JP2005256230A - ロール上糸溝への多糸条通し方法、ロール上糸溝への多糸条通し装置、炭素繊維の製造設備およびプリプレグの製造設備 - Google Patents

ロール上糸溝への多糸条通し方法、ロール上糸溝への多糸条通し装置、炭素繊維の製造設備およびプリプレグの製造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】シート状をなして並行して走行する多糸条群を、各糸条単位に分繊させて、必要な処理を各糸条走行中に施すことを可能になさしめることができる多糸条通し方法を提供する。
【解決手段】多数の糸条が並行してシート状をなして走行する多糸条群を、各糸条ごとに多条糸溝付きロール上の溝内に落とし込み通過させるロール上糸溝への多糸条通し方法であり、第一段階:前記多糸条群の幅方向下において、各糸条間に糸分け導き糸を実質的に交互に該糸条の上下に通していく工程、第二段階:該通された糸分け導き糸により確保された糸道を、剛性のある棒状物に置換して確保する工程、第三段階:前記棒状物を、多糸条群への係合から解くべく多糸条群から該棒状物の軸方向に移動させ、棒状物との係合が解かれたとき、各糸条が自らの糸張力により、多条溝付きロール上の溝内に落ち込む工程、の三工程からなるロール上糸溝への多糸条通し方法と、糸通し装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、シート状に多数並行して揃えられた多糸条群を、各糸条ごとに、ロール上に設けられた多数の糸溝へ落とし込んでいく方法と装置、および該装置を用いた炭素繊維の製造装置、プリプレグの製造装置に関する。
さらに詳しくは、シート状をなして並行して走行する多数の糸条からなる糸条群、あるいは、シート状をなして並行して配置されている多数の糸条からなる糸条群を、ロール上に設けられた多数の糸溝へ各糸条ごとに落とし込ませて係合させ、各糸条ごとに分繊された状態で必要な処理を各糸条走行中に施すことを可能になさしめるロール上糸溝への多糸条通し方法、ロール上糸溝への多糸条通し装置に関するものである。
ここで、上述の本発明の方法・装置の具体的使用態様例としては、シート状の多糸条が走行していない静止状態にあるものであって該多糸条がプリプレグの原料繊維糸条であり、該原料繊維糸条を用いてプリプレグを製造するに際しての走行糸条群の前配置処理として用いることができ、あるいは、シート状の多糸条が走行している状態にあるものであって該多糸条が炭素繊維の原料繊維糸条であり、該原料繊維糸条を焼成して炭素繊維を製造するに際しての走行糸条群の前配列処理として用いることができる、方法・装置に関するものである。
従来、走行している状態あるいは静止している状態にある多数の並行糸条からなるシート状を呈している糸条群に対して何らかの処理をすることが必要なことがある。
例えば、従来から炭素繊維糸の製造工程においては、走行する炭素繊維の原料糸条もしくは中間原料糸条などの多糸条群を、各糸条ごとに横並びにシート状をなして並行して走行させ、該走行状態下に必要な処理、例えば焼成炉内での焼成処理を施すことが行われる。
すなわち、例えば、必要な処理とは、炭素繊維化するための焼成処理であったり、あるいは炭化繊維化するための炭化処理などである。これらの処理は、共通の細長い加熱炉の中で、1本、1本の原料糸条もしくは中間原料糸条として、並行に揃えられた状態で焼成処理などの処理を受けるものであり、束状にされていては均一均斉な焼成処理を行うことが難しいため、1本1本の糸条に分離させて行うようにされているものである。
このような処理を、各糸条の取り扱い性良く行わせるために、シート状をなして並行して走行する多数の糸条からなる糸条群を、各糸条ごとに、ロール表面上に設けられた多数の糸溝へ通して係合させて、各糸条を引取り、次の工程に送り出すことが行われる。
従来は、この多糸条群をシート状に並行して走行するように溝付きロール表面に係合させるために、人手により1本1本ごとの糸条に分けて(分繊させて)、予め確保されている1本1本の糸道に通す(各糸条糸道に通されている導き糸の糸末端に結びつける)などのことを行っていた。しかし、この方法では、一人もしくは二人程度の作業者の人手によるものであるため、この糸通し作業に大きな時間を要するのが実状であった。
このため、この作業の自動化・省力化が可能な糸通し方法と装置の実現が要請されていた。
本発明者らは、かかる観点からそのような方法と装置に関する先行技術について調べたが、特には見出すことができず、本件発明に関連する先行技術は存在していないと考えられる。
本発明の目的は、上述した点に鑑み、シート状をなして並置してある、あるいは並行して走行する多数の糸条からなる糸条群を、ロール上に設けられた多数の糸溝へ多糸条を各糸条ごとに通して係合させて、各糸条単位に分繊させて、必要な処理を各糸条走行中に施すことを可能になさしめることができ、自動化・省力化に活用することのできるロール上に設けられた糸溝への多糸条通し方法、ロール上糸溝への多糸条通し装置を提供すること、および該多糸条通し装置を有する炭素繊維の製造装置、プリプレグの製造装置を提供するにある。
上述した目的を達成する本発明のロール上糸溝への多糸条通し方法は、以下の(1) の構成からなる。
(1)多数の糸条が並行してシート状をなしている多糸条群を、各糸条ごとに多条糸溝付きロール上の溝内に落とし込ませるロール上糸溝への多糸条通し方法であり、
第一段階:前記多糸条群の幅方向下において、各糸条間に糸分け導き糸を実質的に交互に該糸条の上下に通していく工程、
第二段階:該通された糸分け導き糸により確保された糸道を、剛性のある棒状物に置換して確保する工程、
第三段階:前記棒状物を、多糸条群への係合から解くべく多糸条群から該棒状物の軸方向に移動させ、棒状物との係合が解かれたとき、各糸条が自らの糸張力により、多条糸溝付きロール上の糸溝内に落ち込む工程、
の三工程を有してなることを特徴とするロール上糸溝への多糸条通し方法。
また、かかる(1) の方法において、好ましくは、以下の(2) 〜(6) の具体的構成を有するものである。
(2)多数の糸条が並行してシート状をなしている多糸条群が、走行している糸条の群によって形成されてなることを特徴とする上記(1) 記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
(3)糸分け導き糸が、炭素繊維糸からなるものであることを特徴とする上記(1) または(2) 記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
(4)糸分け導き糸を通す前に、多糸条群の糸分け導き糸を通す幅方向にサイジング処理を行うことを特徴とする上記(1) 、(2) または(3) 記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
(5)剛性のある棒状物が、その棒状物先端部に糸分け導き糸の通し孔を有するものであることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) または(4) 記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
(6)シート状をなして並行して走行する多糸条群が、炭素繊維糸条の製造工程中にあるものであること上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) または(5) 記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
また、上述した目的を達成する本発明のロール上糸溝への多糸条通し装置は、以下の(7) の構成からなる。
(7)シート状をなして並行して引き揃えてなる多糸条群を、各糸条ごとに多条糸溝付きロール上の糸溝内に落とし込ませるロール上糸溝への多糸条通し装置であり、
第一段階:前記多糸条群の幅方向下において、糸分け導き糸を各糸条間に実質的に交互に該糸条の上下に通していく機構、
第二段階:該通された糸分け導き糸により確保された糸分け状態を、剛性のある棒状物に置換して確保する機構、
第三段階:前記棒状物を、多糸条群への係合から解くべく多糸条群から該棒状物の軸方向に移動させ、棒状物との係合が解かれたとき、各糸条が自らの糸張力により、多条糸溝付きロール上の糸溝内に落ち込ませる機構、
の三機構を少なくとも有してなることを特徴とするロール上糸溝への多糸条通し装置。
また、かかる(7) の方法において、好ましくは、以下の(8) 〜(10) の具体的構成を有するものである。
(8)シート状をなして並行して引き揃えてなる多糸条群が、走行している多糸条であることを特徴とする上記(7)記載のロール上糸溝への多糸条通し装置。
(9)上記(7)または(8)記載のロール上糸溝への多糸条通し装置を有する炭素繊維の製造設備であり、炭素繊維の原料糸条もしくは中間原料糸条を焼成するにあたり、該多糸条通し装置が用いられるものであることを特徴とする炭素繊維の製造装置。
(10)上記(7)または(8)記載のロール上糸溝への多糸条通し装置を有するプリプレグの製造設備であり、プリプレグを製造するにあたり、該多糸条通し装置が用いられるものであることを特徴とするプリプレグの製造装置。
請求項1にかかる本発明によれば、シート状をなして並行して配置されている多数の糸条からなる糸条群を、ロール上に設けられた多数の糸溝へ多糸条を各糸条ごとに通して係合させて、各糸条単位に分繊させて、必要な処理を各糸条に施すことを可能になさしめることができ、自動化・省力化に活用することのできる、新規なロール上に設けられた糸溝への多糸条通し方法が提供されるものである。
特に、請求項2〜6にかかる本発明によれば、炭素繊維の製造方法として利用することができるロール上に設けられた糸溝への多糸条通し方法が提供されるものである。
請求項7にかかる本発明によれば、シート状をなして並行して配列されている多数の糸条からなる糸条群を、ロール上に設けられた多数の糸溝へ多糸条を各糸条ごとに通して係合させて、各糸条単位に分繊させて、必要な処理を各糸条に施すことを可能になさしめることができ、自動化・省力化に活用することのできる、新規なロール上に設けられた糸溝への多糸条通し装置が提供されるものである。
請求項7または請求項8にかかる本発明によれば、シート状をなして並行して走行する多数の糸条からなる糸条群を、焼成処理もしくは炭化処理するに際して、自動化・省力化に活用することのできる、ロール上に設けられた多条の糸溝へ新規な多糸条通し装置を用いた炭素繊維の製造装置が提供されるものである。
請求項9または請求項10にかかる本発明によれば、シート状をなして並行して配置されている多数の糸条からなる糸条群を用いて、プリプレグに成形をするに際して、自動化・省力化に活用することのできる、ロール上に設けられた多条の糸溝へ新規な多糸条通し装置を用いたプリプレグの製造装置が提供されるものである。
以下、更に詳しく本発明のロール上糸溝への多糸条通し方法について、説明する。
まず、本発明の多条ロール上糸溝への多糸条通しとは、図1に、該多条糸溝付きロールの側面概略モデル図を示したように、ロール1の周面上に多数の糸溝2が刻まれており、その糸溝2の1条1条に糸条Yの1本1本が落とし込まれて、図2に示したように整然としたシート状を呈した流れにされて、その下流工程に送られるように構成されているロール上の該糸溝に走行する各糸条Yを各糸溝に通すことを、代表的には言い、特にこのように走行しながら(糸条の走行を止めることなく)、糸溝に通すことを代表的には言うものであるが、糸が停止している状態で糸溝に通すことも含めていうものである。走行する糸を糸溝に通すことを基本的なねらいとする本発明方法は、糸が走行していない状態においても、糸通し方法として有効なものだからである。
ここで、糸溝は、ロール1の表面に円状(輪状)の糸溝として刻まれていてもよいし、あるいは、螺旋状の糸溝として刻まれていてもよい。該糸溝は、用いられる工程にもよるが、一般的には、数10本程度から数100本程度、多い場合には400本から500本程度まで、更に多い場合は千本程度まで設けられているロールが使用される場合がある。
本発明のロール上糸溝への多糸条通し方法は、必須の段階として、以下の三つの段階を有するものである。
すなわち、
第一段階:前記多糸条群の幅方向下において、各糸条間に糸分け導き糸を実質的に交互に該糸条の上下に通していく工程、
第二段階:該通された糸分け導き糸により確保された糸道を、剛性のある棒状物に置換して確保する工程、
第三段階:前記棒状物を、多糸条群への係合から解くべく多糸条群から該棒状物の軸方向に移動させ、棒状物との係合が解かれたとき、各糸条が自らの糸張力により、多条溝付きロール上の溝内に落ち込む工程、
であり、 まず、第一段階において、多糸条群の幅方向下において、各糸条間に糸分け導き糸3を実質的に交互に該糸条Yの上下に通していく工程である。
この交互に該糸条Yの上下に通していく意義は、繊維産業においては、経糸準備工程として、織物を織るときに用いる経糸を整経してシート状にビームに巻いたり、あるいは製織工程中に該ビームから経糸を繰り出す際に、隣接する相互の経糸が絡んだりもつれたりしないようにするために行われる糸分けと同様の意義を有するものであり、走行する糸条を隣接するどうしで分離することができて絡まったりもつれないようにすることができるようにするためである。「上下に通していく」とは、糸1本1本ごとに糸の上側を通し次の糸は下側を通すという操作を行うことである。この操作をうまく行うには、予め径の大きなロールを複数本用いて、隣り合う糸が交互に該ロールの上側と下側を通過する糸道を確保しておいて、糸と糸のなす空間に直接糸分け導き糸を通すか、あるいは、棒状物を通した後で、該棒状物に糸分け導き糸を繋いで通すことなどにより通すことができる。
この第一段階が終わり、各糸条間に糸分け導き糸が実質的に交互に該糸条の上下に通された後、第二段階として、該通された糸分け導き糸によって確保された糸道を、剛性のある棒状物に置換して該上下に分けられた糸道を確保する。
すなわち、該剛性のある棒状物を該糸分け導き糸の尻側端部に繋げて通していくものである。該第二段階は、第一段階が完全に終了してから行ってもよいし、第一段階が順次進行していくつれて順次に棒状物が通されていくように構成してもよい。
具体的な糸分け導き糸の尻側端部と該棒状物を繋げる方法は、特に限定されるものではないが、該棒状物の先端部に糸分け導き糸を通す通し孔を設けておいて、該通し孔に糸分け導き糸の尻側端部を通しておいて、糸分け導き糸を引っ張ればよい。該棒状物の最先端部は、糸条間を上下にぬっていくことが支障なくできるように、極力細く、かつ丸められて仕上げられているのがよい。また、特に先端部付近は、剛性を有しているといっても、ある程度は柔軟性をも有していても良く、むしろ適度に柔軟性を持ちながら糸条間を上下にぬっていくことができる程度の剛軟性を先端部は有しているのが好ましいものである。
第三段階は、該棒状物を、多糸条群との係合から解くべく多糸条群から該棒状物の軸方向、すなわち、通常は、多糸条群の糸走行方向と直交する方向に移動させ、棒状物と各糸条の係合が解かれたとき、各糸条が自らの糸張力により、多条糸溝付きロール上の各糸溝内に落ち込む工程である。
すなわち、該剛性のある棒状物によって多条糸溝付きロール上の糸溝と各糸条の相対位置関係を正確に確保設定した上で、順次に棒状物をその長軸方向に移動させて両者の係合を解き、各糸条が自らの糸張力により該糸溝内に落ち込むようにされている工程である。
具体的には、剛性のある棒状物の少なくとも先端付近に、連続螺旋状の溝を切っておいて該棒状物を回転させながら、長軸方向に後退させていき、順次、該螺旋状の溝に各糸条を係合させていき、そして、該棒状物が該後退をすることによって棒状物端部から落ちて係合が解かれたときに、該糸条自身の糸張力によって多条糸溝付きロール上の各糸溝内に自ら落ち込むように位置関係、螺旋状の溝ピッチ等を設定しておくものである。
すなわち、各糸条が棒状物に係合しているときの各糸道線と係合が解かれたときの糸条の各糸道線とを、糸条の引取ローラや該棒状物の設置位置、および糸溝付きローラの設置位置関係として正確に設定しておけば、該糸条自身の糸張力によって多条糸溝付きロール上の各糸溝内に自ら落ち込むようにすることは当業者であれば容易に可能なものである。
すなわち、本発明のロール上糸溝への多糸条通し装置は、上述の本発明の糸通し方法を実施することができるように構成された装置であり、具体的にはシート状をなして並行して走行する多糸条群を各糸条ごとに多条糸溝付きロール上の溝内に落とし込み通過させるロール上糸溝への多糸条通し装置であって、
第一段階:前記多糸条群の幅方向下において、糸分け導き糸を各糸条間に実質的に交互に該糸条の上下に通していく機構、
第二段階:該通された糸分け導き糸により確保された糸分け状態を剛性のある棒状物に置換して確保する機構、
第三段階:前記棒状物を、多糸条群への係合から解くべく多糸条群から該棒状物の軸方向に移動させ、棒状物との係合が解かれたとき、各糸条が自らの糸張力により、多条溝付きロール上の糸溝内に落ち込ませる機構、
の三機構を少なくとも有してなることを特徴とするロール上糸溝への多糸条通し装置である。
本発明のロール上糸溝への多糸条通し方法と多糸条の糸通し装置は、特に限定されるものではないが、前述したよう耐炎化繊維の製造工程中や、炭素繊維の製造工程中において好ましく用いることができる。
そのような工程で用いる場合は、糸分け導き糸は、それ自体が耐炎性、耐熱性を有していることが好ましく、該糸分け導き糸は炭素繊維糸からなるものを用いるのが好ましい。
また、糸分け導き糸を通すに際して、その前に、多糸条群に対してその糸分け導き糸を通す方向である多糸条群幅方向にサイジング処理を行うことが好ましい。サイジングは市販のサイジング剤を用いて行うことができ、例えば、アクリル樹脂を主成分とする“AFTER SIZE”(松本油脂製薬株式会社製)等のサイジング剤を用いることができる。該処理を行うことにより、各糸条の集束性を向上させ糸分け導き糸を通す糸条の上下に交互に通すことがやりやすくなる。
炭素繊維の製造設備中に本発明の方法、装置を組み込むときは、第一段階の機構が、炭素繊維製造工程における炭素繊維の原料糸条、あるいは炭素繊維糸条の中間原料糸条を焼成する工程の前に設けられてあり、一方、第二段階と第三段階の機構が該焼成する工程の後に設けられるようにしてよい。
あるいは、第一〜第三段階の全ての機構が、炭素繊維製造工程における炭素繊維の原料糸条もしくは中間原料糸条を焼成する工程の前において設けられるようにしてもよい。
図3は、本発明の方法を前炭化炉3と炭化炉4を有する炭素繊維の製造設備に用いた場合を示した概略モデル図である。
該図3において、第一段階は前炭化炉3の前に設けられ、前炭化炉を出てきたところで糸条は第二段階の処置を受ける。5が糸分け導き糸であり、6が剛性のある棒状物である。第二段階のあと、糸条は第三段階の処理を受ける。第三段階は、棒状物からの係合を解かれたときに、図3中、第三段階(その1)と記載した図に示したように、直接的に正式設備たる糸溝付きロール8の糸溝内に落ち込むようにされても良いが、いったん、糸溝付きロール形態であって、かつ、ダミーロールと言うべき、中間糸把持ロールに糸条が落ち込むようにされてもよい。そのような糸溝付きダミーロール7を用いて、走行糸条の分離把持を確実なものにして後、必要とあらば、各糸条が正しく分離して走行しているか否かについて最終的な確認を受け、必要とあれば修正を受け、その後に、正式設備たる糸溝付きロール8の糸溝内に導かれるようにしてもよい。図3中、第三段階(その2)と記載した図は、そのようなダミーロール7を複数本用いて、いったん、最上流のダミーロールの糸溝内に糸条を落ち込ませて、更にそれらの下流で正式設備たる糸溝付きロール8の溝内に糸条が導かれている例を示しているものである。
また、炭素繊維の製造設備中に本発明の方法、装置を組み込むときは、図3に示した同製造プロセス概要において、前炭化炉3の前に第一段階を設け、前炭化炉3を出たところに第二段階、第三段階を設け、更に、炭化炉4の前に第一段階を、炭化炉4の前に第二段階、第三段階を設けてもよいし、あるいは、前炭化炉3から炭化炉4の間で、第一段階〜第三段階を順次設けるようにしてもよい。
上述の例では、炭素繊維の製造に際して主として例示して説明をしたが、糸条を1本1本ずつに分繊させて、並列状態で何らかの高次加工をすることが必要な工程において本発明の方法、装置は使用することができ、例えば、プリプレグの製造等にも使用することができる。
図1は、多条糸溝付きロールの側面概略モデル図である。 図2は、多条糸溝付きロール上の各糸溝に各糸条が通過されて、シート条を呈して走行している様子の1例を示したものである。 図3は、本発明の方法を前炭化炉3と炭化炉4を有する炭素繊維の製造設備に用いた場合を示した概略モデル図である。
符号の説明
1:ロール
2:糸溝
3:前炭化炉
4:炭化炉
5:糸分け導き糸
6:剛性のある棒状物
7:糸溝付きダミーロール
8:糸溝付きロール

Claims (10)

  1. 多数の糸条が並行してシート状をなしている多糸条群を、各糸条ごとに多条糸溝付きロール上の溝内に落とし込ませるロール上糸溝への多糸条通し方法であり、
    第一段階:前記多糸条群の幅方向下において、各糸条間に糸分け導き糸を実質的に交互に該糸条の上下に通していく工程、
    第二段階:該通された糸分け導き糸により確保された糸道を、剛性のある棒状物に置換して確保する工程、
    第三段階:前記棒状物を、多糸条群への係合から解くべく多糸条群から該棒状物の軸方向に移動させ、棒状物との係合が解かれたとき、各糸条が自らの糸張力により、多条糸溝付きロール上の糸溝内に落ち込む工程、
    の三工程を有してなることを特徴とするロール上糸溝への多糸条通し方法。
  2. 多数の糸条が並行してシート状をなしている多糸条群が、走行している糸条の群によって形成されてなることを特徴とする請求項1記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
  3. 糸分け導き糸が、炭素繊維糸からなるものであることを特徴とする請求項1または2記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
  4. 糸分け導き糸を通す前に、多糸条群の糸分け導き糸を通す幅方向にサイジング処理を行うことを特徴とする請求項1、2または3記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
  5. 剛性のある棒状物が、その棒状物先端部に糸分け導き糸の通し孔を有するものであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
  6. シート状をなして並行して走行する多糸条群が、炭素繊維糸条の製造工程中にあるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のロール上糸溝への多糸条通し方法。
  7. シート状をなして並行して引き揃えてなる多糸条群を、各糸条ごとに多条糸溝付きロール上の糸溝内に落とし込ませるロール上糸溝への多糸条通し装置であり、
    第一段階:前記多糸条群の幅方向下において、糸分け導き糸を各糸条間に実質的に交互に該糸条の上下に通していく機構、
    第二段階:該通された糸分け導き糸により確保された糸分け状態を、剛性のある棒状物に置換して確保する機構、
    第三段階:前記棒状物を、多糸条群への係合から解くべく多糸条群から該棒状物の軸方向に移動させ、棒状物との係合が解かれたとき、各糸条が自らの糸張力により、多条糸溝付きロール上の糸溝内に落ち込ませる機構、
    の三機構を少なくとも有してなることを特徴とするロール上糸溝への多糸条通し装置。
  8. シート状をなして並行して引き揃えてなる多糸条群が、走行している多糸条であることを特徴とする請求項7記載のロール上糸溝への多糸条通し装置。
  9. 請求項7または8記載のロール上糸溝への多糸条通し装置を有する炭素繊維の製造設備であり、炭素繊維の原料糸条もしくは中間原料糸条を焼成するにあたり、該多糸条通し装置が用いられるものであることを特徴とする炭素繊維の製造装置。
  10. 請求項7または8記載記載のロール上糸溝への多糸条通し装置を有するプリプレグの製造設備であり、プリプレグを製造するにあたり、該多糸条通し装置が用いられるものであることを特徴とするプリプレグの製造装置。
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