JP2005239846A - 水溶性セルロースエーテルの乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水分含量が40〜90質量%の水溶性セルロースエーテルを溝型撹拌乾燥機の容器内に連続的に投入し、該容器内で回転翼を100℃以上に加熱しながら回転させて連続的に乾燥させることを特徴とする水溶性セルロースエーテルの乾燥方法を提供する。水溶性セルロースエーテルは、好ましくは、メチルセルロースと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ヒドロキシエチルメチルセルロースとからなる一群から選ばれる少なくとも一種類である。
【選択図】 なし
Description
本発明の水溶性セルロースエーテルの乾燥方法を実施するための溝型撹拌乾燥機としては、据え付け面積が少なく、熱効率が良く、熱風による熱伝達の必要がない乾燥機として、図1〜2に示す溝型撹拌乾燥機10が挙げられる。図1と図2は、溝型撹拌乾燥機10の側面図及び断面図を示す。
溝型撹拌乾燥機10は、容器15内で同転翼21〜24を加熱しながら回転させて撹拌する乾燥機であり、被乾燥品の体積充満率がほぼ100%であるために充分な滞留時間が得られ、機内の単位体積当たりの均質な撹拌状態が維持される。なお、体積充満率とは、乾燥機の有効容積に対する処理物の機内充填容積の比率である。
上部カバー11及び下部ジャケット12から乾燥用の容器15が形成され、上部カバー11には原料供給口1、キャリアガス供給口2及びキャリアガス排気口3が設けられており、下部ジャケット12にはキャリアガス供給口4及び製品排出口5が設けられている。製品排出口5には発信器付き温度計20が固設されている。下部ジャケット12には外部ジャケット13が固設されて容器内温度調節用の熱媒体を流すための空間14を形成しており、外部ジャケット13には熱媒体供給口6及び熱媒体排出口7が設けられている。
まず、中空回転軸16〜17に加熱用の蒸気を送りながらモータ25を駆動して中空回転翼21〜24を回転させておく。すると、中空回転翼21〜24は、蒸気が中空回転軸16〜17から流入することにより加熱される。
この状態の容器15に、水含有量35〜90質量%の水溶性セルロースエーテルを原料供給口1から連続的に投入すると、水溶性セルロースエーテルは加熱された中空回転翼21〜24と接触を繰り返しながら、鎖線矢印のように欠損部28を通って移動し、連続的に乾燥されてゆく。乾燥処理後は、製品排出口5から連続的に排出される。加熱中に容器15内に発生した水蒸気は、キャリアガス供給口2、4から導入された僅かな量のキャリアガスにより容器15内の上部を流れてキャリアガス排気口3から連続的に排気される。また、乾燥品の水分管理は、乾燥機に滞留している処理物の製品排出口5付近の温度を制御することにより可能である。
回転翼の加熱は、熱媒体を内包可能な回転翼内に大気圧以上の蒸気を流入して行うことが好ましい。
水分含量を35〜50質量%に調製する必要がある場合には、この調製を気流乾燥により行うと良い。かかる乾燥機の加熱は、熱媒体を内包可能な回転翼21〜24内に大気圧以上の蒸気を流入して行うと良い。
実施例1
メトキシル基の置換度1.45、ヒドロキシプロポキシル基のモル置度度0.185のヒドロキシプロピルメチルセルロースを洗浄して水分を遠心分離機で55質量%まで脱水した。なお、前記DS及びMSは、どちらも1グルコースユニット当たりに導入された置換基数を示すものである。
奈良機械製作所社製の溝型撹拌乾燥機であるパドルドライヤーNPD1.6W型(総伝熱面積2.7m)を使用し、中空回転軸16〜17に圧力3kg/cInの蒸気を流入して中空回転翼21〜24を133℃に加熱しながら、品温20℃のヒドロキシプロピルメチルセルロースの脱水品を48kg/hrで供給し、3時間運転した。
そして、溝型撹拌乾燥機内が安定した状態で、製品排出口でヒドロキシプロピルメチルセルロースの体積充満率及び水含有量を測定した。その結果、体積充満率が95%、水含有率が2質量%と良好であった。
これをホソカワミクロン社ビクトリーミルVP−1で粉砕したところ、粉砕品は流動性の良いものであった。
実施例1で使用したものと同じヒドロキシプロピルメチルセルロースを脱水後、気流乾燥機で水分を30質量%とし、実施例1と同じ装置を使用し、同様に蒸気を流入して気流乾燥品を1.5kg/hrで供給した。
乾燥品は綿状であり、これをホソカワミクロン社ビクトリーミルVP−1で粉砕したところ、粉砕品は綿状で極めて流動性が悪かった。
実施例1で使用したものと同じであって水分含量70質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。実施例1と同じ装置を使用し、品温10℃のヒドロキシプロピルメチルセルロースの脱水品を48kg/hrで供給し、製品排出口5の温度が131±1℃になるように蒸気の圧力を調整して溝型撹拌乾燥機内が安定した状態で、製品排出口でヒドロキシプロピルメチルセルロース水含有量を測定した。その結果、水含有率は2±1質量%と良好であった。また、原料供給口付近の内壁面並びに乾燥機内にヒドロキシプロピルメチルセルロースの付着は観察されなかった。
2 キャリアガス供給口
3 キャリアガス排気口
4 キャリアガス供給口
5 製品排出口
6 熱媒体供給口
7 熱媒体排出口
8 蒸気供給口
9 蒸気排出口
10 溝型撹拌乾燥機
11 上部カバー
12 下部ジャケット
13 外部ジャケット
14 空間
15 容器
16 中空回転軸
17 中空回転軸
18 歯車
20 発信器付き温度計
21 中空回転翼
22 中空回転翼
23 中空回転翼
24 中空回転翼
25 モータ
26 管
27 管
28 欠損部
Claims (5)
- 水分含量が35〜90質量%の水溶性セルロースエーテルを溝型撹拌乾燥機の容器内に連続的に投入し、該容器内で回転翼を100℃以上に加熱しながら回転させて連続的に乾燥させることを特徴とする水溶性セルロースエーテルの乾燥方法。
- 上記投入される水溶性セルロースエーテルが、5〜40℃である請求項1に記載の水溶性セルロースエーテルの乾燥方法。
- 上記水分含量が、35〜50質量%である請求項1又は請求項2に記載の水溶性セルロースエーテルの乾燥方法。
- 上記回転翼の加熱が、熱媒体を内包可能な回転翼内に大気圧以上の蒸気を流入して行う請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性セルロースエーテルの乾燥方法。
- 上記水溶性セルロースエーテルが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシエチルメチルセルロースからなる一群から選ばれる少なくとも一種類である請求項1〜4のいずれかに記載の水溶性セルロースエーテルの乾燥方法。
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-
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