JP2005243892A - ガスレーザ発振装置およびガスレーザ加工機 - Google Patents

ガスレーザ発振装置およびガスレーザ加工機 Download PDF

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暢男 新野
Hidefumi Omatsu
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Abstract

【課題】 ブロワー、熱交換器、およびそれらの間をつなぐガス循環配管経路を廃し、小型・低コストで、かつ長期にわたり保守が不要なガスレーザ発振装置を実現する。
【解決手段】 レーザ媒質2を放電空間6へ移動させ、かつ冷却する手段を放電管1そのものの内部に設け、レーザ媒質2の移動方向を、放電管1の長手方向から、その直行する方向27とすることで、必要なレーザ媒質移動速度を1/10とした。放電管1の内部に配置された複数の可動フィン31から36をそれぞれに設けた圧電素子24で揺動させることにより、うちわのように周辺のレーザ媒質2を移動させ放電空間6に送風する。放電空間6に送られたレーザ媒質2は放電により高温となるが、放電管1に冷却水路23を設け、放電管1内壁、可動フィン31を介してレーザ媒質2を冷却し、再度可動フィン31の揺動により放電空間6に送風され、レーザ発振を有効に行うことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明はガスレーザ発振装置において、小型で廉価であるとともに保守点検周期を大幅に延伸し、安定したレーザ出力と安定したレーザ加工を提供する技術に関するものである。
近年レーザ加工はますます身近なものになり、確実にタレットパンチプレスからの置き換えが進展している。とはいうものの、いまだそのイニシャル費用は高価で設置スペースも大きく、またその性能を維持するために定期的な保守部品の交換も必要である。これらのうち大きなウェイトを占めるのが、ガスを循環させるためのブロワーであり、また圧縮後や放電後のガスを冷却するための熱交換器であり、またそれらの間を接続する配管部品である。
従来のガスレーザ発振装置は一般的に図6に示すように構成される。発振器チャンバー内は圧力が通常30KPa以下の負圧のレーザ媒質82が封入され、ブロワー93によりガス循環配管経路98内を矢印99の方向に循環される。
ブロワー93により断熱圧縮されたレーザ媒質82は熱交換器95により冷却された後、放電管81に供給され、放電管81の両端の陽極83と陰極84の間に印加される高電圧によりそれらの間で放電が発生する。放電により熱せられたレーザ媒質82は、熱交換器94により冷却され再度ブロワー93に戻る。
また、反射鏡96および部分反射鏡97は、4本の連結棒91により連結された左右の保持板90に装架され、放電管81は、保持板90に取り付けられた絶縁ブロック88と、連結棒91から支持された集合ブロック89の間で取り付けられ、これらにより光学ベンチ92が構成される。
放電管81内の放電により、レーザ媒質82が励起され、再度基底状態に戻る際にレーザ光を誘導放出し、反射鏡96と部分反射鏡97の間で反射を繰り返した後、部分反射鏡97からその一部がレーザ光87として外部に取り出される。取り出されたレーザ光87は、図示しないが、通常複数の反射鏡により集光レンズに導かれそれにより1点に集光されることによりきわめて高いエネルギー密度となり、金属その他の被加工材料に照射して切断あるいは溶接等の施工が行われる(例えば特許文献1参照)。
特開平11−220203号公報(第5図)
前記のような従来技術を用いた場合、大型でかつ高価なブロワ93、熱交換器94,95、およびそれらの間をつなぐガス循環配管経路98が必要であり、これらによりガスレーザ発振装置のサイズを大型化させるとともに、コストを押し上げる要因となっていた。また、ブロワー93は高速回転機器であり、また熱交換器94,95は通常銅管を用いた構成であるため長期使用により腐食を生じるため、定期的な交換などの保守作業が必要であり、レーザ加工機の保守費用低減と稼働率向上の障害となっていた。
本発明は、上記のような従来の課題に鑑み、省スペースでかつガス循環のための高価でかつ大型の機器を必要とせず、長期にわたって安定したレーザ出力および安定したレーザ
加工を実現し、保守周期を大幅に延長させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1にかかるガスレーザ発振装置は、軸方向に対向する放電電極と、放電空間の外側に配置された複数の可動フィンと、前記可動フィンの外側に冷却水路を設けた放電管を有するガスレーザ発振装置において、前記可動フィンを揺動させることによりレーザ媒質を冷却するとともに、放電空間にレーザ媒質を送風するもので、放電管内の可動フィンを揺動させることにより、うちわのように周辺のレーザ媒質を移動させるとともに、高温になったレーザ媒質を冷却することができる。
また、請求項2にかかるガスレーザ発振装置は、請求項1記載のガスレーザ発振装置において、可動フィンによりレーザ媒質の移動方向を放電管の軸方向に直行する方向としたもので、放電空間を通過する距離を従来より短くしたため、必要なレーザ媒質移動速度も遅くできる。
また、請求項3にかかるガスレーザ発振装置は、請求項1または2に記載のガスレーザ発振装置において、可動フィンは圧電素子が設けられたため、小型でかつ高速で可動フィンを揺動させることができる。
また、請求項4にかかるガスレーザ発振装置は、請求項3記載のガスレーザ発振装置において、圧電素子の表面は、絶縁部材が被覆されたため、放電による電界の影響を避けることができる。
また、請求項5にかかるガスレーザ発振装置は、請求項1から4のいずれかに記載のガスレーザ発振装置において、可動フィンおよび放電管の材質は窒化アルミニウムであるため、熱伝導率が高く、レーザ媒質の冷却効率を飛躍的に高めることができる。
また、請求項6にかかるガスレーザ発振装置は、請求項1から5のいずれかに記載のガスレーザ発振装置において、可動フィンは円周上に配置され、前記可動フィンの交互または随所に固定フィンが設けられ、かつ前記固定フィンに冷却水路が設けられたため、可動フィンのみで構成される場合に比べて、レーザ媒質の冷却効率はさらに高めることができる。
また、請求項7にかかるガスレーザ発振装置は、請求項1から6のいずれかに記載のガスレーザ発振装置において、隣接する二枚の可動フィンにより構成される空間と、前記空間と放電管の中心を挟んで相対向する空間の容積が交互に増大、縮小するよう前記可動フィンの揺動を制御するため、高い圧力を有する空間と低い圧力を有する空間が放電空間を挟んで対向しているため、放電空間に効率よく送風することができる。
また、請求項8にかかるガスレーザ発振装置は、請求項1から7のいずれかに記載のガスレーザ発振装置において、隣接する二枚の可動フィンにより構成される空間の容積の増大、縮小により生成するガス流の方向が、回転するよう前記可動フィンの揺動を制御するため、全ての可動フィンと放電管内壁を均一に冷却に寄与できるため、より冷却効率を高めて効率よいレーザ発振を得ることができる。
また、請求項9にかかるガスレーザ発振装置は、請求項1から8のいずれかに記載のガスレーザ発振装置において、隣接する二枚の可動フィンにより構成される空間の容積の増大、縮小の繰返し周波数が、前記可動フィンの共振周波数または内部空間のレーザ媒質の共振周波数と一致するよう前記可動フィンの揺動を制御するため、可動フィンの揺動に必要な電力を大幅に低減することができる。
また、請求項10にかかるガスレーザ発振装置は、請求項1から9のいずれかに記載のガスレーザ発振装置において、軸方向に隣接する可動フィンの間に絶縁体で構成されたリングを設けたため、制限された空間でのみ放電が可能なようにできる。
また、請求項11にかかるガスレーザ発振装置は、請求項10記載のガスレーザ発振装置において、リングの内部に冷却水路を設けるとともに、放電空間の中心に向かうほど前記リングの肉厚が薄くなるよう構成されたため、レーザ媒質の冷却効率を高めるとともに、放電空間の中心に向かうほど肉厚が薄くなるよう構成することで、リング周辺で生じる放電不安定現象も解消することができる。
また、請求項12にかかるガスレーザ発振装置は、請求項10または11に記載のガスレーザ発振装置において、リングおよび可動フィンはらせん状に連続して配置されたため、放電空間内においてより均質なレーザ媒質の流れを形成し、安定度の高い放電ができる。
また、請求項13にかかるガスレーザ発振装置は、請求項10または11に記載のガスレーザ発振装置において、リングおよび可動フィンは放電管の軸方向に傾斜させたため、さらに冷却効率を高めてより安定したレーザ発振を実現することができる。
また、請求項14にかかるレーザ加工機は、加工物を乗せる加工テーブルと、前記加工テーブルの移動とレーザ光の集光手段のうち少なくとも一方を移動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する数値制御手段と、レーザ光を発生する請求項1から13のいずれかに記載のガスレーザ発振装置とを備えたもので、この構成により請求項1から13のいずれかに記載のガスレーザ発振装置と同様な効果のほか、数値制御手段によりガスレーザ発振装置が統括的に制御され、レーザ加工の信頼性が向上すると共に加工ワークの不良品の混入を防止することができる。
以上のように、本発明は省スペースでかつガス循環のための高価でかつ大型の機器を必要とせず、長期にわたって安定したレーザ出力および安定したレーザ加工を実現し、保守周期を大幅に延長させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図5を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明のガスレーザ発振装置は図1に示すように構成される。発振器チャンバー内は圧力が通常30KPa以下の負圧のレーザ媒質2が封入され、ブロワー13によりガス循環配管経路18内を矢印19の方向に循環される。
ブロワー13により断熱圧縮されたレーザ媒質2は熱交換器15により冷却された後、放電管1に供給され、放電管1の両端の陽極3と陰極4の間に印加される高電圧により放電空間6で放電が発生する。放電により熱せられたレーザ媒質2は、熱交換器14により冷却され再度ブロワー13に戻る。
また、反射鏡16および部分反射鏡17は、4本の連結棒11により連結された左右の保持板10に装架され、放電管1は、保持板10に取り付けられた絶縁ブロック8と、連結棒11から支持された集合ブロック9の間で取り付けられ、これらにより光学ベンチ12が構成される。
放電管1内の放電により、レーザ媒質2が励起され、再度基底状態に戻る際にレーザ光を誘導放出し、反射鏡16と部分反射鏡17の間で反射を繰り返した後、部分反射鏡17からその一部がレーザ光7として外部に取り出される。取り出されたレーザ光7は、図示しないが、通常複数の反射鏡により集光レンズに導かれそれにより1点に集光されることによりきわめて高いエネルギー密度となり、金属その他の被加工材料に照射して切断あるいは溶接等の施工が行われる。
図2に放電管1の断面図を示し、以下、図1とともに説明する。中央部で斜線で示す部分は、図1に示した、紙面の前後に存在する2個の放電電極(陽極3,陰極4)の間で放電され形成される放電空間6である。
放電管1は、絶縁物でありながら熱伝導率の高い窒化アルミにより形成されている。この理由は、放電空間6では最大40kVの高電圧が印加されているため、放電管1には絶縁体を使用する必要があるが、通常の絶縁体では熱伝導率が低く、有効なレーザ媒質2の冷却効果を得ることは困難である。本材質の適用によりレーザ媒質2の冷却効率を飛躍的に高めることができる。
放電管1の内部の空間には、図1に示した気体のレーザ媒質2が充填されているとともに、6枚の可動フィン31,32,33,34,35,36が設けられている。
可動フィン31〜36の根元付近には、それぞれ圧電素子24が取り付けられており、圧電素子24のそれぞれは柔軟な絶縁被覆25により周囲を絶縁されている。可動フィン31〜36の中心からオフセットした部位に圧電素子24を取り付けて、圧電素子24に印加する電圧を変化させることにより、可動フィン31〜36をそれぞれ揺動する。また、絶縁被覆25を有した理由は、絶縁被覆25がない場合、放電空間6の電界の影響により圧電素子24の動きに誤作動を与えたり、また最悪の場合、放電そのものが圧電素子24の電極に移行する場合があるためである。
さらに、放電管1には、複数の冷却水路23が形成されており、主として、可動フィン31〜36を介して高温になったレーザ媒質2を冷却する。
さて、ガスレーザ発振装置の主流である軸流型ガスレーザでは、加工に適した高品質なレーザビームを作り出すために、その放電空間6は直径に対して約10倍以上の長さを持つ。通常、放電管1内を長手方向に流れるレーザ媒質2の速度は音速の1/2以上を必要とするが、これは、同じレーザ媒質2の分子が一定時間以上放電エネルギーを受け続けると、レーザ媒質2の適正な反転分布状態を維持することができないためである。
本実施の形態1にかかるガスレーザ発振装置では、レーザ媒質2の移動方向を、従来のように放電管1の長手方向ではなく、その直行する方向とした。それにより、放電空間6を通過する距離を従来の1/10とできるため、必要なレーザ媒質2の移動速度も1/10とすることができる。
放電管1内部の長手方向両端には放電電極である陽極3と陰極4が設けられ、また放電電極間の円周方向に配置された複数の可動フィン31〜36を揺動させることにより、うちわのように周辺のレーザ媒質を移動させ放電空間6に送風する。放電空間6に送られたレーザ媒質2は、放電により励起状態となり再度基底状態に遷移する際にレーザ光を発する。放電空間6を通過したレーザ媒質2は放電により高温となるが、高温のまま再度放電空間6に移動させられても、その反転分布状態から有効なレーザ出力は得られない。
したがって、いったん放電空間6で熱せられたレーザ媒質2は冷却する必要がある。本実施の形態1では、放電管1に冷却水路23を設け、送風するための可動フィン31〜36に有効に伝熱される。この可動フィン31〜36によりレーザ媒質2を間接的に冷却する。冷却されたレーザ媒質2は、再度可動フィン31〜36により放電空間6に送風され、再度レーザ発振を有効に行うことができる。
さらに、動作について詳細に説明する。各々の圧電素子24への電圧印加により圧電素子24は伸縮し、このため可動フィン31〜36が、それぞれ、うちわのように揺動する。すなわち、圧電素子24への電圧印加がない場合、可動フィン31〜36は、それぞれ、図2に示す二点鎖線の位置に位置するが、それぞれの圧電素子24に個別に電位を印加して図2の実線の位置に、可動フィン31〜36が、それぞれ位置したものとする。この場合、可動フィン32と33で形成される空間38が最も小さな容積で、逆に可動フィン35と36で形成される空間41が最も大きな容積となる。
したがって、図示したガス流27が発生し、レーザ媒質2は放電空間6で放電による励起を受けた後、再度基底状態に遷移する際にレーザ光を放出する。放出されたレーザ光は図1に示された反射鏡16と部分反射鏡17の間で増幅を繰返し、その一部が部分反射鏡17から取り出されて外部にレーザ光7として出射され、集光レンズにより一点に集光されて、板金切断や溶接などの用途に適用される。
さて、空間38から放電空間6を通ったレーザ媒質2は、高温の状態で空間41に入り込む。ここで、放電管1の管壁または可動フィン35,36により冷却される。次に、それぞれの圧電素子24に逆の電圧が印加されると、可動フィン35,36はそれぞれ逆の方向に反り、今度はガス流27とは反対向きのガス流が生じることになり、前記と同様の作用となる。この繰返しにより、連続的に安定してレーザ発振を得ることができる。
ただし、このような双方向のガス流では、空間37,39,40,42はレーザ媒質2の冷却への寄与度が低い。これを改善するため、順次ガス流の方向を回転させていくように可動フィン31〜36の揺動を制御することで、全ての可動フィンと放電管内壁を均一に、レーザ媒質2の冷却に寄与させることができ、さらに効率よくレーザ出力を取り出すことができる。
このように隣接する二枚の可動フィンにより構成される空間の容積の増大・縮小によるガス流27の方向を、順次回転するよう可動フィン31〜36の揺動を制御して送風する。これにより、全ての可動フィンと放電管1の内壁を均一に冷却に寄与できるため、より冷却効率を高めて効率よいレーザ発振を得ることができる。
また、放電空間6への冷却されたレーザ媒質2の送風量が増せば、より高いレーザ出力を取り出すことができるが、可動フィン31〜36の揺動による送風量は、可動フィン31〜36の揺動周波数と揺動ストロークに依存する。これらをそれぞれ大きくするためには、その駆動のための電力が必要となってくる。
しかしながら、揺動周波数を可動フィン31〜36の機械的共振周波数に一致させれば、極めて小さな電力で揺動を維持することができる。また同様に、放電管内の空間に充填されているレーザ媒質2の共振周波数と同一の揺動周波数でも、小さな電力で揺動を維持することができる。このように、可動フィン31〜36の揺動周波数を選定することにより極めて総合効率が高いレーザ発振が可能となる。
(実施の形態2)
次に別の実施の形態について説明する。
全体構成は、実施の形態1と同じであり、異なる構成を中心に説明する。
図3は放電管の径方向の断面図、図4は放電管の軸方向の断面図を示す。
放電管51は、外側にフィン57を、断面に冷却水路53を、その内側には圧電素子55を設けた複数の可動フィン54と、内部に冷却水路48を設けた固定フィン47を有して、図示しないレーザ媒質が充填されている。
また、放電管51には、放電空間46を制限するための螺旋状リング49が形成されその断面にも冷却水路59が形成されるとともに、螺旋状リング49は放電空間の中心に向かうほど肉厚が薄くなるよう構成される。
これは、螺旋状リング49を幅広く構成した場合、螺旋状リング49近傍の放電空間46にはレーザ媒質の移動がないため、放電が不安定になってしまうからである。このため、螺旋状リング49内部に冷却水路59を設けてレーザ媒質の冷却効率をさらに高めるとともに、放電空間46の中心に向かうほど肉厚が薄くなるよう構成することで、螺旋状リング49周辺で生じる放電不安定現象も解消することができる。
放電管51の外側には、外管56が嵌合され、断面には冷却水路58を、内側にはフィン57を有している。
また、螺旋状リング49とともに可動フィン54をそれぞれ螺旋状に連続して配置したため、放電空間46内においてより均質なレーザ媒質の流れを形成し、安定度の高い放電が可能となる。
また、螺旋状リング49、および可動フィン54を放電管51の軸方向に傾斜させることにより、軸方向のレーザ媒質の流れを形成して放電管51の外側に設けた空間に導入させ、放電管51の外側に配置した冷却用のフィン52,57によりレーザ媒質を冷却した後に、再度放電空間46に還流させた。これにより、さらに冷却効率を高めてより安定したレーザ発振を実現することができる。
また、放電管51の内部には、放電電極(陽極)68と放電電極(陰極)69を有し、その間で高電圧の放電がなされている。放電により励起されたレーザ媒質分子が、基底状態に遷移する際にレーザ光が放出されるが、左端に設けられた反射鏡60と右端に設けられた部分反射鏡61の間で増幅され、その一部が部分反射鏡61から取り出され、レーザ光67が出射される。
さらに、動作について詳細に説明する。
実施の形態1と同様に、圧電素子55に電圧を印加することにより可動フィン54を揺動させ、放電空間46への送風とレーザ媒質の冷却を交互に繰り返す。ここで、可動フィン54および圧電素子55は図示のように、軸方向に対して一定の角度で傾斜して取り付けられている。したがって、径方向だけではなく軸方向のガス流64が生じる。
したがって、図示しないレーザ媒質は、矢印65のように放電管51に設けられたガス穴62を通って、放電管51と外管56により形成される空間に導かれる。ここで、本空間には、放電管51に形成されたフィン52と、外管56により形成されたフィン57を有しているためレーザ媒質は冷却される。その後、レーザ媒質は、矢印66のようにガス穴63を通って放電管51内部に再度還流される。
ここで、螺旋状リング49がない場合、フィン間の空間にも放電が広がってしまう場合があり、その場合全放電電力に対してレーザ発振に寄与する電力の比率が大きく低下してしまう。螺旋状リング49を設けることにより、放電を限定した範囲にのみ閉じ込めることで、注入した電力に対して高い効率でレーザ出力を得ることができる。
このように、レーザ媒質は放電管51内部の可動フィン54だけでなく、外部のフィン52,57、さらに冷却水路48を設けた固定フィン47でも冷却されるため、極めて高い冷却効率を有することになり、安定してかつ高効率のレーザ発振を可能にする。
(実施の形態3)
図5は本実施の形態3におけるレーザ加工機の概略構成の一例を示す。以下、図5を参照しながらレーザ加工機を説明する。
この図に於いて、実施の形態1,2で説明したガスレーザ発振装置から出力されたレーザ光7や67は、反射鏡72にて反射され、トーチ73へ導かれる。レーザ光7や67は、トーチ73内部に備えられた集光レンズ74によって高密度のエネルギビームに集光され、ワーク77に照射され、加工が行われる。ワーク77は加工テーブル78上に固定されており、数値制御装置(図示せず)によりX軸モータ75あるいはY軸モータ76で制御されたトーチ73は、ワーク77に対して相対的に移動する事で、所定の形状の加工が行われる。
なお、数値制御装置で加工テーブル78を駆動制御することにより、所定の形状の加工を行ってもよい。
また、数値制御装置で、トーチ73と加工テーブル78の両方を駆動制御することにより、所定の形状の加工を行ってもよい。
以上のように本発明によると、従来のガスレーザ発振装置では不可欠であった、レーザ媒質を循環させるためのブロワー、レーザ媒質を冷却するための熱交換器、およびそれらを接続するガス配管が不要となる。これにより、ガスレーザ発振装置の外形サイズを大幅に小型化するとともに、安価な装置を製作することができる。
また、ブロワーは高速回転機器であるため、定期的な保守作業が必要であったが、本発明では保守が不要となり連続稼動が可能となる。
本発明の実施の形態1におけるガスレーザ発振装置の概略構成図 同実施の形態1における放電管の概略構成断面図 同実施の形態2における放電管の径方向の概略構成断面図 同実施の形態2における放電管の軸方向の概略構成断面図 同実施の形態3におけるガスレーザ加工機の概略構成図 従来におけるガスレーザ発振装置の概略構成図
符号の説明
1、51 放電管
2 レーザ媒質
3、68 陽極
4、69 陰極
6、46 放電空間
7、67 レーザ光
23、48、53、58、59 冷却水路
24、55 圧電素子
25 絶縁被覆
27、 64、65、66 ガス流
31、32、33、34、35、36、54 可動フィン
37、38、39、40、41、42 冷却室
47 固定フィン
49 螺旋状リング
52、57 フィン

Claims (14)

  1. 軸方向に対向する放電電極と、放電空間の外側に配置された複数の可動フィンと、前記可動フィンの外側に冷却水路を設けた放電管を有するガスレーザ発振装置において、前記可動フィンを揺動させることによりレーザ媒質を冷却するとともに、放電空間にレーザ媒質を送風するガスレーザ発振装置。
  2. 可動フィンによりレーザ媒質の移動方向を放電管の軸方向に直行する方向とした請求項1記載のガスレーザ発振装置。
  3. 可動フィンは、圧電素子が設けられた請求項1または2記載のガスレーザ発振装置。
  4. 圧電素子の表面は、絶縁部材が被覆された請求項3記載のガスレーザ発振装置。
  5. 可動フィンおよび放電管の材質は窒化アルミニウムである請求項1から4のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  6. 可動フィンは円周上に配置され、前記可動フィンの交互または随所に固定フィンが設けられ、かつ前記固定フィンに冷却水路が設けられた請求項1から5のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  7. 隣接する二枚の可動フィンにより構成される空間と、前記空間と放電管の中心を挟んで相対向する空間の容積が交互に増大、縮小するよう前記可動フィンの揺動を制御する請求項1から6のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  8. 隣接する二枚の可動フィンにより構成される空間の容積の増大、縮小により生成するガス流の方向が、回転するよう前記可動フィンの揺動を制御する請求項1から7のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  9. 隣接する二枚の可動フィンにより構成される空間の容積の増大、縮小の繰返し周波数が、前記可動フィンの共振周波数または内部空間のレーザ媒質の共振周波数と一致するよう前記可動フィンの揺動を制御する請求項1から8のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  10. 軸方向に隣接する可動フィンの間に絶縁体で構成されたリングを設けた請求項1から9のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  11. リングの内部に冷却水路を設けるとともに、放電空間の中心に向かうほど前記リングの肉厚が薄くなるよう構成された請求項10に記載のガスレーザ発振装置。
  12. リングおよび可動フィンは螺旋状に連続して配置された請求項10または11に記載のガスレーザ発振装置。
  13. リングおよび可動フィンは放電管の軸方向に傾斜させた請求項10または11に記載のガスレーザ発振装置。
  14. 加工物を乗せる加工テーブルと、前記加工テーブルの移動とレーザ光の集光手段のうち少なくとも一方を移動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する数値制御手段と、レーザ光を発生する請求項1から13のいずれかに記載のガスレーザ発振装置とを備えたレーザ加工機。
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