JP2005251713A - 酸素構造安定化スピネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 スピネルマンガン系酸化物の60℃の高温での容量劣化を抑制する。
【構成】スピネル系リチウムマンガン複酸化物の酸素構造を安定化し、マンガン溶解を伴うスピネル化合物の劣化を防止することにより、Mn析出に起因する負極の劣化を防止し、高温での劣化のないリチウムイオン電池を提供する。不活性ガス下、660℃二時間熱処理し、酸素欠損の生成の有無を酸素構造安定化の基準とする。
正極は、酸素構造安定化スピネル単独、又は硫黄置換酸素構造安定化スピネル単独またはこれらの酸素構造安定化スピネルと層状コバルト系正極材料又は層状ニッケル系正極材料の混合正極で構成する。
【選択図】 なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は金属リチウムあるいはリチウムカーボン(リチウム−グラファイト)等のインターカレーション化合物を負極活物質とするリチウム二次電池において,酸素構造安定化スピネルを単独でまたは層状岩塩構造の酸化物系正極材料との混合活物質で使用するリチウムイオン電池用正極、およびこの正極を使用したロッキングチェアー型リチウムイオン電池に関する。
4ボルト級の高エネルギー密度型のリチウム二次電池用正極活物質としては、LiNiOの他、LiCoO,LiMnが使用可能である。LiCoOを正極活物質とする電池は既に市販されている。LiNiOの充電生成物が熱安定性に劣り、安全性に課題があることは良く知られているが、現在小型電池用正極材料として使用されているLiCoOでも過充電すると発煙、発火の恐れがあり、実際携帯電話の発煙、発火事故も多い。これに対し、マンガン系正極は充電末期電圧が急上昇するため過充電の恐れは小さく、また充電生成物の熱安定性も良好で格段に高い安全性を有する。さらに、コバルトは資源量が少なく且つ高価であるため、電池の普及に伴う大量消費には向かない。資源量や価格の面からもマンガン化合物のみが大型電池用正極材料となりうる。
発明が解決しようとする課題
しかしながら通常のスピネル系リチウムマンガン酸化物は、50℃を越える高温環境下で充放電したり、保存したりすると容量劣化を引き起こすという重要な課題がある。また、容量劣化に際してMnの溶解が併発し、溶解Mnが黒鉛系負極の特性の劣化も引き起こすためスピネル系材料の高温特性の改善は、スピネルマンガン系材料の実用化に向けた緊急の課題となっている。
サイクル特性を改善するためマンガンの一部を他の元素で置換する方法が多数報告されている。異種金属置換は、酸素過剰型のスピネル化合物の生成を促すのでこの方法により室温でのサイクル特性は格段に改善される。しかし、50℃以上になると単純な置換型のスピネル化合物ではもはや良好なサイクル特性を保持できない。
高温でのスピネル系材料の課題を解決するため、置換型スピネル系材料と層状岩塩構造の正極材料との混合正極としあるいはハイブリッド正極とし、高温で電解液の分解により生成するHFを層状構造の化合物で吸収させる手法が公表されている(特開2000−251892,特開2004−6094)。
しかしながら、図1の3に示すように、この混合型正極を用いるリチウムイオン電池を過酷な条件での60℃でサイクルするとこの電池の容量維持率は最初の30サイクルは良好な値を保持するものの、さらにサイクルが進むと容量維持率の低下が大きくなり、電池は急速に劣化する。即ち、通常の酸素量論スピネルを用いる限り、層状岩塩構造の化合物との混合電極としても高温での長寿命は望めない。HFを吸収し、HFによるMn溶解を防止するという層状正極材料との混合は、劣化時期を幾分遅くするという意味合いが強く抜本的な解決策とはならない。この層状化合物の割合を増せば、高温サイクル寿命を若干のばすことはできようが、コストの増大や安全性の低下も引き起こす。
課題を解決するための手段
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたもので、抜本的な高温特性の改善にはスピネル化合物そのものの特性を改善する以外になく、その上で層状化合物との混合活物質を用いた正極とすれば電池の容量増大やサイクル特性の更なる改善も見込まれる。
酸素欠損を有するスピネル化合物は、室温および高温で著しいサイクル劣化を引き起こすことは本発明申請者らが発見した。発明者らは、酸素量論性のスピネル(LiMMn) 4+δと表記できる化合物。但し、Mは置換金属)が電池中で何らかの形で酸素を失う特性を有し、その結果生成する酸素欠損スピネルがサイクル劣化に関与すると結論づけた。発明者らは酸素欠損を生成し易い不活性ガス雰囲気下でスピネル化合物を熱処理すると、不活性ガス中で酸素欠損スピネルに変化するスピネル化合物と酸素欠損に変化しない2種類のスピネル化合物があることを見出し、後者を「酸素構造安定化スピネル」と命名した。酸素欠損スピネルの存在は、室温近傍での相変化に伴う発熱・吸熱ピークの解析、−30℃程度の低温における斜方晶相(文献によると正方晶との意見もあり未だ確定に至っていない)のXRDによる検出((440)ピークが(440),(404),(044)の3本に分かれる)、及び3.2V放電プラトーの出現で確認できる(X.wangら,J.Power Sources,97−98,427−429(2001)。また、3.2Vピークの容量から酸素欠損量を評価することもできる。特に、3.2V放電容量(C3.2V)は、C3.2V=444・δ(δはスピネル化合物を(LiMMn)4−δで表した場合の値)の式を用いて酸素欠損量を定量的に求めることもできる(X.wangら,J.Power Sources,97−98,427−429(2001)。
発明者らは、多くの実験を重ねた結果、酸素量論スピネルであっても、熱処理により多量の酸素欠損を生成するもの程、リチウムイオン電池を構成すると高温(60℃)サイクル特性が劣ることを見いだした。即ち、不活性ガス中での加熱処理に伴う酸素欠損スピネルへの変化の有無で、良好な高温サイクル特性を有するスピネル系正極材料の特定が可能となった。
種々の加熱処理条件を検討した結果、酸素量論スピネル試料1gを不活性ガス雰囲気下、660℃、2時間加熱処理しても酸素欠損スピネルとならないスピネル化合物の一群を「酸素構造安定化スピネル」と定義した。金属Liを対極とする場合、これらの酸素構造安定化スピネルは60℃という高温においても従来のスピネル材料よりも格段にすぐれたサイクル特性を示す。しかし、通常の酸素量論スピネルも優れた高温サイクル特性を有するため、両者の特性の違いを明確にするには、黒鉛系負極を用いたリチウムイオン電池よる評価が不可欠である。
酸素構造安定化スピネルは、スピネル化合物の組成できまるものではないが3価のAlやCrの場合はMnの7%以上を3価金属で置換することが望ましく、かつ適度にリチウム過剰にすると酸素構造安定化スピネルが生成しやすい。2価金属置換(Mg及びNi)では3価金属よりも置換量が少なくても酸素構造安定化スピネルが生成する。2価金属の置換量としては5%以上が望ましい。これらの化合物の充放電容量は、リチウム過剰量にもよるが、概ね90−110mAh/gである。どの置換金属の場合も比表面積は小さく、0.3m/g以下ものが多い。
尚、本発明の主体をなす酸素構造安定化スピネルは、上記の組成や比表面積に基づくものではなく、不活性ガス下での熱処理により酸素欠損スピネルとなるかで判断されるべきものであり、組成や表面積にとらわれるものではない。その判断の手段として、−30℃での低温X線回折を用いるのが特色である。
以下本発明を実施例に基づき説明する。実施例1のAlドープの酸素構造安定化スピネルを用いた電池と比較例1は通常の酸素量論スピネル材料とコバルト置換ニッケル酸リチウムの混合活物質からなる正極を用いる電池の高温サイクル特性を図1の3に示した。なお、通常の酸素量論スピネルは不活性ガス中660℃で加熱処理を行うと酸素欠損スピネルとなり、比較例1に示したスピネル材料はAlドープスピネルではあるが酸素構造安定化スピネルではない。充放電温度は60℃である。比較例1と実施例1の電池は、30サイクル程度までは容量維持率に違いは見られないが40サイクルを越えると明らかに実施例1の酸素安構造定化スピネル単独の場合が酸素量論スピネルと層状化合物の混合電極を用いた場合よりも良好なサイクル特性を有することは一目暸然である。即ち、混合電極とするよりも酸素構造安定化スピネルを単独で使用する方が電池の高温での長寿命化に有効であり、高温特性の改善には混合正極とする手法よりも酸素構造安定化スピネルを使用することがはるかに有効である。酸素構造安定化スピネルと層状系正極材料を混合活物質とした正極を用いた実施例5の電池の高温サイクル特性(図1の2)は若干ながら実施例1を上回る。このことは層状正極材料との混合が高温サイクル寿命の改善に有効ではあるものの、長期的なサイクル特性改善効果はないことを示している。この為、実施例4−6の混合正極の高温サイクル特性は、スピネル単独とほぼ同等である。しかし、高容量材料の混合は電池の容量を増大させる意味での効果は大きい。硫黄置換型の酸素構造安定化スピネル(LiAlMn)3.990.01を正極とする実施例3の電池も実施例1の電池と同等の高温サイクル特性を示し、陽イオンのみでなく陰イオンの酸素が置換された場合でも酸素構造安定化スピネルであれば高温サイクル特性は良好である。スピネル構造のマンガン系正極材料では、酸素の構造中での安定化がMn溶解を抑制し、リチウムイオン電池の高温での長寿命化につながっていると考えられる。
酸素構造安定化スピネルと層状化合物系正極材料との混合電極とした場合、酸素構造安定化スピネル単独正極とほぼ同等の高温サイクル特性を示すことを前に述べたが、混合する層状化合物は実施例4−6に示すように置換型コバルト系層状化合物に限られるものではなく、層状ニッケル系材料でもその挙動は類似し、良好な高温サイクル特性を保持したまま高容量化が実現できる。
リチウム源、アルミニウム源、マンガン源を所定のモル比(Liを1とするとAl+Mn=2とする。ここでは、Al/Mn=0.075)で混合し、470℃で焼成した後、1100℃で焼成し、結晶を成長させる。一旦、冷却した後、酸素吸収促進作用のあるLiOHを加え、750℃で再度焼成し、酸素量論のリチウム過剰のスピネル化合物を合成した。この試料は、正極作成及び酸素構造安定化スピネルか否かの判定試料とする。
酸素構造安定化スピネルであることを確認するため、この試料1gを取り、アルゴン気流下(20ml/min.),660℃で2時間焼成した。試料はCuKα線を用い−30℃でX線回折を行った。(440)ピークには、分裂は見られず酸素欠損は存在しないことを確認した。また、50℃から−50℃の範囲で示差走査熱量分析を行ったが発熱ピークも吸熱ピークも観測されなかった。また、この試料20mgと導電性バインダー12mgを用いて、正極を作成し、金属リチウムを対極として充放電テストを行った。電解液には、1MLiPFEC/EMC(エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:1(体積比))を用い、電流密度は0.1mA/cmで充放電した。3.2Vに電圧プラトーは認められず、上記3種の評価方法に基づき酸素構造安定化スピネルと判断した。なお、この試料を対極に金属リチウムを用いた電池で評価したところ、充放電容量は105mAh/gであった。また、60℃でのサイクル特性評価の結果、100サイクル以上に渡って高い容量を維持した。
リチウムイオン電池用正極は次のようにして作成した。酸素構造安定化スピネル3gにアセチレンブラック及びグラファイトからなる導電剤0.15gと0.15gのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を溶解したNMP(N−メチルピロリドン)を加え、十分に攪拌しペースト状とする。この正極ペーストをドクターブレードによりAl箔上に均一に塗布する。熱風を用いてNMPを乾燥除去し、正極を作成する。
負極材料には可逆容量330mAh/g、不可逆容量30mAh/gのカーボン被覆グラファイトを用いた。この材料1gに対して100mgのPVDFを溶解したNMPを加え、十分に攪拌しペースト状とする。この負極ペーストをドクターブレードを用いて銅箔上に均一に塗布する。熱風を用いてNMPを乾燥除去し、負極を作成する。
上記の正極および負極を用いてリチウムイオン電池を構成した。電解液には1M LiPFEC/EMCを用い、電流密度は0.4mA/cmとし、充放電電圧範囲は3.0−4.3Vとした。充電は定電流定電圧で行い、放電は定電流で行った。この電池のサイクル毎の容量維持率を図1の1に示す。40サイクル前後までは、比較例1の混合型電極と同等の性能を有するが、更にサイクルが進むと混合電極よりも高い容量を保持し、酸素構造安定化スピネル単独でも混合型正極以上の高温サイクル特性を示すことが明らかになった。
リチウム源、アルミニウム源、マンガン源を実施例1の最終組成で混合後、1000℃で焼成し、酸素量論リチウム過剰のスピネル化合物を合成した。
実施例1に従いアルゴン雰囲気下での熱処理を行った。加熱処理による酸素欠損スピネルへの変化は認められず、この試料が酸素構造安定化スピネルであることを確認した。実施例1に従い正極を作成し、電池性能を評価した。金属リチウムを対極とする電池での特性及び黒鉛負極を用いた電池(実施例1で作成した負極を使用)の特性は実施例1と同等であり、酸素構造安定化スピネルの合成は、多段焼成法にしばられるものではないことが明らかとなった。
リチウム源、アルミニウム源、マンガン源、及び硫黄源(LiS)を所定のモル比(Liを1とするとAl+Mn=2とする。ここでは、Al/Mn=0.075、S/Li=0.01)で混合し、470℃で焼成した後、1100℃で焼成し、結晶を成長させる。一旦、冷却した後、酸素吸収促進作用のあるLiOHを加え、750℃で再度焼成し、酸素量論過剰リチウム過剰のスピネル化合物を合成する。この試料は、正極作成及び酸素構造安定化スピネルか否かの判定試料とする。実施例1にならいアルゴンガス中で熱処理し、−30℃で低温行ったところ(440)ピークは1本のままであり、この試料は酸素構造安定化スピネルと判定した。リチウム対極を用いて評価した本材料の充放電容量は、102mAh/gであった。また、60℃でのサイクル特性評価の結果、100サイクルに渡って実施例1の試料と同等の容量を維持した。
本硫黄置換型酸素構造安定化スピネルを用いて、実施例1に従い60℃サイクル特性評価を行った。負極は、実施例1で作成した負極を使用した。電解液及び充放電条件は実施例1と同じである。60℃でのサイクル特性は良好で、100サイクルに渡って実施例1と同等の特性を示し、比較例1よりも良好なサイクル特性が得られた。
実施例1で合成した酸素構造安定化スピネルとAl置換コバルト酸リチウム(LiCo 0.8Al0.2)を6:4(質量比)で混合し、実施例1と同じ方法で正極を作成した。負極は、実施例1で作成した負極を使用した。
電池特性評価は実施例1と同じである。酸素構造安定化スピネル単独で使用するよりも容量は増大した。60℃でのサイクル特性も良好で100サイクルに渡って実施例1の電池と同等の容量を維持した。即ち、酸素構造安定化スピネルと層状コバルト系正極材料との混合正極でも良好な高温サイクル特性を示すことが確認できた。
実施例1で合成した酸素構造安定化スピネルとCo置換ニッケル酸リチウム(LiNi 0.8Co0.2)を7:3(質量比)で混合し、正極を実施例1と同じ方法で作成した。負極は、実施例1で作成した負極を使用した。
電池特性評価には実施例1と同じ方法を用いた。酸素構造安定化スピネルを単独で使用する場合よりも容量が増加し、60℃でのサイクル特性も良好であった。
実施例2で合成した硫黄置換酸素構造安定化スピネルとCo,Al置換ニッケル酸リチウム(LiNi0.80.05Al0.05)を混合して正極を作成した。スピネルとLiNi0.8Co0.15Al0.05の質量比は7:3とした。電極作成及び電池特性評価は実施例1と同じである。硫黄置換酸素構造安定化スピネル単独で使用するよりも容量が増加し、60℃でのサイクル特性も良好であった。
比較例1
リチウム源、アルミニウム源、マンガン源を所定のモル比(Liを1.05とするとAl+Mn=1.95とする。ここでは、Al/Mn=0.026)で混合し、470℃で焼成した後、800℃で焼成した。この試料の充放電容量は119mAh/gであり、3.2Vは認められなかった。この試料は、正極作成及び酸素構造安定化スピネルか否かの判定試料とする。
実施例1にならい、この試料1gを取り、アルゴン気流下(20ml/min.),660℃で2時間焼成した。試料はCuKα線を用い−30℃でX線回折を行った。立方晶(440)ピークには、斜方晶(440),(404),(044)に相当する3つのピークに分裂し酸素欠損のスピネルであることが確認できた。即ち、この加熱処理試料が酸素欠損スピネルであることが3つの判定手法の全てで実証され、熱処理前の合成試料は、酸素量論スピネルではあるが酸素構造安定化スピネルではないことが確認できた。
リチウム金属を対極とした場合、本材料の60℃サイクル特性は酸素構造安定化スピネルとほぼ同等であった。
上記の加熱処理により酸素欠損スピネルへと変化する酸素量論スピネルとLiNi0. 0.2を7:3の質量比で混合し、実施例1と同じ方法で混合正極を作成した。負極は、実施例1で作成した負極を使用した。
電池特性評価は実施例1と同じである。1サイクル目の放電容量を100とすると60℃で充放電した場合、この電池の容量は図1の3に示すように二十数サイクルは良好なサイクル特性を保持するが30サイクルを越えると容量低下の割合が増加する。40サイクルを越えるとこの電池の容量維持率は酸素構造安定化スピネル単独正極を用いる電池(図1の1)の容量維持率よりも低くなる。即ち、通常の酸素量論スピネルであれば、層状岩塩構造のとの混合電極としても長期間の高温寿命は望めない。言い換えれば、混合型正極では、60℃の高温環境下でのスピネル構造マンガン系正極を用いる電池の容量劣化は抑制できないこととなる。
発明の効果
本発明で製造した酸素構造安定化スピネル正極とグラファイト系負極を組み合わせることにより高温特性の優れたリチウムイオン電池を供給できる。硫黄置換型の酸素構造安定化スピネルも酸素構造安定化スピネルと同等の特性を有する。また、これらの酸素構造安定化スピネルと層状系正極材料を混合した正極もリチウムイオン電池の高温サイクル特性改善に有効である。
黒鉛負極を用いた電池の60℃サイクル特性 1(実線):実施例1の酸素構造安定化スピネルを正極活物質とする電池 2(破線):実施例5の酸素構造安定化スピネルと層状ニッケル系材料を正極活物質とする電池 3(黒丸):比較例1の従来型スピネルと層状ニッケル系材料を正極活物質とする電池

Claims (3)

  1. リチウム(Li)とマンガン(Mn)とリチウム、マンガン以外の一種あるいは二種以上の金属(M)と酸素(O)の4元素あるいは5元素以上から構成され,その化学組成が(LiMn4+δである酸素量論スピネル構造マンガン系酸化物の1種である「酸素構造安定化スピネル」に導電剤および結着剤を加えてアルミニウム箔上に作成して成ることを特徴とするリチウムイオン電池用正極、および本正極を用いグラファイト系のインターカレーション化合物あるいは合金系材料を負極とする事を特徴とするロッキングチェア型リチウムイオン電池。
    なお、「酸素構造安定化スピネル」とは、(LiMn4+δで示される化合物を不活性ガス中、660℃で2時間焼成し、その試料を、−30℃で粉末X線回折測定を行い、スピネル構造特有の(440)ピークなど主要ピークが3本に分裂しないものをいう。酸素欠損スピネルは、室温以下で立方晶から斜方晶(又は正方晶)へ相変化し、これにともない(440)のピークは、面間隔の異なる(440),(404),(044)の3本のピーク(立方晶(440)及び正方晶(440)、(404)ピーク)に分裂する。酸素欠損の有無は、示差走査熱量分析(例えばY.Xiaら,J,Electrochem.Soc.,148,A723−A729(2001))や放電時の3.2V容量からも判断できるが低温X線回折が鋭敏に検出できる。
  2. リチウム(Li)とマンガン(Mn)とリチウム、マンガン以外の一種あるいは二種以上の金属(M)と酸素(O)およびイオウ、フッ化物イオンなどの陰イオン(S)の5元素あるいは6元素以上から構成され,その化学組成を(LiMn(O1−p (0<p≦0.005)で示されるスピネル構造のマンガン酸化物で、かつ「酸素構造安定化スピネル」を用い、導電剤および結着剤を加えてアルミニウム箔上に作成して成ることを特徴とするリチウムイオン電池用正極、およびグラファイト系のインターカレーション化合物を負極とする事を特徴とするロッキングチェア型リチウムイオン電池。
    なおここで「酸素構造安定化スピネル」の定義は、不活性ガス中、660℃で2時間焼成した場合、酸素欠損を生成しないスピネル化合物である。
  3. 請求項1または請求項2記載の「酸素構造安定型スピネル」に対し、0〜50質量%のニッケル系正極材料(LiNi1−x:M=Co,Mn及びAlなどののいずれか1種、0<x≦0.3,又はLiNi1−x−yM1M2:M1,M2=Co,Mn及びAlなどのいずれか2種以上、0<x+y≦0.3)又は層状コバルト系正極材料(LiCo1−x:Mは、Ni,MnおよびAlなどのいずれか1種以上)を加え、導電剤および結着剤を加えてアルミニウム箔上に作成してなることを特徴とするリチウムイオン電池用正極。
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