィニッシャーのテーパ部の外周を覆う外筒を設けることにより、前記テールパイプからテーパ部にかけてその外周に環状空間が形成され、
    前記テールパイプの周壁に前記環状空間と連通する第1の連通孔が形成され、
    前記テーパ部の周壁に前記環状空間と連通する第2の連通孔が形成され、
    前記テールパイプの周壁に形成される第1の連通孔より前記テーパ部の周壁に形成される第2の連通孔の孔径が大きく形成されていることを特徴とする車両用排気系におけるテールパイプ構造。
  2. 請求項1に記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造において、前記第1の連通孔および第2の連通孔が前記の周方向所定間隔のもとに複数形成されていることを特徴とする車両用排気系におけるテールパイプ構造。
  3. 請求項1に記載の車両用排気系におけるテールパイプ構造において、前記第1の連通孔および第2の連通孔が前記テーパ部の周方向全長に亘って環状に形成されていることを特徴とする車両用排気系におけるテールパイプ構造。
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