JP2005246295A - 焼却灰の処理装置および処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、ドラムフィルタを採用してその洗浄効率を向上させて経済的な焼却灰の処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 内部から真空吸引され、回転するドラム7の周囲に設けられたろ布9により、塩素を含む焼却灰と洗浄水との混合物を吸着保持しつつ所定の洗浄水供給位置Aにて外周側から洗浄水を供給して焼却灰を洗浄する1段目ドラムフィルタ3を複数段備え、最終段に新しい洗浄水を供給し、各段で吸引回収された回収洗浄水を順次前段の洗浄水として活用し、第一段から最終段に向けて送られる焼却灰を洗浄する焼却灰の処理装置1において、各段の1段目ドラムフィルタ3は、1段目ドラムフィルタ3で吸引回収された回収洗浄水の一部を、1段目ドラムフィルタ3の洗浄水供給位置Aに対してドラム回転方向上流側の位置Bで、ろ布9外周に保持された混合物に供給するノズル55を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 内部から真空吸引され、回転するドラム7の周囲に設けられたろ布9により、塩素を含む焼却灰と洗浄水との混合物を吸着保持しつつ所定の洗浄水供給位置Aにて外周側から洗浄水を供給して焼却灰を洗浄する1段目ドラムフィルタ3を複数段備え、最終段に新しい洗浄水を供給し、各段で吸引回収された回収洗浄水を順次前段の洗浄水として活用し、第一段から最終段に向けて送られる焼却灰を洗浄する焼却灰の処理装置1において、各段の1段目ドラムフィルタ3は、1段目ドラムフィルタ3で吸引回収された回収洗浄水の一部を、1段目ドラムフィルタ3の洗浄水供給位置Aに対してドラム回転方向上流側の位置Bで、ろ布9外周に保持された混合物に供給するノズル55を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、焼却灰の処理装置および処理方法に関するものである。
廃棄物を燃料として利用するものとして、RPF(Refused Paper and Plastic Fuel:ゴミ・プラスチック燃料)、廃タイヤ等が用いられている。これらを燃料として焼却した後に残る焼却灰を産業廃棄物として処理するためには、多大な費用を要するので、例えば、セメント原料用等に再利用することが検討されている。
その際、これら焼却灰に含まれる塩素や亜鉛等の存在が問題となる。そのため、これらを除去するものとして、例えば特許文献1に示すようなものが提案されている。
特許文献1のものは、灰と水とを混合する混合装置と前記混合装置からの混合物を灰と水に分離する固液分離装置とで構成した洗浄工程を複数段設けて、灰を複数段で洗浄し、灰と水の流れを向流にして、灰から塩分を除去するものである。
その際、これら焼却灰に含まれる塩素や亜鉛等の存在が問題となる。そのため、これらを除去するものとして、例えば特許文献1に示すようなものが提案されている。
特許文献1のものは、灰と水とを混合する混合装置と前記混合装置からの混合物を灰と水に分離する固液分離装置とで構成した洗浄工程を複数段設けて、灰を複数段で洗浄し、灰と水の流れを向流にして、灰から塩分を除去するものである。
ところで、特許文献1のものは、1段目の固液分離装置として遠心分離機を採用しているので、製造コストが高く、かつ駆動動力の大きさと使用水量の多さにより運転コストが高いという問題があった。
また、塩分のみの処理にとどまり、例えばセメント原料として利用するための処理としては不十分であるという問題があった。
また、塩分のみの処理にとどまり、例えばセメント原料として利用するための処理としては不十分であるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、ドラムフィルタを採用してその洗浄効率を向上させて経済的な焼却灰の処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる焼却灰の処理装置は、内部から真空吸引され、回転するドラムの周囲に設けられたフィルタにより、塩素を含む焼却灰と洗浄水との混合物を吸着保持しつつ所定の洗浄水供給位置にて外周側から洗浄水を供給して焼却灰を洗浄するドラムフィルタを複数段備え、最終段に新しい洗浄水を供給し、各段で吸引回収された回収洗浄水を順次前段の洗浄水として活用し、第一段から最終段に向けて送られる焼却灰を洗浄する焼却灰の処理装置において、前記各段のドラムフィルタは、該ドラムフィルタで吸引回収された前記回収洗浄水の一部を、当該段の前記洗浄水供給位置に対してドラム回転方向上流側位置で、前記フィルタ外周に保持された前記混合物に供給する回収洗浄水供給手段を備えていることを特徴とする。
すなわち、本発明にかかる焼却灰の処理装置は、内部から真空吸引され、回転するドラムの周囲に設けられたフィルタにより、塩素を含む焼却灰と洗浄水との混合物を吸着保持しつつ所定の洗浄水供給位置にて外周側から洗浄水を供給して焼却灰を洗浄するドラムフィルタを複数段備え、最終段に新しい洗浄水を供給し、各段で吸引回収された回収洗浄水を順次前段の洗浄水として活用し、第一段から最終段に向けて送られる焼却灰を洗浄する焼却灰の処理装置において、前記各段のドラムフィルタは、該ドラムフィルタで吸引回収された前記回収洗浄水の一部を、当該段の前記洗浄水供給位置に対してドラム回転方向上流側位置で、前記フィルタ外周に保持された前記混合物に供給する回収洗浄水供給手段を備えていることを特徴とする。
このように、各段で吸引回収された回収洗浄水の一部が、当該段の洗浄水供給位置に対してドラム回転方向上流側位置で、回収洗浄水供給手段によりフィルタ外周に保持された混合物に供給されるので、混合物は、混合物に含まれる塩素濃度より低い塩素濃度の回収洗浄水で置換洗浄され、より低い塩素濃度を有する混合物として洗浄水供給位置へ送られる。このため、この洗浄水供給位置で、後段から送られるさらに低い塩素濃度を有する回収洗浄水を供給され、置換洗浄されるので、混合物に含まれる塩素濃度の低減が促進される。
そして、これを複数段のドラムフィルタで繰り返すことにより、相乗効果が生じて一層洗浄効率が向上するので、従来と同等の洗浄効果を得るとした場合、ドラムフィルタの段数を低減でき、使用水量を低減できる。
したがって、焼却灰の処理装置の製造コストも、運転コストも低減できる。
また、大きな動力を必要としないドラムフィルタで装置を構成しているので、全体の動力が低くでき、運転コストが低減できる。
そして、これを複数段のドラムフィルタで繰り返すことにより、相乗効果が生じて一層洗浄効率が向上するので、従来と同等の洗浄効果を得るとした場合、ドラムフィルタの段数を低減でき、使用水量を低減できる。
したがって、焼却灰の処理装置の製造コストも、運転コストも低減できる。
また、大きな動力を必要としないドラムフィルタで装置を構成しているので、全体の動力が低くでき、運転コストが低減できる。
また、本発明にかかる焼却灰の処理装置は、前記洗浄水として、酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いることを特徴とする。
このように、洗浄水として、酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いているので、燃焼灰に含まれる両性酸化物、例えば、ZnO(酸化亜鉛)を溶解して除去することができる。したがって、例えば、廃タイヤ等の亜鉛分を含有したものを燃焼した燃焼灰から塩素のみでなく、亜鉛分をも洗浄して除去することができる。
また、本発明にかかる焼却灰の処理方法は、内部から真空吸引され、回転するドラムの周囲に設けられたフィルタにより、塩素を含む焼却灰と洗浄水との混合物を吸着保持しつつ所定の洗浄水供給位置にて外周側から洗浄水を供給して焼却灰を洗浄する洗浄工程を複数段備え、最終段に新しい洗浄水を供給し、各段で吸引回収された回収洗浄水を順次前段の洗浄水として活用し、第一段から最終段に向けて送られる焼却灰を洗浄する焼却灰の処理方法において、前記各段で吸引回収された前記回収洗浄水の一部が、当該段の前記洗浄水供給位置に対してドラム回転方向上流側位置で、前記フィルタ外周に保持された前記混合物に供給されることを特徴とする。
このように、各段で吸引回収された回収洗浄水の一部が、当該段の洗浄水供給位置に対してドラム回転方向上流側位置で、フィルタ外周に保持された混合物に供給されるので、混合物に含まれる塩素濃度より低い塩素濃度の回収洗浄水で置換洗浄され、より低い塩素濃度を有する混合物として洗浄水供給位置へ送られる。このため、この洗浄水供給位置で、後段から送られるさらに低い塩素濃度を有する回収洗浄水を供給され、置換洗浄されるので、混合物に含まれる塩素濃度の低減が促進される。
そして、この洗浄工程を複数段で繰り返すことにより、相乗効果が生じて一層洗浄効率が向上するので、従来と同等の洗浄効果を得るとした場合、洗浄工程の段数を低減でき、使用水量を低減できる。
したがって、この方法を実施する装置の製造コストも、運転コストも低減できる。
そして、この洗浄工程を複数段で繰り返すことにより、相乗効果が生じて一層洗浄効率が向上するので、従来と同等の洗浄効果を得るとした場合、洗浄工程の段数を低減でき、使用水量を低減できる。
したがって、この方法を実施する装置の製造コストも、運転コストも低減できる。
さらに、本発明にかかる焼却灰の処理方法は、前記洗浄水として、酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いることを特徴とする。
このように、洗浄水として、酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いているので、燃焼灰に含まれる両性酸化物、例えば、ZnO(酸化亜鉛)を溶解して除去することができる。したがって、例えば、廃タイヤ等の亜鉛分を含有したものを燃焼した燃焼灰から塩素のみでなく、亜鉛分をも洗浄して除去することができる。
請求項1および請求項3に記載の発明によれば、各段で吸引回収された回収洗浄水の一部が、当該段の洗浄水供給位置に対してドラム回転方向上流側位置で、フィルタ外周に保持された混合物に供給されるので、洗浄効率が向上して、従来と同等の洗浄効果を得るとした場合、ドラムフィルタの段数を低減でき、使用水量を低減できる。
したがって、焼却灰の処理装置の製造コストも、運転コストも低減できる。
したがって、焼却灰の処理装置の製造コストも、運転コストも低減できる。
請求項2および請求項4に記載の発明によれば、洗浄水として、酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いているので、燃焼灰から塩素のみでなく、例えば亜鉛分をも洗浄して除去することができる。
以下に、本発明にかかる一実施形態について、図1および図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかる焼却灰の処理装置1の全体概略構成を示すブロック図である。
処理装置1には、1段目の洗浄工程を構成する1段目1段目ドラムフィルタ3と2段目(最終段)の洗浄工程を構成する2段目ドラムフィルタ5とが備えられている。
図1は、本実施形態にかかる焼却灰の処理装置1の全体概略構成を示すブロック図である。
処理装置1には、1段目の洗浄工程を構成する1段目1段目ドラムフィルタ3と2段目(最終段)の洗浄工程を構成する2段目ドラムフィルタ5とが備えられている。
1段目ドラムフィルタ3の構造を図2により説明する。1段目ドラムフィルタ3には、円筒形をしたドラム7が備えられている。ドラム7の周面には、ろ布(フィルタ)9が周囲を覆うように設けられている。ドラム7は、図示しない回転軸の回りに回転可能に取り付けられ、矢印11の方向に回転するように構成されている。
ドラム7の内部には、放射状に配置された板状の複数の仕切板が、ドラム7回転方向上流側から第一仕切板13、第二仕切板15および第三仕切板17の順に、固定して取り付けられている。第一仕切板13と第二仕切板15とではく離部21が形成されている。第二仕切板15と第三仕切板17とで吸着部23が形成されている。第三仕切板17と第一仕切板13とで吸引部25が形成されている。
ドラム7の軸心位置には、図示しない真空源に連絡されたバルブ19が設けられており、はく離部21には大気圧を、吸着部23と吸引部25とには真空吸引力を適用させるように構成されている。
ドラム7の軸心位置には、図示しない真空源に連絡されたバルブ19が設けられており、はく離部21には大気圧を、吸着部23と吸引部25とには真空吸引力を適用させるように構成されている。
ドラム7の下側半分には、半円筒形のバット27がドラム7から間隔をあけて設けられている。ドラム7とバット27との間の間隔が、焼却灰と洗浄水との混合物を貯留する貯留部を形成する。貯留部29の内部には、混合物を攪拌して分散するアジテータ31が設けられている。
スクレーパ33は、その先端部がはく離部21部分のろ布9に接触するように設けられている。
スクレーパ33は、その先端部がはく離部21部分のろ布9に接触するように設けられている。
バルブ19を介して真空吸引して回収した洗浄水は、回収配管35を通って回収タンク37(図1参照)に回収される。回収タンク37に回収された洗浄水は、配管41を通って送られ、その一部は配管43を通って、ノズル(回収洗浄水供給手段)55,55からドラム7の左上象限部分の位置(回転方向上流側位置)Bに供給される。残りは、配管45を経由して攪拌部47に供給される。
攪拌部47は、樋状をしており、バット27の長手方向に延在して設けられている。
攪拌部47には、供給路39により塩素を含む焼却灰が供給されており、配管45から供給される洗浄水と混合されて、洗浄水の中に焼却灰を拡散させた状態で、貯留部29へ供給される。
攪拌部47は、樋状をしており、バット27の長手方向に延在して設けられている。
攪拌部47には、供給路39により塩素を含む焼却灰が供給されており、配管45から供給される洗浄水と混合されて、洗浄水の中に焼却灰を拡散させた状態で、貯留部29へ供給される。
2段目ドラムフィルタ5は、1段目ドラムフィルタ3と同様な構成をしているので、詳細な説明は省略する。
図1に示すように、2段目ドラムフィルタ5のドラム8に対して、その右上象限部分に配管50から新しい洗浄水が供給されている。そして、ドラム8内へ吸引回収された洗浄水は、回収タンク38、配管42を経由して、その一部が配管44を通ってノズル57,57からドラム7の右上象限部分の洗浄水供給位置Aに供給される。
したがって、回収された洗浄水を供給する位置Bは、洗浄水供給位置Aに対してドラム7の回転方向11上流側に位置している。
図1に示すように、2段目ドラムフィルタ5のドラム8に対して、その右上象限部分に配管50から新しい洗浄水が供給されている。そして、ドラム8内へ吸引回収された洗浄水は、回収タンク38、配管42を経由して、その一部が配管44を通ってノズル57,57からドラム7の右上象限部分の洗浄水供給位置Aに供給される。
したがって、回収された洗浄水を供給する位置Bは、洗浄水供給位置Aに対してドラム7の回転方向11上流側に位置している。
以上説明した本実施形態にかかる焼却灰の処理装置1は、次のとおり動作する。
RPFを燃料として焼却した焼却灰を処理する場合について説明する。この焼却灰には、塩素が多量に、例えば6000mg/kg程度含有されている。
RPFを燃料として焼却した焼却灰を処理する場合について説明する。この焼却灰には、塩素が多量に、例えば6000mg/kg程度含有されている。
図2を参照して、1段目ドラムフィルタ3の動作を主体に説明する。
供給路39を経由して攪拌部47へ供給された焼却灰は、配管45から供給される洗浄水と混合されて、洗浄水の中に焼却灰が拡散された状態で、貯留部29へ供給される。
ドラム7が回転し、ドラム7の周面に巻かれたろ布9が吸着部23を通過する時、貯留部29に貯留された焼却灰と洗浄水との混合物は、ドラム内部の真空吸引力によりろ布9の表面に吸着される。この時、吸着した混合物内および貯留部29内の洗浄水はろ布9の織目を通って吸着部23へ連続的に回収される。この際、洗浄水は、焼却灰に含まれる塩素等を溶かしつつ回収され、配管35を通って、回収タンク37へ送られる。
供給路39を経由して攪拌部47へ供給された焼却灰は、配管45から供給される洗浄水と混合されて、洗浄水の中に焼却灰が拡散された状態で、貯留部29へ供給される。
ドラム7が回転し、ドラム7の周面に巻かれたろ布9が吸着部23を通過する時、貯留部29に貯留された焼却灰と洗浄水との混合物は、ドラム内部の真空吸引力によりろ布9の表面に吸着される。この時、吸着した混合物内および貯留部29内の洗浄水はろ布9の織目を通って吸着部23へ連続的に回収される。この際、洗浄水は、焼却灰に含まれる塩素等を溶かしつつ回収され、配管35を通って、回収タンク37へ送られる。
混合物を付着したろ布9が吸引部25に入ると、ろ布9に吸着された混合物に含まれる洗浄水が、焼却灰に含まれる塩素等を溶かしつつ吸引部25内へ回収され、配管35を通って回収タンク37へ送られる。
したがって、ドラム7がさらに回転し、位置Bに到るときには、混合物に含まれる洗浄水は相当減少している。
したがって、ドラム7がさらに回転し、位置Bに到るときには、混合物に含まれる洗浄水は相当減少している。
この状態で、回収タンク37から配管41により供給される回収した洗浄水の一部が、配管43を通ってノズル55,55から混合物に供給される。この供給される洗浄水は、混合物に含有されるとともに、連続的に吸引部25内へ吸引回収される。この時、供給される洗浄水は、初期には、元から含有されていた塩素濃度の高い洗浄水を押し出すことでこれと置換され、次いで順次吸引部25へ燃焼灰に含まれる塩素等を溶かしつつ回収されることで、混合物の塩素濃度を低下させる。
1段目ドラムフィルタ3で回収した洗浄水の混合物への供給量を増加させればより塩素濃度を低減できることになる。一方、供給量増加は、回収洗浄水の塩素濃度を増加させて混合物の塩素濃度を低減する割合が低くなるので、ポンプ容量増加等のコストアップ要因を勘案して効率のよい供給量を設定する必要がある。
この塩素濃度が低下した混合物が、ドラム7の回転により洗浄水供給位置Aに到ると、ノズル57,57から次段の2段目ドラムフィルタ5で回収された洗浄水が混合物に供給される。この供給される洗浄水は、次段に送られた混合物を洗浄して回収されたものであり、その塩素濃度は、洗浄水供給位置Aに到った混合物の塩素濃度より低い。
この供給される洗浄水は、混合物に含有されるとともに、連続的に吸引部25内へ吸引回収される。この時、供給される洗浄水は、初期には、元から含有されていた塩素濃度の高い洗浄水を押し出すことでこれと置換され、次いで順次吸引部25へ燃焼灰に含まれる塩素等を溶かしつつ回収されることで、混合物の塩素濃度を一層低下させる。
この供給される洗浄水は、混合物に含有されるとともに、連続的に吸引部25内へ吸引回収される。この時、供給される洗浄水は、初期には、元から含有されていた塩素濃度の高い洗浄水を押し出すことでこれと置換され、次いで順次吸引部25へ燃焼灰に含まれる塩素等を溶かしつつ回収されることで、混合物の塩素濃度を一層低下させる。
このように、洗浄処理を位置Bと洗浄水供給位置Aとの2箇所で行うので、特に予め塩素濃度を低減した混合物に塩素濃度の低い洗浄水を供給することになる洗浄水供給位置Aにおける洗浄効率が向上する。
したがって、最終的に同じ塩素濃度を求める場合には、ドラムフィルタの台数を低減できるし、使用水量を低減できる。
したがって、最終的に同じ塩素濃度を求める場合には、ドラムフィルタの台数を低減できるし、使用水量を低減できる。
ノズル57,57で洗浄水を供給される位置を通過した混合物は、吸引部25を通過する間、吸引されて脱水される。このようにして、含有する洗浄水の量を低減された混合物が、はく離部21に到ると、はく離部21内の大気圧により、ろ布9への吸着関係が無くなる。そして、スクレーパ33により掻き取られた混合物は、供給路49により次段の2段目ドラムフィルタ5へと送られる。
供給路49で送付された混合物は、2段目ドラムフィルタ5において、上述と同様に洗浄処理されて、排出路51から洗浄灰として排出される。
このように、1段目ドラムフィルタ3と2段目ドラムフィルタ5とにおける洗浄効率が向上すると、相乗効果を生じて、等比級数的に塩素濃度を低減できる。
このように、1段目ドラムフィルタ3と2段目ドラムフィルタ5とにおける洗浄効率が向上すると、相乗効果を生じて、等比級数的に塩素濃度を低減できる。
なお、本実施形態では、2段目ドラムフィルタ5は最終段であるので、洗浄水供給位置Aで配管50から供給される洗浄水は、新しい洗浄水である。
ドラム8内に回収された洗浄水は配管36により回収タンク38に送られる。回収タンク38から配管42を通って、その一部が配管46から位置Bにてドラム8の周面に付着された混合物に供給される。そして、一部は、配管44を通って1段目の1段目ドラムフィルタ3の洗浄水供給位置Aに供給される。
ドラム8内に回収された洗浄水は配管36により回収タンク38に送られる。回収タンク38から配管42を通って、その一部が配管46から位置Bにてドラム8の周面に付着された混合物に供給される。そして、一部は、配管44を通って1段目の1段目ドラムフィルタ3の洗浄水供給位置Aに供給される。
1段目ドラムフィルタ3で回収タンク37に回収された洗浄水の一部は排水管53から排水処理設備に排出される。
本実施形態では、供給される焼却灰量に対する排水量の比(洗浄水量比)を3倍にして試験した結果、塩素濃度は6000mg/kgから380mg/kgとなり、セメント原料として利用されるのに十分な程度まで低減することができた。
本実施形態では、供給される焼却灰量に対する排水量の比(洗浄水量比)を3倍にして試験した結果、塩素濃度は6000mg/kgから380mg/kgとなり、セメント原料として利用されるのに十分な程度まで低減することができた。
なお、上記作業では、塩素除去を目的としているので、洗浄水としては、PH調整しない通常の水を使用している。
洗浄水として温水を利用するとさらに洗浄効率が向上する。この場合、温水としては例えば工場内で発生する80°以下の排蒸気を利用してもよい。
洗浄水として温水を利用するとさらに洗浄効率が向上する。この場合、温水としては例えば工場内で発生する80°以下の排蒸気を利用してもよい。
次に、廃タイヤを燃料として焼却した焼却灰を処理する場合について説明する。
この燃焼灰には、タイヤに含まれる亜鉛が燃焼されて、酸化亜鉛の形で含まれている。この亜鉛は、セメント原料として望ましくないので、除去が求められている。
この燃焼灰には、タイヤに含まれる亜鉛が燃焼されて、酸化亜鉛の形で含まれている。この亜鉛は、セメント原料として望ましくないので、除去が求められている。
2段目ドラムフィルタ5の配管50から供給する洗浄水として、例えば1%硫酸溶液(酸性溶液)を供給すると、焼却灰に含有されている酸化亜鉛は両性酸化物であるので硫酸と反応して硫酸亜鉛に変化する。この硫酸亜鉛は水に溶けるので、洗浄水に溶けて排出され焼却灰から除去される。
同時に、焼却灰に含まれる塩素は、上述と同様に洗浄されて排出される。
同時に、焼却灰に含まれる塩素は、上述と同様に洗浄されて排出される。
供給される焼却灰量に対する排水量の比(洗浄水量比)を3倍にして試験した結果、亜鉛含有量は40900mg/kgから5140mg/kgへ、塩素濃度は2400mg/kgから188mg/kgへ低減され、セメント原料として利用されるのに十分な程度まで低減することができた。
なお、洗浄水として、1%硫酸溶液に限定されるものではなく、酸化亜鉛と反応して水溶性の化合物を形成する酸性溶液またはアルカリ性溶液を採用すればよい。例えば、酢酸亜鉛を形成する酢酸溶液(酸性溶液)、テトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウムを形成する水酸化ナトリウム(アルカリ性溶液)等が好適である。
このように、洗浄水として少量の酸またはアルカリを添加するだけで、塩素だけでなく、亜鉛も除去できるので、処理対象となる焼却灰の範囲を増加できる。
以下、本実施形態の作用・効果を説明する。
本実施形態によれば、1段目ドラムフィルタ3で吸引回収された回収洗浄水の一部が、1段目ドラムフィルタ3の洗浄水供給位置Aに対してドラム7回転方向上流側の位置Bで、ノズル55,55によりろ布9外周に保持された混合物に供給されるので、混合物は、混合物に含まれる塩素濃度より低い塩素濃度の回収洗浄水で置換洗浄され、より低い塩素濃度を有する混合物として洗浄水供給位置Aへ送られる。このため、この洗浄水供給位置Aで、2段目ドラムフィルタ5から送られるさらに低い塩素濃度を有する回収洗浄水を供給され、置換洗浄されるので、混合物に含まれる塩素濃度の低減が促進される。
そして、これを1段目ドラムフィルタ3と2段目ドラムフィルタ5とで繰り返すことにより、相乗効果が生じて一層洗浄効率が向上するので、従来と同等の洗浄効果を得るとした場合、ドラムフィルタの段数を低減でき、使用水量を低減できる。
したがって、焼却灰の処理装置1の製造コストも、運転コストも低減できる。
本実施形態によれば、1段目ドラムフィルタ3で吸引回収された回収洗浄水の一部が、1段目ドラムフィルタ3の洗浄水供給位置Aに対してドラム7回転方向上流側の位置Bで、ノズル55,55によりろ布9外周に保持された混合物に供給されるので、混合物は、混合物に含まれる塩素濃度より低い塩素濃度の回収洗浄水で置換洗浄され、より低い塩素濃度を有する混合物として洗浄水供給位置Aへ送られる。このため、この洗浄水供給位置Aで、2段目ドラムフィルタ5から送られるさらに低い塩素濃度を有する回収洗浄水を供給され、置換洗浄されるので、混合物に含まれる塩素濃度の低減が促進される。
そして、これを1段目ドラムフィルタ3と2段目ドラムフィルタ5とで繰り返すことにより、相乗効果が生じて一層洗浄効率が向上するので、従来と同等の洗浄効果を得るとした場合、ドラムフィルタの段数を低減でき、使用水量を低減できる。
したがって、焼却灰の処理装置1の製造コストも、運転コストも低減できる。
また、洗浄水として、酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いると、燃焼灰に含まれる両性酸化物、例えば、ZnO(酸化亜鉛)を溶解して除去することができる。したがって、例えば、廃タイヤ等の亜鉛分を含有したものを燃焼した燃焼灰から塩素のみでなく、亜鉛分をも洗浄して除去することができる。
1 処理装置
3 1段目ドラムフィルタ
5 2段目ドラムフィルタ
7 ドラム
8 ドラム
9 ろ布
55 ノズル
A 洗浄水供給位置
B 位置
3 1段目ドラムフィルタ
5 2段目ドラムフィルタ
7 ドラム
8 ドラム
9 ろ布
55 ノズル
A 洗浄水供給位置
B 位置
Claims (4)
- 内部から真空吸引され、回転するドラムの周囲に設けられたフィルタにより、塩素を含む焼却灰と洗浄水との混合物を吸着保持しつつ所定の洗浄水供給位置にて外周側から洗浄水を供給して焼却灰を洗浄するドラムフィルタを複数段備え、
最終段に新しい洗浄水を供給し、各段で吸引回収された回収洗浄水を順次前段の洗浄水として活用し、第一段から最終段に向けて送られる焼却灰を洗浄する焼却灰の処理装置において、
前記各段のドラムフィルタは、該ドラムフィルタで吸引回収された前記回収洗浄水の一部を、当該段の前記洗浄水供給位置に対してドラム回転方向上流側位置で、前記フィルタ外周に保持された前記混合物に供給する回収洗浄水供給手段を備えていることを特徴とする焼却灰の処理装置。 - 前記洗浄水として、酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載された焼却灰の処理装置。
- 内部から真空吸引され、回転するドラムの周囲に設けられたフィルタにより、塩素を含む焼却灰と洗浄水との混合物を吸着保持しつつ所定の洗浄水供給位置にて外周側から洗浄水を供給して焼却灰を洗浄する洗浄工程を複数段備え、
最終段に新しい洗浄水を供給し、各段で吸引回収された回収洗浄水を順次前段の洗浄水として活用し、第一段から最終段に向けて送られる焼却灰を洗浄する焼却灰の処理方法において、
前記各段で吸引回収された前記回収洗浄水の一部が、当該段の前記洗浄水供給位置に対してドラム回転方向上流側位置で、前記フィルタ外周に保持された前記混合物に供給されることを特徴とする焼却灰の処理方法。 - 前記洗浄水として、酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いることを特徴とする請求項3に記載された焼却灰の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004062180A JP2005246295A (ja) | 2004-03-05 | 2004-03-05 | 焼却灰の処理装置および処理方法 |
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ID=35027288
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008290005A (ja) * | 2007-05-24 | 2008-12-04 | Mhi Environment Engineering Co Ltd | 焼却灰処理方法及びシステム |
KR20240023704A (ko) | 2021-11-30 | 2024-02-22 | 다이헤이요 세멘토 가부시키가이샤 | 염소 함유 분체의 탈염 처리방법 |
-
2004
- 2004-03-05 JP JP2004062180A patent/JP2005246295A/ja not_active Withdrawn
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