JP2005252359A - 動きベクトル検出装置、および動きベクトル検出方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

動きベクトル検出装置、および動きベクトル検出方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 動きベクトルの検出を効率的に実行することを可能とした装置および方法を提供する。
【解決手段】 各画素対応の動きベクトルを複数の候補ベクトルから選択決定する処理において、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、その特徴画素の位置情報、または画素値情報に基づいて相関判定を実行し、動きベクトルの決定処理を行なう構成とした。本構成によれば、ブロックマッチング処理を適用する必要がなく、相関算出のための演算として差分絶対値総和演算などの評価値計算両を削減することができ、処理効率が向上し、また、画素値を保持するためのメモリも小さくすることが可能となりハードウェア規模の小型化が実現される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、動きベクトル検出装置、および動きベクトル検出方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、動画像データからの動きベクトル検出処理を実行する動きベクトル検出装置、および動きベクトル検出方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
近年の情報処理装置、通信端末の高機能化、高速通信インフラの整備、さらに、DVD、Blu−rayディスクなどの高密度記録媒体の普及などに伴い、ネットワークを介した動画像データの配信、あるいは高密度記録媒体を利用した動画像データの記憶、再生などが盛んに行なわれるようになってきた。このような状況に伴って、動画像データに対するデータ処理、例えば符号化処理などにおける効率性や高速性の向上が求められている。
動画像データの高能率符号化における動き補償型画像符号化、交通監視システムあるいは自律走行車両の視覚センサにおける動物体の検出処理、速度検出処理などにおいては、画像データ中に含まれる各物体の動きの方向および大きさ(速度)を検出する処理、すなわち、動きベクトルの検出処理が必要となる。
例えば、動き補償型画像符号化処理の一例として、動画の高能率符号化の国際的標準方式であるMPEG(Moving Picture Coding Experts Group)方式が提案されているが、このMPEG方式は、DCT(Discrete Cosine Transform)と動き補償予測符号化とを組み合わせた符号化を行なう方式である。動き補償予測符号化においては、動画像データを構成する現フレームと、1つ前の前フレームの連続フレームにおける画像信号レベルの相関を検出し、検出した相関に基づいて動きベクトルを求め、検出した動きベクトルに基づく動き画像の補正処理を行うことで、効率的な符号化を達成している。
動きベクトルの検出方法の一つとして、ブロックマッチング法が知られている。図1を参照して、ブロックマッチング法の概要を説明する。動画像を構成する時間的に連続するフレーム画像、例えば図に示す時間(t)の現フレーム[F]20と、時間(t−1)の前フレーム[Ft−1]10を抽出する。フレーム画像の1画面を複数の画素で構成される小さな領域(以下、ブロックと称する)m画素×nラインに分割する。
現フレーム[F]20を参照フレームとし、参照フレームの検査ブロックBy21を、所定のサーチエリア22内で移動し、前フレーム[Ft−1]10の基準ブロックBx11と最も画素値差分の少ない、すなわち画素値が最も合致する(最も相関の大きな)検査ブロックを検出する。前フレーム[Ft−1]10の基準ブロックBx11が、この現フレーム[F]20から検出した相関の高い検査ブロックの位置に動いたと推定する。この推定された動きを示すベクトルに基づいて、各画素の動きベトクルを求める。このように、ブロックマッチング法は、所定のブロック(m×n)単位で、フレーム間の相関判定(マッチング判定)処理を行い、動きベクトルを求める手法である。
ブロックマッチング法において、動きベクトルはブロック毎に求められる。各ブロックの相関、すなわち合致の程度を表す評価値としては、例えば、基準ブロックBx内の複数の画素と、検査ブロックBy内の複数の画素との間で空間的に同一位置の画素同士の値を減算してフレーム差を求め、算出したフレーム差の絶対値を積算することで算出されるフレーム差絶対値和が適用される。あるいは、フレーム差の二乗和等を使用することも可能である。
しかし、上述のブロックマッチング法は、サーチエリア内の全てのデータの比較を行う全探索であるため、検出に要する比較の回数が非常に多く、動き検出に時間がかかる欠点があった。
また、ブロック内に動き部分と静止部分とが含まれるような場合、ブロックを単位として検出された動きは、正確にはブロック内の個々の画素の動きに対応するとは言えない。このような問題は、ブロックサイズの設定により調整可能であるが、例えば、ブロックを大きくすると、演算量の増大に加えて、ブロック内の複数動きの問題が発生し易くなる。逆に、ブロック内に複数の動きが含まれないように、ブロックのサイズを小さくした場合には、マッチングの判断の領域が小さくなるので、動き検出の精度が低下する問題が生じる。すなわち、ブロックマッチングを行う際、基準ブロックと似た検査ブロック、すなわち基準ブロックと相関の高い検査ブロックが多数出現する可能性が高くなる。これらは、動きに起因しないものが含まれるからであり、動き検出の精度が低下する。例えば、文字テロップが水平または垂直方向に動く時には、反復パターンの影響が現れやすい。漢字の文字パターンの場合では、同じ文字でも、小さな部分に分割すると、同一のパターンとなることが多い。従って、ブロック内に複数の動きが混在する場合には、正確な動きを求めることが難しいという問題があった。
本特許出願に係る出願人は、例えば特許文献1において、演算量を増大させることなく、1画素毎の動きベクトルを検出でき、且つ、誤検出を防止した動きベクトル検出方法および検出装置を提案している。
特許文献1において開示している動きベクトル検出処理のポイントは、画素またはブロック毎に評価値を算出して動きベクトルを決定するのではなく、第1ステップの処理として、フレームの一方に複数画素からなる複数ブロックを設定して、各ブロックの代表点を設定し、各代表点と他方のフレームに設定したサーチエリアの各画素との相関を調べ、相関情報に基づく評価値を算出して、評価値に基づく相関情報としての評価値テーブルを形成し、その評価値テーブルから、複数の候補ベクトルを抽出する。次に、第2ステップの処理として、抽出した候補ベクトルから、1画素毎に最良と思われる候補ベクトルを選択して対応付けて、各画素毎の動きベクトルとして決定する。このように、
評価値テーブルの生成処理、
評価値テーブルに基づく候補ベクトルの選択処理、
各画素対応の動きベクトルとして、複数の候補ベクトルから最適なものを対応付ける処理
以上の処理によって、各画素毎の動きベクトルを求める方式である。この方式を、以下、候補ベクトル方式と称する。
候補ベクトル方式による動きベクトル検出処理の利点は、評価値テーブルに基づいて、限られた数の候補ベクトルを抽出しておくことで、演算量の軽減が図れること。また、動きベクトルの誤検出が起りやすい被写体の境界部分においても、予め絞り込んである候補ベクトルの中から、各画素に対応する最良の動きベクトルを判定することが可能となることなどがある。従来は、各画素の動きベクトルをフレーム間の画素の差分などを評価値として算出し、評価値をフレーム全画素について求める全探索処理を実行する方式がとられていたが、候補ベクトル方式では、予め絞り込んである候補ベクトルの中から、各画素に対応する最良の動きベクトルを判定する処理が可能であるので、全探索処理と比較して、同じ評価値が発生する確率が減り、誤検出が防止される。
しかし、この候補ベクトルに基づいて、各画素対応の最終的な動きベクトルを決定する際には、ブロックマッチング処理が行なわれる。ブロックマッチング処理は、前フレームの着目画素の近傍の画素をブロックとして設定し、ブロック内に含まれる複数の画素の全体的な相関を検出する処理である。ブロックマッチングを適用して正確な動きベクトルの決定処理を行なうためには、ブロックサイズを大きくし正確な相関判定を行なうことが必要となる。ブロックサイズを大きくすると、相関算出のための演算として実行される差分絶対値総和演算の様な評価値の計算量が多くなり、効率が低下し、また、画素値を保持するためのメモリも大きくすることが必要となり、ハードウェア規模が大きくなるという問題点を生じさせる。
特開2001−61152号公報
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば候補ベクトル方式に基づく動きベクトル検出処理において、複数の候補ベクトルから各画素対応の動きベクトルを決定する際にブロックマッチングを適用せず、正確な動きベクトルの決定を行なうことを可能とした動きベクトル検出装置、および動きベクトル検出方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、
動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置であり、
時間軸上における異なるフレーム間の画素値相関情報に基づいて評価値テーブルを生成する評価値テーブル形成部と、
前記評価値テーブルに基づいて動画像データのフレーム構成画素に対応する動きベクトルの候補ベクトルを検出する候補ベクトル抽出部と、
前記候補ベクトルから各画素に対応する動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを有し、
前記動きベクトル決定部は、
動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする動きベクトル検出装置にある。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の画素値と、前記候補ベクトルによって指示される画素の画素値との相関判定を実行して、前記候補ベクトルから相関の高いもののみを選別する処理を実行する仮判定部を有し、前記特徴画素に基づく相関判定処理は、前記仮判定部によって選別された選別候補ベクトルのみを対象とした処理として実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素の画素値情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から隣接画素との画素値差分絶対値の最大の画素を特徴画素として抽出し、該特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分絶対値の最大の画素を特徴画素として抽出し、該特徴画素の画素値情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から複数の特徴画素を抽出し、該複数の特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分の最大の画素と最小の2つの画素を特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、前記2つの特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分の最大の画素と最小の2つの画素を特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素と着目画素とを含む3画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出装置の一実施態様において、前記動きベクトル決定部は、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から2点の特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素と着目画素とを含む3画素の画素値に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の第2の側面は、
動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法であり、
時間軸上における異なるフレーム間の画素値相関情報に基づいて評価値テーブルを生成する評価値テーブル形成ステップと、
前記評価値テーブルに基づいて動画像データのフレーム構成画素に対応する動きベクトルの候補ベクトルを検出する候補ベクトル抽出ステップと、
前記候補ベクトルから各画素に対応する動きベクトルを決定する動きベクトル決定ステップとを有し、
前記動きベクトル決定ステップは、
動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする動きベクトル検出方法にある。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の画素値と、前記候補ベクトルによって指示される画素の画素値との相関判定を実行して、前記候補ベクトルから相関の高いもののみを選別する処理を実行する仮判定ステップを有し、前記特徴画素に基づく相関判定処理は、前記仮判定ステップによって選別された選別候補ベクトルのみを対象とした処理として実行することを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素の画素値情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から隣接画素との画素値差分絶対値の最大の画素を特徴画素として抽出し、該特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分絶対値の最大の画素を特徴画素として抽出し、該特徴画素の画素値情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から複数の特徴画素を抽出し、該複数の特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分の最大の画素と最小の2つの画素を特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、前記2つの特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分の最大の画素と最小の2つの画素を特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素と着目画素とを含む3画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の動きベクトル検出方法の一実施態様において、前記動きベクトル決定ステップは、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から2点の特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素と着目画素とを含む3画素の画素値に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の第3の側面は、
動画像データから動きベクトルを検出する処理を実行するコンピュータ・プログラムであり、
時間軸上における異なるフレーム間の画素値相関情報に基づいて評価値テーブルを生成する評価値テーブル形成ステップと、
前記評価値テーブルに基づいて動画像データのフレーム構成画素に対応する動きベクトルの候補ベクトルを検出する候補ベクトル抽出ステップと、
前記候補ベクトルから各画素に対応する動きベクトルを決定する動きベクトル決定ステップとを有し、
前記動きベクトル決定ステップは、
動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能なコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記録媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本発明の構成によれば、動画像データからの動きベクトル検出処理において、各画素対応の動きベクトルを複数の候補ベクトルから選択決定する処理において、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、その特徴画素の位置情報、または画素値情報に基づいて相関判定を実行し、動きベクトルの決定処理を行なう構成としたので、ブロックマッチング処理を適用する必要がなく、相関算出のための演算として差分絶対値総和演算などの評価値計算両を削減することができ、処理効率が向上し、また、画素値を保持するためのメモリも小さくすることが可能となりハードウェア規模の小型化が実現される。
以下、図面を参照しながら本発明の動きベクトル検出装置、および動きベクトル検出方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。なお、説明は、以下の項目順に行なう。
1.代表点マッチングによる評価値テーブルの生成、候補ベクトル方式の概要
2.動きベクトル検出装置全体構成および動きベクトル検出処理手順
3.特徴画素に基づく動きベクトル決定処理の詳細
[1.代表点マッチングによる評価値テーブルの生成、候補ベクトル方式の概要]
以下、説明する動きベクトル検出処理においては、代表点マッチング法を適用する。代表点マッチング法については、本特許出願人が先に出願し、特許取得済みである特許2083999号公報に開示されている。すなわち、以下、説明する動きベクトル検出処理は、前述の背景技術の欄で説明した候補ベクトル方式(特開2001−61152号公報に開示)を適用するとともに、代表点マッチング法を利用した処理例である。
なお、以下の説明においては、動画像データを構成する1フレームを1画面として、各画面(フレーム)間の相互検証処理によってフレームにおける動きベクトル検出処理を行う例について説明するが、本発明は、このような処理例に限らず、例えば、1フレームを細分化とした1フィールドを1画面として扱い、1フィールド単位の動きベクトル検出処理を行なう場合などにも適用可能である。
また、以下に説明する処理例は、主にテレビジョン信号に基づく動画像データに対する処理例として説明するが、本発明は、テレビジョン信号以外の様々な動画像データに対しても適用可能である。また、映像信号を処理対象とする場合においてもインターレース信号およびノンインターレース信号の何れでもよい。
図2〜図4を参照して、本発明における動きベクトル検出処理において適用する代表点マッチング法による評価値テーブルの作成処理、評価値テーブルに基づく候補ベクトルの抽出処理、抽出した候補ベクトルに基づく各画素に対応する動きベクトル設定処理の概要について説明する。
動画像を構成する時間的に連続するフレーム画像、例えば図に示す時間(t)の現フレーム[F]80と、時間(t−1)の前フレーム[Ft−1]70を抽出する。
例えば、現フレーム[F]80を参照フレームとし、前フレーム[Ft−1]70を、m画素×nラインの複数のブロックに分割し、各ブロックを代表する代表点Ryを設定する。各ブロックの代表点は、例えば、
a.ブロックの中心位置の画素値、
b.ブロック内のすべての画素の画素値の平均値、
c.ブロック内のすべての画素の画素値の中間値、
等の、ブロックを代表する画素値が対応付けられる。
代表点マッチング法では、前フレーム[Ft−1]70に設定したブロックの代表点Ry71に対応させて、現フレーム[F]80に所定のサーチエリア81を設定し、設定したサーチエリア81内に含まれる各画素の画素値と代表点Ry71の画素値との比較を行なう。サーチエリア81は例えば、p画素×qラインの画素領域として設定される。
すなわち、上記a〜cのいずれかの代表点画素値と、サーチエリア81内の各画素の画素値を比較検証して、評価値(例えば、フレーム差や判定結果)を算出する。評価値は、サーチエリア81の各偏移毎(各画素位置毎)に算出される。前フレーム[Ft−1]70に設定したブロックの代表点各々に対応して、現フレーム[F]80にサーチエリアが設定され、代表点画素値と、対応するサーチエリア内の各画素の画素値を比較に基づく評価値を取得し、1画面内の全ての代表点について積算する。従って、サーチエリアと同一の大きさの評価値テーブルが形成される。
なお、各代表点に対応するサーチエリアは、図3(A)に示すように隣接するサーチエリアと一部が重なり合うように設定しても良い。図3(A)に示す例では、サーチエリアをp×q(画素またはライン)の領域に設定した例であり、例えば、前フレーム[Ft−1]70に設定したブロックの代表点71aに対応するサーチエリア81aと、前フレーム[Ft−1]70に設定したブロックの代表点71bに対応するサーチエリア81bとが重なりを持つ領域として設定される。
このように、サーチエリアは、各代表点に対応付けられて設定され、各代表点と、その代表点に対応して設定されたサーチエリア内の画素との比較が実行されて、比較値に基づいて、例えば相関の度合いが高いほど(画素値の一致度合いが高いほど)高い評価値が設定され、各サーチエリアの構成画素に対応する評価値が設定される。
各サーチエリアにおける評価値は、図3(B)に示すように積算され、その結果として、図3(C)に示すような評価値テーブル90が生成される。評価値テーブルは、前フレーム[Ft−1]70に設定した例えばn個のブロックに設定された各ブロックの代表点Ry1〜nと、参照フレームである現フレーム[F]80に設定した各代表点Ry1〜nに対応するサーチエリア内の各画素との比較に基づく評価値、例えば差分絶対値のしきい値判定結果の積算値として算出され、サーチエリアと同一の大きさの評価値テーブルとして形成される。
評価値テーブル90においては、サーチエリアの各偏移位置(i,j)における画素値と代表点との相関が高い場合に、ピーク(極値)が発生する。評価値テーブルに出現するピークは、動画像データの画面の表示物体の移動に対応する。
例えば、画面(フレーム)全体が同一の動きをした場合は、サーチエリア(p×q)と同一の大きさの評価値テーブルにおいて、その動き方向、距離を持つベクトルの終点に対応する位置に1つのピークが出現する。また、画面(フレーム)内に2つの異なる動きをした物体があった場合は、サーチエリア(p×q)と同一の大きさの評価値テーブルにおいて、その異なる動き方向、距離を持つ2つのベクトルの終点に対応する2つの位置に2つのピークが出現する。なお、静止部分がある場合は、静止部分に対応するピークも出現する。
このような評価値テーブルに出現するピークに基づいて、前フレーム[Ft−1]70と、参照フレームである現フレーム[F]80とにおける動きベクトルの候補(候補ベクトル)を求める。
評価値テーブルに出現したピークに基づいて、複数の候補ベクトルを抽出した後、フレームの各画素について、抽出した候補ベクトルから最も適応する候補ベクトルをそれぞれ選択して、各画素に対応する動きベクトルとして設定する。
抽出候補ベクトルに基づいて実行する各画素に対応する動きベクトルの設定処理について図4を参照して説明する。
図4(a)において、中央の画素91が前フレーム[Ft−1]の1つの画素を示している。この画素は例えば輝度値(α)を有している。また、前述の評価値テーブルに出現したピークに基づいて、複数の候補ベクトルが抽出済みであり、これらの候補ベクトルを図に示す候補ベクトルA,B,Cであるとする。前フレーム[Ft−1]の1つの画素91は、これらの候補ベクトルのいずれかに従って移動して、現フレーム[F]の画素に対応する位置に表示されると判定される。
図4(a)において、画素a95、画素b96、画素c97は、前フレーム[Ft−1]の1つの画素91から候補ベクトルA,B,Cに基づいて移動先として推定される各画素位置の現フレーム[F]の画素を示している。これらの3画素を含むブロックの画素値と、画素91を含むブロックの画素値との相関がブロックマッチング処理によって判定され、最も高い対応にある組が選択され、その選択した組に設定された候補ベクトルを画素91の動きベクトルとする。
ブロックマッチング処理を適用する理由は、1つの画素のみの対応を検査すると以下の問題点が発生するからである。
(1)着目するフレームのある画素と参照フレーム内でn個の候補ベクトルに関して、動きベクトル先の画素との相関性が同じ、もしくは似ている画素が複数存在し、どの動きベクトルが正しい動きベクトルか、相関性の高さを表す画素差分絶対値(以後MC残差と呼ぶ)だけでは判断することが困難である。
(2)正しい動きベクトルであれば、その動きベクトル先の画素とのMC残差が最も小さいと考えられるが、実際には画像データにはノイズなどの影響により、正しい動きベクトル先の画素とのMC残差が候補ベクトルの中で最小とは限らない。
これらの問題点があるために、1画素だけのMC残差だけでは判断できないので、ブロックサイズの複数の画素を用いて、着目する画素を中心としたブロック内の画素と候補ベクトル先のブロック内の画素の相関を検査する。
具体的なブロックマッチング処理について、図4(b)を参照して説明する。図4(b)に示す様に、候補ベクトルによって指示されるブロックに含まれる複数画素の相関の指標値として、差分絶対値総和(SAD)を下式に従って算出する。
Figure 2005252359
ここでFt−1(x、y)は着目する前フレームの輝度レベル、F(x+v、y+v)は参照先の現フレームにおける動きベクトル先の輝度レベル、M×Nは評価に用いるブロックサイズである。
上記式によって算出される差分絶対値総和(SAD)が最小となる候補ベクトル(v,v)を着目画素の動きベクトルとする方法などが適用される。しかし、ブロックマッチングの様なブロックを用いた動きベクトル割り当では、動きベクトルの割り当て性能を向上させるためにブロックサイズを大きくする必要があるが、差分絶対値総和の様な評価値を計算するには計算量が多くなり、そのためにハードウェア規模が大きくなるという問題点を生じさせる。
これらの問題を解決した代表点マッチングによる動きベクトル検出処理構成については、後段の、[3.特徴画素に基づく動きベクトル決定処理の詳細]の項目において詳細に説明する。
なお、上述したように、代表点マッチングは、各ブロックを代表する代表点を設定し、設定した代表点のみについての評価値算出を行なって候補ベクトルを設定することが可能であり、限られた数の代表点のみの評価値算出を行なうことで、評価値算出に要する演算量を減少させることができ、高速処理が可能となる。
[2.動きベクトル検出装置全体構成および動きベクトル検出処理手順]
動きベクトル検出処理を実行する本発明の動きベクトル検出装置の一実施例構成を図5に示し、動きベクトル検出処理の処理シーケンスを図6のフローチャートに示す。
動きベクトル検出装置は、図5に示すように、評価値テーブル形成部101、候補ベクトル抽出部102、動きベクトル決定部103、制御部(コントローラ)104を有する。評価値テーブル形成部101は、動きベクトル検出処理対象となる画像データを入力端子を介して入力し、評価値テーブルを生成する。入力画像は、例えば、ラスタスキャンにより得られる画像データである。画像データは、例えば、ディジタルカラー映像信号のコンポーネント信号中の輝度信号を含む。
入力画像データは、評価値テーブル形成部101に供給され、前述した代表点マッチング法をベースとして、サーチエリアと同一の大きさの評価値テーブルを形成する。図6のフローにおけるステップS101の処理である。
候補ベクトル抽出部102は、評価値テーブル形成部101において生成した評価値テーブルから、1画面内の候補ベクトルとして、複数の動きベクトルを抽出する。すなわち、前述したように、評価値テーブルに出現したピークに基づいて、複数の候補ベクトルを抽出する。図6のフローにおけるステップS102の処理である。
動きベクトル決定部103では、候補ベクトル抽出部102において抽出した複数の候補ベクトルを対象として、全フレームの各画素毎に、候補ベクトルによって対応付けられるフレーム間の画素間の相関をブロックマッチング等により判定し、最も相関の高い対応となったブロックを結ぶ候補ベクトルを、その画素に対応する動きベクトルとして設定する。図6のフローにおけるステップS103の処理である。この処理は、先に図4を参照して説明した処理である。
動きベクトル決定部103では、1つの画面(フレーム)に含まれるすべての画素について、候補ベクトルから最適なベクトルの選択処理を行い、各画素に対応する動きベクトルを決定し、決定した動きベクトルを出力する。前述したように、候補ベクトルから各画素に対応する動きベクトルを決定する際にはブロックマッチングが適用可能であるが、本発明においては、ブロックマッチングを適用せず、特徴画素位置情報に基づく動きベクトルの決定処理を実行する。この構成の詳細については、後段で説明する。
制御部104は、評価値テーブル形成部101、候補ベクトル抽出部102、動きベクトル決定部103における処理タイミングの制御、中間データのメモリに対する格納、出力処理制御などを行なう。
以上が、代表点マッチングをベースとした動きベクトル検出装置において実行する評価値テーブル生成と、候補ベクトル方式を適用した動きベクトル検出処理の概要である。
[3.特徴画素に基づく動きベクトル決定処理の詳細]
図5を参照して説明したように、代表点マッチングを適用した動きベクトル検出装置は、評価値テーブル形成部101、候補ベクトル抽出部102、動きベクトル決定部103を有し、評価値テーブル形成部101において、入力画像データに基づいて評価値テーブルを生成し、候補ベクトル抽出部102において、評価値テーブルから複数の候補ベクトルを抽出し、さらに、動きベクトル決定部103において、複数の候補ベクトルから各画素対応の動きベクトルを決定するという処理を行なうものである。
しかし、前述したように、動きベクトル決定部103における動きベクトルの決定精度を向上させるためには、ブロックマッチングにおける適用ブロックサイズを大きくする必要がある。ブロックサイズを大きくすると、ブロックに含まれる多数の画素値をメモリに保持することが必要となり、また、前述した差分絶対値総和の算出処理においては、ブロックに含まれる多数の画素値に基づく演算処理を行なうことが必要となる。結果としてハードウェア規模を大きくする必要が発生し、また処理効率を低下させてしまうという問題がある。
そこで、本発明では、動きベクトル決定部103において実行する動きベクトルの決定処理にブロックマッチングを適用せず、特徴画素位置情報に基づく動きベクトル決定処理を実行する。この動きベクトル決定部の処理の詳細について、以下、説明する。
なお、以下、特徴画素位置情報に基づく動きベクトル決定処理構成について、
(1)2点マッチング方式による動きベクトル決定処理
(2)3点マッチング方式による動きベクトル決定処理
の2つの処理構成について順次説明する。
(1)2点マッチング方式による動きベクトル決定処理
まず、2点マッチング方式による動きベクトル決定処理について説明する。図7に本実施例に係る動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部の詳細構成を示す。図7に示す動きベクトル決定部200は、図5に示す動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部103に相当する。
図7に示す動きベクトル決定部200は、図5に示す候補ベクトル抽出部102から前述した評価値テーブルに基づいて決定した複数の候補ベクトル情報を入力し、各画素毎に対応付ける動きベクトルを決定する処理を実行する。
本実施例に係る動きベクトル決定部200は、図7に示すように、画素相関判定部210、仮判定部221、ゲート222、付加情報演算部250、特徴画素位置相関判定部230を有する。画素相関判定部210は、現フレームメモリ211、前フレームメモリ212、画素値差分算出部213、絶対値算出部214を有する。特徴画素位置相関判定部230は、現フレーム付加情報メモリ231、前フレーム付加情報メモリ232、相関判定部233を有する。付加情報演算部250の詳細は、図9以下を参照して説明する。
画素相関判定部210は、画像信号を入力する。この入力画像は、例えば、ラスタスキャンにより得られる画像データである。画像データは、例えば、ディジタルカラー映像信号のコンポーネント信号中の輝度信号を含む。
画像データは、フレームデータ毎に入力され、まず、現フレームメモリ211に格納されて、次に前フレームメモリ212に格納される。従って、画素相関判定部210は、2つの連続するフレームデータをメモリに保持する。
さらに、画素相関判定部210は、図5に示す候補ベクトル抽出部102から候補ベクトル情報を入力し、候補ベクトル情報に基づいて前フレームの各画素、すなわち動きベクトルを決定すべき画素(着目画素)毎に、複数の候補ベクトルの指示する現フレームの画素位置を特定し、前フレームの着目画素と複数の候補ベクトルの指示する現フレームの画素との差分を画素値差分算出部213において算出し、絶対値算出部214においてその差分絶対値を算出して、仮判定部221に出力する。
これらの一連の処理について、図8を参照して説明する。図8に示すのは入力フレーム(現フレーム)画像データ300と、過去フレーム(前フレーム)画像データ310である。これらのフレームデータは、現フレームメモリ211と、前フレームメモリ212に格納されたデータである。
画素相関判定部210は、図5に示す候補ベクトル抽出部102から候補ベクトル情報を入力しており、これらが、図8に示すa〜gの候補ベクトルである。これらは、前述した評価値テーブルのピーク検出によって求められた候補ベクトルである。
画素相関判定部210は、候補ベクトル情報に基づいて前フレームの各画素、すなわち動きベクトルを決定すべき画素(着目画素)毎に、複数の候補ベクトルの指示する現フレームの画素位置を特定する。例えば図8の過去フレーム(前フレーム)画像データ310の着目画素311について、複数の候補ベクトルの指示する現フレームの画素位置A〜Gが特定される。
画素値差分算出部213は、過去フレーム(前フレーム)画像データ310の着目画素311と、候補ベクトルの指示する現フレームの画素位置A〜Gの画素値各々との差分を算出する。絶対値算出部214は、これらの差分絶対値、すなわち画素差分絶対値(MC残差)を算出して、仮判定部221に出力する。
仮判定部221は、着目画素と、複数の候補ベクトルによって決定される各画素との差分絶対値(MC残差)を入力する。例えばn個の候補ベクトルがある場合、n個の差分絶対値(MC残差)[di]を入力する。ただしi=1〜nである。
仮判定部221は、n個の差分絶対値(MC残差)[di]から、着目画素311に対応する動きベクトルの絞込みを行う。具体的には、n個の((差分絶対値(MC残差)[di]から、MC残差の小さいものを選択する。
n個のMC残差の最小値をdmin、予め定められた閾値をTHとして、
di-dmin≦TH
を満たす画素とdminを満たす画素のいずれかを指示する候補ベクトルを選択する。
図8の例では、例えば、A〜Eの画素中、A,C,Eが上記基準を満たす画素として選別されたとすると、これらの選別候補ベクトル情報が、仮判定部221からゲート222に出力され、図5に示す候補ベクトル抽出部102から入力される候補ベクトル情報から、この選別された候補ベクトル情報のみが、特徴画素位置相関判定部230に入力される。
特徴画素位置相関判定部230では、仮判定部221によって選別された候補ベクトルから、1つの画素対応の動きベクトルを決定する処理を実行する。この特徴画素位置相関判定部230では、付加情報演算部250から入力する着目画素の近傍画素の特徴画素位置情報に基づいて画素値相関判定処理を行い、仮判定部221によって選別された候補ベクトルから1つの動きベクトルを決定する処理を行なう。
図9を参照して、付加情報演算部250の詳細構成について説明する。付加情報演算部250は、例えば、着目画素の近傍の画素中、隣接画素との画素値差分絶対値がもっとも大きくなる画素を特徴画素として抽出する。
図9に示す付加情報演算部250は、レジスタ252、画素値差分算出部253、絶対値算出部254からなる隣接画素差分絶対値算出部251と、レジスタ255、最大差分値検出部256、最大差分画素位置検出部257、レジスタ258を有する。
隣接画素差分絶対値算出部251では、動きベクトル検出処理対象となる画像信号を入力し、レジスタ252に画像フレームデータを格納する。画素値差分算出部253では、レジスタ252に格納された画像データの隣接画素の差分を順次算出し、絶対値算出部254では、隣接画素の差分の絶対値を順次算出して、最大差分値検出部256に出力する。
図10を参照して、具体的な処理について説明する。付加情報演算部250では、レジスタ252に格納された画像データの隣接画素の差分絶対値を順次算出することで、例えば着目画素の近傍領域の画素において、隣接画素との差分絶対値が最大の画素を特定する。なお、着目画素の近傍領域の画素とは、着目画素の水平方向の前後−8〜+7画素の範囲等、あらかじめ設定された画素領域である。
図10の例では、着目画素281の近傍領域において、隣接画素との差分絶対値が最大となる画素282が特定される。
図9に示す最大差分値検出部256は、順次入力する隣接画素の差分絶対値をレジスタ255に格納しながら、比較処理を実行し、所定領域、すなわち、−8〜+7の16画素毎に最大の画素値差分絶対値を持つ画素差分値を検出する。すなわち、図11に示すように、16画素毎に最大の画素値差分絶対値を持つ画素差分値MAXa、MAXb、MAXcを順次検出する。
最大差分値検出部256の検出した所定領域毎(例えば16画素毎)の最大画素差分絶対値を持つ画素情報は、最大差分画素位置検出部257に入力され、所定領域毎(例えば16画素毎)の最大差分画素位置情報が検出され、レジスタ258に格納される。
例えば図10に示す例では、着目画素281の近傍領域において、隣接画素との差分絶対値が最大となる画素282の画素位置は、着目画素を画素位置:0としたとき、[+4]の画素位置である。
レジスタ258に格納された所定領域毎(例えば16画素毎)の最大差分画素位置情報が、現フレーム付加情報格納メモリ231に順次出力される。
図7に戻り、動きベクトル決定部200の処理について説明を続ける。図9を参照して説明した付加情報演算部250からの特徴画素位置情報は、図7に示す特徴画素位置相関判定部230の現フレーム付加情報メモリ231に格納される。現フレーム付加情報メモリ231には、1つのフレームに対応して抽出された所定領域毎(例えば16画素毎)の最大差分画素位置情報が格納される。各フレーム処理ステップ毎に現フレーム付加情報メモリ231の情報は、前フレーム付加情報メモリ232に移動して格納されることになる。
現フレーム付加情報メモリ231には、さらに、仮判定部221からの出力、すなわち、仮判定部221によって選別された選別候補ベクトル情報が入力される。
相関判定部233は、着目画素の近傍領域において抽出された特徴画素に基づいて、仮判定部221によって選別された選別候補ベクトルから、着目画素に対応する唯一の動きベクトルを決定する処理を実行する。
相関判定部233における動きベクトル決定処理について、図12を参照して説明する。図12に示すのは、先に図8を参照して説明したと同様の入力フレーム(現フレーム)画像データ301と、過去フレーム(前フレーム)画像データ310である。
入力フレーム(現フレーム)画像データ301には、先に図8を参照して説明した仮判定部による候補ベクトル選別処理によって選別された候補ベクトルa,c,eを示してある。
特徴画素位置相関判定部230における相関判定部233は、過去フレーム(前フレーム)画像データ310から選択した着目画素、すなわち、動きベクトルを対応付ける画素としての着目画素311の近傍領域における特徴画素位置データに基づいて、候補ベクトルa,c,eから1つの動きベクトルを決定する。
図12に示す例において、着目画素311の近傍領域の特徴画素位置が、着目画素311の画素位置を[0]としたとき、画素位置[−3]であることが、付加情報演算部250からの入力情報によって判定される。なお、図12においては、近傍領域を着目画素の−4〜+3の8画素領域として示してある。
相関判定部233では、着目画素311の近傍領域の特徴画素位置と、選別候補ベクトルa,c,eの指示する対応画素位置A,C,Eの近傍領域における特徴画素位置の相関を判定する。図に示す例では、選別候補ベクトルaの指示する対応画素位置Aの近傍領域301には、画素位置Aを[0]としたとき、特徴画素が[−3]の位置に出現している。この特徴画素は、前述の付加情報演算部において、所定領域単位の画素領域毎に選択された特徴画素であり、画素位置Aの近傍領域として設定された領域における隣接画素差分絶対値の最大画素である。
選別候補ベクトルcの指示する対応画素位置Cの近傍領域302には、画素位置Cを[0]としたとき、特徴画素が[−2]の位置に出現しており、選別候補ベクトルeの指示する対応画素位置Eの近傍領域303には、画素位置Eを[0]としたとき、特徴画素が[+2]の位置に出現している。
着目画素311の近傍領域の特徴画素は、着目画素位置を[0]としたとき、特徴画素が[−3]の位置に出現している。この特徴画素位置は、候補ベクトルaの示す画素Aの近傍領域301における特徴画素位置[−3]と対応する。他の2つの候補ベクトルc,eの示す画素C,Eの近傍領域302,303における特徴画素位置[−2],[+2]とは対応しない。
この結果、着目画素311に対応する動きベクトルとして、候補ベクトルaが選択決定される。
相関判定部233は、このような処理をフレームの構成画素について順次、着目画素として設定し、設定した着目画素毎に上述と同様の近傍領域の特徴画素位置の相関判定処理を実行し、フレーム構成画素各々に対応する動きベクトルを選別候補ベクトルから選択して決定する。
このように、図7に示す動きベクトル決定部では、着目画素の近傍領域の画素値に基づいて、特徴画素位置を特定し、着目画素の近傍領域における特徴画素の着目画素位置に対応する相対位置と、仮判定部221によって選別された候補ベクトルの指示する画素の近傍領域の特徴画素位置との相関を判定し、最も相関の高い特徴画素位置を持つ画素を指示する候補ベクトルを着目画素に対応する動きベクトルとして決定する。
以上の動きベクトル決定処理シーケンスについて、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
図13に示すフローの各ステップの処理について説明する。図13に示すフローは、1つの着目画素に対する動きベクトルの決定処理であり、フレーム画像の構成画素のすべてについて動きベクトルの決定を行なう場合は、フレーム画像の構成画素を順次、着目画素として設定し図13に示すフローを各着目画素毎に実行する。
まず、ステップS201において実行する処理は、着目画素と、n個の候補ベクトルによって指示される画素との差分絶対値、すなわちMC残差dnを算出する処理である。この処理は、図7の動きベクトル決定部200の画素相関判定部210において実行される。
ステップS202〜S204は、仮判定部221における処理である。仮判定部221は、ステップS202において、n個の差分絶対値(MC残差)[di]を入力し、n個のMC残差の最小値:dminを検出する。
ステップS203で、i=0(0≦i<n)の初期設定を行い、ステップS204において、予め定められた閾値をTHとして、
di-dmin≦TH
を満たすか否かを判定する。
ステップS204において実行する処理は、先に図8を前述した候補ベクトルからの選別処理として実行する仮判定処理である。di-dmin≦THを満足しないと判定した場合は、選別候補ベクトルではないと判定され、ステップS205、S206で実行する注目画素の近傍領域の特徴画素位置に基づく相関判定を行なうことなく、ステップS207に進む。
ステップS204において実行する仮判定処理において、di-dmin≦THを満足する場合、選別候補ベクトルとして選択され、ステップS205に進む。ステップS205、S206の処理は、図7に示す動きベクトル決定部200の特徴画素位置相関判定部230の処理である。
ステップS205では、特徴画素位置の相関性を判定する。この処理は、先に図12を参照して説明したように、着目画素の近傍領域における特徴画素の位置と、選別候補ベクトルとして選択された画素の近傍領域の特徴画素位置の相関、すなわち位置の対応があるか否かを判定する処理である。
ステップS206では、相関のより高いものを選択する処理を実行し、ステップS207において、iの値に基づいて、すべての候補ベクトルの検証が済んだか否かを判定し、済んでいない場合は、ステップS209に進み、iの値を更新(1インクリメント)して、ステップS204以下の処理を繰り返し実行する。
すべての候補ベクトルについての検証が終了すると、ステップS208に進み、その時点で、選択されている最も相関の高い、すなわち、ステップS205において算出した着目画素の近傍領域における特徴画素の位置と、選別候補ベクトルとして選択された画素の近傍領域の特徴画素位置の相関の高いものに対応する候補ベクトルを、処理対象としての注目画素に対応する動きベクトルとして決定する。
上述したように、本実施例における2点マッチング方式による動きベクトル決定処理では、候補ベクトルから動きベクトルの決定処理において、ブロックマッチング処理を行なうことなく、着目画素とその近傍の特徴画素位置情報を用いる構成である。従ってブロックマッチング処理において適用するブロックの大きに応じた多数の画素値に基づく相関算出計算を行なう必要がなり、効率的な処理が可能となる。
なお、入力画素データがラスタスキャン順に入力される場合、着目画素に対して水平方向に限定した近傍領域内で差分絶対値が最大となる画素位置の検出処理や、隣接画素差分絶対値が最大となる画素位置などの検出処理、すなわち、付加情報演算部250における付加情報算出処理は、図5における評価値テーブル形成部101において実行する評価値テーブル形成処理に並行して実行可能であり、評価値テーブル形成処理の終了時には、付加情報を算出済みとすることが可能であり、新たな処理実行時間を設定することがなく、処理速度を低下させることのない動きベクトル検出処理が可能となる。
なお、上述の実施例では、着目画素の近傍領域として、着目画素位置を[0]として、−8〜+7の16画素や、−4〜+3の8画素を例として説明したが、これらは、任意の領域として設定可能である。また、入力画素がラスタスキャン順であることを考慮して、水平方向の右側のみの範囲に近傍領域を設定すれば、ラスタスキャン順の入力画素値に基づく隣接画素比較処理が可能となり、画素値メモリ領域を小さくすることが可能となり、よりハードウェア規模を小さくできる。
上述の実施例では、画素の近傍領域を設定し、付加情報演算部250において、近傍領域における隣接画素差分絶対値の最大となる画素位置を特徴画素情報として算出し、この特徴画素情報を相関判定に適用する構成、すなわち、
(a)隣接画素差分絶対値の最大となる画素の位置
を適用する構成としたが、隣接画素差分絶対値の最大となる画素位置情報のみを相関判定に適用する構成以外に、例えば以下の情報を相関判定情報として適用した構成も可能である。
(b)隣接画素差分絶対値が最大となる画素の位置と画素値
上記(b)隣接画素差分絶対値の最大となる画素の位置と画素値を相関判定情報として適用する場合の付加情報演算部250の構成例を図14に示す。
図14に示す付加情報演算部250の構成は、図9に示す付加情報演算部250の構成とほぼ同様であり、レジスタ252、画素値差分算出部253、絶対値算出部254からなる隣接画素差分絶対値算出部251と、レジスタ255、最大差分値検出部256、最大差分画素位置検出部257、レジスタ258を有する。
隣接画素差分絶対値算出部251では、動きベクトル検出処理対象となる画像信号を入力し、レジスタ252に画像フレームデータを格納する。画素値差分算出部253では、レジスタ252に格納された画像データの隣接画素の差分を順次算出し、絶対値算出部254では、隣接画素の差分の絶対値を順次算出して、最大差分値検出部256に出力する。
最大差分値検出部256は、順次入力する隣接画素の差分絶対値をレジスタ255に格納しながら、比較処理を実行し、所定領域、例えば16画素毎に最大の画素値差分絶対値を持つ画素差分値を検出する。
最大差分値検出部256の検出した所定領域毎(例えば16画素毎)の画素値差分絶対値を持つ画素情報は、最大差分画素位置検出部257に入力され、所定領域毎(例えば16画素毎)の最大差分画素位置情報が検出され、レジスタ258に格納される。
先の図9を参照して説明した付加情報演算部250は、レジスタ258に格納された位置情報のみを現フレーム付加情報メモリ231に出力し、位置情報に基づく相関判定処理を行なう構成としていた。この図14に示す付加情報演算部250は、レジスタ258に格納された最大差分画素位置を示す位置情報のみならず、最大差分画素位置の画素値情報をレジスタ255から現フレーム付加情報メモリ231に出力する。
図7に示す特徴画素位置相関判定部230では、この2つのデータ、すなわち、隣接画素差分絶対値の最大となる画素の位置情報と画素値情報の2つの情報を適用して相関判定処理を実行する。
例えば、先に説明した図12において、選別候補ベクトルのいずれもが、着目画素の近傍領域において検出された画素位置と同一の位置に特徴画素を有している場合であっても、さらに、画素値の相関を検証することで、最も一致度合いの高いものを選択して、これをその注目画素の動きベクトルとして決定することができる。
このように、位置情報のみだけでなく、位置情報と画素値レベル情報や画素値レベル差情報の両方を相関判定に用いることで、より正確な動きベクトルの決定が可能しとなる。
なお、上述した2点マッチングは、物体は面積を持って動くという仮定を利用しているが、例えば特徴画素が着目画素から遠い位置に設定されると、同一物体である可能性が低下する。そこで、特徴画素位置の一致程度だけでなく、特徴画素との距離を相関性に反映した処理を行なう構成としてもよい。すなわち、着目画素に近い位置の特徴画素については相関判定の際に重みを大きくし、着目画素から遠い位置の特徴画素については相関判定の際に重みを小さくする構成である。
(2)3点マッチング方式による動きベクトル決定処理
次に、3点マッチング方式による動きベクトル決定処理について説明する。図15に本実施例に係る動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部の詳細構成を示す。図15に示す動きベクトル決定部400は、図5に示す動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部103に相当する。
図15に示す動きベクトル決定部400は、図5に示す候補ベクトル抽出部102から前述した評価値テーブルに基づいて決定した複数の候補ベクトル情報を入力し、各画素毎に対応付ける動きベクトルを決定する処理を実行する。
図15に示すように、本実施例に係る動きベクトル決定部400は、画素相関判定部410、仮判定部421、付加情報演算部450、現フレーム付加情報メモリ422、前フレーム付加情報メモリ423、近傍領域情報相関判定部430を有する。画素相関判定部410は、現フレームメモリ411、前フレームメモリ412、画素値差分算出部413、絶対値算出部414を有する。近傍領域情報相関判定部430は、レジスタ431,432、ゲート433、相関判定部434を有する。付加情報演算部450の詳細は、図15を参照して説明する。
画素相関判定部410は、画像信号を入力する。この入力画像は、先に、図5を参照して説明したように、例えば、ラスタスキャンにより得られる画像データである。画像データは、例えば、ディジタルカラー映像信号のコンポーネント信号中の輝度信号を含む。
画像データは、フレームデータ毎に入力され、まず、現フレームメモリ411に格納されて、次に前フレームメモリ412に格納される。従って、画素相関判定部410は、2つの連続するフレームデータをメモリに保持する。
さらに、画素相関判定部410は、図5に示す候補ベクトル抽出部102から候補ベクトル情報を入力し、候補ベクトル情報に基づいて前フレームの各画素、すなわち動きベクトルを決定すべき画素(着目画素)毎に、複数の候補ベクトルの指示する現フレームの画素位置を特定し、前フレームの着目画素と複数の候補ベクトルの指示する現フレームの画素との差分を画素値差分算出部413において算出し、絶対値算出部414においてその差分絶対値を算出して、仮判定部421に出力する。これらの一連の処理は、先の2点マッチングの場合と同様である。
仮判定部421は、着目画素と、複数の候補ベクトルによって決定される各画素との差分絶対値(MC残差)を入力する。例えばn個の候補ベクトルがある場合、n個の差分絶対値(MC残差)[di]を入力する。ただしi=1〜nである。
仮判定部421は、n個の差分絶対値(MC残差)[di]から、着目画素に対応する動きベクトルの絞込みを行う。具体的には、n個の((差分絶対値(MC残差)[di]から、MC残差の小さいものを選択する。この処理も先の2点マッチングの場合と同様であり、例えば、n個のMC残差の最小値をdmin、予め定められた閾値をTHとして、
di-dmin≦TH
を満たす画素とdminを満たす画素のいずれかを指示する候補ベクトルを選択する。
先に説明した図8の例では、例えば、A〜Eの画素中、A,C,Eが上記基準を満たす画素として選別されたとすると、これらの選別候補ベクトル情報が、仮判定部421からゲート433に出力され、図5に示す候補ベクトル抽出部102から入力される候補ベクトル情報から、この選別された候補ベクトル情報のみが、近傍領域情報相関判定部430に入力される。
本実施例の画相関判定部410は、さらに、画相関判定部410の現フレームメモリ411から注目画素の近傍領域の2つの画素の画素情報が近傍領域情報相関判定部430のレジスタ432に入力され、さらに、画相関判定部410の前フレームメモリ412から候補ベクトルによって示されるn個の指示画素に対応する2画素、すなわちn×2画素が近傍領域情報相関判定部430のレジスタ431に入力される。
近傍領域におけるどの画素を出力するかは、それぞれ現フレーム付加情報メモリ422と、前フレーム付加情報メモリ423およびn個の候補ベクトル情報の出力によって決定される。
現フレーム付加情報メモリ422と、前フレーム付加情報メモリ423には、付加情報演算部450の演算結果が出力されることになる。
図16を参照して、付加情報演算部450の詳細構成について説明する。付加情報演算部450は、例えば、着目画素の近傍の画素中、着目画素との画素値差分が最大の画素と、着目画素との画素値差分が最小の画素、これら2つの画素を特徴画素として抽出する。
図16に示す付加情報演算部450は、レジスタ452、画素値差分算出部453からなる着目画素差分算出部451と、差分最大値画素情報取得部(MAX)454、差分最小値画素情報取得部(MIN)455、最大差分画素位置検出部456、レジスタ457、最小差分画素位置検出部458、レジスタ459を有する。
着目画素差分算出部451では、動きベクトル検出処理対象となる画像信号を入力し、レジスタ452に画像フレームデータを格納する。画素値差分算出部453では、レジスタ452に格納された画像データの近傍領域の差分を順次算出し、最大差分値を持つ画素情報を差分最大値画素情報取得部(MAX)454に格納し、最小差分値を持つ画素情報を差分最小値画素情報取得部(MIN)455に格納する。なお、これらの画素情報には、画素位置情報が含まれる。
図17を参照して、具体的な処理について説明する。付加情報演算部450では、レジスタ452に格納された画像データについて、着目画素と、着目画素の近傍画素値との差分を順次算出することで、例えば着目画素の近傍領域の画素において、着目画素と最大差分値を持つ画素情報と、最小差分値を持つ画素情報を取得する。なお、着目画素の近傍領域の画素とは、例えば、着目画素の水平方向の前後−8〜+7画素の範囲、あるいは2次元領域において設定されたブロックなどのあらかじめ設定された画素領域である。
図17の例では、着目画素481の近傍領域において、着目画素と最大差分値を持つ画素は、着目画素481の画素位置を[0]としたとき、画素482、すなわち画素位置[−5]の画素が着目画素と最大差分値を持つ画素、すなわち空間勾配の最大画素として選択され1つの特徴画素として画素情報が取得される。また、着目画素と最小差分値を持つ画素は、着目画素481の画素位置を[0]としたとき、画素483、すなわち画素位置[−1]の画素が着目画素と最小差分値を持つ画素、すなわち空間勾配の最小画素として選択され1つの特徴画素として画素情報が取得される。
図16に示す差分最大値画素情報取得部(MAX)454は、順次入力する画素の差分情報に基づいて、所定領域、例えば−8〜+7の16画素毎に注目画素に対して差分最大値となる画素を検出する。差分最小値画素情報取得部(MIN)455は、順次入力する画素の差分情報に基づいて、所定領域毎に注目画素に対して差分最小値となる画素を検出する。
差分最大値画素情報取得部(MAX)454の検出した所定領域毎の最大画素差分値を持つ画素情報は、最大差分画素位置検出部456に入力され、所定領域毎(例えば16画素毎)の最大差分画素位置情報が検出され、レジスタ457に格納される。
差分最小値画素情報取得部(MIN)455の検出した所定領域毎の最小画素差分値を持つ画素情報は、最小差分画素位置検出部458に入力され、所定領域毎(例えば16画素毎)の最小差分画素位置情報が検出され、レジスタ459に格納される。
例えば図17に示す例では、着目画素481の近傍領域において、着目画素との差分が最大となる画素482の画素位置は、着目画素を画素位置:0としたとき、[−5]の画素位置であり、着目画素との差分が最小となる画素483の画素位置は、着目画素を画素位置:0としたとき、[−1]の画素位置である。
レジスタ457に格納された所定領域毎(例えば16画素毎)の最大差分画素位置情報と、レジスタ459に格納された所定領域毎(例えば16画素毎)の最小差分画素位置情報が現フレーム付加情報格納メモリ422に順次出力される。
図15に戻り、動きベクトル決定部400の処理について説明を続ける。図16参照して説明した付加情報演算部450からの特徴画素位置情報は、図15に示す現フレーム付加情報メモリ422に入力される。フレーム処理ごとに付加情報は、前フレーム付加情報メモリ423に移動する。
現フレーム付加情報メモリ422に入力された現フレームメモリの付加情報、すなわち、注目画素に対応する2つの特徴画素位置情報、すなわち注目画素との最大差分を持つ画素位置情報と、注目画素との最小差分を持つ画素位置情報とが画素相関判定部410の現フレームメモリ411に出力され、この出力情報に基づいて、この2点の画素情報が、近傍領域情報判定部430のレジスタ432に格納される。この画素情報には画素位置情報が含まれる。
また、前フレーム付加情報メモリ423に入力された前フレームメモリの付加情報、すなわち、すなわち注目画素との最大差分を持つ画素位置情報と、注目画素との最小差分を持つ画素位置情報とが画素相関判定部410の前フレームメモリ412に出力される。前フレームメモリ412には、さらに候補ベクトル抽出部からn個の候補ベクトル情報が入力され、候補ベクトル情報によって指示される各画素毎に決定される近傍領域から2つの特徴画素が特定され、n×2の特徴画素情報が近傍領域情報判定部430のレジスタ431に格納される。この画素情報には画素位置情報が含まれる。
レジスタ431に格納されたn×2の特徴画素情報は、ゲート433を介し相関判定部434に出力される。ゲート433では、n個の候補ベクトルから仮判定部421における仮判定処理によって選別された選別候補ベクトルに基づいて、選別候補ベクトルに対応する画素の近傍領域の特徴画素情報のみが相関判定部434に出力される。
一方、着目画素の特徴画素情報は、直接相関判定部434に出力される。相関判定部434では、これらの特徴画素の相関判定処理を行い、選別候補ベクトルから唯一の動きベクトルを決定する。
相関判定部434における動きベクトル決定処理について、図18を参照して説明する。図18に示すのは、先に図8を参照して説明したと同様の入力フレーム(現フレーム)画像データ500と、過去フレーム(前フレーム)画像データ510である。
入力フレーム(現フレーム)画像データ500には、先に図8を参照して説明した仮判定部による候補ベクトル選別処理によって選別された候補ベクトルa,c,eを示してある。
近傍領域情報判定部430における相関判定部433は、過去フレーム(前フレーム)画像データ510から選択した着目画素、すなわち、動きベクトルを対応付ける画素としての着目画素511の近傍領域における特徴画素位置データに基づいて、候補ベクトルa,c,eから1つの動きベクトルを決定する。
図18に示す例において、着目画素511の近傍領域は、2次元のブロック領域としている。この近傍領域の設定は、任意であり、前述の2点マッチングと同様、水平方向の一次元領域に設定してもよい。
着目画素511の画素位置を中心にしたとき、注目画素と最大差分画素となる画素位置である空間勾配最大画素512と、注目画素と最小差分画素となる画素位置である空間勾配最小画素513が決定する。
一方、入力フレーム(現フレーム)500においても、各選別候補ベクトルによって指示される画素を中心として設定される画素領域、すなわち選別候補ベクトルaによって設定される画素領域501、選別候補ベクトルcによって設定される画素領域502、選別候補ベクトルeによって設定される画素領域503それぞれにおいて、中心画素との最大差分画素となる画素位置である空間勾配最大画素と、中心画素と最小差分画素となる画素位置である空間勾配最小画素が決定する。
相関判定部433では、着目画素511の近傍領域の特徴画素位置と、選別候補ベクトルa,c,eの指示する対応画素位置の近傍領域における特徴画素位置の相関を判定する。
図に示す例では、選別候補ベクトルaの指示する近傍領域501は、着目画素511の近傍領域の特徴画素位置に対応する位置となっており、他の2つの選別候補ベクトルc,eの指示する近傍領域502,503は、着目画素511の近傍領域の特徴画素位置に対応する位置となっていない。
この結果、着目画素511に対応する動きベクトルとして、候補ベクトルaが選択決定される。
相関判定部433は、このような処理をフレームの構成画素について順次、着目画素として設定し、設定した着目画素毎に上述と同様の近傍領域の特徴画素位置の相関判定処理を実行し、フレーム構成画素各々に対応する動きベクトルを選別候補ベクトルから選択して決定する。
このように、図15に示す動きベクトル決定部400では、着目画素の近傍領域の画素値に基づいて、2つの特徴画素位置を特定し、着目画素の近傍領域における特徴画素の着目画素位置に対応する相対位置と、仮判定部221によって選別された候補ベクトルの指示する画素の近傍領域の特徴画素位置との相関を判定し、最も相関の高い特徴画素位置を持つ画素を指示する候補ベクトルを着目画素に対応する動きベクトルとして決定する。
以上の動きベクトル決定処理シーケンスについて、図19に示すフローチャートを参照して説明する。図19に示すフローは、1つの着目画素に対する動きベクトルの決定処理であり、フレーム画像の構成画素のすべてについて動きベクトルの決定を行なう場合は、フレーム画像の構成画素を順次、着目画素として設定し図19に示すフローを各着目画素毎に実行する。
まず、ステップS301において実行する処理は、着目画素と、n個の候補ベクトルによって指示される画素との差分絶対値、すなわちMC残差dnを算出する処理である。この処理は、図15の動きベクトル決定部400の画素相関判定部410において実行される。
ステップS302〜S304は、仮判定部421における処理である。仮判定部421は、ステップS302において、n個の差分絶対値(MC残差)[di]を入力し、n個のMC残差の最小値:dminを検出する。
ステップS303で、i=0(0≦i<n)の初期設定を行い、ステップS304において、予め定められた閾値をTHとして、
di-dmin≦TH
を満たすか否かを判定する。
ステップS304において実行する処理は、先に図8を前述した候補ベクトルからの選別処理として実行する仮判定処理である。di-dmin≦THを満足しないと判定した場合は、選別候補ベクトルではないと判定され、ステップS305、S306、S307で実行する注目画素の近傍領域の特徴画素位置に基づく相関判定を行なうことなく、ステップS308に進む。
ステップS304において実行する仮判定処理において、di-dmin≦THを満足する場合、選別候補ベクトルとして選択され、ステップS305に進む。
ステップS305では、特徴画素位置の相関性を判定する。この処理は、先に図16を参照して説明したように、着目画素の近傍領域における2つの特徴画素の位置と、選別候補ベクトルとして選択された画素の近傍領域の2つの特徴画素位置の相関、すなわち位置の対応があるか否かを判定する処理である。
ステップS306では、相関のより高いものを選択する処理を実行し、ステップS307において、iの値に基づいて、すべての候補ベクトルの検証が済んだか否かを判定し、済んでいない場合は、ステップS310に進み、iの値を更新(1インクリメント)して、ステップS304以下の処理を繰り返し実行する。
すべての候補ベクトルについての検証が終了すると、ステップS308に進み、その時点で、選択されている最も相関の高い、すなわち、ステップS305において算出した着目画素の近傍領域における2つの特徴画素の位置と、選別候補ベクトルとして選択された画素の近傍領域の特徴画素位置の相関の高いものに対応する候補ベクトルを、処理対象としての注目画素に対応する動きベクトルとして決定する。
上述したように、本実施例における3点マッチング方式による動きベクトル決定処理では、候補ベクトルから動きベクトルの決定処理において、ブロックマッチング処理を行なうことなく、着目画素とその近傍の2つの特徴画素位置情報を用いる構成である。従ってブロックマッチング処理において適用するブロックの大きに応じた多数の画素値に基づく相関算出計算を行なう必要がなり、効率的な処理が可能となる。
上述の実施例では、現フレームと前フレームの2つの特徴画素位置を適用して位置情報に基づき相関判定を行なったが、着目画素に対応する特徴画素位置における画素値に基づく相関判定処理を行なう構成としてもよい。すなわち着目画素と、その近傍領域における2つの特徴画素の画素値を用いて、計3点のみを用いたブロックマッチングを行なう構成である。この処理シーケンスについて、図20を参照して説明する。
図20は、先に説明した図18と同様、入力フレーム(現フレーム)画像データ600と、過去フレーム(前フレーム)画像データ610である。
入力フレーム(現フレーム)画像データ600には、先に図8を参照して説明した仮判定部による候補ベクトル選別処理によって選別された候補ベクトルa,c,eを示してある。
近傍領域情報判定部430における相関判定部433は、過去フレーム(前フレーム)画像データ510から選択した着目画素、すなわち、動きベクトルを対応付ける画素としての着目画素511の近傍領域における特徴画素位置データに基づいて、候補ベクトルa,c,eから1つの動きベクトルを決定する。
図20に示す例において、着目画素611の近傍領域は、2次元のブロック領域としている。この近傍領域の設定は、任意であり、前述の2点マッチングと同様、水平方向の一次元領域に設定してもよい。
着目画素611の画素位置を中心にしたとき、注目画素と最大差分画素となる画素位置である空間勾配最大画素612と、注目画素と最小差分画素となる画素位置である空間勾配最小画素613が決定する。
一方、入力フレーム(現フレーム)600においては、各選別候補ベクトルによって指示される画素を中心として設定される画素領域、すなわち選別候補ベクトルaによって設定される画素領域601、選別候補ベクトルcによって設定される画素領域602、選別候補ベクトルeによって設定される画素領域603それぞれにおいて、過去フレームにおいて検出された注目画素611に対する空間勾配最大画素612と、空間勾配最小画素613の各位置に対応する画素がピックアップされて、図15に示す近傍領域情報相関判定部430に出力される。
図20に示すように、各選別候補ベクトルa,c,eによって指示される各画素領域601,602,603から、過去フレームにおいて検出された注目画素611に対する空間勾配最大画素612と、空間勾配最小画素613の各位置に対応する画素がピックアップされ相関判定を行なう。
すなわち、図15に示す近傍領域情報相関判定部430において、これらの画素間の画素値相関判定を実行する。すなわち、注目画素611に対する空間勾配最大画素612と、空間勾配最小画素613の各位置の画素と、各画素領域601,602,603の対応位置の画素値との相関判定を行なう。なお、中心画素については、仮判定部421において相関判定が実行されており、結果として、3点のみを利用したマッッチング処理結果が得られ、この3点マッチング処理によって最も相関の高いと判定されたデータに対応する選別候補ベクトルが、着目画素に対応する動きベクトルとして決定される。
図21に上記手法による動きベクトル決定処理フローを示す。図21に示す処理フロー中、ステップS401〜S404の処理は、先に図19を参照して説明した処理フローのステップS301〜S304の処理と同様であり、仮判定部における選別候補ベクトルが抽出される処理である。
ステップS405では、3画素によるブロックマッチングを実行する。すなわち、図20を参照して説明したように、選別候補ベクトルによって指示される各画素領域から、過去フレームにおいて検出された注目画素に対する空間勾配最大画素と、空間勾配最小画素の各位置に対応する画素がピックアップされて相関が判定される。中心画素、すなわち注目画素位置に対応する画素相関情報については、仮判定部の判定結果を参照する。
これらの3点のマッチング検証によって相関判定が実行されて、最も高い相関を示すベクトルを注目画素対応の動きベクトルとして決定する。ステップS406〜S408,S410の処理は、先に図19を参照して説明した処理フローのステップS306〜S308、S310と同様の処理であり説明を省略する。
このように、3点マッチング方式を適用した候補ベクトルから動きベクトルの決定処理では、注目画素近傍(ブロック)内の全ての画素を適用した相関判定を行なうことなく、着目画素とその近傍の2つの特徴画素位置情報や画素値情報を用いる構成である。従ってブロックマッチング処理において適用するブロックの大きさに応じた多数の画素値に基づく相関算出計算を行なう必要がなくなり、効率的な処理が可能となる。
なお、上述した2つの処理、すなわち、図19を参照して説明した特徴画素位置の相関情報を利用した相関判定による動きベクトル決定処理と、図21を参照して説明した画素値の相関情報を利用した相関判定による動きベクトル決定処理を併用した処理も可能である。
図22に特徴画素位置の相関情報を利用した相関判定と、画素値の相関情報を利用した相関判定による動きベクトル決定処理を併用した処理シーケンスを説明するフローを示す。
図22に示す処理フロー中、ステップS501〜S504の処理は、先に図19を参照して説明した処理フローのステップS301〜S304の処理と同様であり、仮判定部における選別候補ベクトルが抽出される処理である。
ステップS505では、特徴画素位置の相関性を判定する。この処理は、先に図16を参照して説明したように、着目画素の近傍領域における2つの特徴画素の位置と、選別候補ベクトルとして選択された画素の近傍領域の2つの特徴画素位置の相関、すなわち位置の対応があるか否かを判定する処理である。
次に、ステップS506において、3画素によるブロックマッチングを実行する。すなわち、図20を参照して説明したように、選別候補ベクトルによって指示される各画素領域から、過去フレームにおいて検出された注目画素に対する空間勾配最大画素と、空間勾配最小画素の各位置に対応する画素がピックアップされて相関が判定される。中心画素、すなわち注目画素位置に対応する画素相関情報については、仮判定部の判定結果を参照する。
ステップS507では、ステップS505の相関判定と、ステップS506の相関判定の両者を考慮して最も高い相関を示すベクトルを選択する。ステップS508〜S510の処理は、先に図19を参照して説明した処理フローのステップS307〜S308、S310と同様の処理であり説明を省略する。
このように、画素位置の相関と、3点マッチング方式を適用した候補ベクトルから動きベクトルの決定処理においても、注目画素近傍(ブロック)内の全ての画素を適用した相関判定を行なう必要はなく、きわめて少ない画素情報を用いるのみの構成であり、ブロックマッチング処理において適用するブロックの大きに応じた多数の画素値に基づく相関算出計算を行なう必要がなり、効率的な処理が可能となる。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本発明の構成によれば、動画像データからの動きベクトル検出処理において、各画素対応の動きベクトルを複数の候補ベクトルから選択決定する処理において、動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、その特徴画素の位置情報、または画素値情報に基づいて相関判定を実行し、動きベクトルの決定処理を行なう構成としたので、ブロックマッチング処理を適用する必要がなく、相関算出のための演算として差分絶対値総和演算などの評価値計算両を削減することができ、処理効率が向上し、また、画素値を保持するためのメモリも小さくすることが可能となりハードウェア規模の小型化が実現される。従って、動画像データの符号化処理などを実行する画像処理装置などにおいて本発明を適用することにより、より正確な動きベクトル検出処理が可能となる。
ブロックマッチング法の概要を説明する図である。 動きベクトル検出処理において適用する代表点マッチング法による評価値テーブルの作成処理、評価値テーブルに基づく候補ベクトルの抽出処理、抽出した候補ベクトルに基づく各画素に対応する動きベクトルの設定処理の概要について説明する図(その1)である。 動きベクトル検出処理において適用する代表点マッチング法による評価値テーブルの作成処理、評価値テーブルに基づく候補ベクトルの抽出処理、抽出した候補ベクトルに基づく各画素に対応する動きベクトルの設定処理の概要について説明する図(その2)である。 動きベクトル検出処理において適用する代表点マッチング法による評価値テーブルの作成処理、評価値テーブルに基づく候補ベクトルの抽出処理、抽出した候補ベクトルに基づく各画素に対応する動きベクトルの設定処理の概要について説明する図(その3)である。 動きベクトル検出処理を実行する本発明の動きベクトル検出装置の一実施例構成を示す図である。 動きベクトル検出処理を実行する本発明の動きベクトル検出装置の処理シーケンスを説明するフローチャートである。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部の詳細構成を示す図である。 動きベクトル決定部の仮判定部における処理について説明する図である。 本発明の動きベクトル決定部の付加情報演算部の詳細構成を示す図である。 付加情報演算部で検出する特徴画素について説明する図である。 付加情報演算部で検出する特徴画素検出処理態様について説明する図である。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部において実行する処理の詳細を説明する図である。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定処理のシーケンスを説明するフローチャート図である。 本発明の動きベクトル決定部の付加情報演算部の構成例を示す図である。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部の詳細構成(実施例2)を示す図である。 本発明の動きベクトル決定部の付加情報演算部の構成例を示す図である。 付加情報演算部で検出する特徴画素について説明する図である。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部において実行する処理の詳細を説明する図である。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定処理のシーケンスを説明するフローチャート図である。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定部において実行する処理の詳細を説明する図である。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定処理のシーケンスを説明するフローチャート図である。 本発明の動きベクトル検出装置の動きベクトル決定処理のシーケンスを説明するフローチャート図である。
符号の説明
10 前フレーム
11 検査ブロックBy
12 サーチエリア
20 現フレーム
21 基準ブロックBx
70 前フレーム
71 代表点Ry
80 現フレーム
81 サーチエリア
90 評価値テーブル
91 前フレーム画素
95,96,97 現フレーム画素
101 評価値テーブル形成部
102 候補ベクトル抽出部
103 動きベクトル決定部
104 制御部(コントローラ)
200 動きベクトル決定部
210 画素相関判定部
211 現フレームメモリ
212 前フレームメモリ
213 画素値差分算出部
214 絶対値算出部
221 仮判定部
222 ゲート
230 特徴画素位置相関判定部
231 現フレーム付加情報メモリ
232 前フレーム付加情報メモリ
233 相関判定部
250 付加情報演算部
251 隣接画素差分絶対値算出部
252 レジスタ
253 画素値差分算出部
254 絶対値算出部
255 レジスタ
256 最大差分値検出部
257 最大差分画素位置検出部
258 レジスタ
281 着目画素
282 特徴画素(隣接画素差分絶対値最大画素)
300 入力フレーム(現フレーム)画像データ
310 過去フレーム(前フレーム)画像データ
301,302,303 近傍領域
311 着目画素
400 動きベクトル決定部
410 画素相関判定部
411 現フレームメモリ
412 前フレームメモリ
413 画素値差分算出部
414 絶対値算出部
421 仮判定部
422 現フレーム付加情報メモリ
423 前フレーム付加情報メモリ
430 近傍領域情報相関判定部
431,432 レジスタ
433 ゲート
434 相関判定部
450 付加情報演算部
451 着目画素差分算出部
452 レジスタ
453 画素値差分算出部
454 差分最大値画素情報取得部(MAX)
455 差分最小値画素情報取得部(MIN)
456 最大差分画素位置検出部
457 レジスタ
458 最小差分画素位置検出部
459 レジスタ
481 着目画素
482 空間勾配最大画素
483 空間勾配最小画素
500 入力フレーム(現フレーム)画像データ
510 過去フレーム(前フレーム)画像データ
501,502,503 近傍領域
511 着目画素
512 空間勾配最大画素
513 空間勾配最小画素
600 入力フレーム(現フレーム)画像データ
610 過去フレーム(前フレーム)画像データ
601,602,603 近傍領域
611 着目画素
612 空間勾配最大画素
613 空間勾配最小画素

Claims (23)

  1. 動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置であり、
    時間軸上における異なるフレーム間の画素値相関情報に基づいて評価値テーブルを生成する評価値テーブル形成部と、
    前記評価値テーブルに基づいて動画像データのフレーム構成画素に対応する動きベクトルの候補ベクトルを検出する候補ベクトル抽出部と、
    前記候補ベクトルから各画素に対応する動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを有し、
    前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする動きベクトル検出装置。
  2. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の画素値と、前記候補ベクトルによって指示される画素の画素値との相関判定を実行して、前記候補ベクトルから相関の高いもののみを選別する処理を実行する仮判定部を有し、
    前記特徴画素に基づく相関判定処理は、前記仮判定部によって選別された選別候補ベクトルのみを対象とした処理として実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル検出装置。
  3. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル検出装置。
  4. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素の画素値情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル検出装置。
  5. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から隣接画素との画素値差分絶対値が最大の画素を特徴画素として抽出し、該特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル検出装置。
  6. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分絶対値が最大の画素を特徴画素として抽出し、該特徴画素の画素値情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル検出装置。
  7. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から複数の特徴画素を抽出し、該複数の特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル検出装置。
  8. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分の最大の画素と最小の2つの画素を特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項7に記載の動きベクトル検出装置。
  9. 前記動きベクトル決定部は、
    前記2つの特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項8に記載の動きベクトル検出装置。
  10. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分の最大の画素と最小の2つの画素を特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素と着目画素とを含む3画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項7に記載の動きベクトル検出装置。
  11. 前記動きベクトル決定部は、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から2点の特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素と着目画素とを含む3画素の画素値に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項7に記載の動きベクトル検出装置。
  12. 動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法であり、
    時間軸上における異なるフレーム間の画素値相関情報に基づいて評価値テーブルを生成する評価値テーブル形成ステップと、
    前記評価値テーブルに基づいて動画像データのフレーム構成画素に対応する動きベクトルの候補ベクトルを検出する候補ベクトル抽出ステップと、
    前記候補ベクトルから各画素に対応する動きベクトルを決定する動きベクトル決定ステップとを有し、
    前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする動きベクトル検出方法。
  13. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の画素値と、前記候補ベクトルによって指示される画素の画素値との相関判定を実行して、前記候補ベクトルから相関の高いもののみを選別する処理を実行する仮判定ステップを有し、
    前記特徴画素に基づく相関判定処理は、前記仮判定ステップによって選別された選別候補ベクトルのみを対象とした処理として実行することを特徴とする請求項12に記載の動きベクトル検出方法。
  14. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする請求項12に記載の動きベクトル検出方法。
  15. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素の画素値情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする請求項12に記載の動きベクトル検出方法。
  16. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から隣接画素との画素値差分絶対値の最大の画素を特徴画素として抽出し、該特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする請求項12に記載の動きベクトル検出方法。
  17. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分絶対値の最大の画素を特徴画素として抽出し、該特徴画素の画素値情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする請求項12に記載の動きベクトル検出方法。
  18. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から複数の特徴画素を抽出し、該複数の特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする請求項12に記載の動きベクトル検出方法。
  19. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分の最大の画素と最小の2つの画素を特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする請求項18に記載の動きベクトル検出方法。
  20. 前記動きベクトル決定ステップは、
    前記2つの特徴画素の位置情報に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定する構成であることを特徴とする請求項19に記載の動きベクトル検出方法。
  21. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から着目画素との画素値差分の最大の画素と最小の2つの画素を特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素と着目画素とを含む3画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする請求項18に記載の動きベクトル検出方法。
  22. 前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から2点の特徴画素として抽出し、該2つの特徴画素と着目画素とを含む3画素の画素値に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とする請求項18に記載の動きベクトル検出方法。
  23. 動画像データから動きベクトルを検出する処理を実行するコンピュータ・プログラムであり、
    時間軸上における異なるフレーム間の画素値相関情報に基づいて評価値テーブルを生成する評価値テーブル形成ステップと、
    前記評価値テーブルに基づいて動画像データのフレーム構成画素に対応する動きベクトルの候補ベクトルを検出する候補ベクトル抽出ステップと、
    前記候補ベクトルから各画素に対応する動きベクトルを決定する動きベクトル決定ステップとを有し、
    前記動きベクトル決定ステップは、
    動きベクトルを対応付ける着目画素の近傍領域から特徴画素を抽出し、該特徴画素に基づく相関判定処理に基づいて、着目画素に対応する動きベクトルを決定するステップであることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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