JP2005244350A - 圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置 - Google Patents

圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧電装置の小型化、薄型化にともない、圧電振動子と凹部の底面、または圧電振動子と蓋体との間隔が極めて小さいものとなっても圧電振動子の固定されていない端部が凹部の底面に接触して圧電振動子の振動を妨げることのない、作動の長期信頼性、周波数特性に優れた圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置を提供すること。
【解決手段】 上面に圧電振動子4が収容される凹部3を有する絶縁基体1と、凹部3の底面の外周部に形成され、圧電振動子4の下面の端部が取着される凸部7と、下面の外周部が絶縁基体1の上面の凹部3の周囲に取着される蓋体9とを具備しており、絶縁基体1は、凹部3の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反っている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内部に圧電振動子を収容するための圧電振動子収納用パッケージおよびこれを用いた圧電装置に関するものである。
従来、内部に水晶振動子等の圧電振動子を収容するための圧電振動子収納用パッケージとして、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等から成るセラミックス製パッケージが用いられている。従来のパッケージは、図4(a)、図4(b)、および図4(c)に示すように、上面中央部に圧電振動子24を収容するための直方体状の凹部23を有するとともに、その凹部23の底面の隅部に圧電振動子24の端部が取着される凸部27が設けられた絶縁基体21を具備している。また、この凸部27の上面から絶縁基体21の下面にかけてメタライズ導体等からなる配線導体25が導出されている。絶縁基体21の下面には、配線導体25の導出部分と接続するようにして導体層25’が形成されている。なお、図4(a)は従来の圧電振動子収納用パッケージの一例を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)の圧電振動子収納用パッケージのB−B’線における断面図、図4(c)は図4(a)の圧電振動子収納用パッケージの下面図である。
そして、絶縁基体21の凹部23内に圧電振動子24を、その主面が凹部23の底面に対向するように収納するとともに、この圧電振動子24の端部に形成されている電極を凹部23内の凸部27上に露出する配線導体25に導電性接着剤28等の電気的接続手段を介して電気的に接続し、しかる後、絶縁基体21の上面の凹部23の周囲に蓋体22をろう付けや溶接等の接合方法で接合することにより、絶縁基体21の凹部23と蓋体22とから成る容器の内部に圧電振動子24が気密に封止された圧電装置を構成することができる。なお、凹部23は、蓋体22を絶縁基体21の上面の凹部23を取囲む部位に形成されたメタライズ層26にガラスや半田等のろう材を介して接合することにより気密封止される。
このようにして形成された圧電装置は、絶縁基体21の下面の導体層25’と外部電気回路基板の電極パッド(図示せず)とを半田等のろう材を介して接続することにより、いわゆる表面実装の形態で外部電気回路基板に実装され、圧電振動子24と外部電気回路とが配線導体25および導体層25’を介して電気的に接続される。
特開2002−33636号公報
しかしながら、近年、圧電振動子収納用パッケージおよびこれを用いて成る圧電装置においては、収納される圧電装置の小型化、特に薄型化にともない、収納される圧電振動子24と凹部23の底面との間隔、または圧電振動子24と蓋体22との間隔が極めて小さいものとなってきている。
また、このような圧電振動子収納用パッケージにおいて、圧電振動子24は、凸部27の上面に取着されて固定される端部に対向する他の端部を良好に振動させるために、凹部23の底面や蓋体22の下面との間に隙間を空けた状態とする必要があるが、圧電振動子24を凸部27の上面に取着する際に、凹部23の底面や蓋体22の下面に対する圧電振動子24の主面(上下面)の角度が少しでも上下にずれると、圧電振動子24の凸部27に固定されていない側の端部が凹部23の底面に接触し、圧電振動子24の振動が妨げられて所定の周波数特性を得ることができずに、特性不良となる問題点があった。
また、絶縁基体21の上面の凹部23の周囲に蓋体22をろう付けや溶接等の方法で加熱して接合した後の冷却の際、蓋体22の熱膨張後の収縮により、絶縁基体21には凹部の中央に向けて縮むように応力が働くため、凹部23の底面は下に凸となるように(凹部23の外周部が中央部よりも高くなるように)反って、上記のように圧電振動子24の凸部に取着された端部に対向する他の端部が凹部23の底面に接触する危険性が非常に高くなるという問題点があった。
本発明は、かかる問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、圧電装置の小型化、特に薄型化にともない、収納される圧電振動子と凹部の底面、または圧電振動子と蓋体との間隔が極めて小さいものとなっても、圧電振動子の凸部に取着された端部に対向する他の端部等が凹部の底面や蓋体と接触することを効果的に防止することができ、作動の長期信頼性、周波数特性に優れた圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置を提供することにある。
本発明の圧電振動子収納用パッケージは、上面に圧電振動子が収容される凹部を有する絶縁基体と、前記凹部の底面の外周部に形成され、前記圧電振動子の下面の端部が取着される凸部と、下面の外周部が前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲に取着される蓋体とを具備しており、前記絶縁基体は、前記凹部の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反っていることを特徴とする。
本発明の圧電振動子収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記絶縁基体は、その下面の外周部に外部接続用の導体層が形成されており、前記下面の中央部にセラミック層が被覆されていることを特徴とする。
本発明の圧電振動子収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記絶縁基体は、前記凹部の底面の中央部に、導体層およびセラミック層の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする。
本発明の圧電装置は、上記構成の圧電振動子収納用パッケージと、前記凹部内に収納されるとともに前記凸部に取着された圧電振動子と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲に前記凹部を覆うように取着された蓋体とを具備していることを特徴とする。
本発明の電子部品収納用パッケージは、上面に圧電振動子が収容される凹部を有する絶縁基体と、凹部の底面の外周部に形成され、圧電振動子の下面の端部が取着される凸部と、下面の外周部が絶縁基体の上面の凹部の周囲に取着される蓋体とを具備しており、絶縁基体は、凹部の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反っていることから、圧電振動子の下面の端部を凸部に取着するときに、この凸部に取着される端部と対向する他の端部が凹部の底面から適度に大きく離れるように搭載することができ、他の端部が凹部の底面に接触して圧電振動子の振動が妨げられ、所定の周波数特性を得ることができずに、特性不良となることを有効に防止できる。
また、絶縁基体の上面に蓋体をろう付けや溶接等の接合方法で接合する際の加熱および冷却工程によって蓋体が熱膨張した後に収縮することにより、絶縁基体に凹部の中央に向けて縮むように応力が働き、絶縁基体が、凹部の底面の外周部の高さを中央部の高さよりも高くするように凸状に変形しようとしたとしても、その変形を、あらかじめ凹部の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反らせておいた反り(応力による反りの方向とは逆向きの反り)により効果的に相殺させることができ、凹部の底面に反りがないような形状に絶縁基体を作製することができる。これにより、蓋体の接合後の凹部の底面は平坦に近づくことから、より効果的に圧電振動子の固定されていない側の端部が凹部の底面に接触することを有効に防止できる。
その結果、圧電振動子を凸部に長期にわたって確実に電気的に接続させることが可能で、圧電振動子収納用パッケージの内部に収納する圧電振動子を長期にわたり安定して動作させることが可能な圧電振動子収納用パッケージを提供することができる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージは、好ましくは、絶縁基体は、その下面の外周部に外部接続用の導体層が形成されており、下面の中央部にセラミック層が被覆されていることから、例えば、絶縁基体をセラミック焼結体で形成するような場合、導体層となる導電性ペーストとセラミック層となるセラミックペーストとの同時焼成を行なう時の絶縁基体の収縮率を容易に調節することができる。よって、圧電振動子収納用パッケージを焼成するときに絶縁基体の収縮によって凹部の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反った形状と成るようにすることができ、より容易かつ確実に圧電振動子収納用パッケージを形成することができる。つまり、焼成時の収縮量は、導電性ペーストのほうがセラミックペーストよりも大きいため、より収縮量の大きい導電性ペーストに引っ張られるようにして絶縁基体が変形することになり、焼成時に凹部の中央部が外周部よりも高いような形状となるように絶縁基体を形成することが容易にできる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージは、好ましくは、絶縁基体は、凹部の底面の中央部に、導体層およびセラミック層の少なくとも一方が形成されていることから、例えば絶縁基体をセラミック焼結体で形成するような場合、未焼成の絶縁基体に対して、それよりも焼成時の収縮率が小さい、導体層となる導電性ペースト、または、セラミック層となるセラミックペーストを絶縁基体(未焼成)の凹部の底面に形成することにより、焼成時に凹部の中央部が外周部よりも高いような形状となるように絶縁基体を形成することが容易にできる。
本発明の圧電装置は、上記構成の圧電振動子収納用パッケージと、凹部内に収納されるとともに凸部に取着された圧電振動子と、絶縁基体の上面の凹部の周囲に凹部を覆うように取着された蓋体とを具備していることから、圧電振動子を確実に気密封止できるとともに、内部に収納する圧電振動子を安定して動作させることが可能な高信頼性で、かつ薄型化が容易なものとすることができる。
次に、本発明の圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置を添付の図面を基に説明する。図1は本発明の圧電振動子収納用パッケージの実施の形態の一例を示した平面図であり、図2は図1の圧電振動子収納用パッケージのA−A’線における断面図、図3は図1の圧電振動子収納用パッケージの下面図である。
図1〜3において、1は絶縁基体、9は蓋体、4は圧電振動子、5は配線導体、7は圧電振動子4の下面の端部が取着される凸部である。そして、主として絶縁基体1、配線導体5、凸部7で本発明の圧電振動子収納用パッケージが構成されている。この圧電振動子収納用パッケージに圧電振動子4を収容し蓋体9で封止することにより本発明の圧電装置が構成される。
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミック焼結体や樹脂から成り、例えば一辺の長さが2〜20mm程度で厚みが0.5〜3mm程度の直方体状である。
また、絶縁基体1の上面に、圧電振動子4を収容するための例えば直方体状である凹部3が形成されている。このような絶縁基体1は以下のようにして作製される。先ず、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バンイダ、溶剤、可塑剤等を添加混合して泥漿状となし、これを従来周知のドクタブレード法やカレンダーロール法等によりシート状に成形し、複数枚のセラミックグリーンシートを得る。しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して、四角形状のものと枠状のものとを形成し、四角形状のものが下層に位置するように、枠状のものが上層に位置するように上下に積層して上面に凹部3を有する積層体を形成し、その積層体を高温(約1600℃)で焼成することにより絶縁基体1となる。
絶縁基体1の凹部3の底面の外周部には、その上面に圧電振動子4の電極が形成された下面の端部を載せて電気的、機械的に接続するための凸部7が形成されている。
この凸部7は、凹部3に収納される圧電振動子4の電極を電気的に接続するためのパッドとして機能する。
圧電振動子4は、例えば、圧電素子や水晶等の弾性表面波素子であり、通常、その外形が四角形状の平板状であり、その端部には電極が形成されている。
この圧電振動子4の電極が形成された端部を凸部7上に位置決めして載せ、導電性接着剤8を介して、電極を凸部7に電気的、機械的に接続することにより圧電振動子4が凹部3内に収容され実装される。
また、この凸部7から絶縁基体の下面にかけて配線導体5が導出されており、凸部7に接続された圧電振動子4の電極は、配線導体5を介して絶縁基体1の下面側に導出される。
絶縁基体1の下面には、配線導体5の導出部分と接続するようにして、外部接続用の導体層5’が形成されている。
そして、搭載部4に接続された圧電振動子4の電極は、配線導体5を介して絶縁基体1の下面に導出されるとともに外部接続用の導体層5’と電気的に接続される。この導体層5’を外部電気回路基板の電極パッド等に半田等のろう材を介して接続することにより、圧電振動子4の電極が外部電気回路に電気的に接続される。
なお、配線導体5および、外部接続用の導体層5’、凸部7は、タングステン、モリブデン、銅、銀等の金属材料からなり、例えばタングステンからなる場合であれば、タングステン粉末に有機溶剤、バインダー等を添加し混練して作製した導電性ペーストを、絶縁基体1となるグリーンシートの表面等に所定パターンに印刷することにより形成される。
なお、配線導体5、および外部接続用の導体層5’、凸部7の露出表面には、配線導体5、および外部接続用の導体層5’、凸部7の酸化腐食を防止するとともに、外部接続用の導体層5’と圧電振動子4の各電極との接続や、配線導体5と外部電気回路基板との接続を強固なものするために、例えば1〜10μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜3μm程度の厚みの金めっき層とが順次被着されているのがよい。
凸部7の高さは、圧電振動子4の下面と凹部3の底面との間に一定のスペースを確保し、圧電振動子4を正常に振動させるための高さを確保するためのものであり、例えば、20〜50μm程で形成される。
なお、凸部7は、この実施の形態の例では1層のメタライズ層で形成したが2層又は3層のメタライズ層で形成されていてもよい。
また、圧電振動子4が収容される凹部3は、絶縁基体1の上面の凹部3の周囲に蓋体9の下面の外周部を、低融点ろう材等のろう材を用いたろう付けや、シーム溶接等の溶接等の接合方法で接合して取着することにより気密封止される。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージにおいては、図2に示すように、絶縁基体1は、凹部3の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反った形状となっている。
本発明の圧電振動子収納用パッケージによれば、絶縁基体1は、凹部3の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反っていることから、圧電振動子4の下面の端部を凸部7に取着するときに、この凸部7に取着される端部と対向する他の端部(以下、他の端部という)が凹部3の底面から適度に大きく離れるように搭載することができ、他の端部が凹部3の底面に接触して圧電振動子4の振動が妨げられ、所定の周波数特性を得ることができずに、特性不良となることを有効に防止できる。
また、絶縁基体1の上面に蓋体9をろう付けや溶接等の接合方法で接合する際の加熱および冷却工程によって蓋体9が熱膨張した後に収縮することにより、絶縁基体1に凹部3の中央に向けて縮むように応力が働き、絶縁基体1が、凹部3の底面の外周部の高さを中央部の高さよりも高くするように凸状に変形しようとしたとしても、その変形を、あらかじめ凹部3の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反らせておいた反り(応力による反りの方向とは逆向きの反り)により効果的に相殺させることができ、凹部3の底面に反りがないような形状に絶縁基体1を作製することができる。これにより、蓋体9の接合後の凹部3の底面は平坦に近づくことから、より効果的に圧電振動子4の固定されていない側の他の端部が凹部3の底面に接触することを有効に防止できる。
その結果、圧電振動子4を凸部7に長期にわたって確実に電気的に接続させることが可能で、圧電振動子収納用パッケージの内部に収納する圧電振動子4を長期にわたり安定して動作させることが可能な圧電振動子収納用パッケージを提供することができる。
この場合、凹部3の底面を中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反らせる量は、凹部3底面における絶縁基体1の厚さや、凹部3の底面の面積、絶縁基体1となるセラミックグリーンシート中の原料粉末の粒径,形状,充填率等のセラミックグリーンシート自体の収縮に影響を与える要因等に応じて適宜設定する。
例えば、絶縁基体1が酸化アルミニウム質焼結体から成り、絶縁基体1の外形寸法が2.5mm〜5mm程度で、凹部3の寸法が1.5mm〜4.2mm程度の場合、凹部3は、底面の中央部が外周部に比べて10〜50μm程度高くなるように反らせておくことが好ましい。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージにおいて、絶縁基体1は、その下面の外周部に外部接続用の導体層5’が形成されており、下面の中央部にセラミック層13が被覆されていることが好ましい。
この構成により、例えば、絶縁基体1を酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体で形成するような場合、導体層5’となる導電性ペーストとセラミック層13となるセラミックペーストとの同時焼成を行なう時の絶縁基体1の収縮率を容易に調節することができる。よって、圧電振動子収納用パッケージを焼成するときに絶縁基体1の収縮によって凹部3の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反った形状と成るようにすることができ、より容易かつ確実に圧電振動子収納用パッケージを形成することができる。つまり、焼成時の収縮量は、導電性ペーストのほうがセラミックペーストよりも大きいため、より収縮量の大きい導電性ペーストに引っ張られるようにして絶縁基体1が変形することになり、焼成時に凹部3の中央部が外周部よりも高いような形状となるように絶縁基体1を形成することが容易にできる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージおいて、絶縁基体1は、凹部3の底面の中央部に、導体層14およびセラミック層14’の少なくとも一方が形成されていることが好ましい。
この構成により、例えば、絶縁基体1を酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体で形成するような場合、未焼成の絶縁基体1に対して、それよりも焼成時の収縮率が小さい、導体層14となる導電性ペースト、または、セラミック層14’となるセラミックペーストを絶縁基体(セラミックグリーンシートを積層したもの)の凹部3の底面に形成することにより、焼成時に導電性ペーストやセラミックペーストがセラミックグリーンシートよりも大きく収縮して凹部3の外周部を下側に反らせるような方向に応力が生じるため、凹部3の中央部が外周部よりも高いような形状で絶縁基体1を形成することが容易にできる。
また、絶縁基体1の上面の凹部3の周囲には、例えば、蓋体9が金属製であれば、蓋体9との接合を容易なものとするために凹部3を取囲むようにしてタングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成る四角枠状のメタライズ層12が形成されている。メタライズ層12は、厚みが10〜30μm程度、各辺の幅が0.2〜0.5mm程度であり、蓋体9を接合するための下地金属として機能する。
メタライズ層12は、封止用の金属枠体が銀ろう等のろう材を介してろう付けされてもよい。メタライズ層12の表面に金属枠体をろう付けする場合、ろう材との濡れ性を良好とするために、例えば、メタライズ層12の表面に厚みが0.5〜5μm程度のニッケルめっき層が予め被着されているのがよい。
そして、圧電振動子4を絶縁基体1の凹部3に収容し、圧電振動子4の端部に形成された電極(図示せず)を凹部3の内側面に形成された凸部7に導電性接着剤8等の電気的接続手段を介して接続し、蓋体9をメタライズ層12の上面にシーム溶接法やエレクトロンビーム法等の溶接法やろう付け法等で接合することにより、圧電振動子4が絶縁基体1と蓋体9からなる容器の内部に気密封止され、本発明の圧電装置として完成する。
本発明の圧電装置は、上記、外部電気回路基板に対する接続の信頼性に優れた構成の圧電振動子収納用パッケージと、凹部3内に収納されるとともに凸部7に取着された圧電振動子4と、絶縁基体1の上面の凹部3の周囲に凹部3を覆うように取着された蓋体9とを具備していることから、内部に収納する圧電振動子4を安定して動作させることが可能な高信頼性のものとすることができる。
その結果、圧電振動子収納用パッケージの内部に収納する圧電振動子4を長期にわたり安定して動作させることが可能となる。
なお、蓋体9がセラミックスや樹脂から成る場合は、ろう付け法や溶接法によって蓋体9を封止用メタライズ層12に接合ができるようにするために、蓋体9の接合面にメタライズやめっき等により金属層を形成しておくのがよい。
また、蓋体9の形状は、その下面の外周部を絶縁基体1の上面の凹部3の周囲に接合することにより凹部3を気密封止するのに適した形状であり、四角平板状や下面に凹部3を有する四角形状である。なお、絶縁基体1の上面の周囲に蓋体9を接合する場合、封止用メタライズ層12を形成しなくても、直接絶縁基板1の表面にガラスや樹脂を用いて圧電振動子4を気密封止してもよい。
なお、凹部3は完全に直方体とする必要はなく、凹部3の内側の角部を円弧状に成形して角部分で絶縁基体1にクラック等の機械的な破壊が生じることを効果的に防止するようにしてもよい。
なお、本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変形は可能である。例えば、絶縁基体1は三層以上のセラミック層を積層することにより形成されていてもよい。
本発明の圧電振動子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図である。 図1の圧電振動子収納用パッケージのA−A’線における断面図である。 図1の圧電振動子収納用パッケージの下面図である。 (a)は従来の圧電振動子収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す平面図、(b)は(a)の圧電振動子収納用パッケージのB−B’線における断面図、(c)は(a)の圧電振動子収納用パッケージの下面の平面図である。
符号の説明
1・・・・・絶縁基体
3・・・・・凹部
4・・・・・圧電振動子
5’・・・・外部接続用の導体層
7・・・・・凸部
8・・・・・導電性接着剤
9・・・・・蓋体
13・・・・・セラミック層
14・・・・・導体層
14’・・・・セラミック層

Claims (4)

  1. 上面に圧電振動子が収容される凹部を有する絶縁基体と、前記凹部の底面の外周部に形成され、前記圧電振動子の下面の端部が取着される凸部と、下面の外周部が前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲に取着される蓋体とを具備しており、前記絶縁基体は、前記凹部の底面の中央部が外周部よりも高くなるように上に凸に反っていることを特徴とする圧電振動子収納用パッケージ。
  2. 前記絶縁基体は、その下面の外周部に外部接続用の導体層が形成されており、前記下面の中央部にセラミック層が被覆されていることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子収納用パッケージ。
  3. 前記絶縁基体は、前記凹部の底面の中央部に、導体層およびセラミック層の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電振動子収納用パッケージ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電振動子収納用パッケージと、前記凹部内に収容されるとともに前記凸部に取着された圧電振動子と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲に前記凹部を覆うように取着された蓋体とを具備していることを特徴とする圧電装置。
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