JP2005239492A - 水素製造装置および水素製造方法 - Google Patents

水素製造装置および水素製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的生産としてより優れた水素の製造装置および水素製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】炭素源20供給部と、酸化剤21供給部と、炭酸カリウム等に代表されるアルカリ剤を含有する熱水23中で炭素のガス化反応を行い水素リッチな生成ガス24を生成せしめると共に二酸化炭素を熱水23中に吸収させる熱水反応装置1とを備える水素製造装置とする。熱水は、固液分離部2および気液分離部3などの熱水再生手段により、灰分および二酸化炭素が除去されて再生され、熱水反応装置1に戻される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素製造装置および水素製造方法に関し、詳しくは工業的な生産に適した水素製造装置および水素製造方法に関する。
従来、水素リッチなガスを製造する方法としては、いわゆるCO2アクセプター法がある(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。CO2アクセプター法では、ガス化炉において、石炭、水蒸気を供給し、炭素分をガス化させて一酸化炭素、二酸化炭素、水素等を生成させる。この際、反応系において化学式(I)に示すような化学平衡状態が生じる。
Figure 2005239492
ここで、ガス化炉に酸化カルシウムを供給すると、化学式(II)のような反応が生じる。
Figure 2005239492
化学式(II)で示される反応が生じることにより、二酸化炭素が消費され、化学式(I)で示される化学平衡は右辺側への反応が促進されることになる。そして、二酸化炭素が減りつつ右辺への反応が促進されることにより、水素濃度が高いガス(水素リッチなガス)が生成する。
従来の水素リッチなガスの生成方法を行う設備を図3に例示する。図3に示すように、石炭ガス化炉102には石炭121および水蒸気122が供給されて酸化反応が行われ、石炭のガス化が進行する。
ガス化炉102には燃焼炉(再生炉)101から酸化カルシウム124が供給される。供給された酸化カルシウム124と生成したガス化ガス128中の二酸化炭素が反応して炭酸カルシウム123が生じる一方、化学式(I)で示される反応の化学平衡は右辺へと促進され、水素濃度が上昇したガス化ガスが生成される。水素リッチなガス化ガスは、サイクロンへ104と送られて、除塵され生成ガス129が得られる。他方、石炭ガス化炉102で生じた炭酸カルシウム123は、燃焼炉101へと戻され、ここで燃焼反応化に曝されて、酸化カルシウム124へと再生される。
近年、超臨界を利用したハイパーリング法なるものも開発されたが、工業的な操業方法としては、化学式(I)および(II)の反応系を利用したものに実質近似したものへと設計変更が進んでいる(例えば、非特許文献3)。
COAL GASIFICATION PROCESSES, edited by Perry Nowacki, 148-153, (1981) CO2 ACCEPTER PROCESS PILOT PLANT 1976, Duane C. McCoy, 33- 51, 1976 石炭利用CO2回収型水素製造技術(Hyper-RING)の開発、林石英他、第12回石炭利用技術会議講演集、2002年11月
図3などに例示されるように、従来は、化学式(I)で示される化学反応の化学平衡を右辺へと促進させるため、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウム124等の微粉を用いていた。また、ガス化炉102において二酸化炭素と反応して生じる、炭酸カルシウム(CaCO3)またはドロマイト((Ca,Mg)CO3)123等も粉体等の固形物として燃焼炉101に移送される。従来の水素製造装置においては、このように粉体などの固形物として移送させるため、配管が詰まるおそれがあった。ひとたび配管が詰まると、水素製造装置の操業を停止せざるを得ず、製造に重大な支障をきたすことになる。また、粉体などの固形物を移送すると配管の摩耗が激しく、そのための保守管理も欠かせないものであった。さらに、酸化カルシウム等の燃焼炉とガス化炉とをバランス良く並行操業するのは容易ではなく、その操業には熟練を要した。
さらに、図3に示す例のように、燃焼炉101から生じるガスは、サイクロン103等の分離手段により、ガス中に飛散している灰分等の煤塵125を除去して排ガス126として放出される。回収された煤塵125には酸化カルシウム等の微粉も混入しているが、工業的生産としてはコスト低減の要請が常に強く、これを回収し再利用に供したいところである。しかし、この煤塵125からの酸化カルシウム等の分離は容易ではない。
以上のような状況の下、本発明は、工業的生産としてより優れた水素の製造装置および水素製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、二酸化炭素を酸化カルシウム等の微粉末を用いて分離するのではなく、所定の触媒を含む熱水中で炭素のガス化反応を行い、二酸化炭素は熱水に吸収させ、上記化学式(I)で表される化学平衡が右辺へと促進されるような状態を作り出し、水素リッチな生成ガスを得るものである。すなわち、本発明は、下記の水素製造装置および水素製造方法を提供するものである。
第1の発明は、炭素源供給部と、アルカリ剤を含有する熱水中で炭素のガス化反応を行うと共に二酸化炭素を熱水中に吸収させ、水素リッチな生成ガスを生成せしめる熱水反応装置とを備える水素製造装置である。
第1の発明においては、熱水中におけるアルカリ剤の存在下で炭素のガス化反応が行われる。熱水中のガス化反応は下記化学式(III)および(V)、または、(III)、(IV)および(V)で示される。
Figure 2005239492
Figure 2005239492
Figure 2005239492
また、熱水反応装置内においては上記化学式(I)に示される化学平衡状態が生じるところ、二酸化炭素はアルカリ剤を含む熱水中に吸収されるため、化学平衡が右辺へ進みやすい状態となる。そのため、水素リッチな生成ガスが得られることとなる。なお、水素リッチとは、CH4、CO等の含有濃度が後流で炭素析出の懸念がないレベルであり、好ましくは水素濃度90%以上である。
また、第1の発明は、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムなどの微粉末を要しないため、微粉末を扱うことによる配管の保守管理が軽減される。また、化学反応装置としては一塔で実施可能であり、設備の簡略化もできる。
炭素源としては、石炭、バイオマス、チャーおよび石油類(重質油、ペトコークなどを含む)などの炭素を含有する化合物を用い得るが、好ましくは、石炭が用いられる。石炭としては、褐炭(lignite)、歴青炭、無煙炭などが例示され、より好ましくは、褐炭が用いられる。
第2の発明は、前記熱水に酸化剤を供給する酸化剤供給部が備えられた、水素製造装置である。酸素ガスなどの酸化剤を熱水中に供給することにより、化学式(IV)に示す反応が生じる。この反応は発熱反応であり、炭素のガス化反応による熱を供給することになり、熱水中での反応を自立した反応系とすることができ、連続操業を容易に行うことができる。
第3の発明は、前記熱水を加熱する加熱部が備えられた水素製造装置である。熱水中で炭素のガス化反応を行うためには、熱水の温度を300〜400℃程度にするが、そのため熱水を加熱する加熱部を設けたものである。上記第2の発明では、酸素を供給して、熱水内での反応に適した温度が調整されるが、加熱部を設けることにより、酸素の供給は任意となる。なお、酸化剤供給部と加熱部とを併設し、複数の調整手段を設け、熱水の温度を調整するようにしてもよい。このようにして熱水反応装置でのガス化反応を連続的に行うことができる。
第4の発明は、前記熱水反応装置から排出される熱水から灰分と二酸化炭素を分離し、アルカリ剤を含有する溶液を再生する再生部を備える、水素製造装置である。熱水反応装置内でガス化反応等の反応が行われると、灰分を主成分とする残渣が生じてくると共に熱水中の二酸化炭素濃度が上昇し飽和状態になる。そこで、第4の発明は、灰分と二酸化炭素とを取り除き、ガス化反応に適した溶液に再生するものである。再生部を設けることにより、効率の良い連続運転が容易となり、工業的生産に好適である。
第5の発明は、前記再生部が、熱水反応装置から排出される熱水を固形分と液体分とに分離する固液分離部と、熱水反応装置から排出される熱水から二酸化炭素を分離する気液分離部とを備えた水素製造装置である。
固液分離部は、固体と液体とを分離する装置であれば特に限定はなく、例えばサイクロンなどの遠心分離装置などが用いられる。また、気液分離部は、二酸化炭素を液体から分離することができるものであればよく、例えば減圧フラッシュ装置や空気等の通気による脱気装置などが用いられる。固液分離部と気液分離部とを直列に配置する場合どちらが先でもよいが、先に灰分などの固形分を除去することにより、気液分離部に灰分などの固形分の付着汚れなどを防ぐことができる。
熱水反応装置で生じた灰分は固形分として熱水から除去され、また二酸化炭素も除去されるため、熱水反応装置におけるガス化反応の連続運転が可能である。また、炭酸カリウム等のアルカリ剤を含有する液体を、熱水反応装置に戻し再利用することができ、効率の良い連続運転が行われる。
第6の発明は、前記再生部が、熱水反応装置から排出される熱水を固形分と液体分とに分離する固液分離部と、熱水反応装置から排出される熱水中に溶解している二酸化炭素を固定化する二酸化炭素固定部と、二酸化炭素固定部から供給される固形分と液体分とを分離する固液分離部とを備えた水素製造装置である。
第6の発明によれば、熱水反応装置から排出された熱水から二酸化炭素をガスではなく、固形分として回収でき、副産物としての再利用が可能となる。二酸化炭素の固定化とは、二酸化炭素を固体化させることをいい、例えば二酸化炭素を化学反応により固体物質へと変換してもよいし、二酸化炭素を固形分に吸着させるなどしてもよい。より具体的には、例えば、酸化カルシウムを熱水に添加し、酸化カルシウムと二酸化炭素とから炭酸カルシウムを生成せしめ、炭酸カルシウムの固体として回収するなどの形態が挙げられる。また、Caを含有する珪灰石、Mgを含有するかんらん石などの鉱物を用い、二酸化炭素を固定化させることもできる。
第7の発明は、アルカリ剤として炭酸カリウムおよび/または水酸化カリウムが用いられる、水素製造装置である。熱水反応装置に添加されるアルカリ剤は、主として、炭素のガス化反応促進を目的とする。アルカリ剤としては、好ましくは炭酸カリウム、水酸化カリウムなどが例示され、より好ましくは炭酸カリウムが用いられる。
炭酸カリウムは、熱水中での炭素のガス化反応を促進し、また熱水中への二酸化炭素の吸収を促進するという点で、本発明の装置に用いられるアルカリ剤として好適である。また、炭酸カリウムは、温度が高いほど水溶液中での溶解性が高くなるため、熱水再生のために灰分を分離する際にも、炭酸カリウムを含む熱水と、灰分との分離は容易である。したがって、熱水を再生するにあたり触媒たる炭酸カリウムの損失は少ないという点でも、炭酸カリウムは好適である。
第8の発明は、炭素源と、アルカリ剤を含有する熱水中に添加し、熱水中で炭素をガス化反応させ、生成する二酸化炭素を熱水中に吸収せしめ、水素リッチな生成ガスを回収する、水素製造方法である。
第8の発明は、上記第1の発明の装置を用いて行われる水素の製造方法である。第8の発明の方法によれば、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムなどの微粉末を用いずとも、化学式(I)で示される化学平衡を右辺へと促進させることができる。そのため、微粉末を扱うことによる煩雑さが軽減され、工業的に有利な製造方法が提供される。
熱水中に添加されるアルカリ剤の添加量としては、炭素のガス化反応を促進することができればよく、例えば炭酸カリウムの場合であれば、添加量として好ましくは1〜50wt%、より好ましくは10〜50wt%である。このような範囲とすることで、炭酸カリウムによる熱水中での触媒作用を十分に発揮させることができる。
第9の発明は、熱水中に酸化剤を添加する水素製造方法である。化学式(IV)で示される化学反応は発熱反応であり、これに対し化学式(III)で示される化学反応は吸熱反応であり、熱水中でのガス化反応は熱的に自立して進行させることが可能である。
第10の発明は、熱水の温度を300〜400℃にする水素製造装置である。すなわち、ガス化反応及び二酸化炭素吸収という観点からは、温度条件として300〜400℃が好適である。上記下限以上において炭酸カリウムなどによる触媒機能が優れている。また、400℃以下であれば、上記に本発明の水素製造方法における反応系が円滑に行われ、上記本発明の水素製造装置においても好適に工業的生産を行うことができるが、400℃を越えると反応系自体が異なってくる傾向がある。なお、圧力との関係においては、300℃の場合約90atm(約9.119 MPa)以上、400℃の場合約200atm(20.265 MPa)以上の条件に調製されることが好ましい。
第11の発明は、ガス化反応により生じた灰分および二酸化炭素を熱水中より分離させ、灰分と二酸化炭素とを分離させた、アルカリ剤を含有する溶液を回収してガス化反応に再利用する、上記水素製造方法である。
上記本発明の水素製造方法におけるガス化反応を継続しているうちに、二酸化炭素濃度の上昇、灰分などが熱水中に貯まるなどの状況が生じる。そこで、第11の発明により、熱水から灰分、二酸化炭素を除去して、初期状態に近いアルカリ剤含有溶液に再生することができ、効率的に水素製造を連続的に行うことができる。
第12の発明は、アルカリ剤が炭酸カリウムおよび/または水酸化カリウムである水素製造方法である。アルカリ剤として炭酸カリウムが特に好適であることは上記のとおりである。
第13の発明は、前記炭素源が、褐炭(lignite)である、上記水素製造方法である。本発明の水素製造方法で用いられる炭素源としては、褐炭が特に好ましい。褐炭は石炭化度が小さく、炭素骨格が発達していないため、ガス化反応等の反応が円滑に進行しやすい。
本発明により、プラントの保守管理が軽減され、プラント操業も容易な、工業的に優れた水素製造装置および水素製造方法が提供される。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る水素製造装置の第1の実施形態を示す図である。熱水反応装置1には、アルカリ剤である炭酸カリウム(K2CO3)を含有する約300℃の熱水23が、約100atmの条件下で貯留されている。熱水反応装置1には、熱水23中に炭素源20としての石炭、酸化剤21として酸素が、不図示の供給装置からそれぞれ供給される。
炭素と酸素とが供給された熱水23では、化学式(III)、(IV)および(V)で示されるガス化反応および部分酸化が進行すると共に、化学式(I)で示される化学平衡状態が形成される。熱水23における反応能進行に伴い、二酸化炭素が熱水23中に溶解し、化学式(I)の右辺への反応が促進されて、水素リッチな生成ガス24が生じる。水素リッチな生成ガス24は、熱水反応装置1の上部から排出されて製品として回収される。
一方、熱水23中の反応の進行に伴い、熱水23中にはガス化反応、部分酸化等の反応により生じる残渣である灰分が生じる。また、熱水23中に二酸化炭素が溶解することにより、熱水23中の二酸化炭素濃度が上昇する。そこで、ガス化反応を行いつつ、水素リッチなガスの生成を継続するために、熱水23の再生を行うことが好ましい。そこで、第1の実施形態においては、熱水反応装置に加え、熱水の再生部である固液分離部2、気液分離部3等が設けられている。まず、熱水23は熱水反応装置1から排出されて、固液分離部2としての濾過装置に送られる。固液分離部2では、灰分25が液体から回収され、系外へと排出される。
固液分離部2で灰分25が分離された液体は、気液分離部3としてのフラッシング装置へと送られる。気液分離部3で、熱水がフラッシングされて急速に冷却され、二酸化炭素26が液中から放出される。放出された二酸化炭素26は系外へと排出される。
フラッシングされた液体は、二酸化炭素(CO2)26の分離が完了し、炭酸カリウムを含有する水溶液として再生されたものとなる。フラッシングされた液体は回収され、水27の供給を必要に応じて受けつつ、昇圧ポンプ4を介して再び熱水装置1へと戻される。
以上のように、第1の実施形態においては、熱水中でガス化反応、部分酸化が行われると共に、化学式(I)で示される化学反応を右辺へと促進させるために二酸化炭素を熱水中に吸収させるため、二酸化炭素を固定させるために酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの微粉末などの粉体を用いることを要しない。そのため、酸化カルシウムなどの粉体を配送する配管を省くことができ、第1の実施形態の装置は保守管理性に優れたものである。また、水素リッチガス生成のための反応系に直接関わる装置は熱水反応装置1の一塔で可能であるため、炭酸カルシウムを再生する反応装置と並行運転するような煩雑さはほとんどなく、プラント操業という点においても簡便である。
また、触媒となる炭酸カリウムをほとんどロスすることなく、灰分、二酸化炭素を分離することが可能であり、熱水の再生が容易であるため、連続運転も容易である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の水素製造装置を図2に示す。第1の実施形態と同一の構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
第2の実施形態は、上記第1の実施形態に係る水素製造装置と略同一の構成であるが、二酸化炭素の分離手段が異なる。第2の実施形態では、固液分離部2で灰分25が分離除去された液体を二酸化炭素固定部5へと送る。二酸化炭素(CO2)固定部には、別途酸化カルシウム(CaO)28が溶液に供給され、固液分離部2からの液体中に溶解する二酸化炭素と酸化カルシウムとを反応させ、炭酸カルシウムを固形分として生成させる。二酸化炭素固定部5から、固形分の炭酸カルシウムが懸濁した状態の液体が固液分離部6の濾過装置へと送られ、炭酸カルシウム(CaCO3)29が固形分として回収される。炭酸カルシウムを分離除去した液体は、再び熱反応装置1へと戻される。
第2の実施形態では、熱水中に貯まる二酸化炭素をガスとして放出せず、炭酸カルシウムとして回収し再利可能な状態にするものである。
[第1の実施形態および第2の実施形態の変形例]
上記第1の実施形態および第2の実施形態共に酸化剤供給部を備えるが、酸化剤供給部を備えずに、加熱部をもうけてもよい(不図示)。加熱の熱媒体等は特に限定されず、熱水反応装置内の熱水中におけるガス化反応を円滑に進行させることができる程度に熱水を加熱できればよく、より具体的には、熱反応装置内の熱水を300〜400℃に調整できればよい。また、加熱部は、高速増殖炉、他のガス化設備など、他の設備から熱源を供給するようにして熱の効率的な利用を図ってもよい。また、さらに変形例として、酸化剤供給部と加熱部とを設け、熱水中での反応の温度調整を複数の手段により調整できるようにすることも可能である。
本発明は、水素製造の分野において好適に用いられる。
本発明の一実施形態例を示す図である。 本発明の他の実施形態を示す図である。 従来の実施形態を示す図である。
符号の説明
1 熱水反応装置
2、6 固液分離部
3 気液分離部
4 昇圧ポンプ
5 二酸化炭素固定部
20 炭素源
21 酸化剤
23 熱水
24 生成ガス
25 灰分
26 二酸化炭素
27 水
28 酸化カルシウム(CaO)
29 炭酸カルシウム(CaCO3
101 燃焼炉
102 石炭ガス化炉
103、104 サイクロン
121 石炭
122 水蒸気
123 炭酸カルシウムまたはドロマイト(CaCO3または(Ca,Mg)CO3
124 酸化カルシウムまたは酸化マグネシウム(CaOまたはMgO)
125 煤塵
126 排気ガス
128 ガス化ガス
129 生成ガス

Claims (13)

  1. 炭素源供給部と、アルカリ剤を含有する熱水中で炭素のガス化反応を行うと共に二酸化炭素を熱水中に吸収させ、水素リッチな生成ガスを生成せしめる熱水反応装置とを備える、水素製造装置。
  2. 前記熱水に酸化剤を供給する酸化剤供給部が備えられた、請求項1に記載の水素製造装置。
  3. 前記熱水を加熱する加熱部が備えられた、請求項1または2に記載の水素製造装置。
  4. 前記熱水反応装置から排出される熱水から灰分と二酸化炭素を分離し、アルカリ剤を含有する溶液を再生する再生部を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の水素製造装置。
  5. 前記再生部が、熱水反応装置から排出される熱水を固形分と液体分とに分離する固液分離部と、熱水反応装置から排出される熱水から二酸化炭素を分離する気液分離部とを備えた、請求項4に記載の水素製造装置。
  6. 前記再生部が、熱水反応装置から排出される熱水を固形分と液体分とに分離する固液分離部と、熱水反応装置から排出される熱水中に溶解している二酸化炭素を固定化する二酸化炭素固定部と、二酸化炭素固定部から供給される固形分と液体分とを分離する固液分離部とを備えた、請求項4に記載の水素製造装置。
  7. 前記アルカリ剤が、炭酸カリウムおよび/または水酸化カリウムである、請求項1から6のいずれか一項に記載の水素製造装置。
  8. 炭素源と、アルカリ剤を含有する熱水中に添加し、熱水中で炭素をガス化反応させ、生成する二酸化炭素を熱水中に吸収せしめ、水素リッチな生成ガスを回収する、水素製造方法。
  9. 熱水中に酸化剤を添加する、請求項8に記載の水素製造方法。
  10. 熱水の温度を300〜400℃にする、請求項8または9に記載の水素製造装置。
  11. 熱水中でのガス化反応により生じた灰分および二酸化炭素を熱水中より分離させ、灰分と二酸化炭素とを分離させた、アルカリ剤を含有する溶液を回収してガス化反応に再利用する、請求項8から10のいずれか一項に記載の水素製造方法。
  12. 前記アルカリ剤が、炭酸カリウムおよび/または水酸化カリウムである、請求項8または11に記載の水素製造方法。
  13. 前記炭素源が、褐炭である、請求項8から12のいずれか一項に記載の水素製造方法。
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