JP2005232000A - ピリドンカルボン酸誘導体又はその塩 - Google Patents

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和弘 水野
Yasutomo Chikugi
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秀継 岡田
Katsumi Chiba
勝已 千葉
Hiroaki Yoshida
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Abstract

【課題】病原菌、中でもMRSAに対して優れた抗菌活性を有する化合物及び抗菌剤を提供する。
【解決手段】下記式で表される化合物(I)又はその塩および該化合物を含有するMRSA感染症治療剤。
【化1】
Figure 2005232000

[式中、Xはハロゲン原子を意味し、
1は水素原子又はアシル基を意味し、
2は水素原子又は低級アルキル基を意味し、
3はエステル化されていてもよいカルボキシル基を意味する。]
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は病原性細菌、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus、以下本明細書において、MRSAという)に対して優れた抗菌活性を示し、さらに医薬品としての高い安全性および優れた体内動態を有する新規ピリドンカルボン酸誘導体に関する。更に、本発明は該化合物を含有するMRSA感染症の治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
MRSAはメチシリンに代表されるβ−ラクタム系抗生物質など、各種の抗生物質に低感受性の菌であり、この菌による院内感染が医療の現場において非常に大きな問題となっている。
【0003】
従来から、広範囲な感染症に対して各種キノロン系合成抗菌剤が臨床の場で使用され優秀な成績を収めてきた。しかしながら、MRSAはβ−ラクタム系抗生物質のみならず、キノロン系薬剤を含む他の化学療法剤に対しても耐性(多剤耐性)である場合が多く、従来のキノロン系合成抗菌剤はMRSA感染症に対してはあまり有効ではなかった。
【0004】
また、キノロン系合成抗菌剤の副作用としてこれまでに、光毒性、変異原性及び非ステロイド性抗炎症薬との併用による痙攣誘発作用などが明らかにされている。
【0005】
この様な状況において、医療の現場では、MRSA感染症に対してより有効性が高く、かつ安全性の高い薬剤の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、抗菌活性、とりわけMRSAに対する抗菌活性が優れ、かつ高い安全性及び良好な体内動態を兼ね備えたピリドンカルボン酸誘導体を開発すべく種々探索した結果、完成されたものである。
【0007】
本発明は、下記一般式(I)で表される新規なピリドンカルボン酸誘導体又はその塩に関するものである。
【0008】
【化2】
Figure 2005232000
【0009】
[式中、Xはハロゲン原子を意味し、
1は水素原子又はアシル基を意味し、
2は水素原子又は低級アルキル基を意味し、
3はエステル化されていてもよいカルボキシル基を意味する。]
【0010】
更に、本発明は化合物(I)又はその塩を含有するMRSA感染症の治療剤に関する。
【0011】
以下、本発明化合物について詳細に説明する。
本明細書において、「低級」なる用語は、特に断らないかぎり、この語が付された基が1〜7個の炭素原子を含むことを意味する。
【0012】
本発明化合物(I)の置換基Xの定義における「ハロゲン原子」としては、例えば、塩素、臭素又はフッ素などが挙げられ、これらのうち塩素、臭素が好ましく、特に好ましいのは塩素である。
【0013】
置換基R1の定義における「アシル基」としては、例えば、アセチル,ホルミル,プロピオニルなどの直鎖状または分枝鎖状の低級アルカノイル基;アラニル,グリシル,チロシル,リジル,ロイシルなどのアミノ酸残基;ベンゾイル基などが挙げられる。
【0014】
置換基R1がアミノ酸残基である場合、この基が有するアミノ基、イミノ基、水酸基及びメルカプト基などの官能基はペプチド化学の分野で通常使用されている保護基で保護されていてもよい。保護基としては加水分解又は加水素分解などの通常の脱保護基反応により他の構造部分に実質的に悪い影響を与えることなく、容易に脱離できるものであればいずれも使用可能である。
【0015】
加水分解により容易に脱離できる保護基(易加水分解性保護基)の例としては、エトキシカルボニル,Bocと略称されることもあるtert−ブトキシカルボニル,ベンジルオキシカルボニル,p−メトキシベンジルオキシカルボニル,ビニルオキシカルボニル,β−(p−トルエンスルホニル)エトキシカルボニルの如きオキシカルボニル基;ホルミル,アセチル,トリフルオロアセチルの如きアシル基;トリメチルシリル,tert−ブチルジメチルシリルの如きアルキルシリル基などのほか、テトラヒドロピラニル;o−ニトロフェニルスルフェニル;ジフェニルホスフェニルなどが挙げられる。
【0016】
また、加水素分解により容易に脱離される保護基(易加水素分解性保護基)としては、例えば、p−トルエンスルホニルの如きアリールスルホニル基;ベンジル,トリチル,ベンジルオキシメチルの如きフェニルもしくはベンジルオキシによって置換されたメチル基;ベンジルオキシカルボニル,o−メトキシベンジルオキシカルボニルの如きアリールメトキシカルボニル基;β,β,β−トリクロロエトキシカルボニル,β−ヨードエトキシカルボニルの如きハロゲノエトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0017】
置換基R2の定義における「低級アルキル基」は、直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,ペンチルなどが挙げられる。
【0018】
置換基R3の定義における「エステル化されたカルボキシル基」は化学的手段または酵素学的手段により生体内または生体外でそのエステル部分が脱離されて、遊離のカルボキシル基に変換できるものであればいずれでもよい。
【0019】
なお、本明細書において「エステル部分」とあるのは「エステル化されたカルボキシル基」からカルボニルオキシを除いた残余の基を意味するものとする。
【0020】
加水分解あるいは加水素分解の如き化学的手段により脱離されてカルボキシル基に変換可能な、エステル化されたカルボキシル基のエステル部分としては、例えば、メチル,エチルの如き低級アルキル基;ベンジルの如きアラルキル基;ビニル,アリルの如き低級アルケニル基;フェニル,ナフチルの如きアリール基などが挙げられる。また、化学的手段のみならず、酵素学的手段により脱離されてカルボキシル基に変換可能なエステル部分としては、例えば、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル,2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル,1−ジメチルアミノ−2−プロピルの如きジ低級アルキルアミノ低級アルキル基;2−(1−ピロリジニル)エチル,2−(1−ピペリジニル)エチル,2−(1−ピロリル)エチル,2−ピリジルメチル,3−ピリジルメチル,2−(4−モルホリニル)エチル基の如き環状アミノ低級アルキル基;アセトキシメチル,1−アセトキシエチル,ピバロイルオキシメチルの如き低級アルカノイルオキシ低級アルキル基;1−エトキシカルボニルオキシエチルの如き低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基などのほか、2−(アミノカルボニルアミノ)エチル基,2−(N,N−ジエチルアミノ)−2−オキソエチル基,3−ブチロラクトニル基,コリン基,フタリジル基,(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基などが挙げられ、これらのうち、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル基、環状アミノ低級アルキル基が好ましい。
【0021】
3がエステル化されたカルボキシル基である本発明化合物(I)(以下、エステル体ということもある)又はその塩は、R3がカルボキシル基である本発明化合物(I)(以下、カルボン酸体ということもある)又はその塩の合成原料として価値あるものである。また、エステル体又はその塩自身が生体内において容易にカルボン酸体に変換される場合にはプロドラッグとして有用であり、カルボン酸体又はその塩と同様に抗菌剤として使用できる。
【0022】
本発明化合物(I)の塩は、特に生理的に許容しうる塩が好ましく、酸付加塩及びカルボキシル基の塩がその例として挙げられる。酸付加塩として例えば、トリフルオロ酢酸,酢酸,乳酸,コハク酸,メタンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸,マレイン酸,マロン酸,グルコン酸,アスパラギン酸もしくはグルタミン酸の如きアミノ酸などの有機酸との塩;塩酸,リン酸などの無機酸との塩などが挙げられる。また、カルボキシル基の塩としては例えば、ナトリウム,カリウム,亜鉛,銀などの金属との塩;エタノールアミン,ジエタノールアミン,2−アミノ−1−プロパノール,1,3−ジアミノ−2−プロパノール,ピペラジン,N−メチルピペラジン,1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン,1,3−ジアミノプロパン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,N−メチルモルホリン,プロリノール,2−ピペリジンメタノールなどの有機塩基との塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
【0023】
本発明化合物は、時として水和物や溶媒和物として存在することもある。また、本発明化合物は光学活性体、立体異性体(シス型,トランス型)またはこれらの混合物の形態で存在することもある。これらの化合物はいずれも本発明に包含される。
【0024】
本発明に包含される化合物は、置換基の種類によって、概ね次の3つのタイプに分類することができる。
[タイプ1]
【0025】
【化3】
Figure 2005232000
【0026】
[式中、X及びR2は前記定義と同じ。]
【0027】
化合物(I−1)は各種の病原菌に対して強力な抗菌活性を示し抗菌剤として有用である。さらに本化合物は特にMRSAに対して優れた抗菌活性を示し、MRSA感染症治療剤として価値あるものである。すなわち、本発明化合物(I)の優れた抗菌作用、特にMRSAに対する強い抗菌作用の発現は、本化合物(I−1)の構造に依拠すると考えられる。
[タイプ2]
【0028】
【化4】
Figure 2005232000
【0029】
[式中、R1’はアシル基を意味し、X及びR2は前記定義と同じ。]
【0030】
化合物(I−2)はそれ自身が抗菌活性を有し価値あるものではあるが、生体内でR1’が容易に脱離され化合物(I−1)に変換される場合には、化合物(I−1)のプロドラッグとなり得て、体内動態がより良好な抗菌剤として使用することができる。
[タイプ3]
【0031】
【化5】
Figure 2005232000
[式中、R3aはエステル化されたカルボキシル基を意味し、X、R1及びR2は前記定義と同じ。]
【0032】
化合物(I−3)のR3aのエステル部分が生体内で容易に脱離され化合物(I−1)又は(I−2)に変換される場合には、プロドラッグとして使用することができる。また本化合物は化合物(I−1)又は(I−2)の合成原料としても有用である。
【0033】
本発明化合物のうち、好適な化合物は、前記一般式(I)において、Xが塩素原子又は臭素原子であり、R1が水素原子、低級アルカノイル基又はアミノ酸残基である化合物である。これらのうちで、より好適な化合物はR1が水素原子又はアセチル基であり、R2が水素原子又はメチル基である化合物である。更により好適な化合物として具体的には後記実施例に記載の化合物を挙げることができる。
【0034】
本発明化合物の製造法につき、以下に説明する。
本発明化合物は、種々の方法により製造されるが、それらは目的とする本発明化合物の7位置換基の種類によって好適な方法が選択される。
【0035】
[製造方法I]
本法は下記一般式(II)
【0036】
【化6】
Figure 2005232000
【0037】
〔式中、Lは脱離しうる基を意味し、X及びR3は前記定義と同じ。〕
【0038】
で表される化合物またはその塩を下記式(III)
【0039】
【化7】
Figure 2005232000
【0040】
〔式中、R1aは水素原子又は保護されていてもよいアミノ酸残基を
除くアシル基を意味し、R2は前記定義と同じ。〕
【0041】
で表されるアゼチジンン誘導体又はその塩と反応させることからなる下記式(I−A)
【0042】
【化8】
Figure 2005232000
【0043】
[式中、X、R1a、R2及びR3は前記定義と同じ。]
【0044】
で表される化合物又はその塩の製造方法に関する。
【0045】
なお、R1aが例えばアセチル基などの易加水分解性の基であり、かつR3がカルボキシル基である本発明化合物(I−A)は、合成原料としてR3がカルボシル基である化合物(II)を用いて製造するのが好ましい。
【0046】
一般式(II)における脱離しうる基Lとしては、例えば、ハロゲン原子,低級アルコキシ基,低級アルキルチオ基,低級アルキルスルホニル基,低級アルキルスルフィニル基,低級アルキルスルホニルオキシ基,アリールスルホニルオキシ基などが挙げられ、これらのうちフッ素や塩素の如きハロゲン原子が好適である。
【0047】
化合物(II)と化合物(III)の反応は、通常、溶媒中、約10〜180 ℃、好ましくは約20〜130 ℃において、約10分〜7日間、好ましくは約30分〜3日間攪拌することにより実施することができる。その際に使用しうる溶媒としては、例えば、水,メタノール,エタノール,アセトニトリル,クロロホルム,ピリジン,N,N−ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,1−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは混合して使用してもよい。
【0048】
本反応は、酸受容体の存在下に、化合物(III)を化合物(II)に対し、当量ないしやや過剰量を使用して行うのが一般的であるが、化合物(III)を過剰に用いて酸受容体としての役割を兼ねさせてもよい。酸受容体としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU),トリエチルアミン,ピリジン,キノリン,ピコリンなどの有機塩基、または水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウムなどの無機塩基が挙げられる。これら酸受容体は通常、化合物(III)に対して約1〜3倍モル量の割合で使用できる。
【0049】
なお、化合物(II)及び(III)は既知であるか、あるいは既知の方法に準じて製造できる。
【0050】
[製造方法II]
本法は[製造方法I]で得られた下記式(I−A)’
【0051】
【化9】
Figure 2005232000
[式中、X、R2及びR3aは前記定義と同じ。]
【0052】
で表される化合物又はその塩を下記式(IV)
【0053】
【化10】
Figure 2005232000
【0054】
[式中、R1bは保護されていてもよいアミノ酸残基を意味する。]
【0055】
で表されるアミノ酸と反応させることからなる下記式(I−B)
【0056】
【化11】
Figure 2005232000
【0057】
[式中、X、R1b、R2及びR3aは前記定義と同じ。]
【0058】
で表される化合物又はその塩の製造方法に関する。
【0059】
なお、前記式(I−A)’の置換基R3aにおけるエステル部分は、前記式(IV)の置換基R1bが有することもある保護基を脱離する条件とは異なる条件で脱離する基を選択するのが望ましい。例えば、R1bの有する保護基がtert-ブトキシカルボニル基の如き易加水分解性保護基であるときには、R3aのエステル部分としてはベンジルの如き加水素分解反応により脱離される基が好適に選択される。
【0060】
化合物(I−A)’と化合物(IV)との反応は脱水縮合剤の存在下、通常、溶媒中で、約0〜120℃、好ましくは約0〜100℃において、約10分〜7日間、好ましくは約30分〜3日間攪拌することにより実施することができる。ここで使用される溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。脱水縮合剤としては、ペプチド化学等の分野で通常用いられる縮合剤が使用され、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド、クロロ炭酸エチルなどが挙げられる。本反応は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムのような酸受容体の存在下に行うのが好ましい。酸受容体としてピリジンを用いる場合には、溶媒としての役割を兼ねさせることができる。
【0061】
かくして製造法I又はIIで得られる本発明化合物において、エステル体からカルボン酸体への変換、R1がアシル基である化合物から水素原子である化合物への変換、更にはR1のアシル基中に存在することもあるアミノ基やイミノ基などの官能基の保護基の脱離は、加水分解反応または加水素分解反応により容易に実施できる。
【0062】
加水分解反応は、易加水分解性基を有する本発明化合物と水とを接触させることにより実施できる。本反応は、反応を促進する意味において、通常、酸または塩基の存在下に行われる。使用しうる酸としては、例えば、塩酸,臭化水素酸,硫酸,リン酸などの無機酸や、酢酸,トリフルオロ酢酸,ギ酸,p−トルエンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化バリウムなどの金属水酸化物;炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなどの炭酸塩;更には酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0063】
ここにおける溶媒としては、通常、水が用いられるが、易加水分解性基の性質によっては、例えば、エタノール,エチレングリコールジメチルエーテル,ジオキサンなどの水混和性有機溶媒が水とともに用いられる。反応温度は通常、約0〜150℃、好ましくは約30〜100℃の範囲内から選択できる。
【0064】
本反応は、前述の如き酸の存在下に前記本発明化合物を直接加熱した後、水を加えることによっても実施できる。
【0065】
さらに、変換されるべき基がtert-ブトキシカルボニル基である場合、その変換は、水、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、アセトニトリルなどの溶媒中、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの存在下、通常約0〜120℃、好ましくは約0〜80℃の温度において、約10分〜7日間、好ましくは約30分〜3日間、攪拌することにより実施することができる。
【0066】
加水素分解反応は溶媒中で触媒の存在下に、易加水素分解性基を有する本発明化合物を水素ガスで処理することにより有利に実施することができる。本反応に用いる触媒としては、例えば、白金,パラジウム,ラネーニッケルなどの水素添加触媒が挙げられる。また、溶媒としては、例えば、エチレングリコール,ジオキサン,N,N−ジメチルホルムアミド,エタノール,酢酸,水などを用いることができる。本反応は約60℃以下、通常は室温で実施することができる。
【0067】
易加水素分解性基がベンジル,トリチル,ベンジルオキシカルボニル,p−トルエンスルホニルなどであるとき、これらは液体アンモニア中、約−50℃〜−20℃の温度において金属ナトリウムで処理することによっても脱離することができる。
【0068】
本発明化合物がカルボン酸体である場合には、所望により、エステル体へ変換することができる。この変換は、例えば、以下のように実施することができる。
【0069】
すなわち、カルボン酸体を、下記式(V)
【0070】
【化12】
Figure 2005232000
【0071】
[式中、R3a’は目的とするエステル体のエステル部分を意味し、
Lは前記定義と同じ。]
【0072】
で表される化合物と反応させることにより、エステル体へ変換することができる。ここにおけるエステル部分としては、前述した、化学的手段のみならず酵素学的手段により脱離される基がその例として挙げられる。
【0073】
この反応は通常不活性溶媒中で、約10〜180℃、好ましくは約20〜30℃において、約10分〜7日間、好ましくは約30分〜3日間撹拌することにより実施することができる。ここで使用される溶媒としては、例えば、トルエン、クロロホルム、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本反応は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムのような酸受容体の存在下に行うのが好ましい。また本反応には、ヨウ化カリウムのような反応補助剤を合わせて用いることもできる。
【0074】
本発明化合物が遊離体で得られたときは、必要に応じてこれを塩に変換し、あるいは塩が得られたときは遊離体に変換できる。
【0075】
このようにして製造される本発明化合物は、常法に従って単離精製することができる。これらの化合物は、単離精製の条件によって、塩の形、遊離体の形または水和物の形で得られるが、これらは目的に応じて相互に変換され、目的とする形態の本発明化合物に導くことができる。
【0076】
本発明化合物の立体異性体は、通常の方法、例えば、分別結晶,クロマトグラフィー法などにより互いに分離することができ、また、光学活性体は、既知の光学分割方法を適用することによって単離できる。
【0077】
次に、本発明化合物のin vitroにおける抗菌活性を、以下にデータを挙げて説明する。
【0078】
表1は各種の菌に対する最小発育阻止濃度(MIC:μg/ml)を示し、表2はMRSAに対する最小発育阻止濃度を示す。表2の試験において使用したMRSA(14株)は患者から分離され、メチシリンに対して12.5μg/ml以上のMICを示す菌株である。MICはChemotherapy 29(1),76(1981)の記載に準じて測定した。
【0079】
なお、次の表1および表2における供試化合物は、後記実施例の番号により特定されている。
【0080】
【表1】
Figure 2005232000
【0081】
【表2】
Figure 2005232000
【0082】
表1は、本発明化合物が各種の菌に対して強い抗菌活性を備えていることを、また表2は、該化合物がMRSAに対しても強い抗菌活性を有することを示している。
【0083】
かくして、本発明化合物(I)又はそれらの生理的に許容される塩は、抗菌剤として、ヒト又はヒト以外の動物における細菌性疾患の処置のために好適に使用することができる。
【0084】
本発明化合物を抗菌剤としてヒトに使用する場合に、その投与量は、年齢,体重,症状,投与経路などにより異なるが、一般に1日当たり5mg〜5gを1回ないし数回に分けて投与することが推奨される。投与経路は経口、非経口、局所のいずれでもよい。
【0085】
本発明化合物は原末のままヒトなどに投与してもよいが、通常は薬学的に許容しうる添加物とともに調製された製剤(薬学的組成物)の形で投与される。そのような製剤としては、錠剤,液剤,カプセル剤,顆粒剤,細粒剤,散剤,シロップ剤,注射剤,坐剤,軟膏剤,噴霧剤,点眼剤などが挙げられる。これらの製剤は通常の添加剤を用いて、常法に従って製造することができる。例えば、経口用の添加剤としては、デンプン,マンニット,結晶セルロース,カルボキシメチルセルロース−Ca,水,エタノールなどの製剤の分野において常用され、かつ本発明化合物と反応しない固体または液体の担体または希釈剤物質が用いられる。注射用の添加剤としては、水,生理食塩水,グルコース溶液,輸液などの注射剤の分野で常用されるものが挙げられる。なお、上記の噴霧剤や軟膏剤は、耳鼻咽喉科や眼科における治療や処置においても使用されうる。
【0086】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0087】
[実施例1(A)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸エチルエステル
【0088】
(1)3-クロロ-2,4,5-トリフルオロ-6-メチルベンゾイル酢酸エチル50gにオルトギ酸トリエチル42.3ml、無水酢酸40.1mlを加え、2時間還流した。減圧下、反応液を濃縮し、更にトルエンを加えて共沸した。残渣を1-メチル-2-ピロリジノン150mlに溶解し、これを2,6-ジアミノ-3,5-ジフルオロピリジン25.8gの1-メチル-2-ピロリジノン350ml溶液に氷冷下で滴下し、同温で1時間攪拌した。炭酸カリウム25.8gを加え、60℃で4.5時間、室温で一夜攪拌した。水1500mlに注ぎ、析出した結晶を濾取し、水、アセトニトリルで順次洗浄して、1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-クロロ-6,7-ジフルオロ-1,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸エチルエステル51.1gを得た。
【0089】
融点:198−199℃
IR (KBr) cm-1 :1726, 1614
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.27 (t, 3H, J = 7Hz), 2.73 (d, 3H, J = 3Hz), 4.23 (q, 2H, J = 7Hz), 6.74 (s, 2H), 7.95 (t, 1H, J = 9Hz,), 8.50 (s, 1H)
【0090】
(2)前項で得られた化合物1.5g、3-アゼチジノール460mgおよびトリエチルアミン530mgのジメチルスルホキシド15ml溶液を、室温で一夜攪拌した。冷水30mlを加え析出した結晶を濾取し、エタノールで洗浄して、標記化合物1.42gを得た。
【0091】
融点:266−268℃
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.25 (t, 3H, J = 7Hz), 2.61 (d, 3H, J = 3Hz), 4.00-4.12 (m, 2H), 4.21 (q, 2H, J = 7Hz), 4.36-4.52 (m, 1H), 4.53-4.68 (m, 2H) , 5.66 (d, 1H, J = 5Hz), 6.65 (s, 2H), 7.88 (t, 1H, J = 10Hz), 8.28 (s, 1H)
MS (m/z): 483, 485 (MH+)
【0092】
[実施例1(B)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸
【0093】
実施例1(A)で得られた化合物1.4g、エタノール14ml、1%水酸化ナトリウム水溶液28mlを60℃で4.5時間加熱した。反応液を活性炭処理し、80℃で加熱した濾液に1%酢酸水溶液28mlを滴下した。放冷して析出した結晶を濾取し、水洗して標記化合物1.1gを得た。
【0094】
融点:277−280℃
IR (KBr) cm-1 : 3377, 1716, 1622
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.69 (d, 3H, J = 4Hz), 4.12-4.23 (m, 2H), 4.39-4.54 (m, 1H), 4.64-4.78 (m, 2H), 5.71 (d, 1H, J = 6Hz), 6.72 (s, 2H), 7.91 (t, 1H, J = 10Hz), 8.62 (s, 1H), 15.00 (s, 1H)MS (m/z): 455, 457(MH+)
【0095】
[実施例2(A)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- ブロモ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸エチルエステル
【0096】
(1)3,4,6-トリフルオロ-2-メチル安息香酸58g、濃硫酸420mlに氷冷下、硝酸カリウム42.8gをゆっくり加え、同温で2時間撹拌した。これを氷水2500mlに注ぎ、クロロホルムで抽出して、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して粗結晶を得た。これをn-ヘキサン:クロロホルム=10:1混液で洗浄して2,4,5-トリフルオロ-6-メチル-3-ニトロ安息香酸27.5gを得た。
【0097】
融点:108−109℃
IR (KBr) cm-1 : 1717, 1558, 1372
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.52 (d, 3H, J = 3Hz)
MS (m/z): 234 (M−H)-
【0098】
(2)前項で得られた化合物27.5g、N,N-ジメチルホルムアミド0.3mlのジクロロメタン400ml溶液に塩化オキザリル20.8gを滴下し、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下留去して酸クロリドを得た。ベンジルアルコール15g、トリエチルアミン17.8gのジクロロメタン300ml溶液に氷冷下、先に合成した酸クロリドのジクロロメタン200ml溶液を滴下し、同温で2時間撹拌した。1mol/L塩酸とクロロホルムを加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製し、2,4,5-トリフルオロ-6-メチル-3-ニトロ安息香酸ベンジルエステル29.2gを油状物として得た。
【0099】
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.38 (d, 3H, J = 3 Hz), 5.42 (s, 2H), 7.35-7.45 (m, 5H)
MS (m/z): 324 (M−H)-
【0100】
(3)前項で得られた化合物29.2gのエタノール400ml溶液に5%パラジウム−炭素3gを加え、水素気流下で7時間撹拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下留去して粗結晶を得た。これをクロロホルムで洗浄して3-アミノ-2,4,5-トリフルオロ-6-メチル安息香酸16gを得た。
【0101】
融点:144−145℃
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.12 (d, 3H, J = 3Hz), 5.57 (brs, 2H)
MS (m/z): 206 (MH+)
【0102】
(4)前項で得られた化合物16g、臭化第二銅87gを10%臭化水素酸320mlに懸濁させ、氷冷で亜硝酸ナトリウム6.5gの水40ml溶液を滴下し、室温で一夜撹拌した。再び氷冷し結晶を濾取後、水洗した。粗結晶をn-ヘキサンで洗浄し、3-ブロモ-2,4,5-トリフルオロ-6-メチル安息香酸16.4gを得た。
【0103】
融点:122−124℃
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.43 (d, 3H, J = 3Hz)
MS (m/z): 267, 269 (M−H)-
【0104】
(5)前項で得られた化合物10.5g、N,N-ジメチルホルムアミド0.3mlのジクロロメタン140ml溶液に塩化オキザリル9.4gを滴下し、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、酸クロリドを得た。別にマロン酸エチルカリウム9.3g、塩化マグネシウム6.3g及びトリエチルアミン13.8gを酢酸エチル150mlに懸濁させ、室温で7時間攪拌した。これを氷冷し、先に合成した酸クロリドの酢酸エチル50ml溶液を滴下し、室温で一夜攪拌した。酢酸エチルと1mol/L塩酸を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、3-ブロモ-2,4,5-トリフルオロ-6-メチルベンゾイル酢酸エチル11.5gを得た。
【0105】
融点:37−39℃
MS (m/z): 339, 341 (MH+)
【0106】
(6)前項で得られた化合物4.4gにオルトギ酸トリエチル2.9ml、無水酢酸3.3mlを加え1時間加熱還流した。減圧下反応液を濃縮し、更にトルエンを加えて共沸した。残渣をエタノール25ml溶液とし、これを2,6-ジアミノ-3,5-ジフルオロピリジン1.9gのエタノール40ml溶液に氷冷下で滴下した。同温で1時間攪拌した後、結晶を濾取し、N,N-ジメチルホルムアミド60mlに溶解した。これに炭酸カリウム2.9gを加え、室温で一夜攪拌した。これを氷水120mlに注ぎ、析出した結晶を濾取して、エタノールを加えて加温後、結晶を濾取して1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-ブロモ-6,7-ジフルオロ-1,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸エチルエステル3.9gを得た。
【0107】
融点:228−229℃
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.26 (t, 3H, J = 8Hz), 2.72 (d, 3H, J = 3Hz), 4.24 (q, 2H, J = 8Hz), 6.72 (s, 2H), 7.93 (t, 1H, J = 10Hz), 8.50 (s,1H)MS (m/z): 474, 476 (MH+)
【0108】
(7)前項で得られた化合物1.5g、3-アゼチジノール330mg、トリエチルアミン460mgのジメチルスルホキシド15ml溶液を室温で一夜攪拌した。冷水30mlを加えて析出した結晶を濾取し、エタノールで洗浄して標記化合物1.2gを得た。
【0109】
融点:257−259℃
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.25 (t, 3H, J = 7Hz), 2.60 (d, 3H, J = 3Hz), 3.96-4.12 (m, 2H), 4.21 (q, 2H, J = 7Hz), 4.33-4.68 (m, 3H), 5.66 (d, 1H, J = 5Hz), 7.88 (t, 1H, J = 10Hz), 8.33 (s, 1H)
MS (m/z): 527, 529 (MH+)
【0110】
[実施例2(B)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- ブロモ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸
【0111】
実施例2(A)で得られた化合物1.2g、エタノール12ml、2%水酸化ナトリウム水溶液28mlを60℃で6時間加熱した。反応液を活性炭処理し、80℃で加熱した濾液に1%酢酸水溶液56mlを滴下した。放冷した後、析出した結晶を濾取し、水洗して標記化合物700mgを得た。
【0112】
融点:257−260℃
IR (KBr) cm-1 : 3349, 1698, 1620
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.69 (d, 3H, J = 4Hz), 4.08-4.21 (m, 2H), 4.37-4.52 (m, 1H), 4.61-4.76 (m, 2H), 5.71 (d, 1H, J = 5Hz), 6.70 (s, 2H), 7.92 (t, 1H, J = 10 Hz), 8.65 (s, 1H), 15.00 (s, 1H)
MS (m/z): 499, 501 (MH+)
【0113】
[実施例3(A)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシ -3- メチルアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸エチルエステル
【0114】
(1)1-ジフェニルメチル-3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン7gをエタノール200mlに溶解し、10%パラジウム−炭素700mgを加え、水素気流下、50−55℃で接触還元を行った。理論量の水素を吸収させた後、触媒を濾去して減圧下溶媒を留去した。残渣にn-ヘキサンを加え、上澄み液をデカントし(40ml×3回)、ジフェニルメタンを除いた。残渣の溶媒を減圧下留去し、3-ヒドロキシ-3メチルアゼチジン酢酸塩3.93gを得た。
【0115】
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.34 (s, 3H), 1.77 (s, 3H), 3.47 (d, 2H, J =9.3Hz), 3.58 (d, 2H, J = 9.3Hz), 5.50-7.00 (br, 3H)
【0116】
(2)前項で得られた化合物620mgをジメチルスルホキシド15mlに溶解し、1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-クロロ-6,7-ジフルオロ-1,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸エチルエステル1.5gとトリエチルアミン1.22mlを加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液を氷水に注ぎ、析出結晶を濾取し、エタノールより再結晶した。濾取して得られた結晶を冷エタノール、次いでジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥して標記化合物990mgを得た。
【0117】
融点:234−236℃
IR (KBr) cm-1: 3382, 1694, 1625
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 1.25 (t, 3H, J = 7.1Hz), 1.39 (s, 3H), 2.60 (d, 3H, J= 3.5Hz) 4.10-4.30 (m, 6H), 5.55 (s, 1H), 6.65 (s, 2H),7.89 (t, 1H, J = 9.3Hz ), 8.28 (s, 1H)
MS (m/z): 497 (MH+ )
【0118】
[実施例3(B)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシ -3- メチルアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸
【0119】
実施例3(A)で得られた化合物900mgをエタノール9mlに懸濁し、1mol/LNaOH 3.8mlと水5.2mlを加えた。この混合液を50−60℃に加熱して30分攪拌した後、反応液を70−80℃に加熱し、酢酸0.22mlを滴下した。混合液を同温で30分攪拌した後、室温まで冷やして結晶を濾取し、エタノールより再結晶した。濾取して得られた結晶を冷エタノール、次いでジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥して標記化合物740mgを得た。
【0120】
融点:253−255℃
IR (KBr) cm-1: 3436, 3347, 1702, 1614
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.42 (s, 3H), 2.69 (d, 3H, J = 3.5Hz), 4.18-4.45 (m, 4H), 5.61 (s, 1H), 6.71 (s, 2H), 7.91 (t, 1H, J = 9.3Hz), 8.62 (s, 1H),15.01 (s, 1H)
MS (m/z): 468 (MH+ )
【0121】
[実施例4]
7-(3- アセトキシアゼチジン -1- イル )-1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ - 1,4- ジヒドロ -5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸
【0122】
(1)1-tert-ブトキシカルボニル-3-ヒドロキシアゼチジン5.2gのクロロホルム50ml溶液に、4-ジメチルアミノピリジン4.4gおよび無水酢酸4.23mlを順に加え、室温で一夜攪拌した。減圧下溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘキサン:酢酸エチル=5: 1)で精製し、3-アセトキシ-1-tert-ブトキシカルボニルアゼチジン6.45gを油状物として得た。
【0123】
IR (neat) cm-1: 1746, 1704
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.44 (s, 9H), 2.08 (s, 3H), 3.86-3.92 (m, 2H),4.20-4.26 (m, 2H),5.08-5.15 (m, 1H)
MS (m/z): 216 (MH+)
【0124】
(2)前項で得られた化合物804mgの塩化メチレン5ml溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸5mlを加えて同温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をジメチルスルホキシド15mlに溶解した。1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-クロロ-6,7-ジフルオロ-1,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸750mgとトリエチルアミン1.17mlを加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液を水75mlに注ぎ析出結晶を濾取し、水、エタノールで順次洗浄した。アセトニトリルを加え60℃で加温後、室温まで冷却して結晶を濾取し、乾燥して標記化合物809mgを得た。
【0125】
融点:236−238℃
IR (KBr) cm-1: 3393, 1733, 1623
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.07 (s, 3H), 2.69 (d, 3H, J = 3.3Hz), 4.37-4.41 (m,2H), 4.80 (m, 2H), 5.13 (m, 1H), 6.72 (s, 2H), 7.92 (t, 3H, J = 9.3Hz),8.64 (s, 1H)
MS (m/z) : 497 (MH+)
【0126】
[実施例5]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸 1,3- ジアミノ -2- プロパノール塩
【0127】
実施例1(B)で得られた化合物200mgにメタノール15mlおよび1,3-ジアミノ-2-プロパノール400mgを加え、65℃で加熱溶解した。同温で15分間保った後、酢酸エチル15mlを加え、メタノールを常圧で留去した。室温で放冷後、析出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して標記化合物198mgを得た。
【0128】
融点:122−123℃
IR (KBr) cm-1: 3380, 1639
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.38-2.63 (m, 4H), 2.67 (d, 3H, J = 3.3Hz), 3.21-3.45 (m, 2H), 4.11-4.23 (m, 2H), 4.40-4.53 (m, 2H), 4.59-4.68 (m, 2H), 5.58 (brs, 1H), 6.68 (s, 2H), 7.89 (t, 1H , J = 9.6Hz), 8.42 (s, 1H)MS (m/z): 455 (MH+), 91
【0129】
[実施例6−14]
実施例5に記載の方法と同様にして、以下の、1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-クロロ-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-7-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸塩を得た。
【0130】
【表3】
Figure 2005232000
【0131】
[実施例15]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸 ナトリウム塩
【0132】
実施例1(B)で得られた化合物300mgに水10ml、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.66mlおよびアセトニトリル5mlを加え、65℃にて加熱溶解した。減圧下で大部分の溶媒を留去し、アセトニトリル15mlを加えて70℃で加温した。室温で放冷後、結晶を濾取し、アセトニトリルで洗浄して標記化合物243mgを得た。
【0133】
融点:240−242℃(分解)
IR (KBr) cm-1: 3344, 1632
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.63 (d, 3H , J = 3.3Hz), 3.93-4.09 (m, 2H),4.34-4.62 (m, 3H), 5.64 (brs, 1H), 6.56 (s, 2H), 7.84 (t, 1H , J = 9.6Hz), 8.03 (s, 1H)
MS (m/z): 477 (M++Na), 455 (MH+)
【0134】
[実施例16]
実施例15に記載の方法と同様にして次の化合物を得た。
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸カリウム塩
【0135】
融点:221−223℃(分解)
【0136】
[実施例17(A)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸 2- (N,N - ジメチルアミノ)エチルエステル
【0137】
実施例1(B)で得られた化合物300mgをN,N-ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、これに、塩酸N,N-ジメチルアミノエチルクロリド114mg、炭酸カリウム218mgおよびヨウ化カリウム11mgを加え、10分間撹拌し、更に、50−60℃で4時間撹拌した。氷水を加え、クロロホルムにて抽出し、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム:メタノール=20:1)で精製して、標記化合物309mgを得た。
【0138】
融点:106−107℃
【0139】
[実施例17(B)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -7-(3- ヒドロキシアゼチジン -1- イル )-5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸 2- (N,N - ジメチルアミノ)エチルエステル塩酸塩
【0140】
実施例17(A)で得られた化合物309mgに、エタノール8mlおよび30%塩酸−エタノール0.08mlを氷冷下加え、10分間撹拌した。ジイソプロピルエーテル8mlを加え、結晶を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して標記化合物259mgを得た。
【0141】
融点:162−163℃
IR (KBr) cm-1: 3367, 1728, 1618
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.62 (d, 3H, J = 3.3Hz), 2.85 (s, 6H), 3.38-3.48 (m, 2H), 3.98-4.13 (m, 2H), 4.32-4.68 (m, 5H), 5.68 (d, 1H , J = 5.5Hz), 6.62 (s, 2H), 7.90 (t, 1H , J = 9.8Hz), 8.42 (s, 1H)
MS (m/z): 526 (MH+)
【0142】
[実施例18−30]
実施例17(A)及び(B)に記載の方法と同様にして、以下の、1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-クロロ-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-7-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸エステルを得た。
【0143】
【表4】
Figure 2005232000
【0144】
[実施例31(A)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-7-{3-[(2S)-2-(tert- ブトキシカルボニルアミノ ) プロピオニルオキシ ] アゼチジン -1- イル }-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸
【0145】
(1)実施例1(A)の(1)項で得られた化合物25gを酢酸:水:硫酸=8:6:1の混合液250mlに懸濁し、90−100℃で加熱して7時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ析出結晶を濾取し、水洗した後クロロホルム−アセトニトリル混液で溶解し、活性炭処理した。その後、常圧で溶媒を少し留去して氷冷し、析出結晶を濾取した。結晶を冷アセトニトリル次いでジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥して1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-クロロ-6,7-ジフルオロ-1,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸 20.6gを得た。
【0146】
融点:237−239℃
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.82 (d, 3H, J = 2.8Hz), 6.78 (s, 2H), 7.97 (t, 1H, J = 9.7Hz ), 8.84 (s, 1H)
【0147】
(2)前項で得られた化合物13.8gを テトラヒドロフラン150mlに溶解し、N-メチルモルホリン7.5ml、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド19.0gおよびベンジルアルコール7.1mlを加え、室温で68時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗し、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し活性炭処理して溶媒を減圧下留去した。残渣をアセトニトリルより再結晶し、析出結晶を濾取した。結晶を冷アセトニトリル次いでジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥して1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-クロロ-6,7-ジフルオロ-1,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸ベンジルエステル15.0gを得た。
【0148】
融点:166−167℃
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.86 (d, 3H, J = 3.0Hz), 4.74 (s, 2H), 5.36 (s, 2H), 7.23-7.47 (m, 6H), 8.38 (s, 1H)
MS (m/z): 492 (MH+ )
【0149】
(3)前項で得られた化合物9.0gをアセトニトリル360mlに懸濁し、室温で 3-アゼチジノール2.94gを加え、70−80℃で48時間加熱した。反応終了後、反応液を減圧下濃縮し、氷水に注いで析出結晶を濾取した。水洗した後、クロロホルム−アセトニトリル混液で溶解し活性炭処理した。常圧で溶媒を少し留去して氷冷し、析出結晶を濾取した。結晶を冷アセトニトリル次いでジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥して1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-8-クロロ-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-7-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸ベンジルエステル8.81gを得た。
【0150】
融点:229−232℃
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.60 (d, 3H, J = 3.3Hz), 4.04-4.07 (m, 2H), 4.40-4.46 (m, 2H), 4.60 (m, 2H), 5.25 (s, 1H), 5.66 (d, 1H, J = 5.9Hz), 6.65 (s, 2H), 7.30-7.46 (m, 5H), 7.88 (t, 1H, J = 9.9 Hz), 8.34 (s, 1H)
MS (m/z): 545 (MH+ )
【0151】
(4)前項で得られた化合物550mgとN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニン480mgをピリジン10mlに溶解し、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド 塩酸塩580mgを加え室温で30時間攪拌した。反応終了後、反応液を氷水にあけ析出固体を濾取し、水洗した。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム)で精製して1-(6-アミノ-3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)-7-{3-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニルオキシ]アゼチジン-1-イル}-8-クロロ-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソキノリン-3-カルボン酸ベンジルエステル 520mgを泡状物質として得た。
【0152】
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.46-1.38 (m, 12H), 2.75 (d, 3H, J = 3.5Hz), 4.26-4.37 (m, 3H), 4.67-4.79 (m, 4H), 4.94-4.98 (m, 1H), 5.20-5.24 (m, 1H), 5.35 (s, 2H), 7.20-7.47 (m, 6H), 8.34 (s, 1H)
【0153】
(5)前項で得られた化合物520mgをジオキサン20mlに溶解し、5%パラジウム−炭素100mgを加え常圧,室温で水素気流下、接触還元を行った。理論量の水素を吸収させた後触媒を濾去し、濾液の溶媒を減圧下留去して標記化合物430mgを泡状物質として得た。
【0154】
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.36-1.50 (m, 12H), 2.77 (d, 3H, J = 3.5Hz), 4.25-4.51 (m, 3H), 4.72-4.97(m, 5H), 5.23-5.27 (m, 1H), 7.26(t, 1H, J = 12.0 Hz), 8.63 (s, 1H)
【0155】
[実施例31(B)]
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-7-{3-[(2S)-2- アミノプロピオニルオキシ ] アゼチジン -1- イル }-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸 p- トルエンスルホン酸塩
【0156】
実施例31(A)で得られた化合物430mgをクロロホルム10mlに溶解し、p-トルエンスルホン酸・1水和物133mgを加え、室温で20時間攪拌した。反応液を室温で減圧下濃縮した後、残渣をアセトニトリルより再結晶し、析出結晶を濾取した。結晶を冷アセトニトリル、次いでジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥して標記化合物210mgを得た。
【0157】
融点:227−232℃(分解)
IR (KBr) cm-1: 3339, 2947, 1718, 16181H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.39 (d, 3H, J = 12.3Hz), 2.28 (s, 3H), 2.70 (d, 3H, J = 3.5Hz), 4.19 (q,1H, J = 7.0Hz ), 4.40-4.51 (m, 2H), 4.82-4.90 (m, 2H), 5.25-5.34 (m, 1H), 6.72 (s, 2H), 7.10 (d, 2H, J = 9.0Hz), 7.47 (d, 2H, J = 9.0Hz), 7.92 (t, 1H, J = 9.0Hz), 8.06-8.50 (br, 3H), 8.65 (s, 1H)
MS (m/z): 526 (MH+ )
【0158】
[実施例32]
実施例31(A)及び(B)に記載の方法と同様にして次の化合物を得た。
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-7-{3-[(2S)-2,6- ジアミノヘキサノイルオキシ ] アゼチジン -1- イル }-8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸二 p- トルエンスルホン酸塩
【0159】
融点:170−180℃(分解)
【0160】
[実施例33]
実施例31(A)及び(B)に記載の方法と同様にして次の化合物を得た。
1-(6- アミノ -3,5- ジフルオロ -2- ピリジル )-7- 3-[(2S)-2- アミノ -3-(4- ヒドロキシフェニル ) プロピオニルオキシ ] アゼチジン -1- イル} -8- クロロ -6- フルオロ -1,4- ジヒドロ -5- メチル -4- オキソキノリン -3- カルボン酸 p- トルエンスルホン酸塩
【0161】
融点:180−190℃(分解)
【0162】
[実施例A]
錠剤の製法
【0163】
実施例1(B)の化合物 250g
コーンスターチ 54g
カルボキシメチルセルロース−Ca 40g
微結晶セルロース 50g
ステアリン酸マグネシウム 6g
【0164】
上記各成分をエタノールとともに混合し、常法により顆粒化し、打錠して200mg重量の錠剤2000錠を得た。
【0165】
【発明の効果】
本発明化合物はいずれも新規化合物であり、各種の病原菌に対して優れた抗菌活性を有し、さらに医薬としての高い安全性及び良好な体内動態も兼ね備え抗菌剤として有用である。本発明化合物はMRSAに対しても極めて優れた抗菌活性を示し、特にMRSA感染症治療剤として有用である。

Claims (10)

  1. 下記式で表される化合物(I)又はその塩。
    Figure 2005232000
    [式中、Xはハロゲン原子を意味し、
    1は水素原子又はアシル基を意味し、
    2は水素原子又は低級アルキル基を意味し、
    3はエステル化されていてもよいカルボキシル基を意味する。]
  2. Xが塩素原子又は臭素原子であり、R1が水素原子、低級アルカノイル基又は保護されていてもよいアミノ酸残基であり、R2が水素原子又は低級アルキル基であり、R3はエステル化されていてもよいカルボキシル基である請求項1記載の化合物(I)又はその塩。
  3. Xが塩素原子又は臭素原子であり、R1が水素原子、アセチル基、アラニル基、チロシル基又はリジル基であり、R2が水素原子又はメチル基であり、R3がエステル化されていてもよいカルボキシル基である請求項1または2記載の化合物(I)又はその塩。
  4. Xが塩素原子であり、R1及びR2が水素原子であり、R3がエステル化されていてもよいカルボキシル基である請求項1または2記載の化合物(I)又はその塩。
  5. Xが臭素原子であり、R1及びR2が水素原子であり、R3がエステル化されていてもよいカルボキシル基である請求項1または2記載の化合物(I)又はその塩。
  6. Xが塩素原子であり、R1が水素原子であり、R2がメチル基であり、R3がエステル化されていてもよいカルボキシル基である請求項1または2記載の化合物(I)又はその塩。
  7. Xが塩素原子であり、R1がアセチル基であり、R2が水素原子であり、R3がエステル化されていてもよいカルボキシル基である請求項1または2記載の化合物(I)又はその塩。
  8. 3がカルボキシル基である請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物(I)又はその塩。
  9. 3がエステル化されたカルボキシル基であって、そのエステル部分がジ低級アルキルアミノ低級アルキル基または環状アミノ低級アルキル基である請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物(I)又はその塩。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物(I)又はその塩を有効成分とするメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症治療剤。
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