JP2005244019A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属製のマニホールドの温度を運用条件に対応して適正に制御しつつ、パーティクルや金属汚染の発生を防止する。
【解決手段】CVD装置10は、ウエハ1を処理する処理室24と、処理室24を加熱するヒータユニット20と、処理室24にガスを供給するガス供給管45と、処理室24を排気する排気管44と、ステンレス鋼が使用されて形成されたマニホールド26と、マニホールド26のフランジ部29に敷設された温度制御用ガス流路33と、マニホールド26外周のジャケットリング37に敷設された温度制御用ガス流路38と、温度制御用ガス43の流量を制御する流量制御装置41と、マニホールド26の温度を検出する温度検出装置42とを備えており、流量制御装置41は温度検出装置42の検出結果に基づき温度制御用ガスの流量を制御するように構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】CVD装置10は、ウエハ1を処理する処理室24と、処理室24を加熱するヒータユニット20と、処理室24にガスを供給するガス供給管45と、処理室24を排気する排気管44と、ステンレス鋼が使用されて形成されたマニホールド26と、マニホールド26のフランジ部29に敷設された温度制御用ガス流路33と、マニホールド26外周のジャケットリング37に敷設された温度制御用ガス流路38と、温度制御用ガス43の流量を制御する流量制御装置41と、マニホールド26の温度を検出する温度検出装置42とを備えており、流量制御装置41は温度検出装置42の検出結果に基づき温度制御用ガスの流量を制御するように構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、基板を処理室に収容して加熱下で処理を施す基板処理装置に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に酸化や拡散、イオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローやアニールおよび熱CVD反応による成膜等の熱処理(thermal treatment )に使用される熱処理装置(furnace )に利用して有効なものに関する。
ICの製造方法において、窒化シリコン(Si3 N4 )や酸化シリコン(SiOx)およびポリシリコン等をウエハに堆積(デポジション)するのに、熱処理装置の一例であるバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置が、広く使用されている。バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置(以下、CVD装置という。)は、処理室を形成するインナチューブおよびインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成されて縦形に設置されたプロセスチューブと、処理室を排気する排気管および処理室にガスを供給するガス導入管が接続されたマニホールドと、プロセスチューブの外に敷設されて処理室を加熱するヒータユニットと、複数枚のウエハを垂直方向に整列させて保持して処理室に搬入するボートとを備えており、複数枚のウエハを保持したボートが処理室に下端の炉口から搬入(ボートローディング)され、処理室に成膜ガスがガス導入管から供給されるとともに、ヒータユニットによって処理室が加熱されることにより、ウエハの上にCVD膜を堆積させるように構成されている。
従来のこの種のCVD装置においては、弗化窒素(NF3 )や弗化塩素(ClF3 )および弗素(F2 )等のクリーニングガスを処理室に流してセルフクリーニングを実施することが、一般的に行われて来ている。このようにセルフクリーニングが実施されるCVD装置においては、300〜800℃(成膜温度500〜800℃、クリーニング温度300〜600℃)といった広い範囲で運用される場合もあるために、高温に晒されるとともに強度や構成が必要になるマニホールド部においては、ステンレス鋼やニッケル系合金といった金属材料が使用されている。
他方、ガス種によって温度帯は変わるが、高温域であると、ハロゲン系ガスの反応性(腐蝕性)は増すために、金属製部品の表面において腐蝕反応(弗化や塩化等)が発生し易くなり、その結果、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等による金属汚染が発生するという問題点が起こる。特に、クリーニング時に顕著になる。しかし、金属の特性からして低温域(100℃以下)であれば表面反応(腐蝕)が起こる確率は低いので、シールキャップ等に冷却水を流通させることにより、腐蝕を防止することが実施されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−297815号公報
他方、ガス種によって温度帯は変わるが、高温域であると、ハロゲン系ガスの反応性(腐蝕性)は増すために、金属製部品の表面において腐蝕反応(弗化や塩化等)が発生し易くなり、その結果、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等による金属汚染が発生するという問題点が起こる。特に、クリーニング時に顕著になる。しかし、金属の特性からして低温域(100℃以下)であれば表面反応(腐蝕)が起こる確率は低いので、シールキャップ等に冷却水を流通させることにより、腐蝕を防止することが実施されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、高温域を冷却水によって強制的に冷却するCVD装置においては、次のような問題点がある。
1) 冷却効果が高いために、処理室が局所的に冷えてしまい、生成物が付着し、パーティクルの発生の原因になってしまう。
2) 冷却効果が高いことから、広範かつ精密な温度制御を実行することができない。
3) 冷却水の流通経路に開閉弁を設置しても、経路内に冷却水が溜まってしまう。
4) 冷却水の流通量を少なく設定した場合には、金属製部品の流路内の温度上昇や沸騰から部品の構成元素(例えば、鉄やクロム、銅等)が析出する。その結果、流量計やジョイントおよびオリフィス等の狭い流路に詰まりが発生する。
1) 冷却効果が高いために、処理室が局所的に冷えてしまい、生成物が付着し、パーティクルの発生の原因になってしまう。
2) 冷却効果が高いことから、広範かつ精密な温度制御を実行することができない。
3) 冷却水の流通経路に開閉弁を設置しても、経路内に冷却水が溜まってしまう。
4) 冷却水の流通量を少なく設定した場合には、金属製部品の流路内の温度上昇や沸騰から部品の構成元素(例えば、鉄やクロム、銅等)が析出する。その結果、流量計やジョイントおよびオリフィス等の狭い流路に詰まりが発生する。
本発明の目的は、金属部品の温度を運用条件に対応して適正に制御することができるとともに、パーティクルや金属汚染の発生を防止することができる基板処理装置を提供することにある。
本発明に係る基板処理装置は、基板を処理する処理室と、前記処理室を加熱するヒータユニットと、前記処理室にガスを供給するガス供給管と、前記処理室を排気する排気管と、前記ヒータユニットが発生させる熱の影響を受ける金属部品と、この金属部品と一体を成し温度制御用ガスが流通する流路とを備えていることを特徴とする。
本願において開示されるその他の発明のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)前記温度制御用ガスの流量を制御する流量制御装置と、前記金属部品の温度を検出する温度検出装置とを備えており、前記流量制御装置は前記温度検出装置の検出結果に基づき前記温度制御用ガスの流量を制御するように構成されていることを特徴とする基板処理装置。
(2)基板を処理する処理室と、前記処理室を加熱するヒータユニットと、前記処理室にガスを供給するガス供給管と、前記処理室を排気する排気管と、前記ヒータユニットが発生する熱の影響を受ける金属部品と、この金属部品と一体を成し温度制御用ガスが流通する流路とを備えている基板処理装置を用いて処理する半導体装置の製造方法であって、
前記処理室に基板を搬入するステップと、前記流路に温度制御用ガスを流通させるステップと、前記処理室に処理ガスを前記ガス供給管によって供給するステップと、前記処理室において前記基板を処理するステップと、前記処理室を前記排気管によって排気するステップとを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
本願において開示されるその他の発明のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)前記温度制御用ガスの流量を制御する流量制御装置と、前記金属部品の温度を検出する温度検出装置とを備えており、前記流量制御装置は前記温度検出装置の検出結果に基づき前記温度制御用ガスの流量を制御するように構成されていることを特徴とする基板処理装置。
(2)基板を処理する処理室と、前記処理室を加熱するヒータユニットと、前記処理室にガスを供給するガス供給管と、前記処理室を排気する排気管と、前記ヒータユニットが発生する熱の影響を受ける金属部品と、この金属部品と一体を成し温度制御用ガスが流通する流路とを備えている基板処理装置を用いて処理する半導体装置の製造方法であって、
前記処理室に基板を搬入するステップと、前記流路に温度制御用ガスを流通させるステップと、前記処理室に処理ガスを前記ガス供給管によって供給するステップと、前記処理室において前記基板を処理するステップと、前記処理室を前記排気管によって排気するステップとを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明によれば、温度制御用ガスを流路に流通させることにより、金属部品を適宜に冷却することができるので、金属部品の表面における腐蝕やパーティクルの発生を防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、ICの製造方法における成膜工程を実施するCVD装置(バッチ式縦形ホットウオール形CVD装置)として構成されている。図1に示されているように、CVD装置10はロードロック方式の予備室である待機室11を形成した筐体12を備えている。待機室11にはボートを昇降させるボートエレベータ13が設置されており、ボートエレベータ13はモータ駆動方式の送りねじ軸装置やベローズ等によって構築されている。ボートエレベータ13の昇降台14にはシールキャップ16がアーム15を介して支持されている。図2に示されているように、シールキャップ16の中心線上には回転軸17が挿通されて軸受装置18によって回転自在に支承されており、回転軸17はモータ19によって回転駆動されるように構成されている。
図1に示されているように、筐体12の上には処理室の周りでウエハの主面に対して水平方向に位置し処理室を加熱するヒータユニット20が、垂直に設置されている。詳細な図示は省略するが、ヒータユニット20はガラスウール等の断熱材が使用されて円筒形状に構築された断熱槽と、断熱槽の内周面に螺旋状または互いに平行な環帯状に敷設された発熱体(ヒータ)とを備えている。発熱体はニクロム線や二珪化モリブデン等の線形の抵抗発熱体によって形成されて、断熱槽の内周面に敷設されている。発熱体は複数のゾーンに分割されており、所謂ゾーン加熱制御されるように構成されている。
図1および図2に示されているように、ヒータユニット20の内部にはプロセスチューブ21が中心線が垂直になるように縦に設置されている。プロセスチューブ21はアウタチューブ22とインナチューブ23とから構成されている。アウタチューブ22は石英ガラスが使用されて、内径がインナチューブ23の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ23にその外側を取り囲むように同心円に被せられている。インナチューブ23は石英ガラスまたは炭化シリコン(SiC)が使用されて、上下両端が開口した円筒形状に形成されている。インナチューブ23の筒中空部はボートによって保持された複数枚のウエハが搬入される処理室24を形成しており、インナチューブ23の内径は取り扱うウエハの最大外径(例えば、三百mm)よりも大きくなるように設定されている。インナチューブ23とアウタチューブ22との間にはドーナツ形状の排気路25が形成されており、排気路25の下端部は多段の略円筒形状に構築されたマニホールド26によって気密封止されている。
マニホールド26はステンレス鋼等の金属が使用されて上下両端が開口した短尺の略円筒形状に形成されており、プロセスチューブ21と同心円に配設されている。プロセスチューブ21はマニホールド26が筐体12に支持されることによって垂直に支持された状態になっている。マニホールド26の下端開口によって炉口27が形成されている。マニホールド26の内周の中間部には円形リング形状の隔壁28が水平かつ同心円に突設されており、隔壁28はマニホールド26の内側空間を上下に仕切っている。隔壁28の上にはインナチューブ23が同心円に配置されて、固定具28Aによって固定されている。
図2に示されているように、マニホールド26の上端部にはフランジ部29が径方向外向きに突出されているとともに、フランジ部29の上面にはシールリング収納溝30が同心円に没設されており、シールリング収納溝30には、例えば弗素系のゴムからなるシールリング31が収納されている。フランジ部29の上にはアウタチューブ22が載置されており、アウタチューブ22はフランジ部29の上に垂直に支持された状態になっている。フランジ部29の外周部には金属製の押さえリング32が装着されており、アウタチューブ22はマニホールド26に押さえリング32によって固定されている。フランジ部29のシールリング収納溝30の真下の部位には、温度制御用ガスを流通させるためのガス流路33が同心円に敷設されており、ガス流路33には温度制御用ガスを導入するガス導入管34と、温度制御用ガスを導出するガス導出管35とがそれぞれ接続されている。押さえリング32にもガス流路36が同心円に敷設されており、このガス流路36はフランジ部29のガス流路33に連絡路(図示せず)によって連絡されている。マニホールド26の外周には金属製のジャケットリング37が敷設されており、ジャケットリング37の内部には温度制御用ガスを流通させるためのガス流路38が同心円に形成されている。ガス流路38には温度制御用ガスを導入するガス導入管39と、温度制御用ガスを導出するガス導出管40とがそれぞれ接続されている。
両ガス導入管34、39には温度制御用ガスの流量を制御する流量制御装置41が接続されており、流量制御装置41には金属部品であるマニホールド26の温度を検出する温度検出装置42が電気的に接続されている。温度検出装置42はマニホールド26の複数箇所の温度を検出し得るように複数本の熱電対等によって構成されており、各設置場所の温度検出結果を流量制御装置41にそれぞれ送信するように構成されている。流量制御装置41はガス供給やマスフローコントローラ等から構築されており、温度検出装置42からの各箇所の検出結果に基づき、各導入管34、39への温度制御用ガスの流量を所謂ゾーン制御するように構成されている。温度制御用ガスとしては窒素ガスやヘリウム(He)等の不活性ガスが使用される。原則的には窒素ガス43が使用されるが、熱交換性の良好なヘリウムガス等を処理条件に応じて選定することが望ましい。
図1に示されているように、マニホールド26の側壁には他端が真空排気装置(図示せず)に接続された大口径の排気管44が、隔壁28が仕切ったマニホールド26の内側空間のうち上側空間に連通するように接続されており、排気管44はアウタチューブ22とインナチューブ23との隙間によって形成された排気路25を排気するようになっている。図2に示されているように、アウタチューブ22の下方側にはガス供給管45が複数本、隔壁28が仕切ったマニホールド26の内側空間のうち炉口27側である下側空間に連通するように接続されており、ガス供給管45の他端は原料ガスや窒素ガス等のガスを供給するガス供給装置(図示せず)に接続されている。
図1に示されているように、待機室11にはマニホールド26の炉口27を開閉するシャッタ46が設置されており、シャッタ46はボート60が処理室24から搬出されている時に炉口27を閉塞するように構成されている。ボート60が処理室24に搬入されている時には、炉口27はシールキャップ16によって閉塞されるように構成されている。金属製のシールキャップ16の上面における周縁部にはシールリング収納溝47が同心円に没設されており、シールリング収納溝47には炉口27をシールする弗素系のゴムからなるシールリング48が収納されている。シールキャップ16のシールリング収納溝47の真下の部位には、温度制御用ガスを流通させるためのガス流路49が同心円に敷設されており、ガス流路49には温度制御用ガスを導入するガス導入管50と、温度制御用ガスを導出するガス導出管51とがそれぞれ接続されている。ガス導入管50は温度制御用ガスの流量を制御する流量制御装置41に接続されている。
図2に示されているように、軸受装置18の外周には金属製のジャケットリング52が敷設されており、ジャケットリング52には温度制御用ガスを流通させるためのガス流路53が同心円に形成されている。ガス流路53には温度制御用ガスを導入するガス導入管54と、温度制御用ガスを導出するガス導出管55とがそれぞれ接続されている。ガス導入管54は温度制御用ガスの流量を制御する流量制御装置41に接続されている。また、軸受装置18の上側にはパージガスを処理室24に供給するためのパージガス供給管56が接続されている。
シールキャップ16の上面には石英(SiO2 )によって形成されたカバー57が被着されており、シールキャップ16の下面にはシールキャップヒータ58が敷設されている。シールキャップ16の回転軸17の上端にはボート60が垂直に立脚されて固定されている。ボート60は上下で一対の端板61および62と、両端板61、62間に垂直に配設された複数本の保持部材63とを備えており、各保持部材63には複数条の保持溝64が長手方向に等間隔に配されて互いに同一平面内において開口するようにそれぞれ刻設されている。そして、ウエハ1は複数条の保持溝64間に外周辺部が挿入されることにより、水平にかつ互いに中心を揃えた状態に整列されてボート60に保持されるようになっている。
次に、前記構成に係るCVD装置を使用してウエハに窒化シリコン(Si3 N4 )を成膜する場合について説明する。
図1に示されているように、待機室11において、複数枚のウエハ1はボート60に互いに平行で中心線が揃った状態にウエハ移載装置(図示せず)によって装填(ウエハチャージング)される。複数枚のウエハ1が装填されたボート60は、シールキャップ16のボートエレベータ13による上昇に伴ってマニホールド26の炉口27から処理室24に搬入されて行き、図2に示されているように、シールキャップ16に支持されたままの状態で処理室24に存置される。この状態で、シールキャップ16は炉口27を気密シールした状態になる。
続いて、プロセスチューブ21の内部が所定の真空度(数十〜数万Pa)に排気管44によって排気される。また、プロセスチューブ21の内部が所定の温度(約700℃)に均一または所定の温度分布になるように、ヒータユニット20によって加熱される。この際、窒素ガス43がマニホールド26のガス流路33、36およびシールキャップ16のガス流路49に流量制御装置41によってそれぞれ流通され、マニホールド26およびシールキャップ16が冷却されて、これらの温度が所定値に維持される。プロセスチューブ21の内部の温度や圧力が安定すると、成膜ガスがインナチューブ23の処理室24にガス供給管45によって供給される。本実施の形態においては、成膜ガスとしては、SiH2 Cl2 ガスとアンモニア(NH3 )ガスとが使用される。ちなみに、NH3 ガスはSiH2 Cl2 ガスが供給される以前から供給される。また、処理中には、ボート60が回転軸17によって回転される。
供給された成膜ガスはインナチューブ23の処理室24を上昇し、上端開口からインナチューブ23とアウタチューブ22との隙間によって形成された排気路25に流出して排気管44から排気される。成膜ガスは処理室24を通過する際にウエハ1の表面に接触する。このウエハ1との接触に伴う成膜ガスによる熱CVD反応により、ウエハ1の表面にはSi3 N4 膜が堆積(デポジション)する。
Si3 N4 膜が所望の膜厚だけ堆積する予め設定された処理時間が経過すると、シールキャップ16が下降されて炉口27が開口されるとともに、ボート60に保持された状態でウエハ1群が炉口27からプロセスチューブ21の真下の待機室11に搬出(ボートアンローディング)される。
ところで、以上の成膜処理においては、マニホールド26のシールリング31およびシールキャップ16のシールリング48の熱による劣化を防止するためにマニホールド26およびシールキャップ16が強制的に冷却されるのが、一般的である。他方、ガス供給管45から炉口27に供給された成膜ガスは、マニホールド26やシールキャップ16の表面に接触するが、マニホールド26やシールキャップ16の温度が低温になっていると、NH4 Clといった副生成物(中間的生成物)がマニホールド26の内周面やシールキャップ16の上面に付着することが、知られている。つまり、マニホールド26およびシールキャップ16が過度に低温に冷却されていると、副生成物がマニホールド26の内周面およびシールキャップ16の上面に付着してしまう。そして、これらの面に付着した副生成物は成膜工程が繰り返される毎に累積して行くため、その累積した堆積膜の厚さは成膜のバッチ処理の回数が増えるに従って増加して行くことになる。この累積した堆積膜は厚さがある値に達すると、剥離し易くなるため、パーティクルの発生が急激に増加する。
本実施の形態においては、前述したように、成膜処理に際して、温度制御用ガスとしての窒素ガス43がマニホールド26のガス流路33、36およびシールキャップ16のガス流路49に流通されることにより、マニホールド26およびシールキャップ16の温度が所定値に維持されるので、マニホールド26のシールリング31およびシールキャップ16のシールリング48の熱による劣化が防止されるとともに、副生成物のマニホールド26の内周面およびシールキャップ16の上面への付着が防止される。すなわち、所定の温度は、マニホールド26のシールリング31およびシールキャップ16のシールリング48の熱による劣化を防止しつつ、副生成物がマニホールド26の内周面およびシールキャップ16の上面に付着するのを防止することができる温度、例えば、100〜200℃、である。したがって、これらの表面に副生成物が堆積して行くのを未然に防止することができ、パーティクルの発生を防止することができる。また、ハロゲン系ガスが使用されてセルフクリーニングが実施される場合には、温度を所定値(例えば100℃以下)にし、金属部品であるマニホールド26の腐蝕を防止することができるので、金属汚染の発生を防止することができる。
なお、図3はマニホールドを冷却水によって冷却した場合のマニホールド周辺部の温度と冷却水流量との関係を示すグラフである。
図3において、縦軸には温度(℃)が取られ、横軸には冷却水流量(cc/分)が取られており、炉内温度を600℃にて安定させたときの場合を示している。図3中、折れ線aは冷却水導入管の外側面での特性、折れ線bは押さえリングの外側面での特性、折れ線cはマニホールドのフランジ部上側の外側面での特性、折れ線dはマニホールドの冷却水導入管側の外側面での特性、折れ線eは冷却水導出管の外側面での特性をそれぞれ示している。
図3によれば、冷却水の流量を小さく設定しても、マニホールドが過度に冷却されてしまうことが判る。したがって、マニホールドの周辺の温度制御範囲が狭いことが判る。
図3において、縦軸には温度(℃)が取られ、横軸には冷却水流量(cc/分)が取られており、炉内温度を600℃にて安定させたときの場合を示している。図3中、折れ線aは冷却水導入管の外側面での特性、折れ線bは押さえリングの外側面での特性、折れ線cはマニホールドのフランジ部上側の外側面での特性、折れ線dはマニホールドの冷却水導入管側の外側面での特性、折れ線eは冷却水導出管の外側面での特性をそれぞれ示している。
図3によれば、冷却水の流量を小さく設定しても、マニホールドが過度に冷却されてしまうことが判る。したがって、マニホールドの周辺の温度制御範囲が狭いことが判る。
図4はマニホールドに形成される冷却ガス流路の一部に冷却ガスを流さない場合のマニホールド周辺部の温度変化を示すグラフである。
図4において、縦軸には温度(℃)が取られており、横軸には時間(h)が取られている。炉内温度を0.0h〜0.25hの間に600℃〜740℃に昇温後、0.25h〜4.0hまで安定化させた条件である。また、押えリング32のガス流路36には冷却水を1.3リットル毎分流し、ジャケットリング52のガス流路53には冷却水を2.0リットル毎分流し、フランジ部29のガス流路33およびジャケットリング37のガス流路38およびシールキャップ16のガス流路49には、冷却水も窒素ガスも何も流さないようにしている。
図4中、折れ線Aはマニホールド26の上部の外側面での特性、折れ線Bはマニホールド26の下部の外側面での特性、折れ線Cはアウタチューブ22の下部の外側面での特性、折れ線Dはアウタチューブ22の押さえリング32との対向部での特性、折れ線Eはアウタチューブ22と排気管44との付け根の外側面での特性、折れ線Fは排気管44のフランジ部の外側面での特性、折れ線Gはフランジ部29の付け根の外側面での特性、折れ線Jはフランジ部29の外周面での特性、折れ線Kはシールキャップヒータ58の端子での特性、折れ線Lはシールキャップ16のシールリング48の真下の外側面での特性、折れ線Mは軸受装置18の外周面での特性をそれぞれ示している。
図4において、縦軸には温度(℃)が取られており、横軸には時間(h)が取られている。炉内温度を0.0h〜0.25hの間に600℃〜740℃に昇温後、0.25h〜4.0hまで安定化させた条件である。また、押えリング32のガス流路36には冷却水を1.3リットル毎分流し、ジャケットリング52のガス流路53には冷却水を2.0リットル毎分流し、フランジ部29のガス流路33およびジャケットリング37のガス流路38およびシールキャップ16のガス流路49には、冷却水も窒素ガスも何も流さないようにしている。
図4中、折れ線Aはマニホールド26の上部の外側面での特性、折れ線Bはマニホールド26の下部の外側面での特性、折れ線Cはアウタチューブ22の下部の外側面での特性、折れ線Dはアウタチューブ22の押さえリング32との対向部での特性、折れ線Eはアウタチューブ22と排気管44との付け根の外側面での特性、折れ線Fは排気管44のフランジ部の外側面での特性、折れ線Gはフランジ部29の付け根の外側面での特性、折れ線Jはフランジ部29の外周面での特性、折れ線Kはシールキャップヒータ58の端子での特性、折れ線Lはシールキャップ16のシールリング48の真下の外側面での特性、折れ線Mは軸受装置18の外周面での特性をそれぞれ示している。
次に、図5はマニホールドを窒素ガスによって冷却した場合のマニホールド周辺部の温度変化を示すグラフである。図5において、縦軸には温度(℃)が取られ、横軸には時間(h)が取られている。図4の条件と異なる点は、シールキャップ16のガス流路49に窒素ガスを200l/min(窒素供給源温度25℃±3℃)流している点、である。
図4および図5を比較すれば判るように、シールキャップ16のガス流路に窒素ガスを流すことにより、充分な温度(100℃以下)までシールキャップ周辺の温度を下げることができる。すなわち、窒素ガスを冷却ガスとして用いることにより、ハロゲン系ガス等の腐食性の高いガスを用いる場合は、100℃以下になるように窒素ガスの流量を制御したり、副生成物が付着し易く、シールリング等の耐熱性の弱い部品のある周辺部を冷却する際は、窒素ガスの流量を100〜200℃程度に制御したりすることができるのが判る。また、特に、温度制御すべき箇所には、ジャケットリング37のガス流路38等のように冷却ガスを流す箇所を増やし、制御できるようにすることにより、より厳密な温度制御が可能となる。なお、図5の例のように窒素ガスと冷却水を、反応室の熱影響や処理ガスの種類に応じて、併用してもよい。
図4および図5を比較すれば判るように、シールキャップ16のガス流路に窒素ガスを流すことにより、充分な温度(100℃以下)までシールキャップ周辺の温度を下げることができる。すなわち、窒素ガスを冷却ガスとして用いることにより、ハロゲン系ガス等の腐食性の高いガスを用いる場合は、100℃以下になるように窒素ガスの流量を制御したり、副生成物が付着し易く、シールリング等の耐熱性の弱い部品のある周辺部を冷却する際は、窒素ガスの流量を100〜200℃程度に制御したりすることができるのが判る。また、特に、温度制御すべき箇所には、ジャケットリング37のガス流路38等のように冷却ガスを流す箇所を増やし、制御できるようにすることにより、より厳密な温度制御が可能となる。なお、図5の例のように窒素ガスと冷却水を、反応室の熱影響や処理ガスの種類に応じて、併用してもよい。
前記した実施の形態によれば、次の効果が得られる。
1) 成膜処理に際して、温度制御用ガスとしての窒素ガスをマニホールドのガス流路およびシールキャップのガス流路に流通させることにより、マニホールドおよびシールキャップの温度を所定値に維持することができるので、副生成物のマニホールドの内周面およびシールキャップの上面への付着を防止することができる。
2) マニホールドの内周面に処理ガスの副生成物が付着するのを防止することにより、これらの表面に副生成物が堆積して行くのを防止することができるため、この堆積膜の剥離によるパーティクルの発生を未然に防止することができ、その結果、CVD装置ひいてはICの製造方法の製造歩留りやスループットを高めることができる。
3) 副生成物の堆積を防止することにより、この堆積膜を除去するためのメンテナンス作業を廃止ないしは減少することができるため、CVD装置の稼働効率ひいてはICの製造方法の生産性を高めることができる。
4) セルフクリーニングに際して、温度制御用ガスとしての窒素ガスをマニホールドのガス流路に流通させることにより、マニホールドの温度を所定値に維持することができるので、金属部品であるマニホールドの腐蝕を防止することができ、金属汚染の発生を防止することができる。
5) 成膜処理およびセルフクリーニングに際して、温度制御用ガスとしての窒素ガスをマニホールドのガス流路およびシールキャップのガス流路に流通させることにより、マニホールドのシールリングおよびシールキャップのシールリングを強制的に冷却することができるので、シールリングの熱による劣化を防止してシールリングの寿命を延ばすことができ、その結果、CVD装置の稼働効率ひいてはICの製造方法の生産性を高めることができる。
6) 冷却媒体として温度制御用ガスを使用することにより、冷却水を使用する場合に比べて流路内面の劣化を低減することができるので、流路内での詰まりの発生を防止することができる。
7) 冷却媒体として温度制御用ガスを使用することにより、一つの反応炉(処理室)にて広範囲な温度領域(温度帯)で使用する場合にも、反応炉を構成する金属部品を適切に温度制御することができ、また、複数の異なる処理温度にて連続的に処理する場合にも、それぞれの処理温度に適した温度に保つことができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、マニホールドを冷却するガス流路はジャケットリングに敷設するに限らず、マニホールドの側壁の内部等に敷設してもよい。
例えば、マニホールドを冷却するガス流路はジャケットリングに敷設するに限らず、マニホールドの側壁の内部等に敷設してもよい。
成膜する膜種はシリコン窒化膜に限らず、ポリシリコン膜やシリコン酸化膜等であってもよい。
CVD装置に限らず、酸化処理や拡散処理、酸化や拡散だけでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフロー処理およびアニール処理等にも使用される基板処理装置全般に適用することができる。
前記実施の形態ではウエハに処理が施される場合について説明したが、処理対象はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
1…ウエハ(被処理基板)、10…CVD装置(基板処理装置)、11…待機室、12…筐体、13…ボートエレベータ、14…昇降台、15…アーム、16…シールキャップ、17…回転軸、18…軸受装置、19…モータ、20…ヒータユニット、21…プロセスチューブ、22…アウタチューブ、23…インナチューブ、24…処理室、25…排気路、26…マニホールド、27…炉口、28…隔壁、29…フランジ部、30…シールリング収納溝、31…シールリング、32…押さえリング、33…ガス流路、34…ガス導入管、35…ガス導出管、36…ガス流路、37…ジャケットリング、38…ガス流路、39…ガス導入管、40…ガス導出管、41…流量制御装置、42…温度検出装置、43…窒素ガス(温度制御用ガス)、44…排気管、45…ガス供給管、46…シャッタ、47…シールリング収納溝、48…シールリング、49…ガス流路、50…ガス導入管、51…ガス導出管、52…ジャケットリング、53…ガス流路、54…ガス導入管、55…ガス導出管、56…パージガス供給管、57…カバー、58…シールキャップヒータ、60…ボート、61、62…端板、63…保持部材、64…保持溝。
Claims (1)
- 基板を処理する処理室と、前記処理室を加熱するヒータユニットと、前記処理室にガスを供給するガス供給管と、前記処理室を排気する排気管と、前記ヒータユニットが発生させる熱の影響を受ける金属部品と、この金属部品と一体を成し温度制御用ガスが流通する流路とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004053370A JP2005244019A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 基板処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2005244019A true JP2005244019A (ja) | 2005-09-08 |
Family
ID=35025417
Family Applications (1)
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JP2004053370A Pending JP2005244019A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 基板処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005244019A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007266337A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 基板処理装置 |
CN111430267A (zh) * | 2019-01-09 | 2020-07-17 | 东京毅力科创株式会社 | 热板的冷却方法和加热处理装置 |
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2004
- 2004-02-27 JP JP2004053370A patent/JP2005244019A/ja active Pending
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