JP2005234264A - 可変分散補償器およびこれを用いた光伝送システム - Google Patents

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俊彦 深町
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俊夫 勝山
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Abstract

【課題】透過型分散補償素子を光路に沿って直列に複数個並べ、分散補償量を可変するのに各素子の傾斜角度を変更しても光路シフトによる透過損失が生じない可変方式を有する透過型可変分散補償器およびシステムを提供する。
【解決手段】入射用光ファイバと出射用光ファイバとの間に、透過型分散補償素子を光路に沿って直列に並べ、それらのうちいくつかを傾斜させ、残りを逆方向へ傾斜させることにより分散補償量を可変する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は波長分散補償器に関し、特に光通信システムにおいて、光パルス伝送路における光ファイバなどの伝送媒体の分散補償量を可変する可変分散補償器に関する。
光ファイバ固有の波長分散のために歪んだ光信号を補償する分散補償器の役割は、光通信システムの長距離化・大容量化に伴い、益々重要となってきた。これまで小型化・低コスト化が可能な分散補償素子として特開2000−66002号公報、特開2000−121987号公報、特開2000−224109号公報、特開2002−243935号公報、さらには、特開2002−333536号公報の様な2種類以上の屈折率の異なる媒質の多次元構造、即ちフォトニック結晶や誘電体多層膜を用いた透過型分散補償器が考案されている。
しかし透過型分散補償素子に誘電体多層膜を利用する場合、技術的に多層膜厚は80μm程度と限りがあり、従って1つの誘電体多層膜で可能な分散補償量にも限界ができる。また膜厚を厚くするほど作製は難しくなり、作製時間も要するのでその分コストが高くなるだけでなく、各膜厚の誤差や誘電体多層膜自身が曇り易くなり透過損失も大きくなる。
この問題を解決するのに、コストが低くなる条件で大量に透過型分散補償素子を作製し、その素子を光路に沿って直列に配列することによって分散補償量を増大させた透過型分散補償器は容易に考えられる。図2は配列させる透過型分散補償素子の数と分散補償量の関係を示す図である。配列させる素子を増加させるほど、分散補償量が増大する様子がわかる。ただし、簡単のため配列させる各透過型分散補償素子は全て同じものとした。
特開2000−66002号公報
特開2000−121987号公報 特開2000−224109号公報 特開2002−243935号公報 特開2002−333536号公報
以上に従来の透過型分散補償器について説明したが、この透過型可変分散補償器の課題は以下の点である。
透過型分散補償器において、素子を光路に沿って直列に配列させただけでは所望の分散補償量を得ることはできない。なぜなら、例えば分散補償量が10ps/nmである2個の素子を光路に沿って直列配列した場合、得られる分散補償量は20ps/nmとなり、図2でも示したような飛び飛びの分散補償量しか得られないためである。そこで分散補償量が16ps/nmなどの中間の値を得るには、各素子の分散補償量を可変にする必要がある。
透過型分散補償素子の分散補償量を可変する1つの方法として素子を傾斜させる方法がある。例として分散補償素子が誘電体多層膜の場合を取り上げる。誘電体多層膜を光信号の入射方向に垂直な面に対し、角度φだけ傾斜させると、誘電体多層膜を構成する各膜の厚さが入射方向に対し1/cosφ倍となる。その結果、誘電体多層膜の透過波長帯域とともに分散もシフトし、分散補償量が変化する。φを大きくすると傾斜方向に関係なく、この波長帯域は短波長側へシフトする。
しかし、複数の透過型分散補償素子20−23を光路に沿って直列配列し、且つ、各素子の分散補償量を可変とするため、図3のように各素子20−23を傾斜させることが考えられる。図3で、10は入射用ファイバ、20,21,22および23は、それぞれ、透過型分散補償素子、11は出射用ファイバ、5は各素子を傾斜状態で保持可能な固定体、30は透過型分散補償素子20,21,22および23の傾き角を連動して制御する連動装置、1はケースである。連動装置30はケース1に固定され、透過型分散補償素子20,21,22および23の傾き角を連動して制御するとともに、所定の傾き角となったとき、固定体5により透過型分散補償素子20,21,22および23をその角度に保持する。
入射光は各素子を通過するごとにその表面と裏面で屈折するため、光路がA→B→C→D→Eのように大きくシフトして出射する(ここでは透過型分散補償素子の屈折率と膜厚を全て等しいとする)。このシフト量は1つの素子の傾斜角度φを大きくするほど、また素子の厚さを厚くするほど、さらに光路に沿って直列に配列する素子の数を増大させるほど大きくなる。その結果入射用ファイバと出射用ファイバとの光結合が悪くなり透過損失の増大を招く。同様な光路シフトは分散補償素子としてフォトニック結晶を用いた場合も起こる。この結果、傾斜角に応じて出射用ファイバ11の位置を決める必要があり、使い勝手が悪い。もっとも、出射用ファイバ11の前に出射光集光用レンズを設けることである程度の対応が可能であるが、大口径のレンズが必要であるとともに、効率が良くない。
一方、特開平5−5805号公報のように、波長可変フイルタの透過波長を制御するために、誘電体多層膜バンドパスフイルタの傾斜角を制御するとともに、これの挿入に伴う光路の変化を補償するために、傾斜角を逆に制御される光路補正板を挿入することが提案されている。この方法では、光路補正板は、単に光路の補正しかしないので、波長可変フイルタが大きくなってしまう欠点がある。
そこで本発明の目的は、偶数個の透過型分散補償素子を光路に沿って直列に配列させるとともに、この半数の透過型分散補償素子のグループをそれぞれ傾斜角がほぼ等しく、逆に配列させた透過型分散補償器とすることによって分散補償量を可変にするとともに、光路シフトを補正した透過型可変分散補償器を提供することにある。
本発明によれば、小型で分散補償量が可変できる分散補償器を得ることができる。さらに可変の際、光シフトによる結合損失をなくすことができる。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1による透過型可変分散補償器の構成を示す概念図である。この透過型可変分散補償器は、入射用ファイバ10、コリメータレンズ2、透過型分散補償素子20,21,22および23、出射光集光用レンズ3、出射用ファイバ11、各素子を傾斜可能な固定体5、透過型分散補償素子20,21,22および23の傾き角を連動して制御する連動装置30およびケース1から構成されている。連動装置30はケース1に固定され、透過型分散補償素子20,21,22および23の傾き角を連動して制御するとともに、所定の傾き角となったとき、固定体5により透過型分散補償素子20,21,22および23をその角度に保持する。
入射用ファイバ10の出射側に集光用レンズ2が配置され、その焦点は入射用ファイバ10の出射端面に一致させてある。出射用ファイバ11の入射側に出射光集光レンズ3が配置され、その焦点は出射用ファイバ11の入射端面に一致させてある。入射用ファイバ10、コリメータレンズ2、出射光集光用レンズ3、出射用ファイバ11の各光軸は互いに一致させてある。また、実施例1では透過型分散補償素子20,21,22および23はすべて同じ素子を用いた。
次に実施例1の各透過型分散補償素子を透過する光信号について説明する。入射用ファイバ10から出射した光信号はコリメータレンズ2によって平行光となり、透過型分散補償素子20を透過する。このとき分散補償する波長帯域は透過型分散補償素子20の傾斜角度φによって決まる。光信号の光路は、透過型分散補償素子20を傾斜させたとき、その表面と裏面で屈折するため、透過後、入射光路aに対して出射光路bはシフトする。光路bの光信号は、連動装置30により連動して傾斜した透過型分散補償素子21においてもその表面と裏面で屈折し、透過後光路cへシフトする。同様に連動装置30により連動して傾斜した透過型分散補償素子22と透過型分散補償素子23においても光路はシフトする。このとき連動装置30により透過型分散補償素子22と透過型分散補償素子23の傾斜方向をそれぞれ透過型分散補償素子20と透過型分散補償素子21とは逆方向にし、傾斜角度はほぼ同一にする。
このように素子20および21と素子22および23の傾斜方向を逆にすることにより、透過型分散補償素子20および21によって、ずれた出射光路は透過型分散補償素子22および23によって元に戻される。すなわち、光路aが光路b、光路cとずれたのに対して、光路d、光路eと回復して、光路aと光路eはほぼ同じとなる。透過型分散補償素子23から出射した光信号は、出射用集光レンズ3に入射し、出射用集光レンズ3によって出射用ファイバ11の入射端面のコアに入射することになる。したがって、出射光集光レンズ3と出射用ファイバ11への光信号のビーム径と入射光量は、傾斜角度φの変更にかかわらず常にほぼ同じ状態を維持できる。また、光路eの中心軸と出射光集光レンズ3の光軸とがほぼ一致するので光路シフトに起因する収差もなくなる。その結果、透過損失増大を生じさせずに、分散補償量を可変することができる。
図4は、図3で説明した分散補償器の光路シフト量と本発明の実施例1の光路シフト量を比較した結果示す図である。横軸に透過型分散補償素子数、縦軸に光路シフト量を示す。図3のように単に透過型分散補償素子を光路に沿って直列配列とし、同一方向に傾斜させただけでは、図2で説明したように、透過型分散補償素子の数を増大させるとともに光路シフト量が増大する。これに対し、実施例1では、最初の二つの分散補償素子によって増大した光路シフト量が次の二つの分散補償素子によって引き戻されるので、実質的な光路シフト量をなくすことができることがわかる。
なお、実施例1では、コリメータレンズ2と出射光集光用レンズ3との間にある4個の透過型分散補償素子は、同様な機能を有するならば必ずしも同一の素子を用いる必要はない。その場合、連動装置30により正の方向と負の方向に傾斜させる透過型分散補償素子の数と角度は必ずしも同一とならないので光路シフト量がなくなるように調節する必要がある。また正の方向と負の方向に傾斜させる透過型分散補償素子の順番は関係なく、結果として光路シフト量がなくなればよい。また、分散補償素子4個を用いたが、この数に限るものではない。なお、発散性が小さく指向性の強い光信号を扱う場合には、実施例1のコリメータレンズ2と出射用集光レンズ3とを省略してもよい。
透過型分散補償素子として誘電体多層膜を用いる場合、所望の特性を有するならば、特開2002−243935号公報のように誘電体多層膜の各光学膜厚をλ/4(λは入射光の波長)の整数倍に限定しなくともよい。ただし、透過率は高くなるように各素子の設計を行うことが好ましい。1種類の誘電体、もしくは2種類以上の誘電体多層膜の一部分に周期的、又は非周期的に穴や線などの欠陥を作製するなどによって、その部分の透過光に対する平均屈折率を変化させ、そのような部分を周期的、又は非周期的に作製することにより、擬似的に誘電体多層膜、フォトニック結晶もしくは結合欠陥型フォトニック結晶を作製したものでもよい。また各素子の表面と裏面にはアンチリフレクションコーティングが施されていることが望ましい。
(実施例2)
図5(a)は、本発明の実施例2による透過型可変分散補償器の構成を示す概念図である。実施例2で、実施例1と同じ参照符号を付したものは同じものまたは機能を果たすものである。図1と図5とを対比して明らかなように、実施例2では透過型分散補償素子20および21が固定具6に、透過型分散補償素子22および23が固定具6に、それぞれ平行を保って保持されている。固定具6および固定具6は、ケース1に保持されている支持具45に回転可能に保持されている支持具46に結合されている。また、固定具6および固定具6は比較的弱い力の引っ張りばね7により結合されている。そのため、固定具6および固定具6は、常時内側に引かれる力を受けていて、支持具46を回転中心として、固定具6は左回りの力を、固定具6は右回りの力を受けている。また、連動装置30は透過型分散補償素子21および透過型分散補償素子22に直接接触した駆動板33と、駆動板33の駆動軸32および駆動軸32の駆動部31とより構成されている。入射用ファイバ10と出射用ファイバ11間の光路は、図が煩雑となるので、光路aおよび光路eのみを示した。両者の光軸はほぼ一致させることは実施例1と同じである。
実施例2の駆動部31は、例えば、ウオームギヤで構成され、回転力が軸32を上下させるように作用するものとされる。軸32の上下に応じて、駆動板33の表面と透過型分散補償素子21および透過型分散補償素子22の接触位置が変化する。すなわち、駆動板33が上に移動すれば、φは大きくなり、下に移動すれば、φは小さくなる。これにより、分散量が補償できる。なお、駆動板33の上下への移動に応じて透過型分散補償素子21および透過型分散補償素子22の接触位置が変化するが、これは、固定具6および固定具6間の引っ張りばね7により作用している比較的弱い力で追従させるとともに、その位置に保持する機能を持つものとなる。
図5(b)は、駆動板33の具体例を説明する図であり、上段に平面図、下段に断面図を示す。上辺の長さがK、下辺の長さがLの断面が台形とされているので、軸32の上下動に応じて、透過型分散補償素子21および透過型分散補償素子22の傾きは変化する。
図5(c)は、駆動板33の他の具体例を説明する図であり、上段に平面図、下段に断面図を示す。この例は、短軸がR、長軸がRの楕円柱とした例である。この場合は、軸32の上下動は意味が無いので、駆動板33を回転させるように、駆動軸32および駆動部31を構成する。駆動板33の回転に応じて透過型分散補償素子21および透過型分散補償素子22の接触位置が変化するが、これは、固定具61および固定具6間の引っ張りばね7により作用している比較的弱い力で追従させるとともに、その位置に保持する機能を持つものとなる。
図5(b)および図5(c)のいずれの場合でも、駆動板33が光路の障害とならないような位置に設けられることは当然である。また、駆動板33の構造を図5(b)および図5(c)の組み合わせとしたものとすることもできる。こうすれば、回転と上下動での制御を組合せられるので、分散量の補償の制御をより精細にできる。
(実施例3)
図6は、本発明の実施例3による透過型可変分散補償器の構成を示す概念図である。実施例3で、実施例1と同じ参照符号を付したものは同じものまたは機能を果たすものである。実施例3では、各過型可変分散補償器20−23はケース1に支承された回転可能なホルダ8−8に、それぞれ、保持され、図に示す×印の位置を回転中心として回転可能とされる。また、各透過型分散補償素子20−23は、交互に、上下端を回転可能な連結部9−9を介して連結棒18−18で連結される。透過型分散補償素子20の下端は回転可能な連結部9を介して、操作棒37に連結される。操作棒37は駆動部31により、図に矢印で示す様に左右に駆動される。入射用ファイバ10と出射用ファイバ11間の光路は、図が煩雑となるので、光路aおよび光路eのみを示した。両者の光軸はほぼ一致させることは実施例1と同じである。
実施例3では、駆動部31により駆動される操作棒37の移動に応じて、各透過型分散補償素子20−23は、相互に逆方向に回転させられるので、それぞれの傾きは、相互に逆方向になる。すなわち、入射用ファイバ10から入射した光は、最初の透過型分散補償素子20では光路が上側に移動するように変化し、次の透過型分散補償素子21では光路が下側に移動するように変化する。同様に、次の透過型分散補償素子22では光路が上側に移動するように変化し、次の透過型分散補償素子23では光路が下側に移動するように変化する。結局、光路はほぼ元に戻り、傾きに応じた分散量のみが制御される。この操作は、各透過型分散補償素子20−23の傾きが図と逆方向に制御される場合でも、同様である。
(実施例4)
図7は、本発明の実施例4による透過型分散補償器の構成を示す概念図である。実施例4で、実施例3と同じ参照符号を付したものは同じものまたは機能を果たすものである。実施例4では、図6と図7とを対比して明らかなように、各透過型分散補償素子20−23を結合していた連結棒18−18は取り除かれている。各透過型分散補償素子20−23を連動させるために、これに代えて、各透過型分散補償素子20−23はケース1に支承された回転可能なホルダ25−25に、それぞれ、保持され、図に示す×印の位置を回転中心として回転可能とされる。さらに、ホルダ25−25は、隣接するホルダとギヤとして係合するものとされる。透過型分散補償素子20の下端のみが回転可能な連結部9を介して、操作棒37に連結される。操作棒37は駆動部31により、図に矢印で示す様に左右に駆動される。入射用ファイバ10と出射用ファイバ11間の光路は、図が煩雑となるので、光路aおよび光路eのみを示した。両者の光軸はほぼ一致させることは実施例1と同じである。
実施例4では、駆動部31により駆動される操作棒37の移動に応じて、透過型分散補償素子20が回転されると、この回転がホルダ25−25を介して−23は、他の透過型分散補償素子21−23に伝達されて、相互に逆方向に回転させられるので、それぞれの傾きは、相互に逆方向になる。すなわち、入射用ファイバ10から入射した光は、最初の透過型分散補償素子20では光路が上側に移動するように変化し、次の透過型分散補償素子21では光路が下側に移動するように変化する。同様に、次の透過型分散補償素子22では光路が上側に移動するように変化し、次の透過型分散補償素子23では光路が下側に移動するように変化する。結局、光路はほぼ元に戻り、傾きに応じた分散量のみが制御される。この操作は、各透過型分散補償素子20−23の傾きが図と逆方向に制御される場合でも、同様である。
(実施例5)
図8(a),(b)は、本発明の実施例5による透過型分散補償素子の構成とこれを利用した透過型分散補償器を示す概念図である。実施例5の透過型分散補償素子20は、図8(a)に示すように、ケース1に支承された回転可能なホルダ25に保持されるとともに、他端面に永久磁石35が取り付けられる。図8(a)の上段は平面図を、下段は側面図を示す。
図8(b)は、図8(a)に示した透過型分散補償素子20を利用して構成した透過型分散補償器を示す概念図である。この構成は、図7で説明した実施例4の透過型分散補償器と類似の構成であり、異なるのは、駆動部31により駆動される操作棒37に代えて、永久磁石35の磁束と鎖交する磁場を発生するソレノイド41が設けられていることである。すなわち、ソレノイド41の電流を制御することで、永久磁石35に力を作用させ、これで透過型分散補償素子20を傾かせるのである。そして、この傾きを実施例4と同様、回転可能なホルダ25−25に伝えて、他の透過型分散補償素子21−23を傾かせるのである。
図8(b)に示す構成で、全ての透過型分散補償素子20−23に、図8(a)に示すように、久磁石35を持たせ、ソレノイド41を全域に設けても良い。この場合は回転可能なホルダ25−25を省略することができる。なお、この場合、全ての久磁石35が同一方向の磁極を持つと、全ての透過型分散補償素子20−23が、同じ方向に傾き、図3のようになる。したがって、透過型分散補償素子20−23に付ける久磁石35は交互に磁極の極性が逆になるようにすることが必要である。
(その他)
上述の全ての実施例で透過型分散補償素子を偶数個として、半分ずつで、光路の変化を補償するものとした。これは、基本的には、同じ厚さおよび同じ特性の透過型分散補償素子を製作するほうが有利であるからであるが、要は、透過型分散補償素子が生じる光路のずれを、総合的に補償することができれば良いわけであるから、偶数個にこだわる必要は無い。
(実施例6)
次に、本発明の分散補償器を適用した光伝送システムを例示する。
図9は実施例1−5の可変分散補償器を用いた40Gbps/チャンネルの波長分割多重光伝送システムを示す図である。このシステムは送信装置50、伝送ファイバ路、受信装置52から構成される。送信装置50は各波長(チャンネル)ごとの電気―光変換器53、波長多重器54、光送信増幅器55から構成されるが、これらは通例のものを使用すれば十分である。使用波長は1.55μmを中心とした帯域とする。伝送ファイバ路には分散シフトファイバ51を用い、伝送距離は80kmである。受信装置52は光受信増幅器56、波長分離器57、実施例1に記載の本発明の可変分散補償器58、光―電気変換器59から構成される。多重されて伝送された光パルスを波長分離装置57で各波長に分割し、可変分散補償器58で各々のチャンネルで最適な分散補償を行う。
分散シフトファイバの分散は1.53−1.6μmで数ps/nm/km以下である。伝送距離80kmで、最大±200ps/nm程度の分散を受けるが、その値はチャンネル(波長)によって異なる。実施例1で詳細に説明したように、可変分散補償器58は可変幅±−160ps/nmであるから、全てのチャンネルに対して渡って分散をほぼ補償することが可能である。ここでは、実施例1の分散補償器を代表として例示したが、他の実施例で示された分散補償器を用いても同様な効果が得られることは勿論である。
(実施例7)
次に、本発明の可変分散補償器を適用した光伝送システムの他の実施例を例示する。
図10は本発明の可変分散補償器を用いた10Gbps/チャンネルの波長分割多重光伝送システムを示す図である。このシステムは送信装置50、伝送ファイバ路、受信装置60から構成される。送信装置50の構成は実施例5で例示したものと同様の構成である。伝送ファイバ路61には1.3μm帯に最低分散領域を持つシングルモードファイバを用い、伝送距離は80kmである。即ち本システムは既設のシングルモードファイバを用いて波長分割多重方式により大容量伝送を行う際に用いるシステムである。受信装置60は光受信増幅器56、波長分離装置57、実施例1に記載の本発明の可変分散補償器分散器62、光―電気変換器59から構成される。
本システムでは波長分離装置57の前段に可変分散補償器62を設置し、複数のチャンネルを一括して補償する。そのための分散補償器は、実施例1に示したものを使用した。この場合、分散補償器の構造パラメータを多少変え、図11に示した波長λと分散量Dの関係をもつものを用いた。このように、この分散補償器ではシングルモードファイバと逆向きの分散スロープを示し、効果的な分散補償が可能である。ここでは、実施例1の分散補償器を代表として例示したが、他の実施例で示された分散補償器を用いても同様な効果が得られることは勿論である。
本発明の実施例1による透過型可変分散補償器の構成を示す概念図である。 光路に沿って直列に配列させる透過型分散補償素子の数と分散補償量の関係を示す図である。 複数の透過型分散補償素子を光路に沿って直列配列し各素子を同一方向に傾斜させた分散補償器の概略を示す図である。 図3で説明した分散補償器の光路シフト量と本発明の実施例1の光路シフト量を比較した結果を示す図である。 (a)は、本発明の実施例2による透過型可変分散補償器の構成を示す概念図、(b)および(c)は実施例2で採用し得る駆動板の例を示す図である。 本発明の実施例3による透過型可変分散補償器の構成を示す概念図である。 本発明の実施例4による透過型可変分散補償器の構成を示す概念図である。 (a),(b)は、本発明の実施例5による透過型分散補償素子の構成とこれを利用した透過型分散補償器を示す概念図である。 実施例1−5の可変分散補償器を用いた40Gbps/チャンネルの波長分割多重光伝送システムを示す図である。 本発明の可変分散補償器を用いた10Gbps/チャンネルの波長分割多重光伝送システムを示す図である。 実施例7で採用した分散補償器の波長λと分散量Dの関係を示す図である。
符号の説明
1…ケース、2…コリメータレンズ、3…出射光集光用レンズ、5…素子を傾斜可能な固定体、6,6…固定具、7…引っ張りばね、8−8…回転可能なホルダ、9−9…回転可能な連結部、10…入射用ファイバ、11…出射用ファイバ、18−18…連結棒、20…透過型分散補償素子、21…透過型分散補償素子、22…透過型分散補償素子、23…透過型分散補償素子、25−25…ホルダ(ギア)、30…連動装置、31…駆動部、32…駆動軸、33…駆動板、35…磁石、41…ソレノイド、45…支持具、46…回転可能に保持されている支持具、50…送信装置、51…分散シフトファイバ、52…受信装置、53…電気―光変換器、54…波長多重器、55…光送信増幅器、56…光受信増幅器、57…波長分離器、58…可変分散補償器、59…光―電気変換器、60…受信装置、61…シングルモードファイバ、62…可変分散補償器。

Claims (5)

  1. 入射用ファイバの出射側と出射用ファイバの入射側との間に、複数個の透過型分散補償素子を光路に沿って直列に配置されてなる透過型分散補償器であって、前記複数個の透過型分散補償素子のそれぞれが生じる光路の変化を総合的に打ち消して、入射用ファイバの出射側の光路と出射用ファイバの入射側の光路が実質的に同じになるようにしたことを特徴とした透過型可変分散補償器。
  2. 前記複数個の透過型分散補償素子の内の一部を同一方向へ傾斜させ、残りを逆方向へ傾斜させるとともに、前記複数個の透過型分散補償素子のそれぞれが生じる光路の変化が総合的に打ち消されるものとした請求項1記載の透過型可変分散補償器。
  3. 前記複数個の透過型分散補償素子の一端を回転自在に支承し、他端を構造物に接触させて、前記透過型分散補償素子を傾斜させるとともに、前記複数個の透過型分散補償素子のそれぞれが生じる光路の変化が総合的に打ち消されるものとした請求項1記載の透過型可変分散補償器。
  4. 前記複数個の透過型可変分散補償素子のそれぞれの中心部が回転自在に支承されるとともに、一つの透過型分散補償素子に加えられた回転力が、他の透過型可変分散補償素子に加えられる構成とするとともに、前記透過型分散補償素子複数個のそれぞれが生じる光路の変化が総合的に打ち消されるものとした請求項1記載の透過型可変分散補償器。
  5. 前記一つの透過型分散補償素子に加えられる回転力が機械的な往復動によるもの、または、過型可変分散補償素子に付加された永久磁石とこれと鎖交する磁場とによるものである請求項4記載の透過型可変分散補償器。
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