JP2005256185A - 中綿入り衣料 - Google Patents

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勝 春田
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宏恵 横井
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Abstract

【課題】
太陽光を吸収して熱変換して蓄熱した後、環境温度低下時に放熱して保温効果を長時間維持する衣料を提供する。
【解決手段】
表地と中綿と裏地からなる衣料であり、波長0.2〜1.2μm域での平均分光吸収率が8%以上の表地を用い、中綿に蓄熱性粒子を含む中入れ綿を用いたことを特徴とする中綿入り衣料。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽光を吸収し熱変換する表地と蓄熱性を有する中綿と裏地から成る太陽光吸収蓄熱衣料に関する。
従来から、太陽光を吸収し熱変換する衣料としては、可視光線および近赤外線を吸収して熱変換する物質をポリマー中に練り込んで製糸した合成繊維を用いるものや近赤外線吸収剤を後加工で繊維表面に固着したものが知られている(特許文献1〜2参照)。
しかし、従来の太陽光吸収熱変換衣料は太陽の放射光が照射されている間のみ布帛の表面温度が高くなり、日光が雲等により閉ざされると太陽光吸収熱変換効果は無くなるものである。日光が閉ざされている時こそ環境温度が低くなり保温性の高い衣料が要求されるが、従来の太陽光吸収熱変換衣料では太陽が出ている暖かい時に、より衣服内温度が高くなり、日光が閉ざされている時や太陽が沈んだ寒い時には効果が無いのが実状であった。
この改善として、上述の方法で吸収した熱をポリエチレングリコールをフィルムもしくはチューブに封入して相変換による潜熱蓄熱性を利用して蓄熱する衣料が知られている(特許文献3参照)。しかし、フィルムの間に相変換蓄熱剤を封入したものを用いた衣料では、衣料に適した風合いのものは得られていない。特に相変換蓄熱剤が固体となった時にはとても衣料として使用できるものではなかった。
また、チューブに相変換蓄熱剤を封入したものを用いた衣料は、衣服内にチューブを組み込むのに煩雑な手間を要しコスト的に高いものとなる、さらに、チューブに一箇所でも孔ができると相変換蓄熱剤が液体となった時に漏れる心配があった。
特公平3−9202号公報 特公平3−1352号公報 特開平5−302205号公報
本発明の目的は、かかる上記従来の問題を解消し、太陽光を吸収し熱変換する表地と、蓄熱性を有する中綿と、裏地と、から成る部分を少なくとも有する、着用感に優れた太陽光吸収蓄熱性の中綿入り衣料を提供することにある。
本発明はかかる課題を解決するために次ぎのような手段を採用するものである。すなわち、本発明の中綿入り衣料は、表地と中綿と裏地からなる部分を少なくとも有する衣料であり、波長0.2〜1.2μm域での平均分光吸収率が8%以上の表地を用い、中綿に蓄熱性粒子を含む中入れ綿を用いたことを特徴とするものである。
本発明により、太陽光を吸収し熱変換する表地と蓄熱性を有する中綿と裏地から成る着用感に優れた太陽光吸収蓄熱衣料を提供できる。
本発明は、前記課題、つまり、太陽光を吸収し熱変換する表地と、蓄熱性を有する中綿と、裏地と、から成る着用感の優れた太陽光吸収蓄熱衣料を得るために鋭意検討し、特定波長域での平均分光吸収率が8%以上の表地と蓄熱性粒子を含む中入れ綿を用いることにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明における表地と中綿と裏地からなる衣料とは、表地に合成繊維や再生繊維、天然繊維を単独もしくは混合して用いた布帛、すなわち、織物、編物、不織布やそれらにウレタンやアクリル、ポリエステル等の樹脂をコーティングしたもの、また同じくウレタンやアクリル、ポリエステル等のフィルムを接着剤でラミネートしたものが用いられ、中綿にはポリエステル繊維やナイロン繊維、アクリル繊維、またウールや綿を単独もしくは混合したものが用いられ、裏地には合成繊維や再生繊維、天然繊維を単独もしくは混合して用いた布帛、すなわち、織物、編物、不織布等が用いられ、ブルゾンやパンツ等として衣料用に縫製されたものであるが、これらに限らず表地と中綿と裏地を使用した衣料であれば限定されない。また、表地と中綿と裏地を使用した部分が、その衣料の一部のみであってもかまわない。
本発明に使用する表地は、波長0.2〜1.2μm域での平均分光吸収率が8%以上であることが必要である。8%以上とするためには炭素粉末、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、シリコン、ホウ素等の金属の炭化物、クロム、鉄、銅等の金属の酸化物を表地を構成するポリマー、例えばナイロンやポリエステル、アクリル等に練り込んで製糸した繊維を使用して織物や編物等の布帛にすることで得られる。
また、アントラキノン系、ポリメチン系、シアニン系、ジイモニウム系、ナフタロシアニン系等の化合物を染色処理と同様に浴中で処理し布帛の繊維内部に補填させたり、これらの化合物をウレタンやアクリル、ポリエステル樹脂に添加し布帛にコーティングしたり、フィルムにして布帛にラミネートすることでも得られる。
さらには、アンチモンドープ酸化錫や錫ドープ酸化インジューム等の100nm以下の金属酸化物系微粒子をアクリル樹脂バインダー等で布帛の繊維表面に固着することでも得られる。特に100nm以下の微粒子を用いた方法は、微粒子の大きさが可視光線の波長よりも小さいため透明性に優れ布帛の色相への影響が少なく、白色とすることも可能であることから、衣料として用いるのに優れた方法である。また、本表地や裏地に撥水加工、吸水加工や帯電防止加工等必要に応じて任意の加工を併用することもできる。
波長0.2〜1.2μm域での平均分光吸収率の測定法は次のとおりである。(株)日立製作所製の分光光度計U3400を使用して波長0.01μm間隔で布帛の透過率を測定し、その単純平均とした。なお、太陽光の放射スペクトルは約0.2〜約2.6μmの波長域の紫外線、可視光線、および近赤外線が放射されている。測定としてはこの0.2〜2.6μmの吸収率を測定することが望ましいが、0.2〜1.2μmの波長の範囲に太陽光の放射エネルギーの約79%がはいる。また、1.2μmより長波長サイドの吸収率を測定する計器は非常に高価であり、かつ測定時間も長くなることから、0.2〜1.2μmの測定範囲で十分であり、したがって本発明においては波長0.2〜1.2μm域での平均分光吸収率を使用する。
本発明に用いる表地は、0.2〜1.2μmの平均分光吸収率を8%以上とする必要がある。8%未満では、実感できる太陽光吸収発熱効果がない。8%以上とするためのは濃色ほど好ましいが、本発明の衣服に使用される場合には各色を揃える必要がある。色に左右されないように上述のアンチモンドープ酸化錫等の100nm以下の金属酸化物系微粒子を用い0.8〜1.2μmの近赤外線の吸収率を20%以上にしておくことは特に好ましい態様の一つである。
本発明に用いる中綿は中入れ綿であって、蓄熱性粒子を含むことが必要である。蓄熱性粒子は比熱の大きい金属やセラミック等の粒子を使用するいわゆる顕熱蓄熱剤でもよいが、固体−液体間で相変換するときの融解熱や凝固熱を利用する潜熱蓄熱剤が好ましい。潜熱蓄熱剤としては、トリデカン(C13)、テトラデカン(C14)、ペンタデカン(C15)、ヘキサデカン(C16)、オクタデカン(C18)等のn−パラフィン類や無機系共晶物および無機系水和物、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類、炭素数12以上の高級アルコール類、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等のエステル化合物やプリエチレングリコール等が挙げられるがこれらに限定されない。蓄熱剤には必要に応じ過冷却防止剤、比重調整剤、劣化防止剤を添加することができる。また、蓄熱剤の相変換温度は、15〜30℃であることが衣服内温度を調温する観点から好ましい。さらに好ましくは20〜28℃である。
相変換蓄熱剤として潜熱蓄熱剤を用いる場合は、液体になることがあるためこのままの状態で使用することができず、マイクルカプセルに封入することが好ましい。マイクロカプセルの材質としては、その耐熱温度が中綿製造工程の乾燥温度や、縫製工程および着用使用時のアイロンやプレスの温度等に耐えられるものを適宜選択すればよい。例えば、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。このうち特に好ましいのが耐熱性や強度に優れるメラミン樹脂である。
マイクロカプセルの好ましい外径は0.5〜10μmである。外径が大きい程封入できる量が多く潜熱蓄熱量が大きくなるが、中綿に固着した場合にがさついた風合いとなることから10μm以下が好ましい。また、0.5μmより小さくなると風合い面は好ましくなるが、封入量が少なくなり蓄熱量が小さくなることから0.5μm以上が好ましい。
マイクロカプセルの内包量は50〜90%が好ましい。50%以上ならば相応の蓄熱量が得られ、また、90%以下ならば強度的に弱くなりって、マイクロカプセルが破損することもない。なお、ここでいう内包量とはマイクロカプセルの全重量に対する蓄熱剤の重量をいう。
相変換蓄熱剤をマイクロカプセル化する方法としては、界面重合法、インサイチュー重合法、コアセルベート法等の従来公知の製造方法から相変換蓄熱剤およびマイクロカプセルの材質等に応じて適宜選択すればよい。
次に相変換蓄熱剤封入マイクロカプセルの製造方法の一例を挙げるが、上述のとおり本法に限定されるものではない。
メラミン粉末5gに37wt%ホルムアルデヒド水溶液6.5gと水10gを加え、pH8に調整した後、約70℃まで加熱してメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を得る。pHを4.5に調整した5%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g中に、蓄熱剤としてn−ヘキサタデカン(融点18℃)80gを激しく撹拌しながら添加し粒子径が約2μmになるまで乳化を行う。この乳化液に上記メラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液全量を添加し70℃で2時間撹拌を施した後、pHを9に調整してカプセル化を終了する。得られたマイクロカプセル分散液を乾燥すればマイクロカプセルが得られるが、本分散液をバインダー樹脂溶液と混合し、中綿にスプレーし乾燥することで本発明に使用する蓄熱微粒子を含む中綿が得られる。
本発明に使用する中綿は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維の如き合成繊維の短繊維やウール、綿等の天然繊維を単独もしくは混合して用いることができるが、ポリエステル短繊維が軽量で嵩高性に富み、コストも低く好ましい。また使用する短繊維の繊度も特に限定はないが、1.0〜10dtexの範囲が嵩高性と風合いの観点から好ましい。1.0dtex以上であれば柔らかすぎることなく所望の嵩高性が得られる。また、10dtex以下であれば繊維の剛性が高すぎず柔らかい風合いが得られる。この範囲で細い繊度の短繊維と太い繊度の短繊維を混合して用いる、所謂繊度ミックスの中綿は嵩高性と風合いが両立し衣料用の中綿として好ましい態様のひとつである。
中入れ綿として使用できる形態であれば特に限定しないが、短繊維の単糸の一部分がバインダーにより部分的に接合形態の中入れ綿が安価に製造でき、かつ洗濯や着用時の揉み作用等による嵩高性の耐久性に優れていることから好ましい。この単糸間が部分的に接合されているとは、隣り合う単糸の一部分がバインダーで接着されている部分を有することである。部分的に接着されていることで優れた嵩高性と形態安定性を同時に満足できる。具体的には、繊維ウェッブにバインダー樹脂をスプレーで振りかけキュアリングすることで得られ、バインダー樹脂量とバインダー樹脂の粘度により嵩高性と形態安定性のバランスを調整できる。
本発明の中綿の短繊維の接合に用いるバインダー樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等目的に応じ任意に用いることができるが接着性と風合い、コスト面からアクリル樹脂が好ましい。また、本バインダー樹脂に相変換蓄熱剤封入マイクロカプセルを添加して中綿の繊維表面に固着する方法としてはスプレー法、含浸法、コーティング法等が挙げられるがスプレー法が安価で風合い的にも優れ好ましい。
相変換蓄熱剤封入マイクロカプセル等の蓄熱性微粒子の固着量としては、加工後の中綿としての蓄熱量が3.0J/g以上とすることが好ましく、より好ましくは5.0J/g以上である。3.0J/g以上ならば着用時に蓄熱効果が十分に実感できる。なお、蓄熱量は多ければ多い程好ましいが、蓄熱量を多くするためには、蓄熱性微粒子の付着量を多くする必要がある。蓄熱性微粒子の付着量を多くすると風合いが硬くなり、またコストも高価になることから、衣料用としては蓄熱量の上限は80.0J/g程度と考えられる。
また、洗濯10回後の中綿の蓄熱量も3.0J/g以上とすることが好ましい。この洗濯耐久性を向上するために蓄熱性微粒子に適したバインダー樹脂を選定することが必要である。さらに、上述の蓄熱量を3.0J/g以上とするためには顕熱蓄熱剤よりも潜熱蓄熱剤を使用した方が、熱容量が大きいため好ましい。
本発明においては、衣料の一方の面に上述した太陽光吸収熱変換機能を有する布帛を用い、もう一方の面に波長0.2〜1.2μm域での平均分光反射が45%以上にした太陽光反射布帛、例えば太陽光を反射しやすいアルミニウム粉末や酸化チタンや酸化亜鉛等のセラミック粉末を含有した繊維や後加工で繊維表面に固着させた布帛を使用し、その中に上述した蓄熱性粒子を含む中綿を挿入したリバーシブル仕様の衣料が好ましい態様の一つである。即ち、環境の温度が低く太陽光による吸熱機能が欲しい場合には太陽光吸収熱変換機能を有する面を表として着用し、環境の温度がある程度高い場合は太陽光反射機能を有する面を表として着用することにより環境温度に応じて衣服内温度を快適な範囲に制御できる衣料となる。勿論、どちらの場合においても蓄熱性粒子を含む中綿は衣服内温度が高い場合には吸熱し、反対に衣服内温度が低い場合には放熱して衣服内の温度を制御するため、上述の太陽光を吸収する場合も機能し、また、太陽光を反射する場合も機能する。
この平均分光反射率が45%以下では、目的とする太陽光反射効果が得られず衣服内の温度が上昇する。
本発明の中綿入り衣料は、紳士服、婦人服、子供服、カジュアルウエアやフィッシング、登山衣などのアウトドアスポーツウエア、スキーウエア、ウインドブレーカー、アスレチックウエア、ゴルフウエアなどのスポーツウエア、また、手袋、靴下、帽子など衣料全般に用いることができる。
次に本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の評価方法、測定方法は以下の方法を用いた。また、測定結果は、表1の通りである。
[平均分光吸収率、平均分光反射率]
波長0.2〜1.2μm域での平均分光吸収率および平均分光反射率は、(株)日立製作所製の分光光度計U3400を使用して、布帛の表面に光が当たるようにセットし、波長0.01μm間隔で波長0.2〜1.2μmまで透過率と反射率を測定し、その単純平均とした。
なお、平均分光吸収率は次式により算出した。
平均分光吸収率(%)=100−(平均分光反射率+平均分光透過率)
[蓄熱量]
中綿を長さ方向と垂直になるように、かつ厚さ方向の全量がはいるように試料5mgを精秤し、アルミニウム製オーブンパン及びパンカバーを用いて封入し、(株)島津製作所製の示差走査熱量計DTG−60を使用し、窒素気流下、0℃から50℃まで1℃/分の速度で昇温させて測定した。
[融点]
測定する試料5mgを精秤し、アルミニウム製オーブンパン及びパンカバーを用いて封入し、(株)島津製作所製の示差走査熱量計DTG−60を用いて、窒素気流下、0℃から50℃まで1℃/分の速度で昇温させ、その途中で観察される融点ピーク温度を融点とした。
[光吸収温度効果、光反射温度効果]
温度20℃、湿度65%RHに空調された部屋で、広げた布帛に300Wのレフランプを垂直方向40cmの距離より15分間照射して、布帛の裏側に貼り付けた熱電対により照射裏面の温度を測定した。
[洗濯]
JIS L−0217(103)に基づいて、洗濯を10回繰り返した。
ただし、吊り干しとし、アイロン仕上げは行わない。
[実施例1]
(表地の作製)
55dtex24フィラメント、ブライトの円断面のポリエステル長繊維をタテ糸に使用し、ヨコ糸に83dtex34フィラメント、ブライトの円断面のポリエステル長繊維の仮ヨリ加工糸を用い、綾織物(2/1ツイル)を製織し、常法にて精練・リラックス後180℃にてプレセットした後、連続減量方法にて減量率10%で加工し、次いで紺色に染色加工を施しタテ糸密度157本/in、ヨコ糸密度92本/inの織物を得た。該織物をアンチモンドープ酸化錫微粒子(平均粒径20nm)の4wt%水分散液を80g/lとアクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)を40g/l添加した水分散液に十分浸浸後マングルで絞り率45%で絞り、130℃で45秒間熱処理を施した。次いで一次帯電防止剤を付与した後、190℃で30秒間仕上げセットを施し、表地用の織物を得た。
(裏地の作製)
平均粒径0.1μm酸化チタン微粒子を2.4wt%練り込んだ55dtex24フィラメントの円断面のポリエステル長繊維をタテ糸に使用し、同じく平均粒径0.1μm酸化チタン微粒子を2.4wt%練り込んだヨコ糸に83dtex34フィラメントのポリエステル長繊維の仮ヨリ加工糸を用い、平織物を製織し、常法にて精練・リラックス後180℃にてプレセットした後、連続減量方法にて減量率10%で加工し、次いで黄色に染色加工を施し、一次帯電防止剤を付与した後、190℃で30秒間仕上げセットを施しタテ糸密度110本/in、ヨコ糸密度80本/inの裏地用の織物を得た。
(中綿の作製)
繊度1.7dtex、繊維長44mmのポリエステル短繊維60%と繊度2.8dtex、繊維長38mmのポリエステル反繊維10%と繊度3.3dtex、繊維長51mmのポリエステル短繊維30%をカードを通し繊度ミックス短繊維ウェッブを作製し、片面にアクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)を30g/lをスプレー法にて塗布し170℃にて3分間処理し、次いで他の片面に
下記蓄熱性微粒子を含む処理液をスプレー法にて塗布し170℃にて3分間処理し、蓄熱性微粒子を含む目付が90g/m2の中綿を得た。
(蓄熱性微粒子を含む処理液の作製法)
メラミン粉末5gに37%ホルムアルデヒド水溶液6.5gと水10gを加え、pH8に調整した後、約70℃まで加熱してメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整した5%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g中に蓄熱剤としてn−ヘプタデカン(融点22℃)80gを激しく撹拌しながら添加し粒子径が約2μmになるまで乳化を行った。この乳化液に上記メラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液全量を添加し70℃で2時間撹拌を施した後、pHを9に調整してカプセル化を終了した。得られたマイクロカプセル分散液にアクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)を30g/l添加し、n−ヘプタデカンの平均内包率80wt%の平均粒径が約2μmのメラミン樹脂壁マイクロカプセルとバインダーの混合処理液を作製した。

得られた表地、中綿および裏地を使用してリバーシブル仕様のブルゾンを縫製した。
表地織物の平均分光吸収率は13%、裏地織物の平均分光反射率は51%であり、中綿の蓄熱量は6.5J/gであった。表地の光吸収温度効果、裏地の光反射温度効果および洗濯10回後の測定値を表1に示す。
表1に示す如く、このブルゾンは、表地面では光吸収発熱効果を示し、光照射を停止した後も蓄熱剤の放熱により優れた保温性を有する。また、裏地面を表使いで着用した場合(リバーシブル使用)は、光反射効果により適度の保温性となり、かつ蓄熱剤の吸熱により暑すぎないという表裏を選んで着用することにより環境変化に対応できるブルゾンであった。
[実施例2]
実施例1において裏地をフロント糸、バック糸ともに33dtex24フィラメント、ブライトの円断面のポリエステル長繊維を使った起毛トリコットにし、リバーシブル仕様ではない通常の片側表面とした以外は実施例1と同様にしてブルゾンを縫製した。
表地織物の平均分光吸収率は13%、中綿の蓄熱量は6.5J/gであった。表地の光吸収温度効果および洗濯10回後の測定値を表1に示す。
表1に示す如く、このブルゾンは、表地面では光吸収発熱効果を示し、光照射を停止した後も蓄熱剤の放熱により優れた保温性を有するブルゾンであった。
[比較例1]
実施例1において表地用織物にアンチモンドープ酸化錫微粒子(平均粒径20nm)の4wt%水分散液を80g/lとアクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)40g/l添加した水分散液の処理を施さない、かつ、中綿は両面をアクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)を30g/lをスプレー法にて塗布し170℃にて3分間処理し、さらに、裏地に酸化チタン微粒子を含まない55dtex24フィラメント、ブライトの円断面のポリエステル長繊維をタテ糸に使用し、同じく酸化チタン微粒子を含まない83dtex34フィラメント、ブライトの円断面糸のポリエステル長繊維の仮ヨリ加工糸をヨコ糸に用いた平織物を使用した以外は実施例1と同様にしてリバーシブル仕様のブルゾンを縫製した。
表地織物の平均分光吸収率は5%、裏地織物の平均分光反射率は40%であり、中綿の蓄熱量は0℃から50℃の範囲にピーク点がなく0J/gであった。表地の光吸収温度効果、裏地の光反射温度効果および洗濯10回後の測定値を表1に示す。
表1に示す如く、このブルゾンは、表地面は光吸収発熱効果がなく、裏地面を表使いで着用した場合も光反射効果がなく、また、蓄熱性のない暑い時には暑く、寒い時には寒い保温性調整機能のないブルゾンであった。
[比較例2]
比較例1において裏地を実施例2で用いたフロント糸、バック糸ともに33dtex24フィラメント、ブライトの円断面のポリエステル長繊維を使った起毛トリコットにし、リバーシブル仕様ではない通常の片側表面とした以外は比較例1と同様にしてブルゾンを縫製した。
表地織物の平均分光吸収率は5%、中綿の蓄熱量は0℃から50℃の範囲にピーク点がなく0J/gであった。表地の光吸収温度効果および洗濯10回後の測定値を表1に示す。
表1に示す如く、このブルゾンは、表地面の光吸収発熱効果は認められず蓄熱性のない保温性調整機能のないブルゾンであった。
[実施例3]
実施例1、および比較例1、で得られたリバーシブルブルゾンを用い表地面を表使いとして着用人工気象室にて次の条件で着用快適性確認実験を行い、背中の半袖Tシャツの上に熱電対をサージカルテープで接着し温度を測定した。また被験者の着用感を次の中から選んでもらった。測定結果を表2に示す。
◎:快適(厚くも寒くもない)。
○:やや快適。
△:やや不快。
×:不快(厚いまたは寒い)。
(着用快適性確認条件)
環境条件:8℃、40%RH
着衣条件(トップ):半袖Tシャツ/長袖スエットシャツ/テスト品(実施例1、および比較例1)
着衣条件(ボトム):パンツ/チノパンツ
実験タイムスケジュール:安静10分/運動(踏み台昇降)20分/回復20分
(計50分、ただし実験開始から30分後まで500wのレフランプを背中面および胸部面に向けて80cmの間隔をおいて照射した)
表2から明らかなように、実施例1のブルゾンは比較例1のブルゾンに比べ安静時から運動中の前半部分で暖かく、回復時において運動後の冷え感のない着用快適性に優れたブルゾンであった。
[実施例4]
実施例1、および比較例1、で得られたリバーシブルブルゾンを用い裏地面を表使いとして、かつ人工気象室の環境条件を15℃、50%RHとした以外は実施例3と同様にして着用快適性確認実験を行った。測定結果を表2に示す。
表2から明らかなように、比較例1のブルゾンは実施例1のブルゾンに比べ暑く不快なものであった。
Figure 2005256185
Figure 2005256185

Claims (7)

  1. 表地と中綿と裏地からなる部分を少なくとも有する衣料であって、波長0.2〜1.2μm域での平均分光吸収率が8%以上の表地を用い、中綿に蓄熱性粒子を含む中入れ綿を用いたことを特徴とする中綿入り衣料。
  2. 2つの布帛間に中綿を挿入した部分を少なくとも有する衣料であって、該布帛の一方が波長0.2〜1.2μm域での平均分光吸収率が8%以上の布帛であり、該布帛のもう一方が波長0.2〜1.2μm域での平均分光反射率が45%以上の布帛であり、かつ該中綿が蓄熱性粒子を含む中入れ綿であることを特徴とする中綿入り衣料。
  3. ポリエステル短繊維からなる中入れ綿であることを特徴とする請求項1または2記載の中綿入り衣料。
  4. 前記ポリエステル短繊維が1.0〜10dtexの2種類以上のポリエステル短繊維からなり、かつ、該ポリエステル短繊維の単糸が混繊され、バインダー樹脂で単糸間を部分的に結節した中綿であることを特徴とする請求項3に記載の中綿入り衣料。
  5. 前記バインダー樹脂がアクリル系樹脂であり、蓄熱性粒子が添加されているバインダーを繊維表面に固着したことにより潜熱蓄熱量が3.0J/g以上の中綿を用いたことを特徴とする請求項4に記載の中綿入り衣料。
  6. 前記蓄熱性粒子が相変換蓄熱剤を内包したメラミン系樹脂からなるマイクロカプセルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中綿入り衣料。
  7. 前記中綿が洗濯10回後の潜熱蓄熱量が3.0J/g以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の中綿入り衣料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014125710A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Kurabo Ind Ltd 繊維製品及びその製造方法
KR101581383B1 (ko) * 2015-03-03 2015-12-30 고경찬 씨스루 효과를 갖는 광발열 패딩자켓

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