JP2005254538A - 半可塑性体の切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば軽量気泡コンクリート(以下、ALCという)パネル等を製造する場合などにおいて、未養生のALC等の半可塑性体をパネル状その他所望形状に切断するための切断装置に係り、複数本備えたワイヤの張力に大きなバラツキが生じることなく、ALC等の半可塑性体を良好に切断することができるようにする。
【解決手段】 複数本のワイヤWの一端を巻取ドラム2に、他端を巻戻ドラム17にそれぞれ巻回し、上記両ドラム2,17を回転させてワイヤWを一方向に所定の速度で走行させながら半可塑性体Fを切断する半可塑性体の切断装置において、上記ワイヤWを巻戻ドラム17から巻取ドラム2に巻き取る際および巻取ドラム2から巻戻ドラム17に巻き戻す際に、上記各ドラム上でワイヤWが互いに重なり合わないように上記各ドラムを軸線方向に移動させるドラム移動手段10、30を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば軽量気泡コンクリート(以下、ALCという)パネル等を製造する場合などにおいて、未養生のALC等の半可塑性体をパネル状その他所望形状に切断するための切断装置に関するものである。
上記のようなALCパネルを製造する場合には、従来一般に原料スラリーを所定の型枠内に流し込んで所望形状に成形し、その成形体が所定硬さの半可塑状態に固まったところで型枠を外し、その半可塑性体をピアノ線等のワイヤにより所定の寸法に切断した後、オートクレーブ等で蒸気養生して所定の大きさ形状のALCパネルを得るものである。
この場合、上記のようなワイヤを用いた切断装置としては、一般に緊張状態に固定したワイヤを未養生のALC等の半可塑性体に対して相対移動させることによって切断するワイヤ固定切断方式が多く用いられてきた。しかし、ワイヤを単に半可塑性体に押し当てて相対移動させるだけでは、その切断面がケバ立って平滑に切断できない等の不具合がある。
しかも、切断時のALC等の半可塑性体内部の硬化状態は必ずしも一様ではなく、例えば材料の分布や外気温度等の影響等により、部位毎に硬化の進み方が異なる。そのため、上記従来のように緊張状態に固定したワイヤによる切断方式では、切断中にワイヤに加わる切断抵抗は逐次変化することとなり、緊張装置の緩衝作用が都度作用することで、半可塑性体とワイヤの相対速度も逐次変化する。その結果、切断面に切断時のワイヤと半可塑性体との相対速度変化によってワイヤ跡が生じ、このワイヤ跡は微小な凹凸となり外観体裁を損ねる原因となっていた。
そこで、例えば下記特許文献1,2のように、ワイヤを揺動させたり、往復運動させた状態で切断する方法が提案されている。このような方法によれば、部分的にケバ立ちを抑えつつALC等の半可塑性体を切断することは可能となる。さらに、ワイヤに運動を加えながらの切断方式であるため、ワイヤの運動エネルギーが切断に作用することにより、ワイヤに加わる切断抵抗は減少し、半可塑性体内部の硬化変化による切断抵抗への影響が減少することで、緊張装置の緩衝作用が都度作用する機会も減少する。その結果、切断面に形成されるワイヤ跡も減少する。
しかし、ワイヤを揺動させたり往復運動させる切断方法によれば、その揺動終点もしくは往復運動の移動方向が切り替わる度毎にワイヤが一時的に停止した状態となり、ワイヤが実質的に固定状態で半可塑性体を切断することとなるため、切断面にケバ立ちが生じたり、ワイヤが停止することにより生ずる凹凸模様により、切断面に周期的なワイヤ跡が生じて外観体裁を損ねる等の不具合があった。
さらに、下記特許文献3、4のように、ワイヤの両端部をそれぞれ巻取ドラムに巻付け、そのワイヤを一方の巻取ドラムから他方の巻取ドラムに向かって移動させながら切断することで、ワイヤを揺動させたり、往復運動させた状態で切断する場合の不具合を解決する装置も提案されている。
しかし、特許文献3のようにピアノ線をガイドする動滑車を螺旋軸で上下動させるものにあっては装置が大型化すると共に、複数箇所を同時切断するのが困難で生産性が低い。また特許文献4のように巻取ドラムと巻戻ドラムに1本のワイヤを懸回して切断する場合も上記と同様である。さらに上記特許文献4の巻取ドラムと巻戻ドラムとに複数本のワイヤを懸回して切断する場合には、その各ワイヤに個別に張力を付与する構造とはなっていないので、各ワイヤに付与される張力は、ドラム上でのワイヤ同士の重なり具合による巻取直径の変化など、ワイヤの懸回状態によって大きく影響される。
そのため、上記各ワイヤの張力にはバラツキが生じ、張力が大きくなり過ぎた場合には切断中に破断したり、張力が不足した場合にはワイヤによる切断面に波打ち等が発生し、パネル表面の外観体裁を損ねる等の不具合があった。また、何らかの原因によりワイヤが破断もしくは局部的に折れ曲がったり変形して使用に適さない状態になった場合には、前記のとおり各ワイヤに個別に緊張を与える構造となっていないため、たとえ1本のみのワイヤの不具合であったとしても、交換後の全ワイヤの緊張状態を同一条件に設定することが非常に困難となる。そのため、前記したパネル表面の外観体裁を損ねる等の不具合の発生を極力回避するために、ワイヤ全数を交換しなければならず、作業効率の低下やコストの増大を招いていた。
特開昭60−260304号公報 特開昭64−82905号公報 特開昭49−83087号公報 特開昭56−33295号公報
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、複数本備えたワイヤの張力に大きなバラツキが生じることなく、ALC等の半可塑性体を良好に切断することのできる切断装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明による半可塑性体の切断装置は、以下の構成としたものである。すなわち、複数本のワイヤの一端を巻取ドラムに、他端を巻戻ドラムにそれぞれ巻回し、上記両ドラムを回転させてワイヤを一方向に所定の速度で走行させながら半可塑性体を切断する半可塑性体の切断装置において、上記ワイヤを巻戻ドラムから巻取ドラムに巻き取る際および巻取ドラムから巻戻ドラムに巻き戻す際に、上記各ドラム上でワイヤが互いに重なり合わないように上記各ドラムを軸線方向に移動させるドラム移動手段を設けたことを特徴とする。
上記のように、本発明による半可塑性体の切断装置は、巻取ドラムおよび巻戻ドラム上でワイヤが互いに重なり合わないように各ドラムを軸線方向に移動するドラム移動手段を設けたので、ワイヤが重なることによって各ワイヤの張力が大きく変動するのを防止できると共に、ワイヤ同士の重なりがほどけるときのワイヤの衝撃により切断面にワイヤ跡が生じることがなく、平滑で高品位な切断性能が得られる。
以下、本発明による半可塑性体の切断装置を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明による半可塑性体の切断装置の一実施形態を示す正面図、図2(a)はその一部の拡大正面図、同図(b)はその縦断側面図、図3は図1の要部の拡大図、図4は図2(b)の一部の拡大図である。
本実施形態の切断装置は、正面略長方形状の枠体1の下部に、切断用ワイヤの巻取ドラム2を設けたもので、その巻取ドラム2は、本実施形態においては丸棒状に形成され、その外周面の軸線方向複数箇所に所定の間隔をおいてワイヤWの一端を連結すると共に、その各ワイヤを上記ドラム2の外周面に同時に巻き取る構成である。上記各ワイヤWは、本実施形態においてはピアノ線等の鋼線を用いたものであるが、高強度繊維等を用いることもできる。
上記巻取ドラム2は、その両端部に設けた軸受部材3に回転自由に支持され、その両軸受部材3および巻取ドラム2は、各軸受部材3の上面に一体的に設けたスライダ(すべり軸受)4を介して、上記枠体1の下部横片1aに設けた案内レール5に沿って図1で左右方向に移動可能に保持されている。
また上記巻取ドラム2は、本実施形態においては、前記枠体1の一側部に設けたモータ等の原動機6によりチェーン伝導機構7等を介して所定の速度で正逆回転させる構成であり、そのチェーン伝導機構7は、上記原動機6の出力軸上に設けた一対の駆動スプロケット7aと、巻取ドラム2の延長軸線上に設けた一対の従動スプロケット7bと、上記両スプロケット7a・7bに懸回したチェーン7cとよりなる。
上記従動スプロケット7bと巻取ドラム2との間には、その従動スプロケット7bから巻取ドラム2への動力(回転力)の伝達を許容し、かつ前記軸受部材3および巻取ドラム2の図1で左右方向への移動を許容するスライド伝動機構8を設けたもので、そのスライド伝動機構8は、本実施形態においては図1および図3に示すように従動スプロケット7bに一体的に設けた筒軸8aと、巻取ドラム2に一体的に設けた延長軸8bとをスプライン結合させた構成であるが、上記筒軸8aと延長軸8bとをキー結合する等その他適宜である。
上記巻取ドラム2の上記スライド伝動機構8と反対側の端部には、その巻取ドラム2を前記の軸受部材3とともに軸線方向(図1で左右方向)に所定の速度で往復移動させる巻取ドラム移動手段10が設けられ、その巻取ドラム移動手段10は、本実施形態においては、枠体1の下部横片1aの下面側に設けたサーボモータ等の原動機11の出力軸上に送りねじ12を設け、その送りねじ12を前記軸受部材3に設けた不図示の雌ねじ孔もしくは雌ねじ部材に螺合させた構成である。上記原動機11による送りねじ12の正逆回転で、その送りねじ12に螺合する上記雌ねじ孔もしくは雌ねじ部材を介して上記巻取ドラム2が軸受部材3とともに原動機11に向かって図1で右方に前進したり、それと反対方向に後退動する構成である。
また上記巻取ドラム2の図1で左右方向の移動量は、巻取ドラム2へのワイヤの巻回数に対応させるようにしたもので、巻取ドラム2の回転数を図示しない検出器により検知して、その情報を元にサーボモータ等の原動機11の回転数を制御して巻取ドラム2の図1で左右方向の移動量を制御する。具体的には、巻取ドラム2が周方向に1回転する毎に、巻取ドラム2が図1で右または左にワイヤWの太さと同等もしくはそれ以上移動するようにして、上記巻取ドラム2に巻回されるワイヤWが重ならないように構成されている。
上記各ワイヤWは一方向に1回の走行移動で所定長さの半可塑性体が切断できるように所定長さに形成され、その各ワイヤWの上記巻取ドラム2と反対側の端部は、それぞれ前記枠体1の下部横片1aに回転自在に設けたワイヤ下部の位置決め用ガイドプーリ15と、その上方の上部横片1bに回転自在に設けたワイヤ上部の位置決め用ガイドプーリ16とを経て、更にその上方に各ワイヤW毎に設けた巻戻ドラム17の周面に連結すると共に懸回されている。なお上記各ワイヤWの巻取ドラム2および巻戻ドラム17に対する連結固定方法としては、例えばワイヤ端部をかしめ冶具等で処理する方法や、ドラムにスリットを設け、ワイヤ端部を締め込んで固定する方法等その他適宜であり、常時使用しやすい方法を用いればよい。
上記各巻戻ドラム17は、図2(b)に示すように、軸受部材18等を移動フレーム20上に回転自由に設けられ、その移動フレーム20は、その下面側にそれと一体的に設けたスライダ(すべり軸受)21を介して、前記枠体1の上部横片1bの上面に設けた台座22上の案内レール23に沿って図2(b)で左右方向に移動可能である。また上記各巻戻ドラム17は、それぞれ移動フレーム20に設けたブレーキ付きのモータ等の原動機25により、歯車伝導機構26等を介して回転駆動する構成であり、その各歯車伝導機構26の従動歯車26bと各巻戻ドラム17との間には、それぞれブレーキ装置27が設けられている。
そのブレーキ装置27は、本実施形態においては上記各巻戻ドラム17の軸上に互いに摩擦接触する一対の摩擦板27a,27bを配置した構成であり、上記各巻戻ドラム17にワイヤWを巻き戻す際には、上記各ブレーキ付き原動機25により上記各巻戻ドラム17が巻戻し方向に回転するのを許容し、その各巻戻ドラム17に巻き戻したワイヤWを前記巻取ドラム2上に巻き取る際には、上記ブレーキ付き原動機25の出力軸がその内蔵したブレーキで停止した状態で、上記巻取ドラム2を所定の巻取方向に回動し、各巻戻ドラム17が所定の設定した軸トルクに達すると、上記ブレーキ装置27の巻戻ドラム17側の摩擦板27aが該ドラム17と共に上記巻戻し方向と反対方向に摩擦回動し、その際に上記ブレーキ装置27による摩擦力等でワイヤWに所定の設定した張力が付与される構成である。
なお上記のように各巻戻ドラム17に巻き戻した各ワイヤWを巻取ドラム2に巻き取る際、上記ブレーキ付き原動機25の出力軸は、必ずしもその内蔵したブレーキで停止した状態である必要はなく、上記巻取ドラム2が回動することでワイヤWが走行する速度以下の周速で送り方向に回転される、又は逆回転とする方法でも可能である。また前記ブレーキ装置27は、摩擦板を利用した摩擦式ブレーキ装置の他に、例えば液体の抵抗を利用した抵抗式ブレーキ等、種々のものが使用可能であり、使用する装置の大きさや必要となるブレーキ力等により最適なものを適宜選定すればよい。
また上記ブレーキ装置27によりワイヤWに付与される張力は、使用するワイヤWの材質や直径等により決定される引張り強さを超えることのない設定が必要となる。例えばワイヤWの直径は、同一材料であれば、太ければ引張り強さ、切断抵抗ともに増加し、細ければ引張り強さ、切断抵抗ともに減少するが、上記ブレーキ装置27によりワイヤWに付与される張力は、概ねワイヤWの引張り強さの10%以上、90%以下が望ましい。ワイヤの引張り強さの10%未満であると、ALC等の半可塑性体の硬化状態の影響を受けにくい切断装置である本発明であっても、ワイヤの緊張力がワイヤに加わる切断抵抗を下回る状態が生じてしまい、ワイヤへの十分な緊張保持が出来なくなり、切断面の蛇行等の切断不良を生じる恐れがある。また、引張り強さをあまり大きくすると、ワイヤへ過度の引張り荷重が繰り返し作用することで、ワイヤの強度低下を引き起こし、耐用期間が短くなる恐れがあるため、経済的ではないからである。
前記の台座22上には、前記移動フレーム20とともに全ての巻戻ドラム17を、軸線方向(図2(b)で左右方向)に所定の速度で往復移動させる巻戻ドラム移動手段30が設けられ、その巻戻ドラム移動手段30は、本実施形態においては、台座22の一端側に設けたサーボモータ等の原動機31の出力軸上に送りねじ32を設け、その送りねじ32を前記移動フレーム20に設けた不図示の雌ねじ孔もしくは雌ねじ部材に螺合させた構成である。上記原動機31による送りねじ32の正逆回転で、その送りねじ32に螺合する上記雌ねじ孔もしくは雌ねじ部材を介して上記移動フレーム20が図2(b)で左右方向に移動し、それに伴って巻戻ドラム17が同方向に移動する構成である。
また上記巻戻ドラム17の移動量は、巻戻ドラム17へのワイヤの巻戻し回数に対応させるようにしたもので、いずれかの巻戻ドラム17の回転数を図示しない検出器により検知して、その情報を元にサーボモータ等の原動機31の回転数を制御して巻戻ドラム17の図2(b)で左右方向の移動量を制御する。具体的には、いずれかの巻戻ドラム17が巻き戻し方向に1回転する毎に、巻戻ドラム17が図2(b)で右または左にワイヤWの太さと同等もしくはそれ以上移動するようにして、上記巻戻ドラム17に巻き戻されるワイヤWが重ならないように構成されている。
なお、上記の巻戻ドラム移動手段30および前記の巻取ドラム移動手段10の原動機31,11としてサーボモータ等を用いると、使用するワイヤWの直径が変更されたときにも、サーボモータの動作制御装置に所望する移動量を入力することで、ワイヤ径に対応した巻戻ドラム17および巻取ドラム2の移動量を簡単に設定可能となる等の利点があるが、必ずしもサーボモータを用いる必要はなく、例えば上記両ドラム2、17の回転運動とリンクさせた送りネジ方式等の機械的リンク機構やその他の連動機構等によっても同様の機能を付与することは可能である。
また上記巻取ドラム2と巻戻ドラム17とに巻回した各ワイヤWは、上記各ドラム17,2の近傍において、それぞれ上下に対応させて設けた一対の回転自在な前記ガイドプーリ16、15の断面略V字状のスリット溝16a、15aに係合させることによって、所定の位置に位置決め保持される構成である。また上記ガイドプーリ16、15はワイヤWの走行速度に応じて従動回転しながら、上記スリット溝16a、15aがワイヤWの位置決めを行うことで、ワイヤWとスリット溝16a、15aとの間に摩擦やそれによる傷等の発生が防止され、ワイヤWの寿命を著しく延長させる機能を有する。
さらに上記ガイドプーリ15、16および前記巻取ドラム2、巻戻ドラム17の少なくともワイヤ巻回部の外形寸法(ガイドプーリ15、16にあっては前記スリット溝15a、16aの内径)は、好ましくは直径30mm以上のものを用いるとよい。30mm未満であると、ALC等の半可塑性体の切断中にワイヤWに掛かる荷重を、曲率半径の小さな曲面で受けることとなり、荷重が局部的に集中してワイヤWの破断強度が不足するおそれがあるからである。また上記巻回部の外径寸法を大きくすると、荷重の集中は少なくなるが、あまり大きくすると、装置が大型化するので、100mm以下とするのが望ましい。
また、ワイヤWの本数や長さ及び隣り合うワイヤの間隔等は、巻取ドラム2とガイドプーリ15、16のスリット溝15a、16aを予め必要とされる箇所に適宜設定しておき、ブレーキ付き原動機25、巻戻ドラム17、ブレーキ装置27からなる巻戻し機構をユニット化し、取り外し及び移動可能としておけば、所望するパネルの長さや厚さ等に応じて適宜に位置を設定することが可能であり、その取付位置を交互に前後上下にずらすことによって、巻戻ドラム17の直径以下の間隔であってもワイヤWを設置することが可能となる。
上記の構成において、未養生のALC等の半可塑性体Fを切断するにあたっては、上記各ワイヤWの一端側を巻戻ドラム17に巻き取った状態で、ブレーキ付き原動機25のブレーキを働かせて原動機25の出力軸を固定するとともに、ブレーキ装置27により巻戻ドラム17を制動する。そして、巻取ドラム2を原動機6により回転駆動させ、ワイヤWを巻戻ドラム17から順次引き出しながら巻き取ることで、ブレーキ装置27によって発生する負荷により、ワイヤWには設定した所定の張力を付与しつつ、巻戻ドラム17から巻取ドラム2に順次巻き取っていく。
その状態で、図2(b)の鎖線示のように半可塑性体Fを枠体1内に送り込む、或いは半可塑性体Fに向かって枠体1を送り込む等、両者を相対移動させることによって半可塑性体Fをその移動方向全長にわたって前記各ワイヤWで切断するものである。その際、上記各ワイヤWは、それぞれ独立のブレーキ装置27による緊張作用で所定の張力が付与されているため、各ワイヤWの緊張状態に大きな違いが生じることがない。
しかも、前記スライド伝動機構8、サーボモータ等の原動機11、送りネジ12等により構成される巻取ドラム移動手段10と、移動フレーム20上のサーボモータ等の原動機31、送りネジ32等により構成される巻戻ドラム移動手段30により、巻取ドラム2と巻戻ドラム17上においては、ワイヤ同士が重なって巻回されることがないため、ワイヤ同士の重なりによってワイヤ表面に部分的な傷となる凹凸を生じさせず、ワイヤWの寿命低下が防止される。
またワイヤWの重なりが生じないために、ワイヤの張力にバラツキが生じるおそれが解消されると共に、切断動作中にワイヤWの重なり合いのバランスを崩してほどけることがなく、またワイヤの重なりがほどけるときに発生する衝撃で切断面にワイヤ跡を残すことがない。さらに、ワイヤWの位置決めを回転自在のガイドプーリ15、16に設けた断面V字形のスリット溝15a、16aにより行う構成のため、ワイヤWと上記スリット溝15a、16aとの摩擦接触が発生することがなく、ワイヤWに傷が付かないため、ワイヤWの寿命が低下しない。
そのため、前記従来例のようにドラムに巻回したワイヤ同士の重なりや傷の発生や、固定式ワイヤガイドによる摩擦接触により生じるワイヤへの傷の発生が生じることがなく、一度に複数枚の切断面が平滑かつ良好なALCパネル等を得ることが可能であり、さらにワイヤの寿命を飛躍的に延長させることが可能となる。
なお、上記各ワイヤWの走行速度(移動速度)は、半可塑性体とワイヤWとの相対移動速度とほぼ同等若しくはそれ以上で4倍以下とするのが望ましい。例えば枠体1に対する半可塑性体の進入速度を2m/minとする場合には、ワイヤWの走行速度は2m/min以上、8m/min以下とするのが望ましい。ワイヤWの走行速度が半可塑性体とワイヤWとの相対速度よりも遅いと、切断面を平滑化する効果が少なく、また、ワイヤWの走行速度は速いほど平滑化の効果は大きいが、あまり速くすると、必要とされるワイヤ長が長くなり過ぎ、実用的ではない。
すなわち、本実施形態においては各ワイヤWを巻戻ドラム17から巻取ドラム2に走行移動させるまでに少なくとも1つの半可塑性体の全長を切断する必要があり、走行速度を速くすると、それに応じた長さのワイヤWが必要となり、4倍を超える速さにしても平滑化の効果はさほど向上しない割にワイヤWの重量やコストが増大するからである。
上記のようにしてワイヤWを巻戻ドラム17から巻取ドラム2に走行移動させながら半可塑性体を切断した後は、巻取ドラム2を逆転させ、ブレーキ付き原動機25により巻戻ドラム17を巻取ドラム2よりも若干速い周速で巻取方向に回転させる。前記周速の違いによりワイヤWを介してブレーキ装置27が働き、ワイヤWに適正な緊張を与えつつ巻取ドラム2から巻戻ドラム17に巻戻すことで、巻戻し時のワイヤWのたるみを防止する。
上記巻取ドラム2から巻戻ドラム17にワイヤを巻戻す際には、前記ドラム移動手段10、30により上記巻取ドラム2および巻戻ドラム17を前記の巻取時とは反対方向に前記と同様の要領で移動させて初期の状態に復帰させる。なお上記巻取ドラム2から巻戻ドラム17に巻戻す際にも半可塑性体Fの切断作業を行ってもよいが、図示例のように巻戻ドラム17、巻取ドラム2を上下に配置したものにあっては、上側の巻戻ドラム17から下側の巻取ドラム2にワイヤWを移動させる場合にのみ切断するのが望ましい。
すなわち、上側の巻戻ドラム17から下側の巻取ドラム2にワイヤWを移動させる際に切断して、上側の巻戻ドラム17に巻戻し、再び上側の巻戻ドラム17から下側の巻取ドラム2にワイヤWを移動させる際に切断して上側の巻戻ドラム17に巻戻す。これを繰り返すようにすればよい、このようにワイヤWが上から下に移動する際に切断すると、通常下側が支えられている半可塑性体を良好に切断できるとともに、切断時の切断屑の良好な排出を促し、ケバ立ちをすくなくすることができる。また、切断方向を一定とすることでバラツキの少ない安定性のよい切断が可能となる等の利点がある。
また、巻戻ドラム17を取り外し式にしておけば、ワイヤWの交換作業において、予めワイヤWを必要長さだけ巻回した巻戻ドラム17を作成しておけば、ワイヤの準備にかかる時間を短縮できるので、作業効率が向上する。また、使用するワイヤ本数それぞれに対応した張力付与手段を設けているので、部分的なワイヤ破断等のワイヤの不具合が発生して、不具合部分のみを交換する場合においても、ワイヤに対して適正な張力設定が安易に行えるので、作業効率を向上させることができる。
以下、上記の半可塑性体の切断装置を用いてALCパネルを製造した場合の具体的な実施例について説明する。
〔実施例1〕
前記の切断装置に用いるワイヤWとして、直径0.8mmのJISB種ピアノ線を100mmピッチで16本装着し、ALCとワイヤとの相対速度を4m/minに設定し、ワイヤWの走行速度を8m/minに設定した状態で、長さ7,200mm、巾1540mm、高さ600mmの未養生のALCを切断し、ワイヤWが破断するまでの未養生ALCの切断個数をカウントした。その結果、200個の未養生ALCを切断してもワイヤWの破断は発生しなかった。
〔比較例1〕
上記実施例1に対する比較例1として、前記切断装置の上下両ドラムに巻き取られたワイヤが重なり合わないための機構、すなわちドラム移動手段10、30のサーボモータ等の原動機11、31を停止させた状態とし、それ以外は前記実施例1と同様の条件で未養生のALCを切断し、ワイヤWが破断するまでの未養生ALCの切断個数をカウントした。その結果、50個の未養生ALCを切断した段階で11本のワイヤが破断し、65個の未養生ALCを切断した段階で全てのワイヤが破断した。
〔比較例2〕
上記実施例1に対する比較例2として、前記切断装置の上下両ドラムに巻き取られたワイヤが重なり合わないための機構、すなわちドラム移動手段10、30のサーボモータ等の原動機11、31を停止させた状態とし、さらに前記両ドラム2、17間に設けられたガイドプーリ15、16を取り外して、その代わりに従来の固定式の櫛歯状ガイド板を設置して、そのガイド溝に両ドラム2、17間のワイヤを係合させた。その状態で、それ以外は前記実施例1と同様の条件で未養生のALCを切断し、ワイヤWが破断するまでの未養生ALCの切断個数をカウントした。その結果、37個の未養生ALCを切断した段階で全てのワイヤが破断した。
以上のように本発明による半可塑性体の切断装置は、切断用のワイヤを巻戻ドラムから巻取ドラムに巻き取る際および巻取ドラムから巻戻ドラムに巻き戻す際に、上記各ドラム上でワイヤが互いに重なり合わないように上記各ドラムを軸線方向に移動するドラム移動手段を設けたから、ワイヤが重なることによって各ワイヤの張力が大きく変動するのを防止できると共に、ワイヤ同士の重なりがほどけるときのワイヤの衝撃により切断面にワイヤ跡が生じることがなく、平滑で高品位な切断性能が得られる。
また上記のワイヤ同士の重なりを生じさせない機構と、摩擦によりワイヤに生じる傷を付けないための回転自在のガイドプーリに設けたスリット溝によりワイヤを位置決めガイドすることにより、従来技術で問題となっていたワイヤ同士の重なりや固定ガイドとの摩擦により生じるワイヤの傷によるワイヤの寿命低下を解決し、ワイヤの寿命を飛躍的に延長させることが可能となり、従来のワイヤを一方向に移動させながら切断する装置により製造されたものと比較して品質性能や生産性及び歩留まりのよいの優れた切断装置を提供することができる。
また上記のように構成された切断装置によってALCを切断してALCパネルを製造した場合には切断面が非常に平滑となり、しかもALC表面に生じるケバ立ちや細かい凹凸の剥れによる粉の発生が非常に少ないので、高品位感が得られ、且つ施工現場への搬入時などに辺りを汚すことがない。また、表面が平滑で且つ、ワイヤ跡も無いので、塗装仕上げに用いる塗料も少なくて済み、経済的である。
本発明による半可塑性体の切断装置の一実施形態を示す正面図。 (a)は上記切断装置の一部の拡大図、(b)はその縦断側面図。 上記切断装置の要部の拡大正面図。 図2(b)における一部の拡大図。
符号の説明
1 枠体
1a 下部横片
1b 上部横片
2 巻取ドラム
3 軸受部材
4 スライダ
5 案内レール
6 原動機
7 チェーン伝導機構
7a 駆動スプロケット
7b 従動スプロケット
7c チェーン
8 スライド伝動機構
8a 筒軸
8b 延長軸
10 巻取ドラム移動手段
11 原動機
12 送りねじ
15、16 ガイドプーリ
17 巻戻ドラム
18 軸受部材
20 移動フレーム
21 スライダ
22 台座
23 案内レール
25 原動機
26 歯車伝導機構
26a 駆動歯車
26b 従動歯車
27 ブレーキ装置
27a、27b 摩擦板
30 巻戻ドラム移動手段
31 原動機
32 送りねじ
F 半可塑性体
W ワイヤ

Claims (4)

  1. 複数本のワイヤの一端を巻取ドラムに、他端を巻戻ドラムにそれぞれ巻回し、上記両ドラムを回転させてワイヤを一方向に所定の速度で走行させながら半可塑性体を切断する半可塑性体の切断装置において、上記ワイヤを巻戻ドラムから巻取ドラムに巻き取る際および巻取ドラムから巻戻ドラムに巻き戻す際に、上記各ドラム上でワイヤが互いに重なり合わないように上記各ドラムを軸線方向に移動させるドラム移動手段を設けたことを特徴とする半可塑性体の切断装置。
  2. 前記各ドラムにワイヤを巻き取る若しくは巻き戻す際に、前記各ドラムにワイヤが1回巻き付けられる毎に、前記各ドラムが軸線方向にワイヤの太さと同等もしくはそれ以上移動するようにした請求項1記載の半可塑性体の切断装置。
  3. 前記巻取ドラムは複数本のワイヤに対して共通1本とすると共に、前記巻戻ドラムは複数本のワイヤ毎に設け、その各巻戻ドラムに上記各ワイヤに個別に張力を付与するためのブレーキ装置を設けてなる請求項1または2記載の半可塑性体の切断装置。
  4. 前記巻取ドラムと巻戻ドラムとの間に前記各ワイヤを案内するガイド溝付きの一対のガイドプーリを回転自由に配置し、上記ガイド溝の内径を直径30mm以上、100mm未満に形成してなる請求項1〜3のいずれかに記載の半可塑性体の切断装置。
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