JP2005251996A - 研磨方法及びこの研磨方法を用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いた研磨方法及び半導体基板の製造方法において、研磨剤中にイオン性界面活性剤を含有させた場合の研磨速度の低減を防止すること。
【解決手段】 本発明では、法を用いて被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨する研磨方法において、前記被研磨膜の研磨は、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて行うことにした。
特に、前記マイナスイオンとして研磨砥粒子の生成過程で発生する残留物質を利用することにした。
【選択図】 図3
【解決手段】 本発明では、法を用いて被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨する研磨方法において、前記被研磨膜の研磨は、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて行うことにした。
特に、前記マイナスイオンとして研磨砥粒子の生成過程で発生する残留物質を利用することにした。
【選択図】 図3
Description
本発明は、研磨方法及びこの研磨方法を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
近年、半導体装置の高集積化に伴って、半導体基板の表面に形成した層間絶縁膜を平坦化するため或いはシャロートレンチやコンタクトホールに埋め込んだ絶縁膜や金属膜の余剰部分を除去するために、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法を用いて半導体基板の表面の絶縁膜や金属膜などの被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨することによって半導体装置を製造するようになってきている(たとえば、特許文献1参照)。
このようにCMP法においてイオン性界面活性剤を含有する研磨剤を用いて被研磨膜を研磨した場合には、半導体基板の被研磨膜の表面にイオン性界面活性剤が付着することによって、半導体基板の被研磨膜を精度良く研磨することができる。
すなわち、CMP法を用いた研磨では研磨布を被研磨膜に押圧することによって被研磨膜に所定の圧力をかけた状態で研磨を行うために、被研磨膜の表面のうち凸部に付着したイオン性界面活性剤は研磨布の圧力によって剥離される一方、被研磨膜の表面の凹部に付着したイオン性界面活性剤は研磨布の圧力が小さいために剥離されず、これによって、イオン性界面活性剤が剥離された凸部では研磨が進行し、一方、イオン性界面活性剤が付着したままの凹部では研磨の進行が停止し(いわゆる、オートストップ効果といわれる。)、その結果、凸部では良好に研磨を行うことができるとともに、凹部での過剰な研磨が行われるのを防止することができて、半導体基板の被研磨膜を精度良く研磨することができる。
特開2003−17445号公報
ところが、上記従来の研磨方法にあっては、イオン性界面活性剤を含有する研磨剤を用いていたために、イオン性界面活性剤が被研磨膜の表面だけでなく研磨砥粒子の表面にも付着してしまい、その影響で研磨速度が低減して、半導体基板の研磨作業に長時間を要していた。
そのため、被研磨膜の表面だけにイオン性界面活性剤を付着させ、研磨砥粒子の表面にはイオン性界面活性剤を付着させないで、被研磨膜の研磨を行える研磨方法の開発が望まれていた。
そこで、請求項1に係る本発明では、CMP法を用いて被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨する研磨方法において、前記被研磨膜の研磨は、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて行うことにした。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記マイナスイオンとして研磨砥粒子の生成過程で発生する残留物質を用いることにした。
また、請求項3に係る本発明では、CMP法を用いて半導体基板の表面の被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨することによって半導体装置を製造する半導体装置の製造方法において、前記被研磨膜の研磨は、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて行うことにした。
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る本発明では、CMP法を用いて被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨する研磨方法において、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて被研磨膜の研磨を行うことにしているため、マイナスイオンの作用で研磨砥粒子のゼータ電位が低減して、研磨砥粒子にイオン性界面活性剤が付着しにくくなり、研磨砥粒子にイオン性界面活性剤が付着することに起因する研磨速度の低減を未然に防止でき、研磨作業に要する時間を短縮することができる。
また、請求項2に係る本発明では、マイナスイオンとして研磨砥粒子の生成過程で発生する残留物質を用いることにしているため、研磨砥粒子の生成工程を一部変更するだけで研磨剤を容易に生成することができる。
また、請求項3に係る本発明では、CMP法を用いて半導体基板の表面の被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨することによって半導体装置を製造する半導体装置の製造方法において、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて被研磨膜の研磨を行うことにしているため、マイナスイオンの作用で研磨砥粒子のゼータ電位が低減して、研磨砥粒子にイオン性界面活性剤が付着しにくくなり、研磨砥粒子にイオン性界面活性剤が付着することに起因する研磨速度の低減を未然に防止でき、研磨作業に要する時間を短縮することができるので、半導体装置の製造に要する時間を短縮でき、量産効果による半導体装置のコストの低廉化を図ることができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法を用いて半導体基板の表面を研磨する研磨工程における研磨方法に特徴を有している。
すなわち、半導体装置を製造する際には、半導体基板の表面に形成した層間絶縁膜を平坦化するため或いはシャロートレンチやコンタクトホールに埋め込んだ絶縁膜や金属膜の余剰部分を除去するために、CMP法を用いて半導体基板の表面の絶縁膜や金属膜などの被研磨膜を研磨している。
かかる半導体基板表面の研磨において、従来の研磨工程では研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤を用いて被研磨膜を研磨していたが、本発明では、従来の研磨剤にさらに50ppm以上のマイナスイオンを含有させている。
このように、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて研磨を行った場合には、マイナスイオンの作用で研磨砥粒子のゼータ電位が低減して、研磨砥粒子にイオン性界面活性剤が付着しにくくなり、研磨砥粒子にイオン性界面活性剤が付着することに起因する研磨速度の低減を未然に防止でき、研磨作業に要する時間を短縮することができる。
その理由について以下に説明する。
図1に模式的に示すように、半導体基板1の表面に形成された酸化シリコン膜(被研磨膜2)をCMP法を用いて研磨砥粒子3とイオン性界面活性剤4とを含有した研磨剤で研磨すると、研磨剤のpHが所定値以下であれば被研磨膜2と研磨砥粒子3のゼータ電位がプラスとなり(図2参照)、マイナスイオンであるイオン性界面活性剤4が被研磨膜2の表面や研磨砥粒子3の表面に付着する。
たとえば、研磨剤としては、水や分散剤(KOH)に酸化シリコンや酸化セリウムなどの無機酸化物からなる研磨砥粒子3とアニオン性やカルボン酸塩・硫酸エステル塩・スルホン酸塩・リン酸エステル塩を親水基に持つイオン性界面活性剤と用いることができ、研磨砥粒子3として酸化セリウムを用いた場合にはpHが7以下、酸化シリコンを用いた場合にはpHが5以下で使用する。
このとき、CMP法を用いた研磨では研磨布5を被研磨膜2に押圧することによって被研磨膜2に所定の圧力をかけた状態で研磨を行うために、被研磨膜2の表面のうち凸部2aに付着したイオン性界面活性剤4は研磨布5の押圧力によって剥離され、一方、被研磨膜2の表面の凹部2bに付着したイオン性界面活性剤4は研磨布5の押圧力が小さいために剥離されない。
そのため、イオン性界面活性剤4が剥離された凸部2aでは研磨が進行し、一方、イオン性界面活性剤4が付着したままの凹部2bでは研磨の進行が停止し(いわゆる、オートストップ効果といわれる。)、その結果、凸部2aでは良好に研磨を行うことができるとともに、凹部2bでの過剰な研磨が行われるのを防止することができて、半導体基板1の被研磨膜2を精度良く研磨することができる。
そして、この研磨剤にマイナスイオン6を含有させた場合には、マイナスイオン6が主に研磨砥粒子3に作用することになる。
すなわち、被研磨膜2は、所定の膜厚を有しており、その表面だけが研磨剤に接触しているために、研磨剤中にマイナスイオン6が含有されていても、そのマイナスイオン6の作用で被研磨膜2のゼータ電位を低減させることはできない。そのため、イオン性界面活性剤4が被研磨膜2の表面に良好に付着する。
これに対して、研磨砥粒子3は、微細な粒子が研磨剤中に浮遊した状態となっていて、微細粒子の全周面が研磨剤に接触しているために、研磨剤中にマイナスイオン6が含有されていると、そのマイナスイオン6の影響を研磨砥粒子3の全周面で受けることになり、マイナスイオン6の作用で研磨砥粒子3のゼータ電位が低減する。そのため、イオン性界面活性剤4が研磨砥粒子3の表面に付着しにくくなる。
そして、研磨剤に所定量以上のマイナスイオン6を含有させることで、研磨砥粒子3の表面に付着するイオン性界面活性剤4の量が低減し、これによって、研磨砥粒子3による研磨速度の低減を防止することができる。
すなわち、図3は、研磨剤中のマイナスイオン6の濃度と研磨速度との関係を調べた実験結果を示しており、図3からわかるように、研磨剤中のマイナスイオン6の濃度が40ppm以下の場合には、研磨速度が90nm/min以下と比較的低速であるのに対して、研磨剤中のマイナスイオン6の濃度が55ppm以上の場合には、研磨速度が110nm/min以上と比較的高速となっている。
このように、研磨剤中のマイナスイオン6の濃度の約50ppmを境に研磨速度が顕著に変化することがわかる。
したがって、研磨剤中にマイナスイオン6を50ppm以上、好ましくは55ppm以上含有させることによって、研磨砥粒子3の表面に付着するイオン性界面活性剤4の量が顕著に低減し、これによって、研磨砥粒子3による研磨速度の低減を防止することができる。
研磨剤中に含有させるマイナスイオン6は、研磨砥粒子3のゼータ電位を低減させる作用があればよく、マイナスに帯電したイオンであればよいが、一般に研磨砥粒子3は、シリコンやセリウムを硫酸や硝酸を用いて酸化した後に焼結して粉砕しているため、この研磨砥粒子3の生成過程において焼結温度によって残留する硫酸イオンや硝酸イオンの濃度を調整し、この硫酸イオンや硝酸イオンをマイナスイオン6として利用することもできる。
このように、マイナスイオン6として研磨砥粒子3の生成過程で発生する残留物質を用いた場合には、研磨砥粒子3の生成工程を一部変更するだけで研磨剤を容易に生成することができる。
また、マイナスイオン6は、予め研磨剤中に含有させておいてもよく、また、研磨時に研磨剤に含有させてもよい。
1 半導体基板
2 被研磨膜
3 研磨砥粒子
4 イオン性界面活性剤
5 研磨布
6 マイナスイオン
2 被研磨膜
3 研磨砥粒子
4 イオン性界面活性剤
5 研磨布
6 マイナスイオン
Claims (3)
- 化学的機械的研磨法を用いて被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨する研磨方法において、
前記被研磨膜の研磨は、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて行うことを特徴とする研磨方法。 - 前記マイナスイオンは、研磨砥粒子の生成過程で発生する残留物質であることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
- 化学的機械的研磨法を用いて半導体基板の表面の被研磨膜を研磨砥粒子とイオン性界面活性剤とを含有する研磨剤で研磨することによって半導体装置を製造する半導体装置の製造方法において、
前記被研磨膜の研磨は、50ppm以上のマイナスイオンを含有する研磨剤を用いて行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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JP2004060611A JP2005251996A (ja) | 2004-03-04 | 2004-03-04 | 研磨方法及びこの研磨方法を用いた半導体装置の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1760991A2 (en) | 2005-08-31 | 2007-03-07 | FeliCa Networks, Inc. | Application providing system and method |
WO2007135794A1 (ja) * | 2006-05-19 | 2007-11-29 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 化学機械研磨用スラリー、化学機械研磨方法及び電子デバイスの製造方法 |
JP2008098369A (ja) * | 2006-10-11 | 2008-04-24 | Nomura Micro Sci Co Ltd | 研磨方法 |
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2004
- 2004-03-04 JP JP2004060611A patent/JP2005251996A/ja not_active Abandoned
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EP1760991A2 (en) | 2005-08-31 | 2007-03-07 | FeliCa Networks, Inc. | Application providing system and method |
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WO2007135794A1 (ja) * | 2006-05-19 | 2007-11-29 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 化学機械研磨用スラリー、化学機械研磨方法及び電子デバイスの製造方法 |
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