JP2005239692A - 包装体入りトラニラスト含有医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、光によるトラニラストの分解を抑制できる包装体にトラニラストを収容している、包装体入り医薬製剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を含有する包装体に、トラニラスト又はその塩を含有する医薬製剤を収容してなる、包装体入り医薬製剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、包装体入り医薬組成物に関する。更に詳しくは、光によるトラニラストの分解を抑制できる包装体に、トラニラストを収容している包装体入り医薬組成物に関する。また、本発明は、トラニラストの光分解を抑制する方法に関する。
トラニラスト(N−(3,4−ジメトキシシンナモイル)アントラニル酸)は、アレルギー性疾患治療剤として、気管支喘息やアレルギー性鼻炎等に経口投与剤として用いられている。更に、トラニラストは、現在ではアレルギー性疾患用の点眼剤の有効成分としても使用されている。一般に、トラニラストは光に極めて不安定であるために、製造時や開封後の光への曝露に対して製剤の安定性を確保することが重要とされている。通常、光に不安定な薬理活性物質を含有する製剤を安定に保存するために、褐色容器、白色容器、アルミ製包装袋等の包装体に製剤を充填したり、光を透過しにくいビニール製収容袋や紙箱に収容して携帯保管できるように工夫が施されている。しかしながら、従来使用されている包装体では、アルミ等の光を完全に遮断できるものを除いては、トラニラストの光による分解を有効に抑制できていないのが現状である。また、光を完全に遮断している包装体には、コストが高くなるという問題点に加え、外観が悪くなるので消費者に受け入れ難くなるといった欠点がある。
更に、点眼剤、洗眼剤や注射剤といった医薬製剤では、品質管理において異物確認試験が薬事法上(日本薬局方で)規定されており、医薬製剤の容器は内部を観察できる透明の容器であることが要求されている。また、このような規定のない製剤であっても、使用者にとっては、残存量の確認のためにも内部を肉眼で観察できる程度の透明性を備えている容器が望ましいといえる。
従来、容器入りトラニラスト含有点眼剤において、容器内のトラニラストの光安定性及び容器内部の視認性の双方を備えさせるために、褐色透明の容器が採用されていた。しかしながら、かかる褐色透明容器では、トラニラストの安定性を十分に確保できないという問題点もあった。また、アルミ製の容器等の光をほぼ遮断できる包装体では、内部の製剤の性状や内容量を確認できず、製造工程管理や品質管理において不都合が生じる。さらに、容器入りトラニラスト含有医薬製剤を光を透過しない紙箱やビニール製の収容袋に収容して携帯・保管する方法では、トラニラストの安定性を確保できても、使用者にとって極めて不便であった。一方、例えば、特許文献1及び2には、製剤処方の観点から、薬物の光安定性を改善する方法が提案されているが、薬物を収容する容器を改変することにより光に対して薬物を安定に保持する手段については開示していない。
このような従来技術を背景として、光によるトラニラストの分解を抑制できる包装体にトラニラストを収容している包装体入り医薬組成物の開発が望まれていた。特に、内部を視認できる包装体によって、トラニラストに光に対する安定性を備えさせる技術の開発が求められていた。
特開昭63−215642号公報 特開2003−26575号公報
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することである。詳細には、本発明は、光によるトラニラストの分解を抑制できる包装体にトラニラスト含有医薬組成物を収容している、包装体入り医薬組成物を提供することを目的とする。特に、包装体として、内部を視認できる包装体が用いられている、上記の包装体入り医薬組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、トラニラストの光による分解を抑制する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を含有する包装体にトラニラストを収容することにより、収容されたトラニラストの光による分解を抑制できることを見出した。更に、一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を含有する上記包装体は、内部の視認が可能となる程度に透明な包装体として調製できるので、当該包装体を採用することにより、トラニラストの光による分解を抑制し、且つ内部視認性をも確保できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることによって完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる包装体入り医薬組成物である:
項1.一般式(1)で表される化合物
Figure 2005239692
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)、
及び一般式(2)で表される化合物
Figure 2005239692
(式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)
よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物又はその金属レーキを含有する包装体に、トラニラスト又はその塩を含有する医薬組成物を収容してなる、包装体入り医薬組成物。
項2.医薬組成物が水性組成物である、項1に記載の包装体入り医薬組成物。
項3.医薬製剤が、点眼剤、洗眼剤、注射剤、皮膚外用剤、点鼻剤又はコンタクトレンズ用剤である、項1又は2に記載の包装体入り医薬製剤。
項4.包装体が透明部分を有しているものである、項1乃至3のいずれかに記載の包装体入り医薬組成物。
また、本発明は、下記に掲げるトラニラストの光分解抑制方法である:
項5.トラニラスト又はその塩の光による分解を抑制する方法であって、
一般式(1)で表される化合物
Figure 2005239692
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)、
及び一般式(2)で表される化合物
Figure 2005239692
(式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)
よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物又はその金属レーキを含有する包装体に、トラニラスト又はその塩を含有する医薬組成物を収容することを特徴とする光分解抑制方法。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、水性組成物(又は製剤)とは、組成物(又は製剤)中に水を少なくとも5重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有するものを意味する。
本発明の透明容器入り医薬組成物は、トラニラストを含有する医薬組成物が、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する透明容器に収容されてなるものである。
本発明の包装体入り医薬組成物の含有成分であるトラニラストとは、N−(3,4−ジメトキシシンナモイル)アントラニル酸のことである。
本発明の包装体入り医薬組成物には、上記トラニラストに代えて、又は組み合わせて、トラニラストの塩を使用することができる。トラニラストの塩としては、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩との塩、或いは、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン等の有機アミンやアミノ酸との塩を挙げることができる。これらのトラニラストの薬学的に許容される塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明において、包装体に収容される医薬組成物は、含有成分として、トラニラスト又はその塩を含むものであればよく、これに加えて、薬学的に(製薬上)許容される基材や担体、その他添加剤を含有することができる。
包装体に収容される医薬組成物中のトラニラスト又はその塩の濃度は、製剤の用途や剤形等によって異なるが、例えば、経口投与される医薬組成物では、一日投与量として、50〜500mg、局所投与される医薬組成物では、一日投与量として、0.01〜50mgとなるように適宜設計することができる。例えば、水性組成物に調製する場合には、該組成物の総重量に対してトラニラスト又はその塩が0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%となる割合を挙げることができる。
また、包装体に収容される組成物に、上記トラニラスト又はその塩の他に、トラニラストに光安定性を付与する化合物を配合することにより、組成物処方の観点から、トラニラスト又はその塩の光に対する安定性を改善することが可能になる。
トラニラストに光安定性を付与する化合物として、例えば、ベルベリン、フラビンアデニンジヌクレオチド、へスペリジン、オキシキノリン、シアノコバラミン、それらの誘導体、及びそれらの塩を挙げることができる。具体的には、ベルベリン、その塩(例えば塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン等)及びその誘導体(例えば、タンニン酸ベルベリン等)(以下、これらをベルベリン類ともいう);フラビンアデニンジヌクレオチド、その塩(例えばフラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等)及びその誘導体(以下、これらをFAD類ともいう);ヘスペリジン、その塩及びその誘導体(例えばメチルヘスペリジン等)(以下、これらをヘスペリジン類ともいう);オキシキノリン、その塩又は誘導体(例えば硫酸オキシキノリン等)(以下、これらをオキシキノリン類ともいう);並びにシアノコバラミン、その塩及びその誘導体(以下、これらをシアノコバラミン類ともいう)を例示できる。これらの化合物は公知であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
また、上記化合物は、薬学的に許容されるものであれば、必ずしも精製された状態でなくても使用できる。例えば、ベルベリン類を用いる場合であれば、これらの化合物を含有しているオウバクやオウレン等の生薬の抽出物やエキスを使用してもよい。
トラニラストに光安定性を付与する上記化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
包装体に収容される医薬組成物中にトラニラストに光安定性を付与する上記化合物を配合する場合、トラニラスト又はその塩と、トラニラストに光安定性を付与する上記化合物との配合割合については、使用する化合物の種類によっても異なるが、一例として、トラニラスト又はその塩100重量部に対して、トラニラストに光安定性を付与する上記化合物が0.01〜1000重量部、好ましくは0.05〜500重量部、さらに好ましくは0.1〜300重量部、特に好ましくは0.2〜100重量部程度となる割合を挙げることができる。より具体的には、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩100重量部に対するトラニラストに光安定性を付与する上記化合物の配合比として、ベルベリン類の場合であれば、0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜20重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部;FAD類の場合であれば、0.2〜100重量部、好ましくは0.2〜20重量部;更に好ましくは0.2〜5重量部;ヘスペリジン類の場合であれば、0.02〜1000重量部、好ましくは0.2〜1000重量部、更に好ましくは2〜1000重量部;オキシキノリン類の場合であれば、0.02〜500重量部、好ましくは0.2〜500重量部、更に好ましくは0.2〜50重量部;及びシアノコバラミン類の場合であれば、0.5〜500重量部、好ましくは2〜500重量部、更に好ましくは4〜500重量部、更に特に好ましくは20〜500重量部となる範囲を例示できる。
包装体に収容される医薬組成物中におけるトラニラストに光安定性を付与する上記化合物の配合割合は、該化合物の種類、トラニラストの配合割合、組成物の形態等によって異なるが、例えば水性組成物の場合であれば、該組成物の総重量に対して、トラニラストに光安定性を付与する上記化合物が0.00005〜2重量%、好ましくは0.0005〜1重量%となる割合を挙げることができる。より具体的には、包装体に収容される医薬組成物が水性組成物であれば、該組成物の総重量に対して、ベルベリン類を配合する場合、0.00005〜0.5重量%、好ましくは0.00005〜0.1重量%;FAD類を配合する場合、0.0001〜0.5重量%、好ましくは0.001〜0.1重量%、更に好ましくは0.001〜0.005重量%;ヘスペリジン類を配合する場合、0.0001〜2重量%、好ましくは0.0001〜1重量%;オキシキノリン類を配合する場合、0.0001〜1重量%、好ましくは0.0001〜0.5重量%;並びにシアノコバラミン類を配合する場合、0.0001〜0.5重量%、好ましくは0.0001〜0.1重量%、より好ましくは0.001〜0.5重量%、更に好ましくは0.01〜0.5重量%、特に好ましくは0.02〜0.5重量%又は0.1〜0.5重量%となる割合が例示される。
また、包装体に収容される医薬組成物には、必要に応じて、溶解補助剤を配合してもよい。特に、医薬組成物を水性組成物として調製する場合には、溶解補助剤の配合が望ましい。かかる溶解補助剤としては、トロメタモール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン;ポリビニルピロリドン、ポリソルベート等の界面活性剤、プロピレングリコール等の多価アルコール、カフェイン等のキサンチン誘導体等が挙げられる。特にポリビニルピロリドン、カフェイン、トロメタモール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンは、トラニラストに光安定性を付与する上記化合物によるトラニラストの光安定性改善効果を高めるため、好ましい。これらの溶解補助剤は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
溶解補助剤を配合する場合、医薬組成物中の該溶解補助剤の配合割合としては、水性組成物の場合であれば、通常0.001〜10重量%、好ましくは0.05〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%となる割合が例示される。
また、包装体に収容される医薬組成物に非イオン性界面活性剤を配合することにより、一般式1で表される化合物の光に対する安定性を一層効果的に改善できる。かかる非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう)ブロックコポリマー(例えば、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール(ポロクサマー407)、ポロクサマー235、ポロクサマー188など);モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE(60)ヒマシ油、ポリオキシエチレンオキシステアリン酸トリグリセリド(60E.O.)(POE(60)硬化ヒマシ油)等のPOEヒマシ油又は硬化ヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類;並びにPOE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が使用できる。なお、括弧内の数字は付加モル数(平均付加モル数)を示す。これらの非イオン性界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記非イオン性界面活性剤のうち、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。中でも、POE(60)硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、及びポロクサマー407が特に好ましい。
医薬組成物中の非イオン性界面活性剤の含有割合は、該組成物が水性組成物の場合であれば、通常、該組成物の総重量に対して0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜1重量%程度である。
本発明で使用する医薬組成物は、種々の担体(水等の水性担体、親水性担体、油性担体や、液状担体、粉粒状担体など)と組み合わせることにより、目的に応じた種々の形態、例えば、固形剤、半固形剤、液剤等の剤形に調製できる。具体的には、固形剤(錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ドライシロップなど)、半固形剤[軟膏剤(硬軟膏剤、軟軟膏剤など)、クリーム剤など]、液剤[点眼剤、ローション剤、エキス剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤(用時調製型の注射剤を含む)、エアゾール剤、軟カプセル剤、ドリンク剤など]などの形態に調製できる。特に、水溶液中での光の暴露によって引き起こされるトラニラストの不安定化を効果的に抑制できるという本発明の効果に鑑みれば、本発明で使用する医薬組成物の好ましいものとして、水性製剤を挙げることができる。このような水性製剤としては、液剤や、水を含む半固形剤が挙げられる。本発明で使用する医薬組成物として、特に好ましくは液剤である。
本発明で使用する医薬組成物は、注射薬、坐薬、内服薬、吸入用製剤等であってもよく、また、光に曝露されやすい身体部位に局所適用される医薬製剤であってもよい。また、皮膚適用のみならず刺激を感じやすい粘膜(角膜及び結膜等の眼粘膜、歯茎、舌、口唇、口腔粘膜、鼻腔粘膜、咽頭部粘膜等)への適用される医薬製剤であってもよい。例えば、本発明で使用する医薬組成物の一例として、皮膚外用剤(外皮用軟膏、外皮用クリーム、外皮用液剤等)、点眼薬(点眼剤)、洗眼薬(洗眼剤)、眼軟膏薬、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューションなど)、点鼻薬(点鼻剤)、鼻洗浄液、口腔咽頭薬、含嗽薬、点耳薬などが挙げられる。なお、本明細書において、コンタクトレンズとは、ハードコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズも含む)、ソフトコンタクトレンズなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する。これらの中で、好ましくは点眼薬(点眼剤)、洗眼薬(洗眼剤)、注射剤、皮膚外用剤、点鼻剤及びコンタクトレンズ用剤を挙げることができる。
特に、包装体が透明である場合には、外部から容器内の医薬組成物を肉眼で観察して異物の有無の検査が可能であり、日本薬局方における点眼剤の製剤総則の規定や注射剤の不溶性異物検査法を好適に実施できるという利点がある。かかる観点から、透明の包装体を使用する場合、該包装体に収容する医薬組成物として、好ましくは、点眼剤、洗眼剤、注射剤等の医薬製剤を例示できる。また、複数回の投与量のトラニラストを含む製剤(以下、複数回投与製剤という)が包装体に収容されている場合、包装体が透明であれば、使用毎に使用者が製剤の残存量を視認できるので、このような複数回投与製剤も透明包装体に収容される医薬組成物として好適である。複数回投与製剤の具体例としては、点眼剤、洗眼剤、皮膚外用剤、点鼻剤及びコンタクトレンズ用剤を例示できる。
本発明で使用する医薬組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上記した成分のほかに、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分、収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分、抗アレルギー薬成分、解熱鎮痛薬成分、健胃薬成分、消化薬成分、胃粘膜修復成分、潰瘍治療薬成分、抗腫瘍薬成分、局所麻酔薬成分、緑内障治療成分、白内障治療成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、糖類、多糖類又はその誘導体、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、前述以外の水溶性高分子、ステロイド成分、ホルモン類、タンパク質、ペプチド類等が例示できる。
また、本発明で使用する医薬製剤は、必要に応じて、発明の効果を損なわない範囲で、製剤の形態に応じて、医薬品、医薬部外品などに使用される様々な成分や添加物を任意に選択し、併用して配合される。それらの成分または添加物として、例えば、各種製剤の調製に一般的に使用される水性溶媒、増粘剤、糖類、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、等張化剤、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、軟膏基剤、ゲル基剤、油性基剤、懸濁化剤、乳化剤、香料または清涼化剤、キレート剤、緩衝剤などの各種添加剤を挙げることができる。
本発明において、上記医薬組成物を収容する包装体は、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物(以下、本明細書において、これらの化合物を「光安定化化合物」ということもある)を含有する包装体である。
本発明でいう包装体には、上記医薬組成物を直接収容する包装体(以下、これを一次包装体という)のみならず、包装体に収容されている包装体入り医薬組成物を更に収容し、医薬組成物を二重又はそれ以上に包装するための包装体(以下、これを二次包装体という)も含まれる。
本発明において、二次包装体を有する包装体入り医薬組成物の場合であれば、上記光安定化化合物は、一次包装体と二次包装体の中のいずれか少なくとも一つの包装体に含有されていればよい。流通時や保管時だけでなく、使用時においても、包装体中のトラニラストの分解を抑制するという観点から、一次包装体に上記光安定化化合物が含有されているものが好ましい。
当該包装体の形態は、上記医薬組成物を収容できることを限度として特に制限されず、収容する医薬組成物の形態や用途、一次包装体又は二次包装体の別等に応じて適宜選択、設定できる。当該包装体の形態の一例として、一次包装体の場合であれば、サシェットタイプ(小袋タイプ)の包装袋、チューブ状容器、ボトル状容器、PTP包装、点眼剤容器、点鼻剤容器、ポンプ容器(定量取り出し機能付き容器)等が挙げられる。また、二次包装体の場合であれば、ピロー包装袋、箱状包装体等が例示される。
当該包装体として、透明部分を有している包装体(以下、単に透明包装体という)は、包装体に収容した上記医薬組成物を該透明部分から肉眼で観察できるので、特に好ましい。当該透明包装体における透明部分は、内部を肉眼で観察可能な程度に透明性が確保されていることが望ましい。
なお、上記透明包装体において、透明部分は、少なくとも包装体の一部分に確保されていれば包装体内の製剤を視認可能であるので、必ずしも包装体の全面又は大部分を占めていなくてもよい。例えば、収容する製剤が点眼剤や注射剤である場合、日本薬局方における点眼剤の製剤総則の規定や注射剤の不溶性異物検査法を実施するという観点からは、容器(包装体)の側面の面積の少なくと80%以上、好ましくは90%以上において、透明部分が占めていればよい。ここでいう容器の側面とは、容器の側面部分、即ち、容器の全表面から容器のふたに被覆される部位と底に相当する部位を除いた部分を意味する。
また、例えば、流通段階であれば、透明包装体は、容器表面に成分や商品名を表示するためのラベルが施されることより包装体の内部視認性(透明性)が損なわれていることを妨げるものではない。なお、流通段階においても、上記包装体に、使用者にとって容器内部の製剤の量を確認できる程度に内部視認性が確保されるように透明部分を設けることもできる。
一般式(1)で表される化合物とは、3-カルボキシ-5-ヒドロキシ-1-パラ-スルホフェニル-4-パラ-スルホフェニルアゾピラゾール及びそのアルカリ金属塩であり、下記構造を有するものである。
Figure 2005239692
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子である。当該アルカリ金属原子としては、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物として、好ましくは、R1、R2及びR3が、同一又は異なって、水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子であるが例示される。更に好ましくは、R1、R2及びR3がナトリウム原子である一般式(1)で表される化合物である。
当該一般式(1)で表される化合物の好ましい形態の一例として、金属レーキの形態を挙げることができる。当該金属レーキに使用される金属の一例としては、バリウム、ジルコニア、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等が例示される。
本発明において、一般式(1)で表される化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、一般式(2)で表される化合物とは、1-パラ-スルホフェニルアゾ-2-ナフトール-6-スルホン酸及びそのアルカリ金属塩であり、下記構造を有するものである。
Figure 2005239692
一般式(2)中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子である。当該アルカリ金属原子としては、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子等が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物として、好ましくは、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子である化合物が例示される。更に好ましくは、R4及びR5がナトリウム原子である化合物である。
当該一般式(2)で表される化合物の好ましい形態の一例として、金属レーキの形態を挙げることができる。当該金属レーキに使用される金属の一例としては、バリウム、ジルコニア、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等が例示される。
本発明において、一般式(2)で表される化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明では、包装体に配合する成分として、一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物のいずれか一方のみを使用してもよいし、また、これらの化合物を組み合わせて使用してもよい。
上記光安定化化合物は公知であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
上記光安定化化合物は、本発明で使用する包装体の非遮光部分に存在するように含有されていればよい。ここでいう非遮光部分とは、光が透過可能な部分のことである。当該非遮光部分には、上記透明部分の他に、光が透過する限りにおいて不透明の部分も含まれる。
包装体中での光安定化化合物の含有割合としては、該光安定化化合物の種類、包装体材料の種類、包装体の形態等によって異なるが、例えば、表面積1cm2に相当する包装体(非遮光部分)断片部に、該光安定化化合物が、総量で0.001〜20mg、好ましくは0.01〜5mg、更に好ましくは0.1〜1mgとなる割合で含有されていることが望ましい。
上記のように光安定化化合物を包装体に含有させる手段については、特に制限されないが、例えば、包装体の材料中に上記光安定化化合物を練り込み、これを用いて包装体を調製する方法;包装体に上記光安定化化合物を塗布する方法;上記光安定化化合物を練り込んだフィルムを包装体に装着する方法を、単独で又は組み合わせて適用できる。上記フィルムを包装体に装着する方法として、具体的には、上記光安定化化合物を練り込んだ熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)を包装体に被せ、これを加熱することにより該フィルムを包装体に密着被覆させる方法を例示できる。
包装体の材料中に上記光安定化化合物を練り込む場合、包装体材料中における該光安定化化合物の配合割合は、該光安定化化合物の種類、包装体材料の種類等によって異なるが、一例として、包装体材料中に該光安定化化合物が、総量で0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.01〜0.5重量%となる割合を挙げることができる。また、上記光安定化化合物を練り込んだフィルムを包装体に装着する場合、該フィルムにおける該光安定化化合物の配合割合については、該光安定化化合物の種類、フィルムの種類や厚み、包装体の形態等によって異なるが、例えば、該フィルム中に、該光安定化化合物が、総量で0.0001〜15重量%、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.001〜5重量%となる割合が例示される。
本発明で使用される包装体は、その素材(材料)については制限されず、ガラス製、プラスチック製、セルロース製、パルプ製、ゴム製等のいずれであってもよい。収容する医薬組成物が水性製剤の場合、スクイズ性及び耐久性の観点からは、プラスチック製の包装体が好ましい。
本発明で使用されるプラスチック製包装体の樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)など)などが例示できる。好ましい樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であり、特に好ましい樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
該ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分など)とジオール成分とで構成された樹脂が使用できる。具体的には、芳香族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンテレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレートなど]、ポリアルキレンナフタレート[ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレートなど]、ポリシクロアルキレンテレフタレート[ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)など]、ポリアリレート類(ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)とフタル酸類(フタル酸、テレフタル酸)とで構成された樹脂など)などのホモポリエステルが挙げられる。また、ポリエステル系樹脂には、前記ホモポリエステル単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル、前記ホモポリエステルの共重合体(PETとPCTとの共重合体など)なども含まれる。中でも、オレフィン系樹脂(ポリエチレンなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなど)及びポリカーボネート系樹脂が好ましい。ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)をベースとする芳香族ポリカーボネートである。
本発明においてプラスチック製包装体は、強度、光透過性、ガス又は水蒸気バリア性(透湿性)等に悪影響を及ぼさない限り、ポリマーアロイ(ポリマーブレンドなど)であってもよい。好ましいポリマーアロイには、複数の合成樹脂のポリマーブレンド(PETとPENとのポリマーブレンドなど)が含まれる。また、樹脂は、スクイズ性が良好で、繰り返しの押圧に対して耐久性を有する樹脂、であることが好ましい。また、紫外線吸収剤や赤外線吸収剤等を樹脂に含有させたり、前記成分を含むコーティング剤を樹脂表面に塗布したりすることにより、本発明の効果と協働させて、さらにトラニラストの光安定性を向上させてもよい。
前述するように、上記光安定化化合物を含有する包装体には、トラニラスト又はその塩の光による分解を抑制することができる。故に、本発明は、更に、別の観点から、トラニラスト又はその塩を含有する医薬組成物を、上記光安定化化合物を含有する包装体に収容することを特徴とする、トラニラスト又はその塩の光分解抑制方法を提供する。
かかる方法において、使用するトラニラスト又はその塩の種類や医薬組成物中の含有割合、医薬組成物に配合される他の成分、医薬組成物の形態、安定化化合物を含有する包装体等については、前記包装体入り医薬組成物の場合と同様である。
本発明の包装体入り医薬製剤は、包装体に非遮光部分を有していながらも、光暴露により引き起こされるトラニラストの分解が顕著に抑制されている。
また、本発明に使用される包装体は、透明部分を備えながらもトラニラストの光による分解を抑制できるので、透明部分を有する包装体を使用することにより、包装体内の製剤を肉眼で観察可能ならしめることもできる。それ故、本発明の包装体入り医薬製剤における包装体として、透明部分を有するものを使用することにより、トラニラストを含有する製剤の製造工程管理や品質管理を確実ならしめ、且つまたトラニラストを含有する製剤の保存安定性を高めることができる。また、透明包装体入り製剤は、該製剤の使用者にとっても、包装体の外部から該製剤の量や性状を肉眼で確認した上で使用できるという点でも利点がある。
また、本発明のトラニラストの光分解抑制方法によれば、光安定化化合物を含有する包装体に、トラニラストを含有する医薬製剤を収容するという簡便な方法で、トラニラストの光による分解を顕著に抑制することができる。
また、当該方法において、光安定化化合物を含有しする透明包装体を用いることによって、トラニラストの光による分解を抑制できると共に、容器内の製剤の量や性状や不溶性異物を肉眼で観察できるので、トラニラスト含有製剤を製造する上での品質管理が容易化される。
以下に、実施例、試験例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
試験例1
表1の処方例1に示すトラニラスト含有組成物を調製し、これを0.2μmメンブランフィルターにてろ過した。
Figure 2005239692
得られたトラニラスト含有組成物10mLを10mL容量のねじ口瓶(外径25mm;SV-10、日電理化ガラス社製)に入れて密閉し、トラニラスト含有組成物収容密閉容器を調製した。次いで、50mL容量のねじ口瓶(内径35mm;SV-50、日電理化ガラス社製)に、上記トラニラスト含有組成物収容密閉容器を入れ、更に当該50mL容量ねじ口瓶に、一般式(1)で表される化合物(R1、R2、R3は、全てナトリウム原子)を0.01重量%含有する水溶液を添加して、50mL容量ねじ口瓶中に上記トラニラスト含有組成物収容密閉容器の周りに入る限りの上記水溶液をみたした(実施例1)。これを、一般式(1)で表される化合物含有包装体入りトラニラスト含有組成物のモデルとして、以下の試験を行った。
上記で調製した50mL容量ねじ口瓶(実施例1)に、光安定性試験装置(「Light-Tron LT-120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社製)を用いて、D65ランプを光源として、室温25℃の下、0.5万luxの光を60時間連続照射することにより、各トラニラスト含有組成物に積算照射量30万lux・hrの光を曝光した。その後、トラニラスト含有組成物を高速液体クロマトグラフィーで分析し、該組成物中のトラニラストの残存濃度を定量した。測定したトラニラストの残存濃度から、光照射前に対するトラニラストの残存割合(%)を算出した。
また、上記の一般式(1)で表される化合物0.01重量%含有水溶液の代わりに、一般式(1)で表される化合物の濃度が0.1重量%である水溶液を入れたもの(実施例2);0.01重量%の濃度の一般式(2)で表される化合物(R4、R5はナトリウム原子)含有水溶液を入れたもの(実施例3);0.1重量%の濃度の一般式(2)で表される化合物(R4、R5はナトリウム原子)含有水溶液を入れたもの(実施例4);又は水を入れたもの(比較例1)についても、上記同様の試験を行った。
得られた結果を表2に示す。この結果から、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を使用して、トラニラスト製剤を包み囲むことにより、トラニラストの光による分解が顕著に抑制されることが確認された。
Figure 2005239692
実施例5
表3に示すトラニラスト含有点眼剤を調製した。また別途、ポリプロピレン樹脂中に、0.05重量%の割合で一般式(1)で表される化合物のアルミニウムレーキを練り込み、これを用いて点眼剤用透明容器を調製した。上記トラニラスト含有点眼剤を上記透明容器に収容して、透明容器入りトラニラスト含有点眼剤を調製した。得られた透明容器入りトラニラスト含有点眼剤は、光の暴露によっても、容器内部のトラニラストの光による分解が顕著に抑制されていることが確認された。
Figure 2005239692
実施例6
上記表3に示すトラニラスト含有点眼剤を調製した。また別途、ポリプロピレン樹脂中に、0.1重量%の割合で一般式(2)で表される化合物を練り込み、これを用いて点眼剤用透明容器を調製した。上記トラニラスト含有点眼剤を上記透明容器に収容して、透明容器入りトラニラスト含有点眼剤を調製した。得られた透明容器入りトラニラスト含有点眼剤は、容器内部のトラニラストが光の暴露を受けても安定であることが確認された。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表される化合物
    Figure 2005239692
    (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)、
    及び一般式(2)で表される化合物
    Figure 2005239692
    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)
    よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する包装体に、トラニラスト又はその塩を含有する医薬組成物を収容してなる、包装体入り医薬組成物。
  2. 医薬組成物が水性組成物である、請求項1に記載の包装体入り医薬組成物。
  3. 医薬製剤が、点眼剤、洗眼剤、注射剤、皮膚外用剤、点鼻剤又はコンタクトレンズ用剤である、請求項1又は2に記載の包装体入り医薬製剤。
  4. 包装体が透明部分を有しているものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の包装体入り医薬組成物。
  5. トラニラスト又はその塩の光による分解を抑制する方法であって、
    一般式(1)で表される化合物
    Figure 2005239692
    (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)、
    及び一般式(2)で表される化合物
    Figure 2005239692
    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)
    よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する包装体に、トラニラスト又はその塩を含有する医薬組成物を収容することを特徴とする光分解抑制方法。
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