JP2005233086A - 蒸発燃料供給装置 - Google Patents

蒸発燃料供給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005233086A
JP2005233086A JP2004043380A JP2004043380A JP2005233086A JP 2005233086 A JP2005233086 A JP 2005233086A JP 2004043380 A JP2004043380 A JP 2004043380A JP 2004043380 A JP2004043380 A JP 2004043380A JP 2005233086 A JP2005233086 A JP 2005233086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
storage chamber
evaporated fuel
evaporative fuel
evaporative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004043380A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Hyodo
義彦 兵道
Akinori Osanai
昭憲 長内
Mamoru Yoshioka
衛 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004043380A priority Critical patent/JP2005233086A/ja
Publication of JP2005233086A publication Critical patent/JP2005233086A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Abstract

【課題】 この発明は、内燃機関に対して蒸発燃料を供給する蒸発燃料供給装置に関し、十分な量の蒸発燃料を予め蓄えておくことを目的とする。
【解決手段】 蒸発燃料の透過を許容する分離膜18と、分離膜18により少なくとも一部が覆われた蒸発燃料貯留室20とを有する蒸発燃料分離ユニット16を設ける。蒸発燃料貯留室20を、パージ通路22を介して内燃機関の吸気通路26に連通させる。パージ通路22の途中に、パージガスの流れを制御するための流量コントロールバルブ24を設ける。蒸発燃料分離ユニット16は、燃料タンク10の内部空間に配置する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、蒸発燃料供給装置に係り、特に、燃料の蒸発燃料を予め蓄えておき、必要に応じてその蒸発燃料を内燃機関に供給するための蒸発燃料供給装置に関する。
従来、例えば特開平4−194356号公報に開示されるように、活性炭を内蔵するキャニスタを備え、燃料タンクの内部で発生する蒸発燃料を、そのキャニスタにより捕獲するシステムが知られている。キャニスタにより捕獲された蒸発燃料は、所定の運転条件下でパージされ、内燃機関に吸入される。このようなシステムによれば、蒸発燃料の大気放出を防止して、内燃機関に対して良好なエミッション特性を付与することができる。
特開平4−194356号公報
ところで、蒸発燃料は、既にガス化しているため、液状の燃料よりも優れた燃焼性を示す。このため、内燃機関の冷間始動時など、安定した燃焼の確保が難しい条件下では、内燃機関に対して、液状燃料に代えて蒸発燃料を供給することが望ましい。しかしながら、このような要求を満たすためには、内燃機関の始動に先立って、十分な量の蒸発燃料を蓄えておくことが必要である。
上述した従来のシステムは、燃料タンクに対してベーパ通路を介してキャニスタを連通する構成を有している。このような構成によると、キャニスタに向かって流出する蒸発燃料の量は、ベーパ通路の径により制約を受けることとなる。このため、上記従来のシステムでは、多量の蒸発燃料を予め蓄えておくことが困難であった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関に供給するべき蒸発燃料を、予め多量に蓄えておくことのできる蒸発燃料供給装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、蒸発燃料供給装置であって、
蒸発燃料の透過を許容する分離膜と、当該分離膜により少なくとも一部が覆われた蒸発燃料貯留室とを有する蒸発燃料分離ユニットと、
前記蒸発燃料分離ユニットに蓄えられた蒸発燃料を内燃機関に供給する蒸発燃料供給機構とを備え、
前記蒸発燃料分離ユニットが、燃料タンクの内部空間に配置されていることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記分離膜の表面に配置され、当該分離膜の表面に液状燃料が付着するのを防止する保護膜を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記分離膜は、主として蒸発燃料中の低沸点成分を透過させる特性を有し、前記蒸発燃料分離ユニットには、主としてその低沸点成分が貯留されることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記分離膜は、前記蒸発燃料貯留室の内圧と前記燃料タンクの内圧とに差が生じた場合に、低圧側の空間に向かって凸となるような柔軟性を有し、
前記分離膜の変形量を規制するための膜変形規制機構を有することを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、前記膜変形規制機構は、前記蒸発燃料貯留室の内部に、前記分離膜に対して所定の変形を許容するように配置された活性炭を含むことを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記蒸発燃料供給機構は、
内燃機関の吸気負圧を前記蒸発燃料貯留室に導くための負圧導入機構と、
前記蒸発燃料貯留室に大気を導くための大気導入機構と、
前記蒸発燃料貯留室に吸気負圧と大気の双方を導入することにより、前記蒸発燃料貯留室内の蒸発燃料を内燃機関に供給する供給制御手段とを備え、
内燃機関への前記蒸発燃料の供給が終了した後に、前記蒸発燃料貯留室への大気の導入を停止する大気導入停止手段と、
前記蒸発燃料貯留室への大気導入が禁止された後、その内部に所定の負圧が蓄えられた時点で、当該蒸発燃料貯留室への負圧導入を停止する負圧導入停止手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
燃料中の蒸発燃料を吸着する活性炭を内蔵し、前記蒸発燃料貯留室と連通するように配置されたキャニスタと、
前記キャニスタと大気との導通を制御するキャニスタ封鎖弁と、
前記キャニスタと燃料タンクとを連通するベーパ通路と、
前記ベーパ通路の導通を制御するタンク封鎖弁と、
所定条件下でのみ前記タンク封鎖弁を開弁させるタンク封鎖弁制御手段と、
を備え、
前記蒸発燃料供給機構は、
内燃機関の吸気負圧を前記蒸発燃料貯留室および前記キャニスタに導くための負圧導入機構と、
前記キャニスタへの大気導入を許容しつつ、当該キャニスタおよび前記蒸発燃料貯留室に吸気負圧を導入することにより、前記蒸発燃料貯留室内の蒸発燃料および前記キャニスタ内の蒸発燃料を内燃機関に供給する供給制御手段とを備え、
内燃機関への前記蒸発燃料の供給が終了した後に、前記キャニスタ封鎖弁および前記タンク封鎖弁の双方が閉じた大気導入停止状態を形成する大気導入停止手段と、
前大気導入停止状態が形成された後、前記蒸発燃料貯留室の内部に所定の負圧が蓄えられた時点で、当該蒸発燃料貯留室への負圧導入を停止する負圧導入停止手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第3乃至第7の発明の何れかにおいて、
前記蒸発燃料供給機構は、前記蒸発燃料分離ユニットに蓄えられている蒸発燃料を、パージガスの形態で内燃機関に供給するパージガス供給手段を含み、
外気温を検出する外気温検出手段と、
前記パージガス中の燃料濃度を外気温に基づいて推定する燃料濃度推定手段とを含み、
前記パージガス供給手段は、燃料濃度の推定値に基づいて、前記パージガスの流量を制御するパージ流量制御手段を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、分離膜に覆われた蒸発燃料貯留室を有する蒸発燃料分離ユニットが、燃料タンクの内部空間に配置される。この場合、燃料タンクの内部において、分離膜に対して大きな面積を与えることができる。分離膜が大きな面積を有するほど、分離される蒸発燃料は多量となり、蒸発燃料貯留室の中に蓄えられる蒸発燃料量も多くなる。このため、本発明によれば、内燃機関に供給すべき蒸発燃料を、その供給に先立って、十分に貯留しておくことができる。
第2の発明によれば、保護膜の作用により、分離膜の表面が液状燃料で濡れてしまうのを防ぐことができる。分離膜の能力は、その表面に液状燃料が付着すると低下し易い。本発明によれば、そのような能力低下を避けることができるため、初期の性能を長期に渡って維持させることができる。
第3の発明によれば、蒸発燃料分離ユニット中に主として燃料中の低沸点成分を蓄えておくことができる。低沸点成分は、冷間運転時に内燃機関に供給されても、吸気通路の内部等で再凝縮することはない。このため、本発明によれば、冷間運転時に、ガス化燃料を安定的に内燃機関に供給し得る蒸発燃料供給装置を実現することができる。
第4の発明によれば、蒸発燃料貯留室の内圧と燃料タンクの内圧とに差が生じた場合に、低圧側の空間に向かって凸となるように分離膜を変形させることができる。分離膜がこのような変形を示すと、その両側の差圧が緩和されるため、内燃機関の耐圧要求を下げておくことができる。一方、本発明によれば、膜変形規制機構の機能により、分離膜の変形量を規制することができるため、分離膜の破損を有効に防ぐことができる。
第5の発明によれば、蒸発燃料貯留室の内部に配置した活性炭により、分離膜の変形を規制することができる。また、この場合、蒸発燃料貯留室に流入した蒸発燃料を活性炭に吸着させることができる。蒸発燃料貯留室に流入した蒸発燃料が活性炭に吸着されると、その室内の蒸発燃料濃度の上昇、およびその室内の圧力上昇が共に抑えられる。分離膜は、それらの上昇が抑えられるほど、高い蒸発燃料分離能力を発揮する。このため、本発明によれば、蒸発燃料貯留室内に、蒸発燃料を多量に貯留することができる。
第6の発明によれば、蒸発燃料貯留室に吸気負圧と大気の双方を導入することにより、その中に蓄えられている蒸発燃料を内燃機関に供給することができる。また、蒸発燃料の供給が終了した後は、先ず、蒸発燃料貯留室への大気の導入を停止し、その後適当なタイミングで吸気負圧の導入を停止することにより、蒸発燃料貯留室の中を適当な負圧状態とすることができる。この場合、分離膜の両側に差圧が発生することから、分離膜は、効率的に、燃料タンク内の蒸発燃料を蒸発燃料貯留室内に取り込むことができる。このため、本発明によれば、蒸発燃料貯留室内に蒸発燃料を多量に蓄えておくことができる。
第7の発明によれば、蒸発燃料貯留室に導かれた蒸発燃料をキャニスタにより捕獲することができる。その結果、蒸発燃料貯留室内の蒸発燃料濃度の上昇、およびその圧力上昇が共に抑えられ、蒸発燃料を多量に蓄えるうえで好適な状態が形成される。また、本発明によれば、キャニスタへの大気導入を許容しつつ、キャニスタおよび蒸発燃料貯留室の双方に吸気負圧を導入することで、それらに蓄えられている蒸発燃料を適正に内燃機関に供給することができる。更に、本発明によれば、蒸発燃料の供給が終了した後は、先ず、キャニスタへの大気流入を禁止し、その後適当なタイミングで吸気負圧の導入を停止することにより、蒸発燃料貯留室の中を適当な負圧状態とすることができる。このため、本発明によれば、蒸発燃料の分離を効率的に進めることができ、蒸発燃料を多量に貯留しておくことができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、燃料タンク10を備えている。燃料タンク10には、燃料の給油口12が開口している。また、燃料タンク10の内部には、燃料をフィードするための燃料ポンプ14、および蒸発燃料を蓄えるための蒸発燃料分離ユニット16が配置されている。尚、本実施形態では、燃料タンク10が図示しないキャニスタ等を介して大気に開放されており、タンク内圧Ptは、常時大気圧近傍に維持されているものとする。
蒸発燃料分離ユニット16は、燃料タンク10の上壁に固定された金属の枠組みと、その枠組みの側面および底面を被覆する壁面とで構成されている。蒸発燃料分離ユニット16の壁面の少なくとも一部は分離膜18により構成されている。図1に示す例では、具体的には、蒸発燃料分離ユニット16の底面が分離膜18により構成されている。以下、分離膜18の上方に確保される空間、つまり、蒸発燃料分離ユニット16内部の空間を、「蒸発燃料貯留室20」と称す。
分離膜18は、空気と蒸発燃料との混合ガスから蒸発燃料を分離する膜、より詳細には、蒸発成分中の低沸点成分を主として分離する膜である。この分離膜18は、「石油学会、ペトロテック(PETROTECH)第22巻第2号(1999)」に開示されるような膜により、具体的には、例えば日東電工(株)製「有機ガス分離膜(商品名)」により実現することができる。
分離膜18は、ある程度の伸縮が可能な程度の柔軟性を有している。このため、燃料タンク10の内圧と蒸発燃料貯留室20の内圧とに差が生ずると、分離膜18には、低圧側に凸となるような変形が生ずる。蒸発燃料分離ユニット16には、その変形をある程度許容し、かつ、過度の変形を規制するための膜変形ストッパーが設けられている。このため、分離膜18が変形により破損することはない。
また、分離膜18は、上記の変形により膜厚が薄くなるほど、蒸発燃料の分離能力を高めるという特性を有している。このため、燃料タンク10側が高圧となり、分離膜18が蒸発燃料貯留室10側に張り出すような状況下では、燃料タンク10内の蒸発燃料が分離膜18を透過して、効率的に蒸発燃料貯留室20側に集められる。
蒸発燃料分離ユニット16は、分離膜18が液体燃料に浸るのを避けるために、燃料タンク10の上面に固定されている。更に、分離膜18の表面には、液状燃料の付着を防ぐための保護ネット(図示せず)が装着されている。この保護ネットは、ナイロン或いはアクリル樹脂をメッシュ状に織り上げたものであり、液状燃料が分離膜18の表面状に長期に渡って残存するのを効率的に防ぐことができる。分離膜18の蒸発燃料分離能力は、その表面が液状燃料で濡れることにより低下する。上記の構成によれば、そのような能力低下を十分に阻止して、分離膜18に、高い分離能力を維持させ続けることができる。
蒸発燃料分離ユニット16には、パージ通路22が連通している。パージ通路22は、流量コントロールバルブ24が連通している。また、流量コントロールバルブ24は、内燃機関の吸気通路26に連通している。吸気通路26には、エアフィルタ28やスロットルバルブ30が設けられている。上記の流量コントロールバルブ24は、スロットルバルブ30の下流、つまり、吸気負圧の存在する位置において、吸気通路26に連通している。
吸気通路26は、サージタンク29を介して吸気ポート28に連通している。吸気ポート28には、その中に燃料を噴射するための燃料噴射弁32が配置されている。燃料噴射弁32は、燃料ポンプ14から所定の圧力で液体燃料の供給を受けており、外部から供給される信号を受けて弁機構を開弁させることにより、その液体燃料を吸気ポート30内に噴射することができる。
図1に示すシステムは、ECU40(Electronic Control Valve)を備えている。ECU40は、図示しない各種のセンサ入力に基づいて、内燃機関の運転状態を検知することができる。また、ECU40は、検知した運転状態に基づいて、上記の流量コントロールバルブ24の状態を制御することができる。
[実施の形態1の動作]
本実施形態のシステムによれば、燃料タンク10の内部で発生した蒸発燃料を、蒸発燃料分離ユニット16の内部、つまり、蒸発燃料貯留室20に蓄えておくことができる。ここには、主として燃料中の低沸点成分が蓄えられているため、その蒸発燃料は、内燃機関の冷間始動時など、低温環境下で吸気通路26に供給されても再凝縮により液滴化することはない。
一方、燃料噴射弁32から噴射される液滴燃料は、低温環境下では気化し難く、吸気ポート30の中で液滴のまま存在し易い。十分にガス化した燃料は、空気と混ざり易いため、液滴状態の燃料に比して良好な燃焼性を示す。このため、内燃機関の冷間始動時など、低温環境下で内燃機関を安定的に作動させるためには、燃料噴射弁32から液状燃料を供給するより、蒸発燃料貯留ユニット16から蒸発燃料を供給する方が望ましい。
ところで、内燃機関の始動に必要な燃料を蒸発燃料により賄うためには、蒸発燃料貯留ユニット16の中に、蒸発燃料を十分に蓄えておくことが必要である(第1の要求)。また、冷間始動時に、吸気通路26の内部で蒸発燃料が再凝縮するのを避けるためには、そこに供給する蒸発燃料を、主として低沸点成分を含むものとしておくことが必要である(第2の要求)。
蒸発燃料を蓄えておくためのユニットを、管路を介して燃料タンクに接続させるようなシステム(以下、「対比ユニット」と称す)では、燃料タンクからそのユニットへ向かう蒸発燃料の流れが管路の径により規制される。このような規制が存在する状況下では、蒸発燃料を蓄えるためのユニットに蒸発燃料を多量に導くこと自体が困難である。このため、上述した対比システムによっては、上記第1の要求を満たすことが必ずしも容易ではない。
また、上述した対比システムでは、蒸発燃料を貯留しておくユニットまでは、高沸点成分と低沸点成分の双方を含む蒸発燃料が導かれざるを得ない。このような状況下で上記第2の要求を満たそうとすれば、必然的に、そのユニットの内部または近傍に、燃料中の高沸点成分のみが残されることとなる。このため、対比システムにおいては、残存した高沸点成分を処理するための何らかの機構が必要となる。
これに対して、本実施形態のシステムでは、蒸発燃料分離ユニット16を燃料タンク10の内部に配置し、また、分離膜18に大きな面積を与えることとしている。このような構成によれば、燃料タンク10内のガスは、管路に制約されることなく分離膜18に辿り着くことができる。そして、分離膜18が大きな面積を有していることから、広範な領域で、効率的に蒸発燃料の分離を行うことができる。このため、本実施形態のシステムによれば、蒸発燃料貯留ユニット16の中に、蒸発燃料を多量に蓄えることができる。
更に、本実施形態のシステムでは、蒸発燃料の分離、つまり低沸点成分の分離が燃料タンク10の中で行われる。この場合、その分離の結果として残存した高沸点成分は、そもそも燃料タンク10の中に存在しているため、特別に処理する必要がない。このため、本実施形態のシステムによれば、高沸点成分を処理するための特別な機構を準備することなく、低沸点成分のみを内燃機関に供給することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
以上説明した通り、本実施形態のシステムは、蒸発燃料分離ユニット16の中に蒸発燃料を多量に蓄えるのに適した特性、および高沸点成分を処理するための特別な機構を必要としないという特性を有している。ECU40は、これらの特性を前提として、内燃機関の始動に先立って蒸発燃料分離ユニット16内に蒸発燃料を多量に蓄えておき、その始動の際には、必要な燃料を蒸発燃料により賄うための処理を実行する。
図2は、本実施形態においてECU40が実行する処理の内容を説明するためのフローチャートである。図2に示すルーチンでは、先ず、内燃機関が始動したか否かが判別される(ステップ100)。その結果、内燃機関の始動が認められた場合は、次に、流量コントロールバルブ24を開いて、適当量のパージガスを流通させるための制御が実行される(ステップ102)。
内燃機関の始動後に流量コントロールバルブ24が開かれると、吸気通路26の内部に発生している吸気負圧が蒸発燃料分離ユニット16に導入され、その内部に蓄えられている蒸発燃料が吸気通路26にパージされる。この場合、燃焼性に優れたガス化燃料が筒内に吸入されることとなり、内燃機関において、良好な始動性が実現され、また、優れたエミッション特性が実現される。
内燃機関に対してガス化燃料を供給すべき所定期間、或いはガス化燃料が供給できる所定期間が経過すると(ステップ104)、流量コントロールバルブ24が閉じられ(ステップ106)、蒸発燃料のパージが終了される。以後、内燃機関に対しては、燃料噴射弁32により所望量の燃料が供給される。
上記ステップ106の処理により流量コントロールバルブ24が閉じられた段階で、蒸発燃料分離ユニット16の中には、ある程度の負圧が蓄えられている。つまり、その段階では、燃料タンク10の内圧に比して、蒸発燃料貯留室20の内圧が十分に低圧とされている。このような差圧が生じている環境下では、分離膜18は、燃料タンク10内の蒸発燃料(低沸点成分)を、効率的に分離して蒸発燃料貯留室20に取り込む。その結果、蒸発燃料分離ユニット16の内部には、次回の始動に必要な蒸発燃料が十分に蓄えられる。
ところで、上述した実施の形態1においては、分離膜18を、蒸発燃料貯留室20の底面にのみ配置することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、分離膜18は、蒸発燃料貯留室20の側面に配置することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1では、「蒸発燃料貯留室20」は、蒸発燃料を長期間に渡って貯留する室として機能しているが、燃料タンク10の内部に設ける「蒸発燃料貯留室」は、必ずしも長期間に渡って蒸発燃料を貯留するものでなくてもよい。つまり、ここでは、分離膜18に大きな面積を与えるために蒸発燃料貯留室20を燃料タンク10の内部に設けているだけであり、分離膜18を通過した蒸発燃料は、蒸発燃料貯留室20を通過させて、燃料タンク10の外部で長期間貯留することとしてもよい。この点は、以下に説明する全ての実施形態についても共通である。
尚、上述した実施の形態1においては、パージ通路22および流量コントロールバルブ24が前記第1の発明における「蒸発燃料供給機構」に相当している。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図3および図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。図3は、本発明の実施の形態2の構成を説明するための図である。尚、図3において、図1に示す構成要素と共通するものについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図3に示す構成は、蒸発燃料分離ユニット16の中に活性炭42が充填されている点、および、蒸発燃料貯留室20を大気に開放するためのVSV(Vacuum Switching Valve)44が設けられている点を除き、図1に示す構成と同様である。活性炭42は、無変形時における分離膜18との間に所定の距離が確保されるように充填されている。このため、分離膜18は、蒸発燃料貯留室20の内部に向かって適度にたわむことができ、その結果、実施の形態1の場合と同様の蒸発燃料分離能力を発揮することができる。
VSV44は、通常は閉弁状態を維持する常時閉タイプの弁機構であり、ECU40から開信号が発せられると、その信号を受けて開弁状態となる。VSV44が開弁すると、蒸発燃料貯留室20は、大気に開放された状態となる。
本実施形態のシステムでは、分離膜18により分離され、蒸発燃料貯留室20に取り込まれた蒸発燃料は活性炭42が吸着される。蒸発燃料は、活性炭42に吸着されると、その体積を大きく減少させる。このため、本実施形態のシステムでは、実施の形態1の場合に比して、蒸発燃料の流入に伴う蒸発燃料貯留室20の圧力上昇傾向を緩やかにすることができる。
分離膜18は、燃料タンク10の圧力が蒸発燃料貯留室20の圧力に比して高いほど、効率的に燃料タンク10内の蒸発燃料を蒸発燃料貯留室20に取り込むことができる。そして、蒸発燃料貯留室20に取り込まれた蒸発燃料が活性炭42に吸着され、その結果蒸発燃料貯留室20の圧力上昇傾向が緩やかになれば、長期間に渡って分離膜18に高い分離能力を発揮させることができ、蒸発燃料貯留室20に貯留される燃料量を増やすことができる。このため、本実施形態のシステムによれば、実施の形態1の場合に比して、より多くの蒸発燃料を蒸発燃料分離ユニット16内に蓄えておくことができる。
[実施の形態2における具体的処理]
図4は、本実施形態においてECU40が実行する処理の内容を説明するためのフローチャートである。尚、図4において、上記図2に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
すなわち、図4に示すルーチンでは、ステップ100において内燃機関の始動が認められた場合、その後、ステップ102において流量コントロールバルブ24の制御が開始された後、VSV44を開く処理が行われる(ステップ110)。VSV44が開弁すると、蒸発燃料貯留室20に空気が流入し始め、活性炭42に吸着されている蒸発燃料、つまり低沸点成分が、吸気通路26にパージされる。
その後、ステップ104の処理により、パージを継続すべき所定時間の経過が判定されると、先ず、VSV44が閉弁状態とされる(ステップ112)。VSV44が閉じられると、蒸発燃料貯留室20が大気から遮断され、その内部が負圧化し始める。その後、適当な負圧を蓄えるための所定時間が経過すると(ステップ114)、ステップ106により、流量コントロールバルブ24が閉弁状態とされる。
以上の処理によれば、内燃機関が始動された後、蒸発燃料貯留室20内の活性炭42に吸着されている十分な量の蒸発燃料を内燃機関に供給することができる。また、その蒸発燃料の供給が終了した後は、蒸発燃料貯留室20を適当に負圧化した後に、流量コントロールバルブ24を閉じることができる。蒸発燃料貯留室20が負圧化された状態では、燃料タンク10内の蒸発燃料が、分離膜18により効率的に蒸発燃料貯留室20の内部に取り込まれる。この際、取り込まれた蒸発燃料が活性炭42に吸着されることにより、蒸発燃料貯留室20内の圧力上昇が抑えられるため、分離膜18は、長期間に渡って効率的に蒸発燃料を取り込み続ける。その結果、本実施形態のシステムによれば、実施の形態1の場合に比して更に多量の蒸発燃料を、蒸発燃料貯留室16内に蓄えることができる。
尚、上述した実施の形態2においては、活性炭42が、前記第4の発明における「膜変形規制機構」を実現している。また、ここでは、流量コントロールバルブ24およびパージ通路22が前記第6の発明における「負圧導入機構」に、VSV44が前記第6の発明における「大気導入機構」に、それぞれ相当していると共に、ECU40が、上記ステップ102および110の処理を実行することにより前記第6の発明における「供給制御手段」が、上記ステップ112の処理を実行することにより前記第6の発明における「大気導入停止手段」が、上記ステップ114および106の処理を実行することにより前記第6の発明における「負圧導入停止手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
[実施の形態3の特徴]
次に、図5および図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。図5は、本発明の実施の形態3の構成を説明するための図である。尚、図5において、図1に示す構成要素と共通するものについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図5に示す構成は、キャニスタ46を備えている。キャニスタ46は、パージ通路22に連通するパージポート48と、大気に開放された大気ポート50を備えている。また、キャニスタ46は、ベーパ通路52を介して燃料タンク10に連通している。ベーパ通路52の端部には、燃料タンク10を密閉するための封鎖弁54が配置されている。封鎖弁54は、通常は閉弁状態を維持する常時閉タイプの弁機構であり、ECU40から開信号が発せられると、その信号を受けて開弁状態となる。
図5に示す構成は、上述したキャニスタ46および封鎖弁54を備えている点、および封鎖弁54が閉じると燃料タンク10が大気から遮断された状態になる点、つまり、燃料タンク10がいわゆる密閉タイプのタンクである点を除いて、実質的には図1に示す構成と同様である。
図5に示すシステムにおいて、蒸発燃料貯留室16は、キャニスタ46の大気孔50を通じて常に大気に開放されている。このため、分離膜18の両側には、タンク内圧Ptと大気圧とが作用する。このような状況下では、分離膜18は、タンク内圧Ptが高圧になるほど効率的に蒸発燃料を蒸発燃料貯留室20に取り込むことができる。
封鎖弁54は、給油時を除いて原則として閉弁状態に維持される。つまり、燃料タンク10は、原則として密閉状態に維持される。この場合、タンク内圧Ptは、内燃機関の運転中など、燃料温度が上昇する状況下では大気圧より高圧となる。本実施形態のシステムによれば、このような状況下で分離膜18に効率的に蒸発燃料分離能力を発揮させることができ、多量の蒸発燃料を、効率的に蒸発燃料貯留室20に取り込むことができる。
本実施形態のシステムにおいて、蒸発燃料貯留室20は、常にキャニスタ46と導通している。このため、蒸発燃料貯留室20に取り込まれた蒸発燃料は、キャニスタ46内の活性炭に吸着される。その結果、本実施形態のシステムにおいても、実施の形態2の場合と同様に、内燃機関の始動に先立って、多量の蒸発燃料を蓄えておくことができる。
[実施の形態3における具体的処理」
図6(A)および図6(B)は、それぞれ、本実施形態においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。図6(A)は、より具体的には、流量コントロールバルブ24を制御するためのフローチャートであり、一方、図6(B)は、封鎖弁54を制御するためのフローチャートである。
図6(B)に示すルーチンでは、先ず、公知の手法により、給油中であるか否かが判別される(ステップ120)。給油中であるか否かは、例えば、リッドカバーの開閉状態をセンサにより監視したり、或いは、給油の実行に伴うタンク内圧Ptの上昇をセンサにより監視したりすることで判断することができる。
給油中であるとの判断がなされた場合は、封鎖弁54が開弁される(ステップ122)。封鎖弁54が開弁すると、燃料タンク10がキャニスタ46に導通して、タンク内のガスがキャニスタ46に流入し得る状態となる。給油の際にこのような状態が形成されると、タンク内の蒸発燃料がキャニスタ46に流入することでタンク内圧Ptの上昇が抑えられ、蒸発燃料を大気に放出することなく、円滑に給油を進めることができる。
上記ステップ120において、給油の実行が認められなかった場合は、封鎖弁54が閉弁状態とされる(ステップ124)。封鎖弁54が常に開弁しているとすれば、タンク内温度が上昇したような場合に、高沸点成分をも含む蒸発燃料が多量にキャニスタ46に流入することになる。この場合、蒸発燃料の大気流出を防ぐために、キャニスタ46を十分に大きなものとする必要が生じると共に、冷間始動時に、高い比率で高沸点成分を含むパージガスが、つまり再凝縮する可能性のある成分を高い比率で含むパージガスが内燃機関に供給されることになる。
これに対して、給油時以外は封鎖弁54を閉じておくこととすれば、キャニスタ46に流入する蒸発燃料を、給油時に燃料タンク10から押し出されてくる蒸発燃料と、蒸発燃料分離ユニット16により分離された低沸点成分のみに限ることができる。この場合、キャニスタ46の体格を小さくすることができる。
また、燃料タンク10からキャニスタ46に直接流入する蒸発燃料が、給油に伴うものだけに限定されていれば、キャニスタ46に蓄えられる蒸発燃料は、主として低沸点成分を含むものとなる。一方で、そのような直接流入が生じれば、キャニスタ46に蓄えられる蒸発燃料の総量は増加する。このため、本実施形態のシステムによれば、内燃機関に供給されるパージガスを、主として低沸点成分を含むもの、つまり、冷間始動時にも殆ど再凝縮することのないものとしておきつつ、内燃機関の始動に備えて蓄え得る蒸発燃料を、実施の形態1または2の場合に比して更に多量とすることができる。
図6(A)に示すルーチンは、実質的に図2に示すルーチンと同様である。すなわち、このルーチンによれば、内燃機関の始動後(ステップ100)、内燃機関に対して蒸発燃料を供給すべき所定の時間だけ流量コントロールバルブ24が開弁状態とされる(ステップ102〜106)。
上記ステップ102の処理により流量コントロールバルブ24が開かれると、パージ通路22を通って、蒸発燃料貯留室20およびキャニスタ46の双方に吸気負圧が導かれる。蒸発燃料貯留室20に吸気負圧が導かれると、そこに蓄えられている蒸発燃料は、吸気通路26にパージされる。一方、キャニスタ46に吸気負圧が導かれると、大気孔50からの空気の流れが生じ、その結果、そこに吸着されている蒸発燃料が空気と共に吸気通路26にパージされる。このため、本実施形態のシステムによれば、内燃機関の始動時に、十分な量の蒸発燃料を吸気通路26に供給することができる。
上記ステップ106の処理により、流量コントロールバルブ24が閉じられると、その後、燃料タンク10は密閉された状態となる。このため、燃料温度の上昇に伴ってタンク内で蒸発燃料が発生すると、タンク内圧Ptは大気圧より高圧となる。蒸発燃料貯留室20は、大気に開放されているため、タンク内圧Ptが大気圧より高圧となれば、分離膜18は、蒸発燃料中の低沸点成分を効率的に蒸発燃料貯留室20に取り込む。
この際、分離膜18には、蒸発燃料貯留室20側へのたわみが生ずる。その結果、分離膜18にたわみが生じない場合に比して、タンク内圧Ptの上昇は抑制される。タンク内圧Ptの上昇が抑制されれば、燃料タンク10に与えるべき耐圧性能を低くすることができる。この点、本実施形態のシステムは、密閉タンクを用いる通常のシステムに比して、軽量化やコスト低減の面で好ましい特性を有している。
実施の形態4.
[実施の形態4の特徴]
次に、図7および図8を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。図7は、本発明の実施の形態4の構成を説明するための図である。尚、図7において、図5に示す構成要素と共通するものについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図7に示す構成は、キャニスタ46の大気孔にキャニスタ封鎖弁56が取り付けられている点を除き、図5に示す構成と同様である。キャニスタ封鎖弁56は、通常は閉弁状態を維持する常時閉タイプの弁機構であり、ECU40から開信号が発せられると、その信号を受けて開弁状態となる。
上述した実施の形態3のシステムでは、キャニスタ46が常に大気に開放されているため、蒸発燃料貯留室20に負圧を蓄えておくことはできない。これに対して、本実施形態のシステムでは、キャニスタ封鎖弁56および封鎖弁54を共に閉じた状態で蒸発燃料貯留室20に負圧を導入すれば、その負圧を蓄えておくことができる。
分離膜18は、蒸発燃料貯留室20の内圧に比してタンク内圧Ptが高いほど、効率的に蒸発燃料を分離する。従って、蒸発燃料貯留室20に負圧を蓄えることができれば、分離膜18の分離効率を高めることができる。そこで、本実施形態では、内燃機関に対して始動の際に蒸発燃料を供給した後に、蒸発燃料貯留室20に負圧を蓄えて、そこに貯留される蒸発燃料を更に多量化することとした。
[実施の形態4における具体的処理]
図8は、本実施形態において、ECU40が、流量コントロールバルブ24を制御するために実行するルーチンのフローチャートである。尚、ECU40は、本実施形態においても、封鎖弁54の制御ルーチンとしては、上記図6(B)に示すルーチンを実行する。つまり、本実施形態においても、封鎖弁54は、実施の形態3の場合と同様に、給油時を除いて原則として閉弁状態に制御される。
図8に示すルーチンには、図2に示すステップと実質的に同じステップが幾つか含まれている。それらのステップについては、共通する符号を付して、その説明を省略または簡略することとする。すなわち、図8に示すルーチンでは、ステップ100において内燃機関の始動が認められると、先ず、流量コントロールバルブ24が開弁状態とされると共に、キャニスタ封鎖弁56が開弁状態とされる(ステップ130)。尚、本ステップ130において流量コントロールバルブ24に施される処理は、図2中のステップ102において実行される処理と実質的に同じである。
上記ステップ130の処理により流量コントロールバルブ24が開かれると、パージ通路22を通って、蒸発燃料貯留室20およびキャニスタ46の双方に吸気負圧が導かれる。また、上記ステップ130の処理によりキャニスタ封鎖弁56が開弁されると、キャニスタ46への空気の流入が許容される。このため、上記の処理によれば、蒸発燃料貯留室20およびキャニスタ46の双方から、十分な量の蒸発燃料を吸気通路26に供給することができる。
次に、ステップ104の処理が実行される。ここで所定時間の経過が判定されると、先ず、キャニスタ封鎖弁132が閉弁状態とされる(ステップ132)。封鎖弁54はこの時点で閉じられているため、キャニスタ封鎖弁56が閉じられると、キャニスタ46および蒸発燃料貯留室20を含む系が大気から遮断される。その結果、以後、その系の内部に負圧が蓄積され始める。その後、適当な負圧を蓄えるための所定時間が経過すると(ステップ134)、ステップ106により、流量コントロールバルブ24が閉弁状態とされる。
以上の処理によれば、内燃機関の始動後、蒸発燃料の供給を終えた後に、蒸発燃料貯留室20およびキャニスタ46を、それらの中に適当な負圧を導いた状態で密閉状態とすることができる。蒸発燃料貯留室20に負圧が導入されていれば、分離膜18の両側に大きな差圧が生じ易い。また、蒸発燃料貯留室20に取り込まれた蒸発燃料は、キャニスタ46内の活性炭に吸着されるため、その取り込みに起因する蒸発燃料貯留室20の圧力上昇は緩やかに抑制される。このため、本実施形態のシステムによれば、上述した何れの実施形態のシステムに比べても、更に多量の蒸発燃料を始動に備えて蓄えておくことができる。
尚、上述した実施の形態4においては、流量コントロールバルブ24およびパージ通路22が前記第7の発明における「負圧導入機構」に相当していると共に、ECU40が、図6(B)に示すルーチンを実行することにより前記第7の発明における「タンク封鎖弁制御手段」が、上記ステップ130の処理を実行することにより前記第7の発明における「供給制御手段」が、上記ステップ132の処理を実行することにより前記第7の発明における「大気導入停止手段」が、上記ステップ134および106の処理を実行することにより前記第7の発明における「負圧導入停止手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態5.
[実施の形態5の特徴]
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。図9は、本発明の実施の形態5の構成を説明するための図である。図9に示す構成は、温度センサ58を備えている点を除き、図5に示す構成と同様である。尚、図9において、図5に示す構成要素と共通するものについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
温度センサ58は、外気温度Taを検出し、その検出結果をECU40に供給するセンサである。本実施形態のシステムでは、実施の形態3(図5参照)の場合と同様に、内燃機関の始動時に、キャニスタ46に外気を取り込むことでそこに吸着されている蒸発燃料のパージを図る。従って、温度センサ58によれば、内燃機関の始動時にキャニスタ46に取り込まれる空気の温度をTaとして検知することができる。
本実施形態のシステムは、実施の形態3の場合と同様に、内燃機関の始動に先立って、蒸発燃料貯留室20およびキャニスタ46の中に、主として低沸点成分を含む蒸発燃料を貯留することができる。より具体的には、このシステムによれば、タンク内の燃料の性状に関わらず、ブタンやイソブタンなどカーボン数が4つのHC(CH)を主成分とする蒸発燃料を蓄えておくことができる。
キャニスタ46に吸着されている燃料、および蒸発燃料貯留室20に蓄えられている燃料が、CHである場合は、パージガス中の燃料成分の比率が、ほぼ外気との関係で決定される。図10は、その関係の一例を示したものである。ここでは、外気温が−20℃〜0℃の間では、温度の上昇に対して蒸発燃料濃度がほぼ比例的に上昇し、外気温が0℃以上の環境下では、その燃料濃度が最大値100%に収束する状態が示されている。
CHを主成分とする蒸発燃料の濃度と、外気温度との関係は、内燃機関の形式毎に予め測定することが可能である。本実施形態では、その関係を予め測定したうえで、その関係を表すマップをECU40に記憶させることとしている。このため、ECU40は、温度センサ58の出力に基づいて外気温Taを検知し、更に、そのTaを上記のマップに照らし合わせることにより、パージガス中の蒸発燃料濃度を精度良く算出することができる。
パージガス中の蒸発燃料濃度が精度良く算出できれば、その算出結果を利用することで、内燃機関に供給される蒸発燃料の量を高精度に算出することができる。そして、その算出が可能であれば、パージガスの流量を制御することで、ガス化された形態で内燃機関に供給される燃料量を、精度良く所望の燃料量に一致させることができる。つまり、排気空燃比のフィードバック制御などに頼ることなく、フィードフォワード的な見込み制御によって、冷間始動時における要求燃料量を、精度良く蒸発燃料により供給することができる。
[実施の形態5における具体的処理]
図11は、上記の機能を実現するためにECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図11に示すルーチンでは、内燃機関の始動が認められると(ステップ140)、その時点で外気温Taが、つまり、キャニスタ46のパージに用いられる空気の温度が読み込まれる(ステップ142)。
次に、その外気温Taに基づいて、蒸発燃料貯留室20およびキャニスタ46から吸気通路26にパージされるパージガス中の燃料濃度Cevapが読み込まれる(ステップ144)。ECU40は、既述したように、パージガス中の燃料濃度Cevapと外気温Taとの関係を定めたマップを記憶している。ここでは、そのマップから、外気温Taに対応する燃料濃度Cevapが読み出される。
次いで、目標蒸発燃料量が算出される(ステップ146)。ここでは、吸入空気量Gaと目標空燃比A/Ftgtとにより決定される基本の燃料噴射量Ga/(A/Ftgt)が、目標蒸発燃料量として算出される。つまり、吸入空気量Gaに対して、目標空燃比A/Ftgtを実現するための燃料量が目標蒸発燃料量として算出される。
次に、目標蒸発燃料量を実現するために、流量コントロールバルブ24の駆動DutyとするべきDuty値が、次式により計算される(ステップ148)。
Duty値={目標蒸発燃料量/(燃料濃度Cevap*全開流量)}*100
・・・(1)
但し、「全開流量」とは、流量コントロールバルブ24を全開させた場合に生ずるパージガス流量である。全開流量は、吸気管圧力PMに対してほぼ一義的に決まる値である。ECU40は、全開流量を吸気管負圧PMとの関係で定めたマップを記憶しており、ここでは、PMを検出した後、そのマップを参照することにより全開流量を設定する。
上記(1)式の右辺中、「燃料濃度Cevap*全開流量」なる演算によれば、流量コントロールバルブ24を全開にすることで供給し得る蒸発燃料量を求めることができる。そして、(1)式の右辺中{目標蒸発燃料量/(燃料濃度Cevap*全開流量)}なる演算によれば、目標蒸発燃料量と、供給し得る蒸発燃料量との比率を求めることができる。従って、(1)式により算出されるDuty値で流量コントロールバルブ24をデューティ制御すれば、目標蒸発燃料量を供給するのに必要なパージガス流量を、過不足なく吸気通路26に流入させることができる。
上記の処理が終わると、次に、算出されたDuty値を駆動デューティとして、流量コントロールバルブ24が開閉制御される(ステップ150)。次いで、所定時間が経過したか否かが判別される(ステップ152)。
蒸発燃料貯留室20およびキャニスタ46からパージされるガス中の燃料濃度Cevapは、蒸発燃料の貯留量が減るに連れて低下する。このため、始動後の経過時間が十分に長くなると、パージガス中の燃料濃度は、上記ステップ144で読み込まれた濃度Cevapとは一致しなくなる。以下、その不一致が生ずるまでの時間、つまり、パージガス中の燃料濃度が濃度Cevapのまま維持される時間を「濃度維持時間」と称す。
内燃機関に対して蒸発燃料を供給する必要があるのは、液体燃料が良好な気化性を示さない冷間時に限られる。つまり、内燃機関に対して蒸発燃料を供給する必要があるのは、内燃機関の始動後、液体燃料が良好な気化性を示す程度に暖機が進行するまでの時間に限られる。以下、その時間を「蒸発燃料要求時間」と称す。
本実施形態のシステムは、上述した「濃度維持時間」が常に「蒸発燃料要求時間」より長くなるように、十分な蒸発燃料を蓄えることができるように設計されている。そして、上記ステップ152では、その蒸発燃料要求時間が「所定時間」として設定されている。このため、ステップ152において「所定時間」の経過が否定された場合は、パージガス中の燃料濃度がCevapのまま維持されており、かつ、蒸発燃料の供給が未だ要求されていると判断できる。ECU40は、この場合、上記ステップ146以降の処理を繰り返して、蒸発燃料の供給を継続する。
一方、上記ステップ152において「所定時間」の経過が認められた場合は、蒸発燃料の供給が不要になったと判断できる。このような判断がなされると、ECU40は、流量コントロールバルブ24を閉じて(ステップ154)、今回のルーチンを終了させる。
以上の処理によれば、始動直後の内燃機関に対して、主として低沸点成分を含む蒸発燃料の形態で過不足なく燃料を供給することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、内燃機関の始動直後から、良好なエミッション特性を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態5においては、「濃度維持時間」が常に「蒸発燃料要求時間」より長くなることを前提としているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、その関係が逆転している場合は、「濃度維持時間」だけ必要な燃料の全量を蒸発燃料の形態で供給し、その後「蒸発燃料要求時間」が終了するまでの間は、流量コントロールバルブ24を全開状態としつつ、不足する燃料分を燃料噴射弁32により補うこととしてもよい。
また、上述した実施の形態5においては、パージガスの濃度を推定して流量コントロールバルブ24の開度を制御する処理を、実施の形態3のシステムに対して組み合わせることとしているが、その組み合わせの対象は、これに限定されるものではない。すなわち、流量コントロールバルブ24の開度を制御する処理は、実施の形態1,2および4の何れのシステムと組み合わせることとしてもよい。
尚、上述した実施の形態5においては、流量コントロールバルブ24およびパージ通路22が前記第8の発明における「パージガス供給手段」に、温度センサ58が前記第8の発明における「外気温検出手段」に、それぞれ相当していると共に、ECU40が、上記ステップ144の処理を実行することにより前記第8の発明における「燃料濃度推定手段」が、上記ステップ148および150の処理を実行することにより前記第8の発明における「パージ流量制御手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態5の構成を説明するための図である。 低沸点成分を主成分とするパージガス中の燃料濃度と外気温との関係を示す図である。 本発明の実施の形態5において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 燃料タンク
16 蒸発燃料貯留ユニット
18 分離膜
20 蒸発燃料貯留室
22 パージ通路
24 流量コントロールバルブ
26 吸気通路
42 活性炭
44 VSV(Vacuum Switching Valve)
46 キャニスタ
50 大気孔
52 ベーパ通路
54 封鎖弁
56 キャニスタ封鎖弁
58 温度センサ

Claims (8)

  1. 蒸発燃料の透過を許容する分離膜と、当該分離膜により少なくとも一部が覆われた蒸発燃料貯留室とを有する蒸発燃料分離ユニットと、
    前記蒸発燃料分離ユニットに蓄えられた蒸発燃料を内燃機関に供給する蒸発燃料供給機構とを備え、
    前記蒸発燃料分離ユニットが、燃料タンクの内部空間に配置されていることを特徴とする蒸発燃料供給装置。
  2. 前記分離膜の表面に配置され、当該分離膜の表面に液状燃料が付着するのを防止する保護膜を備えることを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料供給装置。
  3. 前記分離膜は、主として蒸発燃料中の低沸点成分を透過させる特性を有し、前記蒸発燃料分離ユニットには、主としてその低沸点成分が貯留されることを特徴とする請求項1または2記載の蒸発燃料供給装置。
  4. 前記分離膜は、前記蒸発燃料貯留室の内圧と前記燃料タンクの内圧とに差が生じた場合に、低圧側の空間に向かって凸となるような柔軟性を有し、
    前記分離膜の変形量を規制するための膜変形規制機構を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の蒸発燃料供給装置。
  5. 前記膜変形規制機構は、前記蒸発燃料貯留室の内部に、前記分離膜に対して所定の変形を許容するように配置された活性炭を含むことを特徴とする請求項4記載の蒸発燃料供給装置。
  6. 前記蒸発燃料供給機構は、
    内燃機関の吸気負圧を前記蒸発燃料貯留室に導くための負圧導入機構と、
    前記蒸発燃料貯留室に大気を導くための大気導入機構と、
    前記蒸発燃料貯留室に吸気負圧と大気の双方を導入することにより、前記蒸発燃料貯留室内の蒸発燃料を内燃機関に供給する供給制御手段とを備え、
    内燃機関への前記蒸発燃料の供給が終了した後に、前記蒸発燃料貯留室への大気の導入を停止する大気導入停止手段と、
    前記蒸発燃料貯留室への大気導入が禁止された後、その内部に所定の負圧が蓄えられた時点で、当該蒸発燃料貯留室への負圧導入を停止する負圧導入停止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の蒸発燃料供給装置。
  7. 燃料中の蒸発燃料を吸着する活性炭を内蔵し、前記蒸発燃料貯留室と連通するように配置されたキャニスタと、
    前記キャニスタと大気との導通を制御するキャニスタ封鎖弁と、
    前記キャニスタと燃料タンクとを連通するベーパ通路と、
    前記ベーパ通路の導通を制御するタンク封鎖弁と、
    所定条件下でのみ前記タンク封鎖弁を開弁させるタンク封鎖弁制御手段と、
    を備え、
    前記蒸発燃料供給機構は、
    内燃機関の吸気負圧を前記蒸発燃料貯留室および前記キャニスタに導くための負圧導入機構と、
    前記キャニスタへの大気導入を許容しつつ、当該キャニスタおよび前記蒸発燃料貯留室に吸気負圧を導入することにより、前記蒸発燃料貯留室内の蒸発燃料および前記キャニスタ内の蒸発燃料を内燃機関に供給する供給制御手段とを備え、
    内燃機関への前記蒸発燃料の供給が終了した後に、前記キャニスタ封鎖弁および前記タンク封鎖弁の双方が閉じた大気導入停止状態を形成する大気導入停止手段と、
    前大気導入停止状態が形成された後、前記蒸発燃料貯留室の内部に所定の負圧が蓄えられた時点で、当該蒸発燃料貯留室への負圧導入を停止する負圧導入停止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の蒸発燃料供給装置。
  8. 前記蒸発燃料供給機構は、前記蒸発燃料分離ユニットに蓄えられている蒸発燃料を、パージガスの形態で内燃機関に供給するパージガス供給手段を含み、
    外気温を検出する外気温検出手段と、
    前記パージガス中の燃料濃度を外気温に基づいて推定する燃料濃度推定手段とを含み、
    前記パージガス供給手段は、燃料濃度の推定値に基づいて、前記パージガスの流量を制御するパージ流量制御手段を含むことを特徴とする請求項3乃至7の何れか1項記載の蒸発燃料供給装置。
JP2004043380A 2004-02-19 2004-02-19 蒸発燃料供給装置 Withdrawn JP2005233086A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004043380A JP2005233086A (ja) 2004-02-19 2004-02-19 蒸発燃料供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004043380A JP2005233086A (ja) 2004-02-19 2004-02-19 蒸発燃料供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005233086A true JP2005233086A (ja) 2005-09-02

Family

ID=35016296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004043380A Withdrawn JP2005233086A (ja) 2004-02-19 2004-02-19 蒸発燃料供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005233086A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011202539A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2015037934A (ja) * 2013-08-01 2015-02-26 ティーアイ オートモーティヴ テクノロジー センター ゲゼルシャフトミット ベシュレンクテル ハフツングTI Automotive Technology Center GmbH 密閉タンクシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011202539A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2015037934A (ja) * 2013-08-01 2015-02-26 ティーアイ オートモーティヴ テクノロジー センター ゲゼルシャフトミット ベシュレンクテル ハフツングTI Automotive Technology Center GmbH 密閉タンクシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9732706B2 (en) System and methods for regulating fuel vapor flow in a fuel vapor recirculation line
US9822718B2 (en) System and method for controlling canister purging
JP5232079B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
US9243588B2 (en) Variable pressure gaseous fuel regulator
US20170184058A1 (en) Fuel evaporative emission control device
US8447494B2 (en) Plug-in hybrid EVAP valve management to reduce valve cycling
JP4359096B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
US9845745B2 (en) EVAP system with valve to improve canister purging
JP2016089760A (ja) 蒸発燃料処理装置
US20150114360A1 (en) System and methods for canister purging with low manifold vacuum
US9624853B2 (en) System and methods for purging a fuel vapor canister
JP4003764B2 (ja) 水素添加内燃機関の制御装置
JP3201129B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
US7305978B2 (en) Vaporized fuel purge system
JP5726676B2 (ja) 燃料供給装置
JP2005233086A (ja) 蒸発燃料供給装置
JP3849611B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
EP1350944A1 (en) Gas fuel feeder of internal combustion engine
US20120260624A1 (en) System and Method for Controlling Evaporative Emissions
JP4952678B2 (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP2011236814A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH0299755A (ja) 燃料タンクの内圧制御装置
JP5402767B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5168198B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2743229B2 (ja) 蒸発燃料処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070501