JP2005250004A - 感光性樹脂組成物、ソルダーレジスト用組成物、感光性ドライフィルムおよびプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 紫外線露光及び希アルカリ水溶液による現像により画像形成可能であり、耐熱性に特に優れ、熱管理幅、感度、密着性に優れ、その他の塗膜性能も良く維持することができる感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 感光性樹脂組成物は、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、および(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系化合物をラジカル重合性不飽和モノカルボン酸と反応させて得られたエポキシ基の部分エステル化物を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 感光性樹脂組成物は、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、および(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系化合物をラジカル重合性不飽和モノカルボン酸と反応させて得られたエポキシ基の部分エステル化物を含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、紫外線露光及び希アルカリ水溶液による現像で画像形成可能である感光性樹脂組成物、ソルダーレジスト用組成物、感光性ドライフィルムおよびプリント配線板に関するものである。
エポキシアクリレート樹脂を含めアクリレートオリゴマー類はその光硬化特性が優れている事から、広く産業界に応用されている。その中でもエポキシアクリレート樹脂は、光硬化性と共に密着性、耐熱性、耐薬品性が他のアクリレートオリゴマー類に比べて優れているため、金属コーティングやプリント配線板のソルダーレジストの塗膜の主要成分として広く利用されてきた。例えばプリント配線板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けすることにより搭載するためのものであり、そのはんだ付けランドを除く回路部分は、永久保護皮膜としてのソルダーレジスト膜で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際にはんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。従来、ソルダーレジスト膜は、基板上にその溶液組成物をスクリーン印刷法でパターン形成し、溶剤を除く乾燥をした後、紫外線または熱により硬化させることが主流とされてきた。
ところが、最近、プリント配線基板の配線密度の向上(細密化)の要求にともないソルダーレジスト組成物(ソルダーレジストインキ組成物ともいう)も高解像性、高精度化が要求され、民生用基板、産業用基板を問わずスクリーン印刷法から、位置精度、導体エッジ部の被覆性に優れる液状フォトソルダーレジスト法(写真現像法)が提案されている。例えば特許文献1、特許文献2には、ビスフェノール型エポキシアクリレート、増感剤、エポキシ化合物、エポキシ硬化剤などからなるソルダーレジスト組成物が開示されている。これらのソルダーレジスト組成物は、プリント配線板上に感光性樹脂組成物である液状組成物を全面塗布し、溶媒を揮発させた後、露光して未露光部分を有機溶剤を用いて除去し、現像するものである。しかし、この有機溶剤による未露光部分の除去(現像)は、有機溶剤を多量に使用するため、環境汚染や火災などの危険性があるのみならず、環境汚染の問題があり、特に人体に与える影響が最近大きくクローズアップされてきていることから、その対策に苦慮しているのが現状である。
特開昭50ー144431号
特開昭51ー40451号公報
これらの問題を解決するために、希アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型フォトソルダーレジスト組成物が提案されている。例えば特許文献3、特許文献4には、エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を付加させた反応生成物をベースポリマーとする材料が開示されている。また、特許文献5には、ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応物と、飽和または不飽和多塩基酸無水物とを反応せしめて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂と、光重合開始剤を含有する希アルカリ水溶液により現像可能な光硬化性の液状レジストインキ組成物が開示されている。
特開昭56ー40329号
特開昭57ー45785号公報
特公平1ー54390号公報
これらの液状ソルダーレジスト組成物は、エポキシアクリレートにカルボキシル基を導入することによって、光感光性や希アルカリ水溶液での現像性を付与させたものであるが、この組成物にはさらに、その塗膜を露光、現像処理して所望のレジストパターンを形成したあと、通常熱硬化させるために、熱硬化成分として、一般的にエポキシ化合物を含有させ、上記エポキシアクリレートに導入したカルボキシル基と反応させる加熱処理を行い、密着性、硬度、耐熱性、電気絶縁性などに優れるレジスト膜を形成させている。この場合、一般的にはエポキシ樹脂とともに、エポキシ樹脂用硬化剤が併用される。
しかしながら、熱硬化成分としてエポキシ化合物を含有するソルダーレジスト組成物において、耐熱性を向上させるため、エポキシ化合物の添加量を増やし、優れた耐熱性を設計しようとすると、熱管理幅が低下する傾向が見られた。このため、優れた耐熱性と熱管理幅とを併有するソルダーレジスト組成物の設計が行い難いという問題がある。
本発明の目的は、紫外線露光及び希アルカリ水溶液による現像により画像形成可能であり、耐熱性に優れた感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、耐熱性、熱管理幅、感度、密着性に優れ、その他の塗膜性能も良く維持することができる感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、耐熱性、熱管理幅、感度、密着性に優れ、その他の塗膜性能も良く維持することができる感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、および(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系化合物の一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて得られるエポキシ基の部分エステル化物を含有する感光性樹脂組成物によれば、その塗膜の耐熱性を格段に向上させることができることを見出し、特にプリント配線板製造用ソルダーレジスト用として好適な硬化膜を提供することを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤及び(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系化合物をラジカル重合性不飽和モノカルボン酸と反応させて得られたエポキシ基の部分エステル化物を含有する、感光性樹脂組成物に係るものである。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物からなるソルダーレジスト用組成物に係るものであり、また、前記感光性樹脂組成物から作製された感光性ドライフィルムに係るものであり、更に前記感光性樹脂組成物の硬化膜を有する、電子部品搭載前後のプリント配線板に係るものである。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物からなるソルダーレジスト用組成物に係るものであり、また、前記感光性樹脂組成物から作製された感光性ドライフィルムに係るものであり、更に前記感光性樹脂組成物の硬化膜を有する、電子部品搭載前後のプリント配線板に係るものである。
好適な実施形態においては、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂の酸価が40〜160mgKOH/gである。また、好適な実施形態においては、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対し、(B)光重合開始剤を0.2〜30重量部の割合で用いる。また、好適な実施形態においては、(C)希釈剤が光重合性モノマー及び有機溶剤の少なくとも1種であり、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対し光重合性モノマー及び有機溶剤の少なくとも1種を2〜40重量部の割合で用いる。
また、好適な実施形態においては、(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系化合物の一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて得られるエポキシ基の部分エステル化物を、単独または(E)その他の熱硬化性化合物とともに用いる。この場合に、(A)活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対し、(D)部分エステル化物を合計量で5〜100重量部の割合で用いることが好ましい。
本発明において、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂とは、例えば1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させた後、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させたものなどを挙げることができる。
上記の多官能のエポキシ化合物としては、少なくとも2官能のエポキシ樹脂であれば、いずれでも使用可能であり、エポキシ当量に制限は特にないが、通常1,000以下、好ましくは100〜500のものを用いる。例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂有、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものなども挙げられる。これらの内でも耐熱性を考慮すると、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
これらのエポキシ系化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させると、エポキシ基とカルボキシル基の反応によりエポキシ基が開裂し水酸基とエステル結合が生成する。この際使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、特に制限は無く、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などがあるが、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。エポキシ系化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に制限は無く、例えばエポキシ系化合物とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応できる。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。また触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフェートなどのリン化合物類等を挙げることができる。
上記のエポキシ系化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応において、このエポキシ系化合物としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物を用いるが、その少なくとも2個のエポキシ基にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させる。これにより後述の飽和もしくは不飽和の多塩基酸またはその多塩基酸無水物を反応させることにより、少なくとも二塩基性のエポキシ系化合物変性不飽和多塩基酸を得ることができる。エポキシ系化合物が二官能のときは、エポキシ系化合物が有するエポキシ基1当量あたりラジカル重合性不飽和モノカルボン酸1当量反応させる。エポキシ系化合物が3官能以上のときは、エポキシ系化合物が有するエポキシ基1当量あたりラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.7〜1.2当量反応させることが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸の少なくとも一方を用いるときは、さらに好ましくは0.8〜1.0当量加えて反応させる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が0.7当量未満であると、後続の合成の合成反応時にゲル化を起こすことがあったり、あるいは樹脂の安定性が低下する。またラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が過剰であると、未反応のカルボン酸が多く残存するため、硬化物の諸特性(例えば耐水性等)を低下させる恐れがある。
エポキシ系化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応は、加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、80〜140℃である事が好ましい。反応温度が140℃を超えると、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が熱重合を起こし易くなり、合成が困難になることがある。また80℃未満では、反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。複数種の上記エポキシ系化合物を用いる場合や、上記エポキシ系化合物を単一種で用いる場合でも、各エポキシ形化合物の個々の分子を結合したい場合には、エポキシ基1モルに対してラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.4〜0.9モル反応させることが好ましい。エポキシ系化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の希釈剤中での反応においては、希釈剤の配合量が反応系の総重量に対して、20〜50%である事が好ましい。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応生成物は、単離することなく、希釈剤の溶液のまま、次の多塩基酸類との反応に供する事ができる。
上記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和モノカルボン酸化エポキシ系化合物に、多塩基酸またはその無水物(これらの両方でも良い)を反応させる。多塩基酸またはその無水物としては、特に制限は無く、飽和、不飽和のいずれも使用できる。このような多塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用することができ、また2種以上を混合してもよい。多塩基酸又は多塩基酸無水物は、上記のエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離させたカルボキシル基を持たせる。反応させようとする多塩基酸の使用量は、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物が有する水酸基1モルに対し、0.2〜1.0モルである事が望ましい。露光時に高感度の樹脂膜が得られる点からは、好ましくは0.3〜0.9モル、さらに好ましくは0.4〜0.8モルの割合で反応させる。0.2モル未満であると得られた樹脂の希アルカリ現像性が低下することがあり、また1.0モルを超えると、最終的に得られる硬化塗膜の諸特性(例えば耐水性等)を低下させることがある。多塩基酸は、上記の不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に添加され、脱水縮合反応され、反応時生成した水は反応系から連続的に取り出すことが好ましいが、その反応は加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、70〜130℃である事が好ましい。反応温度が130℃を超えると、エポキシ樹脂に結合されたものや、未反応モノマーのラジカル重合性不飽和基が熱重合を起こし易くなり、合成が困難になることがあり、また70℃以下では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。多塩基酸無水物を使用する場合もこれに準ずる。上記の多塩基酸又はその無水物と不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂との反応生成物である多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の酸価は、60〜300mgKOH/gが好ましい。反応させる多塩基酸又はその無水物の量により、反応生成物の酸価は調整できる。
本発明においては、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂も感光性樹脂として使用できる。しかし、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボシキル基の一部に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、更に感光性を向上させた感光性樹脂としても良い。この感光性を向上させた感光性樹脂は、最後のグリシジル化合物の反応によって、ラジカル重合性不飽和基が、その前駆体の感光性樹脂の高分子の骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、優れた感光特性を持つことができる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つ化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。これらの化合物は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。上記のグリシジル化合物は、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の溶液に添加して反応させるが、その樹脂に導入したカルボキシル基1モルに対し、通常0.05〜0.5モルの割合で反応させる。得られる感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物の感光性(感度)や、熱管理幅及び電気絶縁性等を考慮すると、好ましくは0.1〜0.5モルの割合で反応させるのが有利である。反応温度は80〜120℃が好ましい。このようにして得られるグリシジル化合物付加多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂からなる感光性樹脂は酸価が45〜250mgKOH/gである事が好ましい。
本発明においては、(B)光重合開始剤としては、特に制限はなく、従来知られているものはいずれも使用できる。具体的には、代表的なものとしては例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2, 2- ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2- ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−
(2−ヒドロキシエトキシ) フェニル−2−(ヒドロキシ−2− プロピル) ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4, 4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−
ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、 2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらを単独または組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の使用量は、(A)活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、通常0.2〜50重量部が好ましい。0.2重量部未満では、(A)活性エネルギー線硬化性樹脂の光硬化反応が進行し難くなり、50重量部を超えると、その加える量の割には効果は向上せず、むしろ経済的には不利となったり、硬化塗膜の機械的特性が低下したりすることがある。光硬化性、経済性、硬化塗膜の機械的特性などの点からは、その使用量は2.0〜30重量部が更に好ましい。
(2−ヒドロキシエトキシ) フェニル−2−(ヒドロキシ−2− プロピル) ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4, 4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−
ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、 2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらを単独または組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の使用量は、(A)活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、通常0.2〜50重量部が好ましい。0.2重量部未満では、(A)活性エネルギー線硬化性樹脂の光硬化反応が進行し難くなり、50重量部を超えると、その加える量の割には効果は向上せず、むしろ経済的には不利となったり、硬化塗膜の機械的特性が低下したりすることがある。光硬化性、経済性、硬化塗膜の機械的特性などの点からは、その使用量は2.0〜30重量部が更に好ましい。
本発明における(C)希釈剤は、光重合性モノマー及び有機溶剤の少なくとも1種を意味する。光重合性モノマーは反応性希釈剤といわれるもので、これは(A)感光性樹脂の光硬化を更に十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する塗膜を得るために使用するもので、1分子中に二重結合を少なくとも2個有する化合物が好ましく用いられる。(A)活性エネルギー線硬化性樹脂(感光性樹脂)を含有する感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために有機溶剤を用いても良いが、その必要がなければ用いなくて良い。また(A)感光性樹脂のみの光硬化性で足りる場合には、光重合性モノマーは用いなくても良い。
その光重合成モノマーの代表的なものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤が挙げられる。
上記の2〜6官能その他の多官能反応性希釈剤は単品又は複数の混合系のいずれにおいても使用可能である。この反応性希釈剤の添加量は、(A)成分の活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、通常2.0〜40重量部が好ましい。その添加量が2.0重量部より少ないと、十分な光硬化が得られにくく、硬化塗膜の耐酸性、耐熱性等において十分な特性が得られにくい傾向がある。また、添加量が40重量部を越えると、タックが激しく、露光の際アートワークフィルムの基板への付着が生じ易くなり、目的とする硬化塗膜が得られ難くなる。光硬化性、硬化塗膜の耐酸性、耐熱性等、アートワークフィルムの基板への付着の防止の点からは、反応性希釈剤の添加量は、4.0〜20重量部が更に好ましい。
上記の有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。
本発明における(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系化合物をラジカル重合性不飽和モノカルボン酸と反応させて得られたエポキシ基の部分エステル化物は、本発明の感光性樹脂組成物において、その塗膜を露光し、現像した後のポストキュアー後において十分な耐熱性、強靭な塗膜等の塗膜性能を向上できるものである。
このエポキシ系化合物の代表的なものとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロン1050」、ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート828」等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロン830」、東都化成株式会社製「YDF−2001」等」、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンEXA−1514」等)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−770」、ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート152」「エピコート154」等)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−660」「エピクロンN−673」「エピクロンN−695」、東都化成株式会社製「YDCN−702」等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製「ST−3000」等)、アミノ基含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「HP−4032」等)、複素環式エポキシ樹脂(日産化学工業株式会社製「TEPIC」等)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコートYX−4000」等)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「HP−7200」等)、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート157S70」等)、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、イミドエポキシ樹脂などが挙げられるが、上記化合物のみに限定されるものではない。これらのエポキシ系化合物は1分子中に2個以上のエポキシ基を有することが好ましい。
このエポキシ系化合物の代表的なものとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロン1050」、ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート828」等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロン830」、東都化成株式会社製「YDF−2001」等」、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンEXA−1514」等)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−770」、ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート152」「エピコート154」等)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−660」「エピクロンN−673」「エピクロンN−695」、東都化成株式会社製「YDCN−702」等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製「ST−3000」等)、アミノ基含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「HP−4032」等)、複素環式エポキシ樹脂(日産化学工業株式会社製「TEPIC」等)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコートYX−4000」等)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「HP−7200」等)、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート157S70」等)、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、イミドエポキシ樹脂などが挙げられるが、上記化合物のみに限定されるものではない。これらのエポキシ系化合物は1分子中に2個以上のエポキシ基を有することが好ましい。
これらのエポキシ系化合物の一部をラジカル重合性不飽和モノカルボン酸と反応させると、エポキシ基とカルボキシル基の反応によりエポキシ基が開裂し、水酸基とエステル結合が生成する。この際使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、特に制限は無く、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などがあるが、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。エポキシ系化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に制限は無く、例えばエポキシ系化合物とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応できる。
希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。また触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフェートなどのリン化合物類等を挙げることができる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸による反応において、エポキシ樹脂が有するエポキシ基1当量あたりラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.1〜0.7当量反応させる事が更に好ましい。特に熱管理幅と耐熱性を考慮すると0.3〜0.6当量反応させることが好ましい。これらの熱硬化性化合物は単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。また、その他の熱硬化化合物と併用してもよい。
希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。また触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフェートなどのリン化合物類等を挙げることができる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸による反応において、エポキシ樹脂が有するエポキシ基1当量あたりラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.1〜0.7当量反応させる事が更に好ましい。特に熱管理幅と耐熱性を考慮すると0.3〜0.6当量反応させることが好ましい。これらの熱硬化性化合物は単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。また、その他の熱硬化化合物と併用してもよい。
本発明において(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤及び(D)前記部分エステル化物を混合して使用することにより、本発明の感光性樹脂組成物とすることができ、例えば、プリント配線板製造用ソルダーレジスト組成物として好適に使用することができる。
(D)部分エステル化物に対して、更に(E)これ以外の熱硬化性化合物を混合することができる。これによって所望の塗膜特性を設計しやすくなり、例えば塗膜の金メッキ性を向上させる設計をしやすくなる。
(E)他の熱硬化性化合物としては、特に制限はなく、代表的なものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロン1050」、ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート828」等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロン830」、東都化成株式会社製「YDF−2001」等)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンEXA−1514」等)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−770」、ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート152」「エピコート154」等)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−660」「エピクロンN−673」「エピクロンN−695」、東都化成株式会社製「YDCN−702」等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製「ST−3000」等)、アミノ基含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「HP−4032」等)、複素環式エポキシ樹脂(日産化学工業株式会社製「TEPIC」等)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコートYX−4000」等)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「HP−7200」等)、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート157S70」等)、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、イミドエポキシ樹脂などがあげられるが、上記化合物のみに限定されるものではない。
また、本発明の組成物には、反応促進剤としてメラミン化合物、イミダゾール化合物、フェノール化合物等の公知のエポキシ硬化促進剤を併用して、塗膜のポストキュアーを促進することもできる。ジシアンジアミド、その誘導体(N−置換ジシアンジアミド誘導体(特開平11−119429号公報に記載の一般式及び具体的例示のもの))及びこれらの有機酸塩(多塩基カルボン酸、りん酸、硫酸等の有機酸塩)の少なくとも1種を用いてもよい。反応促進剤の併用により、得られるレジスト皮膜の耐熱性、耐酸性、耐溶剤性、密着性、硬度などの諸特性を向上させることができ、プリント配線板用のソルダーレジストとして有用である。
(E)他の熱硬化性化合物としては、特に制限はなく、代表的なものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロン1050」、ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート828」等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロン830」、東都化成株式会社製「YDF−2001」等)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンEXA−1514」等)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−770」、ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート152」「エピコート154」等)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−660」「エピクロンN−673」「エピクロンN−695」、東都化成株式会社製「YDCN−702」等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製「ST−3000」等)、アミノ基含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「HP−4032」等)、複素環式エポキシ樹脂(日産化学工業株式会社製「TEPIC」等)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコートYX−4000」等)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「HP−7200」等)、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート157S70」等)、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、イミドエポキシ樹脂などがあげられるが、上記化合物のみに限定されるものではない。
また、本発明の組成物には、反応促進剤としてメラミン化合物、イミダゾール化合物、フェノール化合物等の公知のエポキシ硬化促進剤を併用して、塗膜のポストキュアーを促進することもできる。ジシアンジアミド、その誘導体(N−置換ジシアンジアミド誘導体(特開平11−119429号公報に記載の一般式及び具体的例示のもの))及びこれらの有機酸塩(多塩基カルボン酸、りん酸、硫酸等の有機酸塩)の少なくとも1種を用いてもよい。反応促進剤の併用により、得られるレジスト皮膜の耐熱性、耐酸性、耐溶剤性、密着性、硬度などの諸特性を向上させることができ、プリント配線板用のソルダーレジストとして有用である。
(D)部分エステル化物は、(A)活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対し、通常5〜100重量部の割合で添加することが好ましい。この添加量が5重量部未満では、ポストキュアー後において、所望の物性を有する塗膜が得られにくくなる傾向がある。100重量部を超えると、感光性樹脂の光硬化性が低下する傾向がある。ポスキキュアー後の塗膜物性及び感光性樹脂の光硬化性などの点から、(D)部分エステル化物の添加量は、10〜60重量部とすることが更に好ましい。また、(E)他の熱硬化性化合物の添加量は、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記の成分のほかに、必要に応じて種々の添加剤、例えばシリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機顔料からなる充填剤、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料や二酸化チタン等の無機顔料の公知の着色顔料、消泡剤、レベリング剤等の塗料用添加剤などを含有させることができる。
上述のようにして得られた本発明の感光性樹脂組成物は、例えば銅張り積層板の銅箔をエッチングして形成した回路のパターンを有するプリント配線板に所望の厚さで塗布し、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱して溶剤を揮散させた後、これに上記回路のパターンのはんだ付けランド以外は透光性にしたパターンのネガフィルムを密着させ、その上から紫外線を照射させ、このはんだ付けランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。この際使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。次いで、熱硬化性化合物を含有する場合には、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアーを行うことにより、目的とするソルダーレジスト皮膜を形成せしめることができる。このようにしてソルダーレジスト膜で被覆したプリント配線板が得られ、これに電子部品が噴流はんだ付け方法や、リフローはんだ付け方法によりはんだ付けされることにより接続、固定されて搭載され、一つの電子回路ユニットが形成される。本発明においては、その電子部品搭載前のソルダーレジスト皮膜を被覆したプリント配線板、このプリント配線板に電子部品搭載した電子部品搭載後のプリント配線板のいずれをもその対象に含む。なお、上記混合して使用する各成分の具体例、混合量、使用方法等は特願平11−67953号(特開2000−267275号公報)に記載されているものを適用できる。
本発明の組成物から溶剤を除去し、ポリエチレンやポリエステル等のフィルムによりサンドイッチすることによって、感光性ドライフィルムを作製することができる。ここでいうドライフィルムは、平滑性が高く,溶剤を含まないため環境に優しく,ゴミがつかず,約60μmの薄板にソルダーレジストの塗工が可能であり、さらに両面同時処理できるため設備が半減でき、生産効率が高いといった利点がある。
後述する実施例で使用する各成分及びその成分比を中心に、各成分の上述した化合物の中から選択された類似化合物、各成分比の上述した好ましい範囲について、後述する実施例を包括する上位概念の発明を構成することができる。
後述する実施例で使用する各成分及びその成分比を中心に、各成分の上述した化合物の中から選択された類似化合物、各成分比の上述した好ましい範囲について、後述する実施例を包括する上位概念の発明を構成することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[エポキシアクリレート酸付加物溶液の合成]((A)成分の樹脂Aの合成)
攪拌機、温度計、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコにクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、ECON−104S、軟化点92℃、エポキシ当量220)660g、カルビトールアセテート 421.3g及びソルベントナフサ 180.6gを導入し、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。次に一旦60℃まで冷却し、アクリル酸 216g、トリフェニルフォスフィン 4.0g、メチルハイドロキノン 1.3gを加えて、100℃で12時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。これにテトラヒドロ無水フタル酸 241.7gを仕込み、90℃に加熱し、6時間反応させ、固形分酸価が80.2mgKOH/g、固形分濃度が65%の樹脂溶液(樹脂A)を得た。
[エポキシアクリレート酸付加物溶液の合成]((A)成分の樹脂Aの合成)
攪拌機、温度計、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコにクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、ECON−104S、軟化点92℃、エポキシ当量220)660g、カルビトールアセテート 421.3g及びソルベントナフサ 180.6gを導入し、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。次に一旦60℃まで冷却し、アクリル酸 216g、トリフェニルフォスフィン 4.0g、メチルハイドロキノン 1.3gを加えて、100℃で12時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。これにテトラヒドロ無水フタル酸 241.7gを仕込み、90℃に加熱し、6時間反応させ、固形分酸価が80.2mgKOH/g、固形分濃度が65%の樹脂溶液(樹脂A)を得た。
[樹脂の製造例1]((D)熱硬化性樹脂1の合成)
(トリグリシジルイソシアヌレート−アクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業株式会社製TEPIC−S、エポキシ当量101)620gを加熱溶解させ、メチルハイドロキノン0.3gを加え、100℃でアクリル酸180gを10時間かけて滴下し、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は278であった。
(トリグリシジルイソシアヌレート−アクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業株式会社製TEPIC−S、エポキシ当量101)620gを加熱溶解させ、メチルハイドロキノン0.3gを加え、100℃でアクリル酸180gを10時間かけて滴下し、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は278であった。
[樹脂の製造例2]((D)熱硬化性樹脂2の合成)
(トリグリシジルイソシアヌレート−メタクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業株式会社製TEPIC−S、エポキシ当量101)628gを加熱溶解させ、メチルハイドロキノン0.3gを加え、100℃でメタクリル酸172gを10時間かけて滴下し、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は235であった。
(トリグリシジルイソシアヌレート−メタクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業株式会社製TEPIC−S、エポキシ当量101)628gを加熱溶解させ、メチルハイドロキノン0.3gを加え、100℃でメタクリル酸172gを10時間かけて滴下し、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は235であった。
[樹脂の製造例3]((D)熱硬化性樹脂3の合成)
(ビフェノール型エポキシ樹脂−アクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにエピコートYX−4000(ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量188)650gを加熱溶解させ、メチルハイドロキノン0.3g、トリフェニルホスフィン1g、アクリル酸180gを加え、110℃で約10時間、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は690であった。
(ビフェノール型エポキシ樹脂−アクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにエピコートYX−4000(ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量188)650gを加熱溶解させ、メチルハイドロキノン0.3g、トリフェニルホスフィン1g、アクリル酸180gを加え、110℃で約10時間、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は690であった。
[樹脂の製造例4]((D)熱硬化性樹脂4の合成)
(フェノールノボラック型エポキシ樹脂−アクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにエピクロンN−770(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量190)652gを加熱溶解させ、メチルハイドロキノン0.5g、ジメチルベンジルアミン0.5g、アクリル酸148gを加え、115℃で約8時間、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は595であった。
(フェノールノボラック型エポキシ樹脂−アクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにエピクロンN−770(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量190)652gを加熱溶解させ、メチルハイドロキノン0.5g、ジメチルベンジルアミン0.5g、アクリル酸148gを加え、115℃で約8時間、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は595であった。
[樹脂の製造例5]((D)熱硬化性樹脂5の合成)
(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂−アクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにエピクロンN−680(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量210)664gを加熱溶解させ、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.5g、ジメチルベンジルアミン0.5g、アクリル酸137gを加え、115℃で約8時間、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は756であった。
(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂−アクリル酸付加物)
カルビトールアセテート200gにエピクロンN−680(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量210)664gを加熱溶解させ、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.5g、ジメチルベンジルアミン0.5g、アクリル酸137gを加え、115℃で約8時間、酸価が1以下になるまで反応させた。得られた樹脂溶液は、樹脂固形分が80%であり、エポキシ当量は756であった。
(実施例1(感光性樹脂組成物))
上記で合成したエポキシアクリレート酸付加物溶液(樹脂A)100
gに対し、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2 ‐モルフォリノ−1‐プロパノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)を8.0
g、ペンタエリスリトールを8.0 g、フタロシアニングリーンを0.5 g及びタルクを8.0 gと上記で合成した熱硬化樹脂1を20gの割合で配合し、これらを3本ロールで混合分散させて、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を後述の試験法によって調べた結果を表1に示す。
上記で合成したエポキシアクリレート酸付加物溶液(樹脂A)100
gに対し、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2 ‐モルフォリノ−1‐プロパノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)を8.0
g、ペンタエリスリトールを8.0 g、フタロシアニングリーンを0.5 g及びタルクを8.0 gと上記で合成した熱硬化樹脂1を20gの割合で配合し、これらを3本ロールで混合分散させて、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を後述の試験法によって調べた結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化樹脂1を使用し、さらにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製:エピコート152、エポキシ当量175)を5.0g加え、その他の組成は同様にして感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化樹脂1を使用し、さらにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製:エピコート152、エポキシ当量175)を5.0g加え、その他の組成は同様にして感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化樹脂1を25g、ペンタエリスリトール5.0gに添加量を変えた以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化樹脂1を25g、ペンタエリスリトール5.0gに添加量を変えた以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例2において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化樹脂1を25g、ペンタエリスリトール5.0に添加量を変えた以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
実施例2において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化樹脂1を25g、ペンタエリスリトール5.0に添加量を変えた以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
(実施例5〜8)
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化樹脂のかわりに製造例2〜5で得られた熱硬化樹脂を使用した以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化樹脂のかわりに製造例2〜5で得られた熱硬化樹脂を使用した以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
(比較例1、2)
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化性樹脂のかわりに表1で示したエポキシ樹脂を固形分を合計で16g使用した以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化性樹脂のかわりに表1で示したエポキシ樹脂を固形分を合計で16g使用した以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化性樹脂のかわりに表1で示したエポキシ樹脂の添加量を10gに変えた以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
実施例1において、樹脂の製造例1で得られた熱硬化性樹脂のかわりに表1で示したエポキシ樹脂の添加量を10gに変えた以外は同様にして、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。この感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能を実施例1と同様にして調べた結果を表1に示す。
感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能の評価方法は、以下のとおりである。
予め面処理済みの基板に、スクリーン印刷法により、上記実施例1〜8、比較例1〜3のそれぞれの感光性樹脂組成物を35μmの厚さ(乾燥前)に塗工してそれぞれの塗工基板を作製した。
塗膜性能の評価用試験片は、上記塗工基板にアートワークフィルムを通しメインピ−クが365nmの波長の紫外線の照射光量をオ−ク製作所社製の積算光量計を用い300mJ/cm2
照射し、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレ−圧で60秒間現像を行った後、150℃、1時間ポストキュアして硬化塗膜を有する基板を作成した。
予め面処理済みの基板に、スクリーン印刷法により、上記実施例1〜8、比較例1〜3のそれぞれの感光性樹脂組成物を35μmの厚さ(乾燥前)に塗工してそれぞれの塗工基板を作製した。
塗膜性能の評価用試験片は、上記塗工基板にアートワークフィルムを通しメインピ−クが365nmの波長の紫外線の照射光量をオ−ク製作所社製の積算光量計を用い300mJ/cm2
照射し、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレ−圧で60秒間現像を行った後、150℃、1時間ポストキュアして硬化塗膜を有する基板を作成した。
感度
上述の塗工基板を80℃、20分予備乾燥した後の塗工基板に感度測定用ステップタブレット(コダック21段)を設置し、ステップタブレットを通しメインピ−クが365nmの波長の紫外線の照射光量をオ−ク製作所社製の積算光量計を用い300mJ/cm2
照射したものをテストピ−スとし、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレ−圧で60秒間現像を行った後の露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。
上述の塗工基板を80℃、20分予備乾燥した後の塗工基板に感度測定用ステップタブレット(コダック21段)を設置し、ステップタブレットを通しメインピ−クが365nmの波長の紫外線の照射光量をオ−ク製作所社製の積算光量計を用い300mJ/cm2
照射したものをテストピ−スとし、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレ−圧で60秒間現像を行った後の露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。
熱管理幅
上述の塗工基板の予備乾燥時間を10分間隔で120分まで延長したものを試験片とし、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2
のスプレー圧で60秒現像を行い、塗工膜を完全に除去することができる最長の予備乾燥時間(min)を測定した。
上述の塗工基板の予備乾燥時間を10分間隔で120分まで延長したものを試験片とし、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2
のスプレー圧で60秒現像を行い、塗工膜を完全に除去することができる最長の予備乾燥時間(min)を測定した。
タック性(指触乾燥性)
上述の塗工基板を80℃、20分予備乾燥した後、塗膜表面にネガフィルムを密着させ、露光した後に、ネガフィルムへの塗膜の付着の程度を調べ、以下のように評価した。
◎:まったく付着、貼り付き跡が認められないもの
○:塗膜表面に貼り付き跡が認められるもの
△:剥離に際し、抵抗が生じるもの
×:ネガフィルムへの塗膜の付着が認められるもの
上述の塗工基板を80℃、20分予備乾燥した後、塗膜表面にネガフィルムを密着させ、露光した後に、ネガフィルムへの塗膜の付着の程度を調べ、以下のように評価した。
◎:まったく付着、貼り付き跡が認められないもの
○:塗膜表面に貼り付き跡が認められるもの
△:剥離に際し、抵抗が生じるもの
×:ネガフィルムへの塗膜の付着が認められるもの
鉛筆硬度
硬化塗膜をJIS C 5012−1993 8.6.3に準拠して測定した。
硬化塗膜をJIS C 5012−1993 8.6.3に準拠して測定した。
はんだ耐熱性
硬化塗膜を有する試験片を、JIS C 6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒浸漬後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとした計1〜3サイクルを行った後の塗膜状態を目視により評価した。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がないもの
○:3サイクル後に僅かに変化しているもの
△:2サイクル後に変化しているもの
×:1サイクル後に剥離を生じるもの
硬化塗膜を有する試験片を、JIS C 6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒浸漬後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとした計1〜3サイクルを行った後の塗膜状態を目視により評価した。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がないもの
○:3サイクル後に僅かに変化しているもの
△:2サイクル後に変化しているもの
×:1サイクル後に剥離を生じるもの
耐溶剤性
硬化塗膜を有する試験基板を常温の塩化メチレンに30分間浸漬したのち、水洗後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について観察し、耐溶剤性を評価した。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅か変化しているもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
硬化塗膜を有する試験基板を常温の塩化メチレンに30分間浸漬したのち、水洗後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について観察し、耐溶剤性を評価した。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅か変化しているもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
耐金メッキ性
硬化塗膜を有する試験基板に金メッキ加工後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について観察し、耐金メッキ性を評価した。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅かに変化したもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
硬化塗膜を有する試験基板に金メッキ加工後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について観察し、耐金メッキ性を評価した。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅かに変化したもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
表1の結果から、エポキシ基の部分エステル化物を熱硬化性化合物として用いた実施例1〜8は、エポキシ系熱硬化化合物のみを用いた比較例1〜3に比較し、感度、熱管理幅、タック性及びはんだ耐熱性に優れた感光性樹脂組成物を設計できることがわかる。また、エポキシ基の部分エステル化物の熱硬化性化合物と他のエポキシ系熱硬化化合物を組合せることにより、塗膜特性を維持しながら、耐金めっき性に優れた感光性樹脂組成物を設計できることがわかる。
本発明によれば、紫外線露光及び希アルカリ水溶液による現像で画像形成可能であり、耐熱性に優れるとともに、タック性(指触乾燥性)、熱管理幅、感度、密着性等の塗膜性能に優れ、そのほかの塗膜性能も良く維持する事ができる。特に耐熱性が改善し、耐金めっき性等の使用目的に合わせた特性が得られるような設計を容易に行うことができる感光性樹脂組成物を提供する事ができる。
そして、その感光性樹脂組成物のソルダーレジスト硬化膜を有する電子部品搭載前又は後のプリント配線板を提供することができる。
そして、その感光性樹脂組成物のソルダーレジスト硬化膜を有する電子部品搭載前又は後のプリント配線板を提供することができる。
Claims (6)
- (A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、および(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系化合物をラジカル重合性不飽和モノカルボン酸と反応させて得られたエポキシ基の部分エステル化物を含有する、感光性樹脂組成物。
- (A)前記活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、(D)前記部分エステル化物を5〜100重量部の割合で用いることを特徴とする、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- (D)の前記部分エステル化物以外の熱硬化性化合物(E)を含有することを特徴とする、請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の組成物からなることを特徴とする、ソルダーレジスト用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の組成物から作製されたことを特徴とする、感光性ドライフィルム。
- 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の組成物の硬化膜を有する、プリント配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004058772A JP2005250004A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 感光性樹脂組成物、ソルダーレジスト用組成物、感光性ドライフィルムおよびプリント配線板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004058772A JP2005250004A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 感光性樹脂組成物、ソルダーレジスト用組成物、感光性ドライフィルムおよびプリント配線板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005250004A true JP2005250004A (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=35030548
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004058772A Withdrawn JP2005250004A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 感光性樹脂組成物、ソルダーレジスト用組成物、感光性ドライフィルムおよびプリント配線板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005250004A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007055220A1 (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-18 | Fujifilm Corporation | 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法 |
CN114716867A (zh) * | 2022-03-25 | 2022-07-08 | 生益电子股份有限公司 | 一种填料分散液、油墨及其应用 |
-
2004
- 2004-03-03 JP JP2004058772A patent/JP2005250004A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007055220A1 (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-18 | Fujifilm Corporation | 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法 |
JP2007133333A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-31 | Fujifilm Corp | 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法 |
CN114716867A (zh) * | 2022-03-25 | 2022-07-08 | 生益电子股份有限公司 | 一种填料分散液、油墨及其应用 |
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