JP2005237586A - 手術用器具の管理方法および管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】外科用手術用器具の耐用回数管理および再使用可能な手術用器具の在庫管理を実現する。
【解決手段】新規の再使用可能な手術用器具を、この手術用器具に付された識別標識を利用してデータベースに登録するステップと(S1)、手術用器具の耐用回数を入力するステップ(S2)と、手術用器具の洗浄完了を入力するステップ(S3)と、手術用器具のパッキング完了を入力するステップ(S4)と、手術用器具の殺菌完了を入力するステップ(S5)と、手術用器具の保管完了を入力するステップ(S6)と、手術後において、手術用器具の使用/不使用を入力するステップ(S7)を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外科用手術用器具の耐用回数管理および再使用可能な手術用器具の在庫管理を行うことができる手術用器具の管理方法および管理システムに関する。
我が国の大学の付属病院などの大病院では、簡易な外科手術から複雑で高度な外科手術まで様々な外科手術が行われており、それぞれの手術において、メスや鉗子や鋏などその手術に要求される種々の再使用される外科手術用器具が用いられる。これらの手術用器具は、各手術毎に事前に当該手術に必要と想定されるものが準備され、トレイに載せた状態で手術室まで運ばれ、執刀医の要求に応じて、助手や看護士が必用な手術用器具を手渡すようになっている。これらの手術用器具は、手術後に洗浄および消毒の過程を経て、次の同様の手術に使用されるかまたはそれに備えて保管される。このような大病院では、一般に、このような外科手術用器具は30万種類にも及ぶとされているが、各手術用器具の耐用年数やそれらが用いられる回数や頻度に応じて、それらの手術用器具について常時過剰な在庫を保有しているのが実情である。また、各手術用器具毎に予め定められた耐用年数がくると一律に交換され、古いものは廃棄処分されている。
しかしながら、個々の手術において、それに必用と想定される多くの手術用器具を事前に用意しても、執刀医の判断や好みにより、頻繁に使われるものや使われないものがある。すなわち、以上のような再使用される外科手術用器具にあっては、どの手術用器具が実際にまたどの程度頻繁に使用されたものか個々の手術用器具単位で確認することができない。このように個々の手術用器具の使用頻度や回数などを正確に把握できないことから、所定の期期間が過ぎると、実際に使用されているかどうかを問わず、一律に交換されている。そのため、実際に使用されるかどうか分からなくても、それらの手術用器具のすべてについて多数の在庫を保有しなければならず、また実際に使用されていない手術用器具であっても廃棄されているのが実情である。
そのため、以上のような大病院では、不必要な手術用器具の在庫まで抱え、不要な出費を強いられるだけでなく、実際に使用されていない手術用器具まで一律に処分されるという資源の面からして不経済なことが行われており、大病院における潜在的な問題となっている。
ところで、BSAの発生以来、ヨーロッパ諸国、特にイギリスでは、メスや鋏や鉗子など多数の患者に繰り返し使用される外科用手術用器具の追跡調査が法律で義務付けられている。これは、BSAのウィルスが洗浄や消毒に対して耐性があり、しかも一旦感染すると10年〜12年といった長い期間潜伏してから発病するため、発病した患者が過去に外科手術を受けている場合に、その患者に使用した手術用器具から他の患者に感染している可能性があり、それを遡って追跡調査できるようにするためである。このために、イギリスのScanTrack UK Limited社では、鋏やメスなどの再使用される外科用手術機器に識別標識としての二次元シンボルコードを刻印し、各手術毎にその外科手術機器がどの患者に使用されたかを患者の情報と合わせて記録できるシステムが提案されている。しかしながら、このシステムは、あくまで法律の要求にしたがって、各手術用器具が実際にどのような患者の手術に使われたかを履歴情報として残すにとどまり、手術で実際に使用されなかった手術用器具は対象としていない。このため、前述したような在庫管理や耐用年数管理については全く考慮されていない。さらに、手術用器具の管理は、本来的には耐用年数管理ではなく、その耐用回数で管理した方がより正確かつ適切な管理が行える。
本発明は、以上のような実情に鑑みなされたものであり、外科用手術用器具、特に、再使用可能なメスや鋏などの洗浄および消毒を経て再使用可能な手術用器具の管理、特に、耐用回数管理および在庫管理を行うことができる手術用器具の管理方法手および管理システムを提供することを目的とする。
本発明の手術用器具の管理方法は、再使用可能な手術用器具に識別標識を付し、該識別標識に基づいてデータベースを作成し、それら手術用器具の使用回数をカウントし、耐用回数を越えた手術用器具の破棄/補充を行うことにより在庫管理することを特徴とする。
本発明によれば、各手術用器具の一つ一つについての耐用回数を適切に管理することが実現できる。これにより、再使用可能な手術用器具の無駄な廃棄を防止し、さらに、耐用回数を越えた手術用器具の廃棄/補充によって、無駄な在庫を必要としない。
この識別標識は、各手術用器具に付されたバーコードまたは二次元シンボルコードであることが望ましい。また、前記バーコードまたは二次元シンボルコードは、レーザにより各手術用器具に刻印されたものであることが好ましい。
本発明の手術用器具の管理システムは、新規の再使用可能な手術用器具を、この手術用器具に付された識別標識を利用してデータベースに登録するステップと、手術用器具の耐用回数を入力するステップと、手術後において、手術用器具の使用/不使用を入力するステップを備えたことを特徴とする。
また、本発明の手術用器具の管理システムは、新規の再使用可能な手術用器具を、この手術用器具に付された識別標識を利用してデータベースに登録するステップと、手術用器具の耐用回数を入力するステップと、手術用器具の洗浄完了を入力するステップと、手術用器具のパッキング完了を入力するステップと、手術用器具の殺菌完了を入力するステップと、手術用器具の保管完了を入力するステップと、手術後において、手術用器具の使用/不使用を入力するステップを備えたことを特徴とする。
前記手術用器具の使用/不使用を入力するステップにおいて、当該手術用器具の再使用回数が耐用回数を越えた場合、警告表示がなされることが好ましい。
前記手術用器具の使用/不使用を入力するステップにおいて、当該手術用器具の再使用回数が耐用回数を越えた場合、当該手術用器具の登録を再使用可能な手術用器具のデータベースから削除することが望ましい。
さらに、前記新規の再使用可能な手術用器具登録するステップにおいて、前記識別標識である各手術用器具付されたバーコードまたは二次元シンボルコードをコードリーダーで読み込むことにより、データベースへの登録が行われるようにすることが好ましい。また、前記バーコードまたは二次元シンボルコードは、レーザにより各手術用器具に刻印されたものであるものが望ましい。
図1は、本発明の実施形態に係る外科用手術用器具の在庫管理や耐用回数管理の管理システムのフローチャートである。そして、このシステムは、図2に示すように、サーバー1、データベース2、端末3、コードリーダー4、手術用器具コード5、手術用器具トレイコード6から構成されている。
手術用器具コード5は、識別標識としての役割を果たすものであり、メスや鋏や鉗子等の繰り返し使用される手術用器具の表面に設けられている。この手術用器具コード5をコードリーダー4により読み取ることにより、一つ一つの手術用器具の識別を行う。
また、手術用器具トレイコード6も識別標識としての役割を果たすものであり、手術用器具トレイの表面に設けられている。このトレイコード6をコードリーダー4により読み取ることにより、一つ一つのトレイの識別を行う。このトレイには、各手術に必要になる複数の手術用器具からなる手術用器具セットが搭載され管理されている。
これら手術用器具コード5や手術用器具トレイコード6は、バーコードや二次元シンボルコードが好ましく、洗浄や殺菌により脱落しないように器具やトレイにレーザを用いて刻印されていることが望ましい。
以下、図1に示すフローチャートにしたがって、本システムのフローを説明する。最初に、手術用器具登録(S1)を行う。これは、手術用器具に付されている手術用器具コード5を端末3に接続されたコードリーダー4で読み取るステップである。この手術用器具登録が終了すると、コードリーダーにより読みこまれたコード番号の他、端末3を介して登録実行者により入力された手術用器具の名称、メーカー名と形式番号、登録日時、登録実行者氏名等の手術用器具登録に関する情報が、サーバー1を経由してデータベース2に登録されると共に、各端末3のディスプレイ(図示せず)により確認できる。なお、同一のコード番号が既にデータベース2に記憶されている場合には、重複登録を防止するエラーメッセージが表示される。
次に、手術用器具に関する情報入力(S2)を行う。このステップでは、上記手術用器具登録(S1)において登録された各手術用器具の耐用回数、耐用回数入力の日時、入力実行者氏名を入力する。この耐用回数は任意に設定できるが、予め手術用器具コード5に当該耐用回数を記入しておけば、上記手術用器具登録(S1)を完了することにより、自動的にサーバー1を経由してデータベース2に耐用回数をも記憶させることができる。
洗浄ステップ(S3)では、各手術用器具の洗浄を行う。各手術用器具の手術用器具コード5をコードリーダー4で読み取った上、端末3を使用して洗浄処理の日時、洗浄処理の成功/失敗、洗浄処理実行者の氏名等の洗浄処理に関する情報を入力し登録する。
次に、パッキングステップ(S4)では、各手術に必要な洗浄済みの手術用器具を集め、これらをトレイに載置した上で、トレイごとパッキングする。この際、どの手術用器具がどのトレイに載置されたかを端末3を用いて登録する。具体的には、トレイコード6をコードリーダー4により読み取り、次に、このトレイコード番号に対して各手術用器具のコード番号を従属させ、さらに、このトレイにトレイの種類(どのような手術用なのか)等の情報を入力し登録する。
次に、殺菌ステップ(S5)では、上記パッキングステップ(S4)でパッキングされたトレイの殺菌を行う。各トレイに付されているトレイコード6をコードリーダー4で読み取った上、端末3を使用して殺菌処理の日時、殺菌処理の成功/失敗、殺菌処理実行者の氏名等の殺菌処理に関する情報を入力し登録する。
次に、保管ステップ(S6)では、殺菌ステップ(S6)を経て殺菌されたトレイの保管場所を特定する。具体的には、各トレイに付されているトレイコード6をコードリーダー4で読み取った上、端末3を使用して保管場所、保管開始の日時、保管実行者の氏名等、トレイの保管に関する情報を入力し登録する。
手術ステップ(S7)では、手術に適したトレイが準備される。このステップでは、端末3を用いて、サーバー1を経由してデータベース2から必要となるトレイの保管場所を検索することができる。さらに、このトレイのトレイコード6をコードリーダー4により読み取り、洗浄および殺菌が完了しているかを最終的に確認することができる。
手術終了後、使用/不使用の情報入力(S8)を行う。ここでは、手術で使用した手術用器具と使用しなかった手術用器具との手術用器具コード5を、一つづつ端末3に接続されているコードリーダー4で読み取らせる。
この各手術用器具の使用/不使用の情報は、各手術用器具の使用回数としてサーバー1によりカウントされる。サーバー1は、各手術用器具について、データベース2内に蓄積されている耐用回数を参照する。そして、その時点までの手術用器具の使用回数に1を加えた数が耐用回数を越えていない場合には、データベース2内の当該手術用器具の再使用回数に1回分を加算する。一方、耐用回数を越える場合には、端末3のディスプレイ(図示せず)に耐用回数警告メッセージを表示する。
この使用/不使用の情報入力(S8)の実行者は、耐用回数警告メッセージが表示された場合には、この手術用器具を廃棄処分とし、廃棄処分の日時、廃棄処分を行った者の氏名等の廃棄処分に関する情報を端末3に入力する。なお、手術により再使用不能となった手術用器具も、この廃棄処分の入力を行う。廃棄処分の入力が行われると、サーバー1はデータベース2内の当該手術用器具の履歴に廃棄処分がなされた旨の情報を記憶し、再使用可能な手術用器具のデータベースから当該手術用器具コードを削除する。また、廃棄処分により失われた手術用器具の補充は、上述した手術用器具登録のステップ(S1)により行われる。
この本発明に係る管理システムでは、上記洗浄ステップ(S3)から手術ステップ(S7)までのステップのサイクルでは管理できなかった各手術用器具の耐用回数を管理し、再使用可能な手術用器具の在庫管理を実現することができる。耐用回数を適切に管理することにより、再使用可能な手術用器具の無駄な廃棄を防止することができる。さらに、耐用回数を越えた手術用器具の廃棄/補充の管理を実現することにより、無駄な在庫を必要としない。
本発明の外科用手術用器具の在庫管理や耐用回数管理の管理システムのフローチャートである。 図1に示す管理システムの全体構成を示す説明図である。
符号の説明
1 サーバー
2 データベース
3 端末
4 コードリーダー
5 手術用器具コード
6 手術用器具トレイコード

Claims (9)

  1. 再使用可能な手術用器具に識別標識を付し、該識別標識に基づいてデータベースを作成し、それら手術用器具の使用回数をカウントし、その使用回数が耐用回数を越えた手術用器具の破棄/補充を行うことにより再使用可能な手術用器具の在庫管理を行うことを特徴とする手術用器具の管理方法。
  2. 前記識別標識は、各手術用器具に付されたバーコードまたは二次元シンボルコードである請求項1記載の手術用器具の管理方法。
  3. 前記バーコードまたは二次元シンボルコードは、レーザにより各手術用器具に刻印されたものである請求項2記載の手術用器具の管理方法。
  4. 新規の再使用可能な手術用器具を、この手術用器具に付された識別標識を利用してデータベースに登録するステップと、
    手術用器具の耐用回数を入力するステップと、
    手術後において、手術用器具の使用/不使用を入力するステップを備えたことを特徴とする手術用器具の管理システム。
  5. 新規の再使用可能な手術用器具を、この手術用器具に付された識別標識を利用してデータベースに登録するステップと、
    手術用器具の耐用回数を入力するステップと、
    手術用器具の洗浄完了を入力するステップと、
    手術用器具のパッキング完了を入力するステップと、
    手術用器具の殺菌完了を入力するステップと、
    手術用器具の保管完了を入力するステップと、
    手術後において、手術用器具の使用/不使用を入力するステップを備えたことを特徴とする手術用器具の管理システム。
  6. 前記手術用器具の使用/不使用を入力するステップにおいて、当該手術用器具の使用回数が耐用回数を越えた場合、警告表示がなされることを特徴とする請求項4または請求項5記載の手術用器具の管理システム。
  7. 前記手術用器具の使用/不使用を入力するステップにおいて、当該手術用器具の使用回数が耐用回数を越えた場合、当該手術用器具の登録を再使用可能な手術用器具のデータベースから削除することを特徴とする請求項4または請求項5記載の管理システム。
  8. 前記新規の再使用可能な手術用器具登録するステップにおいて、前記識別標識である各手術用器具付されたバーコードまたは二次元シンボルコードをコードリーダーで読み込むことにより、データベースへの登録が行われる請求項4または請求項5記載の手術用器具の管理システム。
  9. 前記バーコードまたは二次元シンボルコードは、レーザにより各手術用器具に刻印されたものである請求項8記載の手術用器具の管理システム。
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