JP2005256103A - 錫めっき皮膜のウイスカ検査方法 - Google Patents

錫めっき皮膜のウイスカ検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】錫めっきを施した電子部品などの信頼性を確保するためにウイスカの成長状態を検査するには、従来は半年から長い場合は2年間の非常に長い時間がかかっていたが、錫ウイスカを短期間で行う錫めっき皮膜のウイスカ検査方法を提供する。
【解決手段】本発明は錫めっき皮膜のウイスカ検査方法に関し、銅または銅合金基材上に3〜15μmの錫めっき皮膜を形成後、速やかに界面活性剤を含有した水溶液に錫めっき皮膜を浸漬し、超音波洗浄機にて超音波振動を与えた後、錫めっき皮膜を50℃90%RHRHの恒温恒湿槽に168時間保存する。
【選択図】図1

Description

本発明は、検査に長期間を要する錫ウイスカを短期間で行うことができる錫めっき皮膜のウイスカ検査方法に関するものである。
錫めっきは、装飾品、電子部品、構造部品などの金属表面処理方法として、コストが安く、耐食性、外観、はんだ付け性に優れているために一般的に用いられている。ところが、錫めっきの表面にはウイスカと呼ばれる錫の単結晶からなる針状結晶が発生することが知られている。このウイスカは通常直径1〜2μm、長さは数μm〜数mmに達し、光沢剤を添加した光沢錫めっき皮膜に特に発生しやすいものであり、電子部品の場合にはウイスカが発生・成長すると、回路中や、端子間でショートが発生したり、ノイズ発生の原因となっていた。しかも、近年の電子部品は小型化、高密度化、微弱電流化の傾向にあり、ウイスカが発生すると障害が起こりやすくなっている。
解決しようとする問題点は、錫めっきを施した電子部品などの信頼性を確保するためにウイスカの発生・成長状態を検査するには、従来は半年から長い場合は2年間の非常に長い時間がかかる点である。ウイスカを防止する方法の報告は種々なされているが、ウイスカを早く成長させて効率良く研究・検査する方法の報告はなされていない。
特開昭57−126992号公報 特開昭62−020895号公報 特開平01−259195号公報 特開平07−300696号公報 特開2003−163135号公報
本発明は、錫めっき皮膜のウイスカ検査方法に関し、銅または銅合金基材上に厚さが3〜15μmの錫めっき皮膜を形成した後、速やかに錫めっき後に超音波振動を与えた後にウイスカの成長を開始し、その保存環境を40〜60℃で高湿度条件下に置くことにより、ウイスカの成長する時間を大幅に短縮するウイスカ検査方法を提供することを主要な特徴とする。
また本発明は、錫めっき皮膜のウイスカ検査方法に関し、銅または銅合金基材上に厚さが3〜15μmの錫めっき皮膜を形成した後、速やかに錫めっき後に界面活性剤を含有する水溶液中にて超音波振動を与えた後にウイスカの成長を開始し、その保存環境を40〜60℃で高湿度条件下に置くことにより、ウイスカの成長する時間を大幅に短縮するウイスカ検査方法を提供することを主要な特徴とする。
また本発明は、錫めっき皮膜のウイスカ検査方法に関し、基材上に厚さが0.5〜3μmの錫めっき皮膜を形成した後、その保存環境を80〜100℃で高湿度条件下に置くことにより、ウイスカの成長する時間を大幅に短縮するウイスカ検査方法を提供することを主要な特徴とする。
また本発明は、錫めっき皮膜のウイスカ検査方法に関し、銅または銅合金基材上に厚さが0.5〜3μmの錫めっき皮膜を形成した後速やかに、界面活性剤を含有する水溶液中に超音波振動を与えた後、めっき皮膜が半径60〜90mmの円弧状の曲げによる変形を
保持した状態で20〜40℃の環境に置くことにより、ウイスカの成長する時間を大幅に短縮するウイスカ検査方法を提供することを主要な特徴とする。
本発明のウイスカ検査方法は、めっき皮膜のウイスカ成長を短期間で行えるため、何回も検査を繰り返して信頼性の高いめっき皮膜を短期間に得ることができるという利点がある。
銅または銅合金基材上に錫めっき皮膜を形成後、速やかに界面活性剤を含有した水溶液に錫めっき皮膜を浸漬し、超音波洗浄機にて超音波振動を与えた後、錫めっき皮膜を50℃90%RHの恒温恒湿槽に168時間保存することで、30℃保存時の2600時間(15週間)に相当する長さのウイスカを成長させて検査することが出来る。
また、錫めっき皮膜のウイスカ検査方法に関し、基材上に厚さが0.5〜3μmの錫めっき皮膜を形成した後、その保存環境を85℃90%RHの恒温恒湿槽に168時間保存することで、30℃保存時の約2倍密度のウイスカを成長させて検査することが出来る。
PPF(PrePlated Frame:前めっき)方式に用いられる電子部品用リードフレームを例に説明する。図2,図3は本発明で用いた電子部品用リードフレームの平面図および断面図である。電子部品用リードフレームに使用される基材には、低錫リン青銅または析出硬化型等の銅または銅合金や、鉄にニッケルを約42wt%含む鉄・ニッケル合金が用いられる。本実施例では銅合金であるアロイ194を生地として用いた。最初、このアロイ194の薄板をリードフレームの形状に加工する。加工する方法としては、リードフレームの形状を打ち抜くための金型を造り、この金型を用いてプレス装置により打ち抜き加工する方法と、感光レジストを表面に塗布しパターンを焼き付けた後、現像し感光レジストをリードフレームのポジパターンとして残し、塩化第二鉄または塩化第二銅等のエッチング液で加工する方法がある。本発明では、プレス法もエッチング法も任意に選択できる。本実施例1ではプレス法により、アロイ194の板をリードフレーム形状に加工した後、洗浄工程を経て、必要に応じて熱処理工程を通し、プレスで打ち抜いた時に基材に残った応力を除去する。その後、めっき工程に入る。
以下に本発明のめっき工程の詳細を説明する。
洗浄工程により生地に付着したプレス工程や熱処理工程の油成分をアルカリ脱脂剤等により浸漬法または電気的な方法の併用または単独使用により除去した後、銅下地めっきを0.2μm以上形成する。銅下地めっき液として、シアン化銅溶液を用いた。その後、銀の部分めっき工程によりインナーリード部2に銀めっきを行う。
銀の部分めっき5を行った後、生地と錫めっき層の密着性を改善するため塩酸、硝酸、硫酸を1種または2種以上から選択された処理剤によって、アウターリード部3の錫めっき層6を処理する。本実施例1では5%の硫酸を用いた。
この前処理の後に、アウターリード部3に電流密度40A/dm2により錫めっきの部分めっきを行った。めっき液としてはMST−400(レイボルド製)を用い、MST−錫を用い金属錫として50g/L、酸としてMST−酸を75mL/L、添加剤としてMST−400を60mL/Lの濃度で調製した。浴温50℃、流速5L/minの条件で錫めっき皮膜を形成した。陽極電極は、白金、イリジウム、タンタル、ロジウム、ルテニウムの金属またはその酸化物のうち一つ以上を含む不溶性電極により任意に選択できる。
本実施例1ではチタンの生地に酸化イリジウムと酸化タンタルの混合物を被覆した不溶性電極を使用した。通常の錫板などを用いた溶解性電極を使用すると、電極交換が頻繁となり、その都度生産ラインを停止する必要があるため、量産性が極端に低下し、好ましくない。もちろん、高速めっき方法を用いない場合は、可溶性陽極を用いることもできる。
めっき厚さは3〜15μmの範囲で任意に選択できる。めっき厚が3μmより薄くなると、下地の影響ではんだぬれ性が悪くなる。15μm以上厚くなると、モールド樹脂の封止工程で金型の隙間から樹脂が漏れる等の不具合が発生するので好ましくない。本実施例1では9μmの錫めっきを行った。錫めっきを行った後、水洗を行いめっき液を充分除去した後、第三リン酸ナトリウム・12水和物を50g/Lの濃度で60℃、20秒間の浸漬処理によって、錫めっき面をエッチング処理した。次に、リード側面に漏れた銀を除去するため電気的にリードフレーム表面の銀を除去した後、有機皮膜による変色防止処理を行った後、水洗後乾燥した。
次に、錫めっき皮膜を形成したリードフレームを速やかに超音波洗浄機にて超音波振動を与え、30℃90%RHの恒温恒湿槽に保存し、168時間、504時間、864時間、1512時間、2616時間を経過した時にその都度取り出して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてウイスカの発生状況を観察した。ウイスカ長さは長いものから20本を選びその平均値を用いた。超音波洗浄機は8510J−DTH(ブランソニック製)を用い、40,000Hz、50℃で30分間超音波振動を与えた。
恒温恒湿度保存条件が40℃90%RHであること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
恒温恒湿度保存条件が50℃90%RHであること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
恒温恒湿度保存条件が60℃90%RHであること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、恒温恒湿度保存条件が30℃90%RHであること以外は、実施例1と同様の方法で行った。界面活性剤はネオペレックスG−15(花王製)を1mL/Lで用いた。
超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、恒温恒湿度保存条件が40℃90%RHであること以外は、実施例1と同様の方法で行った。界面活性剤はネオペレックスG−15(花王製)を1mL/Lで用いた。
超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、恒温恒湿度保存条件が50℃90%RHであること以外は、実施例1と同様の方法で行った。界面活性剤はネオペレックスG−15(花王製)を1mL/Lで用いた。
超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、恒温恒湿度保存条件が60℃90%RHであること以外は、実施例1と同様の方法で行った。界面活性剤はネオペレックスG−15
(花王製)を1mL/Lで用いた。
(比較例1)
超音波洗浄機による超音波振動を与えず、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHであること以外は、実施例1と同様な方法で行った。
(比較例2)
恒温恒湿度保存条件が50℃60%RHであること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
錫めっき皮膜の検査条件と2616時間までのウイスカ成長の経過を(表1)、図4に示す。
Figure 2005256103
(表1)、図4に示す様に、実施例1〜4では錫めっき皮膜形成後に超音波振動を与えた後、30℃90%RH〜60℃90%RHの環境下に168時間保存することで、比較例1の30℃60%RH保存時の400時間〜1700時間に相当する長さのウイスカを得た。特に、50℃90%RHに168時間保存することで、30℃60%RH保存時の1700時間に相当する長さのウイスカを得た。
更に、実施例5〜8では錫めっき皮膜形成後に界面活性剤を含有する水溶液中にて超音波振動を与えた後、30℃90%RH〜60℃90%RHの環境下に168時間保存することで、30℃60%RH保存時の600時間〜2600時間に相当する長さのウイスカを得た。特に、50℃90%RHに168時間保存することで、30℃60%RH保存時の2600時間以上に相当する長さのウイスカを得た。
図1に実施例8で成長した168時間後のウイスカを示す。本発明の方法で成長させたウイスカは、根元部分が細くなる傾向があり、ウイスカとその根元部分とは隙間が存在した。
本発明の方法によるウイスカの成長メカニズムは明かではないが、銅または銅合金基材と錫めっき皮膜との錫銅合金であって、内部応力を増大させるCu6Sn5が成長しやすく、内部応力を減少させるCu3Snが成長しにくい温度域(30〜60℃)において、超音波振動によるエネルギーの供給と界面活性剤による水浸透性の向上で、めっき皮膜結晶の粒子間にわずかな隙間が出来やすくなることで、めっき皮膜中に内在していた応力が解放されやすくなり、短期間にウイスカが成長したものと考える。
次に、銅または銅合金基材上に錫めっき皮膜を形成後、速やかに85℃90%RHの恒
温恒湿槽に168時間保存することで、ウイスカ生成密度を大きくして検査することが出来る。
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波洗浄機による超音波振動を与えず、恒温恒湿度保存条件が85℃90%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行い、100μm×100μmエリアに発生したウイスカの生成密度を観察した。
(比較例3)
超音波洗浄機による超音波振動を与えず、恒温恒湿度保存条件が85℃90%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行い、ウイスカの生成密度を観察した。
(比較例4)
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波洗浄機による超音波振動を与えず、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行い、ウイスカの生成密度を観察した。
(比較例5)
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波洗浄機による超音波振動を与えず、恒温恒湿度保存条件が60℃90%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行い、ウイスカの生成密度を観察した。
錫めっき皮膜の検査条件とウイスカ生成密度の関係を(表2)に示す。(表2)に示す様に、錫めっき膜厚が1μmでは錫めっき皮膜形成後に85℃90%RHの環境下に168時間保存することで、錫めっき膜厚9μmより顕著に大きなウイスカ生成密度が観察され、同じ1μmの膜厚でも30℃60%RH、60℃90%RH保存時よりも大きなウイスカの生成密度が観察された。
Figure 2005256103
次に、錫めっき皮膜の厚さを0.2から9μmまで変化させた時のウイスカの成長状況を30℃60RH%に500時間、1000時間、2000時間で観察した結果を図5に示す。
錫めっき皮膜の厚さを0.2〜9μmまで変化させ、それぞれについて30℃60%RHに保存した場合の500h、1000h、2000hでのウイスカ成長経過を観察した。
図5に示す様に、錫めっき膜厚が0.6μmより薄くなるとほとんどウイスカが生成しなくなり、錫めっき膜厚が3μmより厚くなるとウイスカの成長が小さくなる。このことから、30℃60%RHの環境では0.6μmから3μmの範囲でウイスカが成長しやすい範囲が存在した。
次に、銅または銅合金基材上に厚さが0.5〜3μmの錫めっき皮膜を形成した後速やかに、界面活性剤を含有する水溶液中に超音波振動を与えた後、めっき皮膜が半径60〜90mmの円弧状の曲げによる変形を保持した状態で20〜40℃の環境に置くことにより、ウイスカの成長を大きくして検査することが出来る。
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波洗浄機による超音波振動を与えず、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、500mLのガラスビーカーの外側にめっき皮膜が形成されたリードフレームを巻き付けることで、めっき皮膜が半径88mmの円弧状の曲げによる変形を保持した状態で、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、300mLのガラスビーカーの外側にめっき皮膜が形成されたリードフレームを巻き付けることで、めっき皮膜が半径76mmの円弧状の曲げによる変形を保持した状態で、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、200mLのガラスビーカーの外側にめっき皮膜が形成されたリードフレームを巻き付けることで、めっき皮膜が半径66mmの円弧状の曲げによる変形を保持した状態で、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
(比較例6)
超音波洗浄機による超音波振動を与えず、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
(比較例7)
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波洗浄機による超音波振動を与えず、200mLのガラスビーカーの外側にめっき皮膜が形成されたリードフレームを巻き付けることで、めっき皮膜が半径66mmの円弧状の曲げによる変形を保持した状態で、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
(比較例8)
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波洗浄機による超音波振動を与えず、200mLのガラスビーカーの外側にめっき皮膜が形成されたリードフレームを巻き付けることで、めっき皮膜が半径66mmの円弧状の曲げによる変形を保持した状態で、恒温恒湿度保存条件が60℃90%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
(比較例9)
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
(比較例10)
錫めっき皮膜の厚さが1μm、超音波振動を与える際に界面活性剤を用い、100mLのガラスビーカーの外側にめっき皮膜が形成されたリードフレームを巻き付けることで、めっき皮膜が半径54mmの円弧状の曲げによる変形を保持した状態で、恒温恒湿度保存条件が30℃60%RHで168時間保存したこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
錫めっき皮膜の検査条件と168時間経過後のウイスカ成長との関係を(表3)に示す。(表3)に示す様に、錫めっき膜厚が1μmでは、錫めっき皮膜形成後に30℃60%RHの環境下に168時間保存することで、錫めっき膜厚が9μmの場合よりも顕著なウイスカの成長が観察された。また、同じ1μmの膜厚でも界面活性剤を含有した水溶液中で超音波振動を与えた後、めっき皮膜に曲げによる応力を大きくするにつれてウイスカ成長は更に顕著となった。この際、曲げによる応力を加えすぎると、その効果はなかった。
Figure 2005256103
以上、本実施例で示した様に、錫めっき皮膜を3〜15μm形成後、超音波振動、界面活性剤存在下での超音波振動を与え、温度が30〜60℃、湿度が80〜95%RHで保存することにより、ウイスカ成長を大きくして検査することが出来る。
また、錫めっき皮膜を0.5〜3μm形成後、温度が80〜100℃、湿度が80〜95%RHで保存することにより、ウイスカ生成密度を高めることが出来る。更に、界面活性剤存在下での超音波振動を与え、錫めっき皮膜が曲げによる変形を保持した状態で、温度が20〜40℃で保存することにより、ウイスカ成長を大きくして検査することが出来る。
以上の実施例では電子部品用リードフレームへの錫めっき皮膜について記述したが、本発明はこの用途に限定されるものではない。
ウイスカ成長を大きくすることにより、長期間を要していたウイスカ検査を短期間で終えることが出来るため、錫めっきを用いるもの全てにおいて、ウイスカが発生しにくい信頼性の高い製品が開発・生産できる。
本発明で成長したウイスカ図 本発明で用いた電子部品用リードフレームの平面図 本発明で用いた電子部品用リードフレームの断面図 錫めっき皮膜の検査条件によるウイスカ成長経過の関係図 錫めっき膜厚と成長したウイスカ長さとの関係図
符号の説明
1 チップ搭載部
2 インナーリード部
3 アウターリード部
4 タイバー部
5 銀または銀合金めっき部
6 錫めっき部

Claims (15)

  1. 銅または銅合金基材上に錫めっき皮膜を形成した後、該錫めっき皮膜に超音波振動を与えた後、高湿度環境に保存することを特徴とするウイスカ検査方法。
  2. 前記めっき皮膜の厚さが3〜15μmであることを特徴とする請求項1のウイスカ検査方法。
  3. 保存温度が30〜60℃、保存湿度が80〜95%RHであることを特徴とする請求項1、2のウイスカ検査方法。
  4. 銅または銅合金基材上に厚さが3〜15μmの錫めっき皮膜を形成した後、該錫めっき皮膜に超音波振動を与えた後、保存温度が30〜60℃、保存湿度が80〜95%RHの高湿度環境に保存することを特徴とするウイスカ検査方法。
  5. 銅または銅合金基材上に錫めっき皮膜を形成した後、該錫めっき皮膜に界面活性剤を含有する水溶液中にて超音波振動を与えた後、高湿度環境に保存するウイスカ検査方法。
  6. 前記めっき皮膜の厚さが3〜15μmであることを特徴とする請求項5のウイスカ検査方法。
  7. 保存温度が30〜60℃、保存湿度が80〜95%RHであることを特徴とする請求項5、6のウイスカ検査方法。
  8. 銅または銅合金基材上に厚さが3〜15μmの錫めっき皮膜を形成した後、該錫めっき皮膜に界面活性剤を含有する水溶液中にて超音波振動を与えた後、保存温度が30〜60℃、保存湿度が80〜95%RHの高湿度環境に保存することを特徴とするウイスカ検査方法。
  9. 銅または銅合金基材上に錫めっき皮膜を形成した後、該めっき皮膜を高温高湿度で保存することを特徴とするウイスカ検査方法。
  10. 前記めっき皮膜の厚さが0.5〜3μmで、保存温度が80〜100℃、保存湿度が80〜95%RHであることを特徴とする請求項9のウイスカ検査方法。
  11. 銅または銅合金基材上に厚さが0.5〜3μmの錫めっき皮膜を形成した後、該めっき皮膜を保存温度が80〜100℃、保存湿度が80〜95%RHの高温高湿度で保存することを特徴とするウイスカ検査方法。
  12. 銅または銅合金基材上に厚さが0.5〜3μmの錫めっき皮膜を形成した後、保存温度が20〜40℃であることを特徴とするウイスカ検査方法。
  13. 前記めっき皮膜形成後、該錫めっき皮膜に界面活性剤を含有する水溶液中にて超音波振動を与えた後、めっき皮膜が曲げによる変形を保持した状態であることを特徴とする請求項14のウイスカ検査方法。
  14. 前記曲げが半径60〜90mmの円弧状に変形されることを特徴とする請求項15のウイスカ検査方法。
  15. 銅または銅合金基材上に厚さが0.5〜3μmの錫めっき皮膜を形成した後、該錫めっき
    皮膜に界面活性剤を含有する水溶液中にて超音波振動を与えた後、めっき皮膜が半径60〜90mmの円弧状の曲げによる変形を保持した状態で20〜40℃で保存することを特徴とするウイスカ検査方法。
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