JP2005234702A - 紙葉類識別装置 - Google Patents

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一栄 吉岡
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Abstract

【課題】 可視光線と、赤外線等の波長の異なる2つの光を用いて紙葉類の真贋判定を行う紙葉類識別装置において、紙葉類の搬送方向の寸法が大きくならないようにする。
【解決手段】 可視光線と、赤外線または紫外線とを紙幣に照射して、紙葉類の真贋判定を行う紙幣識別装置1は、交差方向に延びるライン状の受光センサ5と、交差方向に延びるライン状であり、可視光線と、赤外線または紫外線とを紙幣にそれぞれ照射し、受光センサ5における搬送方向の前後に、受光センサ5に近接するようにしてそれぞれ配置された第1、第2の発光体6,7とを有し、受光センサ5と第1、第2の発光体6,7とが交差方向に延びる基板2に設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、紙葉類の真贋判定に用いる紙葉類識別装置に関する。
従来から、ゲームの入賞内容に応じて、メダルや硬貨等のゲームで使用する媒体(以下「コイン」という)を払い出すスロットマシン等の遊技機や、その遊技機が設置される遊技場に備え付けの両替機、プリペイドカードの販売機、さらにはパチンコ台の間に配置されるいわゆる台間機等に、紙幣の真贋判定を行う紙幣識別装置が備えられている。この種の紙幣識別装置に関して、例えば特許文献1には、赤外線と可視光線を利用した2つの読取り手段を有し、双方の読取りデータを比較して真贋判定を行う真贋判別装置が開示されている。
特開平6−203243号公報
しかし、この真贋判別装置は、紙幣を搬送する搬送手段に対して、発光部と受光部とを有する2つの光学的読取り手段が搬送方向に沿って並んで配置されていたに過ぎなかった。そのため、識別精度の向上のため、センサを搬送方向と交差する方向に延びるライン状にして、紙幣の幅方向に一様に光を照射しようとすると、センサが紙幣の搬送方向だけでなく、それに交差する方向の双方に長い構造になってしまい、全体の大きさが大型化するという問題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、可視光線と、赤外線等の波長の異なる2つの光を用いて、紙幣、いわゆる金券、有価証券その他の紙葉類の真贋判定を行う紙葉類識別装置において、紙葉類の搬送方向の寸法が大きくならないようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、可視光線と、赤外線または紫外線とを紙葉類に照射して、その紙葉類の真贋判定を行う紙葉類識別装置であって、紙葉類の搬送方向と交差する交差方向に延びるライン状の受光センサと、交差方向に延びるライン状であり、可視光線と、赤外線または紫外線とを紙葉類にそれぞれ照射し、受光センサにおける搬送方向の前後に、受光センサに近接するようにしてそれぞれ配置された第1および第2の発光体とを有し、受光センサと、第1および第2の発光体とが、交差方向に延びる基板に設けられている紙葉類識別装置を特徴とする。
この紙葉類識別装置は、ライン状の受光センサと、それに近接するようにして搬送方向の前後に配置されたライン状の第1および第2の発光体とが1つの基板に設けられているので、搬送方向の寸法が小さくなっている。
また、この紙葉類識別装置は、受光センサと、第1および第2の発光体との間に、交差方向に延びるライン状の遮光部をそれぞれ有することが好ましい。
こうすると、受光センサが、第1,2の発光体から出力され、かつ紙葉類により反射された反射光を直接受光するようになる。
さらに、上記紙葉類識別装置は、第1および第2の発光体が紙葉類に照射して反射された可視光線と、赤外線または紫外線とを受光センサが受光して出力される2つの受光データを合成するか、または差分をとって演算データを生成し、その演算データと、真贋判定に用いる基準データとの照合結果に基づき真贋判定が行われるようにすることができる。
これにより、波長の異なる2つの光線の反射光を受光センサが受光して出力される2つのデータの差分または合成値のデータが真贋判定に用いられるから、贋券からの反射光のうち、一方が真券と同じでも、他方が異なれば真贋判定を行える。
以上詳述したように、本発明によれば、可視光線と、赤外線等の波長の異なる2つの光を用いて紙葉類の真贋判定を行う紙葉類識別装置において、紙葉類の搬送方向の寸法が大きくならないようにすることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。本実施の形態では、本発明に係る紙葉類識別装置として、紙幣識別装置1を例にとって説明する。
(紙幣識別装置の全体構成)
図1は、本実施の形態に係る紙幣識別装置1の平面図、図2は、紙幣識別装置1の紙幣搬送方向(以下「搬送方向」といい、図1のX方向)からみた側面図、図3は搬送方向に交差する方向(以下「交差方向」といい、図1のY方向)からみた側面図である。この紙幣識別装置1は、基板2と、リード端子3と、受光センサ5を有する受光体4と、第1および第2の発光体6,7と、遮光部8,9とを有している。本実施の形態では、紙幣識別装置1は遊技場に備え付けの両替機に内蔵されている場合を想定しているが、本発明はこの場合に限定されるものではない。
なお、本実施の形態において、紙葉類とは、紙幣のほか、いわゆる金券や、バーコードの付されたチケットのような有価証券を含むものとしている。
基板2は、交差方向に延びる帯状に形成された部材であって、その片側の表面2aに、受光体4と、第1および第2の発光体6,7と、遮光部8,9とを有し、搬送方向前後の側面2b,2cに複数のリード端子3が設けられている。
リード端子3は、複数(本実施の形態では6つ)設けられている。各リード端子3は、紙幣識別装置1を図示しない実装基板に実装して、制御信号および各種データの入出力を行うための端子となるものである。
受光体4は、交差方向に延び、かつ搬送方向に対して、後述する受光センサ5の感度に影響を与えない程度の幅を有する帯状に形成され、厚さの薄い板状であり、搬送方向中央に受光センサ5が配置されている。
受光センサ5は、交差方向に延びるライン状を呈し、識別しようとする紙幣aに向けて第1および第2の発光体6,7から出力され、その紙幣aによって反射されたそれぞれの反射光(可視光線と、赤外線または紫外線)を受光する受光素子であり、その受光に支障がない程度の長さで形成されている。この受光センサ5は、本実施の形態ではCCD(イメージセンサ)を用いている。この受光センサ5は、複数のCCD(Charge Coupled Device)が交差方向に延びるライン状に配列されたラインセンサとなっている。この受光センサ5は、識別しようとする紙幣aにより反射された反射光を受光すると、その反射光の明暗に応じたイメージデータ(受光データ)を生成し、その受光データを後述するCPU21に入力する。
第1の発光体6は、受光センサ5における搬送方向の前方において受光センサ5に近接するように配置されている。この第1の発光体6は、受光体4に沿って受光センサ5と平行に、すなわち、交差方向に延びるライン状に配置されたLEDアレイからなり、可視光線を出力して紙幣aに照射するようになっている。第2の発光体7は、受光センサ5における搬送方向の後方において受光センサ5と近接するように配置されている。この第2の発光体7は、受光体4に沿って受光センサ5と平行に、すなわち、交差方向に延びるライン状に配置されたLEDアレイからなり、赤外線または紫外線を出力して紙幣aに照射するようになっている。なお、第1、第2の発光体6、7は、LEDのほか冷陰極放電ランプを用いてもよい。
遮光部8,9は、受光センサ5と平行になるようにして、受光体4に沿って交差方向に延び、受光体4、第1および第2の発光体6,7よりも、基板2から突出する高さが高く形成された壁状部材である。この遮光部8,9は、受光体4の外側で、第1および第2の発光体6,7よりも内側、すなわち、受光センサ5と、第1および第2の発光体6,7の間にそれぞれ配置されている。
そして、紙幣識別装置1は、以上の構成を有する受光体4と、第1,第2の発光体6,7および遮光部8,9とが、基板2の片側の表面2aにおいて、それぞれが正常に作動する上で支障を来たさない範囲の必要最小限の間隔(それ以上接近させると互いの動作に影響が及ぶおそれのある範囲よりも広い最小限の間隔、以下「最小配置間隔」という)を搬送方向に確保するようにして配置されている。
また、紙幣識別装置1は、図4に示すように、上述の構成のほか、紙幣搬送部25を有している。この紙幣搬送部25は、後述する制御基板20から入力する制御信号にしたがって、所定の搬送速度で、受光センサ5との距離h(図2参照)を一定に保持しながら識別しようとする紙幣aを所定の搬送速度で搬送する機構(例えば搬送ローラや、搬送ベルト)を有している。
制御基板20は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、基準データ記憶部24とを有している。
CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムにしたがい作動してI/Oポートを介して他の構成要素との信号の入出力を行い、紙幣識別装置1における真贋判定に必要な動作制御を行う。ROM22にはCPU21が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶され、RAM23はCPU21が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。基準データ記憶部24には、紙幣の真贋判定を行うときに用いられる基準データが記憶されている。この基準データは、真券を紙幣識別装置1の受光センサ5が読取って得られるデータである。
(紙幣識別装置の動作説明)
次に、以上の構成を有する紙幣識別装置1の動作内容について説明する。
紙幣識別装置1は、図示しないセンサにより、紙幣の取り込みを検出すると、CPU21が紙幣搬送部25に指示して、取り込んだ紙幣aを図1の矢印に示す方向に搬送させる(紙幣aは図1において、縦長の状態で搬送される)。また、CPU21は、第1,2の発光体6,7に指示して、それぞれ可視光線と、赤外線または紫外線を出力させ、それらの光線を紙幣aに照射させる。このとき、第1,2の発光体6,7は、交差方向に延びるライン状に配置されているので、第1,2の発光体6,7から出力される光線は、紙幣aの幅一杯に照射される。すると、その照射された可視光線と、赤外線または紫外線が紙幣aの全面で反射され、各光線の反射光が受光センサ5に入力される。この受光センサ5も交差方向に延びるライン状のラインセンサであるから、各光線の反射光をその長さ全体で検出する。
また、第1,2の発光体6,7と、受光センサ5を有する受光体4との間に壁状の遮光部8,9が設けられているので、受光センサ5は紙幣aにより反射された反射光を直接受光し、その受光した反射光の明暗に応じた受光データを反射光ごとに2種類生成して出力する。その出力された受光データはCPU21の指示により、RAM23に記憶される。続いて、CPU21は、2種類の受光データの差分をとる演算処理を行って差分データを生成し、その差分データをRAM23に記憶させる。ここで、受光データは、図示しないが、受光センサ5の出力(電圧)を読取り時間ごとにプロットしたものであるから、差分データも、出力(電圧)を読取り時間ごとにプロットしたものとなる。
次に、CPU21は、基準データ記憶部24にアクセスして、記憶されている基準データを読み出し、その基準データとRAM23に記憶されている差分データとを照合する。その照合結果に基づき、真贋判定を次のようにして行う。
例えば、第1の発光体6から可視光線が照射され、第2の発光体7から近赤外線が照射され、真券、贋券それぞれにおける受光センサ5からのある時刻における出力(電圧)が図6のようになったとする。真券の場合の可視光線、近赤外線を照射して得られる出力が、3.0V,4.0Vであるから、差分データは1.0Vになる(これらの各電圧のデータが基準データになる)。
一方、贋券の場合、可視光線を照射したときの出力が、3.0Vであるから、真券の場合と一致するも、近赤外線を照射したときの出力が3.2Vであるから、差分データは0.2Vになる。以上により、真券の場合と、贋券の場合の差分データが異なることにより、その差分データの相違から真贋判定を行うことができる。
このようにして、真贋判定を行うと、2つの光線のうち、一方を照射したときの出力が一致しても、他方を照射したときの出力が異なれば、2つの光線の差分を異ならせることができるから、2つの光線を用いることによって真贋判定の精度を高めることができる。なお、CPU21の演算処理により、差分を求める代わりに、2つの光線の受光データを合成してもよい。
本実施の形態における紙幣識別装置1は、真贋判定のため、ライン状の受光センサ5および第1および第2の発光体6,7を用いて紙幣aの全面に光線を照射して、反射光を検出しているから、真券と異なる箇所が一部にのみ存在するような贋券でも、贋券であるとの判定を下すことができ、この点でも判定精度が高くなっている。
そして、紙幣識別装置1は、受光体4と、第1,第2の発光体6,7および遮光部8,9とが互いに最小配置間隔を設けて配置されているから、搬送方向の幅が小さくなっている。そのため、判定精度を向上させるため、受光センサ5および第1および第2の発光体6,7を交差方向に延びるライン状にしても、搬送方向の幅は必要最小限に止めることができ、紙幣の搬送方向の寸法が大きくならないようにすることができる。
上述の説明では、紙幣識別装置1とともに設けられた制御基板20のCPU21,ROM22,RAM23,基準データ記憶部24により真贋判定を行うようにしているが、図5に示すように、上記同様のCPU21,ROM22,RAM23,基準データ記憶部24を有する紙幣識別装置30を設けてもよい。
この紙幣識別装置30において、例えば図7に示すように、第1の発光体6により紙幣に照射され、反射された可視光線を受光センサ5が受光して出力する受光データ36と、第2の発光体7により紙幣に照射され、反射された近赤外線を受光センサ5が受光して出力する受光データ37とが得られたとする。このとき、紙幣識別装置30では、CPU21が2つの受光データ36、37の差分を求める差分データ生成手段として作動して、差分を求めるための演算処理を行い、差分データ38を生成して出力する。また、CPU21は、真贋判定手段として作動して、差分データ38と、真贋判定に用いる基準データとの照合を行い、その照合結果に基づき真贋判定を行って判定結果39を出力することになる。
なお、上述の実施の形態では、紙幣aの真贋判定を行う紙幣識別装置1を例にとって本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、紙幣のほか、いわゆる金券や、バーコード付きのチケットのような有価証券の真贋判定を行う紙葉類識別装置について適用がある。
本実施の形態に係る紙幣識別装置の平面図である。 紙幣識別装置の搬送方向からみた側面図である。 紙幣識別装置の交差方向からみた側面図である。 紙幣識別装置と制御基板とを示すブロック図である。 別の紙幣識別装置を示すブロック図である。 真券、贋券それぞれにおける受光センサからの出力の一例をまとめた図である。 別の紙幣識別装置の差分データ生成手段、真贋判定手段を示すブロック図である。
符号の説明
1…紙幣識別装置、2…基板、4…受光体
5…受光センサ、6…第1の発光体
7…第2の発光体、8,9…遮光部
20…制御基板、21…CPU、22…RAM
24…基準データ記憶部、a…紙幣

Claims (3)

  1. 可視光線と、赤外線または紫外線とを紙葉類に照射して、該紙葉類の真贋判定を行う紙葉類識別装置であって、
    前記紙葉類の搬送方向と交差する交差方向に延びるライン状の受光センサと、
    前記交差方向に延びるライン状であり、前記可視光線と、前記赤外線または紫外線とを前記紙葉類にそれぞれ照射し、前記受光センサにおける前記搬送方向の前後に、前記受光センサに近接するようにしてそれぞれ配置された第1および第2の発光体とを有し、
    前記受光センサと、前記第1および第2の発光体とが、前記交差方向に延びる基板に設けられていることを特徴とする紙葉類識別装置。
  2. 前記受光センサと、前記第1および第2の発光体との間に、前記交差方向に延びるライン状の遮光部をそれぞれ有することを特徴とする請求項1記載の紙葉類識別装置。
  3. 前記第1および第2の発光体が紙葉類に照射して反射された可視光線と、赤外線または紫外線とを前記受光センサが受光して出力される2つの受光データを合成するか、または差分をとって演算データを生成し、該演算データと、真贋判定に用いる基準データとの照合結果に基づき真贋判定が行われることを特徴とする請求項1または2記載の紙葉類識別装置。
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