JP2005250148A - 楽器及び前記楽器を用いた合奏システム並びに楽器間でのコミュニケーションツール。 - Google Patents

楽器及び前記楽器を用いた合奏システム並びに楽器間でのコミュニケーションツール。 Download PDF

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【課題】 複数の演奏者で楽器の合奏を行うときに、各楽器の演奏者に対して、他の演奏者が行った演奏の「乗り」やリズム等を振動や力覚反力等によって体感的に報知し、視覚/聴覚以外の情報によって音楽合奏中のコミュニケーションを図る。
【解決手段】 LAN1上において、ピアノ2、エレクトリックベース3及びドラム4は、夫々ハブ5を介して結線される。各楽器は、自機において行われた演奏操作を検出する検出手段と、演奏者に対する報知動作を行う報知手段(アクチュエータ)とを有し、該報知動作を実行するために、検出された前記演奏操作に対応する操作情報を発生し、各楽器の操作情報はハブ5を介して他の楽器に与えられる。各楽器では自機で発生した操作情報及び他の楽器から取得した操作情報の少なくとも一方に基づき報知制御情報を生成し、報知手段は、この報知制御情報に基づき演奏者に対する報知動作を行う。
【選択図】 図1

Description

この発明は、楽器に関し、また、前記楽器を用いた合奏システム並びに楽器間でのコミュニケーションツールに関する。
一般に、複数の楽器演奏者が音楽の合奏を行う場合、各演奏者はお互いに相手の演奏音を聞いたり、或いは互いに目視したりする等して、互いの演奏状況を認識することや各自の意思のやり取り等を行い、音楽合奏中のコミュニケーションをとる。
一方で、通常の合奏における演奏者間のコミュニケーション(前記演奏音を聞くことや、目視しあうことなど)とは異なる方法によって、複数の演奏者間で音楽を介したコミュニケーションを図るための機構を有する楽器として、例えば、下記特許文献1に記載の装置があった。これは、演奏者が演奏用パットを叩くタイミングに従って自動演奏を進行させる機能を用いた音楽療法用或いは幼児教育用の電子楽器であって、操作者によってパットが叩かれたタイミングに従って自動演奏用の音符データを読み出し、読み出した音符データに基づいて発音を開始させるものであった。該特許文献1には、当該電子楽器の1つの筐体に2つ以上のパットを設け、2人以上の操作者の各々が受け持ちのパッドを操作することで、相互で自動演奏の進行タイミングを指示して、音楽を介したコミュニケーションをとることが示されている。
特開平10−198360号公報
上記特許文献1の装置は、例えば指導者と使用者、或いは、教育者と幼児などといった複数の演奏者が1つの同じ楽器を操作することで、音楽演奏を介したコミュニケーションをとることを意図したものであった。つまり、例えばコンサートや合奏等において、複数の演奏者が各々個別に楽器を演奏操作して、音楽合奏中の互いの意志疎通を図ることや、他の演奏者によって個別に行われる演奏の状況を相互に認識することに適用しうるものではなかった。また、従来の合奏では、特に聴覚(或いは視覚)障害等を持つ人が楽器を演奏する場合などのように、他の演奏者が行った演奏の「乗り」やリズム等を明確に聴覚(或いは視覚)によって感知することが困難である場合、演奏者は前記「乗り」やリズムの一致感等を体感することが難しく、他の楽器と連携が取りづらくなってしまうという不都合があった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、楽器の演奏者に対して、他の演奏者が行った演奏の「乗り」やリズム等を振動や力覚反力等によって体感的に報知することが可能な楽器を提供すると共に、また、前記楽器を用いることで、複数の演奏者間において、他の演奏者が行った演奏の「乗り」やリズム等を互いに体感し合い、視覚/聴覚以外の情報によって音楽合奏中のコミュニケーションをとることが可能な合奏システムを提供することを目的とする。
この発明は、演奏者によって操作される操作部と、前記操作部において行われた演奏操作を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した演奏操作に対応する操作情報を発生する操作情報発生手段と、ネットワークに接続され、該ネットワーク上の他の装置から与えられる該他の装置における演奏操作に応じた操作情報を入力するインターフェース手段と、 前記操作情報発生手段から発生された操作情報及び前記他の装置から入力した操作情報の少なくとも一方に基づき報知制御情報を生成する報知制御情報生成手段と、前記生成した報知制御情報に基づき、演奏者に対する報知動作を行う報知手段とを含む楽器である。
また、この発明は、複数の前記楽器が前記ネットワークを介して相互通信可能に接続されて成る合奏システムであって、前記複数の楽器の各々には、前記インターフェース手段を介して前記合奏システム上の他の楽器から与えられる該他の楽器における演奏操作に応じた操作情報が供給され、前記報知制御情報生成手段は、自機の前記操作情報発生手段から発生された操作情報及び前記他の楽器から供給された操作情報の少なくとも一方に基づき報知制御情報を生成し、前記報知手段は、前記報知制御情報に基づく報知動作を行うことで、演奏者に対して他の楽器における演奏操作を報知しうることを特徴とする。
また、この発明は、演奏者に対する報知動作を行うための報知部と、前記演奏者による楽器の演奏操作を検出する検出部と、前記報知部の報知動作を制御するための制御部であって、前記検出部で検出した演奏操作に対応する操作情報を発生する操作情報発生手段と、ネットワークに接続され、該ネットワーク上の他の装置から与えられる該他の装置における演奏操作に応じた操作情報を入力するインターフェース手段と、前記操作情報発生手段から発生された操作情報及び前記他の装置から入力した操作情報の少なくとも一方に基づき報知制御情報を生成する報知制御情報生成手段とを有する制御部を含み、前記報知部は前記生成した報知制御情報に基づき、演奏者に対する報知動作を行うことを特徴とする楽器間コミュニケーションツールである。
これによれば、操作情報発生手段は、操作部において行われた演奏操作に対応する操作情報を発生する。当該楽器は、インターフェース手段を介してネットワークに接続可能であり、ネットワーク上の他の装置から与えられる該他の装置における演奏操作に応じた操作情報を取得することが可能である。報知制御情報生成手段は、前記操作情報発生手段から発生された操作情報及び前記他の装置から入力した操作情報の少なくとも一方に基づき報知制御情報を生成し、報知手段は、前記生成した報知制御情報に基づき、当該楽器の演奏者に対する報知動作を行う。一例として、報知手段として電磁ソレノイドのような付勢手段を適用し、報知動作により振動や力覚反力を発生しうるよう構成すれば、報知制御情報が表す情報を、振動や力覚反力等といった触覚的情報として演奏者に伝達することが可能である。従って、この発明に係る楽器によれば、該楽器の演奏者に対して、ネットワーク上の他の装置の演奏者が行った演奏の「乗り」やリズム等を振動や力覚反力等によって体感的に報知することが可能となる。
複数の前記楽器がネットワークを介して相互通信可能に接続されて成る合奏システムを構築することで、前記楽器の各演奏者は、他の演奏者が行った演奏の「乗り」やリズム等を前記報知動作によって感知することができ、視覚/聴覚以外の情報によって音楽合奏中のコミュニケーションをとることが可能となる。
また、この発明に係る楽器間コミュニケーションツールによれば、演奏者に対する報知動作を行うための報知部、前記演奏者による楽器の演奏操作を検出する検出部並びに、それらを制御する制御部を、楽器本体に対して後付け可能に、或いは、別体で構成しうるため、アコースティック楽器、電子楽器を問わず、どのような楽器においてもこの発明に係る報知動作の機能を実現することが可能となる。
以下、添付図面を参照してこの発明の一実施例について説明する。以下の実施例において、この発明に係る楽器を複数用いた合奏システムについて説明する。
図1はこの発明の一実施例に係る合奏システムの基本的な構成を概念的に示す図である。この合奏システムは、LAN(ローカルエリアネットワーク)1上に接続された複数の楽器によって構成され、図示の例では一例として、ピアノ2、エレクトリックベース3及びドラム4からなるトリオ演奏での合奏形態を示している。当該合奏システムを構築するピアノ2、エレクトリックベース3及びドラム4は、夫々ハブ(HUB)5を介して結線されており、該ハブ5を介して相互に通信することが可能である。LAN1上の各楽器(ピアノ2、べーす3、ドラム4)は、LAN1上の各楽器間で情報の送受信についてのマスター/スレーブの関係を規定することなく、相互間での情報の送受信を並行に行うことができるものとする。
この実施例に係る各楽器(ピアノ2、エレクトリックベース3及びドラム4)は、通常の音楽演奏を行うための演奏機構(演奏操作部)と共に、この発明に係る報知機能を実現するためのドライバモジュールを夫々具えている。この実施例において、各楽器の演奏操作部としては、ピアノ2の鍵、ベース3の弦、及び、ドラム4の打撃面等がある。
この発明に係る報知機能とは、当該合奏システムにおいて、或る楽器で行われた演奏操作に対応する情報を、振動や力覚反力等の何らかの触覚的情報として他の楽器の演奏者に対して報知する機能をいう。これにより、各演奏者は、演奏音以外による演奏進行状況の報知に合わせた楽器演奏を行うことや、演奏音や演奏者の相互視認以外の体感的要素から、合奏の「乗り」やリズムの一致感等を感知することが可能となることが後述から明らかになる。
図2は、この実施例に係る報知機能を実現するためのドライバモジュールの基本的なハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図2に示すように、報知機能を実現するためのドライバモジュールは、当該楽器の演奏者に対する報知動作を行うためのアクチュエータ6(報知部)と、前記演奏者による演奏操作を検出するためのセンサ7とを具備すると共に、当該モジュールの制御系として全体的な動作を制御するCPU8、該CPU8が実行する制御プラグラム等を記憶するROM9、ワーキングエリアとなるRAM10、パラメータテーブル11、パラメータコントローラ12、入出力インターフェース(入出力I/F)13等を具え、各装置間は通信バスBを介して接続される。
各楽器は、入出力I/F13を介してLAN1(図1参照)に信号の送受信可能に接続されている。すなわち、各楽器における送信側動作としては、自機で発生した信号は入出力I/F13を介してハブ5(図1参照)へ出力され、該ハブ5を介してLAN1上に存在する他の全ての楽器に対して並行に送出される。また、受信側動作としては、該LAN1を介して外部(すなわち他の楽器)から出力された各種信号は、ハブ5を経由して入出力I/F13を介して当該楽器内に供給される。
アクチュエータ6(報知部)は、CPU8の制御に基づき当該楽器の演奏者に対する報知を行うための装置であって、この実施例では演奏者に対して力覚反力や振動或いは圧迫力等を伝える付勢手段により構成されるものとする。各楽器に備わる報知部の構成や具体的な報知動作は、楽器演奏形態等に応じて異なるので、その詳細については、各楽器別に後述する。
センサ7は、楽器の演奏操作部(例えばピアノの鍵や、ベースの弦、或いはドラム打撃面等)において行われた演奏操作に基づき、演奏者が行った演奏操作に対応する検出信号を検出する。各楽器におけるセンサ7の構成やセンサ出力(検出信号)の詳細については、各楽器に応じて異なるので、その詳細については、各楽器別に後述する。
なお、図2においては、便宜上アクチュエータ6とセンサ7を夫々1つのブロックによって表現しているが、これらは1つの楽器に対して複数個ずつ具備されてよい。
CPU8は、センサ7によって検出された検出信号をインターフェース14及びAD変換器15を介して取得し、該取得した検出信号に基づき、当該楽器において演奏者が行った演奏操作に対応する操作情報を生成する。また、センサ7によって検出された検出信号に基づき生成される操作情報は、入出力I/F13を介して、LAN1(図1参照)上に送出される。LAN1上に送出された当該楽器の操作情報は、該LAN1に接続する他の全ての楽器に対して供給される。このとき、LAN1上に送出される操作情報は、その情報の発信源となる楽器に固有の番号情報(楽器番号情報)と共にLAN1に送出される。該LAN1に接続する他の全ての楽器は、自機以外の楽器から出力された前記楽器番号情報と操作情報を一組とするデータを取得し、該取得したデータに含まれる操作情報を、自機以外の楽器における演奏操作を報知するための情報として使用する。自機以外の楽器において生成された操作情報を取得した他の楽器においては、前記楽器番号情報に基づき前記取得した操作情報の発信源となった楽器を特定できる。以下の説明において、或る楽器からLAN上に送出される操作情報と、その発信源を示す楽器番号情報を一組とするデータを、説明の便宜上「外部入力信号」という。
CPU8は、自機で生成した操作情報と外部から供給される外部入力信号との双方に基づき、アクチュエータ6を駆動するための駆動信号(報知制御情報)を生成する制御を行う。生成された駆動信号はDA変換器16を介してアナログ信号に変換されて、ドライバ17に供給される。ドライバ17は、アクチュエータ6に接続されており、供給された駆動信号に基づきアクチュエータ6を駆動する。これにより、アクチュエータ6は演奏者に対して報知制御情報に基づく報知動作を行うことができる。ここで、アクチュエータ6を駆動するための駆動信号としては、例えばPWM形式の電流信号を適用しうる。なお。この実施例における前記報知制御情報の生成のためのアルゴリズムの詳細については後述する。
パラメータテーブル11は、各種のパラメータの値を算出する為のテーブルであり、例えば、アクチュエータ6によって実行されるべき報知動作の運動特性を設定するためのパラメータ値設定や、与えられた外部入力信号の発生源となる楽器種類に応じた報知動作の運動特性を設定するためのパラメータ値設定等に利用でき、ROM或いはRAM等で構成してよい。また、前記各種のパラメータ値の設定や各種パラメータ値の設定についての制御ルールは、パラメータコントローラ12により任意に可変設定できるように構成してよい。パラメータテーブル11を使用して、アクチュエータ6によって実行されるべき報知動作の運動特性を設定しうることで、前記報知動作(反力、振動など)の特性を任意に可変設定することができ、演奏者に対して任意のタッチ感を与えることができる。
なお、図2の例では、各楽器は、入出力I/F13を介してLAN1(図1参照)に有線結線される例を示すが、これに限らず、入出力I/F13にワイレスモジュール18(図2において点線で示す)を接続することで、この発明に係る合奏システムを無線LANによって構築することも可能である。なお無線LANを適用すれば、各楽器間の接続が容易になり、演奏者同士が広く隔離した場所にいる場合等にも合奏演奏を行いうるように成る。なお、上述の構成に加えて、音楽の演奏に関らないその他の入力を行うための入力部を更に設けもよく(図2ではこの入力部を点線で示す)、この入力部19での入力に応じた指示信号を他の楽器に送出できるようにしてもよい。
ここで、図1に戻ると、この合奏システムを構成する各楽器(ピアノ2、エレクトリックベース3及びドラム4)には、上記図2に示すような構成からなる報知機能を実現するためのドライバモジュールが具備されている。よって、各楽器は、自機において演奏者が行った演奏操作に対応する操作情報を検出すると共に、該操作情報を、自機で行われた演奏操作を他の楽器に対して報知するための情報(外部入力信号)として、システム上の他の楽器に与えることができる。すなわち、各楽器は、他の楽器において生成された操作情報(外部入力信号)をLAN1から取り込むことで、自機における操作情報と外部から供給された操作情報(外部入力信号)との双方に基づき報知制御情報を生成し、該報知制御情報に基づくアクチュエータ6を駆動することで演奏者に対して外部の演奏操作に応じた報知を行うことができる。
各楽器の演奏者は、アクチュエータ6の駆動によって伝達された報知によって、他の演奏者が行った演奏操作を体感することができる。例えば、ピアノ2の演奏者は、ベース3やドラム4における演奏操作に対応して発動される報知動作を体感することで、体感した報知に合わせて演奏を行うことや、演奏リズムの一致感などを感知することができる。以下、個々の楽器における構成及び動作について説明する。
図3は、ピアノ2において報知動作を行うためのハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、符号20は、演奏者の指21によって押鍵及び離鍵操作される鍵である。周知のとおりピアノには、複数(典型的には88個)の鍵20が設けられている。この複数の鍵20の各々に対応してセンサ22が設けられている。センサ22は、図2に示すセンサ7に相当するものである。各鍵20に対応して設けられたセンサ22は、一例として、演奏者による押鍵及び離鍵操作に応じた鍵20の変位を検出する適宜の位置センサによって構成されるものとし、例えば、鍵20の操作位置を連続的に検出することが可能な光学式センサを適用しうる。すなわち当該ピアノ2において、センサ22は、対応する鍵20の変位に基づき、演奏者によって行われた演奏操作に対応する操作情報を生成する。なお、鍵の操作位置を連続量で検出可能な位置センサの構成自体は公知であるため、その詳細な説明は省略する。
また、当該ピアノ2には、各鍵20に対応してソレノイド(sol)23が設けられている。このソレノイド23が図2に示すアクチュエータ6に相当するものである。詳しくは後述するソレノイド駆動信号(報知制御情報)に基づきソレノイド23を駆動することで、鍵20に対して該報知制御情報に応じた力覚反力や振動等による報知動作を与えることができる。なお、当該ピアノ2に具備されるアクチュエータは、ソレノイド23に限らず、鍵20に対して反力や振動等を付加できるものであれば、例えば、適宜のモータ(リニアモータ、ロータリーモータ)、ブレーキ装置、油圧或いは水圧装置等の付勢手段を適用することも可能である。
次に、報知制御情報の生成のためのアルゴリズムの詳細例について説明する。
先ず、センサ22の検出信号に基づき、演奏者が行ったピアノ演奏操作に対応する操作情報を生成する。図3に示すように、センサ22の検出信号(位置信号Sp)は、微分器24に入力されており、該微分器24において入力された位置信号Spを適宜微分演算することで、鍵20の操作速度を示す速度信号Svを算出することができる。更に、前記算出された速度信号Svを微分器25において微分演算することで、鍵20の操作加速度を示す加速度信号Saを算出ことができる。すなわち、この実施例では、センサ22の出力から、鍵20の演奏操作に対応する位置信号Spを得ると共に、該位置信号Spに基づき鍵20の演奏操作に対応する速度信号Sv及び加速度信号Saを得ている。図において符号26,27及び28はマルチプレクサであって、鍵20の演奏操作に対応する位置信号Sp、速度信号Sv及び加速度信号Saは、夫々、マルチプレクサ26,27及び28によって時分割多重されて取り込まれ、A/D変換器29、30及び31を介してディジタル信号に変換される。なお、前記微分器24、25並びにマルチプレクサ26,27及び28は、図2に示すインターフェース14に相当し、また、A/D変換器29、30及び31は、図2に示すA/D変換器15に相当する。
図3において、符号33、34及び35は、図2に示すパラメータテーブル11に相当するテーブル群であって、センサ22の出力として与えられた位置信号Sp、速度信号Sv及び加速度信号Saに基づき、演奏操作に対応する操作情報の位置、速度及び加速度の各要素を算出するために用いる。これにより、鍵20に対して与えられる反力や振動の触覚的特性(タッチ感)を任意に設定することが可能となる。
マルチプレクサ26から取り込んだ位置信号Spはヒステリシス回路32を介してテーブル群33に供給される。位置信号Spがヒステリシス回路32に供給されると、ヒステリシス回路32では速度信号Svに基づき鍵20の操作方向(正方向と負方向)を判別して、テーブル群33から算出されるテーブル出力Y1に対して鍵20の操作方向に応じたヒステリシス特性を与える。なお、ここで、テーブル出力Y1は、報知制御情報の位置項となる要素である。具体的には、テーブル群33が、鍵20の操作方向(押鍵方向/離鍵方向)に夫々対応する2つのテーブル群(「押鍵」側テーブル群と「離鍵」側テーブル群)を有し、鍵20が正方向に操作(押鍵)されたときは、位置信号Spは「押鍵」側テーブル群に供給され、負方向(離鍵)のときは、位置信号Spは「離鍵」側テーブル群に供給される。鍵20の操作方向に応じて、異なるテーブル群(「押鍵」側テーブル群又は「離鍵」側テーブル群)を用いることで、テーブル群33の出力Y1は、鍵20が押鍵操作されたか、離鍵操作されたかによって異なる値になる。これにより、鍵20に対して与えられる報知動作に、鍵20の操作方向に応じたヒステリシス特性を持たせることができ、鍵20の操作方向に応じた自然なタッチ感を実現できる。
図3に示す通り、テーブル群33においては、位置信号Spと共に参照すべきパラメータとして速度信号Svが与えられており、速度信号Svの値に応じてテーブル群33を構成する複数のテーブルのうちの1つが選択される。速度信号Svの値に応じて選択されたテーブルから、位置信号Spに応じたテーブル出力Y1の値を読み出す。よって、テーブル群33の出力Y1は、位置信号Spと速度信号Svとを考慮した値となる。線形補間変換部37では、テーブル群33の出力Y1を線形補間して出力する(ここでは演算を容易にさせるために線形補間としたが、より微妙な補間値を得るために、Exponentialなどの非線形補間としてもよいことは当然であり、以下に述べる線形補間についても同様である)。
マルチプレクサ27から取り込んだ速度信号Svはテーブル群34に供給される。テーブル群34には、速度信号Svと共に参照すべきパラメータとして位置信号Spが与えられており、位置信号Spに応じてテーブル群34を構成する複数のテーブルのうちの1つが選択される。そして、位置信号Spに基づき選択されたテーブルから、速度信号Svに応じたテーブル出力Y2の値を読み出す。テーブル出力Y2は、操作情報の速度項となる要素である。線形補間変換部38では、テーブル群34からの出力を線形補間して出力する。
マルチプレクサ28から取り込んだ加速度信号Saはテーブル群35に供給される。テーブル群35には、加速度信号Saと共に参照すべきパラメータとして位置信号Spが与えられており、位置信号Spに応じてテーブル群35を構成する複数のテーブルのうちの1つが選択される。そして、位置信号Spに基づき選択されたテーブルから、加速度信号Saに応じたテーブル出力Y3の値を読み出す。テーブル出力Y3は、操作情報の加速度項となる要素である。線形補間変換部39では、テーブル群35からの出力を線形補間して出力する。なお、テーブル群35は、加速度信号Saが入力されるのではなく、速度信号Svが入力されて、その出力が加速度項と成るようなデータテーブルで構成されてもよい。
また、図3において、符号40は、その他適宜のパラメータ設定値を取り込むためのインターフェース(その他入力)である。その他適宜のパラメータとしては、例えば、鍵20に与える反力の効き具合を調整するパラメータ等や、或いは、上述したように演奏に関らないその他の入力を行いうるように構成した場合には、該その他の入力値を取り込みうる。その他入力用のインターフェース40から供給されるパラメータ設定値はテーブル41に供給され、テーブル41から該パラメータ設定値に応じたテーブル出力Y4が線形補間変換部42を介して出力される。また、インターフェース40を介して入力されるパラメータとしては、例えば、加速度信号Saを更に時間微分して算出可能な躍動項をとってもよい。
上記のようにして各テーブルから出力されたテーブル出力Y1、Y2及びY3が、加算器43、44にて加算され、当該ピアノ2での演奏操作に対応する操作情報を示すデータ(合成出力sum)が生成される。このとき、加算器45にて他のパラメータ値(例えば反力の効き具合を調整するパラメータ)を示すテーブル出力Y4も加算合成すれば、例えば反力や振動の効き具合を適宜調整できるようになる。この操作情報(合成出力sum)はソレノイド推力補正テーブル群46に供給される。ソレノイド推力補正テーブル群46は、操作情報(合成出力sum)に応じたソレノイド駆動用の操作情報補正値を出力するものであり、位置信号Spに応じてソレノイド推力補正テーブル群46を構成する複数の推力補正テーブルのうち1つが選択され、該選択された推力補正テーブルから、合成出力sumに応じたテーブル出力Y5(操作情報補正値)を読み出す。ここでソレノイド推力補正テーブルは、ソレノイド特有の非線形的な推力特性を補正することを目的としている。
ソレノイド推力補正テーブル群46から出力されたテーブル出力Y5(操作情報補正値)は、入出力インターフェース13(図2参照)を介してハブ5(図1参照)へ出力され、該LAN1上の他の全ての楽器(ベース3、ドラム4)は、ハブ5を介して、前記テーブル出力Y5を、ピアノ2において生成された外部入力信号auxとして取得しうる。すなわち、テーブル出力Y5(操作情報補正値)は、ピアノ2での演奏操作を表す操作情報として、他の楽器(ベース3、ドラム4)に対して出力される。このとき、他の楽器に対する外部入力信号auxは、ピアノ2の演奏操作に対応するテーブル出力Y5と共に、ピアノ2に固有の楽器番号情報No.を含むデータパケットとして送出されるため、前記外部入力信号auxを受信した他の楽器では、該外部入力信号auxに含まれる楽器番号情報No.によって該外部入力信号auxの送信源を特定できる。
外部入力修正部47には、ソレノイド推力補正テーブル群46から出力されたテーブル出力Y5(操作情報補正値)と共に、合奏システム上の他の楽器(ベース3、ドラム4)から供給される外部入力信号aux、つまり他の楽器における演奏操作を表す操作情報と送信源の楽器番号情報No.が供給される。そして、外部入力修正部47において、センサ22の検出信号に基づき生成されたテーブル出力Y5(操作情報補正値)と、外部から供給された外部入力信号auxとに基づき、ソレノイド23を駆動するためのソレノイド駆動信号(報知制御情報)を生成する。すなわち、外部入力修正部47では、テーブル出力Y5に対して外部入力信号auxに応じた重み付け(修正)を行う。このとき、楽器番号情報No.に応じた修正値パラメータを発生することで、外部入力信号auxの発信源となった楽器に応じて重み付け係数を設定することができる。これにより、報知制御情報に基づき発生される反力や振動に対して「揺れ」を付けたり、動作周期を速くして細かい振動を発生させるなど、外部入力信号に応じた変化を与えることができる。なお、振動の揺れや大きさが、前記操作情報の速度項に応じて可変されるよう構成してもよい。
外部入力修正部47の出力は、ドライバ48に供給される。ドライバ48はソレノイド駆動信号(報知制御情報)に応じた電流信号(例えばPWM形式の信号)を発生し、ソレノイド駆動部49に該電流信号を供給する。ソレノイド駆動部49が与えられた電流信号に基づきソレノイド23の駆動を制御することで、ソレノイド23は鍵20に対して報知制御情報に応じた報知動作を行うこととなる。このように、外部入力信号auxに基づき修正されたソレノイド駆動信号によってソレノイド23を駆動することで、ピアノ2の演奏者に対して、外部から供給された外部入力信号auxに応じた力覚反力や振動を伝えることができる。これによりピアノ2の演奏者は、他の楽器の演奏操作を鍵20に荷重される負荷の変動や、振動として体感できる。また、外部入力修正部47において、外部入力信号auxに基づく係数を各楽器毎に異ならせることで、演奏者は、与えられた報知動作の送信源となった楽器を判別できる。
なお、図3に例示するブロック図においては、ソレノイド推力補正テーブル群46の出力Y5(操作情報補正値)を他の楽器に対する外部入力信号auxとしてハブ5へ出力し、また、ハブ5を介して他の楽器から供給される外部入力信号auxが外部入力修正部47に供給される構成例を示したが、各楽器におけるソレノイド(アクチュエータ)の推力特性が夫々異なる場合には、加算器44の出力を他の楽器に対して出力(aux出力)し、また、他の楽器から供給される外部入力信号auxをその他入力用インターフェース40から取得するよう構成してよい。この点について詳しくは図6を参照して後述する。
次に、エレクトリックベース3の構成について説明する。ベース3は、通常のエレクトリックベースと同様に、ボディ、ネック、弦及び該弦の振動を検出するピックアップ(演奏検出部)等を備えると共に、この発明に係る報知機能を実現するための制御部となるコントロールボックスと、演奏者に対して振動による報知動作を伝達するための振動部材を具える。図4は、ベース3の制御構成の概略を概念的に示すブロック図である。図4において、コントロールボックス50に対して、報知部51及びピックアップ53が接続される。コントロールボックス50は、例えばベース3の本体(ボディ)内に具備されても良いし、本体とは別体で外装してもよい。コントロールボックス50には、図2を参照して上述したドライバモジュールの制御系に相当するもので、CPU、ROM、RAMや、LAN1に接続するための入出力インターフェース等を具える。このコントロールボックスの構成要素の説明については、図2の説明を参照されたい。また、報知部51は、図2に示すアクチュエータ6に相当し、また、ピックアップ52がセンサ7に相当する。
ピックアップ52は、演奏操作に応じた弦(図示省略)の振動を検出するもので、これはエレクトリックベースの演奏音検出用のピックアップを援用してもよいし、演奏操作検出に専用のものを更に設けてもよい。一例として、ピックアップ52は、演奏操作に応じた弦の振動を検出するものであって、検出した振動に応じた速度信号をコントロールボックス50に対して出力する。コントロールボックス50では、供給された速度信号に基づき当該ベース3での演奏操作に対応する操作情報を生成する。生成された該操作情報は、前述したように、当該ベース3での演奏操作を外部に報知するための外部入力信号としてLAN1上に出力されると共に、当コントロールボックス50に接続された報知部51を駆動するための報知制御情報を生成するための1要素として利用される。
図5は報知部51の一例を示す外観概略斜視図である。図5において、報知部51は、本体53内にソレノイドを内蔵しており、該ソレノイドの駆動によって振動される板状の振動子54を備える。図示の例では、報知部51は2つの振動子54を有する。報知部51は、演奏者がベース3を保持した際に該振動子54が演奏者の身体に接触するよう、例えば、振動子54の設置面55を演奏者側に向けた状態でボディ裏面(図において点線3aで示す)に設置される。報知部51は、前記コントロールボックスに対して有線若しくは無線で接続され、該コントロールボックスにおいて生成されたソレノイド駆動信号(報知制御情報)が供給されうる。そして、供給されたソレノイド駆動信号に基づき本体53内のソレノイドが駆動され、該ソレノイドの駆動によって振動子54を振動させることで、演奏者に対して報知制御情報に応じた報知を伝える。
この報知部51は、この実施例に示すようなエレクトリックベース3のみならず、アコースティック楽器/電子楽器を問わず、どのようなタイプの楽器本体に対しても後付可能な機構である。この報知部51を用いることで、任意の楽器を当該合奏システムに組み入れることができる。
コントロールボックス50の制御構成の概略について、図6のブロック図を参照して説明する。これは、図3を参照して説明したピアノ2における制御構成と概ね同様であってよく、基本的には、図3の構成から、鍵20、センサ22及びソレノイド23を除き、それに報知部51の駆動用のアクチュエータと、ピックアップ52を加えた構成となる。なお、図6では、図3において説明したものと同様の構成要素について、同じ符号を付与しその説明を適宜省略する。
図6において、符号60は報知部51に含まれるソレノイド(アクチュエータ)であって、符号61はベース3の操作部(弦)の振動を検出するセンサ(ピックアップ52)である。センサ61の出力(速度信号Sv)は、マルチプレクサやAD変換器を含むインターフェース62を介して取り込まれる。図示の例では、センサ61から出力される速度信号Svを適宜積分して、その位置情報に対応する信号Spを求め、また、速度信号Svを適宜微分して加速度信号Saを求めている。そして、センサ62の出力に基づく位置信号Sp、速度信号Sv及び加速度信号Saを位置、速度及び加速度の各パラメータに対応するテーブル群33、34及び35に供給して、位置、速度及び加速度の各項についてのテーブル出力を得る。なお、上述の図3の例と同様に各テーブル出力は線形補間部37,38,39にて適宜線形補間されてよいが、その図示は省略した。また、上述図3の例と同様、更にその他適宜のパラメータ設定値を取り込むように構成してもよい。
なお、図6の例ではセンサ61の出力(速度情報)から、位置及び加速度情報を求め、位置、速度及び加速度の各項についてのテーブル出力を得るものとして説明したが、これに限らず、センサ61から出力された速度情報のみに基づきテーブル出力を得るよう構成してもよい。
上記のようにして求めた各テーブル出力は加算器43、44にて加算され、当該ベース3での演奏操作に対応する操作情報を示すデータ(合成出力sum)が生成される。この操作情報(合成出力sum)は、ソレノイド推力補正テーブル群46にて、推力補正された後、当該ベース3での演奏操作を表す外部入力信号のデータY5としてハブ5(図1参照)を介してLAN1上へ送出されると共に、外部入力修正部47に供給される。そして、外部入力修正部47において、操作情報のデータY5に対して、他の楽器(ピアノ2、ドラム4)から供給される外部入力信号auxに基づく重み付け演算が行われることで、該外部入力信号auxに応じたソレノイド駆動信号(報知制御情報)が生成される。
外部入力修正部47で生成されたソレノイド駆動信号が、ドライバ48を介して、ソレノイド駆動部49に供給され、ソレノイド駆動部49は与えられた電流信号に基づきソレノイド60の駆動を制御することで、ソレノイド60は報知部51の振動子54に対して報知制御情報に応じた振動を与える。よって、報知部51は、自機の演奏操作に応じた操作情報及び外部入力信号auxに応じた報知動作(振動)を発生することで、他の演奏者が行った演奏操作に対応する情報を、当該ベース3の演奏者に対する振動として伝達することができる。
なお、外部入力信号auxを入出力するための構成の変更例として、各楽器におけるソレノイド(アクチュエータ)の推力特性が夫々異なる場合には、加算器44から出力された当該ベース3の演奏操作に対応する操作情報(合成出力sum)を他の楽器に対する外部入力信号auxとして出力し、また、他の楽器から供給される外部入力信号auxをその他入力用インターフェース40から取得するよう構成してよい。これにより、ソレノイド推力補正テーブル群46において、その他入力用インターフェース40から入力した外部入力信号auxに対して、各楽器毎のソレノイド(アクチュエータ)の推力特性を補正しつつ、各楽器のソレノイドの特性に応じた適切な制御を実施することが可能となる。

次に、ドラム4の構成例について説明する。ここで、ドラム4としては、スネアドラム、バスドラム、各種タムタムや各種シンバル類等、複数の打楽器を含むアコースティックのドラムセットを想定している。ドラム4は、前記ベース3に備わるものと同様なコントロールボックスと、ドラム打撃面の振動を検出するためのピックアップと、演奏者に対して報知動作を行うための報知部として図7に例示するようなサポータ状のリストバンド63を含み、該ピックアップ及びリストバンド63はコントロールボックスに対して信号送受信可能に接続されている。図7(a)は、リストバンド63の外観斜視図であり、(b)は(a)に示すリストバンド63を展開した図である。リストバンド63は、当該ドラム3の演奏者の例えば腕等に巻きつけるようにして装着されるもので、その内周面63aに設けられた形状記憶合金64によって、(a)に示すような、或る一定の略円筒形状を維持しうるよう形成されている。(b)に示すように、リストバンド63の内周面63aの略中央部には、振動子65が設けられており、リストバンド63には該振動子65を駆動するためのアクチュエータが内蔵されている。リストバンド63には、前記コントロールボックスにおいて生成される駆動信号(報知制御情報)が供給され、該駆動信号に基づき振動子65を駆動することで、リストバンド63を装着した演奏者に対して報知制御情報に応じた押圧(圧迫力)を与えることができる。
この実施例では、ドラム打撃面の振動を検出するためのピックアップは、ドラムセットのセット中の例えばスネアドラムとバスドラムのみという具合に、ドラムセット中の一部のみに対して設置されるものとする。周知の通り、スネアドラムの楽器本体は、中空円筒状の胴部の上面に打撃面たるヘッドを具え、演奏者は該ヘッドをドラムスティックで打撃することで、該ヘッドの振動により演奏音を発音させる(ドラム演奏を行う)。図8は、ピックアップを備えたスネアドラムの概略断面図である。スネアドラム本体70は、胴部71の上面に打撃面となるヘッド72を具える。ヘッド72の裏面側の略中心部には、ピックアップ73が該ヘッド72裏面に接触するよう配置されている。図示の例において。ピックアップ73が断面略三角形状(典型的には全体として円錐形状)を有するのは、ピックアップ73とヘッド72の裏面との接触面積を可及的小さくし、音響特性を損なわないようにするためである。ピックアップ73は、胴部71に架設された支持部材74によって支持される。ピックアップ73は、演奏操作によってヘッド72に発生する振動を検出し、該検出した振動に応じた速度信号を、コントロールボックスに対して送出する。なお、ドラム4のピックアップの構成は、図示の例に限らず、例えば圧電素子ピックアップ等をドラム4の胴部71に設置して、該胴部71において打撃振動を検出する等のより簡易な検出方法も可能である。
なお、ドラム本体70には、上記ヘッド72の振動(ヘッド打撃振動)を検出するピックアップ73のみならず、例えば、リムショットを検出するための専用のセンサを更に設けることも可能である。また、バスドラムその他のドラム本体に対しても上記と同様にしてピックアップ73を設置することが可能である。この実施例では、ドラムセットのうちの一部の楽器本体(例えばスネアドラムとバスドラム)にのみ、ピックアップを取り付ける例を想定するが、これに限らず、ドラムセットの全ての楽器にピックアップを取り付けても良い。
ドラム3のコントロールボックスにおいて報知制御情報を生成するためのアルゴリズムは、図6に示すものと概ね同様であってよく、その図示は省略する。図6を適宜援用してドラム3における報知制御情報の生成の手順について簡単に説明する。ピックアップ73がヘッド72の打撃時の振動を検出し、検出信号をコントロールボックスへ送出すると、コントロールボックスでは、該検出信号に基づき当該ドラム4での演奏操作に対応する操作情報を示すデータY5を生成する。操作情報のデータY5は、推力補正テーブルにて補正された後、外部入力修正部47に供給される。該操作情報のデータY5は、また、他の楽器に対する外部入力信号として、当該ドラム4の楽器番号情報No.と共に、ハブ5を介してLAN1上に送出される。外部入力修正部47では、入力された操作情報のデータY5に対して、当該合奏システム上の他の楽器(ピアノ2、ドラム4)から取得した外部入力信号auxに基づく修正を加えることで、リストバンド63のアクチュエータを駆動するための駆動信号(報知制御情報)が生成される。駆動信号に基づき該アクチュエータが駆動され、振動子65を付勢することで、リストバンド63を装着した演奏者の腕に圧迫力を与える。このように、リストバンド63は、自機の演奏操作に応じた操作情報及び外部入力信号auxに応じた報知動作を行うことで、他の演奏者が行った演奏操作に対応する情報を、ドラム4の演奏者に対する圧迫力として伝達することができる。
なお、外部入力信号auxを入出力するための構成については、図6を参照して説明した変更例を同様に適用可能である。
以上説明した通り、この実施例によれば、当該合奏システムにおいて、或る楽器における演奏操作を、振動や力覚反力等の何らかの触覚的情報によって、各楽器の演奏者に対して報知することを可能である。これにより、各演奏者は、演奏音以外による演奏進行状況の報知に合わせた楽器演奏を行うことや、演奏音や演奏者の相互視認以外の体感的要素から、合奏の「乗り」やリズムの一致感等を感知することが可能となる。また、演奏者に対して与える報知動作(振動、反力、圧迫等)の物理特性を任意に可変設定することができるので、各楽器の演奏者は報知動作から感知するタッチ感に応じて個々の楽器を弁別することができるようになる。
なお、上記実施例の変形例として、図1に示す合奏システムにおいて、更に、メトロノームを加えたシステム構成であってもよい。図1においてメトロノームMを点線で示す。メトロノームMは、インターフェースを介してハブ5に接続され、LAN1上の全ての楽器(ピアノ2、ベース3およびドラム4)との間で信号の送受信可能である。例えば、音楽の合奏のリードをとる任意の演奏者からメトロノームMに対してスタート指示信号を送出して、これを受けたメトロノームMは、演奏速度のガイドとなる情報を或る一定の時間間隔で各楽器に対して送出する。各楽器の演奏者は、メトロノームの動作に同期した報知動作(振動など)を体感して、演奏タイミングを計ることができるようになる。
また、この発明に係る合奏システムを構成する楽器としては、図1に例示したものに限らず、その他のどのような種類のアコースティック楽器や電子楽器であっても適用することが可能である。また、例えばジョイスティックタイプ等の多軸操作型の操作子等を適用することも可能である。
また、楽器間のみならず、例えば図7に示すようなリストバンドを聴衆側に装着させることで、演奏者達が行った演奏操作を、該リストバンドを装着した聴衆に対して振動や圧迫力等の触覚的情報によって伝達できるようにしてもよい。
なお、上述した図3や図6に示す各楽器(コントロールボックス)の構成では、自機での演奏操作に対応する操作情報と他の楽器における操作情報の双方に基づき報知制御情報を生成する例を示したが、これに限らず、自機以外の楽器の操作情報(外部入力信号aux)のみに基づき報知制御情報を生成し、自機以外の楽器の操作情報のみに準拠する報知動作を行いうるよう制御する構成も可能である。
なお、上記の実施例では、演奏者に対する報知動作として、楽器の操作部や振動部材を介して演奏者に反力、振動乃至圧迫力を与える例を示したが、これに限らず、例えばピアノ2等においては、報知動作として或る特定の操作子(鍵)を発音しない程度に動かして、報知動作を視認できるようにしてもよいし、また、力覚反力や振動等の触覚的、体感的情報の報知のみならず、報知制御情報に基づき発光部を発光させたり、或いは、演奏者に対して微弱な電流を流したりする等、どのような形態の報知動作であっても適用可能である。
また、上記の実施例では、合奏システムを構築するLANの構成は、マスター/スレーブの関係を規定しないもとしたが、これに限らず、例えば、演奏のリードをとる或る一つの楽器をマスター装置として規定し、該マスター装置を演奏するリード演奏者が、その他のスレーブ装置となる楽器の演奏者に対して、自身が行う演奏の意図を報知動作によって伝達できるようにしてもよいし、或いは、マスター装置における演奏操作に応じた報知動作と他のスレーブ装置での演奏操作に応じた報知動作とで、動作態様、特性を異ならせる(例えば反力の付加荷重や振動の振幅を異ならせる等)よう構成することで、マスター装置における演奏と、スレーブ装置における演奏との弁別が可能となるよう構成することもできる。
この発明の一実施例に係る合奏システムの全体構成を示すブロック図。 同実施例に係る報知動作を実現するための制御系の電気的ハードウェア構成を示す概略ブロック図。 図1の合奏システム中の或る楽器(ピアノ)において報知制御情報を生成の手順を説明するためのブロック図。 図1の合奏システム中の別の楽器(ベース)の制御系の全体的な構成を概念的に示すブロック図。 図4に示す報知部の外観を示す概略斜視図。 図4に示すコントロールボックスにおいて報知制御情報を生成するための手順を説明するための概略ブロック図。 図1の合奏システム中の更に別の楽器(ドラム)において適用可能な報知部の一例を示す図であって、(a)は前記報知部の外観を示す概略斜視図、(b)は(a)を展開して示す斜視図。 ドラム打撃面の振動を検出するためのピックアップを説明するための図であって、該ピックアップを備えたスネアドラムの概略断面図。
符号の説明
1 LAN、2 ピアノ、3 エレクトリックベース、4 ドラム、5 ハブ、6 アクチュエータ、7 センサ、7a 演奏操作部、8 CPU、9 ROM、10 RAM、11 パラメータテーブル、12 パラメータコントローラ、13 入出力インターフェース、47 外部入力修正部、50 コントロールボックス

Claims (4)

  1. 演奏者によって操作される操作部と、
    前記操作部において行われた演奏操作を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出した演奏操作に対応する操作情報を発生する操作情報発生手段と、
    ネットワークに接続され、該ネットワーク上の他の装置から与えられる該他の装置における演奏操作に応じた操作情報を入力するインターフェース手段と、
    前記操作情報発生手段から発生された操作情報及び前記他の装置から入力した操作情報の少なくとも一方に基づき報知制御情報を生成する報知制御情報生成手段と、
    前記生成した報知制御情報に基づき、演奏者に対する報知動作を行う報知手段と
    を含む楽器。
  2. 前記インターフェース手段は、更に、前記操作情報発生手段で発生された前記操作情報を該ネットワーク上の他の装置に対して出力するものである請求項1に記載の楽器。
  3. 複数の前記請求項2に記載の楽器が前記ネットワークを介して相互通信可能に接続されて成る合奏システムであって、
    前記複数の楽器の各々には、前記インターフェース手段を介して前記合奏システム上の他の楽器から与えられる該他の楽器における演奏操作に応じた操作情報が供給され、
    前記報知制御情報生成手段は、自機の前記操作情報発生手段から発生された操作情報及び前記他の楽器から供給された操作情報の少なくとも一方に基づき報知制御情報を生成し、
    前記報知手段は、前記報知制御情報に基づく報知動作を行うことで、演奏者に対して他の楽器における演奏操作を報知しうることを特徴とする合奏システム。
  4. 演奏者に対する報知動作を行うための報知部と、
    前記演奏者による楽器の演奏操作を検出する検出部と、
    前記報知部の報知動作を制御するための制御部であって、
    前記検出部で検出した演奏操作に対応する操作情報を発生する操作情報発生手段と、
    ネットワークに接続され、該ネットワーク上の他の装置から与えられる該他の装置における演奏操作に応じた操作情報を入力するインターフェース手段と、
    前記操作情報発生手段から発生された操作情報及び前記他の装置から入力した操作情報の少なくとも一方に基づき報知制御情報を生成する報知制御情報生成手段と
    を有する制御部を含み、
    前記報知部は前記生成した報知制御情報に基づき、演奏者に対する報知動作を行うことを特徴とする楽器間コミュニケーションツール。
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