JP2005232272A - 導電膜形成用塗布液、および低反射導電膜の製造方法 - Google Patents

導電膜形成用塗布液、および低反射導電膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布液の原材料少ない導電微粒子含有量で導電性を向上させ、および低反射機能が向上できる低反射導電膜用の導電膜形成用塗布液と、その液を用いた低反射導電膜の製造方法を提供する。
【解決手段】導電膜形成用塗布液は導電性酸化物微粒子と、誘電率が20以下且つ25℃での蒸気圧が80hPa以上であり、さらにカルボニル基、エステル基、チオ基、ジチオ基のいずれか1つ以上を含有する溶媒を含むことを特徴とする。前記導電膜形成用塗布液を透明基体上に塗布し、続いて低屈折率膜形成用塗布液を塗布することにより低反射導電膜を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブラウン管パネルのフェイス部分の表面(以下単にブラウン管表面という)等の透明基体上に塗布して電磁波遮蔽性能を有する導電膜形成用塗布液、および低反射導電膜の製造方法に関する。
ブラウン管は高電圧で作動するために、起動時または終了時にブラウン管表面に静電気が誘発される。この静電気により該表面に埃が付着し、表示画像のコントラスト低下を引き起こし、直接手指が触れた際に静電気による不快感を生じることことがある。
また、近年、電磁波ノイズによる電子機器への電波障害が問題となり、これを低減するために規格の作成や規制が行われている。この問題の解決には、導電膜をブラウン管表面に設置することにより、導電膜に電磁波が当たり導電膜内において渦電流を誘導し、電磁波を反射するためにブラウン管表面から放出する電磁波が低減する。
また、上記のように作用する導電膜は、特にTV、コンピュータ端末の陰極線管パネルフェイス部分に求められる。しかし、多くの導電膜では、表示画像のコントラスト低下やパネル面での光の反射が大きいという問題があった。このために、導電膜が施されたブラウン管表面の反射率低減に関して数多くの検討がなされてきた。
従来の反射防止方法は、例えば、特許文献1記載のように、ブラウン管表面に防眩効果を持たせるために表面に微細な凹凸を有するSiO層を付着させたり、フッ酸により表面をエッチングして表面に凹凸を設けたり等の方法が採られてきた。
しかし、これらの方法は、外部光を散乱させるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反射層を設ける方法ではないため、反射率の低減には限界があり、また、解像度を低下させる原因ともなっている。
これらの問題を解決するために、ブラウン管表面に導電膜を形成し、該導電膜よりも屈折率の低い透明膜を該導電膜上に形成する事により、光の干渉作用を利用して反射光を防止する低反射導電膜が提案されている。
光の干渉作用を利用して反射光を防止する低反射導電膜の作成方法として、従来スパッタ法やCVD法が提案されているが、スパッタ法は設備が大掛かりになり設備コストがかかること、CVD法はブラウン管表面を少なくとも350℃以上の高温に加熱する必要があり、ブラウン管内の蛍光体の脱落を生じたり、ブラウン管自身の寸法精度が低下したり等の問題がある。
これらの膜の作成方法に対し、導電性微粒子を溶媒中に分散させた塗布液をブラウン管表面に塗布し、乾燥させることにより導電膜を形成する方法は設備コストが低く、低温で成膜できることから有利である。上記塗布法に用いられる導電性微粒子として、Ag、Au、Pd、Ruといった金属微粒子およびそれらの合金微粒子、あるいは錫ドープ酸化インジウム(以下ITOと呼ぶ)、アンチモンドープ酸化錫(以下ATOと呼ぶ)やRuOといった導電性酸化物微粒子が用いられており、原材料コストの安いITOやATOで、十分な電磁波シールド性能を発揮することが求められている。しかし、ATOやITOは金属に比べ導電性が低いために、十分な電磁波シールド性能を発揮させるためには厚膜化して膜の導電性を高める必要がある。しかし、厚膜化した場合、光の干渉による低反射化することが困難となるという問題点があり、高い導電性と低反射性を両立する導電膜を形成することが課題となっている。
また、低コスト化のために、塗布前の組成液中で導電微粒子含有量を減らしても、塗布後の導電膜において、導電特性が高められる導電膜形成用塗布液が求められている。
特開昭61−118931号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、導電性が高く導電膜上に低屈折率膜を形成した際の視感反射率が従来に比べ低くできる導電膜形成用塗布液の提供を目的とする。本発明はまた、前記導電膜形成用塗布液を用いた低反射導電膜付き基体の製造方法の提供を目的とする。
[1]本発明は、透明基体上に導電膜形成用塗布液を塗布し、前記導電膜上に低屈折率膜形成用塗布液を塗布することにより得られる低反射導電膜において、
前記導電膜形成用塗布液は、導電性酸化物微粒子と、誘電率が20以下かつ25℃での蒸気圧が80hPa以上であり、さらにカルボニル基、エステル基、チオ基、ジチオ基のいずれか1つ以上を含有する溶媒を含むことを特徴とする導電膜形成用塗布液を提供する。
[2]本発明は、前記導電性酸化物微粒子が酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、酸化インジウムおよび錫ドープ酸化インジウムからなる群から選ばれる1種類以上の導電性酸化物微粒子であることを特徴とする[1]に記載の導電膜形成用塗布液を提供する。
[3]本発明は、[1]〜[2]に記載の導電膜形成用塗布液を透明基体上に塗布し、続いて低屈折率膜形成用塗布液を塗布することにより低反射導電膜を形成する低反射導電膜の製造方法を提供する。
本発明によれば、導電膜形成用塗布液および低屈折率膜形成用塗布液を用いて形成される低反射導電膜において、従来よりも導電性を向上し、および低反射性も向上できる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の導電膜形成用塗布液に含まれる導電性酸化物微粒子は、導電性、化学的実用性、耐久性等の点からSn、Sb、In、Zn、Ga、Ru、Al、Si、TiおよびZrからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物であることが好ましく、特に導電性の点から酸化インジウム、ITO、酸化錫、ATO微粒子が好ましい。
導電性酸化物微粒子の平均一次粒径は、塗布液中での分散安定性や、液を塗布して形成した膜の導電特性などから、5〜100nmであることが好ましい。導電性酸化物微粒子の平均一次粒径が100nm超では、形成される膜において可視光の散乱が生じて、膜の曇価(ヘーズ)が上昇し視認性が低下し、また、塗布液中での導電性酸化物微粒子の分散均一性および分散安定性が著しく損なわれる。より好ましい平均一次粒径は10〜50nmである。
平均一次粒径5〜100nmの導電性酸化物微粒子は、微粒子表面の水酸基に由来する電荷の反発により溶媒中での分散安定性を確保つことができる。しかしながら一方で、塗膜を形成するときにはこれらの電荷の反発によって導電性酸化物微粒子同士の接近が妨げられ、結果として塗膜中の導電性酸化物微粒子密度が低く、塗膜の特性が不十分であることに本発明者らは着目した。すなわち、塗布液中での導導電性酸化物微粒子の安定性と膜形成時の導電性酸化物微粒子同士の斥力低減を両立することにより、塗膜の特性が向上すると考えた。
ここで塗膜の特性と述べているのは、電気的特性と低反射特性であり、電気的特性が良いとは導電性が高いこと、つまり抵抗値が低いことを示す。また、反射特性が良いとは、透明基体上の低反射導電膜(導電膜と低屈折率膜からなる)全体の反射率が低いことであるが、反射率を低くするためには、導電膜においては屈折率は高い方がよい。導電膜の原料である導電性酸化物微粒子の屈折率は高い(例えば、ITOは約2.0)ので、得られる導電性酸化物膜の密度が高くなることで原料の酸化物微粒子の屈折率と同等の高い屈折率の膜が実現できると考えられ、結果として低反射導電膜の反射特性をよくすることになる。
上記考えに基づき鋭意研究した結果、導電性酸化物微粒子を分散させる溶媒として、誘電率が20以下かつ25℃での蒸気圧が80hPa以上であり、さらに、カルボニル基、エステル基、チオ基、ジチオ基のいずれか一つ以上を含有する溶媒を含む場合に、塗膜の特性が顕著に向上することを見出し、本発明に至った。
前述の溶媒を用いることにより、溶媒の誘電率が20以下と低いために、塗膜形成時の電荷による反発が低減され、導電性酸化物微粒子密度が高い膜を形成できる。さらに、前記溶媒がカルボニル基、エステル基、チオ基、ジチオ基を含有し、導電性酸化物微粒子表面に配位して溶媒和するために塗布液中での安定性が維持される。さらに検討を進めた結果、これらの特性を持つ溶媒が、塗膜形成時に最終まで残留するいわゆる高沸点溶媒ではなく、塗膜形成初期に比較的早く蒸発してしまういわゆる低沸点溶媒、具体的には、25℃での蒸気圧が80hPa以上である溶媒である場合に塗膜の特性向上が顕著であることが分かった。この理由ははっきりと分かっていないが、膜形成が大部分終了した後では、溶媒による膜密度向上の効果は少なく、逆に膜形成初期の方がより大きな効果が得られるためと考えられる。さらに、塗布液中の溶媒が早く蒸発するために、塗布時に透明基体上に残る塗布液中の溶質の量が増え、また、膜厚が厚くなり塗膜の特性、特に導電性が向上すると考える。
前述の特性を兼ね備える溶媒としては、具体的には酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、メチルエチルケトン、チオフェン等が挙げられる。以降、誘電率が20以下かつ25℃での蒸気圧が80hPa以上であり、さらに、カルボニル基、エステル基、チオ基、ジチオ基のいずれか一つ以上を含有する溶媒のことを単に本低沸点溶媒と呼ぶ。
前述の本低沸点溶媒の塗布液中での含有量は5%以上(質量基準とする。特記ないかぎり以下同じ。)であることが好ましい。含有量が5%以下では所望の特性が発現しない。含有量が多いほど溶媒による特性向上効果が大きくなると共に、これらの溶媒は乾燥時間が短いため、含有量が多いほど乾燥後に基材上に残留する導電微粒子の量が多くなり、膜厚が増大する。すなわち、本低沸点溶媒の含有量が多いほど、同一の特性を発現するのに必要な導電性酸化物微粒子の塗布液中濃度を低減し、よりコストを下げることができる。本低沸点溶媒含有量の上限は塗布液の安定性、塗膜の外観との兼ね合いで適宜決定される。
前述の本低沸点溶媒を含有した導電性酸化物微粒子分散液は、塗布液としてそのまま塗布してもよいが、成膜する膜の外観を整えるために、水および種々の公知の有機溶媒を適宜添加して液の表面張力や粘性率等を制御することが好ましい。
例えば、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール等の多価アルコール類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテル等のエーテル類、2,4−ペンタンジオン、ジアセトンアルコール等のケトン類、乳酸エチル、乳酸メチル等のエステル類、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄含有溶媒が好ましく用いられる。
導電性酸化物微粒子の濃度は、目的とする導電性と前述した塗布液中の本低沸点溶媒含有量によって適宜決定されるが、一般的に塗布液全重量に対して0.01〜20%とするのが好ましく、0.05〜5%とするのが特に好ましい。導電性酸化物微粒子の濃度が20%超では、形成される膜の外観が悪化し、0.01%未満では、形成される膜の抵抗が上昇する。
また、導電性酸化物分散液に、塗布液の塗布適性を向上させるため、添加剤としてSiO、特にケイ酸エチル等を加水分解して得られるSiOゾル、またはTiOを加えてもよい。前記添加剤を加えることにより、塗布液の塗布適性が向上し、形成される膜の色調を制御できるために好ましい。これらの添加剤は、微粒子の形態、または金属アルコキシドの加水分解物等の形態で添加してもよく、超音波分散機やサンドミル等の分散機により分散した液として添加してもよい。さらに塗布液の透明基体への濡れ性を向上させるために、前記導電膜形成用塗布液に種々の界面活性剤を添加してもよい。前記界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやアルキルエーテル硫酸エステル等が挙げられる。
本発明における低屈折率膜形成用塗布液は前記導電膜形成用塗布液を塗布して形成される導電膜よりも低屈折率で、かつ硬度が高い膜を形成できる点からケイ素化合物を含む化合物が好ましい。
前記ケイ素化合物としては、Siアルコキシドを含む種々のものが使用でき、好適な材料として、Si(OR)・R′4−y(yは1〜4であり、R、R′はアルキル基を示す。)で示されるSiアルコキシドまたはその部分加水分解物を含む液が挙げられる。前記ケイ素化合物としては、例えば、シリコンエトキシド、シリコンメトキシド、シリコンイソプロポキシド、シリコンブトキシドのモノマーまたは重合体が好ましく使用できる。
前記低屈折率膜形成用塗布液は、ケイ素化合物であるSiアルコキシドをアルコール、エステル、エーテル等の溶媒に溶解して作成され、前記溶媒にSiアルコキシドを溶解したSiアルコキシド溶液に、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フッ酸、またはアンモニア水溶液を添加して、Siアルコキシドを加水分解しても作成できる。また、前記Siアルコキシドは低屈折率膜形成用塗布液に対して、SiOの固形分濃度として0.1〜30%含まれていることが好ましい。30%超では液の保存安定性が悪化し好ましくない。
また、前記低屈折率膜形成用塗布液には、屈折率を低下させる目的でMgFゾルを添加してもよい。さらに形成される膜の強度向上のためにバインダとして、Zr、Ti、Sn、Al等のアルコキシドや、これらの部分加水分解物を添加して、ZrO、TiO、SnOおよびAlからなる群から選ばれる1種以上をMgFやSiOと同時に添加してもよい。さらに前記低屈折率膜形成用塗布液の導電膜付き透明基体に対する濡れ性を向上させるために前記塗布液に界面活性剤を含有させてもよい。前記界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやアルキルエーテル硫酸エステル等が挙げられる。
前記導電膜形成用塗布液の透明基体上への塗布方法および前記導電膜が付いた透明基体上への前記低屈折率膜形成用塗布液の塗布方法としては、スピンコート、ディップコート、スプレーコート等の方法が好適に使用できる。また、スプレーコート法を用いて低反射導電膜自身の表面に凹凸を形成し、形成される膜に防眩効果を付与してもよい。また、本発明の低反射導電膜の上にシリカ被膜等のハードコート膜を必要に応じ追加してもよい。
さらに、本発明の導電膜形成用塗布液そして次に低屈折率膜形成用塗布液をスピンコート法またはスプレーコート法で低反射導電膜を形成し、低反射導電膜の上にSiアルコキシドを含む溶液をスプレーコートして、表面に凹凸を有するシリカ被膜のノングレアコート膜を設けてもよい。
前記導電膜形成用塗布液を透明基体に塗布し、その上に低屈折率膜形成用塗布液を塗布した後、加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は、低屈折率膜形成用塗布液の溶媒の種類で異なる。低屈折率膜形成用塗布液の溶媒の沸点が100〜250℃にある中〜高沸点溶媒を用いる場合には、溶媒が塗膜中に残留することを防ぐために100℃以上であることが好ましい。一方、低屈折率膜形成用塗布液の溶媒として沸点が100℃以下にある溶媒を用いる場合には、100℃以下の加熱処理でもよい。加熱処理の上限温度は、透明基体として用いられるガラス、プラスチック等の軟化点によって決定され、ガラスの場合の上限温度は750℃、プラスチックの場合の上限温度は、300℃である。ガラス透明基体の場合のより好ましい温度範囲は、100℃〜600℃、プラスチック透明基体の場合より好ましい温度範囲は、100℃〜200℃である。なお、温度は透明基体の表面の温度である。
本発明の導電膜形成用塗布液と低屈折率膜形成用塗布液により形成された膜の厚さは、被塗布透明基体の種類、被塗布透明基体の使用目的等によって変動するが、導電膜形成用塗布液により形成された膜の厚さは5〜200nmとなる範囲であることが好ましい。5nm未満では膜の導電性が低下し、かつ2膜膜または多膜膜形成時の低反射性が低下するため好ましくなく、200nm超でも低反射性が低下するため好ましくない。低屈折率膜形成用塗布液により形成された膜の厚さは、5〜150nmとなる範囲が好ましい。5nm未満では膜強度が低下するため好ましくなく、150nm超では形成時の低反射性が低下するため好ましくない。
本発明における低反射導電膜付き基体としては、ブラウン管パネル、複写機用ガラス板、計算機用パネル、クリーンルーム用ガラス、LCD用、PDP用等の表示装置の前面板等の各種ガラス、プラスチック基板等が挙げられ、低反射導電膜付き基体が使用される表示装置としては、ブラウン管、複写機、計算機、LCD、PDP等が挙げられる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。以下の実施例および比較例において、得られたゾル中の粒子の平均一次粒径はTEM(透過型電子顕微鏡、日立製作所製H9000)によって測定した。また、得られた膜の評価方法は次の通りである。
1)膜厚:低反射透明導電膜を形成した透明基体の断面をSEM(走査型電子顕微鏡、日本電子社製JSM6340F)によって観察し、測定した。
2)表面抵抗値:ローレスタ抵抗測定器(三菱油化製)により透明基体上に形成された膜表面の表面抵抗値を測定した。
3)反射率:自記分光光度計U−3500(日立製作所製)により透明基体上に形成された膜の波長400〜700nmでの視感反射率を測定した。
4)透過率:自記分光光度計U−3500(日立製作所製)により透明基体上に形成された膜の波長550nmでの透過率を測定した。
「実施例1」
(ITO微粒子分散液の調製)
ITO微粉体(触媒化成工業株式会社製)100gをアセチルアセトン40gに分散させてからエタノール360gを加えた後、この分散液をサンドミルに収容し、この分散液中の微粉末(A)をサンドミルで30分粉砕してITOの固形分濃度が20%のA液を得た。
このA液中の微粒子の平均一次粒径は40nmであった。このようにして得られたA液は、6ケ月以上にわたって微粒子の凝集や沈降もなく、安定であった。
(導電膜形成用塗布液の調製)
上記A液8gと、酢酸メチル30g、エタノール47g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル10g、ジアセトンアルコール5gを混合し、ITO固形分濃度が1.6%の導電膜形成用塗布液(B1液)を得た。
(低屈折率膜形成用塗布液の調製)
ケイ酸エチル50gをメタノール200gに溶解し、撹拌下で濃硝酸1.5gと純水33gとの混合溶液を滴下し、室温で2時間撹拌し、SiO濃度4.9%の液を得た(C液)。
C液を、イソプロピルアルコール/エチレングリコールモノイソプロピルエーテル/アセチルアセトン/ジメチルホルムアミド=100:24:8:8(重量比)の混合溶媒で、SiOの固形分濃度が0.9%となるように希釈した(D液)。
このようにして得られたD液、6ケ月以上にわたって微粒子の凝集や沈降もなく、安定であった。
(低反射導電膜の形成)
17インチブラウン管パネル表面をエタノールおよび水で洗浄した後、CeOの微粒子を用いて前記パネル表面を研磨し、洗浄した。次いで、B1液20gを、パネル表面温度45℃に加温した前記17インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で150rpm、90秒間の条件で塗布した後、D液20gをスピンコート法で150rpm、90秒間の条件で塗布し、大気雰囲気中において200℃で30分間加熱することにより低反射導電膜を得た。得られた膜の評価結果を表2に示す。
「実施例2」
上記A液8gと、チオフェン30g、エタノール47g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル10g、ジアセトンアルコール5gを混合し、ITO固形分濃度が1.6%の導電膜形成用塗布液(B2液)を得た。
例1におけるB1液のかわりにB2液を用いる以外は例1と同様に処理し、低反射導電膜を得た。得られた膜の評価結果を表2に示す。
「実施例3」
上記A液8gと、ギ酸エチル30g、エタノール47g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル10g、ジアセトンアルコール5gを混合し、ITO固形分濃度が1.6%の導電膜形成用塗布液(B3液)を得た。
例1におけるB1液のかわりにB3液を用いる以外は例1と同様に処理し、低反射導電膜を得た。得られた膜の評価結果を表2に示す。
「比較例1」
上記A液8gと、エタノール77g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル10g、ジアセトンアルコール5gを混合し、ITO固形分濃度が1.6%の導電膜形成用塗布液(B4液)を得た。
例1におけるB1液のかわりにB4液を用いる以外は例1と同様に処理し、低反射導電膜を得た。得られた膜の評価結果を表2に示す。
「比較例2」
上記A液10gと、エタノール75g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル10g、ジアセトンアルコール5gを混合し、ITO固形分濃度が2.0%の導電膜形成用塗布液(B5液)を得た。
例1におけるB1液のかわりにB5液を用いる以外は例1と同様に処理し、低反射導電膜を得た。得られた膜の評価結果を表2に示す。
「比較例3」
上記A液8gと、アセトン30g、エタノール47g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル10g、ジアセトンアルコール5gを混合し、ITO固形分濃度が1.6%の導電膜形成用塗布液(B6液)を得た。
例1におけるB1液のかわりにB6液を用いる以外は例1と同様に処理し、低反射導電膜を得た。得られた膜の評価結果を表2に示す。
「比較例4」
上記A液8gと、ヘキサン30g、エタノール47g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル10g、ジアセトンアルコール5gを混合ししたが、ITO微粒子が凝集してしまい、塗膜を形成することが不可能であった。
(溶媒物性)
実施例1〜3、および比較例1〜4に用いた溶媒の物性を表1に示す。
表2におけるITO固形分は塗布液中の値である。
Figure 2005232272
Figure 2005232272
(評価結果)
実施例1〜3、および比較例1〜3で得られた低反射導電膜の表面抵抗値、反射率、透過率を測定した結果を表2に示す。なお、表2の表面抵抗値において6.9E3は6.9×10を意味し、他も同様である。
実施例では、組成液内でITO固形分1.6%と少ない量で作成しても、従来品と同等あるいはそれ以上の導電性を発現することができ、その抵抗値は5.9×10〜6.8×10(Ω/□)と低く、かつ反射率が1.2%と低い。比較例1と比較例2は、本発明の要件である本低沸点溶媒を用いないために、反射率を実施例の値に合わせると抵抗値が悪化し(比較例1)、抵抗値を実施例の値に合わせるためには、ITO固形分を2.0%に増やす必要があるが、その場合は反射率が悪化する(実施例2)。また、比較例3では、組成液内でITO固形分1.6%と少ない量で実施例同等の抵抗値を得られるが、反射率が1.5%と大きくなり本発明の目的から外れる。
本発明は、導電膜形成用塗布液および低屈折率膜形成用塗布液を用いて形成される低反射導電膜において、従来よりも導電性および低反射性を向上でき、表示装置の前面板等に利用できる。

Claims (3)

  1. 導電性酸化物微粒子と、誘電率が20以下かつ25℃での蒸気圧が80hPa以上であり、さらにカルボニル基、エステル基、チオ基およびジチオ基からなる群から選ばれる1種以上を含有する溶媒とを含むことを特徴とする導電膜形成用塗布液。
  2. 前記導電性酸化物微粒子が酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、酸化インジウムおよび錫ドープ酸化インジウムからなる群から選ばれる1種以上の導電性酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の導電膜形成用塗布液。
  3. 請求項1または2に記載の導電膜形成用塗布液を透明基体上に塗布し、続いて低屈折率膜形成用塗布液を塗布することにより低反射導電膜を形成する低反射導電膜付き基体の製造方法。
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JP (1) JP2005232272A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046431A1 (ja) * 2004-10-26 2006-05-04 Asahi Glass Company, Limited 無機塗料組成物、導電性塗膜及び導電性塗膜の形成方法

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WO2006046431A1 (ja) * 2004-10-26 2006-05-04 Asahi Glass Company, Limited 無機塗料組成物、導電性塗膜及び導電性塗膜の形成方法

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