JP2005250363A - 双眼拡大鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】収差が発生しないパララックスの補正機構を備える双眼拡大鏡を提供する。
【解決手段】光軸に対して前後方向に移動して焦点調節または変倍操作を行う対物レンズ1L、1Rと、接眼レンズ3L、3Rとを備える左右2つの光学系を有する双眼拡大鏡である。対物レンズ1L、1Rの前方に、等しい偏角を有し、前記対物レンズ1の前後方向への移動に連動して光軸に対して互いに逆方向に回転する左右2枚のウェッジプリズム2L、2Rを備える。観察物との距離に応じて観察物からの光の光路を変化させ、観察物を常に視野の中心で観察することができる。したがって、対物レンズ1L、1Rの光軸と、接眼レンズ3L、3Rの光軸とを一致させた状態で焦点調節または変倍操作を行うことができ、コマ収差を発生させずにパララックスの補正をすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】光軸に対して前後方向に移動して焦点調節または変倍操作を行う対物レンズ1L、1Rと、接眼レンズ3L、3Rとを備える左右2つの光学系を有する双眼拡大鏡である。対物レンズ1L、1Rの前方に、等しい偏角を有し、前記対物レンズ1の前後方向への移動に連動して光軸に対して互いに逆方向に回転する左右2枚のウェッジプリズム2L、2Rを備える。観察物との距離に応じて観察物からの光の光路を変化させ、観察物を常に視野の中心で観察することができる。したがって、対物レンズ1L、1Rの光軸と、接眼レンズ3L、3Rの光軸とを一致させた状態で焦点調節または変倍操作を行うことができ、コマ収差を発生させずにパララックスの補正をすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、外科手術等で用いる手術用の双眼拡大鏡に関する。
双眼拡大鏡では、術者の頭部に筐体を装着し、左右の目にそれぞれ別の光学系を用いて観察物を観察することにより、遠近感を生じさせ立体視を可能にしている(例えば、特許文献1参照)。
複数の光学系によって観察物を観察する場合、観察物の位置が前後すると、それぞれの光学系の視野ずれ(パララックス)は大きくなる。この傾向は倍率が高くなるほど強い。
パララックスを補正するために、対物レンズや接眼レンズをそれぞれ光軸方向や光軸に垂直な方向に動かして光軸を補正する方法があった(例えば、特許文献2参照)。
特許3429529号明細書
特許3375407号明細書
しかし、対物レンズや接眼レンズを光軸方向に動かす機構や光軸に垂直な方向に動かす機構を設けると、装置が大型化し重量が増え、装着する術者が疲労しやすくなる。また装置の価格が上昇するという問題があった。
また、パララックスを補正するために、対物レンズの光軸と接眼レンズの光軸とをずらすことで、コマ収差が発生するという問題もあった。
本発明の課題は、収差が発生しないパララックスの補正機構を備える双眼拡大鏡を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、図1に示すように、光軸に対して前後方向に移動して焦点調節または変倍操作を行う対物レンズ1L、1Rと、接眼レンズ3L、3Rとを備える左右2つの光学系を有する双眼拡大鏡において、前記対物レンズ1L、1Rの前方に、等しい偏角を有し、前記対物レンズ1L、1Rの前後方向への移動に連動して光軸に対して互いに逆方向に回転する左右2枚のウェッジプリズム2L、2Rを備えることを特徴とする。
無限遠方の観察物を観察する時には、ウェッジプリズム2L、2Rを、図2(a)に示すように、上に向かって厚くなるように配置する。また、図2(a)に示すように、双眼拡大鏡全体を前側が下となるように傾斜させて配置する。このとき、観察物からの光は、図2(a)に示すように、無限遠方から平行にウェッジプリズム2L、2Rに入射して屈折し、図1に示すように、平行に各対物レンズ1L、1Rに入射する(光路A)。
最至近の観察物を観察する時には、ウェッジプリズム2L、2Rを互いに逆方向に90°ずつ回転させ、図1に実線で示すように、ウェッジプリズム2L、2Rをともに装置の中心側に向かって厚くなるように配置する。また、図2(b)に示すように、双眼拡大鏡全体を水平に配置する。このとき、装置の中心軸lの前方の観察物からの光は、ウェッジプリズム2L、2Rでそれぞれ屈折し、図1に示すように、無限遠方の観察物を観察する時と同じ光路を通って対物レンズ1に入射する(光路B)。
観察物が最至近の位置と無限遠方の位置との間にあるときには、ウェッジプリズム2L、2Rを図2(a)と図2(b)との間で0〜90°回転させるとともに、双眼拡大鏡の角度を図2(a)と図2(b)との間で変えることで、常に観察物からの光を視野の中心に入射させることができる。
このように、請求項1に記載の発明によれば、等しい偏角を有するウェッジプリズム2L、2Rを各対物レンズ1L、1Rの前方に設け、対物レンズ1L、1Rの前後方向への移動に連動して光軸に対して互いに逆方向に回転させることで、観察物との距離に応じて観察物からの光の光路を変化させ、観察物を常に視野の中心で観察することができる。したがって、対物レンズ1L、1Rの光軸と接眼レンズ3L、3Rの光軸とを一致させた状態で焦点調節または変倍操作を行うことができ、コマ収差を発生させずにパララックスの補正をすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の双眼拡大鏡において、図6に示すように、前記各光学系は、前記対物レンズ1L、1Rの前方に、等しい偏角を有し、前記対物レンズ1L、1Rの前後方向への移動に連動して光軸に対して互いに逆方向に回転する前後2枚のウェッジプリズム2(前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bR)をそれぞれ備えることを特徴とする。
無限遠方位置の観察物を観察する時には、例えば図7(a)に示すように、一方のウェッジプリズム2(前側プリズム2aL、2aR)を下に向かって厚くなるように配置するとともに、他方のウェッジプリズム2(後側プリズム2bL、2bR)を上に向かって厚くなるように配置する。このとき、2枚のウェッジプリズム2が上下反対方向の偏角を有するため、観察物からの光は無限遠方からほぼ一直線に対物レンズ1に入射する(光路A)。
一方、最至近の位置の観察物を観察する時には、2枚のウェッジプリズム2を図7の位置から互いに逆方向に90°ずつ回転し、図7(b)に示すように、ウェッジプリズム2の厚い側の端部が装置の中心側にくるようにする。このとき、装置の中心軸の前方の観察物からの光は、2枚のウェッジプリズム2で屈折し、無限遠方の観察物を観察する時と同じ光路を通って対物レンズ1に入射する(光路B)。
観察物が無限遠方位置と最至近の位置の間にあるときには、2枚のウェッジプリズム2を0〜90°の間で互いに逆方向に回転させることで、観察物からの光を常に対物レンズ1の光軸と平行に入射させることができる。
このように、請求項2に記載の発明によれば、等しい偏角を有する前後2枚のウェッジプリズム2を設け、対物レンズ1の前後方向への移動に連動して光軸に対して互いに逆方向に回転させることで、観察物との距離に応じて観察物からの光の光路を水平方向に変化させ、観察物を常に視野の中心で観察することができる。したがって、対物レンズ1の光軸と接眼レンズ3の光軸とを一致させた状態で焦点調節または変倍操作を行うことができ、コマ収差を発生させずにパララックスの補正をすることができる。また、観察物との距離に応じて観察物からの光の光路を水平方向に変化させるため、観察物との距離に応じて観察姿勢を変える必要がない。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の双眼拡大鏡において、図8〜図12に示すように、前記対物レンズ1は装置の前後方向に設けられたシャフト5に螺合した対物レンズ支持材10により支持され、前記ウェッジプリズム2の外周部には円形のギア部22L、22Rが設けられ、前記シャフト5の前端には前記ギア部22L、22Rと噛合するギア列6a、6bが設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、シャフト5を回転させることにより対物レンズ1L、1Rを支持した対物レンズ支持材10を前後に移動すると同時に、シャフト5の回転をギア列6a、6bによりギア部22L、22Rに伝達することで、ウェッジプリズム2を回転させることができるため、対物レンズ1L、1Rの前後方向への移動に連動してウェッジプリズム2を回転させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の双眼拡大鏡において、前記ウェッジプリズム(ウェッジプリズム2L、2R、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bR)は色消しプリズムであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記ウェッジプリズム2(ウェッジプリズム2L、2R、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bR)は色消しプリズムであるため、色収差を低減することができる。
本発明によれば、対物レンズの光軸と接眼レンズの光軸とを一致させた状態で焦点調節または変倍操作を行うことができ、収差を発生させずにパララックスの補正をすることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1及び図2は本発明の双眼拡大鏡の実施の形態を示す概念図であり、図1は平面図、図2は側面図である。本発明の双眼拡大鏡は、図1に示すように、装置の中心軸lに対して左右対称な2つの光学系を有する。
各光学系は、接眼レンズ3L、3Rと、正立プリズム4L、4Rと、対物レンズ1L、1Rとを備える。この双眼拡大鏡では、対物レンズ1を前後方向に移動することで焦点調節、及び変倍操作を行う。遠位置の観察物を観察する時は、図1に2点鎖線で示したように、対物レンズ1L、1Rを最後方に位置させる。また、最至近の観察物を観察する時は、図1に実線で示したように、対物レンズ1L、1Rを最前方まで移動する。
また、各対物レンズ1L、1Rの前方には、それぞれウェッジプリズム2L、2Rが設けられている。ウェッジプリズム2L、2Rは光軸に対して回転自在に設けられている。なお、色収差を低減するために、接眼レンズ3L、3R及び対物レンズ1L、1Rには色消しレンズを用いることが好ましく、ウェッジプリズム2L、2Rには色消しプリズムを用いることが好ましい。
無限遠方の観察物を観察する時は、ウェッジプリズム2L、2Rを、図2(a)に示すように、上に向かって厚くなるように配置する。また、図2(a)に示すように、双眼拡大鏡全体を前側が下となるように傾斜させて配置する。このとき、観察物からの光は、図2(a)に示すように、無限遠方から平行にウェッジプリズム2L、2Rに入射して屈折し、図1に示すように、平行に各対物レンズ1L、1Rに入射する(光路A)。なお、ウェッジプリズム2L、2Rを下に向かって厚くなるように配置するとともに、双眼拡大鏡全体を前側が上になるように傾斜させて配置してもよい。
最至近の観察物を観察する時は、ウェッジプリズム2L、2Rを互いに逆方向に90°ずつ回転させ、図1に実線で示すように、ウェッジプリズム2L、2Rをともに装置の中心側に向かって厚くなるように配置する。また、図2(b)に示すように、双眼拡大鏡全体を水平に配置する。このとき、装置の中心軸lの前方の観察物からの光は、ウェッジプリズム2L、2Rでそれぞれ屈折し、図1に示すように、無限遠方の観察物を観察する時と同じ光路を通って対物レンズ1に入射する(光路B)。
観察物が最至近の位置と無限遠方の位置との間にあるときには、ウェッジプリズム2L、2Rを図2(a)と図2(b)との間で0〜90°回転させるとともに、双眼拡大鏡の角度を図2(a)と図2(b)との間で変えることで、常に観察物からの光を視野の中心に入射させることができる。
次に、本実施の形態における双眼拡大鏡の対物レンズ1の前後方向への移動と、ウェッジプリズム2L、2Rの回転とを連動させる駆動機構について例を挙げて説明する。図3において、対物レンズ1は対物レンズ支持材10に支持されており、ウェッジプリズム2L、2Rは、ウェッジプリズム支持材20L、20Rによりそれぞれ支持されている。ウェッジプリズム支持材20L、20Rは、双眼拡大鏡の筐体21により、径方向に回動自在に支持されている。
ウェッジプリズム支持材20L、20Rは、図4に示すように、外周が円形であり、その中心にウェッジプリズム2L、2Rをそれぞれ支持している。また、左右のウェッジプリズム支持材20L、20Rの外周部には、それぞれギア部22L、22Rが設けられている。左右のギア部22L、22Rは互いに噛合しており、ウェッジプリズム2L、2Rを同期させて互いに逆方向に回転させる。
双眼拡大鏡のほぼ中心部分には、シャフト5が前後方向に設けられている。シャフト5の外周面にはネジが切られており、対物レンズ支持材10が螺合している。また、シャフト5の後部には、シャフト5を径方向に回転させる図示しないモーターが設けられている。
また、シャフト5の前部には、ギア列6が設けられている。ギア列6は、図4に示すように、それぞれシャフト5と一体に設けられたギア61と、ギア61と噛合している伝達ギア62とからなる。伝達ギア62は、シャフト5の回転をギア部22L、22Rのいずれか一方に伝達する。
対物レンズ支持材10は、図5に示すように、左右の対物レンズ1を支持されている。また、対物レンズ支持材10の中央には、シャフト5と螺合するナット11が固定されている。対物レンズ支持材10は、シャフト5が径方向に回転させることにより、前後方向に移動する。
上記構造によれば、シャフト5を回転させることで、対物レンズ1L、1Rを前後動させると同時に、ウェッジプリズム2L、2Rを回転させることができる。なお、無限遠方から最至近距離まで観察物が移動するときの対物レンズ1L、1Rの前後方向の移動量、及び、ウェッジプリズム2L、2Rの回転角度は、シャフト5のネジピッチと、ギア61、伝達ギア62、及びギア部22L、22Rのギア比とを調整することにより調整することができる。
以上の構造を有する双眼拡大鏡では、シャフト5をモーターで回転させることで、対物レンズ1を前後方向に移動すると同時に、前後のウェッジプリズム2を回転させることができ、焦点調節または変倍操作と同時にパララックスの補正をすることができる。
また、本発明の双眼拡大鏡では、対物レンズ1を光軸に沿って動かすことで焦点調節または変倍操作と同時にパララックスの補正をする。このため、観察物が無限遠方にある場合でも、最至近位置にある場合でも、対物レンズ1及び接眼レンズ3の光軸は常に一致させておくことができる。したがって、コマ収差の発生を防ぐことができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、図6に示すように、各対物レンズ1L、1Rの前方に、前後2枚のウェッジプリズム2(前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bR)がそれぞれ設けられている点である。なお、ウェッジプリズム2L、2Rと同様に、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bRには色消しプリズムを用いることが好ましい。
前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bRは、それぞれ光軸に対して回転自在に設けられている。無限遠方の観察物を観察する時は、図7(a)に示すように、前側プリズム2aL、2aR、または後側プリズム2bL、2bRのいずれか一方を下に向かって厚くなるように配置するとともに、他方を上に向かって厚くなるように配置する。このとき、前後のウェッジプリズム2は互いに反対方向の偏角を有するため、観察物からの光は無限遠方から平行に各対物レンズ1L、1Rに入射する(光路A)。
なお図7(a)においては、前側プリズム2aL、2aRを下に向かって厚くなるように配置するとともに、後側プリズム2bL、2bRを上に向かって厚くなるように配置したが、前側プリズム2aL、2aRを上に向かって厚くなるように配置するとともに、後側プリズム2bL、2bRを下に向かって厚くなるように配置してもよい。
最至近の観察物を観察する時は、前側プリズム2aL、2aRと、後側プリズム2bL、2bRとを互いに逆方向に90°ずつ回転させ、図7(b)に示すように、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bRをともに装置の中心側に向かって厚くなるように配置する。このとき、装置の中心軸lの前方の観察物からの光は、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bRでそれぞれ1回ずつ屈折し、図6に示すように、無限遠方の観察物を観察する時と同じ光路を通って対物レンズ1に入射する(光路B)。
観察物が最至近の位置と無限遠方の位置との間にあるときには、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bRを図7(a)と図7(b)との間で0〜90°回転させることで、常に観察物からの光を視野の中心に入射させることができる。
次に、本実施の形態における双眼拡大鏡の対物レンズ1の前後方向への移動と、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bRの回転とを連動させる駆動機構について例を挙げて説明する。
図8において、対物レンズ1は、第1の実施の形態と同様に、対物レンズ支持材10に支持されている。また、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bRは、前後左右4つのウェッジプリズム支持材20aL、20aR、20bL、20bRによりそれぞれ支持されている。ウェッジプリズム支持材20aL、20aR、20bL、20bRは、双眼拡大鏡の筐体21により、径方向に回動自在に支持されている。
ウェッジプリズム支持材20aL、20aR、20bL、20bRは、図9、図10に示すように、外周が円形であり、その中心に前側プリズム2aL、2aR、後側プリズム2bL、2bRのいずれか1つを支持している。また、左右のウェッジプリズム支持材20aL、20aR、20bL、20bRの外周部には、それぞれギア部22L、22Rが設けられている。左右のギア部22L、22Rは互いに噛合しており、前側プリズム2aL、2aR同士、及び後側プリズム2bL、2bR同士を同期させて逆方向に回転させる。
また、第1の実施の形態と同様に、双眼拡大鏡のほぼ中心部分には、シャフト5が前後方向に設けられている。シャフト5の外周面にはネジが切られており、第1の実施の形態と同様の対物レンズ支持材10が螺合している。また、シャフト5の後部には、シャフト5を径方向に回転させる図示しないモーターが設けられている。
また、シャフト5の前部には、ギア列6a、6bが設けられている。ギア列6a、6bは、図9、図10に示すように、それぞれシャフト5と一体に設けられたギア61と、ギア61と噛合している伝達ギア62とからなる。伝達ギア62は、シャフト5の回転をギア部22L、22Rのいずれか一方に伝達する。
無限遠方から最至近距離まで観察物が移動するときの対物レンズ1の前後方向の移動量、及び、ウェッジプリズム2a、2bの回転角度は、シャフト5のネジピッチと、ギア61、伝達ギア62、及びギア部22a、22bのギア比とを調整することにより合わせる。
前側プリズム2aLと後側プリズム2bL、前側プリズム2aRと後側プリズム2bRとを互いに逆方向に回転させる駆動機構について以下に説明する。前側のギア列6aでは、図9に示すように、伝達ギア62が左側のギア部22Lにシャフト5の回転を伝達する。
一方、後側のギア列6bでは、図10に示すように、伝達ギア62が右側のギア部22Rにシャフト5の回転を伝達する。このように、シャフト5の回転を前後のギア列6で左右反対のギア部22に伝達することで、前側プリズム2aLと後側プリズム2bL、前側プリズム2aRと後側プリズム2bRとを反対方向に回転させることができる。
なお、前側のギア列6aで図10に示すように、伝達ギア62が右側のギア部22Rにシャフト5の回転を伝達し、後側のギア列6bで図9に示すように、伝達ギア62が左側のギア部22Lにシャフト5の回転を伝達することで、前側プリズム2aLと後側プリズム2bL、前側プリズム2aRと後側プリズム2bRとを反対方向に回転させるようにしてもよい。
また、図11及び図12に示すように、前側のギア列6aで、伝達ギア62を2つにし、2つの伝達ギア62を介してギア部22R(または22L)にシャフト5の回転を伝達するとともに、後側のギア列6bでは、図10に示すように、1つの伝達ギア62を介して右側のギア部22R(または22L)にシャフト5の回転を伝達することで、前側プリズム2aLと後側プリズム2bL、前側プリズム2aRと後側プリズム2bRとを反対方向に回転させるようにしてもよい。
逆に、前側のギア列6aでは、図10に示すように、1つの伝達ギア62が右側のギア部22R(または22L)にシャフト5の回転を伝達するとともに、後側のギア列6bでは、伝達ギア62を2つにし、2つの伝達ギア62を介して右側のギア部22R(または22L)にシャフト5の回転を伝達することで、前側プリズム2aLと後側プリズム2bL、前側プリズム2aRと後側プリズム2bRとを反対方向に回転させるようにしてもよい。
本実施の形態の双眼拡大鏡によれば、左右の光学系が前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2bL、2bRを用いることで、無限遠方の観察時にも、また近位置の観察時にも、双眼拡大鏡を傾けることなく同じ姿勢で観察することができる。
なお、図9、図10、及び図12においては、前側プリズム2aL、2aR、及び後側プリズム2aL、2aRとして、円形のウェッジプリズムを用いたが、図7に示すような方形のウェッジプリズムを用いてもよい。
また、以上の実施の形態においては、ウェッジプリズムを回転させるのにギア列を用いたが、ベルト等の動力伝達機構を用いてもよいし、ウェッジプリズム及び対物レンズにそれぞれ独立の動力機構を用いるとともに、これらを同期させて駆動してもよい。
また、本発明の双眼拡大鏡は、両目で観察するための左右対称な2つの光学系の他に、例えばビデオ撮影用等、他の光学系を有していてもよい。その他具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることはもちろんである。
1L、1R 対物レンズ
10 対物レンズ支持材
2 ウェッジプリズム
2aL、2aR 前側プリズム
2bL、2bR 後側プリズム
22L、22R ギア部
3L、3R 接眼レンズ
5 シャフト
6a、6b ギア列
10 対物レンズ支持材
22L、22R ギア部
10 対物レンズ支持材
2 ウェッジプリズム
2aL、2aR 前側プリズム
2bL、2bR 後側プリズム
22L、22R ギア部
3L、3R 接眼レンズ
5 シャフト
6a、6b ギア列
10 対物レンズ支持材
22L、22R ギア部
Claims (4)
- 光軸に対して前後方向に移動して焦点調節または変倍操作を行う対物レンズと、接眼レンズとを備える左右2つの光学系を有する双眼拡大鏡において、前記対物レンズの前方に、等しい偏角を有し、前記対物レンズの前後方向への移動に連動して光軸に対して互いに逆方向に回転する左右2枚のウェッジプリズムを備えることを特徴とする双眼拡大鏡。
- 前記各光学系は、前記対物レンズの前方に、等しい偏角を有し、前記対物レンズの前後方向への移動に連動して光軸に対して互いに逆方向に回転する前後2枚のウェッジプリズムをそれぞれ備えることを特徴とする請求項1に記載の双眼拡大鏡。
- 前記対物レンズは装置の前後方向に設けられたシャフトに螺合した対物レンズ支持材により支持され、
前記ウェッジプリズムの外周部には円形のギア部が設けられ、
前記シャフトの前端には前記ギア部と噛合するギア列が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の双眼拡大鏡。 - 前記ウェッジプリズムは色消しプリズムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の双眼拡大鏡。
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