JP2005239529A - ゼオライトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃鋳物砂、廃ガラス、廃土砂、火山噴出物などの珪酸化合物を主とするセラミックスについて、水処理材、埋設用として保水材、土壌改良材あるいは重金属を捕集し無害化するための処理材として使用するために表面をゼオライト化して再使用するための低コスト化が可能な新規な製品並びに処理方法を提供することを課題とした。
【解決手段】これらのセラミックスの粒状体について、表面にアルカリ水溶液を付着させ、または必要に応じて、加熱によりガスを発生する発泡剤を含有するアルカリ水溶液を付着させて加熱し、次いでマイクロ波処理を行うことによって該粒状体の表面をゼオライト化することによる。
【解決手段】これらのセラミックスの粒状体について、表面にアルカリ水溶液を付着させ、または必要に応じて、加熱によりガスを発生する発泡剤を含有するアルカリ水溶液を付着させて加熱し、次いでマイクロ波処理を行うことによって該粒状体の表面をゼオライト化することによる。
Description
本発明は主として天然土石粒状体、火山噴出物、ガラスカレットや廃鋳物砂に代表される、いわゆる珪酸化合物系セラミックス粒状体組成物の表面のみを安価にゼオライト化することによって該天然材料や廃材料を水処理材、埋設用として保水材、土壌改良材あるいは重金属を捕集し無害化するための処理材として活用出来る、表面をゼオライト化した材料であり、該ゼオライト化物質の製造方法に関するものである。
粘土鉱物と砂からなる粒状組成物は種々使用されているが、特に熱変化を受け、また時として鉄などの金属成分を含む廃鋳物砂に代表される廃土砂は適正な粒度などに調整されており有効に使える可能性があるにもかかわらず処理工程での熱処理、金属汚染の故に、再処理して一部は使用されるものの大部分は埋設処分されているのが現状である。また廃ガラス瓶や廃自動車ガラスに代表される廃ガラスは一部が回収され再溶解されてガラスとして使用されているものの、着色ガラスは再生が困難であり、一部は発泡ガラス材に加工されて土木、建築用の原材料として使用されているものの、多くの部分は今なお埋設処分されていた。更に珪砂やカオリンなどの原料採掘に際しては珪砂などを主とする原料としての不適合分があり、それらは廃土としてやはり埋め立て用としてしか使われなかった。天然物の内で最も人工物に近いいわゆるシラスと呼ばれるような火山噴出物についても同様であり、一部はゼオライト化して使用、また一部はセメント材料としての使用が試みられているが、何れもバルク材としての用途であり、経済性の難点もあり、十分活用されているとは言えなかった。これらはいずれも珪酸化合物であり、ガラスであればアルカリ、アルカリ土類金属酸化物、また鋳物砂の場合は、アルミノ珪酸塩の焼成物としてアルミナなどが含まれている。これらはいずれも珪酸(シリカ)の網目構造を有する物質であり、吸着剤などとしてその用途が広く、また今後も拡大が望めるゼオライトと類似した構造を有することが知られており、加工することにより、ゼオライトに転換出来る可能性を持っている。天然土石も同様である。
このような珪酸化合物には、石炭灰や焼却灰などもあり、多くのゼオライト化の試みがなされている。つまり焼却灰や石炭灰の主構成物質は焼成アルミノ珪酸化合物からなっている。またそれらより若干珪酸分の多い鋳物砂についてもゼオライト化する試みが行われている。これらのゼオライト化の技術はいくつかの特許出願がなされている。
しかしながら現実に商品として実用化された例はほとんどない。この原因は幾つかが考えられるが、最も重要なことは、いずれも原料は安価であるが、それに対して微粉砕し、粒度を調整し、更に多量のアルカリで加熱あるいは水熱処理を行うなど、複雑な操作を必要とするために製造コストが高くなってしまう事、つまりそれによって天然ゼオライトなどと比較してコスト的に対応出来にくいという問題があった。更にこれらにより製造したゼオライトは、バルク品であり、必然的にその製品は微少な粉末になってしまうため、各種の処理材として使用するには、造粒工程が必要となるなどの実用化を阻む問題点を持っていた。また過剰に使うアルカリ液の処理も問題であるとされた。これは廃鋳物砂等についても同じであり、ゼオライト化する技術が示唆されてはいるが、多量の添加物と共にアルカリ中で熱処理または水熱処理を行ってゼオライトのバルク体を得る様にしているので、多大な手間と、処理が必要であり、経済性の点からは他の技術と同様大きな問題があると考えられる。
これらの技術は以下に述べるような特許技術によって示される。
特開平10−324518はいわゆる人工ゼオライトの製造方法であり焼却灰や石炭灰などのアルミノ珪酸塩を原料としてこれにアルカリを作用させるとともに、100から120℃、空気圧1から2kg/cm2Gの水熱条件下で連続循環流動層を使用して処理し、ゼオライトを製造する方法が述べられている。これによりアルミノ珪酸塩をゼオライトに変えているのである。 特開平6−321525はアルミノ珪酸塩からなる石炭灰にアルカリを作用させてスラリー化し、水熱条件90から100℃で処理することによってゼオライト化する方法が示されている。 特開平6−321526はアルミノ珪酸塩からなる石炭灰にアルカリを作用させてスラリー化し、水熱条件90から100℃で処理することによってゼオライト化する方法並びにその装置が示されている。 特願平11−225320(特許第3090657号公報)では、焼却灰やアルミノ珪酸塩を原料として、熱源として300MHzから30GHzの電磁波を当てることによって連続的にゼオライトを製造しそれを使用するということが行われている。 特開2001−89133では鉄含有人工ゼオライト及びその製造法として、予め十分に粉砕をした廃鋳物砂を多量の添加物と共に水熱条件でゼオライト化する事が示唆されている。
廃鋳物砂、廃ガラス、火山噴出物などの珪酸化合物を主とするセラミックスについて、水処理材、埋設用として保水材、土壌改良材あるいは重金属を捕集し無害化するための処理材として使用するために表面をゼオライト化して使用するための低コスト化が可能な新規な製品並びに処理方法を提供することを課題とした。
本発明は、第一に表面にゼオライト層を有する珪酸化合物を主としたセラミックス粒状体であり、第二に珪酸化合物を主とするセラミックス粒状体の表面に必要に応じて加熱によりガスを発生する発泡剤を含有させたアルカリ水溶液を付着させ、加熱し、次いでマイクロ波処理を行うことによって該粒状体の表面を多孔化し、表面積を大きくした上で、それをゼオライト化した粒状体並びにそれらの製造方法であって、廃ガラスや廃鋳物砂のような珪酸化合物を主とするセラミックスや天然廃土あるいは火山噴出物の粒状体の表面をゼオライト化する。またこれらの表面は必要に応じて多孔化して実効表面積を拡大することも出来る。表面のゼオライト化に当たっては該粒状体の表面にアルカリを作用させ、また必要に応じてはアルミニウム分を添加して熱処理とマイクロ波処理を行う。このようにして被処理材のバルクの構造を残したまま表面のみをゼオライト化できる。なおこの表面処理並びにマイクロ波処理を一度で行っても良いし、予め表面処理として発泡性のアルカリ塩を作っておき、次いでマイクロ波処理をしても良い。
以下詳細に説明する。
本発明者らはこれらの廃鋳物砂や廃ガラスなどのセラミックス体についてあるいは粒状の天然廃土やその加熱物のゼオライト化を安価に経済的に行うことを目指して開発を行い、該鉱物やセラミックスについて、表面のみをゼオライト化すること、また必要に応じて、該粒状体の表面を多孔化加工し、その表面部分だけをゼオライト化することによって従来のバルクゼオライトよりも遙かに容易に、またコストを低く、しかもその使用時には特性的には従来品と同等の表面ゼオライト化セラミックスを開発することに成功した。
本発明者らはこれらの廃鋳物砂や廃ガラスなどのセラミックス体についてあるいは粒状の天然廃土やその加熱物のゼオライト化を安価に経済的に行うことを目指して開発を行い、該鉱物やセラミックスについて、表面のみをゼオライト化すること、また必要に応じて、該粒状体の表面を多孔化加工し、その表面部分だけをゼオライト化することによって従来のバルクゼオライトよりも遙かに容易に、またコストを低く、しかもその使用時には特性的には従来品と同等の表面ゼオライト化セラミックスを開発することに成功した。
つまり上記したような各種の珪酸化合物を主体とするセラミックスの表面に苛性アルカリを作用させると400から600℃の比較的低い加熱温度でも珪酸アルカリを生成して表面が融体化すると共にわずかに多孔化し、ガラス化する。この時にアルカリ中に加熱により分解し発泡する素材を入れておけばガラス化すると共に発泡が起こるので、ガラス化した部分が更に大きく多孔化しその表面積が大きくなる。たとえば25から40重量%の苛性ソーダ水溶液に炭素粉末を0.5重量%程度加えた溶液に廃鋳物砂を浸漬し、十分に全体に行き渡らせた後、液から取り出す。これを400から600℃に加熱すると苛性ソーダと廃鋳物砂の主として珪酸分が反応して表面がガラス化すると共に、炭素が酸化してCO2ガスとして揮散する。この時に、生成したガラスの粘性により、発生ガスの流路が残って多孔化する。なお炭素や炭化物は外気に触れていなくてもガラス中の酸素を取ってCO2となる事はよく知られており、そのためにガラス内部から発泡することが出来る。
発泡剤としては炭素の他に炭化珪素があり、これは炭素と同様であるが、炭素より分解温度が僅かに高いので、セラミックスにアルミナ分が多くアルカリ処理温度を高くする必要がある場合に有効である。たとえば廃鋳物砂でも粘土分が多い場合あるいは天然土石には加熱、ガラス化温度を100℃程度高くする必要があるがそのようなときに有効である。また他の発泡剤としては炭酸塩があり、たとえば炭酸マグネシウムは650℃で分解して自らはマグネシアになると共にCO2を発生して発泡する。その他の物質には硫酸塩が有り、これは硫酸根が600から650℃で分解してSO2となって揮散する特性を利用した物である。SO2が出てくるので他の場合と異なり使いにくい所はあるが、少量であること、またその分解温度は陽イオンによって異なるので、温度を細かくする必要のあるときには有効である。
アルカリ物質として苛性アルカリを使用するのがよいが、通常は珪酸分が過剰な場合が多いので、ゼオライト化のためにはアルミニウム分の添加が必要であり、そのためにはアルカリとアルミニウムイオンを導入出来るアルミン酸ソーダを使用するのも有効である。これは特にガラスカレットなど構成物にアルミナ分を少量しか含まないセラミックス表面にはアルミニウムイオンの供給用として有効である。また廃鋳物砂についても元々珪砂が多く、アルミナ分が不足する可能性があるので、少なくとも一部にアルミン酸ソーダを加えたアルカリ、あるいはアルミン酸ソーダそのものを使用することが望ましい。またアルミナ分があっても、これによって表面のガラス化が行われにくくなる場合にこのような処理材としてアルミニウム分を入れることが望ましい。
アルカリ物質として苛性アルカリを使用するのがよいが、通常は珪酸分が過剰な場合が多いので、ゼオライト化のためにはアルミニウム分の添加が必要であり、そのためにはアルカリとアルミニウムイオンを導入出来るアルミン酸ソーダを使用するのも有効である。これは特にガラスカレットなど構成物にアルミナ分を少量しか含まないセラミックス表面にはアルミニウムイオンの供給用として有効である。また廃鋳物砂についても元々珪砂が多く、アルミナ分が不足する可能性があるので、少なくとも一部にアルミン酸ソーダを加えたアルカリ、あるいはアルミン酸ソーダそのものを使用することが望ましい。またアルミナ分があっても、これによって表面のガラス化が行われにくくなる場合にこのような処理材としてアルミニウム分を入れることが望ましい。
このようにして表面を多孔化ガラスとするが、引き続いてマイクロ波処理を行う。使用するマイクロ波の波長は特には指定されないが、たとえば我が国で通常使用される2450MHzの様にOHの伸縮振動を与える波長であることが特に望ましい。つまり大表面積化しアルカリ化した材料にOHの伸縮振動を与えることに代表されるマイクロ波処理をすることによってこれら表面の状態をゼオライト化することが出来る。このメカニズムは明らかではないが、マイクロ波処理をすることによってOH振動が加速し、これが構造中に取り込まれると共に、マイクロ波の誘電損失による内部からの加熱と時としては外部からの熱が加わり水分が抜ける前に反応が進行してゼオライト化が起こると推察される。もちろんこのような推察があるからといって他のメカにズムを否定するものでは無い。
このようにして少なくとも表面がゼオライト化し、陽イオン交換能を強く有する様になる。尚マイクロ波処理や、必要に応じて行われるアルミニウムイオンの供給は、セラミックスの表面の多孔化ガラス生成と同時に行っても良いし、あらかじめ多孔化ガラスを形成しておき、それに改めてマイクロ波処理を加えても良い。
このようにして、一部は回収され再加工されるとはいっても大部分は埋設、廃棄されるしかなかった廃ガラスや廃鋳物砂その他の珪酸化合物あるいは天然土石や火山噴出物などのセラミックス粒状体の表面をゼオライト化することが出来、これによって
1) バルク処理ではなく表面の処理になるので、微細化などの処理が不要となり簡単な操作で出来るようになった。
2) 使用する薬品類や洗浄水などの量が大幅に減少し、コストを大きく下げる事が可能となった。
3) 天然廃土として取り扱われていたものが原料として活用できるようになった。
4) 製品は粒状体であり、造粒することなく、そのままの形で使用することが出来るようになった。
5) 表面を多孔化し、そこをゼオライト化しているので、粒状体であり、表面のみのゼオライトであるにも関わらず従来のバルク品加工物と遜色ない吸着特性を有する。
6) 上記を通じて、土壌改良材として、あるいは水分保持材として有効に使用出来るようになった。
等の有効な効果を得ることが可能となった。
1) バルク処理ではなく表面の処理になるので、微細化などの処理が不要となり簡単な操作で出来るようになった。
2) 使用する薬品類や洗浄水などの量が大幅に減少し、コストを大きく下げる事が可能となった。
3) 天然廃土として取り扱われていたものが原料として活用できるようになった。
4) 製品は粒状体であり、造粒することなく、そのままの形で使用することが出来るようになった。
5) 表面を多孔化し、そこをゼオライト化しているので、粒状体であり、表面のみのゼオライトであるにも関わらず従来のバルク品加工物と遜色ない吸着特性を有する。
6) 上記を通じて、土壌改良材として、あるいは水分保持材として有効に使用出来るようになった。
等の有効な効果を得ることが可能となった。
以上に示したように廃ガラス、廃鋳物砂、廃土石、あるいは火山噴出物などのセラミックス材を原料としてアルカリを加えて熱−マイクロ波処理することによって表面をゼオライト化することが出来るようになった。この最良の形態として以下実施例に示す。
鋳鋼製造用に使用した廃鋳物砂についてその表面の処理を行った。鋳物砂の状態をエックス線回折により観察したところ、部分的にほぼ非晶質と考えられる状態、つまりメタカオリン状態と、石英、並びにわずかなクリストバライト相が認められた。これについて、35%苛性ソーダ液に浸漬し、十分にぬれた状態で液から取り出して乾燥し、600℃空気雰囲気で1時間加熱処理を行い放冷した。これによって白色、不透明な粒状体となった。なおエックス線回折では大きな変化は見られなかったが、クリストバライト並びに石英の回折線が弱くなっており、表面がガラス化していることが考えられた。また顕微鏡観察では表面がいわゆる発泡ガラスと同様の微細な孔を主とする多孔体となっているのがわかった。これをアルミン酸ソーダの飽和水溶液中に浸漬し、ついで400℃、周波数2450MHzでマイクロ波処理を15分行った。これについて表面の走査顕微鏡観察を行ったところ、A型ゼオライト並びにCSHゲルの存在が認められた。このものについて、アンモニウムイオンの吸着による陽イオン交換容量を測定したところ、30から40meq/100gであった。
35%苛性ソーダ水溶液に重量で0.2%のカーボンブラック粉末を添加した以外実施例1と同様にして表面のゼオライト化処理を行った。これによって、表面が黒灰色の粒状体が得られた。このものについて走査型電子顕微鏡写真測定をしたところ、表面が1ミクロンまたはそれ以上の凹凸が激しく起こっており、そこに未反応の炭素がわずかに残っているのが認められた。また高倍率の写真ではガラス表面に実施例1と同様な変化が認められゼオライト化していることがわかった。陽イオン交換能は60から70meq/100gであり、実施例1に比較して2倍以上の交換能を有することがわかった。これは実質的に表面積の拡大が起こったためであると考えられた。
廃ガラス瓶を粉砕した平均粒径2mmのガラスカレットを炭酸マグネシウムを10重量%入れた飽和アルミン酸ソーダ水溶液に浸漬し、100℃にて30分保持した。これについて常温から600℃まで5分で上昇、600℃でも一部OHが残るようにし、この温度で周波数2450MHzにてマイクロ波処理を行った。10分間の処理を行ったが、その時の温度は650℃であった。このものを放冷し、水洗、乾燥後に実施例1と同様、陽イオン交換容量を測定したところ60meq/100gを示した。 このものは実施例2と同様な多孔化した表面を有し、ゼオライト的な吸着作用を有し、表面がゼオライト化したものであることがわかった。
発泡剤を硫酸ナトリウムとした以外実施例2と同じ条件で処理を行った。処理中580℃程度から僅かに白煙が出始めた。これはマイクロ波処理中も続いていた。白煙は硫酸根の分解によるガス発生に依ると考えられた。表面の走査電子顕微鏡写真はA−型ゼオライト並びにCSH−ゲルの存在が認められた。また元々の粒子の表面は毛羽立っており、発泡剤によって表面がかき回され、大表面積になったことがわかった。
石英粉末と苛性ソーダ並びに発泡剤としてSiC粉末を加えそれについて950℃で1時間加熱処理を行った。これによって白色のクリストバライト粒状体が得られた。但し表面は極めて毛羽立っており、これは発泡剤により表面に生成したガラス質を多孔化したものと考えられた。これについて飽和アルミン酸ソーダ液に浸漬した後に400℃に加熱しながら周波数2450MHzのマイクロ波をかけて5分間処理を行った。これにより、陽イオン交換能(CEC)値が40から50meq/100gの吸着作用を有するゼオライト的な吸着を示す物質が得られた。
平均粒度1mmの多孔性火山ガラスを実施例1と同じ条件でゼオライト化処理した。鉄分の影響で僅かに褐色を帯びた多孔体の製品を得た。これについて陽イオン交換容量を実施例1と同様に測定したところ、60から70meq/100gを示し、実施例1より大幅に改良されていた。これは多数の貫通孔があるために元々の表面積が十分に大きかったことに依ると考えられた。これは養魚場用の水処理材として養魚場水のアンモニア分の低減に最適であった。
なおこれらで得られた物質のCEC値は通常の合成ゼオライトよりかなり小さいが、これは表面のみがゼオライト化しているためと考えられた。
なおこれらで得られた物質のCEC値は通常の合成ゼオライトよりかなり小さいが、これは表面のみがゼオライト化しているためと考えられた。
本発明は低コストで高機能ゼオライトを生成することが出来るので、廃鋳物砂、廃ガラスあるいは廃土砂などの廃棄物、或いは火山噴出物などの珪酸塩セラミックス粒状体、が出てくるような場合に、それらの粒状体の処理を行うと共に有用物質としての回収再利用などに特に有効に利用できる。特に従来埋設処理が行われていた廃棄物についてその有効利用と、埋設廃棄物の低減の両方から多くの産業で活用できると考えられる。
Claims (16)
- 表面にゼオライト層を有する珪酸化合物を主としたセラミックス粒状体。
- ゼオライト層が発泡多孔化された表面を有する珪酸化合物を主としたセラミックス粒状体の表面に形成されたことを特徴とする請求項1のセラミックス粒状体。
- 珪酸化合物を主とするセラミックス粒状体の表面に加熱によりガスを発生する発泡剤を含有するアルカリ水溶液を付着し、加熱処理により多孔化し、更にゼオライト化したことを特徴とする請求項1及び2のセラミックス粒状体。
- 珪酸化合物を主とするセラミックス粒状体の表面に必要に応じて加熱によりガスを発生する発泡剤を含有させたアルカリ水溶液を付着させ、加熱し、次いでマイクロ波処理を行うことによって該粒状体の表面の少なくとも一部をゼオライト化することを特徴とするゼオライトの製造方法。
- 珪酸化合物を主とするセラミックス粒状体が廃鋳物砂であることを特徴とする請求項1のゼオライトの製造方法。
- 珪酸化合物を主とするセラミックス粒状体がガラスカレットであることを特徴とする請求項4のゼオライトの製造方法。
- 珪酸化合物が天然土石粒状物であることを特徴とする請求項4のゼオライトの製造方法
- 珪酸化合物が火山噴出物であることを特徴とする請求項4のゼオライトの製造方法
- 発泡剤がアルカリ中で安定であり、温度400から1000℃で分解、発泡することを特徴とする請求項4のゼオライトの製造方法。
- 発泡剤が炭素及びまたは炭化珪素であることを特徴とする請求項4及び7のゼオライトの製造方法。
- 発泡剤がアルカリ土類金属の硫酸塩及び/又は炭酸塩であることを特徴とする請求項4及び8のゼオライトの製造方法。
- アルカリ土類金属がカルシウム及び/またはマグネシウムであることを特徴とする請求項4及び10のゼオライトの製造方法。
- アルカリ水溶液がアルミン酸ソーダ水溶液であることを特徴とする請求項4のゼオライトの製造方法。
- 加熱処理を外部加熱とマイクロ波処理を交互にまたは同時に行うことを特徴とする請求項4のゼオライトの製造方法。
- 粒状体について加熱処理を行った後湿潤状態とし、マイクロ波処理を行うことを特徴とする請求項4から12のゼオライトの製造方法。
- マイクロ波処理を100から600℃で行うことを特徴とする請求項4から14のゼオライトの製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009040623A (ja) * | 2007-08-07 | 2009-02-26 | Nippon Kensetsu Gijutsu Kk | ゼオライト化発泡ガラス製造方法およびゼオライト化発泡ガラス製造設備 |
CN107445509A (zh) * | 2017-08-29 | 2017-12-08 | 长安大学 | 复合改性水泥混凝土内养护材料及其制备方法 |
-
2004
- 2004-02-27 JP JP2004087939A patent/JP2005239529A/ja active Pending
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