JP2005232008A - (メタ)アクリル酸の蒸留方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸の蒸留方法 Download PDF

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修平 矢田
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Abstract

【課題】(メタ)アクリル酸溶液を長期にわたって安定して蒸留する。
【解決手段】少なくとも一部のトレイが無堰多孔板である蒸留塔を用いる(メタ)アクリル酸の蒸留方法において、該無堰多孔板の開孔部は、平行且つ等間隔の第1の線群と、該第1の線群に対し斜交する平行且つ等間隔の第2の線群とからなる斜交格子の各交点上に位置しており、該斜交格子によって囲まれる平行四辺形よりなる領域の面積Aに対する、該領域に掛かる開孔部の面積の合計Bとの比である局所開孔率B/Aと塔断面積Sに対する全開孔部の合計面積uとの比u/Sについて、(u/S)/(B/A)の比の値が0.67以上であり、開孔部の縁を伝わり落ちる液量が0.035m3/m・h以上であり、蒸留塔の塔径が1.2m以上であり、塔内ガス中の酸素濃度が0.008〜0.1mol%である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は(メタ)アクリル酸の蒸留方法に係り、特に無堰多孔板を有する蒸留塔によって(メタ)アクリル酸溶液を蒸留する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸は、易重合性であるため、その蒸留に際して酸素や重合防止剤の存在下に蒸留することは工業的に広く行われている。また、この蒸留に無堰多孔板およびこれを用いた無堰多孔板塔が用いられることも公知である(特開2000−300903)。
【0003】
上記無堰多孔板塔に用いる無堰多孔板には、サポートビームやサポートリングとの固定に用いられるクランプ、ボルトなどのための穴を除いては、全面にほぼ均一に開孔部が設けられている。
【0004】
(メタ)アクリル酸は非常に重合し易いので、(メタ)アクリル酸の製造工程において機器内で重合することを防止するために、種々の化学的対策、物理的・機械的対策が採られている。
【0005】
化学的対策は、ラジカルを開始剤とするアクリル酸の重合反応を遅延ないし阻害するものであり、ラジカルを捕捉する重合禁止剤を添加することや、ラジカル生成を遅らせる為に操作温度を低下させることなどが行われている。アクリル酸の重合禁止剤としてはp-ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、フェノチアジンなどが用いられている。操作温度を低下させるには、蒸留操作の運転圧力を低下させるようにしている。
【0006】
物理的・機械的対策は、局所的な組成・流量・滞留時間・温度等の偏りにより重合が生じることを防止するためのものであり、例えば、機器形状の変更により液・ガスの滞留を削減することや、機器表面の粗度を下げることなどが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
機器的構造が単純で滞留部を生じにくい無堰多孔板を用い、運転条件を減圧下とすることで操作温度を下げ、また重合禁止剤を添加したとしても、塔内への重合物の堆積を完全に防ぐことはできない。
【0008】
試験設備などの比較的小型の蒸留塔においては閉塞の問題を生じない場合においても、商業設備のように大きな蒸留塔では、深刻な閉塞を生じることがある。これは機器サイズの増大に伴う塔内の不均一さが増大する為と考えられる。例えば蒸留塔の水平度、つまり単位長さ当りの傾きが同じであっても、蒸留塔の塔径に比例して高低差は増大する。
【0009】
機器サイズの増大に伴う不均一さの増大を精度で補おうとした場合、大きな機器ほど施工が困難となる。
【0010】
蒸留塔の連続運転上最も問題となるのは、蒸留塔内の差圧、つまり塔底圧力と塔頂圧力の差が増大することである。この塔内差圧の上昇は、多孔板上の孔径が重合物により縮小し、液・ガス共に流れにくくなることで引き起こされる。重合物の堆積が進行すると、完全に閉塞する孔も現れる。最終的には、液・ガス共に充分に流れることが出来ず、蒸留塔の運転停止を余儀なくされる。
【0011】
つまり、蒸留塔の長期安定運転を行うには、塔内差圧の上昇を防ぐことが必要であり、無堰多孔板を用いた蒸留塔においては、開孔部が重合物により閉塞することを防止する必要がある。
【0012】
本発明は、(メタ)アクリル酸溶液を長期にわたって安定して蒸留することができる(メタ)アクリル酸の蒸留方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の(メタ)アクリル酸の蒸留方法は、少なくとも一部のトレイが無堰多孔板である蒸留塔を用いて(メタ)アクリル酸溶液を蒸留する(メタ)アクリル酸の蒸留方法において、該無堰多孔板の開孔部は、平行且つ等間隔の第1の線群と、該第1の線群に対し斜交する平行且つ等間隔の第2の線群とからなる斜交格子の各交点上に位置しており、該斜交格子によって囲まれる平行四辺形よりなる領域の面積Aに対する、該領域に掛かる開孔部の面積の合計Bとの比である局所開孔率B/Aと塔断面積Sに対する全開孔部の合計面積uとの比u/Sについて、(u/S)/(B/A)の比の値が0.67以上であり、開孔部の縁を伝わり落ちる液量が0.035m3/m・h以上であり、蒸留塔の塔径が1.2m以上であり、塔内ガス中の酸素濃度が0.008〜0.1mol%であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明者は、(メタ)アクリル酸の蒸留について研究を重ねた結果、塔径の大きな蒸留の無堰多孔板の開孔部の配置を均一化し、開孔部の縁から伝わり落ちる液量を多くし、且つ、塔内に適正量の酸素を存在させることにより(メタ)アクリル酸等の重合が防止され、長期にわたり安定して蒸留を行うことができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0016】
図1は実施の形態に係る(メタ)アクリル酸の蒸留方法を示す系統図、図2は無堰多孔板の一部の拡大平面図である。
【0017】
図1の通り、アクリル酸製造工程からの粗アクリル酸溶液は、無堰多孔板10が多数段、水平に設けられた蒸留塔1に導入されて蒸留され、塔底液の一部は配管2、リボイラ3、配管4の順に循環される。また、塔底液は、配管3に連なる配管5を介して缶出液として取り出される。
【0018】
塔頂からの留出分は、配管20、凝縮用コンデンサ21を介して還流槽22に導入される。還流槽22内のアクリル酸の一部は配管23を介して塔頂に戻される。アクリル酸の残部は、配管24を介して精製アクリル酸として取り出される。還流槽22内のガスは、ベントガスコンデンサ(図示略)で再度冷却され、凝縮したアクリル酸は還流槽22に戻り、ガス成分は真空設備を経てベントガスとして取り出される。
【0019】
図2の通り、無堰多孔板には多数の開孔部15が設けられている。各開孔部15の中心は、互いに平行且つ等間隔の第1の線群11と、互いに平行且つ等間隔であり、該第1の線群に斜交する第2の線群12とからなる斜交格子13の各交点上に位置する。
【0020】
後述の通り、開孔部15は円形が好ましく、その孔径は10〜30mmが好ましい。
【0021】
第1の線群11同士の間隔pは、35〜140mmが好適であり、第2の線群12同士の間隔pは、1≦p/p≦2が好適である。第1の線群11と、第2の線群12との交叉角度θはπ/4≦θ≦π/2であり、かつcos−1(p/p)≦θであることが好適である。かかる開孔部15を均等な配置とすることにより、各開孔部15から液が均一に流れ落ちるようになり、偏流が防止され、偏流による重合発生が防止される。
【0022】
第1の線群11と第2の線群12とによって囲まれる平行四辺形の領域面積即ち図2の格子点e,f,g,hを結んでなる平行四辺形の面積Aに対する該領域にかかる開孔部の面積の合計Bの比(百分率)B/A×100%として定義される局所開孔率は17%以上、好ましくは17〜28%である。なお、単純な算術計算の通り、A=p・p/sinθであり、B=π・d/4である。また棚段全体としての全開孔面積uは、π/4・d×n(n:孔の総数)で、塔の内径をDとしたときの塔断面積Sはπ/4・Dで示される。このとき(B/A)/(u/S)の比の値を、0.67以上とすることにより、塔内の液の流れが均一化され、重合が防止されるようになる。
【0023】
各開孔部15の縁を伝わって落ちる液量は、該縁の単位長さ(m)及び単位時間(h)当り0.035m3/m・h以上であり、とくに0.04〜0.25m/m・hであることが望ましい。0.035m3/m・h未満であると、孔周囲に重合物の堆積が起こり、これにより閉塞が起こり、蒸留塔の差圧が上昇する。
【0024】
孔周囲から流れ落ちる液量に差が出ないよう、孔径は全て等しくするのが望ましい。異なる孔径を用いた場合、孔径の小さなものほど孔周囲の液流量が低くなる為、ここを基点とした重合閉塞が起こりやすく、さらに閉塞により孔径の小さくなった該孔付近の閉塞を加速することとなる。
【0025】
孔の形状は、一定孔面積に対し、最も孔周囲の長さが短く、また、孔周囲から流れ落ちる液速度に偏りの無い円形が望ましい。
【0026】
孔径dは大きいほど、一定孔面積に対する孔周囲の長さが小さくなり、孔周囲の単位長さ当りを伝い落ちる液量が多くなるが、孔径が大き過ぎると安定運転が困難となるため、30mm以下が望ましい。また、孔径dは、小さ過ぎると単位長さ当りの液流量の確保が困難となるため、10mm以上が望ましい。
【0027】
塔径が小さい場合、多孔板は、塔の内周に設置されたサポートリング(図示略)に支持されるのが好ましい。塔径が大きいときには、機械的強度を保つ為、サポートリングに加え、さらにサポートビーム(図示略)によって無堰多孔板が支持されることが好ましい。サポートリング及びサポートビームの形状、構成、配置等に特に制限はない。ただし、サポートリング及びサポートビームによって覆われる開孔部15の数をなるべく少なくするために、サポートリング及びサポートビームの平面視面積はなるべく小さい方が好ましい。なお、機械的強度を保ちつつ、これらの面積を小さくするには、例えば板厚を大きくする等の方法がある。無堰多孔板の設置あるいは交換等の作業を行い易くするために、無堰多孔板は複数に分解されてもよい。
【0028】
トレー間の間隔は、ガス速度の関係上、0.3m以上が好ましい。ただし、塔が高くなりすぎないようにするために、トレー間の間隔は0.75m以下が好ましい。
【0029】
塔内ガス中の酸素濃度が0.008〜0.1mol%になるよう、塔底より分子状酸素を供給することが望ましい。基底状態で電子スピンが三重項状態にある酸素がラジカルの捕捉剤として優れていることは広く知られている。酸素は気体として供給されるため、蒸留塔全体に均一に分散する。この塔内のガス中の酸素濃度が0.008mol%を下回ると、重合防止効果が低減する。逆に、塔内の酸素濃度が0.1mol%を超えると、塔内閉塞を加速する場合がある。分子状酸素はラジカルの捕捉とは別に、溶液中の有機物と反応して過酸化物を生じ、この過酸化物に起因するラジカルが生成する為と一般的には考えられている。
【0030】
上記実施の形態ではすべての多孔板を無堰多孔板としているが、一部の多孔板のみを無堰多孔板としてもよい。
【0031】
【実施例】
実施例1
プロピレンを空気、及び水・窒素・二酸化炭素からなる不活性ガスと混合し、第一の反応帯域でプロピレンを酸化モリブデン系固体触媒の存在下で分子状酸素と反応させてアクロレインを得、次いで第二の反応帯でアクロレインを酸化モリブデン系固体触媒の存在下で分子状酸素と反応させて、アクリル酸を含む反応ガスを得、更に酢酸水溶液による反応ガスの捕集によりアクリル酸水溶液を得、該溶液を蒸留精製することにより、アクリル酸97重量%、アクリル酸二量体2.3重量%、マレイン酸0.4重量%を含むアクリル酸水溶液を得た。
【0032】
該アクリル酸水溶液の一部を、図1に示す蒸留塔に供給した。
【0033】
この蒸留塔は、塔径1600mmであり、塔内に10段の無堰多孔板トレーを有し、各トレーの間隔は450mmである。
【0034】
多孔板の孔径dは全て28mm、p=p=50.2mm、θ=π/3、各トレーの孔数は492であり、(B/A)/(u/S)の値は0.71である。
【0035】
この蒸留塔の塔底部にアクリル酸溶液を毎時3,800kgで供給し、塔頂圧力67kPa、塔頂温度70℃、還流量を毎時3850kg、塔頂からの抜出しを毎時3,050kgの条件下で、1ヶ月間の連続運転を行った。重合禁止剤として、ハイドロキノン100重量ppm、フェノチアジン30重量ppmが還流液に含まれるよう、塔頂から供給した。塔底から窒素ガスにより3倍に希釈した空気を、塔頂ガス中の酸素濃度が0.01モル%となるよう、塔底より供給した。
【0036】
この時に開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.089m3/m・hであった。運転期間内での塔内差圧(塔頂圧力−塔底圧力)の変化は見られなかった。
【0037】
更に、還流量を毎時1,600kgまで低下させたこと以外は同一条件にて、1ヶ月間の連続運転を行った。この時に開孔部の縁を伝う液量は、0.037m3/m・hであった。運転期間中に塔内差圧の変化は見られなかった。
【0038】
比較例1
実施例1において、還流量を毎時1,100kgに低下させたこと以外は同一条件にて運転を行った。この時に開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.025m3/m・hであった。1ヶ月間の運転期間内に、0.8kPaの塔内差圧の上昇が確認された。
【0039】
実施例2
実施例1において、蒸留塔内の下から四段目までのトレーを、孔径は20mm、p=p=36.3mm、θ=π/3、各トレー上の孔数が964のものに変更した。(B/A)/(u/S)の値は0.73である。還流量を毎時3,300kgとしたこと以外は実施例1と同一条件にて1ヶ月間、連続運転を行った。このとき、塔底部トレーについて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.054m3/m・hであった。運転期間中に塔内差圧の変化は見られなかった。
【0040】
比較例2
実施例2において、還流量を毎時1,600kgに下げたこと以外は同一条件にて運転を行った。このとき、塔底部トレーにおいて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.026m3/m・hであった。10日間の運転で塔内差圧が2kPa上昇した為、運転を停止した。
【0041】
実施例3
実施例1において、蒸留塔内の下から四段目までのトレーを、孔径は12mm、p=p=21.6mm、θ=π/3、各トレー上の孔数が2664のものに変更した。(B/A)/(u/S)の値は0.71である。還流量を毎時3,850kgとしたこと以外は実施例1と同一条件にて1ヶ月間、連続運転を行った。この時、塔底部トレーにおいて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.038m3/m・hであった。運転期間中に若干(0.2kPa未満)の塔内差圧の上昇が確認された。
【0042】
比較例3
実施例3において、還流量を毎時2,200kgとしたこと以外は同一条件にて運転を行った。この時、塔底部トレーにおいて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.022m3/m・hである。6日間の運転で塔内差圧が2kPa上昇した為、運転を停止した。
【0043】
実施例4
実施例1において、蒸留塔内の下から四段目までのトレーを、孔径d=28mm、p=p=39.8mm、θ=π/3、各トレーの孔数812のものに変更した。(B/A)/(u/S)の値は0.74である。還流量を毎時3,300kgとしたこと以外は実施例1と同一条件にて1ヶ月間、連続運転を行った。この時、塔底部トレーにおいて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.046m3/m・hであった。運転期間中に塔内差圧の変化は見られなかった。
【0044】
比較例4
実施例4において、還流量を毎時1,600kgとしたこと以外は同一条件にて運転を行った。この時、塔底部トレーにおいて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.022m3/m・hである。1ヶ月間の運転期間内に、11kPaの塔内差圧の上昇が確認された。
【0045】
実施例5
実施例1において、蒸留塔内の下から四段目までのトレーを、孔径は20mm、p=p=28.5mm、θ=π/3、各トレー上の孔数が1604のものに変更した。(B/A)/(u/S)の値は0.75である。還流量を毎時3,850kgとしたこと以外は実施例1と同一条件にて1ヶ月間、連続運転を行った。この時、塔底部トレーにおいて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.038m3/m・hであった。運転期間中に0.3kPaの塔内差圧の上昇が確認された。
【0046】
比較例5
実施例5において、還流量を毎時1,600kgとしたこと以外は同一条件にて運転を行った。この時、塔底部トレーにおいて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.016m3/m・hであった。3週間の運転で塔内差圧が2kPa上昇した為、運転を停止した。
【0047】
比較例6
実施例1において、塔頂ガス中の酸素濃度が0.005モル%となるよう、窒素で3倍に希釈した空気を塔底より供給し、還流量を毎時2,200kgとしたこと以外は実施例1と同一条件にて運転を行った。このとき、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.051m3/m・hである。2週間の運転で塔内差圧が1.6kPa上昇した。
【0048】
比較例7
比較例6において、塔頂ガス中の酸素濃度が0.12モル%となるよう、塔底より空気を供給したこと以外は実施例1と同一条件にて運転を行った。2週間の運転で塔内差圧が0.7kPa上昇した。
【0049】
比較例8
実施例1において、蒸留塔内の下から四段目までのトレーを、孔径はd=28mm、p=p=45.8mm、θ=π/3、各トレーの孔数488のものに変更した。(B/A)/(u/S)の値は0.59である。還流量を毎時2,200kgとしたこと以外は同一条件にて運転を行った。この時、塔底部トレーにおいて、開孔部の縁を伝わって流れ落ちる液量は、0.051m3/m・hであった。2週間の運転で塔内差圧が0.3kPa上昇した。
【0050】
【発明の効果】
以上の実施例及び比較例からも明らかな通り、本発明によると(メタ)アクリル酸の蒸留を重合閉塞を生じさせることなく長期にわたり安定して行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る(メタ)アクリル酸の蒸留方法を示す系統図である。
【図2】無堰多孔板の一部の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 蒸留塔
3 リボイラ
10 無堰多孔板
11 第1の線群
12 第2の線群
13 斜交格子
15 開孔部
22 還流槽

Claims (3)

  1. 少なくとも一部のトレイが無堰多孔板である蒸留塔を用いて(メタ)アクリル酸溶液を蒸留する(メタ)アクリル酸の蒸留方法において、
    該無堰多孔板の開孔部は、平行且つ等間隔の第1の線群と、該第1の線群に対し斜交する平行且つ等間隔の第2の線群とからなる斜交格子の各交点上に位置しており、
    該斜交格子によって囲まれる平行四辺形よりなる領域の面積Aに対する、該領域に掛かる開孔部の面積の合計Bとの比である局所開孔率B/Aと塔断面積Sに対する全開孔部の合計面積uとの比u/Sについて、(u/S)/(B/A)の比の値が0.67以上であり、
    開孔部の縁を伝わり落ちる液量が0.035m3/m・h以上であり、
    蒸留塔の塔径が1.2m以上であり、
    塔内ガス中の酸素濃度が0.008〜0.1mol%であることを特徴とする(メタ)アクリル酸の蒸留方法。
  2. 請求項1において、前記開孔部は直径10〜30mmの円形であり、
    前記第1の線群の間隔をp、第2の線群の間隔をp、第1の線群と第2の線群がなす内角をθとした場合、
    1≦p/p≦2であり、
    cos−1(p/2p)≦θ≦π/2(ただしθ≧π/4)であることを特徴とする(メタ)アクリル酸の蒸留方法。
  3. 請求項1又は2において、B/Aの値が0.17〜0.28であり、かつ、(u/S)/(B/A)の値が0.67〜0.90であることを特徴とする(メタ)アクリル酸の蒸留方法。
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