JP2005250196A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特定色のトナーを有する複数のカートリッジを選択的に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジ内のトナーを用いて印刷動作を実行可能な画像形成装置において、上記特定色の印刷を大量に、しかも効率よく行うとともに、短時間で上記特定色の印刷が可能な状態とする。
【解決手段】 印刷動作の実行に先立って、現像ユニットに装着された現像カートリッジについてカートリッジの使用可否を判定している。そして、使用可能カートリッジのうちの選択カートリッジ対してのみ印刷準備動作を実行してしている。したがって、時間的および経済的な効率を高めることができる。しかも、モノクロ印刷を大量に、しかも効率的に行うことができる。また、ユーザーの待ち時間を短縮することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 印刷動作の実行に先立って、現像ユニットに装着された現像カートリッジについてカートリッジの使用可否を判定している。そして、使用可能カートリッジのうちの選択カートリッジ対してのみ印刷準備動作を実行してしている。したがって、時間的および経済的な効率を高めることができる。しかも、モノクロ印刷を大量に、しかも効率的に行うことができる。また、ユーザーの待ち時間を短縮することができる。
【選択図】 図3
Description
この発明は、特定色のトナーを有する複数のカートリッジを選択的に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジ内のトナーを用いて印刷動作を実行する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
従来より、複数の現像カートリッジを用いて画像を形成する画像形成装置が広く知られている。例えば特許文献1には、回転軸を中心として4本の現像カートリッジを放射状に配置したロータリー現像ユニットを備えたカラー画像形成装置が記載されている。この装置では、その回転軸を回転駆動することによって4個の現像カートリッジのうちの一の現像カートリッジを選択的に感光体などの潜像担持体に対向位置決めして潜像担持体上の潜像を現像し、中間転写媒体上に転写する。そして、現像カートリッジを切り換えながら、上記と同様にして現像および転写処理を繰り返すことによって、複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成している。
また、上記したカラー画像形成装置では、カラー画像の印刷動作を実行するために、4本の現像カートリッジには互いに異なる色(イエロー、シアン、マゼンタおよびブラック)のトナーを収容している。そのため、上記画像形成装置を用いてモノクロ画像を印刷した場合、モノクロ専用の画像形成装置によりモノクロ画像を印刷する場合に比べてブラックトナーが不足するタイミングが早いという問題があった。そこで、このような問題を解消するために、イエロー用、シアン用および/またはマゼンタ用の現像カートリッジの配設位置にブラック用現像カートリッジを装着するとともに、一のブラック用現像カートリッジ内のブラックトナーがなくなると、別のブラック用現像カートリッジに切り換えてモノクロ印刷動作を実行する装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
ところで、現像カートリッジ内のトナーを用いて画像を良好に印刷するためには、該カートリッジに対して予め印刷準備動作を施しておく必要がある。この印刷準備動作の代表的なものとして最適化処理(パッチ処理)が実行される。例えば特許文献1に記載の装置では、印刷動作前の適当なタイミング、例えば装置の電源が投入された直後に、装置のウォーミングアップ後またはそれと並行して最適化処理(本発明の「条件制御処理」に相当)を実行する。この最適化処理では、画像品質に影響を与える濃度制御因子としての現像バイアスおよび露光パワーの最適値を、パッチ画像として形成したベタ画像またはハーフトーン画像の濃度検出結果に基づいて算出する。そして、印刷動作を実行する際に現像バイアスおよび露光パワーをそれぞれこうして求めた最適値に設定する。これによって、最適な印刷動作条件が得られる。そして、こうして最適化された印刷動作条件の下で印刷動作を実行することで、良好かつ安定した画像品質で画像を形成することができる。このように印刷準備動作の重要性に鑑みてカラー画像形成装置では、印刷準備動作について種々の提案がなされている。
これに対し、特許文献2に記載の装置、つまりブラックトナーを収容する現像カートリッジを複数本装着した装置では、良好な印刷動作を実行する上で重要な印刷準備動作について十分に考慮されていない。例えば複数のブラック用現像カートリッジを装着した装置では、現像カートリッジを選択的に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジ内のトナーを用いてモノクロ印刷を行うことで大量のモノクロ印刷を連続的に行うことができる。しかしながら、現像カートリッジの切換時点において、現像位置に位置決めしようとしているカートリッジに対する印刷準備動作が施されていない場合には、該カートリッジを使用した印刷動作に先立って印刷準備動作を実行しなければならず、モノクロ印刷が一時的に中断してしまう。その結果、大量印刷を効率的に行うことができないという問題が発生することがある。
そこで、現像ユニットに装着されたカートリッジに対する最適化処理として、例えば特許文献1に記載の最適化処理をそのまま適用することが考えられる。すなわち、現像ユニットに装着されたカートリッジを順番に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジに対する最適化処理を実行している。このため、例えばイエロー、シアン、マゼンタ用の現像カートリッジに代えて全てブラック用現像カートリッジを装着した場合には、印刷動作前に4回の最適化処理を繰り返すこととなる。
しかしながら、このように全現像カートリッジに対する最適化処理が完了した後でなければ、印刷動作を実行することができないため、ユーザーは印刷開始までに必要以上に待たされてしまう場合があった。例えば、上記したように電源投入直後やスリープモード(印刷待機状態)からの復帰時においてウォーミングアップ動作と並行して最適化処理が行われる場合について検討してみる。このようにウォーミングアップ動作と並行して最適化処理を実行することで時間を効率的に使うことができる。しかしながら、最適化処理の対象となる現像カートリッジの本数が増えると、その本数分だけ最適化処理に要するトータル時間が増大し、その結果、ウォーミングアップ動作が完了しているのも拘わらず、いくつかの現像カートリッジに対する最適化処理が未完となってしまうことがある。このような場合には、すでに最適化処理が完了した現像カートリッジを用いて印刷を開始することができるにも拘わらず、残りの最適化処理が完了するまで印刷を開始することができない。したがって、従来技術を単に組み合わせたのみでは、大量印刷という要求と、印刷可能状態となるまでの時間短縮という要求とをバランス良く満足することが困難となっている。
また、現像ユニットに装着された現像カートリッジに対して印刷準備動作を施すことによって該現像カートリッジを使用して印刷を常に行うことができるというわけではない。というのも、例えば現像ユニットに装着されたカートリッジに印刷動作を実行するのに必要なトナー量が残留していない場合には、事実上、印刷を実行することができないからである。したがって、印刷に使用不可な現像カートリッジであるにも拘わらず該現像カートリッジに対して印刷準備動作を実行することは時間および電源などを無駄に消費することとなり、時間的および経済的に非効率といわざるを得ない。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、特定色のトナーを有する複数のカートリッジを選択的に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジ内のトナーを用いて印刷動作を実行可能な画像形成装置において、上記特定色の印刷を大量に、しかも効率よく行うとともに、短時間で上記特定色の印刷が可能な状態とすること目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、静電潜像を担持可能な潜像担持体と、特定色のトナーを有する複数のカートリッジが着脱自在に設けられた現像ユニットと、前記現像ユニットに装着された複数のカートリッジを選択的に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジ内のトナーを用いて前記潜像担持体上の静電潜像を現像する印刷動作を実行する制御手段とを備え、カートリッジによる印刷動作を可能とするために該印刷動作の実行前に該カートリッジに対して行う動作を印刷準備動作としたとき、前記制御手段は、前記現像ユニットに装着された複数のカートリッジの各々についてカートリッジの使用可否を判定するとともに、M(M≧3)本のカートリッジが使用可能と判定されたとき、該M本のカートリッジのうちのN(M>N≧2)本のカートリッジを選択カートリッジとし、前記印刷準備動作を前記選択カートリッジについてのみ行うことを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成方法は、静電潜像を担持可能な潜像担持体と、特定色のトナーを有する複数のカートリッジが着脱自在に設けられた現像ユニットとを備え、前記現像ユニットに装着された複数のカートリッジを選択的に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジ内のトナーを用いて前記潜像担持体上の静電潜像を現像する印刷動作を実行する画像形成方法において、前記印刷動作の実行に先立って、前記現像ユニットに装着された複数のカートリッジの各々についてカートリッジの使用可否を判定する使用可否判定工程と、前記使用可否判定工程によりM(M≧3)本のカートリッジが使用可能と判定されたとき、該M本のカートリッジのうちのN(M>N≧2)本のカートリッジを選択カートリッジとし、前記選択カートリッジに対してのみカートリッジによる印刷動作を可能とするための印刷準備動作を行う準備工程とを実行することを特徴としている。
カートリッジに収容されるトナーを用いて静電潜像を現像する、つまり印刷動作を実行するためには、その印刷動作に先立って該カートリッジに対して印刷準備動作を実行しておく必要がある。ただし、印刷使用不可な現像カートリッジに対して印刷準備動作を施すことは時間的にも経済的にも浪費となってしまう。そこで、この発明では、まず印刷動作の実行に先立って、現像ユニットに装着されたカートリッジの各々についてカートリッジの使用可否を判断している。その上で、使用可能と判断されたM本のカートリッジ(以下「使用可能カートリッジ」という)のうちのN本のカートリッジを選択カートリッジとし、該選択カートリッジについてのみ印刷準備動作が行われる。したがって、使用不可なカートリッジ(以下「使用不可カートリッジ」という)に対する印刷準備動作が実行されるのを防止して時間的および経済的な浪費を回避することができ、効率を高めることができる。しかも、印刷準備動作を行った選択カートリッジのうちの一のカートリッジを用いて印刷動作を実行している間に、例えば該カートリッジ内のトナー残量が低下して印刷動作を行うことができなくなったとしても、直ちに上記選択カートリッジのうちの他のカートリッジに切り換えて印刷動作を継続させることができる。しかも、予め選択カートリッジに対して印刷準備動作を実行しているため、該選択カートリッジを選択的に切り換えながら各カートリッジ内のトナーを用いた印刷動作を連続的に実行することができる。したがって、上記特定色の印刷を大量に、しかも効率的に行うことができる。また、M本の使用可能カートリッジのうちの選択カートリッジに対しての印刷準備動作が終了すれば、印刷準備が完了する。よって、短時間で上記特定色の印刷が可能な状態とすることができるので、印刷準備動作のために必要以上にユーザーが待つのを予防して、ユーザーの待ち時間を短縮することができる。
ここで、カートリッジの使用可否判定は、カートリッジに対する印刷準備動作を実行することで該カートリッジによる印刷が可能となるか否かを判定する動作全般が含まれる。具体的には、次のような動作や処理が含まれる:
(1)現像ユニットへのカートリッジの装着有無に基づき該カートリッジの使用可否を判定する動作;
(2)現像ユニットに装着されたカートリッジが特定色のトナーを有するカートリッジであるか否かに基づき該カートリッジの使用可否を判定する動作;
(3)現像ユニットに装着されたカートリッジによる印刷動作を実行するのに必要なトナー量が該カートリッジに残留しているか否かに基づき該カートリッジの使用可否を判定する動作;
なお、これらの動作や処理の各々、または組み合わせたものが「カートリッジの使用可否判定」となるが、その内容自体は装置の構成や動作状況などに応じて適切なものを用いることができる。
(1)現像ユニットへのカートリッジの装着有無に基づき該カートリッジの使用可否を判定する動作;
(2)現像ユニットに装着されたカートリッジが特定色のトナーを有するカートリッジであるか否かに基づき該カートリッジの使用可否を判定する動作;
(3)現像ユニットに装着されたカートリッジによる印刷動作を実行するのに必要なトナー量が該カートリッジに残留しているか否かに基づき該カートリッジの使用可否を判定する動作;
なお、これらの動作や処理の各々、または組み合わせたものが「カートリッジの使用可否判定」となるが、その内容自体は装置の構成や動作状況などに応じて適切なものを用いることができる。
また、「印刷準備動作」には、カートリッジによる印刷動作を可能とするために印刷動作に先立ってカートリッジに対して行う必要がある動作全般が含まれる。具体的には、次のような処理が含まれる:
(a)トナー担持体を少なくとも1周以上回転させる撹拌処理;
(b)カートリッジによる印刷動作を実行する際の印刷動作条件を所定の最適条件に調整する条件制御処理;
なお、これらの処理の各々、または組み合わせたものが「印刷準備動作」となるが、その内容自体は装置の構成や動作状況などに応じて適切なものを用いることができる。
(a)トナー担持体を少なくとも1周以上回転させる撹拌処理;
(b)カートリッジによる印刷動作を実行する際の印刷動作条件を所定の最適条件に調整する条件制御処理;
なお、これらの処理の各々、または組み合わせたものが「印刷準備動作」となるが、その内容自体は装置の構成や動作状況などに応じて適切なものを用いることができる。
また、前記現像ユニットへのカートリッジの装着可能個数はM(M≧3)本よりも多いのが望ましい。このように構成された発明では、例えば、現像ユニットへ上記特定色のトナーを有するM本の使用可能カートリッジを装着するとともに、該特定色以外の色のトナーを有するカートリッジを装着することによって、該特定色による印刷を効率よく行うことができるとともに、多色印刷も可能となる。
また、前記制御手段は、装置の動作状況に応じて前記選択カートリッジの本数Nを決定する構成としてもよい。このように構成された発明では、選択カートリッジの本数Nを、印刷準備動作が行われる際の装置の動作状況(例えば、装置の電源投入直後なのか、スリープモードからの復帰時なのか、等の状況)に応じて決定する。したがって、電源投入直後やスリープモードからの復帰時に行われる装置のウォーミングアップにかかる時間等を考慮して選択カートリッジの本数Nを決定することができる。つまり、装置のウォーミングアップに必要な時間内に印刷準備動作を完了することのできる最大のカートリッジの本数を選択カートリッジの本数Nとすることができる。よって、装置のウォーミングアップやカートリッジの印刷準備動作が完了して装置が印刷可能な状態となるまでにユーザーを必要以上に待たせることがないのとともに、より効率よく大量印刷が可能となる。
ここでは、本発明を特許文献1に記載された画像形成装置(カラープリンタ)に具体化した実施形態を図面にしたがって説明する。つまり、この実施形態では4個の現像カートリッジに収容されたブラックのトナーを使用した単色のトナーによる印刷、即ちモノクロ印刷に具体化して説明する。
図1はこの発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応するモノクロ画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。クリーニング部25は後述する一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置1本体に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。このように、この実施形態では、感光体22が本発明の「潜像担持体」に相当している。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてブラックトナーを内蔵する4個の現像カートリッジ4Ka〜4kd、およびこれらを一体的に回転させるためのロータリー駆動部(図示省略)を備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されている。そして、このエンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像カートリッジ4Ka〜4Kdが選択的に感光体22と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像カートリッジに設けられた現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択された現像カートリッジ内のトナーにより現像される(印刷動作)。このように現像位置に位置決めされた現像カートリッジによる静電潜像の顕像化が本発明の「カートリッジによる印刷動作」に相当している。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。この転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部とを備えている。そして、転写ユニット7は、感光体22上に形成されるブラックのトナー像を中間転写ベルト71上に転写してモノクロ画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にモノクロ画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてモノクロ画像が形成されたシートSは定着ユニット9、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、ローラ75の近傍には濃度センサ60が配置されている。この濃度センサ60は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、必要に応じ、中間転写ベルト71の外周面に形成されるトナー像の画像濃度を測定する。そして、その測定結果に基づき、この装置では、画像品質に影響を与える装置各部の動作条件、例えば各現像カートリッジに与える現像バイアスや、光ビームLの強度などの調整を行っている。
この濃度センサ60は、例えば反射型フォトセンサを用いて、中間転写ベルト71上の所定面積の領域の画像濃度に対応した信号を出力するように構成されている。そして、CPU101は、中間転写ベルト71を周回移動させながらこの濃度センサ60からの出力信号を定期的にサンプリングすることで、中間転写ベルト71上のトナー像各部の画像濃度を検出することができる。
また、図2に示すように、各現像カートリッジ4Ka〜4Kdには該現像カートリッジの製造ロットや使用履歴、内蔵トナーの残量などに関するデータを記憶するメモリ91〜94がそれぞれ設けられている。さらに、各現像カートリッジ4Ka〜4Kdには無線通信器49Ka、49Kb、49Kc、49Kdがそれぞれ設けられている。そして、必要に応じて、これらが選択的に本体側に設けられた無線通信器109と非接触にてデータ通信を行い、インターフェース105を介してCPU101と各メモリ91〜94との間でデータの送受を行って該現像カートリッジに関する消耗品管理等の各種情報の管理を行っている。なお、この実施形態では、無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受を行っているが、本体側および各現像カートリッジ側にコネクタ等を設け、コネクタ等を機械的に嵌合させることで相互にデータ送受を行うようにしてもよい。
図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号117はCPU111における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
ところで、上記のように構成された装置では、各現像カートリッジ4Ka〜4Kdにより印刷動作を実行する前に予め印刷準備動作を実行しておく必要がある。ただし、「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、使用不可カートリッジに対して印刷準備動作を実行してしまうと、時間的および経済的に非効率となってしまう。そこで、この実施形態では、現像ユニットに装着された複数のカートリッジの各々についてカートリッジの使用可否を判定し(使用可否判定工程)、使用可能と判定された使用可能カートリッジに対して印刷準備動作を実行している(準備工程)。この「カートリッジの使用可否判定」とは、カートリッジに対する印刷準備動作を実行することで該カートリッジによる印刷が可能となるか否かを判定するためのものであり、以下の判定動作を行っている。
(1)装着判定動作:
この装着判定動作は、現像ユニット4の支持フレーム40に対して現像カートリッジが確実に装着されているか否かを判定する動作である。具体的には、本体側と各現像カートリッジ側との間で行われる無線通信によって、CPU101と各メモリ91〜94のデータ送受によって得られるデータに基づいて行っている。この点に関しては、次に述べる(2)適合判定動作についても同様である。もちろん、無線通信などの非接触方式以外に、リミットスイッチなどを用いた接触方式により装着判定を行うようにしてもよい。
この装着判定動作は、現像ユニット4の支持フレーム40に対して現像カートリッジが確実に装着されているか否かを判定する動作である。具体的には、本体側と各現像カートリッジ側との間で行われる無線通信によって、CPU101と各メモリ91〜94のデータ送受によって得られるデータに基づいて行っている。この点に関しては、次に述べる(2)適合判定動作についても同様である。もちろん、無線通信などの非接触方式以外に、リミットスイッチなどを用いた接触方式により装着判定を行うようにしてもよい。
(2)適合判定動作:
この適合判定動作は、現像ユニット4の支持フレーム40に装着された現像カートリッジがブラックトナーを収容する現像カートリッジであることを確認する動作である。特に、この実施形態では、カラー画像形成装置として使用するイエロー用、シアン用および/またはマゼンタ用の現像カートリッジの配設位置にブラック用現像カートリッジを装着してモノクロ画像形成装置が構成されている。したがって、ユーザやオペレータなどが誤装着する可能性がある。そこで、適合判定動作を実行してイエロー用、シアン用またはマゼンタ用の現像カートリッジが誤って使用されるのを防止している。
この適合判定動作は、現像ユニット4の支持フレーム40に装着された現像カートリッジがブラックトナーを収容する現像カートリッジであることを確認する動作である。特に、この実施形態では、カラー画像形成装置として使用するイエロー用、シアン用および/またはマゼンタ用の現像カートリッジの配設位置にブラック用現像カートリッジを装着してモノクロ画像形成装置が構成されている。したがって、ユーザやオペレータなどが誤装着する可能性がある。そこで、適合判定動作を実行してイエロー用、シアン用またはマゼンタ用の現像カートリッジが誤って使用されるのを防止している。
(3)寿命判定動作:
この寿命判定動作は、現像ユニット4の支持フレーム40に装着された現像カートリッジに印刷動作を実行するのに必要なトナー量が十分に残留していることを確認する動作である。この寿命判定動作を実行することで、印刷動作によって形成される画像の濃度ムラやかすれ等の不具合が発生するのを未然に防止している。
この寿命判定動作は、現像ユニット4の支持フレーム40に装着された現像カートリッジに印刷動作を実行するのに必要なトナー量が十分に残留していることを確認する動作である。この寿命判定動作を実行することで、印刷動作によって形成される画像の濃度ムラやかすれ等の不具合が発生するのを未然に防止している。
また、「印刷準備動作」とは、使用可能カートリッジによる印刷動作を可能とするために印刷動作に先立って該カートリッジに対して行う動作や処理を意味している。この実施形態では、以下の処理を「印刷準備動作」として行っている。
(a)撹拌処理:
この撹拌処理は、本発明の「トナー担持体」に相当する現像ローラ44を少なくとも1周以上回転させる処理である。この撹拌処理を実行する理由は以下のとおりである。この種の画像形成装置では、電源オフ状態、または電源がオンであっても印刷動作(画像形成動作)を行わず動作停止状態にある期間が長時間継続した後に印刷動作を行うと、画像に周期的な濃度ムラが現れる場合があることが従来より知られている。なお、本明細書ではこの現象を「放置バンディング現象」と称する。
この撹拌処理は、本発明の「トナー担持体」に相当する現像ローラ44を少なくとも1周以上回転させる処理である。この撹拌処理を実行する理由は以下のとおりである。この種の画像形成装置では、電源オフ状態、または電源がオンであっても印刷動作(画像形成動作)を行わず動作停止状態にある期間が長時間継続した後に印刷動作を行うと、画像に周期的な濃度ムラが現れる場合があることが従来より知られている。なお、本明細書ではこの現象を「放置バンディング現象」と称する。
この放置バンディング現象は、トナーが各現像カートリッジの現像ローラ44に担持されたまま長時間放置されたことにより現像ローラ44から離れ難くなり、しかもその程度が現像ローラ44表面上において一様でないことから現像ローラ44上のトナー層が次第に不均一となることに起因すると考えられる。そこで、この実施形態の画像形成装置では、動作停止状態にある期間が所定の期間を超える等の放置バンディング発生要件が満足されるときには、「撹拌要」の信号を発生させて現像ローラ44の空回しを行っている。すなわち、本体側の回転駆動部(図示省略)により現像ローラ44を少なくとも1周回転させる。これによって、現像ローラ44表面のトナー層がリフレッシュされてより均一な状態のトナー層が現像処理に供されるため、放置バンディング現象による濃度ムラは発生し難くなる。
(b)パッチ処理(条件制御処理):
このパッチ処理は、現像カートリッジによる印刷動作を実行する際の印刷動作条件を所定の最適条件に調整する最適化処理である。これは画像品質の安定化のために従来より多用されているものと同様の処理である。この実施形態では、装置の電源が投入された直後の適当なタイミングで「パッチ制御要」の信号が発生されて装置のウォーミングアップと並行してパッチ処理が実行される。また、スリープモードが解除されたタイミング、開状態となっていた装置カバーが閉じられたタイミング、あるいは現像カートリッジの交換作業が完了したタイミングなどにも「パッチ制御要」の信号が発生されてパッチ処理の実行要求が生じる。
このパッチ処理は、現像カートリッジによる印刷動作を実行する際の印刷動作条件を所定の最適条件に調整する最適化処理である。これは画像品質の安定化のために従来より多用されているものと同様の処理である。この実施形態では、装置の電源が投入された直後の適当なタイミングで「パッチ制御要」の信号が発生されて装置のウォーミングアップと並行してパッチ処理が実行される。また、スリープモードが解除されたタイミング、開状態となっていた装置カバーが閉じられたタイミング、あるいは現像カートリッジの交換作業が完了したタイミングなどにも「パッチ制御要」の信号が発生されてパッチ処理の実行要求が生じる。
次に、図1に示す装置における印刷処理に先立って実行される印刷前処理について図3ないし図7を参照しつつ説明する。なお、発明内容の理解を助けるため、図1に示すように現像ユニット4に対して4個の現像カートリッジ4Ka〜4Kdが装着されている場合について説明する。
図3は図1の画像形成装置で実行される印刷前処理を示すフローチャートである。また、図4は印刷前動作を示す模式図である。この装置では、印刷動作を実行する前の適当なタイミング、例えば電源投入直後のタイミングで、ROM106に記憶されているプログラムにしたがってCPU101が装置各部を制御して図3に示す印刷前処理(使用可否判定処理+印刷準備処理)が装置のウォーミングアップ動作と並行して実行される。すなわち、この実施形態では、CPU101が本発明の「制御手段」として機能する。
まず、無線通信によってCPU101と各メモリ91〜94との間でデータの送受が行われて各現像カートリッジ4Ka〜4Kdに関する消耗品管理等の各種情報がRAM107に一時的に記憶される。そして、メモリ107に記憶されている情報に基づき、、全現像カートリッジ4Ka〜4Kdについて、図5に示す使用可否判定処理が実行される(ステップS1)。
図5は使用可否判定処理を示すフローチャートである。この使用可否判定処理では、1の現像カートリッジに関する情報をメモリ107から読み出し(ステップS11)、装着判定動作(ステップS12)、適合判定動作(ステップS13)および寿命判定動作(ステップS14)を実行する(図4(a))。そして、装着判定、適合判定および寿命判定の全てのパスした現像カートリッジが使用可能カートリッジと判定される(ステップS15)一方、1つでもパスしなかった現像カートリッジが使用不可カートリッジと判定される(ステップS16)。このような一連の処理がステップS17で「NO」と判定されている間、繰り返され、全ての現像カートリッジ4Ka〜4Kdについて実行される。なお、図4(b)では4個の現像カートリッジ4Ka〜4Kdのうち現像カートリッジ4Ka〜4Kcが使用可能カートリッジと判定され、残りのカートリッジ4Kdが使用不可カートリッジと判定されている。そして、この判定結果に基づき、使用可能カートリッジ4Ka〜4Kcのうち現像位置に一番近い現像カートリッジ4Kaと該現像カートリッジ4Kaに隣接する現像カートリッジ4Kbを本発明の「選択カートリッジ」とし、該選択カートリッジ4Ka,4Kbについて、次の印刷準備処理(ステップS2〜S5)が実行される。
この印刷準備処理では、図3で示すように、ステップS2で「撹拌要」の信号が発生しているか否かを判断する。これは放置バンディング現象を防止するための処理である。したがって、「撹拌要」の信号が発生していない場合には、そのままステップS4に進む一方、該信号が発生している場合には、選択カートリッジ4Ka,4Kbについて図6に示す撹拌処理(ステップS3)が実行される。
図6は図1の装置における撹拌処理を示すフローチャートである。この撹拌処理では、図4(c)に示すように2個の選択カートリッジのうち、最初の現像カートリッジ4Kaが現像位置に移動される(ステップS31)。これによって、現像カートリッジ4Kaの現像ローラ44(図4(c)のDR)が本体側の回転駆動部と機械的に接続される。そして、この回転駆動部により現像ローラ44を少なくとも1周回転させて該現像ローラ44表面のトナー層をリフレッシュさせて現像カートリッジ4Kaに対する撹拌処理を施す(ステップS32)。なお、ステップS31、S32の処理については、ステップS33で「NO」と判断されている間、繰り返して実行する。すなわち、現像カートリッジ4Kaに対する撹拌処理終了後、現像カートリッジ4Kbを現像位置に移動して該カートリッジ4Kbの現像ローラ44を少なくとも1周回転させる(図4(d))。
このようにして撹拌処理(ステップS3)が完了すると、ステップS4に進んで「パッチ制御要」の信号が発生しているか否かを判断する。これは印刷動作条件を所定の最適条件に調整するための処理である。したがって、「パッチ制御要」の信号が発生していない場合には、そのまま印刷準備処理を終了する一方、該信号が発生している場合には、選択カートリッジ4Ka,4Kbについて図7に示すパッチ処理(ステップS5)が実行される。
図7は図1の装置におけるパッチ処理を示すフローチャートである。このパッチ処理は、印刷動作の実行により形成される画像を一定の画像品質に保つために、印刷動作条件を種々に変更設定しながらパッチ画像を形成してその画像濃度を検出し、その検出結果に基づいて印刷動作条件を調整する処理である。このパッチ処理では、装置各部の動作条件を決める動作パラメータのうち、画像品質に影響を与える制御因子としての現像バイアスおよび露光パワーの調整を行う。制御因子として機能する動作パラメータとしてはこれ以外にも種々のものが知られており、それらを用いた画質制御の原理および制御方法についても多くの公知技術があるので、ここでは処理の流れのみを簡単に説明する。
各パッチ画像の画像濃度が求まると、それらの値から現像バイアスと画像濃度との対応関係がわかるので、その関係に基づき、画像濃度が予め定められた目標濃度と一致するような現像バイアスの値を算出する。これにより最適現像バイアスが求められる(ステップS53)。ただし、その最適値が当該装置における現像バイアスの可変範囲内になかった場合には、その可変範囲において算出された最適値に最も近い値を最適現像バイアスとする。
こうしての1つの現像カートリッジ4Kaについて最適現像バイアスが求まれば、全ての選択カートリッジについての処理が終了するまで上記処理S50〜S53を繰り返す(ステップS54)。すなわち、現像カートリッジ4Kbを現像位置に切り換えて最適現像バイアスを求める(図4(d))。こうすることで、各選択カートリッジ4Ka,4Kb毎の最適現像バイアスが求められる。
続いて、各選択カートリッジ4Ka,4Kb毎に、最適露光パワー、つまり当該カートリッジに対応した静電潜像を感光体22上に形成するときの光ビームLの強度の最適値を算出する(ステップS55〜S59)。ここでの処理は、制御因子が現像バイアスに代えて露光パワーである点を除いて上記した最適現像バイアス算出処理(ステップS50〜S53)と同様であるが、必要に応じて、形成するパッチ画像の画像パターンは異なるものとしてもよい。なお、この場合の現像バイアスの設定値は、先に求めた最適値を用いるのが好ましい。こうして、全ての選択カートリッジ4Ka,4Kbについて最適現像バイアスおよび最適露光パワーをそれぞれ求め、パッチ処理を終了する。
このような印刷準備動作(撹拌処理、パッチ処理)を実行することによって、図4(e)に示すように、全ての選択カートリッジ4Ka,4Kbは印刷動作を良好に行うことができる印刷可能状態となる。そして、図3に戻って、現像ユニット4をホームポジション(HP)に移動して待機する(ステップS6)。そして、エンジン部EGによる画像形成動作の実行を許可し、以後の印刷動作をこの最適条件の下で実行することにより、所望の画像品質で、しかも安定して画像を形成することが可能となる。
以上のように、この実施形態によれば、印刷動作の実行に先立って、現像ユニット4に装着された4本の現像カートリッジ4Ka〜4Kdの各々についてカートリッジの使用可否を判定している。そして、使用可能と判定された使用可能カートリッジのうちの2本の現像カートリッジ4Ka,4Kbを選択カートリッジとし、該選択カートリッジ4Ka,4Kbに対してのみ印刷準備動作を実行して印刷可能状態に導いている。したがって、使用不可カートリッジに対する印刷準備動作の実行が確実に防止され、時間的および経済的な効率を高めることができる。しかも、印刷準備動作を行った選択カートリッジ4Ka,4Kbのうちの一の現像カートリッジ4Kaを用いて印刷動作を実行している間に、例えば該カートリッジ4Ka内のトナー残量が低下して印刷動作を行うことができなくなったとしても、直ちに現像カートリッジ4Kbに切り換えて印刷動作を継続させることができる。このように、予め選択カートリッジ4Ka,4Kbに対して印刷準備動作を実行しているため、該選択カートリッジ4Ka,4Kbを選択的に切り換えながら各カートリッジ内のトナーを用いた印刷動作を連続的に実行することができる。したがって、モノクロ印刷を大量に、しかも効率的に行うことができる。また、装置のウォーミングアップ動作と並行して、現像カートリッジに装着された3本の使用可能カートリッジ4Ka〜4Kcのうちの2本の選択カートリッジ4Ka,4Kbに対してのみ印刷準備動作を実行している。したがって、装置のウォーミングアップおよび選択カートリッジ4Ka,4Kbへの印刷準備動作が終了すれば、印刷準備が完了する。よって、短時間で上記特定色の印刷が可能な状態とすることができるので、印刷準備動作のために必要以上にユーザーが待つのを予防して、ユーザーの待ち時間を短縮することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、現像ユニット4の支持フレーム40に最大4個の現像カートリッジを装着可能となっており、すべての装着位置に現像カートリッジ4Ka〜4Kdを装着しているが、一部の装着位置にのみ現像カートリッジを装着した装置に対して本発明を適用することができる。すなわち、現像カートリッジの装着可能個数よりも少ない個数(3個以上)の現像カートリッジを現像ユニット4に装着した装置においても、これらの現像カートリッジの全部について使用可否を判定するとともに、使用可能と判定されたM(M≧3)個の現像カートリッジのうちのN(M>N≧2)個の現像カートリッジを選択カートリッジとし、該選択カートリッジについてのみ印刷準備動作を行うことで、特定色による大量印刷を効率よく行えるとともに、必要以上にユーザーを待たせることなく、短時間で特定色による印刷が可能な状態にすることができる。また、上記実施形態では装着可能個数は4であるが、この個数は3以上であれば任意である。したがって、例えば支持フレーム40の装着可能個数が6以上となるように現像ユニット4を構成し、さらに3個の装着位置にイエロー用、シアン用およびマゼンタ用の現像カートリッジをそれぞれ装着するとともに、残りの装着位置にブラック用現像カートリッジを装着する画像形成装置に対しても本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、現像位置に一番近い現像カートリッジ4Kaおよび該現像カートリッジ4Kaに隣接する現像カートリッジ4Kbを選択カートリッジとし、該選択カートリッジ4Ka,4Kbに対して印刷準備動作を行ったが、他の現像カートリッジに対して印刷準備動作を行っても構わない。例えば、上述したように、使用可否判定処理が実行される前に現像カートリッジに関する消耗品管理等の各種情報がRAM107に一時的に記憶されるため、これらの情報の一部(例えばトナー残量情報等)に基づいて印刷準備処理を行う使用可能カートリッジ、つまり選択カートリッジを決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、選択カートリッジの本数を2としているが、装置の動作状況に応じて選択カートリッジの本数Nを決定してもよい。選択カートリッジの本Nを決定する概念について図8を参照しつつ詳述する。図8は装置の動作状況に応じたウォーミングアップに必要な時間と選択カートリッジの本数に応じた印刷準備処理に必要な時間との関係の一例を示す図である。図8に示す関係を有する装置では、電源投入時のウォーミングアップに必要な時間内に3本の現像カートリッジ(選択カートリッジ)に対して印刷準備処理を実行することができ、スリープモードからの復帰時のウォーミングアップに必要な時間内に2本の現像カートリッジ(選択カートリッジ)に対して印刷準備動作を実行することができる。このように、ウォーミングアップ中に印刷準備動作を実行可能なカートリッジ数が相違する場合、電源投入直後やスリープモードからの復帰時に行われる装置のウォーミングアップにかかる時間等を考慮して選択カートリッジの本数Nを決定することができる。すなわち、装置のウォーミングアップに必要な時間内に印刷準備動作を完了することのできる最大のカートリッジの本数を選択カートリッジの本数Nとすることできる。したがって、装置のウォーミングアップやカートリッジの印刷準備動作が完了して装置が印刷可能な状態となるまでにユーザーを必要以上に待たせることがないのとともに、より効率よく大量印刷が可能となる。
なお、装置の動作状況として、上記した電源投入時やスリープモードからの復帰時だけでなく、定着器の温度やその他様々な状況を考慮して、選択カートリッジの本数Nを決定してもよいことは言うまでもない。また、上記実施形態にかかる装置では、使用可否判定処理はメモリに記憶された情報を利用しているので、使用可否判定処理に必要な時間は印刷準備処理に必要な時間に比べ非常に短い。したがって、このような装置が図8に示す関係を有する場合には、選択カートリッジの本数Nを決定する際に、使用可否判定処理に必要な時間を考慮していない。しかしながら、この使用可否判定処理に必要な時間を考慮して選択カートリッジの本数Nを決定してももちろんよい。
また、上記実施形態では、特定色がブラックの画像形成装置に本発明を適用しているが、特定色はこれに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、複数の現像カートリッジを現像ユニット4に装着したロータリー現像方式を採用しているため、現像ユニット4の回転移動に伴って各現像カートリッジに貯留されたトナーがカートリッジ内で撹拌されてトナーの均一化が可能となっている。そこで、印刷準備動作として、現像ユニット4の回転動作によるトナー撹拌を実行するようにしてもよい。また、従来より現像カートリッジ内にアジテータやオーガ棒などの部材を配置し、現像カートリッジ内のトナーを撹拌したり、該トナーを現像ローラ側に積極的に供給する技術が採用されることがある。そこで、アジテータやオーガ棒などの部材を装備している装置では、該部材によるトナー撹拌やトナー供給などの動作を印刷準備動作として実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、現像カートリッジに収容されたトナーを使い切る構成を採用しているが、必要に応じてトナーを補充する補充タイプの現像カートリッジを採用した装置では、印刷準備動作としてトナー補充動作をさらに実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、同形状をなす4個の現像カートリッジ4Ka〜4Kdを使用したが、形状が異なる現像カートリッジを使用してもよい。また、上記実施形態では、1個の感光体22に対してロータリー現像ユニット4を配置した、いわゆるロータリー方式の画像形成装置に本発明を適用したが、1個の感光体22に対して複数の現像カートリッジが昇降して各現像カートリッジにより現像を行うエレベータ方式の画像形成装置や、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態の構成に限定されず、例えば特定色のトナーを有する複数の現像カートリッジが装着された現像ユニットを装備して該特定色の画像を形成する装置や、中間転写ベルト以外の転写媒体(転写ドラム、転写シートなど)を備える装置、さらには複写機、ファクシミリ装置など他の画像形成装置に対しても本発明を適用することが可能である。
4…現像ユニット、 4Ka〜4Kd...現像カートリッジ、 10…エンジンコントローラ(制御手段)、 22…感光体(潜像担持体)、 40…支持フレーム、 44…現像ローラ(トナー担持体)、 101…CPU(制御手段)
Claims (9)
- 静電潜像を担持可能な潜像担持体と、
特定色のトナーを有する複数のカートリッジが着脱自在に設けられた現像ユニットと、
前記現像ユニットに装着された複数のカートリッジを選択的に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジ内のトナーを用いて前記潜像担持体上の静電潜像を現像する印刷動作を実行する制御手段とを備え、
カートリッジによる印刷動作を可能とするために該印刷動作の実行前に該カートリッジに対して行う動作を印刷準備動作としたとき、
前記制御手段は、前記現像ユニットに装着された複数のカートリッジの各々についてカートリッジの使用可否を判定するとともに、M(M≧3)本のカートリッジが使用可能と判定されたとき、該M本のカートリッジのうちのN(M>N≧2)本のカートリッジを選択カートリッジとし、前記印刷準備動作を前記選択カートリッジについてのみ行うことを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記現像ユニットへのカートリッジの装着有無に基づき該カートリッジの使用可否を判定する請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記現像ユニットに装着されたカートリッジが前記特定色のトナーを有するカートリッジであるか否かに基づき該カートリッジの使用可否を判定する請求項1または2記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記現像ユニットに装着されたカートリッジによる前記印刷動作を実行するのに必要なトナー量が該カートリッジに残留しているか否かに基づき該カートリッジの使用可否を判定する請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記複数のカートリッジの各々は、その表面に前記トナーを担持しながら所定の方向に回転することで前記潜像担持体との対向位置に前記トナーを搬送するトナー担持体を備え、
前記制御手段は、前記印刷準備動作として、前記トナー担持体を少なくとも1周以上回転させる撹拌処理を実行する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記印刷準備動作として、前記現像ユニットに装着されたカートリッジによる印刷動作を実行する際の印刷動作条件を所定の最適条件に調整する条件制御処理を実行する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記現像ユニットへのカートリッジの装着可能本数はM(M≧3)本よりも多い請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、装置の動作状況に応じて前記選択カートリッジの本数Nを決定する請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像を担持可能な潜像担持体と、特定色のトナーを有する複数のカートリッジが着脱自在に設けられた現像ユニットとを備え、前記現像ユニットに装着された複数のカートリッジを選択的に現像位置に切り換えながら該現像位置に位置決めされたカートリッジ内のトナーを用いて前記潜像担持体上の静電潜像を現像する印刷動作を実行する画像形成方法において、
前記印刷動作の実行に先立って、
前記現像ユニットに装着された複数のカートリッジの各々についてカートリッジの使用可否を判定する使用可否判定工程と、
前記使用可否判定工程によりM(M≧3)本のカートリッジが使用可能と判定されたとき、該M本のカートリッジのうちのN(M>N≧2)本のカートリッジを選択カートリッジとし、前記選択カートリッジに対してのみカートリッジによる印刷動作を可能とするための印刷準備動作を行う準備工程と
を実行することを特徴とする画像形成方法。
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