JP2005251316A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置に作用する振動や衝突による衝撃外乱が発生したとき、あるいは偏心面振れ等のディスク物理歪を有する光ディスクを再生するとき等、制御の安定性を失うことなく制御偏差を抑圧し、常に安定な記録再生が可能な光ディスク装置を提供する。
【解決手段】 位置制御偏差を評価し(11)、評価結果を基に補正信号を生成して(12)、位置制御ループの制御信号(S7)に加算し(8)、加算結果を駆動制御信号としてアクチュエータ(10)に印加し、位置偏差信号(S6)が所定値を越えないようにする。
【選択図】 図1



Description

本発明は、例えばCDやDVDなどの光ディスク装置に関するものである。本発明は、より詳しくは光ディスク装置に作用する振動外乱による制御偏差の増大、あるいは物理歪(ここではフォーカス方向の面振れ、トラック方向の偏心を指す。以下物理歪と略称する。)の大きい光ディスクによる残留位置偏差の増大に対して、これらの位置制御偏差の増大を防止し、光ピックアップの制御外れを抑圧する位置制御偏差抑圧制御に関する。
従来の光ディスク装置において、振動条件下での光ディスク上の情報の記録あるいは読み込みの際、再生信号の連続性を保つ方策は種々考えられている。例えば特許文献1には、再生された信号を格納するメモリを増設し、高速読み出しを行い、再生信号を一旦メモリに記憶させた後、メモリから順次に読み出す構成が記載されており、この構成では、振動等によって光ピックアップのサーボが外れても、外れている期間はメモリに貯めた情報を読み、メモリの情報が無くなるまでに読み出し制御のリトライ動作を行うことで、振動時においても連続な再生を可能としている。また、特許文献2には、加速度センサを増設し振動を検出し、検出振動情報を光ピックアップのサーボループに加算することで外乱振動が光ピックアップ制御に及ぼす影響を打ち消す方法が記載されている。
特開平5−101565号公報(第1―7頁、第1図) 特開平9−27164号公報(第1−5頁、第1図)
上記の特許文献1に記載された振動対策では、半導体メモリを必要とし、さらに特許文献2に記載された方法に、加速度センサを必要とするので装置が高価になるという問題点があった。
本発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、光ディスクの記録または再生中において装置に振動外乱が作用する場合や、物理歪の大きい光ディスクの記録再生等、通常の制御では残留制御偏差が大きくなる場合においても、光ピックアップの位置制御偏差の増大を防止する位置制御偏差抑圧制御手段を得ることを第1の目的とする。
本発明の第2の目的は、位置制御におけるオフセットやドリフトを抑圧し、安定な制御を可能にすることにある。
本発明の第3の目的は、光ディスク装置が外部部材と衝突したときのような、過大な衝撃振動が作用したが場合に、光ピックアップの位置制御偏差の増大を防止し、制御外れを防止することにある。
本発明の第4の目的は、装置量産時における光ピックアップの位置偏差検出感度バラツキや、経時変化等に対応できる光ディスク装置を得ることにある。
本発明の第5の目的は、装置量産時における光ピックアップのアクチュエータ感度バラツキや、経時変化等にも対応できる光ディスク装置を得ることにある。
この発明に係る光ディスク装置は、
光ディスクに光スポットを形成するために光を照射する光照射手段と、
駆動制御信号に基づき、前記光ディスクに対する対物レンズの相対的位置を変化させる駆動手段と、
前記光ディスクからの反射光に関連した反射光情報を検出する光電変換手段と、
前記反射光情報を基に対物レンズと光ディスクとの相対位置誤差を検出する位置偏差信号検出手段と、
位置偏差信号検出手段から得た位置偏差信号に基づき、前記所定の操作における制御量を規定した制御信号を発生する制御信号発生手段とを備えた装置において、
前記位置偏差信号を評価する位置制御偏差評価手段と、
前記位置制御偏差評価手段の評価結果に基づいて補正信号を出力する補正信号発生手段と、
前記補正信号を前記制御信号とを加算して、前記駆動制御信号を生成する加算手段と、
前記補正信号発生手段と前記加算手段の間に設けられ、前記制御信号に対して前記補正信号の加算をオン/オフするスイッチ手段と
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、偏心面振れ等のディスク物理歪に起因する残留偏差のみならずシステム外部から作用する衝撃などの加速度外乱に起因する残留偏差を小さく抑圧するように機能し、結果として信号の記録再生を安定に行うことができる。
また、本発明の制御偏差抑圧制御は、離散化することが可能であり、制御LSI内部でハードロジック回路として実現することが可能で、また汎用マイコンのファームウェア(F/W)として構成することも可能であり、ハードウェアの増加によるコストアップ無しに位置制御偏差を抑圧することができる。
さらに本発明の制御偏差抑圧制御は、位置制御ループの構成要素の感度変化、例えば位置偏差検出系の感度バラツキやアクチュエータなどの駆動手段の駆動感度バラツキ等を補正することが可能であり、量産時においても安定に機能することができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の光ディスク装置を示すブロック図である。
データ記録時あるいはデータ再生時に半導体レーザを含む光照射手段2から出射されるレーザ光はハーフミラー5及び対物レンズ3を介して光ディスク1上で集光される。また、データ再生時には、ディスク1から反射される光はハーフミラー5を経て光電変換素子4に入力される。
対物レンズ3にアクチュエータ駆動コイル10が剛体接続(一体的に動くようにしっかりと接続)され、駆動コイル10は、図示しない、固定された手段により発生される磁界中に可動的に支持されており、駆動コイル10によって対物レンズ3をディスク1に対して垂直方向あるいは水平方向に移動させることができる。
位置偏差信号検出手段6は、光電変換素子4から得られる光電変換信号(反射光情報)に基づき、光ディスク1に対する対物レンズ3の相対位置誤差を示す位置偏差信号S6を位相補償手段7と位置制御偏差評価手段11に出力する。位相補償手段7は入力される信号に基づきアクチュエータ制御信号S7を加算手段8に出力する。加算手段8は前記S7と後述するスイッチ手段13出力とを加算しすることにより、駆動制御信号を生成して出力する。加算手段8の出力は、ドライバアンプ9に入力され、その出力はアクチュエータ駆動コイル10に供給される。以上、符号1乃至10で示される機能ブロックは、一般的な位置制御ループを構成する。また、上記のうち、駆動コイル10とドライバアンプ9とで、駆動制御信号に基づいて、光ディスク1に対する対物レンズ3の相対的位置を変化させる駆動手段が構成されている。
本実施の形態の光ディスクは、上記の一般的な位置制御ループに加えて、制御偏差抑圧制御手段100を有する。この制御偏差抑圧制御手段100は、位置制御偏差評価手段11と、補正信号発生手段12と、スイッチ手段13とを有する。
位置制御偏差評価手段11は、位置偏差信号S6の振幅情報を評価し、入力信号である位置制御偏差信号S6を3つの状態に分類し、判定する機能を持つ。より詳しく言うと、位置制御偏差評価手段11は、位置偏差信号S6の振幅の絶対値が所定値未満であるか否かについて判定・評価を行う。なおこの評価においては、位置偏差信号S6の振幅絶対値が所定値(閾値)以上の場合、プラス側の閾値以上であるか、マイナス側の閾値以上であるかをも識別する。プラス側閾値は、基準電位(位置制御系の制御偏差が零になる電位)に対して高い値に設定されたものであり、マイナス側閾値は、前記基準電位に対して低い値に設定されたものである。
補正信号発生手段12は、前記位置制御偏差評価手段11の評価結果に基づいて、前記位置制御偏差評価手段11の評価結果が位置偏差信号S6の振幅の絶対値が所定値未満になる方向に、かつ所定の振幅で補正信号を出力する。この補正信号の所定の振幅は、位置偏差信号S6の振幅の絶対値が所定値未満となるような値に保たれるように、即ちハンチングが発生しない程度のレベルに定められる。
スイッチ手段13は、位置偏差抑圧制御オン/オフ制御信号(ON/OFF制御信号)に基づいて、既に説明した加算手段8に前記補正信号発生手段12の出力である補正信号S12の供給を制御する。位置偏差抑圧制御ON/OFF制御信号は、図示しない制御部から供給されるものであり、少なくとも機能ブロック1〜10にて構成される一般的な位置制御ループが閉じ、位置制御ループが機能しているときに、スイッチ手段13を閉じる値となる。
スイッチ手段13は、位置制御ループが引き込みを行う過渡的な状態、例えばフォーカス制御におけるフォーカス引き込み時や、トラッキング制御におけるシーク動作時には、開放され、補正信号S12の加算手段8への供給を阻止する。
図2は、位置制御偏差信号S6の時間変化の一例を示した図、図3は、位置制御偏差評価手段11の機能ブロック図、図4は位置制御偏差評価手段11の判定機能動作を説明するブロック図である。
図2には、位置制御偏差信号S6の時間変化とともに、プラス側閾値及びマイナス側閾値、並びに位置制御偏差評価手段11による判定結果が示されている。位置制御偏差評価手段11は、位置制御偏差信号S6がプラス側閾値とマイナス側閾値の間にあるときは、判定結果として「状態2」を出力し、位置制御偏差信号S6がプラス側閾値以上であるときは、判定結果として「状態1」を出力し、位置制御偏差信号S6がマイナス側閾値以下であるときは、判定結果として「状態3」を出力する。
図3に示すように、位置制御偏差評価手段11は、判定閾値発生手段11aと、プラス側閾値判定手段11bと、マイナス側閾値判定手段11cとを有する。
判定閾値発生手段11aから、プラス側閾値とマイナス側閾値が出力され、それぞれプラス側閾値判定手段11bとマイナス側閾値判定手段11cに入力される。入力信号である位置偏差信号S6は、プラス側閾値判定手段11b並びにマイナス側閾値判定手段11cに入力され、その値に基づいて以下の状態判定が行われ、判定結果は、それぞれ信号S11b、S11cとして出力される。
図4は、前記プラス側閾値判定手段11bとマイナス側閾値判定手段11cの判定条件の一例を表した図である。プラス側閾値判定手段11bは、位置偏差信号S6がプラス側閾値以上になればその出力信号S11bの値が「H」となり、そうでなければ、出力信号S11bの値が「L」となる。マイナス側閾値判定手段11cは、位置偏差信号S6がマイナス側閾値以下になれば、その出力信号S11cの値が「H」となり、そうでなければその出力信号S11cの値が「L」となる。これらを真理表にまとめると、図4の下に示す表となる。同表から、信号S11b及びS11cの組合せにより、位置偏差信号S6が前記状態1〜3のどの状態にあるのかを表す。なお、上記の構成例に限らず、位置偏差信号S6に関し上記3つの状態のいずれであるかが判別可能であれば、他の構成を用いても良い。
図5は、補正信号発生手段12の機能を真理表で表したブロック図である。補正信号発生手段12は、位置制御偏差評価手段11の2つの出力信号S11b、S11cを入力とし、補正信号S12を出力する機能を持つ。信号S12は、出力信号S11b,S11c状態1のときはcomp1という一定電位の信号を出力、状態2のときは出力せず、状態3のときはcomp2という一定電位の信号を出力する。なお、comp1ならびにcomp2は、信号S12が駆動手段のドライバアンプ9に供給された場合、位置偏差信号S6の絶対値が小さくなる方向の極性に選択され、さらにその大きさは、ハンチングが発生しないレベルに選択される。ここでいうハンチングとは、位置偏差信号S6がプラス側閾値とマイナス側閾値を交互に超えて収束しない発振状態を意味する。
図6に、印加加速度に対する位置偏差信号及び補正信号の具体例を示す。同図の左には、位置制御偏差抑圧制御をオフ(OFF)した場合を示し、右には、位置制御偏差抑圧制御をオン(ON)した場合を示す。同図上から印加加速度、位置偏差信号S6、補正信号S12を示す。
図6に示すのは、位置制御の一つとしてのフォーカス制御の例であり、印加加速度はフォーカス制御系にとって外乱として作用する目的で印加され、周波数400Hz振幅100Nであり、位置偏差信号S6はフォーカスエラー信号を表す。
本発明の位置制御偏差抑圧制御を行わない場合は、印加加速度に対して±4ミクロン程度の偏差が発生し、その結果再生信号品質の劣化や記録時については記録信号の劣化が引き起こされる。一方、本発明の位置制御偏差抑圧制御を動作させれば、補正信号12により位置偏差信号S6が小さくなるように作用し、結果として偏差は±1ミクロン程度に抑えることができる。この効果は、図6に示した外乱振動等の印加加速度による位置制御偏差に対して限定されるものではなく、ディスクの物理歪に起因する位置制御偏差に対しても同様の効果がある。
図7は、図6の右側の図を拡大して示す図である。同図中、位置制御偏差信号S6のグラフ中に、プラス側閾値とマイナス側閾値が太い実線で記入してあり、さらに信号S6が両閾値のいずれか以上となる時間タイミングで同図下に示した補正信号グラフ側に延びる矢印付きの点線が記入してある。
同図中、真中の位置制御偏差信号S6がプラス側閾値以上になると、その期間中、同図下の補正信号S12が所定振幅プラス側に出力され、その結果位置制御偏差信号S6が小さく抑圧されることが確認できる。一方位置制御偏差信号S6がマイナス側閾値以下になると、その期間中、補正信号S12が所定振幅マイナス側に出力され、その結果位置制御偏差信号S6が小さく抑圧されることが確認できる。さらに位置制御偏差信号S6がマイナス側閾値とプラスス側閾値の間にある場合、補正信号S12は出力されず、通常の(従来からある)安定な位置制御系の動作となる。このように本発明は、位置制御偏差信号S6がマイナス側閾値とプラス側閾値の間にある場合は機能せず、従来の位置制御となんら変わりない動作となる一方、過大なディスク物理歪や、過大な外乱加速度など、従来の位置制御系では抑圧不可能な条件、或いは抑圧に時間の掛かる条件で、結果として位置制御偏差信号S6が増大し、閾値以上となった場合にのみ制御偏差抑圧制御手段100が機能し、位置制御偏差が閾値より小さくなるように補正信号12を印加するので、位置制御偏差信号S6は必ず増大しない方向に機能する。結果として、過大なディスク物理歪や、過大な外乱加速度など、従来の位置制御系では抑圧不可能な条件においても、本発明によれば、位置偏差の増大を防止することが可能となり、安定した記録再生が実現する。
実施の形態2.
実施の形態2は、本発明の実施の形態1における制御偏差抑圧制御手段100を離散化し、マイクロコンピュータ等のディジタル演算素子のファームウェアとして実現し、あるいはディジタル化された制御LSI等のハードウェアとして実現したものである。
図8は、本発明の実施の形態2で用いられる、離散化構成の制御偏差抑圧制御手段100を示す。この制御偏差抑圧制御手段100は、図1の制御偏差抑圧制御手段100の代わりに用い得るものである。
図8の制御偏差抑圧制御手段100は、A/D変換手段14と、進みフィルタ15と、位置制御偏差評価手段11と、補正信号発生手段12と、スイッチ手段13と、D/A変換手段16とを有する。
入力信号である位置制御偏差信号S6は、所定のサンプリング周期で所定の量子化分解能でA/D変換を行うA/D変換手段14にてディジタルデータに変換され、変換されたデータは、進みフィルタ手段15で離散化による遅れを補償する。さらに進みフィルタ手段15の出力は、位置制御偏差評価手段11から補正信号発生手段12、スイッチ手段13を経て、D/A変換手段16に供給され、ここで、ディジタルデータがアナログ信号に変換される。このアナログ信号は、位置制御偏差抑圧制御信号S100として出力される。
上記のうち、位置制御偏差評価手段11、補正信号発生手段12、スイッチ手段13は、図1のものと同一の機能を有する。
上記のように、実施の形態2の制御偏差抑圧制御手段100は、実施の形態1における制御偏差抑圧制御手段100を離散化し、離散化に伴うサンプリングによる時間遅れを補償するため、新たに進みフィルタ手段15を増設した構造となっている。
図9は、進みフィルタ手段15を実現する一例として、予測型ホールドを用いた例について示したものである。進みフィルタ手段15の、ある時点t(tは自然数)における入力をin(t)、上記ある時点tよりも1サンプリング間隔前の時点(t−1)における入力を、in(t−1)、上記ある時点における出力をout(t)、時間予測係数をKと定義し、進みフィルタ手段15を予測型ホールドとすると、進みフィルタ手段15は以下の式(1)のように定式化できる。
out(t)=in(t)+K{in(t)−in(t−1)} …(1)
ここで、
K:時間予測係数
である。
上式をサンプリングタイミング毎に逐次計算していくことで、入力信号の位相が進んで出力される。
図9の進みフィルタ手段15は、シフトレジスタ15aと、減算手段15bと、増幅手段15cと、加算手段15dとを有する。
A/D変換手段14の出力であるディジタルデータとなった位置制御偏差信号S6が進みフィルタ手段15の入力信号であり、入力信号はシフトレジスタ15aと、減算手段15bのプラス演算側と、加算手段15dとに入力される。シフトレジスタ15a出力は、前記減算手段15bのマイナス演算側に入力、減算手段15bの出力は増幅手段15cによって時間予測係数倍されて加算手段15dに入力される。加算手段15dの出力が、進みフィルタ手段15の出力となる。
図10に、進みフィルタ手段15の効果について説明するための具体的なデータ例を示す。
図示の例は、サンプリング周波数が10kHzの場合のものである。
図中(a)は、制御偏差抑圧制御手段100の入力信号であり、A/D変換手段14の入力、即ち位置偏差信号S6である。同図(b)は、時間予測係数が零、すなわち進みフィルタ15を機能させず、これを無視した場合の波形である。同図(c)、(d)、(e)は、それぞれ時間予測係数を0.5、1.0、1.5に設定した場合の波形である。なお、比較対照のため、(b)〜(e)には、入力信号が点線で示してある。(b)では、A/D変換手段14によるA/D変換によって、入力信号は零次ホールドされるので、出力信号の位相は入力に対してサンプリング周期の1/2程度遅れているが、(c)では、上記位相遅れは解消されている。(d)、(e)と、時間予測係数を大きくしすぎると、入力信号に対して位相が進み、振幅も大きくなることが分る。このように時間予測係数の設定は、適用するシステムのサンプリング周波数等によって最適な所定値に設定すれば良い。
上記の説明のように、図8で示した進みフィルタ手段15、位置制御偏差評価手段11、補正信号発生手段12は、ディジタル演算手段、例えばハードロジックで構成された演算手段等で実現すれば良く、実施の形態1で説明した効果と同様な効果が得られる。
次に、図8の構成をマイクロコンピュータ等の汎用演算素子のファームウェアによって実現した事例について説明する。図11は、光ディスク再生時における制御偏差抑圧制御のフローチャートである。起動されると、位置偏差信号S6を読み込む位置偏差信号読込処理ST1を行う。その後、進みフィルタ処理である処理A:ST2、位置制御偏差評価処理である処理B:ST3、補正信号決定処理である処理C:ST4を順次実行する。ステップST4の後、位置制御偏差抑圧制御ON指令の判定をステップST5で行う。ステップST5の判定結果が真であれば、補正信号出力処理ST6を行い、偽であれば補正信号を零に設定する処理ST7を行う。ステップST6、ST7の処理後、ステップST1に戻り、次のサンプリングの処理を行う。
図12は、進みフィルタ処理である処理A(ステップST2)の詳細を示すフローチャートである。ステップST2が起動すると、ステップST1で行われたディジタル信号となった位置偏差信号S6をデータIN(k)として読込む処理(ステップST21)を行う。つぎに一つ前の起動時に格納したデータIN(k)をデータIN(k−1)として読込む処理(ステップST22)を行う。そして式(1)で示されたデータOUT(k)の演算処理(ステップST23)を行い、その後ステップST21で読込んだデータIN(k)の格納処理(ST24)、ST23で演算した演算結果であるデータOUT(k)の格納処理(ST25)を行い、処理Aを終了する。
図13は、位置制御偏差評価処理である処理B(ST3)の詳細を示すフローチャートである。ステップST3が起動すると、ステップST2で格納したデータOUT(k)を読込む処理(ステップST31)を行い、読込んだデータOUT(k)がプラス側閾値以上か否かを判定する処理(ST32)を行う。ステップST32の判定結果が真(YES)ならば状態1として変数stateを「1」に設定(ST33)した後、処理Bを終了する。ステップST32の判定結果が偽(NO)であれば、データOUT(k)がマイナス側閾値以下か否かを判定する処理(ST34)を行う。ステップST34の判定結果が真(YES)ならば、状態3として変数stateを「3」に設定(ST35)し処理Bを終了、偽(NO)であれば状態2として変数stateを「2」に設定(ST36)し、処理Bを終了する。この処理によって、位置偏差信号S6を2つの閾値により判定し、3つの状態に分類する。
図14は、補正信号決定処理である処理C(ステップST4)の詳細を示すフローチャートである。ステップST4が起動すると、ステップST3で決定した状態判定の結果を表す変数stateを読込む処理(ステップST41)を行ない、stateが「1」、すなわち状態が「1」か否かを判定する処理(ST42)を行う。ステップST42の判定結果が真(YES)ならば状態1として、補正信号の振幅をcomp1に決定するため、変数outをcomp1に設定(ステップST43)し、処理Cを終了する。
ステップST42の判定が偽(NO)であれば、状態が「3」であるか否かの判定(ステップST44)を行う。ステップST44の判定結果が真(YES)ならば、状態3として、補正信号の振幅をcomp2に決定するため、変数outをcomp2に設定(ステップST45)し、処理Cを終了する。
ステップST4の判定結果が偽(NO)であれば、状態2として補正信号を出力しない設定、すなわち変数outを零に設定(ST46)し、処理Cを終了する。この処理によって、位置制御偏差判定処理で判定された3つの状態に応じた補正信号出力振幅を設定する。
以上の処理によって、本発明の機能ブロック100を、マイクロコンピューターなどの汎用演算素子によるファームウェアとして実現できるために、従来の位置制御系に対して、追加のハードウェアを必要とせず、安価にシステムを構成することができるとともに、ディジタル化されているために、アナログ素子に特有の温度ドリフトやオフセット等の経時変化がなく、常に安定な制御偏差抑圧制御が実現する。
実施の形態3.
実施の形態1及び2は、位置制御ループのクロスオーバ周波数より低い帯域の外乱について特に有効であったが、
以下に説明する実施の形態3は、図15に示すようにインパルス状の衝撃波外乱が印加された場合に有効なものである。
図15は、光ディスク装置が外部剛体と衝突したときに生じる衝撃加速度を模擬し、この衝撃が加わった場合の位置制御偏差の挙動を調べた解析結果である。同図(a)は従来の位置制御方式による衝撃印加時の時間挙動、(b)は上記の第1又は第2の実施の形態による衝撃印加時の時間挙動である。図中上から印加加速度、位置制御偏差信号S6(m)、補正信号S12(V)である。この解析は、一例として、印加加速度は振幅3500N、時間幅20μsecの矩形波を想定し、位置制御系として、フォーカス制御系を想定している。
同図(a)から、従来の位置制御系では、衝撃が印加されることによって位置制御偏差が増え、その偏差が位置制御偏差検出系の検出ダイナミックレンジWを越えてしまうために制御が外れる事が分る。
なお、図15は位置制御偏差検出系の検出ダイナミックレンジに制限が無い条件での解析結果を示す。
また、同図(b)に示すように、同図(a)と印加加速度を同条件で、実施の形態1又は実施の形態2による制御偏差抑圧制御を施した場合においても、衝撃印加後の位置制御偏差は、従来と比較して若干減少するもののWの範囲を越えている。
実施の形態3では、このような衝撃外乱に対して有効に機能する制御偏差抑圧制御を行うものである。
図15(b)では、プラス側閾値及びマイナス側閾値の絶対値を位置偏差検出系のダイナミックレンジWの6.25%(1/16)に設定した事例であり、この場合、補正信号の値がハンチングが発生しないレベルに制限されるので同図下の補正信号レベルとなり、衝撃を補正するレベルに至っていない。閾値をこの事例よりも広く設定すれば、補正信号をより大きく設定でき、衝撃に対する偏差を抑圧する能力は向上するが、本発明の基本的特徴である制御偏差抑圧制御の制御範囲を限定する問題がある。即ち、閾値を大きくすれば、制御偏差が大きくなるのを許容することになる。そこで、衝撃に対して閾値を小さく設定しても、偏差の増大を抑圧することができる構成が必要となる。
図16に、本発明の実施の形態3で用いられる制御偏差抑圧制御手段100を示す。この制御偏差抑圧制御手段100は、図8に示す実施の形態2の制御偏差抑圧制御手段100の代わりに用い得るものである。
図16に示す制御偏差抑圧制御手段100は、A/D変換手段14と、進みフィルタ手段15と、第1乃至第3の位置制御偏差評価手段11、11a、11bと、それぞれこれに対応して設けられた第1乃至第3の補正信号発生手段12、12a、12bと、加算手段17と、スイッチ手段13と、D/A変換手段16とを有する。
これらのうち、A/D変換手段14、進みフィルタ手段15、スイッチ手段13、及びD/A変換手段16は、図8に示したものと同様である。
第1乃至第3の位置制御偏差評価手段11、11a、11bはともに、進みフィルタ手段15の出力を入力とする。第1乃至第3の位置制御偏差評価手段11、11a、及び11bの各々は、図8に示した位置制御偏差評価手段11と同様のものであるが、第1乃至第3の位置制御偏差評価手段11、11a、11bは互いに異なる閾値を有する。例えば、第2の位置制御偏差評価手段11a及び第3の位置制御偏差評価手段11bの構成は第1の位置制御偏差評価手段11の構成と同一であるが、第2の位置制御偏差評価手段11aにおける2つの閾値の絶対値は第1の位置制御偏差評価手段11における閾値の絶対値と同一ではなく、より大きな値を有する。さらに第3の位置制御偏差評価手段11bにおける2つの閾値の絶対値は第2の位置制御偏差評価手段11aにおける閾値の絶対値と同一ではなく、より大きな値に設定する。
つまり第1の位置制御偏差評価手段における2つの閾値を、第1のプラス側閾値PT1、第1のマイナス側閾値MT1、第2の位置制御偏差評価手段における2つの閾値を、第2のプラス側閾値PT2、第2のマイナス側閾値MT2、第3の位置制御偏差評価手段における2つの閾値を、第3のプラス側閾値PT3、第3のマイナス側閾値MT3とすれば、下記の式(2a)、(2b)の関係となる。
PT1<PT2<PT3 …(2a)
MT1>MT2>MT3 …(2b)
第1乃至第3の補正信号発生手段12、12a、12bはそれぞれ第1乃至第3の位置制御偏差評価手段11、11a、11bの出力を入力とする。第1乃至第3の補正信号発生手段12、12a、及び12bの各々は、図8に示した補正信号発生手段12と同様のものであるが、第1乃至第3の補正信号発生手段12、12a、及び12bは、互いに異なる振幅の補正信号を出力する。補正信号の振幅は、位置偏差信号S6がハンチングを起こさないレベルに設定される。
即ち、第1の補正信号発生手段12が出力する補正信号は、位置偏差信号S6が、第1の位置制御偏差評価手段11で用いられるプラス側閾値PT1とマイナス側閾値NT1を交互に超えて収束しないような発振状態を起こすことのないようなレベルに設定される。
同様に、第2の補正信号発生手段12aが出力する補正信号は、位置偏差信号S6が、第2の位置制御偏差評価手段11aで用いられるプラス側閾値PT2とマイナス側閾値NT2を交互に超えて収束しないような発振状態を起こすことのないようなレベルに設定される。
同様に、第3の補正信号発生手段12bが出力する補正信号は、位置偏差信号S6が、第3の位置制御偏差評価手段11bで用いられるプラス側閾値PT3とマイナス側閾値NT3を交互に超えて収束しないような発振状態を起こすことのないようなレベルに設定される。
このように、補正信号の振幅を定める結果、比較的大きな閾値を有する位置制御偏差評価手段に対応する補正信号発生手段は、比較的大きな振幅の補正信号を出力することになる。
加算手段17は、第1乃至第3の補正信号発生手段12、12a、12bの出力を加算する。
スイッチ手段13は、加算手段17と、D/A変換手段16の間に挿入されており、位置制御偏差抑圧制御ON/OFF制御信号信号に応じて閉じた状態では、加算手段17の出力をD/A変換手段16に伝える。
このような構成にすれば、小さな外乱に対しては小さな閾値を有する位置制御偏差評価手段が反応し、それに接続された補正信号発生手段が小振幅の補正信号を出力して対応する一方、衝撃等の大きな外乱に対しては大きな閾値を有する位置制御偏差評価手段が反応し、それに接続された補正信号発生手段が大振幅の補正信号を出力して対応する。
結果として、小さい外乱にたいしても大きい外乱にたいしても、制御偏差の増大を効果的に防止することができる。
なお、上記の例では、位置制御偏差評価手段及び補正信号発生手段が3個設けられているが、3個以外の複数個設けた構成とすることもできる。
その場合も、複数個の位置制御偏差評価手段は、評価のための閾値が互いに異なる値に設定され、複数個の位置制御偏差評価手段に対してそれぞれ対応して設けられた複数個の補正信号発生手段の補正信号の振幅は互いに異なり、それぞれハンチングが生じないようなレベルに定められる。そして、加算手段17は、複数個の補正信号発生手段のすべての補正信号を加算するように接続される。
位置制御偏差評価手段の数をnとし、n個の位置制御偏差評価手段11におけるn個のプラス側閾値をPT1〜PTn、n個のマイナス側閾値をMT1〜MTnとすれば、これら閾値の関係は次式のようになる。
PT1<PT2<PT3<…<PTn
MT1>MT2>MT3>…>MTn
以下、位置制御偏差評価手段及び補正信号発生手段を複数個設けた場合の位置制御偏差の挙動を示す。
図17は、図15と同じ印加加速度条件における位置制御偏差の挙動を調べた結果である。同図中、(a)は、位置制御偏差評価手段及び補正信号発生手段をそれぞれ2個設けた場合を示し、(b)は、位置制御偏差評価手段及び補正信号発生手段をそれぞれ3個設けた場合を示す。同図(a)で、第1の位置制御偏差評価手段の閾値PT1及びMT1の絶対値をダイナミックレンジWの6.25%(1/16)、第2の位置制御偏差評価手段の閾値PT2ならびにMT2の絶対値をダイナミックレンジWの25%(1/4)に設定した事例である。この場合、図15の(b)に比べて補正信号12は大きく設定できるので、衝撃印加後の位置偏差信号S6の値は、図15(b)に比べて小さくなっていることが確認でき、そのピーク値はWの下限と等しい程度となっている。
図17(b)で、第1の位置制御偏差評価手段の閾値PT1及び、MT1、並びに第2の位置制御偏差評価手段の閾値PT2及びMT2は、同図(a)と同一であり、第3の位置制御偏差評価手段の閾値PT3及びMT3の絶対値をWの43.75%(7/16)に設定した事例である。この場合、図17の(a)に比べて補正信号12をさらに大きく設定できるので、衝撃印加後の位置偏差信号S6の値は、図17(a)に比べてさらに小さくなっていることが確認でき、その値はダイナミックレンジWの範囲内に収まっている。
このように補正信号発生手段及び補正信号発生手段の数を増やせば、衝撃等の突発的かつ過大な外乱に対しても補正信号S12を適正に印加することが可能となるため、位置偏差信号S6の増大を防ぐことができる。
例えば、光ディスク装置が外部剛体と衝突した場合などに生じるインパルス状の衝撃波外乱が作用しても、制御偏差を抑圧することができ、制御外れのように致命的な事象が発生しにくい装置が実現する。
実施の形態4.
実施の形態4は、装置量産時における光ピックアップの位置偏差検出手段6の検出感度バラツキや、経時変化等が発生しても、これを検出し、検出結果に基づいて閾値や偏差信号の感度を補正することで、常に安定した動作を実現できる構成について説明する。
実施の形態1乃至3で説明した位置制御偏差抑圧制御手段100において、位置制御偏差評価手段11の評価基準となる閾値は、光ピックアップの許容偏差量に対応した値に設定されることが望ましい。
光ピックアップの位置偏差検出手段6の検出感度には、バラツキがあるため、位置偏差信号S6を固定された閾値で評価すると、実際の偏差(光ディスクに対する光ピックアップの相対位置誤差)の閾値がばらつく。上記の検出感度が高い場合、閾値に対応する光ピックアップの相対位置誤差は小さくなり、位置制御偏差抑圧制御手段100の動作にハンチングが起きる可能性がある。
一方、上記検出感度が低い場合、閾値に対応する光ピックアップの相対位置誤差は大きくなり、光ピックアップの相対位置誤差がかなり大きくなるまで補正信号が加えられず、所望の性能(位置制御偏差抑圧効果)が得られない可能性がある。
このような問題は、上記のように、位置偏差信号検出手段6の検出感度が変化することに起因している。そこで、本実施の形態では、上記の検出感度を検出し、検出結果に基づいて閾値を変更することにより、問題の解決を図っている。
図18は、本発明の実施の形態4の光ディスク装置を示すブロック図である。図示のようにこの実施の形態の光ディスクは、実施の形態1〜3の構成に、位置偏差信号検出感度検出手段18と、閾値設定手段19とを付加した構成となっている。
位置偏差信号検出感度検出手段18は、フォーカス制御の場合は、フォーカス引き込みの前の時点で行われるフォーカスサーチ時におけるSカーブの振幅を測定し、Sカーブ基準値に対する比を検出する機能を持つ。トラック制御の場合は、トラック引き込みの前の時点における溝横断信号の振幅を測定し、溝横断信号振幅基準値に対する比を検出する機能を持つ。
閾値設定手段19は、前記位置偏差信号検出感度検出手段18が検出した比の値を入力とし、閾値基準値(予め制御偏差抑圧制御手段100内の位置制御偏差評価手段11(11a、11b)に設定されている値)に対し前記比を乗算した結果を補正した閾値として位置制御偏差評価手段11(11a、11b)に設定する機能を持つ。
上記のような構成によって、装置量産時における光ピックアップの位置偏差検出手段6の検出感度のバラツキや、経時変化等が発生しても、常に安定した位置制御偏差抑圧制御動作を実現することができる。
なお、上記のように閾値設定手段19で閾値を補正するのではなく、位置偏差検出手段6の出力側に、位置偏差信号S6を受けてそれに上記の比を乗算し、乗算結果を位相補償手段7、位置制御偏差抑圧制御手段100に供給することとしても良い。こうすることで、位置偏差信号S6の感度を補正することができる。
実施の形態5.
実施の形態5は、装置量産時における光ピックアップの駆動手段の駆動感度バラツキや、経時変化等が発生しても、これを検出し、検出結果に基づいて補正信号の振幅を補正することで、常に安定した動作を実現できる構成について説明する。
実施の形態1〜4で説明した位置制御偏差抑圧制御手段100において、補正信号S12(あるいはS100)は、駆動手段の駆動感度が一定であることが望ましい。しかしながら光ピックアップにおいては、駆動手段であるアクチュエータの駆動感度にバラツキがあるため、補正信号S12を固定の振幅で出力すると、下記のように所定の性能が得られない場合がある。即ち、上記駆動感度が高い場合、補正信号S12に対する駆動手段の動作量が大きすぎて、ハンチングを起こす可能性があり、一方、上記駆動感度が低い場合、補正信号S12に対する駆動手段の動作量が小さすぎて、位置制御偏差抑圧制御手段100の位置偏差抑圧効果が劣化し、所望の性能が得られない可能性がある。
この問題は、駆動手段の駆動感度が変化することに起因している。そこで、本実施の形態では、上記駆動感度を検出し、検出結果に基づいて補正信号S12の振幅を変更することにより、問題の解決を図っている。
図19は、本発明の実施の形態5の光ディスク装置を示すブロック図である。図示のようにこの実施の形態の光ディスクは、実施の形態4の構成に、ループゲイン調整手段20と、駆動手段駆動感度検出手段21と、補正信号振幅設定手段22を付加した構成となっている。
ループゲイン調整手段20は、位置偏差信号検出手段6から出力される偏差信号S6を浮け、ループゲインを調整し、調整の結果得られる信号を位相補償手段7と駆動手段駆動感度検出手段21に供給する。
ループゲイン調整手段20は、位置制御系のオープンループゲイン特性を所定の値に調整する機能を持つもので、ループゲインを測定する機能とループゲインを所定値に調整する機能を持つ。これは現在市販されている一般的な光ディスク制御用のLSIに組み込まれている機能である。ループゲイン変動の主な原因は、位置偏差検出手段6の検出感度のバラツキ、及び駆動手段の駆動感度のバラツキである。
駆動手段駆動感度検出手段21は、駆動手段の駆動感度を検出する機能を持つ。前述の通り、ループゲイン調整手段20は、位置偏差検出手段6の検出感度のバラツキ、及び駆動手段の駆動感度のバラツキに起因したゲイン変動を測定し、調整する機能を持つ。そこで制御LSIにおけるループゲイン調整手段20の調整結果を参照すれば、基準設定ゲインに対する変動分を検出することができる。この変動分は、位置偏差検出手段6の検出感度のバラツキ、及び駆動手段の駆動感度のバラツキに起因したものであり、位置偏差検出手段6の検出感度のバラツキについては、実施の形態4で説明した位置偏差信号検出感度検出手段18によって検出可能なので、この結果にも基づいて駆動手段の駆動感度変動を逆算することができる。このように駆動手段駆動感度検出手段21は、ループゲイン調整手段20の調整結果と、位置偏差信号検出感度検出手段18の検出結果から駆動手段の駆動感度を検出し、駆動感度基準値に対する比を演算し出力する機能を持つ。
補正信号振幅設定手段22は、前記駆動手段駆動感度検出手段21の検出した比の値を入力とし、補正信号振幅基準値(例えば、予め制御偏差抑圧制御手段100内の補正信号発生手段12(12a、12b)に設定されている値)に対し前記比を乗算した結果を補正した補正信号振幅として補正信号発生手段12(12a、12b)に設定(再設定)する機能を持つ。
上記のような構成によって、装置量産時における光ピックアップのアクチュエータ即ち駆動手段の駆動感度のバラツキや、経時変化等が発生しても、常に安定した位置制御偏差抑圧制御動作を実現することができる。
なお、上記のように、位置偏差信号検出感度検出手段18、ループゲイン調整手段20、駆動手段駆動感度検出手段21によって駆動感度を検出する代わりに、他の構成、例えば所定周波数の正弦波を駆動手段に供給し、その周波数における位置偏差信号S6の振幅情報から駆動感度を検出するようにしても良い。
本発明の実施の形態1の光ディスク装置を示すブロック図である。 図1の光ディスク装置における位置制御偏差信号S6の時間変化の一例を示した図である。 図1の位置制御偏差評価手段11の機能ブロック図である。 図1の位置制御偏差評価手段11の判定機能動作を説明するブロック図である。 図1の補正信号発生手段12の機能を真理表で表したブロック図である。 印加加速度に対する位置偏差信号及び補正信号の具体例を示す。 図6の右側の図を拡大して示す図である。 本発明の実施の形態2で用いられる、離散化構成の制御偏差抑圧制御手段100の構成を示すブロック図である。 図8の進みフィルタ手段15の一例を示すブロック図である。 進みフィルタ手段15の動作を示す図である。 光ディスク再生時における制御偏差抑圧制御の動作を示すフローチャートである。 図11のステップST2の進みフィルタ処理(処理A)の詳細を示すフローチャートである。 図11のステップST3の位置制御偏差評価処理(処理B)の詳細を示すフローチャートである。 図11のステップST4の、補正信号決定処理(処理C)の詳細を示すフローチャートである。 光ディスク装置の、インパルス状外乱に対する位置制御偏差の変動を示す図である。 本発明の実施の形態3で用いられる制御偏差抑圧制御手段100の構成を示すブロック図である。 図16の構成を用いた場合の、図15と同じ印加加速度条件における位置制御偏差の変動を示す図である。 本発明の実施の形態4の光ディスク装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5の光ディスク装置を示すブロック図である。
符号の説明
1 光ディスク、 2 光照射手段、 3 対物レンズ、 4 光電変換素子、 5 ハーフミラー、 6 位置偏差信号検出手段、 7 位相補償手段、 8 加算手段、 9 ドライバアンプ、 10 アクチュエータ駆動コイル、 11 位置制御偏差評価手段、 12 補正信号発生手段、 13 スイッチ手段、 14 A/D変換手段、 15 進みフィルタ手段、 16 D/A変換手段、 17 加算手段、 18 位置偏差信号検出感度検出手段、 19 閾値設定手段、 20 ループゲイン調整手段、 21 駆動手段駆動感度検出手段、 22 補正信号振幅設定手段。

Claims (9)

  1. 光ディスクに光スポットを形成するために光を照射する光照射手段と、
    駆動制御信号に基づき、前記光ディスクに対する対物レンズの相対的位置を変化させる駆動手段と、
    前記光ディスクからの反射光に関連した反射光情報を検出する光電変換手段と、
    前記反射光情報を基に対物レンズと光ディスクとの相対位置誤差を検出する位置偏差信号検出手段と、
    位置偏差信号検出手段から得た位置偏差信号に基づき、前記所定の操作における制御量を規定した制御信号を発生する制御信号発生手段とを備えた装置において、
    前記位置偏差信号を評価する位置制御偏差評価手段と、
    前記位置制御偏差評価手段の評価結果に基づいて補正信号を出力する補正信号発生手段と、
    前記補正信号を前記制御信号とを加算して、前記駆動制御信号を生成する加算手段と、
    前記補正信号発生手段と前記加算手段の間に設けられ、前記制御信号に対して前記補正信号の加算をオン/オフするスイッチ手段と
    を具備することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記位置制御偏差評価手段は、前記位置制御偏差信号を入力とし、判定閾値として前記位置制御偏差信号の基準電位に対し所定のプラス側閾値と所定のマイナス側閾値を持ち、前記入力が前記プラス側閾値以上であるか(状態1)、前記入力が前記マイナス側閾値と前記プラス側閾値の間であるか(状態2)、前記入力がマイナス側閾値以下であるか(状態3)の3つの状態のいずれであるかを判定する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記補正信号発生手段は、前記位置制御偏差評価手段による判定結果を入力とし、前記判定結果が前記状態1あるいは状態3であれば、前記駆動手段に対して位置制御偏差が小さくなる方向に所定の値の補正信号を前記判定結果が状態2になるまで印加する機能を有することを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記位置制御偏差評価手段と前記補正信号発生手段をディジタル回路、又はディジタル演算によるファームウェアとして機能実現するとともに、前記位置制御偏差評価手段中に離散化された位置制御偏差の離散化周波数付近の高域成分を増幅する機能を持った進みフィルタ手段を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
  5. 前記進みフィルタ手段は、下記の式(1)で示される予測型ホールド手段であることを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
    out(t)=in(t)+K{in(t)−in(t−1)} …(1)
    ここで
    in(t)は、ある時点t(tは自然数)における入力
    in(t−1)は、上記ある時点tよりも1サンプリング間隔前の時点(t−1)における入力、
    out(t)は、上記ある時点tにおける出力、
    Kは時間予測係数である。
  6. 前記位置制御偏差評価手段が複数個設けられ、
    前記補正信号発生手段が、それぞれ前記位置制御偏差評価手段に対応して複数個設けられ、
    前記複数個の位置制御偏差評価手段は、評価閾値がそれぞれ異なり、
    前記加算手段は、前記複数個の補正信号発生手段の出力をすべて加算することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
  7. さらに前記位置制御偏差の検出感度を測定する位置制御偏差検出感度測定手段を具備し、
    前記位置制御偏差検出感度測定手段の情報から、前記位置制御偏差評価手段の評価閾値を決定することを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
  8. さらに前記駆動手段の駆動感度を測定する駆動感度測定手段とを具備し、前記駆動感度測定手段の情報から、前記補正信号発生手段の補正信号の振幅を決定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
  9. 前記スイッチ手段は、前記制御信号発生手段が過渡的な状態にあるときに、前記加算をオフすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
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