JP2005247663A - 防水コンクリートおよび建造物の無機系防水工法 - Google Patents

防水コンクリートおよび建造物の無機系防水工法 Download PDF

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【課題】
コンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性にそれぞれ優れた防水コンクリートおよび建造物の無機系防水工法を提供する。
【解決手段】
減水剤として非空気連行性減水剤11を採用したので、コンクリート中に発生する気泡が減少する。その結果、コンクリート自体が水密となり、防水性が高まる。また、コンクリート中に補強用金属繊維12を添加したので、コンクリートに初期水和熱による膨張ひび割れ、乾燥収縮ひび割れが発生しようとしても、ひび割れ部分dに存在する補強用金属繊維12の結合力によりひび割れの拡大が抑えられる。これにより、防水コンクリート15自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性を高めることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は防水コンクリートおよび建造物の無機系防水工法、詳しくはコンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性にそれぞれ優れた防水コンクリートおよび建造物の無機系防水工法に関する。
森林が少ない都心部などでは、ビルの屋上に植物を栽培する屋上緑化計画が推進されている。その実現には、コンクリート製のビルの陸屋根の防水機能を高める必要がある。近年のビルにあっては、コンクリート打設時の作業性を重視するあまり、空気連行性減水剤(以下、AE減水剤)が使用され、ほとんどのものが低密度のコンクリートにより建造されている。しかも、近年、初期強度の発現を重視するあまり、コンクリート中のセメント量が増える傾向にある。これにより、コンクリートの初期水和熱が高まり、コンクリートの熱膨張が大きくなり、コンクリート内に無数のひび割れが生じる傾向にある。その後、硬化中にも乾燥収縮にひび割れが生じる。この傾向は、低密度のコンクリートほど顕著に現れ、漏水を伴うひび割れに成長する。
そこで、このようなビルの陸屋根の防水性を高める従来技術として、例えば特許文献1が知られている。
特許文献1は、建造物の屋上のコンクリート下地面上に、アスファルト製の防水層を積層し、その後、防水層の上に人工の軽量骨材などの栽培土を載せ(高さ30cm程度)、その中で植物を栽培する建造物等の防水技術である。
特開平11−93342号公報
しかしながら、特許文献1によれば、このようにコンクリート下地面上にアスファルト製の防水層を積層していた。防水層を構成するアスファルトは有機質である。そのため、防水層は耐候性に乏しく、その防水効果は10年程度しか保証できなかった。これにより、ビルの陸屋根の防水性を維持する補修コストが高騰していた。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、減水剤としてコンクリートの水密性が高まる非空気連行性減水剤を採用するとともに、ひび割れを防ぐためコンクリートに補強用金属繊維を添加すれば、コンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性が高まることを知見し、この発明を完成させた。
しかも、打設後のコンクリートの表面に、珪酸質系塗布防水剤を塗布すれば、コンクリート内部の水酸化カルシウムとナトリウム・カリウムシリケートとが水を介して反応し、防水用および劣化防止用の保護層が形成される。その結果、ひび割れが自己補修されることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、コンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性にそれぞれ優れた防水コンクリートおよび建造物の無機系防水工法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、セメント、細骨材、粗骨材、非空気連行性減水剤、補強用金属繊維および水を含んだ防水コンクリートである。
請求項1に記載の発明によれば、減水剤として非空気連行性減水剤を採用したので、従来のコンクリート中に独立した微細な気泡を多量に連行するAE減水剤を採用した場合に比べて、コンクリート中に発生する微細な気泡が減少する。その結果、コンクリート自体が水密となり、防水性が高まる。
また、コンクリート中に補強用金属繊維を添加したので、仮にコンクリートの初期水和熱による膨張ひび割れ、コンクリート硬化中の乾燥収縮ひび割れがそれぞれ発生しようとしても、コンクリートのひび割れ部分に存在する補強用金属繊維の結合力により、それらのひび割れの拡大を抑えることができる。
以上の結果、コンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性をそれぞれ高めることができる。
防水コンクリートの用途は限定されない。例えば、ビル、橋、ダム、トンネル、道路などである。
セメントの種類は限定されない。例えばポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメントを採用することができる。
ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントなどが挙げられる。
また、混合セメントとしては、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどが挙げられる。
特殊セメントとしては、アルミナセメント、マグネシヤセメント、石膏セメント(キーンセメント)などが挙げられる。水和熱反応によるひび割れを抑制するため、高炉セメント、フライアッシュセメントまたはシリカセメントの使用が望ましい。
細骨材および粗骨材の種類は限定されない。例えば、砕石などの天然骨材、天然の岩石鉱物を加熱して発泡させた人工軽量骨材、産業廃棄物としての高炉スラグなどを採用することができる。
細骨材には、粒度が5mm以下の骨材を採用することができる。粗骨材には、粒度が5mmを超える骨材を採用することができる。
細骨材の好ましい添加量は、セメント100重量部に対して275〜306重量部である。粗骨材の好ましい添加量は、セメント100重量部に対して305〜336重量部である。
非空気連行性減水剤とは、コンクリート中に独立した微細な気泡を連行させずに、コンクリートの流動性を向上させる減水剤である。空気の連行量が少ないので、コンクリートの流動性の改善および凍害の防止効果は若干低下する。しかしながら、コンクリートの初期水和熱による膨張ひび割れ、硬化中の乾燥収縮ひび割れをそれぞれほとんど誘発することなく、コンクリートの流動性を維持することができる。
非空気連行性減水剤としては、例えば脱糖安定処理されたリグニンスルホン酸塩を主成分とするリグニン系の他、高縮合トリアジン系などを採用することができる。
非空気連行性減水剤の添加量は、セメント100重量部に対して、0.18〜0.73重量部である。0.18重量部未満では、コンクリートスランプの不足という不都合が生じる。また、0.73重量部を超えると、非連行性減水剤の添加量の増加による防水セメントのコストアップが生じる。非空気連行性減水剤の好ましい添加量は、0.26〜0.34重量部である。この範囲であれば、防水コンクリートが安価で、しかも良好なコンクリートスランプを得ることができる。
補強用金属繊維の原料である金属材料は限定されない。例えば、鋼鉄材料である純鉄、鋼鉄、軟鋼、特殊鋼、電気用鋼、鋳鋼、鋳鉄などが挙げられる。これらの鋼鉄材料を採用した場合、補強用金属繊維となる。その他、比較的安価で高強度を有する非鉄金属、例えばアルミニウム合金なども採用することができる。
補強用金属繊維の種類も限定されない。例えば、断面矩形状の細長い板である平線型の金属繊維、断面円形状の細長い金属繊維、突条の節を所定間隔ごとに有するインデント型の金属繊維、折れ曲がったフックが両端部に配置された両端フック型の金属繊維、略繊維全長にわたって波形状に屈曲した波型の金属繊維などが挙げられる。
その他、平線にねじりが付与された金属繊維を採用してもよい。なお、ここでいうねじりとは、加重が補強用金属繊維の軸線を中心にして、偶力として作用する現象をいう。そのねじりピッチは、補強用金属繊維の全長にわたって一定したピッチでもよいし、各ねじりの間隔が異なったものでもよい。補強用金属繊維は、その表面を防錆膜により被覆してもよい。
コンクリート中に混入される補強用金属繊維の量は、コンクリートの用途により異なる。例えば、ビルの陸屋根用で20〜40kg/mである。
水セメント比は、例えば55%以下である。55%を超えると、生コンクリートプラントでの取り扱いが困難になる。
請求項2に記載の発明は、セメント、細骨材、粗骨材、非空気連行性減水剤、補強用金属繊維および水を混練し、ペースト状の防水コンクリートを得るコンクリート混練工程と、型枠により、コンクリート流し込み用のコンクリート打設空隙を画成する型枠組み立て工程と、該コンクリート打設空隙に、前記ペースト状のコンクリートを流し込み、該コンクリートを固化させるコンクリート打設工程とを備えた建造物の無機系防水工法である。
請求項2に記載の発明によれば、コンクリート打設空隙にコンクリートを流し込み、これを固化させる。コンクリート中に非空気連行性減水剤を添加したので、従来のAE減水剤を添加した場合に比べて、コンクリート中に発生する気泡が少ない。その結果、コンクリート自体が水密となり、防水性が高まる。
また、コンクリート中に補強用金属繊維を添加したので、仮にコンクリートの初期水和熱による膨張ひび割れ、コンクリート硬化中の乾燥収縮ひび割れがそれぞれ発生しようとしても、コンクリートのひび割れ部分に存在する補強用金属繊維の結合力により、それらのひび割れの拡大を抑えることができる。
以上の結果、コンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性をそれぞれ高めることができる。
型枠の素材、形状、大きさなどは限定されない。
コンクリート打設空隙は、通常、対配置される型枠により画成される。
セメント、細骨材、粗骨材、非空気連行性減水剤、補強用金属繊維および水の混練方法は限定されない。例えば、工場内での混練、現場でのトラックアジテータなどを用いた混練でもよい。
請求項3に記載の発明は、打設後のコンクリートの表面に、珪酸質系塗布防水剤を塗布する請求項2に記載の建造物の無機系防水工法である。
請求項3に記載の発明によれば、コンクリートの打設後、コンクリートの表面に珪酸質系塗布防水剤を塗布する。これにより、コンクリート内部の水酸化カルシウムとナトリウム・カリウムシリケートとが水を介して反応し、防水用および劣化防止用の保護層(以下、防水・劣化防止保護層)が形成される。その結果、仮に地震などにより打設された防水コンクリートにひび割れが発生しても、そのひび割れを自己補修することができる。
珪酸質系塗布防水剤とは、浸透性防水・劣化防止剤である。雨水などを取り込むことでコンクリート内部の水酸化カルシウムとナトリウム・カリウムシリケートとが反応し、カルシウムシリケート水和物からなる防水・劣化防止保護層(初期はゲル状、のち乾燥硬化)が形成される。防水・劣化防止効果は、コンクリート内部の水酸化カルシウムが存在する限り発揮される。
珪酸質系塗布防水剤の具体的な組成は、C−S−H、C−A−Hである。
また、珪酸質系塗布防水剤の具体的な自己補修の反応は、雨水等により、コンクリートから溶出した水酸化カルシウムとその防水剤とが化学反応し、安定した結晶化合物を生成し、コンクリートを緻密にする反応である。
珪酸質系塗布防水剤の塗布量は、例えば1kg/mである。
請求項4に記載の発明は、セメント、細骨材、粗骨材、減水剤、補強用金属繊維および水を混練し、ペースト状のコンクリートを得るコンクリート混練工程と、型枠により、コンクリート流し込み用のコンクリート打設空隙を画成する型枠組み立て工程と、該コンクリート打設空隙に、前記ペースト状のコンクリートを流し込み、該コンクリートを固化させるコンクリート打設工程と、打設後のコンクリートの表面に、珪酸質系塗布防水剤を塗布する防水剤塗布工程とを備えた建造物の無機系防水工法である。
請求項4に記載の発明によれば、型枠を組み立て、型枠内のコンクリート打設空隙にコンクリートを流し込み、これを固化させる。
その際、コンクリート中に補強用金属繊維が添加されているので、仮にコンクリートの初期水和熱による膨張ひび割れ、および、コンクリート硬化中の乾燥収縮ひび割れが発生しようとしても、コンクリートのひび割れ部分に存在する補強用金属繊維の結合力により、そのひび割れの拡大が抑えられる。
コンクリートの打設後は、コンクリートの表面に珪酸質系塗布防水剤を塗布する。これにより、コンクリート内部の水酸化カルシウムとナトリウム・カリウムシリケートとが反応し、防水・劣化防止保護層が形成される。その結果、仮に地震などにより防水コンクリートにひび割れが発生しても、そのひび割れを自己補修することができる。
以上のことから、コンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、これにより、強度の発現、耐久性および経済性をそれぞれ高めることができる。
ここでいう減水剤とは、例えばAE(Air−entraining)剤、AE減水剤、などをいう。
請求項5に記載の発明は、前記減水剤は、非空気連行性減水剤である請求項4に記載の建造物の無機系防水工法である。
請求項5に記載の発明によれば、コンクリート中に非空気連行性減水剤を添加したので、従来のAE減水剤を添加した場合に比べて、コンクリート中に発生する気泡が少ない。その結果、コンクリート自体が水密となり、防水性が高まる。
請求項1に記載の防水コンクリート、請求項2に記載の建造物の無機系防水工法によれば、減水剤として非空気連行性減水剤を採用したので、コンクリート中に発生する気泡が減少してコンクリート自体が水密となり、防水性が高まる。しかも、補強用金属繊維の添加により、コンクリートのひび割れの拡大を抑えることができる。
以上の結果、コンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性をそれぞれ高めることができる。
請求項4に記載の建造物の無機系防水工法によれば、コンクリートへの補強用金属繊維の添加により、コンクリートのひび割れの拡大を抑えることができる。しかも、コンクリートの打設後、コンクリートの表面に珪酸質系塗布防水剤を塗布するので、コンクリートの表面に防水用および劣化防止用の保護層が形成される。その結果、仮に地震などによりコンクリートにひび割れが発生しても、そのひび割れを自己補修することができる。以上のことから、コンクリート自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性をそれぞれ高めることができる。
請求項5に記載の建造物の無機系防水工法によれば、コンクリート中に非空気連行性減水剤を添加したので、コンクリート中に発生する気泡は少なく、コンクリート自体が水密となり、コンクリートの防水性を高めることができる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。ここでは、ビルの陸屋根の防水性を高める場合を例とする。
以下、図1のフローシートおよび図2に基づき、この発明の実施例1に係る防水コンクリートおよび建造物の無機系防水工法を説明する。
まず、コンクリート製造工場において、それぞれ所定量のセメント、細骨材a、粗骨材bおよび水を混練し、生コンクリートを得る。これをトラックアジテータ10の回転ドラムに投入し、現場まで運搬する。その後、回転ドラム内に非空気連行性減水剤11および補強用金属繊維12をそれぞれ所定量ずつ投入し、120rpm、3分間だけ攪拌混合する(コンクリート混練工程、図1(a))。
セメントには、普通ポルトランドセメントを採用する。細骨材aには粒度5mm以下の人工軽量骨材、粗骨材bには粒度5mmを超える人工軽量骨材をそれぞれ採用する。
細骨材aの添加量は、セメント100重量部に対して299重量部である。粗骨材bの添加量は、セメント100重量部に対して312重量部である。
非空気連行性減水剤11には、脱糖安定処理されたリグニンスルン酸塩を主成分とするリグニン系非空気連行性減水剤(フォセコ・ジャパン・リミテッド製、コンプラスト211)を採用する。その他、寿化工株式会社製のウォータドリームでもよい。非空気連行性減水剤11の添加量は、セメント100重量部に対して0.34重量部である。
補強用金属繊維12には、平線にねじりが付与された鋼繊維を採用している。そのサイズは厚さ0.45mm、長さ30mm、幅0.75mmである。ここでいうねじりとは、加重が補強用金属繊維12の軸線を中心にして、偶力として作用する現象をいう。そのねじりピッチは、補強用金属繊維12の全長にわたって一定したピッチ(10mm)である。
コンクリート中に混入される補強用金属繊維12の量は、20kg/mである。水セメント比は55%である。
次に、建造中のビルの屋上階において、陸屋根を打設する型枠13を組み、コンクリート流し込み用のコンクリート打設空隙を画成する(型枠組み立て工程、図1(b))。
得られたコンクリートを、コンクリートポンプ車14によりビルの屋上に持ち上げ、陸屋根用のコンクリート打設空隙にペースト状のコンクリートを流し込み、そのまま防水コンクリート15を養生固化させる(コンクリート打設工程、図1(c))。
打設1日後以降に、防水コンクリート15の表面に、珪酸質系塗布防水剤(日本RCG株式会社製、RCガード)を刷毛塗りし、珪酸質系塗布防水層16を形成する(防水剤塗布工程、図1(d))。珪酸質系塗布防水剤の塗布量は、1kg/mである。その後、これを乾燥硬化させる。
ビルの屋上を緑化する際には、珪酸質系塗布防水層16に、厚さ30cmの人工軽量骨材などの図示しない栽培土を載せ、その中で植物を栽培する。
このように、減水剤として非空気連行性減水剤11を採用したので、従来のコンクリート中に独立した微細な気泡cを多量に連行するAE減水剤を採用した場合に比べて、コンクリート中に発生する気泡cが減少する。その結果、コンクリート自体が水密となり、防水性が高まる。
また、防水コンクリート15中に補強用金属繊維12を添加したので、仮にコンクリートの初期水和熱による膨張ひび割れ、コンクリート硬化中の乾燥収縮ひび割れがそれぞれ発生しようとしても、防水コンクリート15のひび割れdの部分に存在する補強用金属繊維12の結合力により、例えば非空気連行性減水剤11に代えてAE減水剤が採用され、補強用金属繊維12が添加されていない従来のコンクリートのひび割れd1に比べて(図2(a))、ひび割れの拡大を抑制することができる(図2(b))。
なお、図2(b)中に示すひび割れd2は、補強用金属繊維12を添加しなかった際の防水コンクリート15のひび割れである。実施例1の防水コンクリート15によれば、補強用金属繊維12を添加しなかった場合より、ひび割れを抑えることができる。防水コンクリート15では、従来のコンクリートに比べて、微細な気泡c(直径30〜250μm)がほとんどない。そのため、これらの気泡cがコンクリートの水和熱ひび割れを誘発するおそれが減少する。
その結果、防水コンクリート15自体が水密で防水機能を兼ね備え、強度の発現、耐久性および経済性をそれぞれ高めることができる。
ところで、この発明の防水コンクリートおよび建造物の無機系防水工法の特徴は、一般的なアスファルト系の防水層を不要とし、コンクリート自体が水密で防水機能も兼ね備えることで、耐久性に優れ、経済的であると考えた。そのため、他の防水層を設けず、コンクリート打ち放し仕上げでビルの陸屋根の施工実績を有する非空気連行性減水剤を使用した調合を基に検討した。
表1は、呼び強度24、スランプ値15cmの調合に空気連行性減水剤(以下、AE減水剤)と非空気連行性減水剤とを用いた3種類の調合を示す。減水剤未使用の調合Pと非空気連行性減水剤を用いた調合Cとは、AE剤により連行される空気の容積25リットル分を細骨材率に応じて骨材で置換した調合とした。
Figure 2005247663
表2は、その試し練りと圧縮試験結果を示す。調合Pは調合Nと異なり、AE減水剤を未使用のため密実となり、圧縮試験では37N/mmから47N/mmへと27%高まった。しかしながら、スランプ値は17.5cmから8cmへと低下し、施工が困難になった。
Figure 2005247663
一方、調合Cは、調合Nとスランプ値は同じであるが、AE減水剤の未使用のため密実となり、圧縮試験では37N/mmから50N/mmへと35%高まった。
この調合Cのコンクリートの水密性を検討する目的で、幅1.2m、長さ4.0mの屋上階を想定した試験結果を建設した。その調合を表3に示す。コンクリートの水密性と耐久性とを確保するには、コンクリートの水和発熱と乾燥収縮による有害なひび割れを低減することが望まれる。
Figure 2005247663
しかしながら、近年、初期の水和熱による早期劣化が顕著になっている。その対策として、鋼繊維を混入し、ひび割れを抑制する調合とした。表4にその調合の受け入れ検査と、圧縮試験結果とを示す。鋼繊維を20kg/m(コンクリート容積比0.25%)混入するとスランプ値が14cmから9.5cmまで低下した。試験体のスラブは、厚さ22cmの中空スラブとした。型枠の解体後、水深さ30cmまで水張りし、6カ月間放置し、漏水のないことを確認した。その後、深さ30cmまで建設発生土を載せ、ひび割れの有無を目視により確認した。しかしながら、漏水が発生するようなひび割れは生じなかった。
Figure 2005247663
この発明の実施例1に係る建造物の無機系防水工法のフローシートである。 (a)従来手段に係る防水コンクリートの要部拡大側面図である。(b)この発明の実施例1に係る防水コンクリートの要部拡大側面図である。
符号の説明
11 非空気連行性減水剤、
12 補強用金属繊維、
a 細骨材、
b 粗骨材、
c 気泡。

Claims (5)

  1. セメント、細骨材、粗骨材、非空気連行性減水剤、補強用金属繊維および水を含んだ防水コンクリート。
  2. セメント、細骨材、粗骨材、非空気連行性減水剤、補強用金属繊維および水を混練し、ペースト状のコンクリートを得るコンクリート混練工程と、
    型枠により、コンクリート流し込み用のコンクリート打設空隙を画成する型枠組み立て工程と、
    該コンクリート打設空隙に、前記ペースト状のコンクリートを流し込み、該コンクリートを固化させるコンクリート打設工程とを備えた建造物の無機系防水工法。
  3. 打設後のコンクリートの表面に、珪酸質系塗布防水剤を塗布する請求項2に記載の建造物の無機系防水工法。
  4. セメント、細骨材、粗骨材、減水剤、補強用金属繊維および水を混練し、ペースト状のコンクリートを得るコンクリート混練工程と、
    型枠により、コンクリート流し込み用のコンクリート打設空隙を画成する型枠組み立て工程と、
    該コンクリート打設空隙に、前記ペースト状のコンクリートを流し込み、該コンクリートを固化させるコンクリート打設工程と、
    打設後のコンクリートの表面に、珪酸質系塗布防水剤を塗布する防水剤塗布工程とを備えた建造物の無機系防水工法。
  5. 前記減水剤は、非空気連行性減水剤である請求項4に記載の建造物の無機系防水工法。
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