JP2005245640A - 薬剤担持補助具 - Google Patents
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Abstract
【課題】患者の負担が少なく、経鼻薬剤が容易にしかも、安定して担持される鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具の提供。
【解決手段】 本発明に係る鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具1は、細長材3により全体の形状が略U字状に形成されている。上記細長材3の開放端部5を含み骨鼻中隔9の両側に略平行に挿入される一対の鼻腔内挿入部11を備えている。この鼻腔内挿入部11には薬剤が担持された薬剤担持材13が取付けられる薬剤担持材取付部15が備えられている。この薬剤担持補助具1は、上記鼻腔内挿入部11が可撓性を有し、湾曲形状部分21又は球状突起17を備えていることがより好ましい。細長材3は、例えばポリオレフィン系樹脂からなり、直径が1mm程度のものが用いられる。
【選択図】図2
【解決手段】 本発明に係る鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具1は、細長材3により全体の形状が略U字状に形成されている。上記細長材3の開放端部5を含み骨鼻中隔9の両側に略平行に挿入される一対の鼻腔内挿入部11を備えている。この鼻腔内挿入部11には薬剤が担持された薬剤担持材13が取付けられる薬剤担持材取付部15が備えられている。この薬剤担持補助具1は、上記鼻腔内挿入部11が可撓性を有し、湾曲形状部分21又は球状突起17を備えていることがより好ましい。細長材3は、例えばポリオレフィン系樹脂からなり、直径が1mm程度のものが用いられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、鼻に挿入して用いられる鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具に関する。
鼻腔の感染症治療等のため、抗生物質等の液状製剤が含浸されたガーゼが鼻腔内に挿入される方法が行われている。これは鼻腔内でガーゼが移動して偏り、呼吸の邪魔になったり、患部からずれたりする恐れがある。スプレー等により液状薬剤又は微粉末を鼻から吸入される形態のものが多く用いられている。しかし、この投与方法では、一度に多量の薬剤が噴霧される等により、薬剤の量が過大になることがある。また、薬剤の持続性が小さいことが多い。
最近では、このような鼻の治療又は喘息、花粉症等の呼吸器器官の直接的な治療以外にも用いられている。例えば、骨の形成促進剤、女性ホルモン剤、経鼻ワクチン剤等、鼻の粘膜から吸収させる薬剤が開発されている。鼻の粘膜からこの経鼻薬剤が吸収させる方法は、分解しやすい薬剤が用いられる場合に特に効果的であるといわれている。また、鼻から吸気により、効果的に吸入される薬剤も開発されつつあり経鼻薬剤が多種多様になりつつある。しかし、これらの薬剤の投与方法は、上記のガーゼ等の直接挿入、スプレー又は複雑な構造の薬剤供給装置等が用いられ患者への負担も大きい。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、患者の負担が少なく、経鼻薬剤が容易にしかも、安定して担持される鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具を提供することを目的としている。
本発明に係る鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具は、細長材により全体の形状が略U字状に形成されており、上記細長材の開放端部を含み骨鼻中隔の両側に挿入されるように形成された一対の鼻腔内挿入部を備えている。この鼻腔内挿入部には薬剤が担持された薬剤担持材が取付けられる薬剤担持材取付部が備えられている。
本発明に係る鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具の鼻腔内挿入部は、可撓性を有し、湾曲形状部分又は球状突起を備えていることがより好ましい。
この鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具は、薬剤を担持させたガーゼ等が巻き付けられ鼻腔内挿入部が鼻腔に挿入されるだけで簡単に使用される。これにより、ガーゼ等の薬剤担持材が一定の場所に保持され、呼吸の障害にならない。この薬剤担持補助具自体は鼻腔に優しい材質及び形状を備えており、鼻の粘膜にも優しく患者の負担が少ない。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、本発明の一実施形態に係る鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具1が示されている。図1(a)は鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具(以下、担持補助具という。)の正面図であり、図1(b)は右側面図である。図2は、担持補助具1が用いられている様子が示めされた人の鼻の断面図である。
この担持補助具1は、直径が細く長さが長い細長材3にからなる。図1(a)に示されているように、担持補助具1は、この細長材3により全体の形状が略U字状に形成されている。上記細長材3の開放端部5を含み鼻7の骨鼻中隔9の両側に挿入されるように形成された一対の鼻腔内挿入部11を備えている。
この鼻腔内挿入部11には薬剤が担持された薬剤担持材13が取付けられる薬剤担持材取付部15が備えられている。この薬剤担持材13は、液体又は粉体の薬剤を保持できるもので鼻の粘膜に優しいものであればよく、主としてガーゼや脱脂綿が用いられる。この薬剤担持材13の長さ及び容積は、鼻腔内で呼吸の邪魔にならないように、しかも、薬剤が鼻腔から効果的に吸収されるように調節される。
薬剤担持材取付部15の細長材3は、一又は複数の突起17を備えている。この突起17は、鋭角的な角を有しない限り形状に特に制限はないが、鼻の粘膜に優しい面から球状であることがより好ましい。この突起17は、薬剤担持材13が細長材3上でずれにくく、保持されやすいように設けられている。
細長材3の直径は、材質の強度、硬度又は弾性により適宜設定される。細長材の材質としては、直径は、通常、0.7mm以上2mm以下程度である。この直径が小さすぎると剛性が不足して薬剤担持材が取付にくくなる。また、ある程度の剛性がないと、鼻腔内に担持補助具1が挿入されにくい。逆に、直径が大きすぎると鼻腔の空間が狭められ、呼吸の障害になる恐れがある。
この細長材3が有する球状の突起17の直径は、通常、1.2mm以上3mm以下程度である。突起17の形状が球状以外のものでも球状の場合と同程度の大きさとされる。この突起17が小さすぎると、薬剤担持材取付部15の薬剤担持材13保持機能が不足する。また、この突起17が大きすぎると、上記と同様に薬剤担持材13の容積と重なり呼吸の障害になる恐れがある。
担持補助具1を形成する細長材3は、材質に特に制限はなく、合成樹脂、ゴム及び金属が用いられ得る。しかし、この材質には鼻腔内の粘膜に接する当たりの軟らかさ及び安全性が求められる。この担持補助具1は、複数の異なる材質が組み合わされて形成されてもよい。担持補助具1の少なくとも鼻腔内挿入部の材質は、可撓性及び比較的軟質の硬度を備えていることが好ましい。この観点から、ポリオレフィン系樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等が好適に用いられる。
これらの材料には、薬品等に関する各種の毒性試験、安全性試験の基準に基づき安全性が確認されたものが選択される。上記担持補助具1の材質は、製造しやすさ及び価格の面から単一の材質からなることが好ましい。なかでも、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−αオレフィン系共重合体、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、又はこれらの中から2種以上組み合わせたブレンド物が剛性及び柔軟性、耐滅菌性、医療安全性等に優れる面から好ましい。
上記鼻腔内挿入部11は、骨鼻中隔9又は鼻柱23にひっかかりやすいような構造を備えていることがより好ましい。図1(a)に示されているように、担持補助材1では略U字状底部19に近い部分に互いに内側に湾曲した湾曲形状部分21を備えている。この湾曲形状部分21は、骨鼻中隔9又は鼻柱23にひっかかりやすい。この湾曲形状部分21により、担持補助具1を付けたまま立ち歩いても担持補助具1が簡単に脱落することがない。
図3(a)は、本発明の他の実施形態に係る担持補助具25が示された正面図である。図3(b)担持補助具25の右側面図である。図3の担持補助具25も細長材により全体がU字形状に形成されている。担持補助具25は、図1の担持補助具1と同様に、鼻腔内挿入部27を備えている。また、この鼻腔内挿入部27は、球状の突起29を有する薬剤担持材取付部31を備えている。また、鼻腔内挿入部27は担持補助具25の略U字状底部に近い部分に互いに内側に湾曲した湾曲形状部分33を備えている。
この担持補助具25は、図1の担持補助具1と基本構造は同じであるが形状が異なっている。すなわち、担持補助具25は、横幅に対して縦方向に短い。この細長材35は、球状突起29がより大きい。また、湾曲形状部分33と直線部37との角部39の曲率がより大きくなっている。この湾曲形状部分33にガーゼ等の薬剤担持材の端部が止められると、この端部が角部39のひっかかり効果でずれにくい。また、上記球状突起29が大きいため、鼻の粘膜には比較的鋭角になっている湾曲部形状部分の角部39が当たらず球状突起29の方が接するようになっている。
担持補助具が用いられる人の鼻は多様である。また、担持される薬剤により、その用いられ方も異なる。例えば、担持されるべき薬剤の位置をとっても鼻腔の浅い部分から奥の部分まである。このため、好適に装着されるためには、ある程度の形状の異なる担持補助具が備えられることが好ましい。
図4(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る担持補助具41が示された正面図である。図4(b)は、担持補助具41の右側面図である。この担持補助具41も細長材42により全体がU字形状に形成されている。この担持補助具41は、湾曲部分を有さず直線状の鼻腔内挿入部43を備えている。この鼻腔内挿入部43は、球状の突起44を有する薬剤担持材取付部45を備えている。薬剤担持材取付部45の先端部の球状突起47は、鼻腔内挿入部43の延びる方向に直交する方向に一対の枝部49を介して形成されている。このような枝部49を備えた突起47により、薬剤担持材が薬剤担持材取付部45により確実に取付られる。
鼻腔内挿入部43のU字状底部に近い部分には、上記球状突起47と同様の一対の脱落防止の球状突起51を備えている。この球状突起51は、用いる人の鼻の骨鼻中隔又は鼻柱に優しく接して鼻から担持補助具41が脱落することを防止する。
図5(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る担持補助具53が示された正面図である。図5(b)は、担持補助具53が示された右側面図である。この担持補助具53は、細長材55により全体の形状が略U字状に形成されており、この細長材55の開放端部57を含む一対の鼻腔内挿入部59を備えている。この鼻腔内挿入部59には薬剤担持材取付部61が備えられている。この薬剤担持材取付部61には、球状の突起62が備えられている。この図5(a)及び(b)に示されているように、担持補助具53は、構造がシンプルである。この担持補助具53は、取り付けられた薬剤担持材がずれにくく、鼻腔内に薬剤担持材を容易に挿入担持することができる。
この担持補助具53は、簡素な構造であるため、製造しやすく安価である。その反面、担持補助具53の脱落防止は、鼻腔内に挿入された薬剤担持材と鼻の粘膜との粘着性又は摩擦に依存している。通常、担持補助具は、可撓性を備えた比較的比重の小さい樹脂等からなる。このため、液状の薬剤を含浸させたガーゼが薬剤担持材取付部61に保持されている場合等では、容易には脱落しにくい。担持補助具53の脱落をより確実に防止する必要がある場合には、薬剤担持材が取付られた担持補助具53を医療用のテープ等で鼻の下に留めて用いることもできる。
本発明は、医療用の鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具に適用され得る。
1、25、41、53・・・薬剤担持補助具
3、35、55・・・細長材
5・・・開放端部
7・・・鼻
9・・・骨鼻中隔
11、27、43、59・・・鼻腔内挿入部
13・・・薬剤担持材
15、31、45、61・・・薬剤担持材取付部
17、29、47、51・・・突起
19・・・底部
21、33・・・湾曲形状部分
23・・・鼻柱
37・・・直線部
39・・・角部
3、35、55・・・細長材
5・・・開放端部
7・・・鼻
9・・・骨鼻中隔
11、27、43、59・・・鼻腔内挿入部
13・・・薬剤担持材
15、31、45、61・・・薬剤担持材取付部
17、29、47、51・・・突起
19・・・底部
21、33・・・湾曲形状部分
23・・・鼻柱
37・・・直線部
39・・・角部
Claims (2)
- 細長材により全体の形状が略U字状に形成されており、
上記細長材の開放端部を含み骨鼻中隔の両側に挿入されるように形成された一対の鼻腔内挿入部を備えており、
この鼻腔内挿入部には薬剤が担持された薬剤担持材が取付けられる薬剤担持材取付部が備えられている鼻腔内挿入型の薬剤担持補助具。 - 上記鼻腔内挿入部は、可撓性を有し、
湾曲形状部分又は球状突起を備えている請求項1に記載の薬剤担持補助具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004058328A JP2005245640A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 薬剤担持補助具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004058328A JP2005245640A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 薬剤担持補助具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005245640A true JP2005245640A (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=35026697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004058328A Withdrawn JP2005245640A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 薬剤担持補助具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005245640A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104398328A (zh) * | 2014-09-30 | 2015-03-11 | 浦易(上海)生物技术有限公司 | 一种可完全降解的载药的鼻泪管支架及其植入系统 |
TWI773580B (zh) * | 2021-11-10 | 2022-08-01 | 新旺生醫股份有限公司 | 藥物載具及其使用方法 |
-
2004
- 2004-03-03 JP JP2004058328A patent/JP2005245640A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |