JP2005237232A - シアナミドヒドラターゼ - Google Patents

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Abstract

【課題】シアナミドの分解酵素であるシアナミドヒドラターゼ、及び前記シアナミドヒドラターゼを用いた尿素の製造方法の提供。
【解決手段】以下の(a)〜(d)の性質を有するシアナミドヒドラターゼ、又は特定のアミノ酸配列と少なくとも30%のホモロジーを有し、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するシアナミドヒドラターゼ。(a) 活性:シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する。(b) 分子量:アガロースを担体として含むカラムを用いたゲルろ過により44〜45kDaである。(c) 25〜40℃において少なくとも70%の相対活性を有する。(d) pH5.0〜8.0において少なくとも60%の相対活性を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、シアナミドの分解酵素であるシアナミドヒドラターゼ及びその遺伝子、並びに前記シアナミドヒドラターゼを用いた尿素の製造方法に関する。
ニトリル化合物は、分子内に反応性の大きいシアン基(C≡N三重結合)を有する、一般式RCNで示される化合物である。このため、ニトリル化合物は各種有機化合物の合成原料として広く利用されている。
しかし、ニトリル化合物は生体にとって有害であるため、無害物質に分解させる必要がある。ニトリル化合物を分解する系として、自然界には微生物における酵素反応系が存在する。この反応系は、ニトリラーゼによりニトリルをカルボン酸とアンモニアに加水分解する系と、ニトリルヒドラターゼにより下記式(I)のようにニトリルを水和してアミドに変換した後に、カルボン酸とアンモニアに加水分解する系が知られている。
Figure 2005237232
ところで、ニトリル化合物の一種であるシアナミドの代謝反応は、式(II)に示すように、シアナミドを水和して尿素に変換する反応である。
Figure 2005237232
この変換反応は、シアナミドヒドラターゼにより触媒される。この酵素をコードする遺伝子は、カビの一種である土壌真菌ミロセシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)から唯一クローニングされているのみである(特許文献1、非特許文献1)。しかし、当該酵素は、ニトリルをアミドに変換する反応を触媒する活性を有する点で従来より知られているニトリルヒドラターゼと同様であるが、そのアミノ酸の一次構造はニトリルヒドラターゼとは全く異なっている。しかも、活性アミノ酸残基は同定されておらず、反応機構も十分に解明されていない。
米国特許第6,268,547号明細書 Maier-Greiner, U. H., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 4260-4264, 1991
本発明は、シアナミドヒドラターゼおよびその遺伝子を提供することを目的とする。また、本発明は、シアナミドヒドラターゼを用いた尿素の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため誠意研究を行った結果、酵母サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)由来の新規のシアナミドヒドラターゼ遺伝子をクローニングし、前記酵素の大量発現のための培養条件及び精製スキームを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)以下の(a)〜(d)の性質を有するシアナミドヒドラターゼ。
(a) 活性:シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する
(b) 分子量:アガロースを担体として含むカラムを用いたゲルろ過により44〜45kDaである
(c) 25〜40℃において少なくとも70%の相対活性を有する
(d) pH5.0〜8.0において少なくとも60%の相対活性を有する
(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列と少なくとも20%のホモロジーを有し、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するシアナミドヒドラターゼ。
(3)以下の(a)又は(b)のシアナミドヒドラターゼ。
(a) 配列番号3若しくは5で表されるアミノ酸配列からなるシアナミドヒドラターゼ
(b) 配列番号3若しくは5で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するシアナミドヒドラターゼ
(4)以下の(a)又は(b)のシアナミドヒドラターゼをコードする遺伝子。
(a) 配列番号3若しくは5で表されるアミノ酸配列からなるシアナミドヒドラターゼ
(b) 配列番号3若しくは5で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するシアナミドヒドラターゼ
(5)以下の(a)又は(b)のDNAを含む遺伝子。
(a) 配列番号2若しくは4で表される塩基配列からなるDNA
(b) 配列番号2若しくは4で表される塩基配列からなるDNAに対し相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(6)上記(4)又は(5)に記載の遺伝子を含む組換えベクター。
(7)上記(6)に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
(8)上記(7)に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からシアナミドヒドラターゼを採取することを特徴とするシアナミドヒドラターゼの製造方法。
(9)上記(4)若しくは(5)記載の遺伝子又は(6)記載の組換えベクターを用いて、シアナミドヒドラターゼを無細胞発現系により発現させることを特徴とするシアナミドヒドラターゼの製造方法。
(10)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のシアナミドヒドラターゼを用いて、シアナミドを水和することを特徴とする尿素の製造方法。
本発明により、酵母由来のシアナミドヒドラターゼ、及びシアナミドヒドラターゼをコードする遺伝子が提供される。また、当該遺伝子を含むベクター、及び当該ベクターで形質転換された形質転換体も提供される。本発明のシアナミドヒドラターゼを用いてシアナミドを水和すると、尿素を製造することができる。
また、本発明のシアナミドヒドラターゼを用いると、従来のニトリルヒドラターゼではシアナミドから尿素が製造できるという報告はないため、酵素法により尿素が製造できる点で有用である。また、本発明の遺伝子は、形質転換用マーカーとして使用することもできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、ミロセシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)のシアナミドヒドラターゼのアミノ酸配列(配列番号1)を基に、データベースに対して相同性検索を行った結果、酵母サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)の遺伝子配列の中から約30%の相同性を有するアミノ酸配列(図1)をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を見出した。そして、上記酵母の遺伝子データベースの情報を基に合成オリゴヌクレオチドプライマーを作製し、当該酵母のゲノムを鋳型として、PCR法を用いてORFの遺伝子をクローニングし、発現ベクターを構築した。続いて、大量発現のための種々の培養条件の検討を行い、本発明の酵素の可溶性画分を発現させ、得られた酵素の水和活性を確認した。
さらに、種々のクロマトグラフィー条件を検討した結果、本発明の酵素の精製スキームを確立し、さらに本発明の酵素の至適温度及び至適pHを確立することに成功した。
このようにして得られた本発明のシアナミドヒドラターゼは以下の性質を有するものである。
1.シアナミドヒドラターゼ
(a) 活性
シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有する。この触媒活性は次式(II)によって表すことができる。
Figure 2005237232
(b) 分子量
アガロースを担体として含むカラムを用いたゲルろ過では44〜45kDaであり、シリカゲルを担体として含むカラムを用いたゲルろ過では37kDaである。具体的には、以下の表1に示す通りである。比較対照として、ミロセシウム・ベルカリア由来の酵素の分子量も表示した。
Figure 2005237232
上記表1から明らかな通り、本発明の酵素は、ミロセシウム・ベルカリア由来の酵素と比較して分子量は全く異なっている。これは、多量体形成の違いによるものである。
(c) 活性温度
25〜40℃において少なくとも70%の相対活性を有する(図2)。
35℃のシアナミドヒドラターゼ活性に対する活性を相対活性(%)とすると、相対活性は、10℃において35%の活性を有し、15〜45℃において少なくとも40%の活性を有する。そして25〜40℃では70%以上の活性を有する。
(d) 活性pH範囲
pH5.0〜8.0において少なくとも60%の相対活性を有する(図3)。
相対活性は、pH4.0において25%の活性を有し、4.5〜8.5において少なくとも50%の活性を有する。そして5.5〜7.5では80%以上の活性を有する。
(e) アミノ酸配列
本発明のシアナミドヒドラターゼのアミノ酸配列は、配列番号3又は5に示されるものであるが、ミロセシウム・ベルカリア由来アミノ酸配列(配列番号1)と少なくとも20%、好ましくは30%のホモロジーを有するものも含む。ミロセシウム・ベルカリア由来のシアナミドヒドラターゼのアミノ酸配列と本発明のシアナミドヒドラターゼのアミノ酸配列とのホモロジーを比較したアライメントを図1に示す。両アミノ酸配列のホモロジー比較によれば、本発明のシアナミドヒドラターゼのミロセシウム由来の酵素に対するアミノ酸相同性(完全一致数/ミロセシウムのアミノ酸数)は、79/244×100=32%である。
但し、シアナミドヒドラターゼ活性を有する限り、上記配列番号3又は5に示すアミノ酸配列の1個又は数個のアミノ酸に欠失、置換又は付加などの変異が生じてもよい。
また、本発明においては、シアナミドヒドラターゼ活性を有する限り、配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドも、本発明のシアナミドヒドラターゼに含まれる。従って、配列番号1で表されるアミノ酸配列からみれば、少なくとも20%、好ましくは25%以上、より好ましくは28%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドも、本発明のシアナミドヒドラターゼに含まれる。
「シアナミドヒドラターゼ活性」とは、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を意味する。
さらに、本発明においては、シアナミドヒドラターゼ活性を有する限り、配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列において1個又は数個のアミノ酸に欠失、置換又は付加等の変異が生じたアミノ酸配列であって、シアナミドヒドラターゼ活性を有するポリペプチドも、本発明に含まれる。
例えば(i)配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列の1〜9個(好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(ii)配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列の1〜9個(好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、(iii)配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列に1〜9個(好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、(iv)配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列に1〜9個(好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(v)上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列を有するポリペプチドも、シアナミドヒドラターゼ活性を有する限り、本発明に含まれる。
このような変異型アミノ酸配列をコードするDNAは、Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed., Cold Spring Harbor Press (1989)、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons (1987-1997)等に記載の部位特異的変位誘発法に従って調製することができる。DNAに変異を導入するには、Kunkel法や Gapped duplex法等の公知手法により、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット、例えばQuikChangeTM Site-Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社製)、GeneTailorTM Site-Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社製)、TaKaRa Site-Directed Mutagenesis System(Mutan-K、Mutan-Super Express Km等:タカラバイオ社製)等を用いて行うことができる。
2.シアナミドヒドラターゼ発現遺伝子
配列番号1で表されるミロセシウム・ベルカリアのシアナミドヒドラターゼのアミノ酸配列を基にデータベースに対して相同性検索を行うと、酵母(サッカロミセス・セレビシアエ)において、配列番号1に示すアミノ酸配列と約30%のホモロジーを有するアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)(配列番号2又は4)を見出すことができる。そこで上記ORFの配列情報を基にして、合成オリゴヌクレオチドプライマーを作製する。次に、作製したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、酵母のゲノムを鋳型としてPCR法により目的遺伝子を増幅して、本発明のシアナミドヒドラターゼ遺伝子をクローニングすることができる。
クローニングされたVI番染色体上のORFの塩基配列を配列番号2(アミノ酸配列は配列番号3)に、また、XIV番染色体上のORFの塩基配列を配列番号4(アミノ酸配列は配列番号5)に示す。
酵母のシアナミドヒドラターゼ遺伝子の染色体上の位置は、VI番染色体とXIV番染色体の2箇所である。それぞれの推定アミノ酸配列は両者において100%一致する(配列番号3及び5)。一方、VI番染色体とXIV番染色体のORFの塩基配列(それぞれ配列番号2及び4)を比較すると、378番目の塩基が異なっている。
本発明においてシアナミドヒドラターゼ遺伝子は、配列番号1で表されるアミノ酸配列と約30%のホモロジーを有するポリペプチド(例えば配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド)をコードするものである。さらに、配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列において1個又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなる変異ポリペプチドであって、シアナミドヒドラターゼ活性が維持されるポリペプチドをコードするDNAも本発明に含まれる。
本発明のシアナミドヒドラターゼ遺伝子は、配列番号3又は5で表されるアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。このようなアミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号2又は4で表される塩基配列に加えて、遺伝子暗号の縮重により配列番号2又は4で表される塩基配列とは異なる配列を含むものである。本発明のDNAを遺伝子工学的な手法によりポリペプチドを発現させるのに用いる場合、使用する細胞のコドン使用頻度を考慮して、発現効率の高いヌクレオチド配列を選択し、設計することができる。
さらに、本発明のシアナミドヒドラターゼ遺伝子は、配列番号2又は4で表される塩基配列に対し相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであってシアナミドヒドラターゼ活性を有するポリペプチドをコードするものを含む。このようなシアナミドヒドラターゼ遺伝子は、配列番号2又は4で表される核酸配列からなるDNA若しくはその相補配列、又はこれらの断片をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーション、サザンブロット等の公知のハイブリダイゼーション法により、cDNAライブラリー及びゲノムライブラリーから得ることができる。ライブラリーは、公知の方法で作製されたものを利用することも、市販のcDNAライブラリー及びゲノムライブラリーを利用することも可能である。
「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄時の条件であって塩濃度が300〜2000mM、温度が40〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mM、温度が65℃の条件を意味する。例えば、2×SSCで50℃等の条件を挙げることができる。当業者であれば、このようなバッファーの塩濃度、温度等の条件に加えて、その他のプローブ濃度、プローブの長さ、反応時間等の諸条件を加味し、本発明のシアナミドヒドラターゼ遺伝子をコードするポリヌクレオチドを得るための条件を設定することができる。
ハイブリダイゼーション法の詳細な手順については、Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed. (Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)等を参照することができる。
ハイブリダイズするポリヌクレオチドとしては、配列番号2又は4で表される塩基配列に対して少なくとも40%以上、好ましくは60%、さらに好ましくは90%以上(例えば99%)の同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。このような同一性は、BLASTX又はBLASTNアルゴリズムによって決定することができる。
本発明の遺伝子の塩基配列は、ジデオキシヌクレオチドチェーンターミネーション法等により行うことができ、適当なDNAシークエンサーを利用して配列を解析することも可能である。
3.シアナミドヒドラターゼの発現
(1)シアナミドヒドラターゼをコードするDNAを含むベクター
シアナミドヒドラターゼ遺伝子を宿主に導入するためのベクターは、宿主細胞に保持されるものであれば特に限定されず、例えば、プラスミド DNA、バクテリオファージ等が挙げられる。
プラスミド DNAとしては、例えば大腸菌由来のプラスミド(pBR322、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119、pBluescriptなどのColE系プラスミド)、放線菌由来のプラスミド(例えば、pIJ486)、酵母由来のプラスミド(例えば、YEp13, YEp24, YCp50)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11)等が挙げられる。
本発明の遺伝子をベクターに組み込む手法は、適当な制限酵素で切断した後にリガーゼを作用させて連結する手法などが採用される(上記Molecular cloning, CSHL Press等を参照)。
(2)形質転換
本発明において使用される宿主は、シアナミドヒドラターゼ遺伝子が導入された後にシアナミドヒドラターゼを発現するものであればよい。例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、大腸菌、酵母、カビ、植物等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。好ましくは大腸菌である。
宿主への組換えDNAの導入は、公知方法により行うことができる。上記のベクターを宿主に導入する方法として、例えば、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン法、電気穿孔法、等を挙げることができる。
宿主への組換えDNAの導入は、公知方法により行うことができる。また、DNAが導入されたことの確認は、選択マーカー遺伝子(例えばアンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子等)を用いて行われる。
3.シアナミドヒドラターゼの製造
本発明において、シアナミドヒドラターゼは、導入されたシアナミドヒドラターゼ遺伝子又はその変異型遺伝子を含む上記形質転換体を培養し、その培養物からシアナミドヒドラターゼを採取することにより得ることができる。
「培養物」とは、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
本発明の組換え体を培養する培地は、宿主菌が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、組換え体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、ガラクトース、フラクトース、スクロース、ラフィノース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物が挙げられる。その他、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、各種アミノ酸等を用いてもよい。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。
培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、16〜37℃、好ましくは37℃で6〜24時間行う。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。
プロモーターとして誘導型転写プロモーターを用いた発現ベクターを導入した組換え体を培養する場合は、必要に応じて誘導剤を培地に添加してもよい。誘導剤にIPTGを用いる場合のIPTGの添加量は、0.001〜1mMであり、培養開始後0〜4時間後に添加し、添加後さらに2〜24時間追加培養する。
シアナミドヒドラターゼを可溶性画分に多く蓄積させるときは、培養温度を34〜37℃に、誘導剤の濃度を0.001〜0.1mMにしてもよい。
例えば、宿主にE. coli Origami B/RIL、誘導剤にIPTG 0.001mM、2YT培地、温度37℃の培養条件で培養すると、高収率でシアナミドヒドラターゼを大腸菌の可溶性画分に生産することができる。
培養後、シアナミドヒドラターゼが菌体内又は細胞内に蓄積される場合には、ホモジナイザー処理などを施して菌体又は細胞を破砕することにより、目的のシアナミドヒドラターゼを採取する。シアナミドヒドラターゼが菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。
その後、硫安沈殿、透析による抽出等により前記培養物中からシアナミドヒドラターゼを採取し、必要に応じてさらに各種クロマトグラフィー等を用いて単離精製する。
精製方法は、例えば宿主に大腸菌を用いてシアナミドヒドラターゼが大腸菌の可溶性画分に蓄積する場合には、培養後に、遠心操作により集菌し、得られた菌体を超音波破砕、遠心し、30〜70%の硫安沈殿を行い、硫安分画、あるいはDEAE -Sephacel、HiPrep Butyl、RESOURCE Q等を用いて精製を行うことができる。
また、本発明においては、シアナミドヒドラターゼ遺伝子又は上記ベクターからシアナミドヒドラターゼを採取することも可能である。すなわち、本発明においては、生細胞を全く使用することなく無細胞タンパク質合成系を採用して、シアナミドヒドラターゼを製造することが可能である。
無細胞タンパク質合成系とは、細胞抽出液を用いて試験管などの人工容器内でタンパク質を合成する系であり、例えばmRNAの情報を読み取って、リボソーム上でタンパク質を合成するというものである。なお、本発明において使用される無細胞タンパク質合成系には、DNAを鋳型としてRNAを合成する無細胞転写系も含まれる。
上記細胞抽出液は、真核細胞由来又は原核細胞由来の抽出液、例えば、小麦胚芽、ウサギ網状赤血球、マウスL-細胞、HeLa細胞、CHO細胞、出芽酵母、大腸菌などの抽出液を使用することができる。なお、これらの細胞抽出液は濃縮されたものであっても濃縮されないものであってもよい。
ここで、DNA 上に暗号化された遺伝情報は、転写によりmRNAとなり、さらに翻訳されてタンパク質に変換される。人工容器内でこの翻訳過程を再現してタンパク質を合成するためには、リボソーム、tRNA、各種タンパク質因子など、翻訳因子群を安定化し、目的に応じてmRNA を生産するシステムを構築することが必要である。このシステムを構築するため、本発明においては小麦胚芽を選択することができる。小麦胚芽には、種子が発芽してタンパク質合成を行うための翻訳因子群が保存されている点で好ましい。
細胞抽出液は、例えば限外濾過、透析、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿等によって得ることができる。PEG沈殿による方法では、細胞抽出液にPEG溶液を混合することによりタンパク質、核酸を沈殿させて回収し、これを少量の緩衝液に溶かすことにより濃縮細胞抽出液を得る。透析による濃縮は、例えば、振とう又は攪拌可能な閉鎖系で細胞抽出液を透析内液とし、透析膜(例えば分子量限界1000〜10000)を介して透析外液に対して透析を行うことによって得る。ここで透析外液は、緩衝液(酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、ジチオスレイトール等を含有する)及び高分子吸収剤(PEG、Ficoll等)を含めることができる。
本発明において、無細胞タンパク質合成は、市販のキットを用いて行うこともできる。そのようなキットとしては、例えば試薬キットPROTEIOSTM(東洋紡)、合成装置のPG-MateTM(東洋紡)、などが挙げられる。
無細胞タンパク質合成によって得られるシアナミドヒドラターゼは、前述のように適宜クロマトグラフィーを選択して、精製することができる。また、シアナミドヒドラターゼが単離精製されたことの確認は、SDS-PAGEにより、活性の測定はHPLCにより行うことが可能である。
4.尿素の製造
本発明の原料として用いるシアナミドは、市販されているものを用いても化学合成を行ったものを利用しても良い。
本発明の変換反応は、例えばリン酸緩衝液等の水溶液に、原料であるシアナミドと、酵素であるシアナミドヒドラターゼとを加え、所定の温度及びpHで反応させることができる。ここで適用される温度条件は、例えば15〜45℃、好ましくは30〜42℃、より好ましくは、35℃である。またpHは、pH5〜10、好ましくはpH6〜8、より好ましくはpH6.5である。従って、本発明の酵素の至適温度は30〜40℃、また至適pHはpH5.5〜7.5である。
反応液中に生成した尿素の取得方法は特に限定されないが、例えば、反応液の上清を分離回収した後、生産物の特性に応じて沈殿形成、抽出又は蒸留等の方法を用いて、あるいはそれらの方法を組み合わせて取得できる。またカラムクロマトグラフィー等を用いて分離精製することにより高純度の尿素を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
シアナミドヒドラターゼ遺伝子の単離
カビM. verrucaria由来のシアナミドヒドラターゼのアミノ酸配列を、GenBankアクセッション番号M59078から得た(配列番号1)。このアミノ酸配列をデータベースBLASTPで相同性検索を行ったところ、酵母(S. cerevisiae)中に約30%の相同性を有するアミノ酸配列を見出した(配列番号3、5)(図1)。
得られた酵母の遺伝子情報を基に、合成オリゴヌクレオチドプライマーを作製した(配列番号6及び7)。
000509N:5'-CTGTTTTTTGCCTTGCTTCTCTTCA-3'(配列番号6)
000509C:5'-CTGTTCATTCTGAACTCGCCTCATTGA-3'(配列番号7)
作製したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、酵母のゲノムを鋳型としてPCR法によりDNAを増幅した。
PCRは、以下の組成の反応液を用い、94℃で15秒、50℃で30秒、及び68℃で1分のサイクルを1サイクルとして30サイクル行った。
反応液組成:
酵母ゲノム 1 μL
000509N 1 μL
000509C 1 μL
10 x KOD plus PCR buffer 5 μL
2 mM dNTPs 5 μL
25 mM MgSO4 2 μL
KOD plus DNA polymerase 1 μL
滅菌水 34 μL
また、制限酵素認識部位を付加させるためのプライマーを設計、作製し(配列番号8及び9)、前記PCR増幅産物を鋳型としてPCR法でDNAを増幅した。
000522N:5'-CCCAAGCTTTAAGGAGGAATAAATCATGTCACAGTACGG-3'(配列番号8)
000522C:5'-GGAATTCTTAGTTATACCCAAATGTATTGC-3'(配列番号9)
000522Nの下線部はHindIII認識部位であり、ATGは開始コドンを、000522Cの下線部はEcoRI認識部位を示す。
PCRの条件は、94℃で15秒、50℃で30秒、及び68℃で1分のサイクルを1サイクルとして30サイクルである。
得られたPCR産物をHindIII及びEcoRIで切断し、同様に切断したpUC19に連結することで、発現ベクターpUC19-YFL061Wを構築した。
同様に、Myrothecium verrucaria由来のシアナミドヒドラターゼ遺伝子を含む発現ベクターも構築した。
また、得られた酵母シアナミドヒドラターゼ遺伝子の染色体上の位置を確認したところ、VI番染色体上(配列番号2)とXIV番染色体上(配列番号4)に上記遺伝子が存在することが明らかとなった。
配列番号2及び4でそれぞれ表されるVI及びXIV染色体のORFの塩基を比較すると、378番目の塩基が異なるだけであった。また、配列番号2及び4から推定されるアミノ酸配列は、100%一致していた(配列番号3及び5)。
シアナミドヒドラターゼの発現条件(宿主)
本発明の発現ベクターを大腸菌(E. coli Origami B及びE. coli Origami B/RIL)に導入し、発現実験を行った。
培地として2YT/Ap(+Cm)を用い、温度は37℃で培養を行った。培養開始時から誘導剤としてIPTG 0.001mMを添加し、12時間追加培養を行った。その後、遠心操作(8000×g)によって集菌した。集菌した菌体を、超音波破砕することにより、全タンパク分画(T)を得た。全タンパク分画の一部を遠心することにより可溶性画分(S)を得た。また、沈殿を再懸濁して、不溶性画分(I)を得た。
宿主によるシアナミドヒドラターゼの発現量、発現パターンの違いを図4に示す。図4において、矢印(←)は目的タンパク質(シアナミドヒドラターゼ)のバンドを示す。
Origami Bに比べてOrigami B/RILの方が、全体的に発現量が多く、また、可溶性画分における発現の割合が大きいことが明らかとなった。
シアナミドヒドラターゼの発現条件(温度・誘導剤濃度)
Origami B/RILを形質転換体として用いて、シアナミドヒドラターゼの至適発現条件を、温度、誘導剤の濃度に関して検討した。
培養温度が37℃及び34℃の場合、また、IPTG濃度が0.1、0.01、及び0.001mMの場合における、シアナミドヒドラターゼの発現パターンを比較した。
結果を図5に示す。図5において、T、S、Iは、それぞれ図4と同じである。37℃で培養したときよりも34℃で培養したときの方が、不溶性画分(I)の割合が少なく、より効率的に可溶性画分で発現できることが示された。このときの、IPTGの濃度は、どの濃度でも可溶性画分での発現量に大きな変化はなかった。
シアナミドヒドラターゼの精製及び活性確認
上記のように、Origami B/RIL株にシアナミドヒドラターゼ遺伝子を導入した形質転換体を、2YT/Ap+Cm培地で、37℃、IPTG 0.001mMで12時間、振とう培養した。0〜4℃で、リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を用いて行った。まず、遠心(15,000×g、30分)により菌体を集め、100mM緩衝液で2回洗浄し、ソニケーション(Insonator Model 201M:KUBOTA製)により菌体を破壊し、菌体を含まない抽出物を集めた。さらに遠心して残った菌体を取り除き、上清を硫酸アンモニウム(30〜70%)で分画し、10mM緩衝液に透析した。透析後の液は10mM緩衝液で等張化したDEAE-Sephacelカラム(Amersham Biosciences製)に供し、塩濃度 0〜0.4Mの直線グラジエントをかけた10mM緩衝液でタンパク質を溶出させた。
活性が認められたフラクションを集め、硫酸アンモニウムを70%飽和まで加え、遠心した。得られた沈殿は0.1M緩衝液に溶かし、硫酸アンモニウム(1M)溶液に移した。酵素溶液は硫酸アンモニウム(1M)を含む10mM緩衝液で等張化したHiPrep Butylカラム(Amersham Biosciences製)にかけ、硫酸アンモニウムの濃度を1M〜0Mに下げたバッファーで溶出させた。
活性が認められたフラクションを集め、硫酸アンモニウムを70%飽和まで加え、遠心した。得られた沈殿は0.1M緩衝液に溶かし、10mM緩衝液に透析した。透析後の液は10mM緩衝液で等張化したRESOURCE Qカラム(Amersham Biosciences製)に供し、塩濃度0〜0.3Mの直線グラジエントをかけた10mM緩衝液でタンパクを溶出させ、精製を行った。
得られた精製シアナミドヒドラターゼを、SDS-PAGEで泳動して、精製の確認を行った(図6)。
さらに、上記の各精製過程におけるシアナミドヒドラターゼの活性を測定した。
シアナミドの水和反応を下記の試薬を混入した試験管中で、37℃で20分間行った。
0.2M シアナミド(超純水中) 20μL
シアナミドヒドラターゼ 適量
10mM KPB(pH7.5) 全量が200μLになるように添加
反応を停止させるために200μLのアセトニトリルを添加した。その後、反応産物をHPLCにて解析を行った。
HPLCの解析条件は以下の通りである。
HPLC:190nm, 10分
カラム:TSK-GEL AMIDE-80(東ソー)
キャリア:1%リン酸バッファー(100mL)+アセトニトリル(900mL)
流速:1mL/分
インジェクト:10μL
リテンションタイム(尿素):8.3分
各精製過程のタンパク量、ヒドラターゼ活性を測定し、比活性(活性/タンパク量)及び収率(セルフリー抽出物の段階を100%として計算)を計算した(表2)。ここで、活性は1分間に1μmolの尿素を生成する酵素量を1 unitとした。
Figure 2005237232
至適温度及び至適pHの決定
本実施例では、実施例4において精製したシアナミドヒドラターゼの至適温度及び至適pHを検討した。
シアナミドヒドラターゼの活性測定方法は実施例4に準じて行った。至適温度を測定するときは各検査温度で反応を行い、また、至適pHを測定するときは各検査pHで反応を行った。至適pHを測定する際には、各pHにおける測定に適したバッファーを適宜選択して使用した。
至適温度の結果を図2に、至適pHの結果を図3に示す。
以上の結果から、本発明の酵素の至適反応条件は、35℃、pH6.5であることが明らかとなった。
サッカロミセス・セレビシアとミロセシウム・ベルカリア由来のシアナミドヒドラターゼの分子量比較
ミロセシウム・ベルカリア由来のシアナミドヒドラターゼは多量体(ホモへキサマー)を形成するため、本発明の酵素も多量体を形成することが予想される。このことは、ゲルろ過カラムの担体との相互作用により溶出時間の遅れ(分子量の変化)が生じることを意味する。そこで、分子量比較には、担体の異なる3つのゲルろ過カラムを用いた(表3)。
Figure 2005237232
塩基配列からの推定アミノ酸データより、サッカロミセス・セレビシアエ由来の酵素のモノマーは25,151Da、ミロセシウム・ベルカリア由来の酵素のモノマーは26,965Daである。従って、サッカロミセス・セレビシアエ由来の酵素はホモダイマー、ミロセシウム・ベルカリア由来の酵素はホモテトラマーであると予想される。
ミロセシウム・ベルカリア由来のシアナミドヒドラターゼのアミノ酸配列と本発明のシアナミドヒドラターゼのアミノ酸配列とのホモロジーを比較したアライメントを示す図である。 本発明のシアナミドヒドラターゼにおける温度と活性との関係を示す図である。 本発明のシアナミドヒドラターゼにおけるpHと活性との関係を示す図である。 発現条件(宿主の場合)の検討結果を示す図である。 発現条件(温度及び誘導剤濃度の場合)の検討結果を示す図である。 本発明のシアナミドヒドラターゼの精製結果を示す図である。
配列番号6:プライマー
配列番号7:プライマー
配列番号8:プライマー
配列番号9:プライマー

Claims (10)

  1. 以下の(a)〜(d)の性質を有するシアナミドヒドラターゼ。
    (a) 活性:シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する
    (b) 分子量:アガロースを担体として含むカラムを用いたゲルろ過により44〜45kDaである
    (c) 25〜40℃において少なくとも70%の相対活性を有する
    (d) pH5.0〜8.0において少なくとも60%の相対活性を有する
  2. 配列番号1で表されるアミノ酸配列と少なくとも20%のホモロジーを有し、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するシアナミドヒドラターゼ。
  3. 以下の(a)又は(b)のシアナミドヒドラターゼ。
    (a) 配列番号3若しくは5で表されるアミノ酸配列からなるシアナミドヒドラターゼ
    (b) 配列番号3若しくは5で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するシアナミドヒドラターゼ
  4. 以下の(a)又は(b)のシアナミドヒドラターゼをコードする遺伝子。
    (a) 配列番号3若しくは5で表されるアミノ酸配列からなるシアナミドヒドラターゼ
    (b) 配列番号3若しくは5で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するシアナミドヒドラターゼ
  5. 以下の(a)又は(b)のDNAを含む遺伝子。
    (a) 配列番号2若しくは4で表される塩基配列からなるDNA
    (b) 配列番号2若しくは4で表される塩基配列からなるDNAに対し相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、シアナミドを水和して尿素への変換反応を触媒する活性を有するポリペプチドをコードするDNA
  6. 請求項4又は5に記載の遺伝子を含む組換えベクター。
  7. 請求項6に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
  8. 請求項7に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からシアナミドヒドラターゼを採取することを特徴とするシアナミドヒドラターゼの製造方法。
  9. 請求項4若しくは5記載の遺伝子又は請求項6記載の組換えベクターを用いて、シアナミドヒドラターゼを無細胞発現系により発現させることを特徴とするシアナミドヒドラターゼの製造方法。
  10. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のシアナミドヒドラターゼを用いて、シアナミドを水和することを特徴とする尿素の製造方法。


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Non-Patent Citations (5)

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