JP2005239954A - 水素を含む高カロリーガス生成装置及び生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素吸収剤の利用効率の向上を図ることにある。
【解決手段】炭素系原料を水と反応させることによって少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化領域(ガス化部)21と、二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応器(水和反応部)1とを備え、水和反応器1で水酸化物となった後の二酸化炭素吸収剤でガス化領域21で発生した二酸化炭素を吸収する構成になっている。
【選択図】図1
【解決手段】炭素系原料を水と反応させることによって少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化領域(ガス化部)21と、二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応器(水和反応部)1とを備え、水和反応器1で水酸化物となった後の二酸化炭素吸収剤でガス化領域21で発生した二酸化炭素を吸収する構成になっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、バイオマス、プラスチック、石炭、重質油、汚泥等の炭素系原料を水と反応させることにより水素やメタン等を主成分とするガスを生成する水素を含む高カロリーガス生成装置及び生成方法に関する。
この種の水素を含む高カロリーガス生成装置としては、炭素系原料としての石炭と、二酸化炭素吸収剤としてのCaO(酸化カルシウム(酸化物))とを混合した状態で反応容器(ガス化部)内に装填し、この反応容器内に高温高圧の水蒸気を送り込むことによって、上記CaOを水和させてCa(OH)2(水酸化カルシウム)にすると共に、上記石炭と水とを反応させて少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を有する生成ガスを発生させ、この生成ガス中の二酸化炭素を上記Ca(OH)2で吸収することによって、水素を含む高カロリーガスの発生を促進すべく構成されたものが知られている(例えば、特許文献1)。
これを化学式で示すと、次の式(1)〜(4)のようになる。
CaO+H2O→Ca(OH)2 …(1)
C+H2O→CO+H2 …(2)
CO+H2O→CO2+H2 …(3)
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O …(4)
上記水素を含む高カロリーガス生成装置においては、二酸化炭素(CO2)を吸収する上記式(4)で生成されたCaCO3(炭酸カルシウム(炭酸化物))をカ焼することにより、CaOに戻すことができるので、二酸化炭素吸収剤を、CaO→Ca(OH)2→CaCO3→CaOのサイクルで再利用することができる。しかも、Ca(OH)2を経由させることで、二酸化炭素吸収剤を再利用する際の利用効率の低下を抑えることができる利点がある。
特開2001−302206号公報
ところが、上記水素を含む高カロリーガス生成装置においては、炭素系原料と二酸化炭素吸収剤とが混在した状態の反応容器内に水蒸気を供給することによって、二酸化炭素吸収剤としてのCaOを水和させることになるので、当該二酸化炭素吸収剤を十分に水和することができないという欠点がある。従って、二酸化炭素吸収剤の利用効率を十分に高めることができないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素吸収剤の水和反応を十分に行うことができ、二酸化炭素吸収剤の利用効率の向上を図ることのできる水素を含む高カロリーガス生成装置及び生成方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、炭素系原料を水と反応させることによって少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化部と、二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部とを備えてなり、上記水和反応部で水酸化物となった後の二酸化炭素吸収剤で上記ガス化部で発生した二酸化炭素を吸収することを特徴としている。
請求項2に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、炭素系原料を水と反応させることによって少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化部と、二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部と、この水和反応部で水酸化物となった二酸化炭素吸収剤が導入されると共に、上記ガス化部で発生した上記水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を含有する生成ガスが導入され、上記生成ガス中の上記二酸化炭素を上記二酸化炭素吸収剤によって吸収する二酸化炭素吸収部とを備えていることを特徴としている。
請求項3に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、請求項1又は2に記載の発明において、上記二酸化炭素吸収剤としての酸化物は、Li2O(酸化リチウム)、Na2O(酸化ナトリウム)、K2O(酸化カリウム)、Rb2O(酸化ルビジウム)、Cs2O(酸化セシウム)、BeO(酸化ベリリウム)、MgO(酸化マグネシウム)、CaO(酸化カルシウム)、SrO(酸化ストロンチウム)及びBaO(酸化バリウム)の群から選択された1以上の物質からなることを特徴としている。
請求項4に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、請求項1又は2に記載の発明において、上記二酸化炭素吸収剤としての酸化物は、CaOであり、このCaOを上記水酸化物としてのCa(OH)2に水和させる上記水和反応部内の雰囲気の圧力は、3MPa以上に設定されていることを特徴としている。
請求項5に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、請求項4に記載の発明において、上記二酸化炭素吸収部内の雰囲気の圧力は、3MPa以下に設定されていることを特徴としている。
請求項6に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、上記ガス化部内の雰囲気の温度を上記水素を含む高カロリーガス及び上記二酸化炭素の生成に要する温度に維持すべく、当該ガス化部内に酸化剤を供給すべく構成されていることを特徴としている。上記酸化剤としては、例えば酸素や空気等を用いる。
請求項7に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、請求項1〜6の何れかに記載の発明において、上記ガス化部内の雰囲気の温度は、600〜1000℃に設定されていることを特徴としている。
請求項8に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、請求項2〜7の何れかに記載の発明において、上記二酸化炭素吸収部内の雰囲気の温度は、上記ガス化部内の雰囲気の温度より低い温度であって、800℃以下に設定されていることを特徴としている。
請求項9に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、請求項2〜8の何れかに記載の発明において、上記ガス化部と、上記二酸化炭素吸収部との間で、生成ガスの対流が可能に構成されていることを特徴としている。
請求項10に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置は、請求項2〜9の何れかに記載の発明において、上記ガス化部と二酸化炭素吸収部との間又は二酸化炭素吸収部の下流側に設けられ、上記ガス化部で生成された生成ガス又は上記二酸化炭素吸収部で二酸化炭素が吸収された後の生成ガスを改質する触媒が収容された改質部を備えていることを特徴としている。
請求項11に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、炭素系原料を水と反応させることによって少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化部で生じた上記二酸化炭素を、二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部で得られた上記水酸化物となった後の二酸化炭素吸収剤で吸収することを特徴としている。
請求項12に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部から上記水酸化物となった二酸化炭素吸収剤を二酸化炭素吸収部に導入すると共に、炭素系原料を水と反応させることによって少くとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化部から上記水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を含有する生成ガスを上記二酸化炭素吸収部に導入することによって、上記生成ガス中の上記二酸化炭素を上記二酸化炭素吸収剤によって吸収することを特徴としている。
請求項13に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、請求項11又は12に記載の発明において、上記二酸化炭素吸収剤としての酸化物は、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、BeO、MgO、CaO、SrO及びBaOの群から選択された1以上の物質からなることを特徴としている。
請求項14に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、請求項11又は12に記載の発明において、上記二酸化炭素吸収剤としての酸化物は、CaOであり、このCaOを上記水酸化物としてのCa(OH)2に水和させる上記水和反応部内の雰囲気の圧力を3MPa以上に設定していることを特徴としている。
請求項15に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、請求項14に記載の発明において、上記二酸化炭素吸収部内の雰囲気の圧力を3MPa以下に設定していることを特徴としている。
請求項16に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、請求項11〜15の何れかに記載の発明において、上記ガス化部内の雰囲気の温度を上記水素を含む高カロリーガス及び上記二酸化炭素の生成に要する温度に維持すべく、上記ガス化部内に酸化剤を供給することを特徴としている。上記酸化剤としては、例えば酸素や空気等を用いる。
請求項17に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、請求項11〜16の何れかに記載の発明において、上記ガス化部内の雰囲気の温度を600〜1000℃に設定していることを特徴としている。
請求項18に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、請求項12〜17の何れかに記載の発明において、上記二酸化炭素吸収部内の雰囲気の温度を上記ガス化部内の雰囲気の温度より低い温度であって、800℃以下に設定していることを特徴としている。
請求項19に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、請求項12〜18の何れかに記載の発明において、上記ガス化部と、上記二酸化炭素吸収部との間で、生成ガスを対流させることを特徴としている。
請求項20に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法は、請求項12〜19の何れかに記載の発明において、上記ガス化部で生成された生成ガス又は上記二酸化炭素吸収部で二酸化炭素が吸収された後の生成ガスを、触媒を収容する改質部に導入することによって改質することを特徴としている。
請求項1〜20に記載の発明によれば、二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部とを備えているので、炭素系原料と分離した状態で二酸化炭素吸収剤のみを水和させることができる。従って、二酸化炭素吸収剤を十分水和することができるので、例えば二酸化炭素吸収剤の酸化物としてCaOを用いた場合には当該CaOのほぼ全てをCa(OH)2に転換することができ、従来例に比べて二酸化炭素吸収剤を再利用する際の利用効率の向上を図ることができる。
請求項2〜10及び12〜20に記載の発明によれば、炭素系原料を水と反応させるガス化部と、このガス化部で生成された生成ガス及び二酸化炭素吸収剤を導入する二酸化炭素吸収部とを有しており、炭素系原料と二酸化炭素吸収剤とが混在した状態になることがない。
従って、使用済みの二酸化炭素吸収剤を二酸化炭素吸収部から単独で回収することができるので、当該二酸化炭素吸収剤を簡単に再利用することができる。しかも、二酸化炭素吸収剤が炭素系原料中の鉱物や灰分等と共晶物を形成するなどの上記灰分等との相互作用が生じることがないので、再利用によって二酸化炭素吸収剤の品質が低下するのを防止することができる。
また、ガス化部及び二酸化炭素吸収部とは別に水和反応部を設けているので、酸化物としての二酸化炭素吸収剤を確実に水酸化物にすることができる。
請求項3及び13に記載の発明によれば、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、BeO、MgO、CaO、SrO及びBaOの群から選択された1以上の物質を、二酸化炭素吸収剤として有効に利用することができる。なお、各物質は粉体状で使用されることになる。
請求項4及び14に記載の発明によれば、二酸化炭素吸収剤としてCaOを用い、このCaOを水酸化物としてのCa(OH)2に変換する際の雰囲気の圧力を3MPa以上に設定することによって、CaOのほぼ全てをCa(OH)2に変換することができる(図4参照)。
即ち、ほぼ全ての二酸化炭素吸収剤がCa(OH)2を経由することになるので、二酸化炭素を吸収してCaCO3となった後、カ焼によってCaOに戻して再利用する際の利用効率の向上を図ることができる。この場合、二酸化炭素吸収剤のほぼ全てをCa(OH)2に変換することができることから、従来例に比べて二酸化炭素吸収剤の利用効率の向上を図ることができる。
また、二酸化炭素吸収剤としてCaOを用いた場合、CaO等のカルシウム化合物を炭素系原料と分離した状態に維持することができるので、当該カルシウム化合物が炭素系原料中の鉱物や灰分等と共晶微粒子を形成したり、これらの鉱物や灰分等と他の相互作用を起こしたりするのを防止することができる。
従って、再利用によって、二酸化炭素吸収剤の二酸化炭素を吸収するための活性が低下するのを確実に防止することができる。
請求項5及び15に記載の発明によれば、二酸化炭素吸収部内の雰囲気の圧力を3MPa以下に設定しているので、Ca(OH)2の多くをCaOと水(H2O)に分解した状態に維持することができる(図3参照)。
従って、CaOによって二酸化炭素を効率よく吸収することができる。即ち、Ca(OH)2によらずにCaOで二酸化炭素を吸収することになるので、Caを二酸化炭素の吸収のみに使用することができることから、当該二酸化炭素の吸収効率の向上を図ることができる。
しかも、上記圧力を3MPa以下に設定することによって、CaO、Ca(OH)2及びCaCO3からなる共融物の生成を防止することができるので、これによっても二酸化炭素吸収剤による二酸化炭素の吸収能力を高い状態に維持することができる。
従って、ガス化部内の二酸化炭素の濃度を低減することができるので、水素を含む高カロリーガスを生成する方向に反応がシフトされた状態になる。よって、ガス化部における炭素系原料と水との反応速度の向上を図ることができる。
更に、上記共融物の生成を防止することができることから、ガス化部内の温度を高く設定することができ、炭素系原料がより速い反応速度と高い転換効率で反応することができる。
請求項6及び16に記載の発明によれば、ガス化部内の雰囲気の温度を水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素の生成に要する温度に維持すべく、当該ガス化部内に酸化剤を供給するようになっているので、水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を効率よく生成することができる。
請求項7及び17に記載の発明によれば、ガス化部内の雰囲気の温度を600〜1000℃に設定しているので、十分な反応速度が得られると共に、反応器に用いる材料として通常の耐熱材料(例えばステンレス鋼)を使用した場合でも当該耐熱材料の消耗を充分に抑えることができる。
なお、反応雰囲気の温度を600〜1000℃に設定したのは、600℃未満では、反応速度が遅くなるためであり、1000℃超では、反応器に用いる材料として通常の耐熱材料を使用した場合には消耗が激しくなってより高価な材料を使うことが必要になるためである。
請求項8及び18に記載の発明によれば、二酸化炭素吸収部内の雰囲気の温度を800℃以下に設定しているので、二酸化炭素を効率よく吸収することができる。
なお、炭酸吸収雰囲気の温度を800℃以下に設定したのは、800℃超では、二酸化炭素吸収反応が起こらなくなる(CaCO3が分解する)ためである。
請求項9及び19に記載の発明によれば、ガス化部と二酸化炭素吸収部との間でガスの対流が可能になっているので、ガス化部内で生成された二酸化炭素を二酸化炭素吸収部内で即座に吸収することができ、ガス化部内の二酸化炭素の濃度を低減することができる。
従って、水素を含む高カロリーガスを生成する方向に反応がシフトされた状態を維持することができるので、水素を含む高カロリーガスの生成能率の向上を図ることができる。
なお、ガス化部で生じた水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を含む全てのガスを二酸化炭素吸収部に流出させる一方向のみの単純な対流によっても、ガス化部から二酸化炭素を他のガスと共に連続的に排除することができるので、水素を含む高カロリーガスを生成する方向に反応をシフトすることができる。
請求項10及び20に記載の発明によれば、ガス化部で生成された生成ガスや二酸化炭素を吸収した後の生成ガス改質部に導入することによって、生成ガス中に含まれるタール、炭化水素ガス、CH4等を改質することができる。なお、触媒としては、例えばNi(ニッケル)、などの物質を粒子状に形成したものが用いられる。
しかも、触媒が炭素系原料や二酸化炭素吸収剤と分離された状態になっているので、触媒を単独で簡単に回収することができる利点がある。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、圧力については、圧力計で測定した圧力であって、絶対圧力から大気圧力を引いたゲージ圧力で示す。
この実施の形態で示す水素を含む高カロリーガス生成装置は、炭素系原料として石炭を用い、この石炭を高温の水と反応させることによって水素やメタン等を主成分とする高カロリーガスを生成すると共に、当該水素を含む高カロリーガスの生成の際に生じた二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤によって吸収することによって、水素を含む高カロリーガスを製造するようになっている。なお、二酸化炭素吸収剤としては、酸化物としてCaOを用いた例を示す。
上記水素を含む高カロリーガス生成装置は、図1に示すように、水和反応器(水和反応部)1と、生成ガス発生器2と、外熱カ焼炉(カ焼部)3とによって主要部が構成されている。
水和反応器1は、外周面が円筒状に形成された容器によって構成されており、ホッパ1aから供給された二酸化炭素吸収剤としての粉体状のCaOに水蒸気となった水を加えることによって水和反応を生じさせ、水酸化物としてのCa(OH)2を生成するようになっている。ここで、水和反応器1内の水和反応雰囲気は、圧力が3MPa以上に設定されている。
上記のように水和反応雰囲気を設定することにより、図4に示すように、CaOをほぼ100%水和させることができ、ほぼ全てのCaOをCa(OH)2に変換することが可能である。
上記水和反応器1でCa(OH)2となった二酸化炭素吸収剤は、図1に示すように、ロータリバルブ11を介して、生成ガス発生器2における後述する二酸化炭素吸収領域22(図2参照)に供給されるようになっている。
生成ガス発生器2は、図2に示すように、外周面が円筒状に形成された容器によって構成されたものであって、下方にガス化領域(ガス化部)21、上方に二酸化炭素吸収領域(二酸化炭素吸収部)22が分割された状態に設けられている。なお、図2は、ガス化領域21及び二酸化炭素吸収領域22を流動層とした例を示している。
ガス化領域21は、生成ガス発生器2の下端部に配置され当該生成ガス発生器2を上下に仕切る分散板21aの上方に構成されている。分散板21aは、生成ガス発生器2の底板2aの中央開口部から供給される水蒸気となった水を上方に通過させ、ホッパ21bを介して供給される粉体状の石炭を流動化させた状態で水と反応させる流動床を構成するようになっている。なお、底板2aは、その中央開口部に向けて下方にテーパ状に縮径した形状になっている。
底板2aの中央開口部からは必要に応じて酸素や空気等の酸化剤が供給され、石炭との燃焼反応により、ガス化領域21内の反応雰囲気の温度を600〜1000℃の高温に維持するようになっている。また、当該反応雰囲気の圧力は、0.1〜3MPaの低圧に設定されるようになっている。
ホッパ21bに蓄えられた石炭は、当該ホッパ21bから供給管路21cを介して分散板21aの上面位置に供給されるようになっており、時間の経過と共に、ガス化領域21内を上方に移動し、当該ガス化領域21の上部に配置された排出管路21dから順次外部に排出されるようになっている。
ガス化領域21内に供給された石炭は、当該ガス化領域21内を上方に移動する間に水と反応すると共に、一部が酸素との燃焼反応に使用された後、未燃炭及び灰分の状態で排出管路21dから排出されることになる。この際、石炭中の例えば炭素と水との反応によって、上述した式(2)、(3)に示すように水素及び二酸化炭素が発生することになる。
また、ガス化領域21の軸心部には、ガス化領域21内に一定時間滞留する石炭内の底部付近から当該滞留する石炭の上方に延在するように内部サイクロン21eが設けられている。内部サイクロン21eは、ガス化領域21で発生した水素を含む高カロリーガス、二酸化炭素等の生成ガスや水蒸気等を含むガスを粉体状の石炭や灰分などの固体成分と分離して二酸化炭素吸収領域22に供給するようになっている。
内部サイクロン21eの上端部には、ガス化領域21の上端を閉塞すると共に、生成ガス発生器2を上下に仕切る仕切板21fが設けられている。この仕切板21fの上方には、上記底板2aと同様の形状の仕切板2bが設けられており、この仕切板2bの上方に分散板22aが設けられている。仕切板2b及び分散板22aについても、生成ガス発生器2を上下に仕切るように構成されている。
二酸化炭素吸収領域22は、分散板22aの上方に構成されており、分散板22aは、内部サイクロン21eを介して仕切板2bの中央開口部から供給されるガス(流体)を上方に通過させ、水和反応器1から供給される粉体状のCa(OH)2を流動化させた状態で二酸化炭素と反応させる流動床を構成するようになっている。
この二酸化炭素吸収領域22内の炭酸吸収雰囲気は、温度が500〜800℃の高温に維持され、圧力が3MPa以下、より好ましくは1MPa以下の低圧に設定されるようになっている。
上記二酸化炭素吸収雰囲気を例えば800℃、3MPaに設定した場合には、図3に示すように、Ca(OH)2のほぼ60%がCaOと水とに分解されることになり、800℃、1MPaに設定した場合には、Ca(OH)2のほぼ80%がCaOと水とに分解されることになる。即ち、温度の上昇及び圧力の低下にともなって、次ぎの式(5)で示す分解が促進されることになる。
Ca(OH)2→CaO+H2O …(5)
水和反応器1から供給されるCa(OH)2となった二酸化炭素吸収剤は、供給管路22cを介して分散板22aの上面位置に供給され、その大部分が即座にCaOと水とに分解された状態になると共に、二酸化炭素を吸収してCaCO3に変換されながら、二酸化炭素吸収領域22内を上方に移動し、当該二酸化炭素吸収領域22の上部に配置された排出管路22dを介して外部に排出されるようになっている。
また、二酸化炭素吸収領域22の軸心部には、二酸化炭素吸収領域22内に一定時間滞留する二酸化炭素吸収剤の底部付近から当該二酸化炭素吸収剤の上方に延在するように内部サイクロン22eが設けられている。内部サイクロン22eは、二酸化炭素が除去された水素を含む高カロリーガス等の生成ガスや水蒸気等を含むガスを、二酸化炭素吸収剤などの粉体状の固体成分と分離して二酸化炭素吸収領域22から排出するようになっている。
内部サイクロン22eの上端部には、二酸化炭素吸収領域22及び生成ガス発生器2の上端を閉塞する頂板22fが設けられている。
また、ガス化領域21と二酸化炭素吸収領域22との間では、内部サイクロン21e及び仕切板21f、2bの中央開口部を介して、ガス化領域21から二酸化炭素吸収領域22への一方向のみのガスの対流が可能となっている。
内部サイクロン22eから排出されたガスは、図1に示すように、第1の熱交換器41及び第2の熱交換器42を通して気液分離器5に供給されるようになっている。
気液分離器5は、第1の熱交換器41及び第2の熱交換器42で冷却されて液化した上記ガス中の水分を分離して、水素を含む高カロリーガスを製品ガスとして回収するようになっている。
気液分離器5で分離された水は、第1の熱交換器41に挿通されて、内部サイクロン22eから排出されるガスの冷却に使われると共に、当該ガスから熱を受けて水蒸気となり、水和反応器1及びガス化領域21に供給されるようになっている。
一方、ガス化領域21から排出される未燃炭及び灰分は、外熱カ焼炉3に燃料の一部として供給されるようになっており、二酸化炭素吸収領域22から排出される二酸化炭素吸収剤は、外熱カ焼炉3にカ焼のために供給されるようになっている。
外熱カ焼炉3は、二重管構造になっており、内管(図示せず)の内側に供給された二酸化炭素吸収剤を該当内管と外管との間に供給された未燃炭及び炭素系燃料によって加熱するようになっている。即ち、外熱カ焼炉3は、二酸化炭素吸収剤としてのCaCO3を、未燃炭、灰分及び炭素系燃料と完全に分離した状態でカ焼するように構成されている。なお、内管と外管との間には、燃焼用の空気(必要に応じて酸素)が供給されるようになっている。
二酸化炭素吸収剤は、カ焼によりCaCO3からCaOに変換され、この際に発生した二酸化炭素は第3の熱交換器43を介して冷却されてから回収されることになる。また、カ焼によりCaOとなった二酸化炭素吸収剤は、第4の熱交換器44を介して冷却されてからホッパ1aに蓄えられた後、水和反応器1に供給されるようになっている。更に、外熱カ焼炉3で加熱に使われた未燃炭等の燃焼後の灰分は、外熱カ焼炉3から順次排出されるようになっている。
なお、水和反応器1、生成ガス発生器2、外熱カ焼炉3を循環する二酸化炭素吸収剤の不足分については、ホッパ3aからCaCO3として外熱カ焼炉3に供給され、CaOの状態で補給されるようになっている。
また、水和反応器1及びガス化領域21には、上述した気液分離器5から供給される水の他に、給水ポンプ6からも水が供給されるようになっている。給水ポンプ6から供給される液体状の水は、第2の熱交換器42、第3の熱交換器43及び第4の熱交換器44を介して加熱され、水蒸気となって、水和反応器1及びガス化領域21に供給されるようになっている。
次ぎに、上記水素を含む高カロリーガス生成装置を用いた水素を含む高カロリーガス生成方法を説明する。まず、石炭をガス化領域21に供給すると共に、当該ガス化領域21に水蒸気となった水を供給することによって、例えば上記式(2)、(3)の反応を生じさせ、水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を含有する生成ガスを二酸化炭素吸収領域22に供給する。
二酸化炭素吸収領域22では、二酸化炭素吸収剤としてのCa(OH)2がCaOと水とに分解され、当該CaOによって二酸化炭素が吸収されることになる。このため、二酸化炭素が除去されたガスが第1の熱交換器41及び第2の熱交換器42を介して気液分離器5に供給され、当該気液分離器5で水素を含む高カロリーガスを得ることができる。
また、二酸化炭素吸収剤は、二酸化炭素吸収領域22において酸化物としてのCaOの状態で二酸化炭素を吸収し、これによって炭酸化物としてのCaCO3となった後、外熱カ焼炉3でのカ焼により二酸化炭素を排除して酸化物としてのCaOとなり、更に水和反応器1に供給されて水酸化物としてのCa(OH)2となってから、再び二酸化炭素吸収領域22に供給されてCaOの状態で二酸化炭素を吸収することを繰り返すことになる。即ち、二酸化炭素吸収剤は、CaO→Ca(OH)2→CaO→CaCO3→CaOのサイクルで再利用されることになる。
上記のように構成された水素を含む高カロリーガス生成装置及び水素を含む高カロリーガス生成方法においては、二酸化炭素吸収剤がCaOの状態で二酸化炭素を吸収してCaCO3となった後、カ焼によりCaOになり、水和によりCa(OH)2になり、再びCaOになってから二酸化炭素を吸収することになるので、二酸化炭素吸収剤における二酸化炭素を吸収するための活性を維持することができる。この場合、水和反応器1においてCaOを単独で水和させることができるので、当該CaOの大部分を水和させて活性化することができる。
従って、従来例に比べて二酸化炭素吸収剤を再利用する際の利用効率の向上を図ることができる。
また、水和反応器1において、水酸化反応雰囲気の圧力を3MPa以上に設定することによって、CaOのほぼ全てをCa(OH)2に変換することができるので、二酸化炭素の吸収に使われた二酸化炭素吸収剤のほぼ全てを活性化することができる。従って、二酸化炭素吸収剤の利用効率を従来例に比べて向上させることができる。
更に、二酸化炭素吸収剤を石炭と分離した状態に維持することができるので、使用済みの二酸化炭素吸収剤を単独で回収することができる。従って、二酸化炭素吸収剤を簡単に再利用することができる。
しかも、二酸化炭素吸収剤としてのCaO等のカルシウム化合物が石炭中の鉱物や灰分等と共晶微粒子を形成したり、これらの鉱物や灰分等と他の相互作用を起こしたりするのを防止することができる。
従って、共晶微粒子の形成やその他の相互作用等により、二酸化炭素吸収剤の二酸化炭素を吸収するための活性が低下するのも確実に防止することができる。
更に、二酸化炭素吸収領域22において、炭酸吸収雰囲気の圧力を3MPa以下に設定することにより、Ca(OH)2の多くをCaOと水(H2O)に分解した状態に維持することができる。
従って、CaOによって二酸化炭素を吸収することができる。即ち、Ca(OH)2によらずにCaOで二酸化炭素を吸収することになるので、Caを二酸化炭素の吸収のみに使用することができることから、当該二酸化炭素の吸収効率の向上を図ることができる。
しかも、上記圧力を3MPa以下に設定することによって、CaO、Ca(OH)2及びCaCO3からなる共融物の生成を防止することができるので、これによっても二酸化炭素吸収剤による二酸化炭素の吸収能力を高い状態に維持することができる。
更に、上記共融物の生成を防止することができることから、ガス化領域21内の温度を高く設定することができ、より速い反応速度と高い転換効率で反応することができる。
従って、ガス化領域21における石炭と水との反応速度の向上を図ることができる。
また、水和反応器1においては、上記式(1)に示す水和反応により、次の式(6)に示す109KJ/molの反応熱を得ることができる。
ΔH298=−109KJ/mol …(6)
更に、二酸化炭素吸収領域22においては、次ぎの式(7)に示す二酸化炭素を吸収する反応により、式(8)に示す178KJ/molの反応熱を得ることができる。
CaO+CO2→CaCO3 …(7)
ΔH298=−178KJ/mol …(8)
従って、上記各反応熱をガス化領域21に供給する水等の加熱に有効に利用することにより、水素を含む高カロリーガス生成装置におけるエネルギ消費量の低減を図ることができる。
また、ガス化領域21における反応雰囲気に空気、酸素、過酸化水素等の酸化剤を供給することによって、当該反応雰囲気の温度を水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素の生成に必要な温度に維持することができるので、水素を含む高カロリーガスを効率良く生成することができる。
一方、ガス化領域21で生じた生成ガスを二酸化炭素吸収領域22に流出させることによって、ガス化領域21における二酸化炭素の量を低減することができるので、水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を生成する方向に反応をシフトすることができる。
この場合、ガス化領域21で生じた生成ガスを二酸化炭素吸収領域22に流出させた後、当該生成ガスの一部を再びガス化領域21に戻すように対流させるようにしてもよい。ただし、この場合には、ポンプ等の送流手段を用いて二酸化炭素吸収領域22からガス化領域21に強制的に対流させる必要がある。
更に、生成ガス発生器2におけるガス化領域21内及び二酸化炭素吸収領域22内の圧力がそれぞれ0.1〜3MPa、3MPa以下の低圧に設定されているので、水和反応器1及び生成ガス発生器2を構成する耐熱材料の低薄化等によるコストの低減を図ることができる。
しかも、生成ガス発生器2が低圧であることから、当該生成ガス発生器2に付随する圧力制御装置等の設備のコストの低減を図ることができると共に、制御等が簡単になり、かつ安全性の向上を図ることができるという利点がある。
なお、上記実施の形態においては、生成ガス発生器2としてガス化領域21と二酸化炭素吸収領域22とを上下に配置したものを示したが、この生成ガス発生器2に代えて、図5に示すガス化領域21と二酸化炭素吸収領域22とを外周側と内周側に配した生成ガス発生器200を用いてもよい。なお、図5は、ガス化領域21を流動層、二酸化炭素吸収領域22を移動層とした例を示している。
即ち、生成ガス発生器200は、外周側である外筒2cと内筒2dとの間にガス化領域21、内周側である内筒2d内に二酸化炭素吸収領域22が分割された状態に設けられている。なお、図2に示した構成要素と共通する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
外筒2c及び内筒2dの間は、下端が底板2eによって閉塞され、上端が頂板2fによって閉塞されている。一方、内筒2dは、下端が底板2gによって閉塞され、上端が頂板2hによって閉塞されている。底板2gは、その中央開口部に向けて下方にテーパ状に縮径した形状になっている。また、二酸化炭素吸収領域22の下端は、火格子22gによって構成されている。
そして、外筒2cの下端部の側方から水蒸気等が供給され、当該水蒸気等が分散板21aを通って上方に移動するようになっている。石炭中の炭素と水との反応によって生じた水素を含む高カロリーガスや二酸化炭素を含むガスは、内部サイクロン21eから頂板2fの上方に排出されるようになっている。
また、内部サイクロン21eから排出されたガスは、内筒2dにおける底板2gのテーパ部から火格子22gの下方に供給され、当該火格子22gを通って上方に移動し、二酸化炭素吸収剤によって二酸化炭素が吸収されるようになっている。二酸化炭素が吸収されたガスは、頂板2hから上方に排出され、上述した第1の熱交換器41に供給されるようになっている。
二酸化炭素吸収領域22には、水和反応器1でCa(OH)2に変換された二酸化炭素吸収剤が頂板2hから供給され、CaOに変換された後、二酸化炭素を吸収してCaCO3となり、火格子22gを通して下方に移動し、底板2gの中央開口部から排出されるようになっている。即ち、二酸化炭素吸収領域22を移動層としている。また、底板2gの中央開口部から排出された二酸化炭素吸収剤は、外熱カ焼炉3に供給されることになる。
このように構成された生成ガス発生器200においては、CaOが二酸化炭素を吸収する際の上記式(7)、(8)に示す反応熱を、ガス化領域21の加熱のために有効に利用することができる。その他、図2に示す生成ガス発生器2と同様の作用効果を奏する。
また、上記実施の形態においては、二酸化炭素吸収剤としての酸化物としてCaOを用いた例を示したが、この酸化物としては、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、BeO、MgO、CaO、SrO及びBaOの群から選択された1以上の物質によって構成したものであってもよい。
そして、酸化物としてLi2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、BeO、MgO、CaO、SrO及びBaOの群から選択された1以上の物質からなる二酸化炭素吸収剤を用いてもよい。
更に、上記実施の形態においては、水和反応器1で生じた水和熱を利用する構成についての説明を省略したが、例えば水和反応器1に供給され、水和に使われた水(水蒸気)をガス化領域21に供給するように構成することが可能である。
また、上記実施の形態においては、炭素系原料として粉体状の石炭の例を示したが、この炭素系原料としては、バイオマス、プラスチック、石炭、重質油、汚泥等であって、粉体状、粒子状、スラリー状等のものであってもよい。
そして更に、ガス化領域21と二酸化炭素吸収領域22との間又は二酸化炭素吸収領域22の下流側に設けられ、ガス化領域21で生成された生成ガス又は二酸化炭素吸収領域22で二酸化炭素が吸収された後の生成ガスを改質する触媒が収容された改質部を備えた構成にしてもよい。
この場合には、ガス化領域21で生成された生成ガスや二酸化炭素吸収領域22で二酸化炭素を吸収した後の生成ガス中に含まれるタール、炭化水素ガス、CH4等を改質することができる。なお、触媒としては、例えばNi(ニッケル)などの物質を粒子状に形成したものが用いることができるる。
しかも、触媒が炭素系原料や二酸化炭素吸収剤と分離された状態になっているので、触媒を単独で簡単に回収することができる利点がある。
更に、ガス化領域21及び二酸化炭素吸収領域22は、生成ガス発生器2として一体的に構成したものを示したが、これらのガス化領域21及び二酸化炭素吸収領域22は、互いに別体の容器あるいは炉等によって構成してもよい。
1 水和反応器(水和反応部)
2 生成ガス発生器
3 外熱カ焼炉(カ焼部)
21 ガス化領域(ガス化部)
22 二酸化炭素吸収領域(二酸化炭素吸収部)
2 生成ガス発生器
3 外熱カ焼炉(カ焼部)
21 ガス化領域(ガス化部)
22 二酸化炭素吸収領域(二酸化炭素吸収部)
Claims (20)
- 炭素系原料を水と反応させることによって少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化部と、
二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部とを備えてなり、
上記水和反応部で水酸化物となった後の二酸化炭素吸収剤で上記ガス化部で発生した二酸化炭素を吸収することを特徴とする水素を含む高カロリーガス生成装置。 - 炭素系原料を水と反応させることによって少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化部と、
二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部と、
この水和反応部で水酸化物となった二酸化炭素吸収剤が導入されると共に、上記ガス化部で発生した上記水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を含有する生成ガスが導入され、上記生成ガス中の上記二酸化炭素を上記二酸化炭素吸収剤によって吸収する二酸化炭素吸収部とを備えていることを特徴とする水素を含む高カロリーガス生成装置。 - 上記二酸化炭素吸収剤としての酸化物は、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、BeO、MgO、CaO、SrO及びBaOの群から選択された1以上の物質からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置。
- 上記二酸化炭素吸収剤としての酸化物は、CaOであり、
このCaOを上記水酸化物としてのCa(OH)2に水和させる上記水和反応部内の雰囲気の圧力は、3MPa以上に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置。 - 上記二酸化炭素吸収部内の雰囲気の圧力は、3MPa以下に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の水素を含む高カロリーガス生成装置。
- 上記ガス化部内の雰囲気の温度を上記水素を含む高カロリーガス及び上記二酸化炭素の生成に要する温度に維持すべく、当該ガス化部内に酸化剤を供給すべく構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成装置。
- 上記ガス化部内の雰囲気の温度は、600〜1000℃に設定されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成装置。
- 上記二酸化炭素吸収部内の雰囲気の温度は、上記ガス化部内の雰囲気の温度より低い温度であって、800℃以下に設定されていることを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成装置。
- 上記ガス化部と、上記二酸化炭素吸収部との間で、生成ガスの対流が可能に構成されていることを特徴とする請求項2〜8の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成装置。
- 上記ガス化部と二酸化炭素吸収部との間又は二酸化炭素吸収部の下流側に設けられ、上記ガス化部で生成された生成ガス又は上記二酸化炭素吸収部で二酸化炭素が吸収された後の生成ガスを改質する触媒が収容された改質部を備えていることを特徴とする請求項2〜9の何れかに記載の水素をむ高カロリーガス生成装置。
- 炭素系原料を水と反応させることによって少なくとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化部で生じた上記二酸化炭素を、二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部で得られた上記水酸化物となった後の二酸化炭素吸収剤で吸収することを特徴とする水素を含む高カロリーガス生成方法。
- 二酸化炭素吸収剤としての酸化物を水和させて水酸化物にする水和反応部から上記水酸化物となった二酸化炭素吸収剤を二酸化炭素吸収部に導入すると共に、炭素系原料を水と反応させることによって少くとも水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を発生させるガス化部から上記水素を含む高カロリーガス及び二酸化炭素を含有する生成ガスを上記二酸化炭素吸収部に導入することによって、上記生成ガス中の上記二酸化炭素を上記二酸化炭素吸収剤によって吸収することを特徴とする水素を含む高カロリーガス生成方法。
- 上記二酸化炭素吸収剤としての酸化物は、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、BeO、MgO、CaO、SrO及びBaOの群から選択された1以上の物質からなることを特徴とする請求項11又は12に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法。
- 上記二酸化炭素吸収剤としての酸化物は、CaOであり、
このCaOを上記水酸化物としてのCa(OH)2に水和させる上記水和反応部内の雰囲気の圧力を3MPa以上に設定していることを特徴とする請求項11又は12に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法。 - 上記二酸化炭素吸収部内の雰囲気の圧力を3MPa以下に設定していることを特徴とする請求項14に記載の水素を含む高カロリーガス生成方法。
- 上記ガス化部内の雰囲気の温度を上記水素を含む高カロリーガス及び上記二酸化炭素の生成に要する温度に維持すべく、上記ガス化部内に酸化剤を供給することを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成方法。
- 上記ガス化部内の雰囲気の温度を600〜1000℃に設定していることを特徴とする請求項11〜16の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成方法。
- 上記二酸化炭素吸収部内の雰囲気の温度を上記ガス化部内の雰囲気の温度より低い温度であって、800℃以下に設定していることを特徴とする請求項12〜17の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成方法。
- 上記ガス化部と、上記二酸化炭素吸収部との間で、生成ガスを対流させることを特徴とする請求項12〜18の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成方法。
- 上記ガス化部で生成された生成ガス又は上記二酸化炭素吸収部で二酸化炭素が吸収された後の生成ガスを、触媒を収容する改質部に導入することによって改質することを特徴とする請求項12〜19の何れかに記載の水素を含む高カロリーガス生成方法。
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- 2004-02-27 JP JP2004053828A patent/JP2005239954A/ja active Pending
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